JPH06179794A - 耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性樹脂組成物

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JPH06179794A
JPH06179794A JP35359892A JP35359892A JPH06179794A JP H06179794 A JPH06179794 A JP H06179794A JP 35359892 A JP35359892 A JP 35359892A JP 35359892 A JP35359892 A JP 35359892A JP H06179794 A JPH06179794 A JP H06179794A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粒子径0.10〜0.50μmの多層構造重
合体(A)10〜90重量部と、粒子径0.01〜0.
10μmの多層構造重合体(B)1〜90重量部、およ
び粒子径が0.01〜0.50μmの硬質熱可塑性重合
体(C)1〜90重量部からなり、かつ(A)、
(B)、(C)をラテックス状態で特定割合均一混合し
た後、凝固させて得られる耐衝撃性樹脂組成物である。 【効果】 本発明により、良好な透明性および耐候性を
有し、射出成形品、シートおよびフィルム等でのブツの
発生を著しく改良された耐衝撃性樹脂組成物、および耐
衝撃性改良剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは、透明性および耐候性を損なうことな
く、ブツの発生が著しく改良されたメタクリル系耐衝撃
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は無色透明で美しい外観
と耐候性を有し、成形が容易なことから、ルーバー、テ
イルランプ、レンズ、テーブルウェアー等電気部品、車
両部品、光学用途、装飾、雑貨、看板に幅広く用いられ
ているが衝撃に対する強度は必ずしも充分ではなく、そ
の改良、改質が数多く検討され、またメタクリル系耐衝
撃樹脂として製品化されている。しかるに、これら市販
のメタクリル系耐衝撃樹脂は目的とする耐衝撃性はそれ
なりに満足されるものの、汎用のメタクリル樹脂に添加
混合されている衝撃性改良剤が完全相溶するのではなく
粒子形状で分散していることから、粒子の凝集物あるい
は凝固物の存在がブツの原因となっており、特にシート
の成型加工時あるいは薄いフィルムでは少量の凝集物が
ブツとして表面に観察され、いまだ満足される製品が存
在しないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な透明
性および耐候性を有し、射出成形品、シートおよびフィ
ルム等でのブツの発生を著しく改良された耐衝撃性樹脂
組成物および耐衝撃性改良剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、良好な透
明性および耐候性を有しブツの発生が著しく改良された
メタクリル系耐衝撃性樹脂に関し鋭意研究した結果、乳
化重合により得られる特定の異なる粒子径を有する二種
以上の多層構造重合体と特定の粒子径を有する硬質熱可
塑性重合体をラテックス状態で均一混合した後、凝固さ
せることにより良好な透明性および耐候性を有し、ブツ
の発生が著しく改良されることを見い出し、本発明の耐
衝撃性樹脂組成物および耐衝撃性改良剤を完成するに至
った。
【0005】即ち、本発明は、粒子径0.10〜0.5
0μmの多層構造重合体(A)10〜90重量部と、粒
子径0.01〜0.10μmの多層構造重合体(B)1
〜90重量部、および粒子径が0.01〜0.50μm
の硬質熱可塑性重合体(C)1〜90重量部からなり、
かつ(B)の量(b)重量部と(C)の量(c)重量部
との間に、 0.5(b)+(c)≧10 (1) を満足する範囲で(A)、(B)、(C)をラテックス
状態で均一混合した後、凝固させて得られる耐衝撃性樹
脂組成物(ただし、(A)、(B)は、ジエン系単量体
とアルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種の
アルキルアクリレートの混合物50〜99.9重量%、
これらと共重合可能な不飽和単量体0〜49.9重量
%、多官能架橋性単量体および、または多官能グラフト
単量体0.1〜5重量%からなる単量体混合物を乳化重
合してなる25℃以下のガラス転移温度を有する少なく
