JPH07286084A - 熱可塑性アクリル樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性アクリル樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH07286084A JPH07286084A JP10178394A JP10178394A JPH07286084A JP H07286084 A JPH07286084 A JP H07286084A JP 10178394 A JP10178394 A JP 10178394A JP 10178394 A JP10178394 A JP 10178394A JP H07286084 A JPH07286084 A JP H07286084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- acrylic resin
- weight
- unit
- thermoplastic acrylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50重量%
からなる熱可塑性アクリル樹脂(A)20〜96重量部
と、メタクリル酸メチル単位、アルキル基の炭素数が1
〜8であるアクリル酸アルキルエステル単位、さらにそ
れらと共重合可能なビニル単量体単位からなり、乳化重
合により重合されるアクリル系多層構造重合体(B)4
〜80重量部からなる熱可塑性アクリル樹脂組成物であ
る。 【効果】 本発明の熱可塑性アクリル樹脂組成物によ
れば、従来のゴム強化アクリル樹脂の持つ耐衝撃性や成
形加工性を維持し、なおかつヘイズの温度依存性や透明
性等の欠点が改良されたアクリル樹脂組成物を提供する
ことができる。
Description
組成物に関するものであって、さらに詳しくは、透明
性、耐衝撃性に優れ、ヘイズの温度依存性が低減された
熱可塑性アクリル樹脂組成物に関するものである。
として、弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に
分散させることが一般的に行われている。熱可塑性樹脂
の耐衝撃性を改善する方法としてはジエン系エラストマ
ーの導入が一般的であるが、アクリル樹脂の場合耐侯性
の観点からアクリル系エラストマーの導入について種々
検討されている。アクリル系エラストマーを用いた改質
樹脂としては、芯−殻構造を基本とする、軟質層と硬質
層を組み合わせた多層構造重合体が種々検討されている
(特公昭54−18298号、特公昭55−27576
号、特公昭62−41241号等)。これらの方法は耐
衝撃性の改善効果は優れているものの、ヘイズの温度依
存性が大きく、耐衝撃性アクリル樹脂の応用範囲が限定
される問題点があった。
か検討されている。その中で特開昭63−199258
号公報は樹脂成分とエラストマー成分とのグラフト率を
高めることによりヘイズの温度依存性を低減させるとい
うものであるが、実用に供するには十分満足できる物性
を有していない。
は、アクリル樹脂の優れた透明性、流動加工性に加え、
耐衝撃性に優れ、ヘイズの温度依存性の低減されたアク
リル樹脂組成物を提供することにある。
現状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造を有するアク
リル系多層構造重合体を用いることにより上記問題点が
解決されることを見いだし本発明を完成するに至った。
位50〜100重量%、これと共重合可能な他の単量体
単位0〜50重量%からなる熱可塑性アクリル樹脂
(A)20〜96重量部と、メタクリル酸メチル単位、
アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル
エステル単位、さらにそれらと共重合可能なビニル単量
体単位からなり、乳化重合により重合されるアクリル系
多層構造重合体(B)4〜80重量部からなる熱可塑性
アクリル樹脂組成物であって、当該アクリル系多層構造
重合体(B)は(1)メタクリル酸メチル単位50〜1
00重量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜5
0重量%よりなる単量体混合物を重合せしめて得られた
25℃以上のガラス転移温度を有する硬質層である第
(i)層、(2)アルキル基の炭素数が1〜8のアクリ
ル酸アルキルエステル単位20〜99.9重量%、これ
と共重合可能なビニル単量体単位0〜79.9重量%お
よび多官能性単量体単位0.1〜5重量%からなる単独
で重合したとき25℃未満のガラス転移温度を有するエ
ラストマー層であり、第(i)層を内部に含有する軟質
層である第(ii)層、(3)メタクリル酸メチル単位
50〜100重量%、これと共重合可能な他の単量体単
位0〜50重量%よりなる単量体混合物を重合せしめて
得られた25℃以上のガラス転移温度を有し、第(i
i)層、次いで第(i)層を内部に含有する硬質層であ
る第(iii)層からなり、熱可塑性アクリル樹脂組成
物中の第(ii)層成分が3%以上であり、第(ii)
層の平均厚みが0.001μm〜0.02μm未満であ
