JPH0894620A - 抗原−抗体反応による微量物質の定量法 - Google Patents

抗原−抗体反応による微量物質の定量法

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JPH0894620A
JPH0894620A JP6232662A JP23266294A JPH0894620A JP H0894620 A JPH0894620 A JP H0894620A JP 6232662 A JP6232662 A JP 6232662A JP 23266294 A JP23266294 A JP 23266294A JP H0894620 A JPH0894620 A JP H0894620A
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Manabu Iwatake
学 岩武
Keiichi Kanbara
敬一 神原
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BIO U KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レート法よりも測定感度及び再現性に優れ
た、エンドポイント法による免疫学的定量法を提供す
る。 【構成】 分析対象物に対する抗体又は抗原により感作
された粒子状の不活性担体を含む水溶液と、分析対象物
を含む試料を、抗原−抗体反応に基づき凝集反応を起こ
させ、該反応混合物に特定波長の光を照射してその吸光
度を測定することにより、試料中の分析対象物濃度を定
量する方法において; (1)凝集反応開始前及び(2)凝集反応完結時の2点の吸光
度を測定することを特徴とする抗原−抗体反応による微
量物質の定量法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原−抗体反応を利用
した微量物質の定量方法に関する。より詳細には凝集反
応に基づく吸光度変化を測定することによる微量物質の
定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中、特に生体成分中の微量物質を検
出及び定量するため、その感度の高さから従来より抗原
−抗体反応が利用され、種々の形態及び形式による測定
法が開発され、広く普及してきた。
【0003】抗原−抗体反応を物質の定性及び定量に応
用した一つの形式として、凝集反応(agglutination re
action)に基づく方法がある。凝集反応とは、細菌や赤
血球などの比較的大きい物質(粒子状物質)に抗原又は
抗体を感作し、この抗原又は抗体感作担体と抗体又は抗
原を反応させると凝集塊が形成される現象をいう。この
現象を利用し、粒子状物質として赤血球等に代えてカオ
リン、ラテックス、ベントナイトなどを用いた生体成分
中の微量物質の定性及び定量方法が知られている。
【0004】一般に反応速度がS字曲線(いわゆるシグ
モイド型曲線)を示す反応(例えば酵素反応など)にお
いて吸光度変化を指標として物質の定量を行う方法は、
(1)反応が最も急激に進行するS字曲線がほぼ直線状と
なる期間中の少なくとも2時点における特定波長の光に
対する吸光度を測定し、その2時点間の吸光度変化量か
ら定量すべき物質の濃度を決定する形式(いわゆるレー
ト法)及び(2)反応が完結しS字曲線がほぼプラトーに
達した後の吸光度を測定し、反応開始前と反応完結後の
2時点間の吸光度変化量から分析すべき物質の濃度を決
定する形式(いわゆるエンドポイント法)に分けられ
る。
【0005】抗原−抗体反応に基づく凝集反応の反応速
度も、いわゆるシグモイド型と呼ばれるS字曲線とな
り、上記のような吸光度分析が可能である。
【0006】レート法による凝集反応に基づく物質の定
量方法としては、例えば特公昭58−11575号公
報、特公昭62−43138号公報に記載されている方
法が知られている。これらの方法は、いずれも抗原−抗
体反応開始後少なくとも2時点の吸光度を測定し、その
吸光度の変化から定量すべき物質の濃度を凝集反応の速
度から計算するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在、一般に普及して
いるのはレート法であり、レート法では、測定精度を改
善するため、抗原−抗体反応を速く進行させるために撹
拌を行い、測定時点数を多くし、秒単位で吸光度測定を
行うなど、測定操作は煩雑となっていた。
【0008】従来、凝集反応によるエンドポイント法
は、レート法に比べて測定精度及び再現性において劣る
といわれ、また、エンドポイント法は反応完結後に吸光
度を測定するため、レート法に比べ測定時間が長く、よ
り短時間で測定結果を得たいという時代の流れから、こ
れまでエンドポイント法は顧みられず、その測定精度や
再現性を改良しようという試みは行われなかった。
【0009】本発明は、凝集反応による物質の定量法で
あって、レート法よりも簡便で、且つ測定精度及び再現
性に優れた、エンドポイント法による方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記理由
