JPH07287015A - 生体液中アナライトの遊離部分の測定方法 - Google Patents

生体液中アナライトの遊離部分の測定方法

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JPH07287015A
JPH07287015A JP10160794A JP10160794A JPH07287015A JP H07287015 A JPH07287015 A JP H07287015A JP 10160794 A JP10160794 A JP 10160794A JP 10160794 A JP10160794 A JP 10160794A JP H07287015 A JPH07287015 A JP H07287015A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 内因性受容体に結合したアナライトと、内因
性受容体に結合していない遊離アナライトが平衡してい
る状態の生体液中における遊離アナライト部分の測定方
法であって、 a. 生体液、標準液、ラベル化外因性受容体および、ラ
ベル化外因性受容体とは結合するが内因性受容体とは実
質的に反応しない固相化アナライト類を用い、 b. 平衡を乱すには十分であるが、内因性受容体に結合
したアナライトを全て遊離させるには不十分な量のラベ
ル化外因性受容体を生体液中に加えて、アナライトと内
因性受容体との複合体よりアナライトの一部を遊離さ
せ、系中の全遊離アナライト量を測定し、 c. 標準液との対照により、b.により求めた全遊離ア
ナライト量から当初の生体液中の遊離アナライト濃度を
定めることを特徴とする方法。 【効果】 本発明方法によれば、遊離チロキシン等のよ
うに生体液中に微量にしか存在しない遊離アナライトを
も安定に、かつ精度・再現性良く測定することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体液中の生理活性物
質の遊離部分の測定方法に関し、更に詳細には、例えば
チロキシンやトリヨードチロニン等遊離の状態でその生
理活性をもたらすため、医学的な診断上有用な情報をも
たらす生理活性物質の遊離部分の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遊離の状態で生理活性をもたらす生理活
性物質の遊離部分(以下、「遊離アナライト」という)
の濃度測定は、古くは放射性物質を利用しての平衡透析
法または吸収率やインデックス値をもとにした要素と、
これとは別に測定した遊離アナライトと内因性受容体と
結合したアナライトを総じた濃度つまりトータルの濃度
とを組み合わせて遊離アナライトの濃度を算出する方法
が行われていた。
【0003】しかし、その要素を測定する方法は操作的
にも煩雑であり、測定に長時間を要し、また種々の要因
で測定結果が大きく変動する極めて非日常的な方法であ
って、現在では特殊な用途を除いては使用されていな
い。 また2つの測定方法に基づいての遊離アナライト
濃度の測定は、操作的に煩雑であるばかりでなく、その
分だけ信頼性も低下するものであり、これに代えて一回
または一連の測定操作での遊離アナライトの測定法が開
発された。
【0004】例えば、クリニカル・アッセイ(英国特許
第2030290号)の方法は、まず、1回目のインキ
ュベーションにおいて生体液中の遊離アナライトを固相
化された外因性受容体に結合させ、次いで試料の除去後
に2回目のインキュベーションにおいてラベル化アナラ
イトを残存する未結合の受容体に反応させ、その後残存
するラベル化アナライトを除去し、固相化受容体に結合
したラベル化アナライトの量を遊離アナライト量に相関
させるもので、2種類の測定操作により遊離アナライト
量を測定してきた従来の方法に対し、一連の測定操作に
て目的が達成されるという利点を有するものであった。
【0005】しかし、上記方法もインキュベーションと
洗浄操作が各2回づつあり煩雑であることや、第二イン
キュベーション時に外因性受容体に結合したアナライト
が遊離してくるドリフト現象の影響も受け易い欠点があ
った。
【0006】上記方法の欠点を解消するものとして、1
回のインキュベーションで、しかもこれまでの方法とは
異なり遊離アナライトを直接測定する方法が開発されて
いる。
【0007】例えば、ジョン・エドワード・ミッドグレ
イらの直接遊離アナライトを測定する方法(特公昭63
−7621号)は、化学的に修飾されたリガンド誘導
体、つまり内在蛋白性リガンド結合剤(内因性受容体)
に対する結合性を著しく低下させたリガンド誘導体を用
いることにより1回のインキュベーションでの測定が可
能となる技術であり、遊離チロキシン濃度の測定などに
おいて実用化されている。
【0008】この方法は、ラベル化物質として従来の
125Iチロキシンを1回のインキュベーションで用いた
場合、その一部がチロキシン内因性受容体に結合してし
まい測定上不都合を生じるという欠点を解消するため、
例えばチロキシンの誘導体によりチロキシンの内因性受
容体に対する結合性を低下させる技術を用いたものであ
り、その結果、1回のインキュベーションで直接遊離チ
ロキシン濃度の測定が可能となった。
【0009】上記方法に用いられたラベル化チロキシン
誘導体は、内因性受容体のうち、TBG、TBPAの結
合部位との結合性を低下させることができたが、特にア
ルブミンに対しては実際にまだかなりの割合で結合する
ものであった。
【0010】また、この方法では、チロキシンとその内
因性受容体との平衡性を乱さないように測定系が設定さ
れているため、抗体とそれに対応するラベル化誘導体、
すなわちラベル化チロキシン誘導体の量をできる限り少
ない量としているのに対し、アルブミンは血中にはおよ
そ40〜50mg/mlの濃度で存在し、数十pg/m
lで使われるラベル化チロキシン誘導体に対して莫大な
濃度比になる。
【0011】従って、アルブミンに対する結合力を低下
させたとしても、アルブミンとの結合力が僅かでも存在
する際には、量的な違いは少なからぬ影響を及ぼすと予
想され、その結果、実用化された測定系は1回のインキ
ュベーションによる測定が可能であっても、内因性因子
であるアルブミンの影響を免れえないものであった。
【0012】一方、ジョン・セシル・チャールトンらの
遊離アナライト濃度の測定法の技術(特公平3−263
46号)は、外因性受容体にラベル化を行いアナライト
を不溶化する方法を用いたもので、従来よりある抗原固
相、ラベル化抗体を用いる免疫学的測定法をそのまま用
いた方法である。 ジョン・エドワード・ミッドグレイ
らの方法はアルブミンの影響をある程度受けるものであ
ったが、この方法では不溶化アナライトを用いている結
果、その影響は緩和されている。
【0013】しかしこの方法は、生体液中のアナライト
と内因性受容体−アナライト複合体との平衡(以下、
「平衡関係」という)を実質的に影響させない状態で遊
離アナライト濃度の測定を直接に行うものであり、この
技術は実際の測定に際しては多くの制約があり、極めて
限定された条件でのみ成立する特異な方法である。
【0014】すなわち上記方法においては、平衡関係に
影響を与えないために、使用するラベル化外因性受容体
のアナライトに対する親和性は高くなく、かつその使用
量は遊離アナライト量に相対して少なく用いなければな
らないという制限がある。そして、このような不利な条
件で微量の遊離アナライトを直接にしかも再現良く安定
に測定するのは技術的に大きな困難があり、高度の外因
性受容体ラベル化技術などを持って初めて実用化するも
のでもある。
【0015】つまり、遊離アナライト量よりも大過剰に
ラベル化外因性受容体を用いた場合には平衡関係に影響
を与えるおそれがあるため、ラベル付き外因性受容体の
量は平衡を実質的に影響するには不十分な量でなければ
ならないとされるが、遊離アナライトの濃度が極めて低
い場合にはそれに応じてラベル化外因性受容体の量も相
対的に低くし、平衡関係に影響を与えないようにするこ
とが必要になる。
【0016】特に、臨床的に重要視されている遊離チロ
キシン測定を例にとれば、遊離チロキシンの濃度は2.
15ng/dlと極めて微量であるため、平衡関係に影
響を与えないラベル化外因性受容体の量は対応して微量
となり、十分な標識量をラベル化外因性受容体に如何に
与えるかということが新たな問題として浮かび上がって
くる。
【0017】すなわち、放射免疫学的測定法に汎用され
125Iをラベル化に選択した場合、放射活性計測の信
頼性をもたせるために使用される放射能量は1測定あた
り1kBq以上が適当とされ、遊離チロキシン濃度の測
定においても同程度の放射能量が信頼性のために適当と
考えられる。
【0018】しかし、平衡関係に影響を与えずに遊離チ
ロキシン濃度を測定するためには、微量のラベル化外因
性受容体にこの放射能量を負荷させることが必要となる
が、125Iラベル化外因性受容体量の安定性はその放射
比活性が高いほど不良となるので、放射活性計測の信頼
性を持たせ、同時に放射化学的な安定性を維持するには
ラベル化外因性受容体の標識に極めて高度の技術が要求
され、例えばその技術の実例として用いられている様に
ラベル化された第二抗体で2回目のインキュベーション
を行う方法やさらに別の検出法を用いるなど煩雑な他の
技術と組み合わせにより初めて達成される性質のもので
ある。
【0019】また、ミッドグレイ、ジョン・エドワード
・マウリスの方法(特表平3−502243号)は、外
因性受容体にモノクローナル抗体を用い、固相化リガン
ド(固相化アナライト)にリガンドの同族体を用いるこ
とを特徴とする方法であり、ラベル化外因性受容体を作
製する際に従来のポリクローナル抗体に代えモノクロー
ナル抗体を用いる利点と同族体を固相化に使用するため
に内因性受容体の影響、特に自己抗体の影響を大幅に緩
和する利点を持つ方法である。
【0020】しかし、ミッドグレイらの方法も原理的に
は前法と同様であり、同族体結合部位(受容体に結合し
たアナライト)の濃度と遊離リガンド(遊離アナライ
ト)の濃度がインキュベーションの開始時と終了時にお
いて実質的等しくし、平衡関係を乱さない様に遊離アナ
ライトを直接測定する方法であって、この方法の本質的
特徴は外因性受容体と同族体の結合親和性が外因性受容
体との遊離リガンドの結合親和性が0.01〜10%の
結合親和性をもつ同族体を選択利用することにあるとい
わざるを得ない。
【0021】固相化リガンドは、リガンドそのものより
内因性受容体の影響を軽減するものであるが、内因性受
容体の何れからの影響をも全く回避できるというわけで
はなく、内因性受容体の何らかの影響をうけるものであ
る。 そして、一定量の内因性受容体に対し影響を受け
る固相化リガンドは、固相化リガンドを多く用いた場合
の方が、少なく用いられる場合にくらべ固相化リガンド
全体から見た影響度は少なくなると言う必然的な原理を
利用している、
【0022】ミッドグレイ等の方法は、固相化リガンド
を多く用いたいがために、遊離リガンドの結合親和性の
0.01〜10%の結合親和性をもつ同族体つまり低親
和性の同族体を固相用のリガンドに選定している。この
理由は、もし、固相にアナライト自体を多量に用いた場
合には測定上有効な競合ができなくなるからである。
つまり、一定量のラベル化外因性受容体に対し多量の固
相化アナライトが優先して反応してしまうために、遊離
チロキシンのような微量の遊離アナライトが競合する余
地がなくなり、測定上有効な競合が成立しないことを意
味するのである。
【0023】確かに、低親和性の同族体を用いた固相化
リガンドを多く使うことにより内因性受容体、特に自己
抗体の影響を大幅に低減することはできるが、これは自
己抗体が固相化リガンド同族体に全く結合させなくした
ものではなく、免疫反応を利用する限りにおいて固相化
リガンドに対しラベル化抗体と自己抗体を厳密に区別す
ることができないためである。
【0024】また、前2者に先立ちエキンズ・ロジャー
・フィリップ(特公平6−16046号)によりジョン
・セシル・チャールトン等と同様にラベル化外因性受容
体と固相化リガンドを用いる技術が開示されている。こ
の技術は、ジョン・セシル・チャールトン等の方法と同
様に不溶化されたアナライトに外因性受容体が結合する
ことを基本原理とするが、利用する不溶化されたリガン
ド(アナライト)として、外因性アナライト受容体とは
結合するが内因性アナライト受容体(内因性受容体)の
何れとも結合しないものを利用する点において相違する
ものであり、ジョン・セシル・チャールトン等の方法で
の問題点の他、上記条件を満たす不溶化されたリガンド
(アナライト)の選択の面において制約を有するもので
ある。
【0025】更に、前記した各方法で用いられる固相技
術においては、不溶化または固相化のためにセファロー
スやセルロース粒子が用いられているが、これらの粒子
はあまりにも大きく、殆ど良好な分散は期待できないと
いう問題がある。 また、プラスチック試験管等に固相
化する技術には、一般的に液相との反応性が低いという
問題がある。 更に、アナライトの性質から見て、固相
化アナライト類の作製において煩雑で高度の技術を要す
るという一般的な問題もあった。
【0026】前記のように、例えば平衡関係に影響を与
えない極めて限定された条件で微量の遊離アナライトを
直接測定する環境においては、固相化アナライト類の良
好な分散性や反応性が良好な測定を行うには重要な要素
でありながら、既存の技術ではこのような微量の遊離ア
ナライトの測定に適する固相化方法については何も検討
されていなかった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】生体液中の遊離アナラ
イト濃度を測定する方法として現在受け入れられている
方法は1回のインキュベーションによる方法であるが、
何れも平衡を崩さずに遊離アナライトを直接測定してい
るために極めて厳密に管理された条件において達成され
るもので、仮に放射免疫学的手法を用いた場合現在の技
術を用いたとしても極めて高度で特異な技術を要するも
のであった。特に、微量な遊離チロキシン量や遊離トリ
ヨードチロニン量を測定する場合には、生体液中でこれ
らの量を直接測定する場合に極めて高感度が必要とさ
れ、また遊離アナライトと内因性受容体との平衡関係に
影響を与えないで当遊離アナライト量を直接測定するの
は厳密な条件が必要となるため、極めて高度で特異な技
術を要する。
【0028】すなわち、アナライトに対する親和性が高
くない外因性受容体やラベル化外因性受容体等の量を遊
離アナライトの量に対応して低く管理しなければならな
い条件で微量の遊離アナライトを直接測定するには、外
因性受容体のアナライトに対する親和性が高い場合は平
衡関係に影響し、また低いと微量の遊離アナライト濃度
を直接測定するには感度的に不十分となるため、外因性
受容体のアナライトに対する親和性を極めて限られた範
囲に設定する必要があり、これら相反する条件で良好な
測定結果を得ることは極めて困難である。
【0029】また、ラベル化に放射免疫学的測定法を用
いた場合には、放射活性計測上適当な量の放射能量を微
量の外因性受容体もしくはアナライト類に荷することに
なり、高い放射比活性を維持したまま安定性を維持しな
ければならず、現在の技術ではこれは困難であるとの認
識があり、これを満足するには更に一段の技術改良が要
求され、もしくは他の技術の組み合わせが必要となる。
【0030】一方、低く管理されたラベル化アナライト
類や固相化アナライトは内因性受容体の影響を数学的に
ゼロとしない限りは低く管理された分だけ内因性受容体
の影響を受け易くなる。このように平衡関係に影響をし
ないように管理する条件と実際の測定上好ましい条件と
も相反する。
【0031】以上のような点から見て、現在提案されて
いる1回のインキュベーションによる方法は、特に低濃
度の遊離アナライトを測定する方法としては満足の行く
ものではなく、更に改良された遊離アナライトの測定方
法の提供が求められていた。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、遊離アナ
ライトの測定方法に関し、反応系中における各成分の挙
動を中心に種々検討を加えた結果、平衡関係を乱さない
で遊離アナライトを測定しなければならないとする従来
の測定方法の原則にこだわる必要はなく、あえて平衡関
係を乱して遊離アナライトを測定しても、正確に当初の
遊離アナライト(外因性受容体を加える以前から被検体
中に存在する遊離アナライトを意味する。 以下同じ)
の量を定めることができることを見出した。すなわち、
測定に多量の外因性受容体とこれに対応した固相化アナ
ライト類の量を用い、当初の遊離アナライトと内因性受
容体との複合体から遊離してきたアナライトとを合せて
測定しても、これを生体液と同様の平衡関係をもつ標準
液に対照することにより当初の遊離アナライト部分の量
の測定が可能であることを見出した。
【0033】従って本発明は、内因性受容体に結合した
アナライトと、内因性受容体に結合していない遊離アナ
ライトが平衡している状態の生体液中における遊離アナ
ライト部分の測定方法であって、 a. 生体液、標準液、アナライトに対するラベル化外因
性受容体および固相化アナライト類を用い、 b. 固相化アナライト類としてラベル化外因性受容体と
は結合するが内因性受容体とは実質的に反応しないもの
を用い、 c. 平衡を乱すには十分であるが、内因性受容体に結合
したアナライトを全て遊離させるには不十分な量のラベ
ル化外因性受容体を生体液中に加えて、アナライトと内
因性受容体との複合体よりアナライトの一部を遊離さ
せ、系中の全遊離アナライト量を測定し、 d. 標準液との対照により、c.により求めた全遊離ア
ナライト量から当初の生体液中の遊離アナライト濃度を
定めることを特徴とする方法である。
【0034】本発明方法により測定されうる遊離アナラ
イトとしては、ホルモン、生化学的伝達体、ステロイ
ド、医薬品、医薬品代謝産物、ポリペプチド、タンパク
質、ビタミン、腫瘍抗原、毒素、アルカロイド、種々の
糖類等の遊離部分が挙げられる。 このうち、特に生体
液中における存在割合の少ない遊離アナライト、例え
ば、遊離チロキシンや遊離トリヨードチロニンに適用す
ることが好ましい。
【0035】本発明方法の実施に使用される固相化アナ
ライト類は、固相化材料にアナライト類を結合ないし担
持せしめたものである。 固相化に用いられる材料とし
ては、同様な目的に使用される各種のプラスチックの
他、ガンマグロブリン、アルブミン等の蛋白質、ポリリ
ジン等のペプチド類、セルロース、セファロース等の多
糖類が挙げられる。
【0036】また、固定化されるアナライト類として
は、アナライトそのものでなくても良く、ラベル化外因
性受容体と結合する物質であればその類縁物質や代謝物
質であってもよい。 しかし、このアナライト類は、固
定化後内因性受容体とは実質的に反応しないものである
必要がある。 アナライト類と前記固定化材料との結合
は、利用するアナライト類および固相化材料に応じ、そ
れぞれ適した公知方法を採用することができる。
【0037】固定化アナライト類の形状としては、従来
の測定方法で汎用されている、ビーズ等の粒子やポリス
チレンチューブ等の容器の形状であっても良いが、微量
にしか存在しない遊離アナライトを測定する場合には後
記するような微粒子状であることが好ましい。
【0038】すなわち、例えば遊離チロキシンや遊離ト
リヨードチロニン濃度の測定においては、その生体液中
の濃度が極めて低く、遊離チロキシン濃度の正常上限は
およそ2.15ng/dl、遊離トリヨードチロニン濃
度のそれは5.8pg/mlとされるが、このような微
量物質の測定においては、従来より特にその感度が一つ
の重要な要素になる。 そして、抗原と抗体等の反応が
同一液相内で進行する場合に比べて、そのどちらかが不
溶化された状態での反応、いわゆる不均一な環境での反
応が進行する場合、一般にその反応性は低いとされ、ラ
ベル化外因性受容体と固相化アナライト類を用いる遊離
アナライト濃度の測定においても同様である。
【0039】しかるに、従来のアナライトを不溶化する
のに用いられた固相の形状は、ポリスチレンチューブ、
ガラスチューブ等の容器そのものであったり、セファロ
ース、セルロースやポリスチレン等の粒子であり、その
形状、表面積、沈降性等からみて、これらで固相化され
た固相化アナライト類が液相のラベル化外因性受容体お
よび遊離アナライトとの反応に十分関与することは期待
できない。 また、早い沈降性を有する固相はそれだけ
でなく、その物質が含まれる試薬を測定のために分注す
る際にしばしば不都合を生じる。 特に、試薬の分注に
あたり時間がかかる場合には分注の間に試薬中の固相化
アナライト類が沈降してしまい、その時点で測定が成立
しないかまたはそれに起因して測定上の過誤を生じる危
険をはらんでいる。
【0040】このような従来の固相化方法の有する問題
を回避し、限られた測定時間において良好な結果を得よ
うとする場合には、これらの固相化アナライト類に高い
反応性を求める必要があり、それには固相化アナライト
類が液相と同化する条件を選択する必要がある。
【0041】上記課題解決の手段の一つとしては、不溶
化固相をある適当な条件のもとに微粒子化させることが
挙げられる。 ここでいう適当な条件とは、遊離アナラ
イトを測定している時間においてある程度の分散、懸濁
状態を維持することである。この条件を満たす程度の微
粒子の大きさは、固相化に用いる材料によっても異なる
が、例えば5〜200μmの粒径の範囲である。 ま
た、その比重も検討すべき因子であり、微粒子に測定系
の比重と近いものを選ぶことが好ましい。
【0042】本発明方法に用いることのできる特に好ま
しい固相化用微粒子としては、グルタルアルデヒドを用
い不溶化させたガンマグロブリンを挙げることができ
る。このガンマグロブリンを用いる方法によれば、高度
の技術を必要とせず、チューブやポリスチレン等の担体
を予め用意する必要はなく、しかも簡単に、かつ大量に
固相化用微粒子を製造することができるので、他の微粒
子製造に比較して遥に低い製造コストで固相化アナライ
トが得られ、経済的にも有利である。
【0043】また、固相化用微粒子の大きさは、ガンマ
グロブリンの濃度とグルタルアルデヒド濃度を適当に変
えることにより自在に調製することが可能であり、アナ
ライトに応じた大きさの固相化用微粒子を自由に調製す
ることが可能である。
【0044】さらに、生体液中のアナライトはアミノ基
を有する物質であることが多く、またそうでなくても容
易にアミノ基を導入できる物質が多いが、ガンマグロブ
リンによる固相化用微粒子はアミノ基と簡単に結合でき
る特徴があり、しかも微粒子の結合キャパシティーが非
常に大きいので、サンドイッチ法の固相抗体用にも優れ
た適性を示す。 更にまた、結合が物理的吸着ではな
く、化学的結合法なので、固相化材料から結合物質が遊
離する現象は起こりにくい利点もある。
【0045】上記の如くして得られる微粒子状の固定化
アナライト類(以下、「微粒子化アナライト類」という
ことがある)は、良好な分散状態を維持し、わずか1時
間程度のインキュベーション時間においてもラベル化外
因性受容体との高反応性を得ることができるものであ
る。
【0046】本発明方法においては、固相化アナライト
類の見かけの量(固相化されたアナライト類の免疫学的
な活性量)も当初遊離アナライトの量に比較して過剰に
用いることができる。この固相化アナライト類の見かけ
の量も測定するアナライトに応じて定める必要がある
が、例えば、遊離チロキシン測定の場合は当初の遊離チ
ロキシンの50〜1500倍程度、遊離トリヨードチロ
ニン測定の場合は当初の遊離トリヨードチロニンの10
〜500倍程度の量を使用すれば良い。
【0047】本発明方法においては、従来の技術と異な
り、積極的に平衡関係を乱し、アナライトと内因性受容
体との複合体よりアナライトの一部を遊離させる必要が
あり、そのためにラベル化外因性受容体のアナライトに
対する親和性は、内因性受容体のアナライトに対する親
和性に応じて高いことが必要であり、また、その目的の
ために遊離アナライトの濃度より過剰のラベル化外因性
受容体を用いることが必要である。
【0048】ラベル化外因性受容体としては、アナライ
トに対し高い親和性を有するラベル化抗体、特にラベル
化モノクローナル抗体であることが望ましい。 また、
ラベルは、ラジオアイソトープ、酵素、蛍光物質等公知
のものを利用することができる。
【0049】このラベル化外因性受容体は、前記のよう
に生体液中に存在する当初遊離アナライトの量より過剰
に用いる必要があるが、アナライトと内因性受容体との
複合体より全てのアナライトが遊離される量であっては
ならず、その具体的量は測定する遊離アナライトの種類
によってそれぞれ定める必要がある。
【0050】例えば、遊離チロキシンを測定する場合
は、当初の遊離チロキシンの30〜200倍程度の量の
ラベル化外因性受容体を用いれば良く、また遊離トリヨ
ードチロニンを測定する場合は、当初の遊離トリヨード
チロニンの50〜300倍の量を使用すれば良い。
【0051】本発明方法を実施するには、一定量の被検
検体に所定量の固相化アナライト類およびラベル化外因
性受容体を加え混合した後、室温ないし45℃程度の温
度、好ましくは37℃程度の温度で10分〜3時間程度
好ましくは30分以上反応させ、この反応系から例えば
遠心分離等の手段で固相を分離後、その放射能量を測定
し、この値を標準液について同様方法で作成した標準曲
線と比較し、遊離アナライト量を求めれば良い。
【0052】なお、遊離アナライト濃度の測定に、微粒
子化アナライト類を用いた場合、遠心分離法等による固
液分離の際に遠心分離後の沈査の安定性が悪く、その後
の上清の分離時に不都合が生じることがある。このよう
な場合には、本発明者らが考案したポリビニル酢酸樹脂
を用いる技術(特開平3−154868号参照)に従
い、沈査の安定性を向上させ、液相より微粒子化アナラ
イトを分離すれば良い。
【0053】具体的に、遊離アナライトとして遊離チロ
キシン、ラベル化外因性受容体として125I標識抗チロ
キシン抗体、固相化アナライトとしてチロキシン結合微
粒子を用いた場合を例に取り、本発明方法の実施方法を
示せば次の通りである。
【0054】まず、被検検体あるいは各濃度の標準血清
50μl、チロキシン結合微粒子懸濁液100μlおよ
125I標識抗チロキシン抗体100μlを混合し、3
7℃で1時間反応させ、125I標識抗チロキシン抗体上
で被検検体あるいは各濃度の標準血清中の遊離チロキシ
ンとチロキシン結合微粒子を競合反応させる。次いで、
分離効率を高めるために0.4%−ポリビニル酢酸樹脂
1mlを加え、2000gで30分間遠心後、上清を除
去し、沈澱物の放射能量を計測する。最後に、標準血清
より得られる標準曲線を用い、この放射能量から被検体
中の遊離チロキシン濃度を求める。
【0055】以上の本発明方法によれば、当初の遊離ア
ナライト量を定めるために、所定量の遊離アナライトを
含む標準液が必須であり、その製造が重要である。この
標準液の調製は、測定対象となる生体液から遊離のアナ
ライトを完全に除去した後、既知濃度のアナライトを加
えて段階的濃度の標準液を調製し、遊離アナライト量を
正確に測定することにより行われる。
【0056】具体的に血清中の遊離チロキシンの測定を
例にとって標準液の調製方法を説明すれば次の通りであ
る。すなわち、まず、正常人血清をチャコール処理し、
完全に遊離チロキシンを除去したチロキシンフリー人血
清を調製する。 次に、このチロキシンフリー人血清に
既知濃度チロキシンを適宜添加し、種々のチロキシン濃
度の標準血清を調製する。 更に、それらの標準血清を
高比放射能で標識した125Iチロキシンを用いた平衡透
析法にて遊離したチロキシン率を求め、添加したチロキ
シン濃度を掛け合わせて各標準血清の遊離チロキシン濃
度を定めることにより標準液が得られる。
【0057】
【作用】本発明方法は、過剰のラベル化外因性受容体を
用いて遊離アナライト量を間接的に高めて測定する方法
である。 この測定の際に、ラベル化外因性受容体によ
りアナライトと内因性受容体との複合体より遊離される
アナライトの量は、例えば遊離チロキシン測定の場合は
当初の遊離チロキシンの100〜1500倍、遊離トリ
ヨードチロニン測定の場合は当初の遊離トリヨードチロ
ニンの10〜150倍に達する。 従って、本発明方法
において直接測定する対象は、当初の遊離アナライトだ
けでなく、これと平衡の崩れにより放出された遊離アナ
ライトの双方(全遊離アナライト)であり、当初の遊離
アナライト濃度の数十〜千数百倍になる。
【0058】本発明は、このように増加した全遊離アナ
ライトも、その量は当初の遊離アナライト量と相関し、
これは被検検体でも標準液でも同様であるため、遊離ア
ナライトの標準液の全遊離アナライト量と対照すること
により当初の遊離アナライト量が定められるという原理
に基づくものである。このような方法であるため、新た
なアナライトが遊離されないような条件、すなわちアナ
ライトと内因性受容体との複合体が全く存在しなくなる
ような条件下では、正しく当初の遊離アナライト量を定
めることができなくなる。 言い換えれば、ラベル化外
因性受容体と内因性受容体間においてアナライトを介す
る擬似平衡が存在している系であることが必要がある。
【0059】つまり、被検検体中の遊離チロキシンと結
合タンパクに結合しているチロキシンの平衡関係を大き
く乱すように高い親和性の標識抗体を過剰量用い、また
必要に応じて反応性に優れる微粒子懸濁液を用いて遊離
チロキシン濃度をより早く精度良く測定することが本法
の最大の特徴であり、従来の前記平衡関係を維持する
か、ほぼ維持するために標識抗体量を極度に制限して測
定する方法とは本質的に異なる測定原理である。
【0060】
【発明の効果】本発明の最大の特徴は、過剰なラベル化
外因性受容体の利用により、当初の平衡関係に影響を与
え当初の遊離アナライトに比べ大過剰のアナライトが同
内因性受容体との複合体から遊離させて測定を行う点に
ある。 このことは直接当初の遊離アナライトを測定し
ていないことを意味するが、測定の対照に使用する標準
液におけるアナライトと内因性受容体の平衡関係が生体
液間におけるそれと同様な平衡関係にあるように管理さ
れた条件では、測定に依って得られる値としては妥当性
を持つことになる。 その妥当性は本発明により遊離ア
ナライト部分の濃度の測定結果が既存の測定技術や現在
本邦において汎用されている測定方法の結果と良好な相
関関係を示すことからも裏づけられる。
【0061】このように、本発明は直接当初の遊離アナ
ライト量を測定するものでなく、いわばこの量が増幅さ
れた全遊離アナライトを測定する効果を有するものであ
る。そして、この効果は遊離アナライトが低濃度である
場合に有利である。 例えば遊離チロキシンや遊離トリ
ヨードチロニンは生体液中での存在濃度が極めて微量で
免疫学的手法を用いても容易ではないが、本発明に従
い、高反応性の微粒子化アナライトと比較的高親和性の
ラベル化外因性受容体を多く用いれば、精度よく遊離ア
ナライト部分の濃度が測定可能となる。 すなわち、直
接遊離アナライトの絶対量が測定可能な感度を有さなく
ても、遊離チロキシンや遊離トリヨードチロニンの濃度
を測定可能である。
【0062】従って、2.5〜200pMol/Lとか
なり低濃度の遊離チロキシンをそれほど高くない親和性
の抗体を用い、ぎりぎりの精度で測定したり、抗体量を
制限するために比放射能の高い(安定性の悪い)標識体
を使用していた従来法に比べ、本発明方法の方が測定容
易であることは明らかである。
【0063】また、ラベル化外因性受容体がアナライト
と遊離アナライトの量に比較して過剰に用いられるため
に、固相化アナライト類の見かけの量も当初遊離アナラ
イトの量に比較して過剰に用いることができ、遊離アナ
ライトに対する内因性受容体の影響を緩和できることも
本発明の利点である。
【0064】すなわち、従来の技術ではアナライトと内
因性受容体との平衡関係に影響しない程度の外因性受容
体量を用いているため、固相化アナライト類と遊離アナ
ライトとの測定上有効な競合を成立させるためにその見
かけの量も制限されていた。しかし、固相化アナライト
類に対する内因性受容体の影響は、内因性受容体が一定
量であれば影響される固相化アナライト類が少ないほど
その影響度が多く、また逆に影響される物質が一定量の
影響物質に対して多いほどその影響は緩和されるため、
本発明のように見かけ上多くの固相化アナライト類を用
いることが可能となる場合は、内因性受容体の影響を緩
和することができるのである。
【0065】更に過剰のラベル化外因性受容体を用いて
遊離アナライト量を間接的に高めて測定する本発明方法
では、従来法と比べ相対的感度が向上するのみならずラ
ベル化外因性受容体の安定性の面でも有利である。
【0066】すなわち、本発明方法で用いるラベル化外
因性受容体の量は、前記のように例えば遊離チロキシン
測定の場合は当初の遊離チロキシンの30〜200倍、
遊離トリヨードチロニン測定の場合は当初の遊離トリヨ
ードチロニンの50〜300倍の量を使用しているた
め、例えば放射活性計測の信頼性をもたせるために使用
される放射能量でラベル化外因性受容体を調製しても、
使用するラベル化外因性受容体の量が十分であるために
比放射能量を低く抑えることが可能であり、放射化学的
に無理なくラベルすることができる。
【0067】上記効果は、放射性物質以外の方法による
ラベル化外因性受容体についても同じであり、ラベル物
質の比活性を低く抑えることができるので、安定化ある
いはラベル化の容易さの面で有利である。
【0068】また、従来法では固相化アナライト類の反
応性については無関心であったが、本発明の好ましい態
様として開示される微粒子化アナライト類を採用するこ
とにより、測定感度や信頼性を向上させることができ
る。 すなわち、良好な分散性のある微粒子化アナライ
ト類は、従来のプラスチックビーズやプラスチック容器
に比べラベル化外因性受容体と良好な反応性を有し、こ
の結果誤差なく系中の遊離アナライトの測定が可能とな
るのである。
【0069】以上のように、本発明方法によれば、遊離
チロキシン等の生体液中に微量にしか存在しないアナラ
イトをも安定に、かつ精度・再現性良く測定することが
できるものである。
【0070】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるもの
ではない。
【0071】実 施 例 1. 遊離チロキシン濃度の測定試薬の製造方法およひ測定方
法 (1)125I標識抗チロキシン抗体の製造 [チロキシン特異性モノクローナル抗体の確保]BSA
−チロキシン結合物を免疫源とし、常法によりマウスハ
イブリドーマに由来するチロキシン特異性モノクローナ
ル抗体を種々作製し、一般的な125Iチロキシンを用い
た競合反応により最も高アフィニティーなクローンを選
定した。
【0072】このクローンはマウス腹水にて製造され、
飽和硫安にて塩析後、ゲルろ過(TSK G3000
SW−XL,0.05M−NaPO4/0.1M−Na2
4,pH=6.4)にて抗体分画を得、さらにイオン交
換(モノQ, 20mM−トリス,pH=8.0)にて精製
し、リン酸緩衝液(20mM,pH=7.4)で濃縮透析
して最終濃度を4mg/mlに調製した。この抗チロキ
シンモノクローナル抗体の抗体純度はHPLCで95%
であり、親和定数はスキャッチャード分析で1.5×1
10L/Molであった。 また、タイピングテストの
結果ではIgG1であった。
【0073】[125I標識抗チロキシン抗体の調製]C
IS製NaI125 2mCiをシリコンコードガラスチュ
ーブに取り、上記モノクローナル抗チロキシン抗体溶液
120μl(480μg)を入れ、クロラミンT 10
μg/10μl(20mM−PB,pH=7.4)を加え
て、30秒間攪拌反応液、メタ重亜硫酸ナトリウムを2
0μg/20μl(20mM−PB,pH=7.4)を加
えて反応を停止した。
【0074】次いで、反応液をイオン交換樹脂(アンパ
ーライトIRA400T)0.5g/3ml(ゼラチン
−リン酸、pH=6.4)中に添加し、未反応の125Iを
イオン交換樹脂に吸着させることにより、125I標識抗
チロキシン抗体を精製した。なお、反応液のペーパーク
ロマトグラフィーにより求めた標識率は96%であり、
従って比放射能は5μCi/μgであった(2000μ
Ci×0.96÷480μg÷0.8=5μCi/μg,
0.8は計数器の計数効率)。また、精製反応液の同様
に行った純度は99%以上であった。精製反応液はゼラ
チン−リン酸緩衝液(50mM,pH=6.4)にて希釈
し、最終放射能濃度を約20kBq(0.54μCi)
/mlに調製した。(ただし、アッセイに使用する量は
約2kBq/100μl/チューブである。)
【0075】(2)チロキシン結合微粒子の製造 ユニコーン社製BγG(牛γグロブリン)を20mM−
リン酸緩衝液(pH=6.5)に1%濃度になるように
溶解した液 5mlをガラスビーカーに取り、50%−
グルタルアルデヒド溶液 200μlを加えて静かに1
0秒程度攪拌する。 この条件下でBγGはグルタルア
ルデヒドで架橋され、凝集したゲル塊ができあがる。
【0076】この凝集塊を前記リン酸緩衝液で数回洗浄
して未反応の試薬を除去後、2μg/mlに調製したチ
ロキシン溶液 5mlを添加し、一晩静置する。(チロ
キシンは50%−DMSOに溶解)この工程で、BγG
との凝集後に残ったフリーのアルデヒド基にチロキシン
のアミノ基がイミド結合する。
【0077】次に、上清を静かに除去後、チロキシン結
合凝集塊に0.5M−グリシン緩衝液(pH=8.0)5
0mlを加えて、未反応のアルデヒド基をブロックす
る。(この操作を2回繰り返す。)次いでグリシン緩衝
液を除去し、新たなグリシン緩衝液を15ml加え、攪
拌によりチロキシン結合凝集液を微粒子化させた後、微
粒子懸濁液を遠心管に移し、1000gで30分間遠心
分離する。遠心後の上清を除去し、沈殿物をグリシン−
リン酸緩衝液(pH=6.4)で再懸濁させ、全容量を
25mlとする。このチロキシン結合微粒子懸濁液は、
チロキシン濃度で400ng/mlである。
【0078】この懸濁液を前記グリシン−リン酸緩衝液
で適宜希釈した液、各100μlを上記125I標識抗チ
ロキシン抗体100μlの混液を37℃で1時間反応さ
せ、0.4%−ポリビニール酢酸樹脂 1mlを添加後、
遠心分離し、上清を除去した沈殿物の放射能量を計測し
て全放射能量の約50%を示すチロキシン結合微粒子懸
濁液のチロキシン濃度を求めたところ、約10ng/m
l(1ng/100μl)であった。従って、チロキシ
ン結合微粒子懸濁液の最終濃度を10ng/mlに調製
した。
【0079】一方、同微粒子懸濁液400ng/mlを
125Iチロキシンを用いた競合法で測定したところ、活
性濃度は約1/4の100ng/mlであった。 従っ
て、最終調製したチロキシン結合微粒子懸濁液のチロキ
シン活性濃度は約2.5ng/ml(0.25ng/10
0μl)である。なお、本法(1%−BγG5ml−5
0%グルタルアルデヒド200μl)でのチロキシン結
合キャパシティーは5mg以上であり、ここで使用した
チロキシン10μg/5mlは全量が化学結合してい
る。
【0080】キャパシティーは本条件下で10mg/m
l以下の各濃度のチロキシン溶液を同様に化学結合させ
た後の上清を125Iチロキシンを用いた競合反応で測定
し、チロキシン残存量から求めた。なお、チロキシン結
合微粒子と125I標識抗チロキシン抗体との反応後、検
査溶液から分離するために遠心分離をするが、その際、
沈殿物と上清を効率良く分離するためにポリビニール酢
酸樹脂を使用する。
【0081】(3)チロキシン測定用標準血清の製造 まず、正常人血清をチャコール処理し、完全に遊離チロ
キシンを除去したチロキシンフリー人血清を調製する。
得られたチロキシンフリー人血清に既知濃度チロキシ
ンを適宜添加し、種々のチロキシン濃度の標準血清を調
製する。次に、それらの標準血清中の遊離チロキシン率
を高比放射能で標識した125Iチロキシンを用いた平衡
透析法で求め、添加したチロキシン濃度を掛け合わせて
各標準血清の遊離チロキシン濃度を求める。
【0082】平衡透析法は次のようにしておこなった。
まず、トリヨードチロニンを高比放射能で標識し、2
000μCi/μgの125IチロキシンをHPLCで精
製後、チャコール処理した0.1%−HSA溶液50m
lに適量加え、20μCi/mlの放射能濃度に調製す
る。
【0083】次に、その調製液約50mlを透析チュー
ブに入れ、0.15M−リン酸緩衝液(pH=7.4)で
透析(4℃、20時間)し、125Iチロキシンと125Iを
除去する。 この125Iチロキシン−HSA溶液 555
μlを各標準血清5mlに加え、その3mlを透析膜に
入れて、リン酸緩衝液が6ml入った10mlプラスチ
ック試験管に浸す。
【0084】37℃で20時間透析後、透析外液3ml
を新たな試験管に取り、1mg/mlのチロキシン溶液
(チロキシンを0.2N−NaOHで溶解し蒸留水で3
倍希釈した液)1mlとマグネシウム沈殿試薬(40%
−MgCl2 200mlに0.05M−トリス/0.1M
−NaCl溶液600mlを加えた液(pH=9.
3))1mlを加え、2000gで30分遠心分離す
る。上清を除去し、沈殿物を洗浄試薬(マグネシウム沈
殿試薬のpHを2N−HClで8.7に調製した液)で
3回洗浄後、沈殿物の放射能量(A)を計測する(3m
l分の放射能量)。
【0085】別に、125Iチロキシン−HSA溶液50
μlの放射能量(B)を計測し、次の式から各標準血清
中の遊離チロキシン率を求める。 遊離チロキシン濃度(%)=〔(A/K1)/(B×6
0)〕/K2 ×100 K1 : 沈殿物のチロキシン回収率(0.95) K2 : 透析効率(0.817)
【0086】最後に各濃度の標準血清の遊離チロキシン
率と既知の添加チロキシン濃度を掛け合わせて、各々の
遊離チロキシン濃度を算出する(ただし、チロキシン未
添加のチロキシンフリー人血清を0濃度とする)。得ら
れた各標準血清の遊離チロキシン濃度は以下の通りであ
る。 A=0, B=0.21, C=0.55, D=1.44, E
=3.40,F=7.50, G=16.7(ng/dl) なお、被検検体(人血中)の遊離チロキシン濃度は約
0.2〜15ng/dlであることが知られている。
【0087】(4)遊離チロキシン濃度の測定方法及び
結果 4−a. 測定系の精度 各濃度の標準血清とコントロール血清(人血清にチロキ
シンを添加したもの)50μl、チロキシン結合微粒子
懸濁液 100μl、125I標識抗チロキシン抗体100
μlを混合し、37℃で1時間反応させ、125I標識抗
チロキシン抗体上で各濃度の標準血清あるいはコントロ
ール血清中の遊離チロキシンとチロキシン結合微粒子を
競合反応させる。
【0088】次いで、分離効率を高めるために0.4%
−ポリビニール酢酸樹脂1mlを加え、2000gで3
0分間遠心後、上清を除去し、沈殿物の放射能量を計測
して標準血清より得られる標準曲線からコントロール血
清中の遊離チロキシン濃度を求めた。 この結果を図1
に示す。図1から明らかな如く、本発明の測定系から良
好な標準曲線が得られ、コントロール血清値も含め精度
・再現性とも優れていた。
【0089】 4−b. 被検検体中の遊離チロキシン濃度の測定 被検検体(あるいは各濃度の標準血清)50μl、チロ
キシン結合微粒子懸濁液100μl、125I標識抗チロ
キシン抗体100μlを混合し、37℃で1時間反応さ
せ、125I標識抗チロキシン抗体上で被検検体(あるい
は各濃度の標準血清)中の遊離チロキシンとチロキシン
結合微粒子を競合反応させる。次いで、分離効率を高め
るために0.4%−ポリビニール酢酸樹脂 1mlを加
え、2000gで30分間遠心後、上清を除去した。沈
殿物の放射能量を計測し、標準血清より得られる標準曲
線から被検検体中の遊離チロキシン濃度を求めた。
【0090】一方、同一被検検体を平衡透析し得られた
遊離チロキシン率と、別に測定した全チロキシン濃度
(SPAC−T4)を掛け合わせることにより各被検検
体の遊離チロキシン濃度を算出した。これら両方法で求
めた遊離チロキシン濃度を表1に示す。
【0091】 なお、表中検体番号1−4は健常検体、検体番号5−7
は甲状腺機能低下症検体、検体番号8−10は甲状腺機
能亢進症検体である。同表から明らかな如く、本法で求
めた被検検体中の遊離チロキシン濃度は平衡透析法で求
めた値とほぼ一致した。
【0092】4−c. 従来法との測定値の比較 本発明方法と従来法(アマレックスMフリーT4キット
を用いる方法)により、145検体について遊離のチロ
キシン濃度を測定した。 両方法の相関性は、図2に示
すように良好であった(相関係数=0.99543)。
【0093】実 施 例 2. 遊離トリヨードチロニン濃度の測定試薬の製造方法及び
測定方法 (1)125I標識抗トリヨードチロニン抗体の調製 [トリヨードチロニン特異性モノクローナル抗体の確
保]マウスハイブリドーマに由来するトリヨードチロニ
ン特異性モノクローナル抗体の粗精製物を購入後、ゲル
ろ過(TSK G3000 SW−XL,0.05M−N
aPO4/0.1M−Na2PO4,pH=6.4)にて抗体
分画を得、さらにイオン交換(モノQ、20mM−トリ
ス,pH=8.0)にて精製し、リン酸緩衝液(20m
M,pH=7.4)で濃縮透析して最終濃度を2mg/m
lに調製した。この抗トリヨードチロニンモノクローナ
ル抗体の抗体純度はHPLCで90%であり、親和定数
はスキャッチャード分析で約2×1010L/Molであ
った。(表示は3×1010L/Mol,IgG1 )
【0094】[125I標識抗トリヨードチロニン抗体の
調製]CIS製NaI125 1mCiをシリコンコートガ
ラスチューブに取り、上記モノクローナル抗トリヨード
チロニン抗体溶液 60μl(120μg)を入れ、ク
ロラミンT 10μg/10μl(20mM−PB,pH
=7.4)を加えて、60秒間攪拌反応後、メタ重亜硫
酸ナトリウムを20μg/20ml(20mM−PB,
pH=7.4)を加えて反応を停止した。
【0095】次いで、反応液をセファクリル(Seph
acryl)−S300でゲルろ過し、未反応の125
を除去し、125I標識抗トリヨードチロニン抗体画分を
得た。なお、反応液のペーパークロマトグラフィーによ
り求めた標識率は60%であり、比放射能は6.3μC
i/μgであった(1000μCi×0.6÷120μ
g÷0.8=6.3μCi/μg;0.8は計数器の計数
効率)。また、精製反応液の同様に行った純度は99%
以上であった。精製反応液はゼラチン−リン酸緩衝液
(50mM,pH=6.4)にて希釈し、最終放射能濃度
を約20kBq(0.54μCi)/mlに調製した。
(ただし、アッセイに使用する量は約2kBq/100
μl/チューブである。)
【0096】 (2)トリヨードチロニン結合微粒子の調製 ユニコーン社製BγG(牛γグロブリン)を20mM−
リン酸緩衝液(pH=6.5)に1%濃度になるように
溶解した液 5mlをガラスビーカーに取り、50%−
グルタルアルデヒド溶液 200μlを加えて静かに1
0秒程度攪拌する。 この条件下でBγGはグルタルア
ルデヒドで架橋され、凝集したゲル塊ができあがる。
この凝集塊を前記リン酸緩衝液で数回洗浄して未反応の
試薬を除去後、1μg/mlに調製したトリヨードチロ
ニン溶液 5mlを添加し、一晩静置する。(トリヨー
ドチロニンは50%−DMSOに溶解)この工程で、B
γGとの凝集後に残ったフリーのアルデヒド基にトリヨ
ードチロニンのアミノ基がイミド結合する。
【0097】次に、上清を静かに除去後、トリヨードチ
ロニン結合凝集塊に0.5M−グリシン緩衝液(pH=
8.0)50mlを加えて、未反応のアルデヒド基をブ
ロックする。(この操作を2回繰り返す。)次いでグリ
シン緩衝液を除去し、新たなグリシン緩衝液を15ml
加え、攪拌によりトリヨードチロニン結合凝集塊を微粒
子化させた後、微粒子懸濁液を遠心管に移し、1000
gで30分間遠心分離する。遠心後の上清を除去し、沈
殿物をグリシン−リン酸緩衝液(pH=6.4)で再懸
濁させ、全容量を25mlとする。このトリヨードチロ
ニン結合微粒子懸濁液はトリヨードチロニン濃度で20
0ng/mlである。
【0098】この懸濁液を前記グリシン−リン酸緩衝液
で適宜希釈した液、各100μlと上記125I標識抗ト
リヨードチロニン抗体 100μlの混液を37℃で1
時間反応させ、0.4%−ポリビニール酢酸樹脂 1ml
を添加後、遠心分離し、上清を除去した沈殿物の放射能
量を計測して全放射能量の約50%を示すトリヨードチ
ロニン結合微粒子懸濁液のトリヨードチロニン濃度を求
めたところ、約2ng/ml(0.2ng/100μ
l)であった。従って、トリヨードチロニン結合微粒子
懸濁液の最終濃度を2ng/mlに調製した。一方、同
微粒子懸濁液 200ng/mlを125Iトリヨードチロ
ニンを用いた競合法で測定したところ、活性濃度は約1
/5の40ng/mlであった。 従って、最終調製し
たトリヨードチロニン結合微粒子懸濁液のトリヨードチ
ロニン活性濃度は約0.4ng/ml(0.04ng/1
00μl)である。
【0099】 (3)遊離トリヨードチロニン用標準血清の製造 まず、正常人血清をチャコール処理し完全に遊離トリヨ
ードチロニンを除去したトリヨードチロニンフリー人血
清を調製する。 次に、このトリヨードチロニンフリー
人血清に既知濃度トリヨードチロニンを適宜添加し、種
々のトリヨードチロニン濃度の標準血清を調製する。
【0100】次に、それらの標準血清中の遊離トリヨー
ドチロニン率を、高比放射能で標識した125Iトリヨー
ドチロニンを用いた平衡透析法にて求め、添加したトリ
ヨードチロニン濃度を掛け合わせて各標準血清の遊離ト
リヨードチロニン濃度を算出する。 用いる平衡透析の
手法は、実施例1のチロキシンの場合と同様に行う。た
だし、トリヨードチロニン未添加のトリヨードチロニン
フリー人血清を0濃度とする。各標準血清の遊離トリヨ
ードチロニン濃度は以下の通りである。 A=0, B=0.42, C=1.09, D=2.54, E
=5.92,F=14.3, G=39.7(pg/ml)
【0101】 (4)遊離トリヨードチロニン濃度の測定方法及び結果 4−a. 測定系の精度 各濃度の標準血清とコントロール血清(人血清にトリヨ
ードチロニンを添加したもの)50μl、トリヨードチ
ロニン結合微粒子懸濁液 100μl、125I標識抗トリ
ヨードチロニン抗体 100μlを混合し、37℃で1
時間反応させ、125I標識抗トリヨードチロニン抗体上
で各濃度の標準血清あるいはコントロール血清中の遊離
トリヨードチロニンとトリヨードチロニン結合微粒子を
競合反応させる。
【0102】次いで、分離効率を高めるために0.4%
−ポリビニール酢酸樹脂 1mlを加え、2000gで
30分間遠心後、上清を除去し、沈殿物の放射能量を計
測して標準血清より得られる標準曲線から被検検体中の
遊離トリヨードチロニン濃度を求めた。 この結果を図
3に示す。図3から明らかな如く、本発明の測定系によ
り良好な標準曲線が得られ、コントロール血清値も含め
精度・再現性とも優れていた。
【0103】4−b. 被検検体中の遊離トリヨードチロ
ニン濃度の測定 被検検体(あるいは各濃度の標準血清)50μl、トリ
ヨードチロニン結合微粒子懸濁液 100μl、125I標
識抗トリヨードチロニン抗体 100μlを混合し、3
7℃で1時間反応させ、125I標識抗トリヨードチロニ
ン抗体上で被検検体(あるいは各濃度の標準血清)中の
遊離トリヨードチロニンとトリヨードチロニン結合微粒
子を競合反応させる。
【0104】次いで、分離効率を高めるために0.4%
−ポリビニール酢酸樹脂 1mlを加え、2000gで
30分間遠心後、上清を除去し、沈殿物の放射能量を計
測して標準血清より得られる標準曲線から被検検体中の
遊離トリヨードチロニン濃度を求めた。一方、同一被検
検体を平衡透析して得られた遊離トリヨードチロニン率
と、別に測定した全トリヨードチロニン濃度(SPAC
−T3)を掛け合わせることにより各被検検体の遊離ト
リヨードチロニン濃度を算出した。これら両方法で求め
た遊離トリヨードチロニン濃度を表2に示す。
【0105】 なお、表中検体番号1−4は健常検体、検体番号5−7
は甲状腺機能低下症検体、検体番号8−10は甲状腺機
能亢進症検体である。表2から明らかな如く、本法で求
めた被検検体中の遊離トリヨードチロニン濃度は平衡透
析法で求めた値とほぼ一致した。
【0106】4−c. 市販品との測定値の比較 本発明方法と従来法(アマレックスMフリーT3キット
を用いる方法)により、58検体について遊離のチロキ
シン濃度を測定した。 両方法の相関性は、図4に示す
ように良好であった(相関係数=0.9867)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遊離チロキシンについての、本発明方法によ
る標準曲線を示す図面。
【図2】 遊離チロキシンについて、本発明方法と従来
法の相関関係を示す図面。
【図3】 遊離トリヨードチロニンについての、本発明
方法による標準曲線を示す図面。
【図4】 遊離トリヨードチロニンについて、本発明方
法と従来法の相関関係を示す図面。 以 上

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内因性受容体に結合したアナライトと、
    内因性受容体に結合していない遊離アナライトが平衡し
    ている状態の生体液中における遊離アナライト部分の測
    定方法であって、 a. 生体液、標準液、アナライトに対するラベル化外因
    性受容体および固相化アナライト類を用い、 b. 固相化アナライト類としてラベル化外因性受容体と
    は結合するが内因性受容体とは実質的に反応しないもの
    を用い、 c. 平衡を乱すには十分であるが、内因性受容体に結合
    したアナライトを全て遊離させるには不十分な量のラベ
    ル化外因性受容体を生体液中に加えて、アナライトと内
    因性受容体との複合体よりアナライトの一部を遊離さ
    せ、系中の全遊離アナライト量を測定し、 d. 標準液との対照により、c.により求めた全遊離ア
    ナライト量から当初の生体液中の遊離アナライト濃度を
    定めることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 固相化アナライト類が、測定している時
    間内は分散、懸濁状態を維持する微粒子である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 固相化アナライト類が、蛋白、ペプチド
    類、多糖類またはプラスチックの微粒子で固相化された
    アナライトである特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 固相化アナライト類が、ガンマグロブリ
    ンの不溶化微粒子により固相化されたアナライト類であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第3項の何れかの項記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 ラベル化外因性受容体のラベルが、放射
    性物質、酵素、蛍光物質または発光物質で行われる特許
    請求の範囲第1項ないし第4項の何れかの項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 外因性受容体がモノクローナル抗体であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第5項の何れかの項記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 アナライトがチロキシンである特許請求
    の範囲第1項ないし第6項の何れかの項記載の方法。
  8. 【請求項8】 アナライトがトリヨードチロニンである
    特許請求の範囲第1項ないし第7項の何れかの項記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 ラベル化外因性受容体の添加により、チ
    ロキシンと内因性受容体との複合体より当初の遊離チロ
    キシンの100〜1500倍量のチロキシンを遊離せし
    める特許請求の範囲第7項記載の方法。
  10. 【請求項10】 ラベル化外因性受容体の添加により、
    トリヨードチロニンと内因性受容体との複合体より当初
    の遊離トリヨードチロニンの10〜150倍量のトリヨ
    ードチロニンを遊離せしめる特許請求の範囲第8項記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 チロキシンと内因性受容体との複合体
    より結合したチロキシンの一部を遊離させるために、当
    初の遊離チロキシンとの結合量より30〜200倍多い
    ラベル化外因性受容体を用いる特許請求の範囲第7項記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 トリヨードチロニンと内因性受容体と
    の複合体より結合したトリヨードチロニンの一部を遊離
    させるために、当初の遊離トリヨードチロニンとの結合
    量より50〜300倍多いラベル化外因性受容体を用い
    る特許請求の範囲第8項記載の方法。
  13. 【請求項13】 生体液が血液、血清、血漿、尿、乳
    汁、唾液である特許請求の範囲第1項ないし第12項の
    何れかの項記載の方法。
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