とも1層の軟質重合体層と、アルキル基の炭素数が1〜
4である少なくとも1種のアルキルメタアクリレート5
0〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体
0〜50重量%、多官能架橋性単量体および、または多
官能グラフト単量体0〜5重量%からなる単量体混合物
を乳化重合してなる25℃以上のガラス転移温度を有す
る少なくとも1層の硬質重合体層との組み合わせからな
り、かつ最外層がアルキル基の炭素数が1〜4である少
なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜100重
量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜50重量
%からなり、全量に対する最外層の割合が10重量部以
上である単量体混合物を乳化重合してなる25℃以上の
ガラス転移温度を有する硬質重合体層よりなる多層構造
重合体であり、また(C)は、アルキル基の炭素数が1
〜4である少なくとも1種のアルキルメタクリレート5
0〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体
0〜50重量%からなる単量体混合物を乳化重合してな
る硬質熱可塑性重合体である)により達成される。
【0006】本発明において多層構造重合体の粒子径を
0.10〜0.50μmと0.01〜0.10μmに分
けているが、これには明らかな理由が存在する。多層構
造重合体中の軟質重合体層の重量比率が同一のとき、多
層構造重合体の粒子径が0.10μmを境として、それ
以上では多層構造重合体のブレンド比率が少ないときで
も高い衝撃強度を与える反面、凝固物から粒子への分散
性が悪くブツが多発しやすい傾向にある。一方、粒子径
が0.10μm未満では凝固物から粒子への分散性が良
好でありブツの発生が少ない反面、多層構造重合体のブ
レンド比率が多いときには特に問題はないが、ブレンド
比率が少なくなると衝撃強度が急激に低下するという相
反する傾向にある。
【0007】それ故、本発明者らが検討した結果、本発
明は多層構造重合体のブレンド比率が少ないときでもそ
れに見合った衝撃強度が得られ、かつ広い粒子径範囲で
ブツの発生が極めて少ない耐衝撃性樹脂組成物、および
耐衝撃性改良剤を提供することにある。すなわち、本発
明の透明性および耐候性が良好で、かつブツの発生が著
しく改良された耐衝撃性樹脂組成物、および耐衝撃性改
良剤は、粒子径0.10〜0.50μmの多層構造重合
体(A)10〜90重量部と、粒子径0.01〜0.1
0μmの多層構造重合体(B)1〜90重量部、および
粒子径が0.01〜0.50μmの硬質熱可塑性重合体
(C)1〜90重量部からなり、かつ(B)の量(b)
重量部と(C)の量(c)重量部としたとき、 0.5(b)+(c)≧10 (1) を満足する範囲でそれぞれをラテックス状態で均一混合
した後、凝固させることにより得られることが判明し
た。
【0008】本発明の多層構造重合体(A)の粒子径は
0.10〜0.50μmより好ましくは0.15〜0.
30μmであり、粒子径が0.50μmをこえるとブツ
の発生が急激に増加して好ましくない。添加量は10〜
90重量部であり、10重量部未満ではそれに見合った
衝撃強度が得られず、90重量部を超えるとブツが発生
しやすく、また耐候性が低下し好ましくない。多層構造
重合体(B)の粒子径は0.01〜0.10μmより好
ましくは0.05〜0.08μmであり、0.01μm
未満では衝撃強度が上昇しないばかりかブツが減少しな
い。添加量は1〜90重量部であり、90重量部を超え
ると耐衝撃性改良剤として汎用メタクリル樹脂とのブレ
ンドで衝撃強度が上昇しない領域があり好ましくない。
硬質熱可塑性重合体(C)の粒子径は0.01〜0.5
0μmより好ましくは0.05〜0.25μmであり、
0.01μm未満ではブツが減少せず、また0.50μ
m以上でもブツが減少しない。硬質熱可塑性重合体
(C)の添加量は1〜90重量部であり、90重量部を
超えると衝撃強度が低下し好ましくない。
【0009】多層構造重合体(A)、(B)および硬質
熱可塑性重合体(C)のラテックスブレンドでは、
(A)と(B)、(A)と(C)の組み合わせではブツ
は減少するが、本発明を満足させるブツの減少結果じゃ
得られず、また(B)と(C)の組み合わせではブツに
関しては良好な結果が得られるが、(B)のブレンド比
率が少ないときは衝撃強度が急激に低下し、(A)と
(B)と(C)の組み合わせにより始めて本発明が満足
される。更に、(A)と(B)と(C)の組み合わせと
ともに、式(1)を満足する範囲で、[1種以上の
(A)]と[1種以上の(B)]と[1種以上の
(C)]の組み合わせも可能である。また、多層構造重
合体(A)と多層構造重合体(B)の組成および層構造
は共に同一である必要はない。
【0010】本発明の耐衝撃性樹脂組成物、および耐衝
撃性改良剤は多層構造重合体(A)、(B)および硬質
熱可塑性重合体(C)を乳化重合により得られたラテッ
クス状態で均一混合した後、凝固させることにより得ら
れることを特徴とする。
【0011】本発明の多層構造重合体および硬質熱可塑
性重合体を得るための乳化重合は公知の方法が用いられ
る。乳化重合に使用される乳化剤の種類と量は、重合系
の安定性、目的とする粒子径等によって選択されるが、
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界
面活性剤等公知の乳化剤を単独または併用して用いるこ
とができ、特にアニオン界面活性剤が好ましい。乳化重
合に使用される重合開始剤としても特に限定されず、パ
ースルフェート系あるいはレドックス系の開始剤が用い
られる。また、必要に応じてアルキルメルカプタン等の
連鎖移動剤が用いられる。
【0012】乳化重合において、単量体、乳化剤、重合
開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等の任意の方法により添加される。
【0013】乳化重合により得られたそれぞれの重合体
ラテックスを均一混合した後、析出凝固させる方法は特
に限定されず、塩析法、酸析法、噴霧法および凍結法等
が可能である。
【0014】本発明の多層構造重合体は、少なくとも1
層以上の軟質重合体層と少なくとも1層以上の硬質重合
体層からなり、かつ最外層が硬質重合体層であることを
特徴とする。多層構造重合体での軟質重合体層は耐衝撃
性および耐候性の面からジエン系単量体とアルキル基の
炭素数が1〜8である少なくとも1種のアルキルアクリ
レート混合物50〜99.9重量%を主単量体とし、こ
れらと共重合可能な不飽和単量体0〜49.9重量%、
多官能架橋性単量体および、または多官能グラフト単量
体0.1〜5重量%からなり、これらの単量体混合物を
単独で重合すると25℃以下のガラス転移温度を有す
る。
【0015】軟質重合体層に用いるジエン系単量体とし
ては、1,3-ブタジエン、2,3-ブタジエン、イソプレン等
が、またアルキルアクリレートとしては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアク
リレート等が挙げられ、それらは単独または併用して用
いられる。これらと共重合可能な不飽和単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−メチルマレイミド等が挙げられ、それらは
単独または併用して用いられる。多官能架橋性単量体と
しては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニル
ベンゼン等が、また多官能グラフト単量体としては、ア
リルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルマレ
エート、アリルフマレート、ジアリルフマレート、トリ
アリルシアヌレート等が挙げられ、それらは単独または
併用して用いられる。
【0016】多層構造重合体での硬質重合体層には、透
明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4
の少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜10
0重量%が用いられ、特に好ましくはメチルメタクリレ
ートである。これらと共重合可能な単量体としては、不
飽和単量体0〜50重量%、多官能架橋性単量体およ
び、または多官能グラフト単量体0〜5重量%であり、
アルキルアクリレートを含む軟質重合体層で用いられた
全ての単量体が使用でき、これらの単量体混合物を単独
で重合すると25℃以上のガラス転移温度を有する。
【0017】また、多層構造重合体の最外層は汎用のメ
タクリル樹脂との相溶性の点から25℃以上のガラス転
移温度を有する硬質重合体層からなり、全量に対する最
外層の割合が10重量部以上である。最外層を構成する
単量体は、上記硬質重合体と同様、透明性および耐候性
の面からアルキル基の炭素数が1〜4の少なくとも1種
のアルキルメタクリレート50〜100重量%が用いら
れ、特に好ましくはメチルメタクリレートである。ま
た、これらと共重合可能な単量体としては、不飽和単量
体0〜50重量%であり、多官能架橋性単量体および多
官能グラフト単量体を除く上記硬質重合体層で用いられ
た全ての単量体が使用できる。更に、汎用メタクリル樹
脂との相溶性の面からn−オクチルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤が好ましく用いら
れる。
【0018】本発明の多層構造重合体は、これら各層ご
との単量体混合物を逐次乳化重合することにより、重合
体ラテックスとして得られる。
【0019】本発明の多層構造重合体は、粒子径の違い
により粒子径0.10〜0.50μmの多層構造重合体
(A)と粒子径0.01〜0.10μmの多層構造重合
体(B)の2種類からなり、双方とも上記組成および構
造を満足するが、同一組成および同一構造である必要は
ない。
【0020】本発明の硬質熱可塑性重合体(C)は、透
明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4
である少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜
100重量%からなり、特に好ましくはメチルメタクリ
レートである。また、これらと共重合可能な単量体とし
ては、不飽和単量体0〜50重量%であり、多官能架橋
性単量体および多官能グラフト単量体を除く上記多層構
造重合体の硬質重合体層で用いられた全ての単量体が使
用できる。更に、多層構造重合体および汎用メタクリル
樹脂との相溶性の面からn−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤が好ましく用い
られる。更に、硬質熱可塑性重合体(C)は、これら単
量体混合物を乳化重合してなる、粒子径が0.01〜
0.50μmの重合体であり、重合体ラテックスとして
得られる。
【0021】本発明の耐衝撃性樹脂組成物は、上記の重
合体ラテックス混合物の凝固により得られた凝固物粉
末、異なる凝固物粉末の混合物、および凝固物粉末とメ
タクリル系樹脂との混合物、あるいはこれらのペレット
等いずれであってもよく、射出成形材料として、また押
出機によりシートおよびフィルムにそのまま加工され
る。
【0022】また、耐衝撃性樹脂組成物は耐衝撃性改良
剤としても極めて有効である。ここで耐衝撃性改良剤と
は、凝固物粉末、異なる凝固物粉末の混合物、および凝
固物粉末とメタクリル系樹脂との混合物、あるいはこれ
らのペレット等いずれであってもよいが、さらに他のメ
タクリル系樹脂とブレンドすることにより耐衝撃性を付
与し、任意のメタクリル系樹脂組成物を与える物を言
う。
【0023】本発明の樹脂組成物等においてもメタクリ
ル系樹脂に通常用いられている紫外線吸収剤、酸化防止
剤、滑剤、染顔料等を必要に応じて添加することができ
る。
【0024】本発明の耐衝撃性樹脂組成物、および耐衝
撃性改良剤により得られる射出成形品、シート・フィル
ムおよびこれらの加工品は、耐衝撃性と共に良好な透明
性および耐候性を有し、ブツの発生が著しく改良されて
いる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例における「%」および「部」はすべて「重量%」
および「重量部」であり、使用する単量体、重合開始
剤、連鎖移動剤等の略称は下記のものが使用される。メ
チルメタクリレート(MMA)、メチルアクリレート
(MA)、エチルアクリレート(EA)、n−ブチルア
クリレート(BA)、イソプレン(IP)、1,3−ブ
タジエン(BD)、スチレン(ST)、アリルメタクリ
レート(ALMA)、1,3−ブチレングリコールジメ
タクリレート(BGDMA)、n−オクチルメルカプタ
ン(n−OM)、ステアリン酸ナトリウム(SS)、N
−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム(LSS)、過硫
酸カリウム(KPS)。
【0026】また横線(−)は同一層を形成するために
用いられる単量体等を分けるのに使用され、斜線(/)
は層がことなることを意味する。
【0027】実施例中のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成
物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤により得られた
樹脂組成物からのブツの発生状況は、3本の鏡面ロール
を備えた50φシート押出機で3mm押出板を試作し、