により現在まで詳細な検討がなされてこなかった凝集反
応に基づくエンドポイント法による定量法について鋭意
検討を行ったところ、定量すべき物質(以下、「分析対
象物」という)に対する抗体又は抗原を感作(担持)さ
せる粒子状不活性担体の平均粒径及び感作させる抗体又
は抗原の量を調節するこができ、よって、凝集反応によ
り形成される凝集塊が沈降する速度を調節すれば測定精
度及び再現性に優れた微量物質の定量可能となることを
見出し本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は分析対象物に対する抗
体又は抗原により感作された粒子状の不活性担体を含む
水溶液と、分析対象物を含む試料を、抗原−抗体反応に
基づき凝集反応を起こさせ、該反応混合物に特定波長の
光を照射してその吸光度を測定することにより、試料中
の分析対象物濃度を定量する方法において; (1)凝集反応開始前及び(2)凝集反応完結時の2点の吸光
度を測定することを特徴とする抗原−抗体反応による微
量物質の定量法を要旨とする。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける分析対象物は、広く抗原−抗体反応の抗原又は抗
体となり得るものであり、具体的には下記のものが挙げ
られる。
【0013】(A)完全抗原 キモトリプシン、ラクテート・デヒドロゲナーゼ(LD
H)、アポリポ蛋白とその分画、リポプロテイン
(a)、フィブリノゲン(第I因子)、ヒト血液第XII
I因子、プラスミノゲン、α2−プラスミンインヒビタ
ー、プラスミノゲン・アクチベータインヒビター、プロ
テインC、プロテインS、異常フィブリノゲン、フィブ
リノペプチドA(FPA)/Bβ15-42、フィブリン/
フィブリノゲン分解産物(FDP)、FDP−E分画、
Dダイマー、カルシウム結合蛋白質、α2−マクログロ
ブリン(α2M)、ミオグロビン、ミオシン軽鎖、黄体
形成ホルモン(LH)、オキシトシン、卵胞刺激ホルモ
ン(FSH)、妊娠特異β1糖蛋白(SP1)、ヒト絨毛
性ゴナドトロピン(hCG)及びそのサブユニット、ヒ
ト胎盤ラクトーゲン(hPL)等
【0014】(B)ハプテン 遊離トリヨードサイロニン(FT3)、副甲状腺ホルモ
ン(PTH)、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン
(ドーパ)、デヒドロエピアンドロステロン(DHE
A)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(D
HEA−S)、17α−ヒドロキシプロゲステロン、尿
中17−ケトステロイド(17−KS)及びその分画、
エストリオール、プロゲステロン等
【0015】(C)上記完全抗原又はハプテンに対する抗
体及びそれから誘導されるFab、Fab´、F(ab
´)2分画等を包含する。
【0016】本発明において分析対象物を含む試料と
は、例えば血液、血清、血漿、尿、体液、唾液または細
胞の抽出液、組織の抽出液等である。
【0017】本発明において粒子状不活性担体とは、抗
原−抗体反応に対し不活性な粒子であり、測定時に用い
る液体媒体に実質的に不溶であればよく、具体的には、
例えばカオリン、ベントナイト、ポリスチレンラテック
ス、スチレン−ブタジエン共重合体、シリカまたはアル
ミナ等が挙げられ、なかでもポリスチレンラテックスが
取り扱い等の面から好ましい。
【0018】本発明において粒子状不活性担体に感作さ
せる抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗
体でもよいが、測定精度の点から分析対象物に対して特
異性が高いモノクローナル抗体の方が好ましい。これら
の抗体は通常用いられている方法で作製することができ
るが、モノクローナル抗体の調製法については後述す
る。
【0019】粒子状不活性担体に抗原又は抗体を感作す
るには、抗原又は抗体を物理的に吸着させてもよいし、
化学的に結合させてもよい。物理的吸着及び化学的結合
は、既に数多く提案されている方法により行うことがで
きる。
【0020】以下、抗原又は抗体を感作(担持)させた
粒子状不活性担体を単に抗体感作担体または抗原感作担
体、若しくはまとめて感作担体ということがある。
【0021】本発明において、エンドポイント法により
精度及び再現性良く定量を行うためには、粒子状不活性
担体の平均粒径及びこれに感作する抗原又は抗体の量及
び感作された粒子状不活性担体の濃度を調節する必要が
ある。例えば、平均粒径0.05〜0.9μmの粒子状
の不活性担体を用いる場合は、0.1〜20.0重量%
の抗原または不活性担体に感作させることができ、好ま
しくは2.0〜8.0重量%で感作させる。
【0022】一般に担体粒子の粒径が小さい程、単位容
積当たりに含まれる粒子の個数が多いため、単位容積当
たりに含まれる粒子全体の表面積は大きくなる。そのた
め抗原又は抗体の感作量は多くなり、逆に粒径が大きく
なると抗原又は抗体の感作量は少なくなる。
【0023】本発明における粒子状不活性担体に対する
抗原又は抗体の感作量は、その感作される抗原又は抗体
の種類によっても異なるが、担体の単位表面積当たり5
×10-3〜15×10-4mg/cm2とすることが好ま
しい。
【0024】不活性担体を懸濁させる溶液としては、後
記する希釈安定化液と同一な溶液を用いることができ
る。
【0025】感作担体の濃度は、有利には凝集反応中の
吸光度を正確に測定できるように選ぶことができ、例え
ば不活性担体としてラテックス粒子を使用する場合に
は、反応混合物中の担体濃度は0.06〜0.9mg/
mlとすることが好ましい。
【0026】上記範囲が好ましい理由は、粒子状の不活
性担体の平均粒径及びこれに感作させる抗原又は抗体の
量が上記範囲内であれば、凝集反応によって生じた凝集
塊が沈降する速度を本発明のエンドポイント法における
好ましい速度に調整できるからである。
【0027】本発明の定量法における測定を行う時、抗
原又は抗体の希釈列を作成する時又はプロゾーン時の分
析対象物含有溶液を希釈するための希釈安定化液として
は、血清アルブミンを含有するトリス緩衝液、リン酸緩
衝液、トリエタノールアミン緩衝液、ホウ酸緩衝液、グ
リシン緩衝液等を用いることができる。緩衝溶液のpH
は、5.0〜10.0、好ましくは7.0〜8.5とす
ることができる。血清アルブミンとしては、ウシ血清ア
ルブミン、卵アルブミン、ヤギ血清アルブミン等を挙げ
ることができる。さらに凝集反応は、0〜40℃の温度
において実施することが好ましく、特に25〜37℃の
温度で行うことが有利である。
【0028】本発明において吸光度を測定するための照
射光の波長は、400〜1000nmの近赤外可視領域
であり、好ましくは550〜750nm付近である。そ
の理由は、当該波長の範囲では、凝集反応前の抗原又は
抗体感作担体が分散しているときは照射光は透過する
が、抗原−抗体反応により凝集塊が生じると、照射光が
透過できなくなるためである。
【0029】本発明において抗原−抗体反応完結時は、
分析対象物の種類及び分析対象物に対する抗原又は抗体
を感作した粒子状不活性担体の上記調製条件により変動
し、シグモイド型(S字型)の曲線がプラトーに達する
前後の、測定に最も好ましい時点を適宜決定すべきであ
る。
【0030】本発明のエンドポイント法による定量方法
は、反応がほぼ完結するまで吸光度測定を待たなければ
ならないため、レート法に比べて測定に多少時間がかか
る。しかしながら、病院等の検査機関では機器による自
動分析が普及し、試料添加後は分析者の手を煩わすこと
なく分析結果が得られるようになった現在では、レート
法よりも多少時間が多く必要なことが大きな欠点となる
ことは考えられない。むしろ、本発明の定量法によれ
ば、反応開始前の1点と反応終了時の1点の合計2点の
吸光度を測定すればよく、さらに反応開始前の1点は、
(1)分析対象物を含有すると思われる試料を含む希釈安
定化液または(2)感作担体を含む希釈安定化液のいずれ
かで吸光度測定を1度だけ行っておけばよく(いわゆる
通常の光学分析におけるゼロ点補正に該当する)、分析
対象物を含有する試料についての測定では、実質的には
反応終了時の1点のみの吸光度測定を行えば足りる。従
って、本発明のエンドポイント法による定量法はレート
法による定量法よりも測定操作が簡易という点で有利と
いえる。
【0031】本発明のエンドポイント法は、上述したよ
うに、レート法よりも測定時点数が同じ(2時点)か又
は少ないため、操作が簡単であり、機械による自動分析
においてもその調整が簡易であるという利点をも有す
る。
【0032】ここで、粒子状の不活性担体に感作される
抗体がモノクローナル抗体である場合のモノクローナル
抗体の調製法について詳述する。本発明で利用するモノ
クローナル抗体は、細胞融合技術分野においてそれ自体
公知の手法を適宜に選択組み合わせてモノクローナル抗
体産生融合細胞株を形成し、該細胞株を利用して産生、
取得することができる。その製法としては、完全抗原を
マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ウシなどの動物に、例
えばアジュバントと共に皮下注射して、該動物を免疫し
た後、この免疫動物の該抗原に対する抗体産生細胞、例
えば脾細胞、胸腺細胞、リンパ節細胞および/または抹
消血細胞等の細胞を採取し、核細胞と自己増殖性を有す
るが抗体産生能を実質的に有しない適当な株化細胞、例
えばマウス骨髄腫株化細胞(ミエローマ細胞)とを、そ
れ自体公知の手法により細胞融合処理する。
【0033】モノクローナル抗体抗体を得るためのミエ
ローマ細胞と抗体産生細胞との組み合わせは、各細胞が
融合して増殖しつつ抗体を産生することが可能であれ
ば、それぞれの細胞の由来する動物の種類は限定されな
い。
【0034】使用されるミエローマ細胞は特に限定はな
く、多くのマウス、ラット、ウサギ、ヒトなどの動物の
細胞体を使用することができる。好ましい株化細胞は薬
剤抵抗性のものであり、かつ未融合のミエローマ細胞が
選択培地で生存せず、一方融合細胞のみが生存するよう
なものが良い。最も普通に用いられるものは8−アザグ
アニジン抵抗性の株化細胞で、これはヒポキサンチン・
グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼを欠損