って、かつアクリル系多層構造重合体(B)の第(i
i)層の平均粒子径(Rii(μm))と平均厚み(T
ii(μm))の関係が次式 (Rii)×(Tii)<0.004 を満足する熱可塑性アクリル樹脂組成物によって達成さ
れる。本発明における熱可塑性アクリル樹脂(A)はメ
タクリル酸メチル単位50〜100重量%、これと共重
合可能な他の単量体単位0〜50重量%とから構成され
るものである。上記単独又は共重合体において、共重合
可能な他の単量体単位としては、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等
のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エス
テル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−tert
−ブチルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等の、シアン化ビ
ニル化合物が挙げられ、それらは単独又は併用して用い
られる。また、この単独又は共重合体は、成形加工性を
よくするために分子量を調節することが好ましく、この
調整はメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて行うことが
できる。この単独又は共重合体は懸濁重合、溶液重合、
乳化重合、塊状重合等の公知の方法により得られる。
(B)はメタクリル酸メチル単位、アルキル基の炭素数
が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル単位、さら
にそれらと共重合可能なビニル単量体単位からなる多層
構造重合体である。
(i)層を構成する単量体単位としては、メタクリル酸
メチルのほか、これと共重合可能な他の単量体として以
下に示すものが用いられる。メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸
シクロヘキシル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のア
クリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロヘキ
シルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、
N−tert−ブチルマレイミド等のN−置換マレイミ
ド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
の、シアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは単独又
は併用して用いられる。また多官能性単量体として、メ
タクリル酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリ
アリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸
ジアリル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼ
ン、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等の多官能性単量体が挙げられ、それらは単独又は併
用して用いられる。
第(i)層の割合は特に限定されないが、10〜70重
量%が好ましく、ガラス転移温度は25℃以上が好まし
い。また、第(i)層の組成は、熱可塑性アクリル樹脂
(A)の組成と類似したものであることがヘイズの温度
依存性を低く押さえる必要性から望ましい。また、第
(i)層を構成する単量体単位として上記のものが用い
られ、第(i)層全体での組成比が上記の比率を満たし
ていれば、第(i)層をさらに分割し、単量体、多官能
性単量体の組成比や種類を変化させたり、また必要に応
じ連鎖移動剤などを加えることも可能である。
i)層を構成する単量体単位としては、以下に示すもの
が用いられる。アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル
酸アルキルエステルとして、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル等が挙げられ、それらは単独又は併用して用
いられる。共重合可能な他の単量体として、1,3−ブ
タジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン等
のジエン系化合物、スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメ
タクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは
単独又は併用して用いられる。
酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、
桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリ
ル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,
3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多
官能性単量体が挙げられ、それらは単独又は併用して用
いられる。アクリル系多層構造重合体(B)に占める第
(ii)層の割合は特に限定されないが、耐衝撃性発現
のため5〜60重量%が好ましく、ガラス転移温度も同
様な点から0℃以下が好ましい。また、第(ii)層を
構成する単量体単位として上記のものが用いられ、第
(ii)層全体での組成比が上記の比率を満たしていれ
ば、第(ii)層をさらに分割し、単量体、多官能性単
量体の組成比や種類を変化させることも可能である。
01μm〜0.02μm未満である必要があり、より好
ましくは0.01〜0.0198μmである。0.00
1μmより薄いと衝撃強度が低下するため好ましくな
く、0.02μm以上ではヘイズの温度依存性が大きく
なるため好ましくない。この厚みはまた第(ii)層の
平均粒径と関係し、粒径が小さいときは平均厚みが厚め
であってもヘイズの温度依存性は少ないが、粒径が大き
いときは平均厚みを特に薄くしなければヘイズの温度依
存性は低くならない。この関係について本発明者らは鋭
意検討した結果、第(ii)層の平均厚みが一定の範囲
内であれば次式 (Rii)×(Tii)<0.004 を満足する平均粒子径を有する場合のみ衝撃強度等の性
質を保持しつつヘイズの温度依存性が実用上問題がなく
なることを見いだした。
(iii)層を構成する単量体単位としては、メタクリ
ル酸メチルのほか、これと共重合可能な他の単量体とし
て以下に示すものが用いられる。メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸メチル以外のメタ
クリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等
のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミ
ド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−置換マレ
イミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは単独又
は併用して用いられる。また、第(iii)層は分子量
を必要に応じ連鎖移動剤により調整することが好まし
い。その理由は、本発明のアクリル系多層構造重合体
(B)と熱可塑性アクリル樹脂(A)を加熱熔融混合す
る際、加熱熔融流動性、およびそれらの相溶性の点から
重要であるからである。アクリル系多層構造重合体
(B)に占める第(iii)層の割合は特に限定されな
いが、熔融混練時の良好な分散性を得るため10〜70
重量%が好ましくより好ましくは10〜50重量%であ
る。また、ガラス転移温度は成形物の良好な耐熱性を得
るため25℃以上が好ましくより好ましくは50℃以上
である。また、第(iii)層を構成する単量体単位と
して上記のものが用いられ、第(iii)層全体での組
成比が上記の比率を満たしていれば、第(iii)層を
さらに分割し、単量体、連鎖移動剤の組成比や種類を変
化させることも可能である。
層構造重合体(B)の粒子径は、通常0.01〜0.5
μmであり、より好ましくは0.05〜0.35μmで
ある。 本発明のアクリル系多層構造重合体(B)は、
公知の乳化重合法により製造される。多層構造重合体の
製造方法としては、まず所望の単量体混合物を乳化重合
させて芯粒子を作った後、他の単量体混合物をその芯粒
子の存在下において乳化重合させて周りに殻を作る。次
いで芯と殻からなる該粒子の存在下においてさらに他の
単量体混合物を乳化重合させて別の殻を作る。このよう
な反応の繰り返し、いわゆるシード重合法を用いて所望
の多層構造重合体を得る。各層の重合体又は共重合体を
形成させるための適切な重合温度は、各層とも30〜1
20℃、好ましくは40〜90℃の範囲である。
は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選択
されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独又は併用し
て用いることができる。特にアニオン界面活性剤が好ま
しく用いられる。アニオン界面活性剤としては、ステア
リン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウ
ロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩及びジスルホン酸
塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ
−n−ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の無機過酸化物、過酸化水素−第一鉄塩系、過硫酸カリ
ウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニウム−
酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系開始
剤、クメンハイドロパーオキシド−ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート系、tert−ブチルハイド
ロパーオキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート系等の水溶−油溶レドックス系の開始剤が用い
られる。
としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、sec
−ブチルメルカプタン等が挙げられる。
剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連続添
加法等公知の任意の方法で添加されてよい。
構造重合体(B)ラテックスは、必要に応じ他の樹脂ラ
テックス、安定剤等を加えた後、噴霧乾燥法、酸添加
法、塩添加法、凍結凝固法など公知の方法により重合体
および/又は樹脂の取り出しを行うことができるが凍結
凝固法により凝固させることが好ましい。凝固された重
合体および/又は樹脂は水又は温水で洗浄した後、乾燥
することが好ましい。
造重合体(B)は乾燥後、これを2〜80重量部と、熱
可塑性アクリル樹脂(A)20〜98重量部、及び必要
に応じ安定剤、滑剤、可塑剤、充てん剤、染料、顔料等
の公知の添加剤を加え、ヘンシェルミキサー等で混合
後、押出機を用いて200〜300℃で熔融混練する等
の公知の方法で製造することができる。アクリル系多層
構造重合体(B)が2重量部未満の場合には耐衝撃性が
不足し、80重量部を越える場合には色調、熔融加工性
に劣り好ましくない。
射出成形法等の公知の方法により賦形することができ
る。
明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従
って実施した。 (1)アイゾット衝撃強度;ASTM−D256 (2)全光線透過率;ASTM−D1003 また、実施例中に用いた略称を以下に示す。メタクリル
酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、アク
リル酸ブチル(BA)、スチレン(ST)、メタクリル
酸アリル(ALMA)、メタクリル酸ベンジル(BZM
A)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2−EHA)、
1,3−ブタジエン(BD)、n−オクチルメルカプタ
ン(n−OM)、ステアリン酸ナトリウム(SS)、N
−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム(LSS)、過硫
酸カリウム(KPS) 部は重量部、%は重量%を表わす。
ン交換水300部、SS1.0部、LSS0.08部を
投入し、250rpmの回転数で撹拌しながら窒素雰囲
気中70℃に昇温し、MMA50部、MA2部、ALM
A0.15部からなる単量体混合物(i−1)を投入し
た。ついで10%KPS水溶液0.6部を投入し、80
℃に昇温し60分保持した。 (第(ii)層の重合)次いでこのラテックスの存在下
に、10%KPS水溶液0.3部を投入し、BA28.
0部、ST5.8部、ALMA0.8部からなる単量体
混合物(ii−1)を60分かけて連続的に添加し、添
加終了後30分間保持した。 (第(iii)層の重合)次いでこのラテックスの存在
下に、10%KPS水溶液0.3部を投入し、MMA2
9部、MA1部、n−OM0.06部からなる単量体混
合物(iii−1)を30分かけて連続的に添加し、添
加終了後60分間保持して三層構造重合体ラテックスを
得た。
より得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により観察
し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層である
第(i)層が0.165μm、その外側の軟質層である
第(ii)層が0.201μm、最外部の硬質層である
第(iii)層が0.212μmであった。ここから第
(ii)層の厚みを算出すると、0.018μmであ
る。また、各層の単量体仕込み量と第(i)層の粒子径
から、第(ii)層、第(iii)層の粒子径を計算す
ると、第(ii)層が0.196μm、第(iii)層
が0.215μmであり、測定値とほぼ一致した。
ンレス製容器に入れ、凍結し、70℃で融解させた後、
瀘別して重合体を分離した。さらに70℃温水で水洗脱
水を3回繰り返した後、80℃で10時間乾燥した。得
られたアクリル系多層構造重合体(B)の粉体とアクリ
ル樹脂(A)ビーズ(パラペットHR−L;(株)クラ
レ製品)を1対1の割合で混合し、ペレット押出機(V
SK型40m/mベント式押出機:中央機械製作所製)
で250℃でペレット化後、射出成形機(N70A型射
出成形機:日本製鋼所製)を用いて成形温度250℃、
金型温度50℃の条件で所定の試験片を製作し、物性測
定を行った。得られた試験片の評価結果を表1に示す。
薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡で観察した。ほぼ粒
子の赤道面が見えていると考えられる粒子についてルテ
ニウム酸で染色されている第(ii)層の平均厚みを測
定したところ0.019μmであり、ラテックスの粒径
から算出した値と一致した。また、第(ii)層の平均
粒子径(μm)×第(ii)層の平均厚み(μm)は
0.0036であった。
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は実施例1と同様に操作して評価した結
果を表1に示す。
部、LSS0.2部に変えた以外は実施例1と全く同様
に操作して三層構造重合体ラテックスを得た。一方、還
流冷却器付き反応容器に、イオン交換水300部、SS
1.0部、LSS0.1部を投入し、250rpmの回
転数で撹拌しながら窒素雰囲気中70℃に昇温し、MM
A144部、MA6部、n−OM0.3部からなる単量
体混合物を投入した。次いで10%KPS水溶液1.5
部を投入し、80℃に昇温し90分保持してアクリル樹
脂ラテックスを得た。得られたアクリル樹脂ラテックス
と、三層構造重合体ラテックスを1対1の割合で混合
し、実施例1と同様に凍結、融解、瀘別、洗浄、乾燥を
行った。得られた粉体をそのまま実施例1と同条件にて
ペレット化・射出成形により試験片を作成し、物性測定
を行った。得られた試験片の評価結果を表2に示す。
より得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により観察
し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層である
第(i)層が0.108μm、その外側の軟質層である
第(ii)層が0.132μm、最外部の硬質層である
第(iii)層が0.142μmであった。各層の単量
体仕込み量と第(i)層の粒子径から、第(ii)層、
第(iii)層の粒子径を計算すると、第(ii)層が
0.128μm、第(iii)層が0.141μmであ
り、測定値とほぼ一致した。また、第(ii)層の平均
粒子径(μm)×第(ii)層の平均厚み(μm)は
0.0016であった。
リル樹脂ラテックスとの配合割合を変化させて試験片を
作成した。これ以外は実施例5と同様に操作して評価し
た結果を表2に示す。
部、LSS0.2部に変え、第(ii)層の重合時、1
0%KPS水溶液の量を0.6部とし、(ii−1)の
量をBA56.0部、ST11.6部、ALMA1.6
部に変えた以外は実施例1と同様に操作を行い、アクリ
ル系多層構造重合体(B)の粉体を得た。これを用い、
表3に示した割合でアクリル樹脂(A)ビーズと混合
し、実施例1と全く同様に操作して試験片を作成し評価
した。結果を表3に示す。重合中および重合終了時のサ
ンプリングにより得られたラテックスを走査型電子顕微
鏡により観察し、平均粒子径を求めたところ、最内部の
硬質層である第(i)層が0.107μm、その外側の
軟質層である第(ii)層が0.146μm、最外部の
硬質層である第(iii)層が0.152μmであっ
た。各層の単量体仕込み量と第(i)層の粒子径から、
第(ii)層、第(iii)層の粒子径を計算すると、
第(ii)層が0.143μm、第(iii)層が0.
154μmであり、測定値とほぼ一致した。また、第
(ii)層の平均粒子径(μm)×第(ii)層の平均
厚み(μm)は0.0028であった。
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は実施例9と同様に操作して評価した結
果を表3に示す。
25.5部、BZMA8.3部、ALMA0.8部に変
えた以外は実施例1と全く同様に操作して評価した。結
果を表4に示す。重合中および重合終了時のサンプリン
グにより得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により
観察し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層で
ある第(i)層が0.167μm、その外側の軟質層で
ある第(ii)層が0.205μm、最外部の硬質層で
ある第(iii)層が0.221μmであった。また、
第(ii)層の平均粒子径(μm)×第(ii)層の平
均厚み(μm)は0.0039であった。
EHA28.3部、ST5.5部、ALMA0.8部に
変えた以外は実施例1と全く同様に操作して評価した。
結果を表4に示す。重合中および重合終了時のサンプリ
ングにより得られたラテックスを走査型電子顕微鏡によ
り観察し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層
である第(i)層が0.169μm、その外側の軟質層
である第(ii)層が0.206μm、最外部の硬質層
である第(iii)層が0.219μmであった。ま
た、第(ii)層の平均粒子径(μm)×第(ii)層
の平均厚み(μm)は0.0038であった。
20.7部、ST0.2部、BD13.1部、ALMA
0.3部に変え、これをさらにBA1.2部、ST0.