押出板の表面状態を以下の分類により評価した。 ブツ非常に多い … ×× ブツあり … × ブツほとんど無し … △ ブツ無し … ○ 実施例中の樹脂組成物等の物性評価は下記の方法に従い
測定した。 (1) 熱変形温度;HDT ASTM−D
648(264psi) (2) アイゾット衝撃強度(ノッチあり) ASTM−D
256 (3) 全光線透過率、ヘイズ ASTM−D
1003(3mm厚) (4) 粒子径 電子顕微鏡で
測定。 (5) 耐侯性テスト 促進暴露試験、
暴露時間1000hrs(サンシャインウェザーメータ
ー) アイゾット衝撃強度、ヘイズを評価 実施例1 (1) 多層構造重合体(A−1)ラテックスの製造 還流冷却器付き耐圧反応容器に、イオン交換水140
部、SS0.2部、LSS0.1部、MMA18部、M
A1部、ALMA0.01部を仕込み、次いでKPS
0.1部を加え、耐圧反応容器内を窒素置換した後70
℃に昇温し30分重合した。
【0028】次いでこのラテックスの存在下に、BA3
6部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド
0.15部、ピロリン酸ナトリウム0.4部、硫酸第一
鉄0.005部、デキストロース0.2部、さらにBD
24部を仕込み、加圧化で70℃に昇温し2時間重合し
た。
【0029】次いで、得られたラテックスを55℃に降
温した後KPS0.03部をくわえ、MMA19部、M
A1部、n−OM0.05部からなる単量体混合物を9
0分かけて連続的に添加し、添加終了後60分間保持し
て重合を完了させ多層構造重合体(A−1)ラテックス
を得た。各層の重合終了後ラテックスをサンプリング
し、電子顕微鏡観察で新しい粒子の生成がなく完全に逐
次重合が行われていることを確認した。得られたラテッ
クスの粒子径は0.21μであった。このラテックスの
組成は、表1の(A−1)に相当する。 (2) 多層構造重合体(B−1)ラテックスの製造 多層構造重合体(A−1)と同様、還流冷却器付き耐圧
反応容器にイオン交換水140部、SS0.5部、LS
S1.5部、次いでBA45部、ALMA0.3部、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド0.15
部、ピロリン酸ナトリウム0.4部、硫酸第一鉄0.0
05部、デキストロース0.2部、さらにBD25部を
仕込み、耐圧反応容器内を窒素置換した後加圧化で70
℃に昇温し2時間重合した。
【0030】次いで、得られたラテックスを55℃に降
温した後KPS0.04部を加え、MMA28部、EA
2部、n−OM0.05部からなる単量体混合物を40
分かけて連続的に添加し、添加終了後60分間保持して
重合を完了させ多層構造重合体(B−1)ラテックスを
得た。各層の重合終了後ラテックスをサンプリングし、
電子顕微鏡観察で新しい粒子の生成がなく完全に逐次重
合が行われていることを確認した。得られたラテックス
の粒子径は0.07μであった。このラテックスの組成
は、表1の(B−1)に相当する。 (3) 硬質熱可塑性重合体(C−1)ラテックスの製造 多層構造重合体(A−1)と同様、還流コンデンサー付
き反応容器にイオン交換水250部、LSS1部を仕込
み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温後、MM
A47.5部、MA2.5部、KPS0.05部を仕込
んで60分間反応させて重合を完了した。続いてKPS
0.05部を仕込んだ時点で、MMA47.5部、MA
2.5部からなる単量体混合物を60分間連続滴下して
全量を仕込んだ後60分間保持して重合を完了させた。
得られたラテックスの粒子径は0.14μであった。こ
のラテックスの組成は、表1の(C−1)に相当する。
【0031】このようにして得られたそれぞれの重合体
ラテックスを重合体換算で、多層構造重合体(A−1)
50部、多層構造重合体(B−1)40部および硬質熱
可塑性重合体(C−1)10部をラテックス状態で均一
混合した後、3%塩化アルミニウム水溶液に添加して塩
析凝固し、水洗・乾燥して重合体粉末を得た。こうして
得られた重合体粉末100部と押出成形用グレード,パ
ラペットEHビーズ100部をスーパーミキサーで混合
し、シート押出機により押出板とし、ブツの評価をはじ
めとして諸物性を測定評価した。その結果を表2に示
す。 実施例2〜9 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造重合体(A−2)〜(A−4)ラ
テックス、多層構造重合体(B−2)〜(B−3)ラテ
ックス,および硬質熱可塑性重合体(C−2)〜(C−
3)ラテックスを得た。これら重合体の層数、組成、粒
子径は表1に示す。
【0032】ラテックスブレンドでの各重合体の混合割
合、シート押出時での汎用メタクリル樹脂の混合割合、
および得られた押出板の評価結果を表2に示す。これら
実施例で得られた押出板にはブツは全く認められず、ア
イゾット衝撃強度を始めとして本発明を満足する諸物性
のものが得られた。また、これらの押出板と同一組成の
ペレットからの射出成形品も押出板と同様の結果を示し
た。
【0033】実施例で重合体粉末をシート押出機により
押出板とする際に、ブレンドに用いたメタクリル樹脂は
表1に示す。 比較例1〜9 実施例での多層構造重合体ラテックス、および硬質熱可
塑性重合体ラテックスを用いたが、ブツが出現するばか
りでなく満足するものは得られなかつた。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明により、良好な透明性および耐候
性を有し、射出成形品、シートおよびフィルム等でのブ
ツの発生を著しく改良された耐衝撃性樹脂組成物、およ
び耐衝撃性改良剤が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径0.10〜0.50μmの多層構
    造重合体(A)10〜90重量部と、粒子径0.01〜
    0.10μmの多層構造重合体(B)1〜90重量部、
    および粒子径が0.01〜0.50μmの硬質熱可塑性
    重合体(C)1〜90重量部からなり、かつ(B)の量
    (b)重量部と(C)の量(c)重量部との間に、 0.5(b)+(c)≧10 (1) を満足する範囲で(A)、(B)、(C)をラテックス
    状態で均一混合した後、凝固させて得られる耐衝撃性樹
    脂組成物。ただし、(A)、(B)は、ジエン系単量体
    とアルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種の
    アルキルアクリレートの混合物50〜99.9重量%、
    これらと共重合可能な不飽和単量体0〜49.9重量
    %、多官能架橋性単量体および、または多官能グラフト
    単量体0.1〜5重量%からなる単量体混合物を乳化重
    合してなる25℃以下のガラス転移温度を有する少なく
    とも1層の軟質重合体層と、アルキル基の炭素数が1〜
    4である少なくとも1種のアルキルメタアクリレート5
    0〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体
    0〜50重量%、多官能架橋性単量体および、または多
    官能グラフト単量体0〜5重量%からなる単量体混合物
    を乳化重合してなる25℃以上のガラス転移温度を有す
    る少なくとも1層の硬質重合体層との組み合わせからな
    り、かつ最外層がアルキル基の炭素数が1〜4である少
    なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜100重
    量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜50重量
    %からなり、全量に対する最外層の割合が10重量部以
    上である単量体混合物を乳化重合してなる25℃以上の
    ガラス転移温度を有する硬質重合体層よりなる多層構造
    重合体であり、また(C)は、アルキル基の炭素数が1
    〜4である少なくとも1種のアルキルメタクリレート5
    0〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体
    0〜50重量%からなる単量体混合物を乳化重合してな
    る硬質熱可塑性重合体である。
  2. 【請求項2】 ジエン系単量体がブタジエン、またはイ
    ソプレンである、請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アルキルメタクリレート単位がメチルメ
    タクリレート単位である、請求項1〜2記載の耐衝撃性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の耐衝撃性樹脂組成物
    を耐衝撃性改良剤として用い、メタクリル系樹脂とブレ
    ンドした樹脂組成物。
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