JP2000016941A - 花粉症予防剤 - Google Patents
花粉症予防剤Info
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Abstract
し、花粉を破壊し無害化する花粉症予防剤を提供する。 【解決手段】 動的光散乱法による平均粒子径1〜50
00nm、電気泳動光散乱法によるゼータ電位の絶対値
30mV以上、および粉末X線回析法による純度90%
以上である水膨潤性粘土鉱物を配合した花粉症予防剤。
Description
粉に直接作用することによって、花粉を破壊し無害化す
る物質を有効成分として含有させた花粉症予防剤に関す
るものである。
遺伝的もしくは後天的にアレルギーを起こしやすい人間
の体内に入った時に起こるアレルギーのことである。詳
細には、花粉がこのような体質の人間の鼻や眼などから
進入し粘膜に付着することにより花粉外膜が割れたと
き、膜ないしはその中の原形質から流出する花粉抗原が
粘膜を通して体内に浸透して急激な抗原抗体反応、すな
わちアレルギー反応が起こり、鼻や眼などに耐え難い苦
痛や痒みを起こさせるものである。このようにして起こ
る花粉症に対し、現在行われている療法としては予防、
治療がほとんどである。予防について見てみると、発症
の原因となる花粉を如何に体内に進入させないかと言っ
たものがほとんどである。まず、この花粉症の予防法に
ついて例示すると、特殊な素材を用い、フィルター効果
により花粉を捕捉しようとするものが多く、個人的に使
用するものとしては、マスク、鼻栓等(特開平5−11
5572号公報、特開平6−158494号公報、特開
平1−256977号公報、特開平3−7174号公
報、特開平3−56108号公報、特公平6−8585
2号公報)があり、また機械的に捕捉する空気清浄機も
ある(特開平3−56108号公報)。しかしながら、
これらは全て物理的に花粉を体内に入る前に捕捉しよう
というものであり、このためフィルターに捕捉された花
粉は原型を留めるため再飛散の可能性があるという、問
題点を残している。さらに花粉の進入に対し防御構造を
設けたメガネ(特表平7−506906号公報)などが
提案されているが、花粉に対する直接な作用性は全くな
い。また、花粉を無害化するものとしては、これまでは
紫外線やコロナ放電などの大がかりな装置を要するもの
が多くコストの面で問題があった。ところで一部に水分
を利用するものも見られるが、花粉抗原は通常、水へは
溶出しにくく効果の点で不十分であった(特開平6−1
54298号公報、特開平7−807号公報、特開平1
−168312号公報)。次に、花粉症の治療法につい
て考察してみると、この方法は上記予防法とは逆に、体
内に浸入した抗原を如何にアレルギー反応(花粉症症
状)を起こさないようにするか、ないしは起こってしま
った症状をいかに和らげるかと言った観点からなされて
いる。例示すると、減感作療法を発展させたもの(特開
平1−156926号公報、特開平3−93730号公
報、特開平7−18891号公報)や抗Cryj−1抗
体の産生を抑制したり、ヒトIgE抗体と特異的に反応
するいわゆるワクチン的な発症阻止剤(特開平3−90
036号公報、特開平6−219962号公報、特開平
7−118295号公報、特開平9−56369号公
報)、更に抗アレルギー薬に至っては合成薬剤(特公昭
62−31692号公報、特開平3−291237号公
報、特開平5−30619号公報、特開平7−2575
8号公報)、天然物を利用した薬剤(特開昭61−15
84号公報、特開平1−243972号公報、特開平3
−145430号公報、特開平6−269264号公
報)等や薬剤を応用した剤型(特開平1−156926
号公報、特開平8−164207号公報)等がある。し
かしながら、これらは総じて経口、経鼻等にて薬剤を体
内に吸収させ、作用させるものであり、そのほとんどが
経口経鼻等にて作用を発揮するものであるため、個人に
よっては効果が不十分であったり、眠くなるなどの副作
用が生ずるなどの問題点があった。また、高分子等によ
り花粉を被覆する提案があるが(特公平6−95859
号公報、特開平7−12371号公報)、これらは花粉
の本質に作用するものでないため、体内に入った場合、
被覆が解けて内部より抗原が溶出する危険性がある。以
上みてきたとおり、花粉症の原因である花粉そのものの
作用についてはこれまでほとんど検討がなされていなか
ったのが現状であるが、本発明者らは先にカチオン活性
剤、特に分子中に少なくとも一個のグアニジノ基を有
し、界面活性能を有する化合物又はその塩を含有させ
た、花粉に直接作用する花粉症予防剤を提案した(特開
平9−157152号公報)。この提案は、花粉症をお
こす花粉に直接作用することによって、花粉症を起こさ
なくなるように花粉を破壊し無害化できるという点で画
期的なものであるが、その後の研究により、花粉内部の
抗原の失活作用にやや劣り、また粘膜刺激性が若干強い
という問題があることが判明した。
鑑みなされたものであり、花粉症を起こす花粉に直接作
用して花粉を破壊すると共にその内部の抗原の失活化作
用に優れ、しかも粘膜刺激性のない花粉症予防剤を提供
することを目的とする。
を達成するために鋭意研究の結果、特定の水膨潤性粘土
鉱物が上記目的に適合することを見い出し、本発明を完
成するに至った。
り測定した平均粒子径が1〜5000nm、電気泳動光
散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以
上、および粉末X線回析法により求められた純度が90
%以上である水膨潤性粘土鉱物を配合したことを特徴と
する花粉症予防剤が提供される。
粉外膜が割れたとき、膜ないしはその中の原形質から流
出する花粉抗原が人体に作用するためである。このこと
を鑑みれば、花粉を割って、抗原を溶出させ、この抗原
を無害化することができれば花粉症そのものを発症させ
なくすることができるはずである。
物性について調査した結果、これらが蛋白質であること
に着目した。これによれば、蛋白質である花粉は吸着、
変成、凝集等の高蛋白作用性を示す物質により無害化で
きることとなる。
めた結果、特定の水膨潤性粘土鉱物が良好に花粉の外膜
を割り、破壊する性質を有すると共に該抗源を著しく不
活化させる性質を有し、花粉を無害化することを知見し
た。即ち、この特定の水膨潤性粘土鉱物が花粉に作用す
ることにより、花粉自体が全く無害なものとなってしま
うため、結果として花粉症にはならないことになる。こ
のような作用は花粉が蛋白質であることに由来するた
め、どのような種類の花粉に対しても起こる現象であ
る。つまり、該物質を用いることにより、全ての種類の
花粉症を起こさなくすることが出来るのである。
いて更に詳述する。本発明の花粉症予防剤の有効成分で
ある特定の水膨潤性粘土鉱物の対象となる花粉は特に限
定されないが、花粉症の原因となるスギ、ブタクサ、カ
モガヤ、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、ヒノキ等の花
粉が特に対象となる。
は、動的光散乱法により測定した平均粒子径が1〜50
00nmであって、電気泳動光散乱法により測定したゼ
ータ電位の絶対値が30mV以上であり、更に粉末X線
回折法により求められた純度が90%以上のものである
必要がある。
より大きいと、粘土鉱物単位重量あたりの表面積が小さ
く花粉との有効接触面積が小さくなってしまうため、破
壊作用の確立が劣る。好ましい平均粒子径は50〜30
00nm、更に好ましい平均粒子径は200〜2000
nmの範囲である。
対値は花粉表面への吸着性から30mV以上である必要
がある。ゼータ電位の絶対値が30mV未満であると、
粘土粒子が凝縮しやすくなり、製剤中で凝集物の沈降が
生じたりして分散安定化が低下するので好ましくない。
取したものには、カルサイト、トリジマイト、クリスト
バライト、石英、各種無機物などの非膨潤性の夾雑物が
含まれているため、上記効果が不十分であり、本発明で
用いる粘土鉱物の純度は90%以上(粉末X線回析法)
であることが必要であり、特に95%以上が好ましい。
例としては、例えば天然または合成スメクタイト粘土、
特に有機変成されていない非有機変成のスメクタイト粘
土が好ましく、ベントナイト、モンモリロナイト、パイ
デライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライ
ト、ソーコナイト、スチーブンサイトなどが挙げられ、
膨潤性の雲母なども使用できる。これらの中ではベント
ナイト、モンモリロナイト、サポナイトが好ましい。
の水膨潤性粘土鉱物の配合量は、好ましくは0.001
〜10重量%以上、その効果を十分に発揮させる点から
0.05〜5重量%以上が更に好ましい。その配分量が
10重量%を超えると分散安定性が悪くなりやすく、
0.001重量%未満では破壊、無害化の効果の点で劣
る。
潤性粘土鉱物を主成分とするものであるが、カチオン界
面活性剤特に分子中に少なくとも1個のカチオン性基と
してのグアニジノ基を有し、かつ界面活性能を有する化
合物又はその塩を併用することができる。このようにす
ると、抗原蛋白質に対する吸着能が更に向上するため抗
原の失活化がより容易となる等といった利点がもたらさ