2部、ALMA0.3部(ii−15−1)と、BA1
9.5部、BD13.1部(ii−15−2)に分割し
た。第(i)層重合終了後、10%KPS水溶液0.0
2部を投入し、さらに(ii−15−1)を投入し、6
0分保持した。このラテックスを冷却後、オートクレー
ブに移し、窒素雰囲気下60℃に昇温後、10%KPS
水溶液0.33部を投入し、さらに(ii−15−2)
を投入し、5時間保持した。このラテックスを冷却し、
再び還流冷却器付き反応容器に移し替え、窒素雰囲気下
80℃に昇温し、実施例1と全く同様に第(iii)層
以降の操作をして評価した。結果を表4に示す。
より得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により観察
し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層である
第(i)層が0.168μm、その外側の軟質層である
第(ii)層が0.203μm、最外部の硬質層である
第(iii)層が0.212μmであった。また、第
(ii)層の平均粒子径(μm)×第(ii)層の平均
厚み(μm)は0.0036であった。
1で得られた三層構造重合体ラテックスを1対4の割合
で混合し、実施例1と同様に凍結、融解、瀘別、洗浄、
乾燥を行った。得られた粉体とアクリル樹脂ビ−ズを5
対3の割合で混合し、実施例1と同条件にてペレット化
・射出成形により試験片を作成し、物性測定を行った。
得られた試験片の評価結果を表5に示す。
S水溶液の量を0.6部とし、(ii−1)の量をBA
56.0部、ST11.6部、ALMA1.6部に変え
た以外は実施例1と全く同様に操作して評価した。結果
を表6に示す。重合中および重合終了時のサンプリング
により得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により観
察し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層であ
る第(i)層が0.168μm、その外側の軟質層であ
る第(ii)層が0.219μm、最外部の硬質層であ
る第(iii)層が0.237μmであった。各層の単
量体仕込み量と第(i)層の粒子径から、第(ii)
層、第(iii)層の粒子径を計算すると、第(ii)
層が0.222μm、第(iii)層が0.240μm
であり、測定値とほぼ一致した。また、第(ii)層の
平均粒子径(μm)×第(ii)層の平均厚み(μm)
は0.0056であった。
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は比較例1と同様に操作して評価した結
果を表6に示す。
S水溶液の量を0.9部とし、(ii−1)の量をBA
84.0部、ST17.4部、ALMA2.4部に変え
た以外は実施例5と全く同様に操作して評価した。結果
を表7に示す。重合中および重合終了時のサンプリング
により得られたラテックスを走査型電子顕微鏡により観
察し、平均粒子径を求めたところ、最内部の硬質層であ
る第(i)層が0.107μm、その外側の軟質層であ
る第(ii)層が0.160μm、最外部の硬質層であ
る第(iii)層が0.172μmであった。各層の単
量体仕込み量と第(i)層の粒子径から、第(ii)
層、第(iii)層の粒子径を計算すると、第(ii)
層が0.157μm、第(iii)層が0.166μm
であり、測定値とほぼ一致した。また、第(ii)層の
平均粒子径(μm)×第(ii)層の平均厚み(μm)
は0.0042であった。
リル樹脂ビーズとの配合割合を変化させて試験片を作成
した。これ以外は比較例5と同様に操作して評価した結
果を表7に示す。
よれば、従来のゴム強化アクリル樹脂の持つ耐衝撃性や
成形加工性を維持し、なおかつヘイズの温度依存性や透
明性等の欠点が改良されたアクリル樹脂組成物を提供す
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 メタクリル酸メチル単位50〜100重
量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50重量
%からなる熱可塑性アクリル樹脂(A)20〜96重量
部と、メタクリル酸メチル単位、アルキル基の炭素数が
1〜8であるアクリル酸アルキルエステル単位、さらに
それらと共重合可能なビニル単量体単位からなり、乳化
重合により重合されるアクリル系多層構造重合体(B)
4〜80重量部からなる熱可塑性アクリル樹脂組成物で
あって、当該アクリル系多層構造重合体(B)は(1)
最内層としてメタクリル酸メチル単位50〜100重量
%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50重量%
よりなる単量体混合物を重合せしめて得られた25℃以
上のガラス転移温度を有する第(i)層、(2)アルキ
ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル単
位20〜99.9重量%、これと共重合可能なビニル単
量体単位0〜79.9重量%および多官能性単量体単位
0.1〜5重量%からなる単独で重合したとき25℃未
満のガラス転移温度を有するエラストマー層であり、第
(i)層を内部に含有する第(ii)層、(3)メタク
リル酸メチル単位50〜100重量%、これと共重合可
能な他の単量体単位0〜50重量%よりなる単量体混合
物を重合せしめて得られた25℃以上のガラス転移温度
を有し、第(ii)層、次いで第(i)層を内部に含有
する第(iii)層からなり、熱可塑性アクリル樹脂組
成物中の第(ii)層成分が3%以上であり、第(i
i)層の平均厚みが0.001μm〜0.02μm未満
であって、かつアクリル系多層構造重合体(B)の第
(ii)層の平均粒子径(Rii(μm))と平均厚み
(Tii(μm))の関係が次式を満足する熱可塑性ア
クリル樹脂組成物。 (Rii)×(Tii)<0.004 - 【請求項2】 室温と70℃でのヘイズ差が5%以下で