し、ヒポキサンチン・アミンブテリン・チミジン(HA
T)培地に育生できない性質を有している。さらに使用
する株化細胞は「非分泌型」のものであることが好まし
い。
【0035】該細胞融合処理は、例えば、通常イーグル
最少基本培地(MEM)、RPMI−1640などの培
地中で上記免疫マウスの脾細胞1〜5×108個と、上
記マウス骨髄腫株化細胞1〜5×107個とを、混合し
て行うことができる。融合促進剤としては、平均分子量
1000〜6000のポリエチレングリコール(PE
G)が好ましく、他の融合促進剤、例えばポリビニルア
ルコール、ウイルスなどを用いることができる。PEG
の使用濃度は約30〜50%である。
【0036】上述のようにして得ることができる融合細
胞含有系から融合細胞を、それ自体公知の手法を利用し
て、選別処理、抗体活性スクリーニング処理及びクロー
ニング処理して、マウスを免疫するのに用いた完全抗原
に対するモノクローナル抗体産生能を有し且つ自己増殖
能を持つ融合細胞株を取得することができる。
【0037】上記融合細胞の選別処理は、例えば、20
%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地などで細胞
融合を終えた細胞を適当に希釈し、96ウエルマイクロ
プレートに105〜106個細胞/ウエル程度に分注し、
各ウエルに選択培地(例えばHAT培地)を加え、以後
選択培地交換を行いながら、5%CO2培養器(37
℃)で培養を続けることにより行うことができる。ミエ
ローマ細胞として8−アザグアニン抵抗性株を用いれ
ば、未融合のミエローマ細胞はHAT培地で死滅し、ま
た抗体産生細胞は正常細胞なのでin vitro培養では長期
間生育できない。従って培養後10〜14日ぐらいから
生育してくる細胞は全て融合細胞である。
【0038】上述のようにして得ることのできる融合細
胞株の抗体活性スクリーニング処理及びクローニング処
理は、常法により例えば、以下のようにして行うことが
できる。
【0039】融合細胞の生育したウエルの培養上清の一
部を採取し、一定量の標識抗原とインキュベーション
し、標識抗原との結合能を測定することにより、目的と
する抗体を分泌しているウエルを検索する。即ち、125
I、131Iなどのラジオアイソトープあるいは酵素など
で標識した抗原と培養上清を反応させた後、各反応液に
ついて抗原−抗体結合物を分離し、標識量を測定するこ
とにより、目的とする抗体の存在及び結合能を検索す
る。
【0040】目的とする抗体活性の認められる各ウエル
中には2種以上の融合細胞が生育している可能性がある
ので、限界希釈法や軟寒天によるコロニー形成法により
クローニングを行い、モノクローナル抗体産生融合細胞
株を得る。
【0041】上述のようにして得たモノクローナル抗体
産生細胞株を用いて、完全抗原に対するモノクローナル
抗体を取得するには、該モノクローナル抗体産生細胞株
を、例えば適当な培地に培養し、培地からモノクローナ
ル抗体を採取する方法、ミエローマ細胞由来動物と同系
の動物に該細胞株を移植し腹水中のモノクローナル抗体
を採取する方法など、それ自体公知の手法を利用して取
得することができる。
【0042】例えば、モノクローナル抗体産生融合細胞
株を10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地な
どの培養液で培養し、その培養上清液を硫安分画、抗原
を結合させたセファロース4Bなどのアフィニティーク
ロマトグラフィーなどによって精製することにより目的
とするモノクローナル抗体を採取することができる。
【0043】また、上記後者の態様によれば、例えば、
同系動物にプリスタン(2,6,10,14−テトラメ
チルペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与した後、
融合細胞を腹腔内投与することによりin vivoで融合細
胞を大量に増殖させる。その結果、形成される腹水には
高濃度のモノクローナル抗体が含まれている。この腹水
から硫安分画及び必要に応じて前記アフィニティークロ
マトグラフィーなどにより、目的とするモノクローナル
抗体を取得することができる。
【0044】上述のようにして取得できるようなモノク
ローナル抗体は、市販品として入手することも可能であ
り、本発明の方法に利用できる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0046】(実施例1) (1)抗ヒトフィブリノゲン抗体の調製 精製ヒトフィブリノゲン(コスモバイオ社製)1mgを
生理食塩水1mlに溶解し、コンプリートフロインド溶
解液1mlを混合し、家兎に2週間間隔で5回皮下及び
趾間に注射した。抗体価が十分に上昇した段階で全採血
を行った。得られた血液を遠心分離し、上清を抗フィブ
リノゲン抗血清とした。
【0047】得られた抗血清50mlに飽和硫安50m
lを加え、撹拌混合後4℃で1昼夜放置した。この混合
物を遠心分離した後、得られた沈殿を0.1Mリン酸緩
衝液(pH7.0)40mlに溶解し、飽和硫安20m
lを加え4℃で1昼夜放置した。これを遠心分離して得
られた沈殿を蒸留水2mlに溶解し、透析膜に入れ、透
析を行った。得られた透析内液を凍結乾燥し、500m
gの抗フィブリノゲン抗体を得た。
【0048】(2)抗ヒトフィブリノゲン抗体感作ラテッ
クス試薬の調製 上記(1)で調製した抗ヒトフィブリノゲン抗体(以下、
「抗Fg」という)のグリシン緩衝溶液(濃度:1mg
/ml、pH8.2)10mlに平均粒径0.15μm
のポリスチレンラテックス(セキスイ化学社製)溶液1
mlを加え、室温で30分間撹拌し、冷却下に12,0
00rpm、30分間遠心分離を行った。沈殿した抗ヒ
トフィブリノゲン抗体感作ラテックス粒子(以下、「抗
Fg−ラテックス」という)(感作量:10mg/m
l)をウシ血清アルブミン溶液(濃度:1重量%)に懸
濁させ、0.4重量%の抗Fg−ラテックス試薬を調製
した。
【0049】(3)標準曲線の作成 希釈安定化液(0.05重量%ウシ血清アルブミン加ト
リス緩衝液、pH8.0)150μlに上記(1)で調製
した抗Fg−ラテックス試薬25μlを添加、混合し、
照射光波長550nmにおける抗原−抗体反応(凝集反
応)開始前の吸光度を測定した。ついで、この混合物に
下記表1に示す濃度のフィブリン/フィブリノゲン分解
産物(以下、「FDP」という)を含有する溶液4μl
を添加、振盪し、6分15秒間抗原−抗体反応(凝集反
応)を行ない、反応が完結した後、照射波長550nm
での吸光度を測定した(ホフマン・ラ・ロシュ社製、測
定装置名:C0BAS MIRA、以下の実施例におい
て同一の測定装置を使用した)。吸光度測定は、1濃度
につき2回ずつ行った。下記表1に各濃度における抗原
−抗体反応(凝集反応)開始前の吸光度と反応完結後の
吸光度の差及びその2検体の平均値を示した。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1の測定データを標準FDP溶液の
濃度を横軸とし、吸光度の差を縦軸とするグラフにプロ
ットし、図1に示す標準曲線を作成した。
【0052】(4)未知試料中のFDPの定量 前記(3)と同様にして、希釈安定化液150μlと(2)で
調製した抗Fg−ラテックス試薬25μlの混合物の照
射光波長550nmにおける吸光度を測定した後、この
混合物に被検者から得た血液から常法により分離した血
清(試料溶液)4μlを添加、振盪後6分15秒間反応
を行い、反応完結後同波長における吸光度を測定し、
(3)で作成した標準曲線から試料中のFDP濃度を求め
た。各試料の測定は、5検体(n=5)づつ実施した。
【0053】なお、比較のため、従来の抗原−抗体反応
継続中の少なくとも2点の吸光度測定を行うラテックス
凝集法(以下、「レート法」という)及び測定感度の高
い酵素免疫測定法(以下、「EIA法」という)による
測定を同時に実施した。その結果を下記表2に示す。
【0054】レート法では、本発明の方法と同一及び同
量の抗Fg−ラテックス試薬を用い、照射光波長550
nmで、抗原−抗体反応開始から25秒毎に3分20秒
までの合計8点における吸光度を測定した。
【0055】EIA法は、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼを用いた測定法に従って測定を行った。
【0056】レート法及びEIA法による測定結果を下
記表2に併せて示した。表中の「cv」は、変動係数を
表し、下記式
【化1】 で算出される値であり、測定結果の精度、再現性の評価
基準となる。cvが5%以下であれば測定精度、再現性
は極めて満足される。
【0057】
【表2】
【0058】上記の結果から、本発明方法はレート法よ
りもcvが小さい、すなわち測定精度及び再現性に優れ
ており、測定値もEIA法と極めてよく一致しているこ
とが分かる。
【0059】(実施例2) (1)抗ヒト血液第XIII因子抗体感作ラテックス試薬の
調製 実施例1(1)と同様にして調製した抗ヒト血液第XIII因
子(以下、「FXIII」という)抗体の水溶液(濃度:
0.5mg/ml)10mlに平均粒径0.3μmのポ
リスチレンラテックス(セラダイン社製)溶液1mlを
加え、室温下で30分撹拌し、冷却下に12,000r
pm、30分間遠心分離を行った。沈殿した抗ヒト血液
第XIII因子抗体感作ラテックス粒子(以下、「抗FXI
II−ラテックス」という)(感作量:5mg/ml)
を、ウシ血清アルブミン溶液(濃度:1重量%)に懸濁
させ、抗FXIII−ラテックス濃度が0.25重量%の
抗FXIII−ラテックス試薬を調製した。
【0060】(2)標準曲線の作成 希釈安定化液(0.05重量%ウシ血清アルブミン加ト
リス緩衝液、pH8.0)150μlに上記(1)で調製
した抗FXIII−ラテックス試薬25μlを添加、混合
し、照射光波長550nmにおける抗原−抗体反応(凝
集反応)開始前の吸光度を測定した。ついで、この混合
物に下記表3に示す濃度のFXIIIを含有する溶液5μ
lを添加、振盪し、12分30秒間抗原−抗体反応(凝
集反応)を行ない、反応が完結した後、照射波長550
nmでの吸光度を測定した。吸光度測定は、1濃度につ
き2回実施した。下記表3に各濃度における抗原−抗体
反応(凝集反応)開始前の吸光度と反応完結後の吸光度
の差及びその2回の測定値の平均値を示した。
【0061】
【表3】
【0062】上記表3の測定データを標準FXIII溶液
の濃度を横軸とし、吸光度の差を縦軸とするグラフにプ
ロットし、図2に示す標準曲線を作成した。
【0063】(3)未知試料中のFXIIIの定量 前記(2)と同様にして、希釈安定化液150μlと(1)で
調製した抗FXIII−ラテックス試薬25μlの混合物
の照射光波長550nmにおける吸光度を測定した後、
この混合物に被検者から得た血液から常法により分離し
た血漿を適宜希釈した試料溶液5μlを添加、振盪後1
2分30秒間反応を行い、反応完結後同波長における吸
光度を測定し、(2)で作成した標準曲線から試料中のF
XIII濃度を求めた。
【0064】なお、比較のため、レート法及びモノダン
シルカダベリン取込みゲル濾過法(ヤトロン社製)によ
る測定を同時に実施した。
【0065】レート法では、本発明の方法と同一及び同
量の抗FXIII−ラテックス試薬を用い、照射光波長5
50nmで、抗原−抗体反応開始から25秒毎に7分5
秒までの17点の吸光度を測定した。
【0066】上記本発明の方法、レート法及びモノダン
シルカダベリン取込みゲル濾過法による測定結果を下記
表4に併せて示した。
【0067】
【表4】
【0068】(実施例3) (1)抗ヒトDダイマーモノクローナル抗体の調製 (a)Dダイマーの精製 ヒト血漿200mlから硫酸アンモニウムによる塩析
(40%上清、75%沈殿)によりDダイマー粗抽出物
6.75gを得た。これをp−セルロースクロマトグラ
フィーカラム(2.7×19cm)に付し、次いで未吸
着画分を濃縮し、0.1M酢酸緩衝液(1mM CaC
2、MgCl2、MnCl2、0.1M NaCl、pH
5.0)で透析後、上記緩衝液で平衡化したコンカナバ
リンA−セファロースカラム(2×45cm)に付した
後、4℃で一晩インキュベートした。次いで上記緩衝液
で蛋白質の流出がなくなるまで洗浄し、α−メチル−D
−マンノシドのグラジュエントクロマトグラフィー
(0.1M→0.5M)を行い、目的とする画分を集め
濃縮した。次いで同画分を0.02Mリン酸緩衝液(p
H7.0)で平衡化したDEAE−セルロースカラム
(3×40cm)に付し、同緩衝液で蛋白質の流出がな
くなるまで洗浄後、0.02Mリン酸緩衝液(pH7.
0)及び0.5M NaCl含有0.02Mリン酸緩衝
液(pH6.0)を用いてグラジュエントクロマトグラ
フィーを行い、目的とする画分を集め濃縮した。次い
で、0.02Mクエン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化
したセファクリルS−200カラム(26×84cm)
及びセファデックスG−100カラム(2.6×88c
m)によるゲル濾過で精製して、精製Dダイマー104
mgを得た。
【0069】(b)抗Dダイマーモノクローナル抗体の調
製 上記(a)で得た精製Dダイマー50μgを完全フロイン
ドアジュバントと共にBALB/cマウス(6〜8週
令)に3週間おきに4回皮下投与し、最後に精製Dダイ
マー80μgを静注した。
【0070】最終免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出
して、脾細胞を採取し、デルベコのモディファイド最少
基本培地(以下、D’MEMと称す)で3回洗浄した
後、細胞数を算出し、その2×108個をマウスミエロ
ーマ細胞1×107個と混合して遠心し細胞を集めた。
このペレットに、37℃に温めておいたポリエチレング
リコール溶液(PEG−100:4.25%、DMS
O:1.5%含有D’MEM)1mlを加え、1分間遠
心管をゆっくり回転させて細胞融合を行った。37℃の
D’MEMを30秒毎に2mlずつ10回加えた後遠心
分離し、得られたペレットを20%ウシ胎児血清含有R
PMI−1640培地でマウスミエローマ細胞として5
×104個/0.2mlとなるように懸濁し、96ウエ
ルマイクロプレートに0.2mlずつ分注し、5%CO
2培養器で培養した。24時間後各ウエルの上清の半量
を捨て、HAT培地(ヒポキサンチン・アミノプテリン
・チミジン、10%ウシ胎児血清含有RPMI−164
0培地)0.1mlを加え、その後3〜4日毎に半量を
HAT培地交換を行いながら2週間培養した後、増殖し
たウエル中の培養上清の抗体活性を測定した。
【0071】活性の認められたウエルの細胞をBALB
/cマウス胸腺細胞を含む10%ウシ胎児血清含有RP
MI−1640培地で希釈し、限界希釈法によりクロー
ニングを行って16株の抗モノクローナル抗体産生融合
細胞を得た。これを大量培養し、その培養上清からDダ
イマーを結合させたセファロース4Bを用いたアフィニ
ティークロマトグラフィーに付し、モノクローナル抗体
を得た。
【0072】また、2×106個以上の細胞をプリスタ
ン0.5mlを予め投与したBALB/cマウスに腹腔
内投与し、腹水腫瘍を作らせて腹水を得た後、この腹水
からDダイマーを結合させたセファロース4Bを用いた
アフィニティークロマトグラフィーによりモノクローナ
ル抗体を得た。
【0073】(2)抗ヒトDダイマー抗体感作ラテックス
試薬の調製 上記(1)で調製した抗ヒトDダイマーモノクローナル抗
体の水溶液(濃度:1.0mg/ml)10mlに平均
粒径0.2μmのポリスチレンラテックス(セキスイ化
学社製)溶液1mlを加え、室温下で30分撹拌し、冷
却下に12,000rpm、30分間遠心分離を行っ
た。沈殿した抗ヒトDダイマー抗体感作ラテックス粒子
(以下、「抗Dダイマー−ラテックス」という)(感作
量:10mg/ml)を、ウシ血清アルブミン溶液(濃
度:1重量%)に懸濁させ、0.4重量%の抗Dダイマ
ー−ラテックス試薬を調製した。
【0074】(3)標準曲線の作成 希釈安定化液(0.2重量%ウシ血清アルブミン加トリ
ス緩衝液、pH8.0)240μlに上記(1)で調製し
た抗Dダイマー−ラテックス試薬25μlを添加、混合
し、照射光波長550nmにおける抗原−抗体反応(凝
集反応)開始前の吸光度を測定した。ついで、この混合
物に下記表5に示す濃度のDダイマーを含有する溶液2
0μlを添加、振盪し、14分35秒間抗原−抗体反応
(凝集反応)を行ない、反応が完結した後、照射波長5
50nmでの吸光度を測定した。吸光度測定は、1濃度
につき2回ずつ実施した。下記表5に各濃度における抗
原−抗体反応(凝集反応)開始前の吸光度と反応完結後
の吸光度の差及びその2回の測定値の平均値を示した。
【0075】
【表5】
【0076】上記表5の測定データを標準Dダイマー溶
液の濃度を横軸とし、吸光度の差を縦軸とするグラフに
プロットし、図3に示す標準曲線を作成した。
【0077】(4)未知試料中のヒトDダイマーの定量 前記(2)と同様にして、希釈安定化液240μlと(1)で
調製した抗Dダイマー−ラテックス試薬20μlの混合
物の照射光波長550nmにおける吸光度を測定した
後、この混合物に被検者から得た血液から常法により分
離した血清を適宜希釈した試料溶液20μlを添加、振
盪後14分35秒間反応を行い、反応完結後同波長にお
ける吸光度を測定し、(2)で作成した標準曲線から試料
中のヒトDダイマー濃度を求めた。
【0078】なお、比較のため、レート法及びEIA法
(富士レビオ社製)による測定を同時に実施した。
【0079】レート法では、本発明の方法と同一及び同
量の抗Dダイマー−ラテックス試薬を用い、照射光波長
550nmで、抗原−抗体反応開始から25秒毎に6分
15秒までの15点において吸光度を測定した。
【0080】上記本発明の方法、レート法及びEIA法
による測定結果を下記表6に併せて示した。
【0081】
【表6】
【0082】(実施例4) (1)抗ヒトリポプロテイン(a)抗体感作ラテックス試薬の
調製 実施例1(1)と同様にして調製した抗ヒトリポプロテイ
ン(a)抗体(以下、「抗Lp(a)抗体」という)のグリシ
ン緩衝液(濃度:0.75mg/ml、pH9.0)1
0mlに平均粒径0.1μmのポリスチレンラテックス
(セラダイン社製)溶液1mlを加え、室温下で30分
撹拌し、冷却下に12,000rpm、30分間遠心分
離を行った。沈殿した抗Lp(a)抗体感作ラテックス粒
子(以下、「抗Lp(a)−ラテックス」という)(感作
量:7.5mg/ml)を、ウシ血清アルブミン溶液
(濃度:1重量%)に懸濁させ、0.4重量%の抗Lp
(a)−ラテックス試薬を調製した。
【0083】(2)標準曲線の作成 希釈安定化液(0.05重量%ウシ血清アルブミン加ト
リス緩衝液、pH8.0)240μlに上記(1)で調製
した抗Lp(a)−ラテックス試薬25μlを添加、混合
し、照射光波長570nmにおける抗原−抗体反応(凝
集反応)開始前の吸光度を測定した。ついで、この混合
物に下記表7に示す濃度のLp(a)を含有する溶液4μ
lを添加、振盪し、5分25秒間抗原−抗体反応(凝集
反応)を行ない、反応が完結した後、照射波長570n
mでの吸光度を測定した。吸光度測定は、1濃度につき
2回ずつ実施した。下記表7に各濃度における抗原−抗
体反応(凝集反応)開始前の吸光度と反応完結後の吸光
度の差及びその2検体の平均値を示した。
【0084】
【表7】
【0085】上記表7の測定データを標準Lp(a)溶液
の濃度を横軸とし、吸光度の差を縦軸とするグラフにプ
ロットし、図4に示す標準曲線を作成した。
【0086】(3)未知試料中のヒトLp(a)の定量 前記(2)と同様にして、希釈安定化液240μlと(1)で
調製した抗Lp(a)−ラテックス試薬25μlの混合物
の照射光波長570nmにおける吸光度を測定した後、
この混合物に被検者から得た血液から常法により分離し
たは血清を適宜希釈した試料溶液4μlを添加、振盪後
5分25秒間反応を行い、反応完結後同波長における吸
光度を測定し、(2)で作成した標準曲線から試料中のヒ
トLp(a)濃度を求めた。
【0087】なお、比較のため、レート法及びEIA法
(コスモバイオ社製)による測定を同時に実施した。
【0088】レート法では、本発明の方法と同一及び同
量の抗Lp(a)−ラテックス試薬を用い、照射光波長5
70nmで、抗原−抗体反応開始から25秒毎に4分1
0秒までの10点において吸光度を測定した。
【0089】上記本発明の方法、レート法及びEIA法
による測定結果を下記表8に併せて示した。
【0090】
【表8】
【0091】以上の実施例1〜4の結果から、本発明の
方法による測定結果はレート法よりも、感度が高いとさ
れているEIA法等での測定結果に近く、本発明の方法
がレート法よりも測定精度が優れていることを示してい
る。
【0092】また、本発明の方法による測定結果のcv
も、レート法に比べて小さく、このことは本発明の方法
がレート法に比べて再現性に優れていることを示してい
る。
【0093】(実施例5)平均粒径が0.05μmのポ
リスチレンラテックス(セキスイ化学社製)を使用した
以外は、前記実施例1(1)と同様にして抗Fg−ラテッ
クス試薬を調製した。得られた抗Fg−ラテックス試薬
を用い、前記実施例1(3)と同様にして、吸光度を測定
し、吸光度の差及びその2検体の平均値を下記表9に示
し、標準曲線を図5に示した。
【0094】
【表9】
【0095】さらに前記実施例1(4)と同様に未知試料
中のFDPの定量を行った。その結果を下記表10に示
した。
【0096】
【表10】
【0097】(実施例6)平均粒径が0.9μmのポリ
スチレンラテックス(セラダイン社製)を使用した以外
は、実施例1(1)と同様にして抗Fg−ラテックス試薬
を調製した。得られた抗Fg−ラテックス試薬を用い、
前記実施例1(3)と同様にして、吸光度を測定し、吸光
度の差及びその2検体の平均値を下記表11に示し、標
準曲線を図6に示した。
【0098】
【表11】
【0099】さらに前記実施例1(4)と同様に未知試料
中のFDPの定量を行った。その結果を下記表12に示
した。
【0100】
【表12】
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、レート法よりも測定感
度及び再現性に優れた、エンドポイント法による免疫学
的定量法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】平均粒径が0.15μmの粒子状の不活性担体
を使用した場合のFDPの標準曲線(FDP濃度に対す
る吸光度の差)を示すグラフである。
【図2】FXIIIの標準曲線(FXIII濃度に対する吸光
度の差)を示すグラフである。
【図3】Dダイマーの標準曲線(Dダイマー濃度に対す
る吸光度の差)を示すグラフである。
【図4】Lp(a)の標準曲線(Lp(a)濃度に対する吸光
度の差)を示すグラフである。
【図5】平均粒径が0.05μmの粒子状の不活性担体
を使用した場合のFDPの標準曲線(FDP濃度に対す
る吸光度の差)を示すグラフである。
【図6】平均粒径が0.9μmの粒子状の不活性担体を
使用した場合のFDPの標準曲線(FDP濃度に対する
吸光度の差)を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析対象物に対する抗体又は抗原により
    感作された粒子状の不活性担体を含む水溶液と、分析対
    象物を含む試料を、抗原−抗体反応に基づき凝集反応を
    起こさせ、該反応混合物に特定波長の光を照射してその
    吸光度を測定することにより、試料中の分析対象物濃度
    を定量する方法において; (1)凝集反応開始前及び(2)凝集反応完結時の2点の吸光
    度を測定することを特徴とする抗原−抗体反応による微
    量物質の定量法。
  2. 【請求項2】 粒子状の不活性担体の平均粒径が0.0
    5〜0.9μmである請求項1に記載の定量法。
  3. 【請求項3】 粒子状の不活性担体の単位表面積当たり
    の抗体又は抗原の感作量が、0.5×10-4〜15×1
    -4mg/cm2である請求項1に記載の定量法。
  4. 【請求項4】 粒子状の不活性担体がポリスチレンラテ
    ックスである請求項1に記載の定量法。
  5. 【請求項5】 分析対象物がフィブリン/フィブリノゲ
    ン分解産物(FDP)、ヒト血液第XIII因子(FXII
    I)、ヒトDダイマー及びヒトリポプロテイン(a)(Lp
    (a))から選ばれる請求項1に記載の定量法。
  6. 【請求項6】 吸光度の測定波長が400〜1000n
    mである請求項1に記載の定量法。
  7. 【請求項7】 分析対象物が抗原であり、粒子状の不活
    性担体に感作される抗体がモノクローナル抗体である請
    求項1に記載の定量法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000016941A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Lion Corp 花粉症予防剤
JP2009524827A (ja) * 2006-01-27 2009-07-02 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 上昇した量のd−ダイマーを含む保存安定性細胞性全血組成物
WO2019049395A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 アルフレッサファーマ株式会社 分析装置および分析方法

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