れる。
アンモニアム基、ピリジニウム基やカチオン化アミン基
等のカチオン性基を有する物質、例えば、ステアリルト
リメチルアンモニウムクロライド等が挙げられるが、特
にカチオン性を発揮しうる基としてグアニジノ基を有
し、かつ界面活性剤を有する化合物又はその塩が好まし
い。また、1分子中に少なくとも1個以上のグアニジノ
基を有し、かつ界面活性剤を有する化合物としては、特
開平9−157152号公報に示されるような、ヘキサ
デシルグアニジン、オクタデシルグアニジン、2−オク
チルドデシルグアニジンなどのアルキルグアニジン、オ
レイルグアニジンなどのアルキレングアニジン、2−グ
アニジノエチルラウロアミド、4−グアニジノブチルラ
ウロアミド、3−グアニジノプロピルオクタノイルアミ
ド、2−グアニジノエチルステアロイルアミド、6−グ
アニジノヘキシルミリストイルアミドなどのアルキルア
ミドグアニジン、4−グアニジノブチルオレイルアミド
グアニジンなどのアルキレンアミドグアニジン、N−ヤ
シ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル、N−ヤシ油
脂肪酸アシル−L−アルギニンステアリル、N−ラウロ
イル−L−アルギニンプロピル、N−2エチルヘキサノ
イル−L−アルギニンメチルなどのアルギニン誘導体、
1,8−ジグアニジノオクタン、1,18−ジグアニジ
ノオレインなどのジグアニジン誘導体が挙げられる。
症予防剤には、上記カチオン界面活性剤の他に、通常製
剤に用いられる配合剤、例えば、界面活性剤、油分、ア
ルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キ
レート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱
剤、ビタミン類、アミノ酸類、生薬、植物エキス、水等
を配合することができる。なお、任意成分は、これらに
限定されるものではないことはもちろんである。
製品は、雑貨、化粧品、医薬品の何れでも良く、また身
体に使用するもの、しないものでも良い。特にその内容
は規定しないが、例えば雑貨では、上記の花粉症予防剤
を親水性不織布にしみこませた剤、例示するとこの不織
布で顔や体を拭いたりする剤、この不織布を撥水性の不
織布で包むことによりマスクに挟んだり、口当てにした
りするシート剤、及び花粉症予防剤を綿棒にしみこませ
た剤、エアゾール・ディスペンサー容器に詰めたスプレ
ー剤、衣類の柔軟剤、空中散布剤などが挙げられる。ま
た化粧品では、上記花粉症予防剤を配合させた、化粧用
クリーム、乳液、化粧水、美容液、プレメイクアップ、
アンダーメイクアップ、ジェル剤、洗顔剤、身体洗浄
剤、ヘアースプレー、ヘアメイク剤、ヘアジェル剤など
が挙げられ、更に、医薬品では点眼剤、上記花粉症予防
剤を配合した点鼻剤、洗眼剤、洗鼻剤、軟膏など皮膚外
用組成物などに好適に使用することができる。
発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に制限されるものではない。尚、実施例および比較例に
おける花粉症予防剤の組成は、重量%で示す。
評価〕花粉割裂の作用のメカニズムから、涙の成分や一
般的に蛋白変性剤と言われている成分等につき、花粉を
割る効果について評価した。以下に実験方法を示す。9
6穴マイクロプレートにスギ花粉0.01gをとり、下
記表1の各種成分0.5%水溶液を1滴加え、10分
後、鏡検し(400倍)、花粉の割裂率を下式から算出
した。その結果を表1に示す。 割裂率(%)=割れた花粉数/全花粉数×100 表1から涙の成分や粘度鉱物であるベントナイト、高分
子類であるカチオン化セルロース、アクリル酸両性ポリ
マー、特定の植物抽出液に花粉を割る良好な作用効果が
認められた。
実施例1にてスクリーニングした成分について、さらに
抗原量を測定することにより花粉無害化度(抗原失活化
度)を評価した。花粉を割らない成分は必然的に溶出し
てくる抗原量は低くなり、無害化なのか溶出しない現象
によるのかの区別が付かない。そこで、今回花粉を割る
成分としてアルギニンを選定し、この0.1%液にて花
粉を強制的に割りながら各成分を作用させ、その後、抗
原量を測定した。具体的な方法としては、花粉30mg
にアルギニン0.1%、表2に示す各成分1.0%を含
んだ液5ccを加え、1時間40℃に放置した後、ヒト
血清IgEを用いたELISA法により抗原量を測定し
た。その結果を表2に示す。表2の結果から、ベントナ
イトは抗原量を激減させ、花粉を十二分に無害化してい
ることが分かる。それに比べ、一般的なタンパク変性剤
であるその他の剤に関しては、抗原量の値がブランクと
変わらず、花粉が無害化されていないことが分かった。
1、2、3、4、5、6 〔粘度鉱物の種類と花粉無害化効果〕各種粘度鉱物の濃
度を変化させた花粉割裂率と花粉無害化度(抗原不活化
度)を、上記実験と同様の方法により測定した。その結
果を表3に示す。表3から水膨潤性粘度鉱物は、どの種
類においても著しく、抗原量を減少させる作用を有して
おり、花粉無害化効果が認めらることがわかった。これ
に比べ他の粘土鉱物は花粉を割る効果もなく、また強制
的に割った系に作用させても抗原の検出量はアルギニン
のみの場合と同様で無害化の効果もないことが分かっ
た。
が、本発明はこれらの事例に制限されるものではない。
性不織布に含浸させ、その周りを疎水性不織布で2層以
上に覆う。これにより、液のしみ出しのない良好なシー
トが得られ、これをマスクの間に挟んだり、口当て用に
使うことにより良好に花粉を捕捉、無害化できる。
90重量部に対し、LPG10重量部をエアゾール缶
に充填する。LPGのため非常に噴射性の良いスプレー
ができる。
部に対し、DME、窒素もしくはこれらの混合物を10
重量部エアゾール缶に充填する。プロペラントがDM
E、窒素なのでマイルドな噴射性(顔に当たっても痛く
ない)のスプレーができる。
けば、空中散布剤として活用できる。
整液1を弱酸性とし、調整液2とする。
プロピルメチルセルロースを0.5重量%加える。これ
により眼のまわり等の肌にぬるジェル剤ができる。
に詰め、使用時そのローションに綿棒を浸して鼻腔内、
や小鼻の周りまたは耳内、耳周辺等を拭き取る。また
は、はじめから綿棒に剤(調整液2)をしみこませてお
くことも出来る。
織布等に前調整液2を含浸させ、顔などの肌や髪等につ
いた花粉をふきとる。ウェットティッシュのようなポッ
プアップ方式の形態が使用に便利である。
を適当量の滅菌精製水に加えて溶解し、粧終的に滅菌精
製水で全量を1000mlとしたあとで、無菌濾過し点
眼容器に充填して点眼剤とする。 ビタミンAパルミテート(170万単位) 0.15g ベントナイト 5g (粒子径 520nm、純度93%、ゼータ電位絶対値60mV) 亜硫酸ナトリウム 1.0g 塩酸ナファゾリン 0.03g イプシロアミノカプロン酸 10.0g リン酸水素二ナトリウム 12.0g リン酸二水素ナトリウム 2.2g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 0.05g アルギニン塩酸塩 5g プロピレングリコール 5g
レン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60)
3g、酢酸d−α−トコフェロール0.5g、ビタミン
Aパルミテート(170万単位)0.15gを加温溶解
する。これにベントナイト5g(粒子径520nm、純
度93%、ゼータ電位60mV)、亜硫酸ナトリウム
2.0g、塩酸ピリドキシン0.5g、アスパラギン酸
カリウム10.0g、リン酸二水素ナトリウム0.5
g、リン酸二水素ナトリウム7.6g、エチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム0.05g、リジン塩酸塩5g、プ
ロピレングリコール5.0g、クロロブタノール3.0
g、1−メントール0.3gそれぞれを適当量の滅菌精
製水に加えて溶解し、さらにヒドロキシプロピルメチル
セルロース3gを加えて増粘させ、最終的に滅菌精製水
で全量を1000mlとし、無菌濾過し点鼻容器に充填
して点鼻剤とした。
上記特有な物性を有する水膨潤性粘土鉱物は、花粉の外
膜を割って内部の原形質に対しても作用を及ぼし、その
原形質を変化させると共に花粉症の原因となる抗原自体
を失活化させる。この作用により、花粉そのものを無害
化することができるため花粉症の発症を抑えることがで
きる上、粘膜刺激性のないものである。従って、本発明
の有効成分はさまざまな組成物に応用でき、あらゆるタ
イプの花粉症予防剤とすることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 動的光散乱法により測定した平均粒子径
が1〜5000nm、電気泳動光散乱法により測定した
ゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回
析法により求められた純度が90%以上である水膨潤性
粘土鉱物を配合したことを特徴とする花粉症予防剤。
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