ある請求項1に記載の熱可塑性アクリル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178394A JP3154893B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 熱可塑性アクリル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10178394A JP3154893B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 熱可塑性アクリル樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07286084A true JPH07286084A (ja) | 1995-10-31 |
JP3154893B2 JP3154893B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=14309793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10178394A Expired - Fee Related JP3154893B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 熱可塑性アクリル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154893B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101846481B1 (ko) * | 2016-10-05 | 2018-04-06 | 고의환 | 벽체옹벽용 관통슬리브 |
KR101901803B1 (ko) * | 2017-03-14 | 2018-09-27 | 필립산업 (주) | 벽체옹벽용 관통슬리브 |
-
1994
- 1994-04-15 JP JP10178394A patent/JP3154893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3154893B2 (ja) | 2001-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2721596B2 (ja) | アクリル系重合体凝固組成物、その製法およびその成形物 | |
JP3960631B2 (ja) | 多層構造グラフト重合体を含有してなる樹脂組成物 | |
JPS6284109A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JPH05247313A (ja) | エマルジョンポリマーの共マイクロ凝集体 | |
EP0231933B1 (en) | Thermoplastic resin compositions having excellent impact resistance, weather resistance and moldability, and process for preparing the same | |
JP3563166B2 (ja) | 透明熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3260486B2 (ja) | 耐ブロッキング性の改良された合成樹脂粉末を製造する方法 | |
JPH05262953A (ja) | ゴム含有グラフト共重合体粒子の製造方法 | |
JPH04300947A (ja) | ゴム含有グラフト共重合体粒子の製造方法 | |
JPH07286084A (ja) | 熱可塑性アクリル樹脂組成物 | |
JP3131479B2 (ja) | メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物 | |
JP3009379B2 (ja) | アクリル系重合体凝固物およびその成形物 | |
JPH0791347B2 (ja) | 耐衝撃性樹脂の製造方法 | |
JP2508192B2 (ja) | N―アリ―ルマレイミド系共重合体の製造法 | |
JP3630876B2 (ja) | 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物 | |
JPH0632961A (ja) | 耐衝撃性、耐候性、成形性及び外観に優れる熱可塑性樹脂組成物の製造方法 | |
JP3366362B2 (ja) | メタクリル系耐衝撃性改良剤および樹脂組成物 | |
JP3357097B2 (ja) | 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物 | |
JP2957645B2 (ja) | 耐候性に優れた耐衝撃性樹脂組成物の製造方法 | |
JPH06145263A (ja) | コア・シェルポリマー | |
JP2783476B2 (ja) | 重合体凝固物およびその組成物の製造方法 | |
JPH10218951A (ja) | 架橋樹脂粒子の製法およびそれからえられた架橋樹脂粒子、ならびにそれを含有してなる熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2002309056A (ja) | アクリル樹脂用耐衝撃性改質剤とその製造方法およびアクリル樹脂組成物ならびにアクリル樹脂の耐衝撃性改質方法 | |
JPH06179794A (ja) | 耐衝撃性樹脂組成物 | |
JPH05271501A (ja) | 耐衝撃性、耐熱性及び耐候性に優れたポリスチレン系樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140202 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |