JP3357097B2 - 耐衝撃性メタクリル樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性メタクリル樹脂組成物

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JP3357097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐衝撃性に優
れた熱可塑性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは耐加熱
着色性、耐侯性及び低温域での耐衝撃性に優れるメタク
リル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は透明性、表面光沢等の
光学的性質をはじめ、耐侯性、成形加工性、染顔料着色
・発色性等に極めて優れた特性を有する樹脂である。し
かしながら幾つかの欠点も有し、その中でも耐衝撃性の
改良については古くから検討が行われている。その方法
としてメタクリル酸メチルを主要成分とする樹脂中に、
ジエン系不飽和ゴム状共重合体や、アクリル酸ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルなどを主成分としたアク
リル酸エステル系共重合体などの飽和ゴム状弾性体を粒
子状に不連続に分散する方法が提案されている(例えば
特公昭45−26111、特公昭54−18298な
ど)。
【0003】しかしながら、ジエン系不飽和ゴム状重合
体の導入は耐衝撃性、特に低温域での耐衝撃性に優れる
反面、熱や酸化による着色や耐侯性不良などの欠点を有
し、一方の飽和ゴム状弾性体の導入はジエン系ゴム状重
合体と比較して加熱着色や耐侯性に優れる反面、耐衝撃
性の発現性の面に劣る欠点を有する。また、一般にゴム
状弾性体を粒子状の不連続相として硬質樹脂相に均一に
分散させた系では、ゴム状弾性体の組成のみならず、そ
の粒子径、架橋度等の多くの因子によって、その組成物
の物性が左右されることも知られており、耐衝撃性と光
学物性・耐侯性など他の物性とを高いレベルでバランス
よく保持したメタクリル樹脂組成物を得ることは非常に
難しくいまだ十分なものは得られていないのが現状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の目的
は、低温域での耐衝撃性に優れ、かつ加熱着色が少なく
耐侯性の良好なメタクリル樹脂組成物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、特
定組成の共重合体を特定の構成で4層構造グラフト共重
合体とすることにより、これとメタクリル樹脂とからな
る樹脂組成物は耐加熱着色性、耐侯性を損なうことなく
優れた耐衝撃特性を発揮することを見いだし本発明に到
達した。すなわち、1層目に芯樹脂として架橋メタクリ
ル酸エステル系共重合体よりなる硬質層(1)、2層目
に架橋アクリル酸エステル系共重合体よりなる中間層
(2)、3層目にジエン系共重合体よりなる軟質層
(3)という3層構造弾性体[I]とし、さらに最外層
として4層目をメタクリル酸エステル系共重合体よりな
る硬質層(4)とした4層構造グラフト共重合体[II]
は、弾性体粒子径のコントロールを容易にするほか、ジ
エン系ゴム成分量の減少を可能とし、結果的にこの4層
構造グラフト共重合体とメタクリル樹脂[III ]からな
るメタクリル樹脂組成物は、耐加熱着色性、耐侯性で代
表されるメタクリル樹脂の長所と低温耐衝撃性に代表さ
れるジエン系共重合体の優れた耐衝撃特性をバランスよ
く最大限発揮することが可能となった。
【0006】本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】本発明は、(イ)アルキル基の炭素数が1
〜4である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエス
テル単位30〜99.9重量%、共重合可能なビニル系
不飽和単量体単位0〜60重量%、及び多官能架橋性単
量体単位0.1〜10重量%からなる架橋メタクリル酸
エステル系共重合体20〜60重量部を最内部の硬質層
(1)とし、次いでアルキル基の炭素数が1〜8である
少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル単位40
〜90重量%、芳香族ビニル化合物単位0〜30重量%
及び多官能架橋性単量体単位0.1〜40重量%よりな
る架橋アクリル酸エステル系共重合体1〜25重量部を
中間層(2)とし、さらに少なくとも1種の共役ジエン
単量体単位30〜80重量%、アルキル基の炭素数が1
〜8である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステ
ル単位20〜70重量%、これらと共重合可能なビニル
系不飽和単量体単位0〜30重量%、多官能架橋性単量
体単位0〜5重量%からなり、25℃以下のガラス転移
温度を有する少なくとも1層のジエン系共重合体15〜
80重量部をその外層の軟質層(3)とした3層構造弾
性体[I]ラテックス100重量部の存在下、(ロ)メ
タクリル酸メチル60〜100重量%、アルキル基の炭
素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル0〜2
0重量%、これらと共重合可能な他のビニル系不飽和単
量体0〜20重量%よりなる単量体又はその混合物5〜
1000重量部を重合してなるメタクリル酸メチル系共
重合体を最外層の硬質層(4)とする4層構造グラフト
共重合体[II]と、(ハ)メタクリル酸メチル単位60
〜100重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少
なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル単位0〜2
0重量%、これらと共重合可能なビニル系不飽和単量体
単位0〜20重量%からなるメタクリル樹脂[III]と
の混合物であって、該混合物中の前記4層構造グラフト
共重合体[II]を構成する硬質層(1)、中間層(2)
および軟質層(3)の合計含有量が1〜50重量%であ
ることを特徴とする耐衝撃性メタクリル樹脂組成物であ
る。
【0008】3層構造弾性体[I]における一層目の架
橋メタクリル酸エステル系共重合体層からなる硬質層
(1)は、軟質層(3)の粒径コントロールを目的とし
た層で、3層構造弾性体[I]中20〜60重量%であ
り、より好ましくは30〜55重量%である。20重量
%未満では、十分な耐衝撃性を得るに必要な軟質層の粒
径とする事ができず好ましくなく、一方60重量%を越
えると軟質層(3)の厚みが十分でなくなり耐衝撃性が
不十分となるため好ましくない。次に、二層目の架橋ア
クリル酸エステル系共重合体からなる中間層(2)は、
一層目の硬質層(1)と三層目の軟質層(3)との接着
を目的とする層で、ガラス転移温度が0℃以下である軟
質層、若しくは、多官能性単量体を10重量%以上有す
る硬質層のいずれの形態でもよい。3層構造弾性体
[I]中に占める中間層(2)の割合は、1〜25重量
%であり、より好ましくは2〜20重量%である。1重
量%未満では一層目と三層目との接着が不十分となり好
ましくなく、一方25重量%を越えると結果的に3層構
造弾性体[I]中に占める軟質層(3)の比率の低下を
もたらし、特に低温での耐衝撃性が損なわれるため好ま
しくない。また、三層目のジエン系共重合体よりなる軟
質層(3)は、耐衝撃特性の支配的役割を持つ層であ
り、この際、軟質層(3)は、特に低温耐衝撃性発現の
ため、ガラス転移温度が25℃以下、より好ましくは0
℃以下のものが用いられる。三層構造弾性体[I]中に
占める軟質層(3)の割合は15〜80重量%であり、
より好ましくは20〜70重量%である。15重量%未
満では、十分な耐衝撃特性が得られないため好ましくな
く、一方80重量%を越えると加熱着色や耐侯性の低下
につながり好ましくない。さらに四層目のメタクリル酸
エステル系共重合体よりなる硬質層(4)は、本発明の
耐衝撃性メタクリル樹脂組成物において、連続層である
メタクリル樹脂[III ]相へ上記3層構造弾性体[I]
を均一に分散させるための層であり、4層構造グラフト
共重合体[II]中に占める割合は、熔融混練時の良好な
分散性を得るため通常5〜90重量%、より好ましくは
10〜60重量%である。なお、さらに良好な分散性を
得るためには、メタクリル酸エステル系共重合体層
(4)の分子量を調節することが好ましい。この分子量
調整はメルカプタン等の連鎖移動剤により行う。また、
硬質層(4)は、最終的な樹脂組成物の耐熱性にも大き
く影響するため、ガラス転移温度が50℃以上、より好
ましくは90℃以上となるよう調整することが好まし
い。
【0009】本発明による耐衝撃性メタクリル樹脂組成
物の透明性をメタクリル樹脂と同等に保持させるために
は、4層構造グラフト共重合体[II]とメタクリル樹脂
[III ]との屈折率をできるだけ完全に一致させること
が必要であり、このため4層構造グラフト共重合体[I
I]の各層の共重合組成はメタクリル樹脂[III ]とで
きるだけ一致するよう調節する必要がある。なお、本発
明に用いるメタクリル樹脂[III ]の性状については、
特に限定されず、その全て、若しくはその一部を乳化重
合等により得られる微粒子とし、用いることも可能であ
る。
【0010】この4層構造グラフト共重合体[II]の硬
質層(1)を形成する架橋メタクリル酸エステル系共重
合体の構成単位として、以下に示す単量体が用いられ
る。単官能メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等が
挙げられ、それらは単独又は併用して用いられるが、好
ましくはメタクリル酸メチルである。また、これらと共
重合可能な他の単量体として、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
ベンジル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニ
ルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−
イソプロピルマレイミド等のN−置換マレイミド化合
物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル化合物が挙げられ、それらは単独又は併用して
用いられる。また、多官能性単量体として、メタクリル
酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、
桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリ
ル、フタル酸ジアリル、トリメット酸トリアリル、フマ
ル酸ジアリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等の多官能性単量体が挙げられ、
それらは単独又は併用して用いられる。
【0011】また、4層構造グラフト共重合体[II]の
中間層(2)を形成する架橋アクリル酸エステル系共重
合体の構成単位として、以下に示す単量体が用いられ
る。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸ベンジル等が挙げられ、それらは単独又は併用して
用いられるが、好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシルである。共重合可能な他の単量
体として、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル
酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは単独又は
併用して用いられる。また、多官能性単量体として、メ
タクリル酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリ
アリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸
ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメット酸トリアリ
ル、フマル酸ジアリル、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体が挙げ
られ、それらは単独又は併用して用いられる。
【0012】また、4層構造グラフト共重合体[II]の
軟質層(3)を形成するジエン系共重合体の構成単位と
して、以下に示す単量体が用いられる。ジエン系化合物
として、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジ
エン、イソプレン等が挙げられ、それらは単独又は併用
して用いられるが、好ましくは1,3−ブタジエン、イ
ソプレンである。アクリル酸エステルとしては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸ベンジル等が挙げられ、それらは単独
又は併用して用いられるが、好ましくはアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルである。共重合可
能な他の単量体として、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等
のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それ
らは単独又は併用して用いられる。また、多官能性単量
体として、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、シ
アヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリ
ル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメッ
ト酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性
単量体が挙げられ、それらは単独又は併用して用いられ
る。
【0013】また、4層構造グラフト共重合体[II]の
硬質層(4)を形成するメタクリル酸エステル系共重合
体の構成単位として、以下に示す単量体が用いられる。
メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、
それらは単独又は併用して用いられるが、好ましくはメ
タクリル酸メチルである。また、これらと共重合可能な
他の単量体として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等
のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミ
ド、N−tert−ブチルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物が挙げられ、それらは単独又は併用して用いられる。
【0014】本発明の4層構造グラフト共重合体[II]
は公知の乳化重合法により製造される。製造方法として
は、まず所望の単量体混合物を乳化重合させて硬質層
(1)を作った後、他の単量体混合物をその硬質層
(1)の存在下において乳化重合させて周りに殻をつく
る。次いでこの該粒子の存在下においてさらに他の単量
体混合物を乳化重合させて別の殻を作る。このような反
応を繰り返して所望の4層構造グラフト共重合体[II]
を得る。
【0015】乳化重合に使用される乳化剤の種類と量
は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選択
されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独又は併用し
て用いることができる。特にアニオン界面活性剤が好ま
しく用いられる。アニオン界面活性剤としては、ステア
リン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウ
ロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナ
トリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−ブチルフェニ
ルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸エ
ステル塩等が挙げられる。
【0016】乳化重合に使用される重合開始剤は特に限
定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の無機過酸化物、過酸化水素−第一鉄塩系、過硫酸カリ
ウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニウム−
酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系開始
剤、クメンハイドロパーオキシド−ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート系、tert−ブチルハイド
ロパーオキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート系等の水溶−油溶レドックス系の開始剤が用い
られる。
【0017】また、必要に応じて用いられる連鎖移動剤
としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、sec
−ブチルメルカプタン等が挙げられる。
【0018】乳化重合において、単量体、乳化剤、開始
剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連続添
加法等公知の任意の方法で添加されてよい。
【0019】乳化重合法によって得られる4層構造グラ
フト共重合体[II]の粒子径は、特に限定されないが
0.03〜0.7μmの範囲が好ましく、さらに好まし
くは0.05〜0.4μmである。
【0020】乳化重合法により得られたポリマーラテッ
クスは、噴霧乾燥法、酸添加法、塩添加法、凍結凝固法
など公知の方法により凝固させ取り出すことができる
が、凍結凝固法により凝固させることが好ましい。凝固
された重合体は水又は温水で洗浄することが好ましい。
【0021】このようにして得られた4層構造グラフト
共重合体[II]は乾燥後、メタクリル樹脂[III ]及び
必要に応じ安定剤、滑剤、可塑剤、充てん剤、染料、顔
料等を加え、ヘンシェルミキサー等で混合後、押出機を
用いて200〜300℃で熔融混練する等の公知の方法
で製造することができる。かくして得られた組成物は、
押出成形法、射出成形法等の公知の方法により賦形する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従
って実施した。 (1)アイゾット衝撃強度(ノッチ付き);ASTM−
D256 (2)全光線透過率 ;ASTM−
D1003 (3)イエローインデックス ;ASTM−
D1925 また、実施例中に用いた略称を以下に示す。
【0023】メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル
酸エチル(EA)、アクリル酸ブチル(BA)、スチレ
ン(ST)、ブタジエン(BD)、メタクリル酸アリル
(ALMA)、n−オクチルメルカプタン(n−O
M)、ステアリン酸ナトリウム(SS)、N−ラウロイ
ルザルコシン酸ナトリウム(LSS)、過硫酸カリウム
(KPS)部は重量部、%は重量%を表す。
【0024】実施例1 還流冷却器付き反応容器に、MMA84部、EA3.5
部、ALMA0.2部、SS0.5部、LSS0.5
部、蒸留水175部を投入した。次いでKPS0.1部
を投入し、70℃に昇温し30分保持した。
【0025】次いでこのラテックスの存在下に、KPS
0.03部を投入し、BA23部、St5部、ALMA
0.6部からなる単量体混合物を添加し、添加終了後1
時間保持した。得られたラテックスをオートクレーブに
仕込み、BA50部、ジイソプロピルベンゼンハイドロ
パーオキシド0.2部、ピロリン酸ナトリウム0.4
部、硫酸第一鉄0.005部、デキストロース0.3
部、蒸留水168部を加え、オートクレーブ内を窒素置
換した後BD34部を加え、70℃に昇温し5時間重合
し、三層構造弾性体[I]を得た。
【0026】次いで、得られたラテックスを還流冷却器
付き反応容器に仕込み、LSS0.3部、蒸留水50部
を加え、55℃に昇温した後KPS0.03部をくわ
え、MMA25部、EA0.5部、n−OM0.02部
からなる単量体混合物を90分かけて連続的に添加し、
添加終了後60分間保持して4層構造グラフト共重合体
[II]を得た。得られたラテックスの粒子径は0.13
μmであった。
【0027】得られたラテックスをステンレス製容器に
入れ、冷凍庫中、−20℃温度条件下で凍結させた。凍
結したラテックスを40℃で融解させた後、瀘別して4
層構造グラフト共重合体[II]を分離した。さらに蒸留
水で水洗脱水を3回繰り返した後、40℃−16時間乾
燥した。
【0028】得られた乾燥後の4層構造グラフト共重合
体[II]を30重量部、メタクリル樹脂[III ]ビーズ
((株)クラレ製品;パラペットHR−L)を70重量
部の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシリ
ンダー温度250℃で熔融混練し、3mm板厚のシート
を得た。得られた試験片の評価結果を第1表に示す。ま
たこの試験片をサンシャインウエザーメーター(スガ試
験機、WEL−SUN−HC)で加速曝露テストを行っ
たところ、アイゾット衝撃強度の低下は非常に少なく、
耐侯性は問題ない物が得られた。
【0029】得られた結果から明らかなように、本発明
による樹脂組成物は耐衝撃性に優れ、かつ良好な色相を
有し、耐侯性も良好であることが分かる。
【0030】実施例2〜7及び比較例1〜 樹脂組成物中の層構造グラフト共重合体[II]の含有
率、層構造グラフト共重合体[II]を構成する各層の
構成割合、架橋メタクリル酸エステル系共重合体(1)
中のALMA量、架橋アクリル酸エステル系共重合体
(2)の組成を表1に示したように変更したことを
き、実施例1と同様にして耐衝撃性メタクリル樹脂組成
物を製造した。その評価結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の耐衝撃性アクリル樹脂組成物
は、従来の耐衝撃性アクリル樹脂組成物に比べアクリル
樹脂の優れた特性を損なう事なく優れた耐衝撃特性を有
するので、車両内外装部品、電気機器のハウジング等の
材料として極めて有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)アルキル基の炭素数が1〜4であ
    る少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル単位
    30〜99.9重量%、共重合可能なビニル系不飽和単
    量体単位0〜60重量%、及び多官能架橋性単量体単位
    0.1〜10重量%からなる架橋メタクリル酸エステル
    系共重合体20〜60重量部を最内部の硬質層(1)と
    し、次いでアルキル基の炭素数が1〜8である少なくと
    も1種のアクリル酸アルキルエステル単位40〜90重
    量%、芳香族ビニル化合物単位0〜30重量%及び多官
    能架橋性単量体単位0.1〜40重量%よりなる架橋ア
    クリル酸エステル系共重合体1〜25重量部を中間層
    (2)とし、さらに少なくとも1種の共役ジエン単量体
    単位30〜80重量%、アルキル基の炭素数が1〜8で
    ある少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル単位
    20〜70重量%、これらと共重合可能なビニル系不飽
    和単量体単位0〜30重量%、多官能架橋性単量体単位
    0〜5重量%からなり、25℃以下のガラス転移温度を
    有する少なくとも1層のジエン系共重合体15〜80重
    量部をその外層の軟質層(3)とした3層構造弾性体
    [I]ラテックス100重量部の存在下、(ロ)メタク
    リル酸メチル60〜100重量%、アルキル基の炭素数
    が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル0〜20重
    量%、これらと共重合可能な他のビニル系不飽和単量体
    0〜20重量%よりなる単量体又はその混合物5〜10
    00重量部を重合してなるメタクリル酸メチル系共重合
    体を最外層の硬質層(4)とする4層構造グラフト共重
    合体[II]と、 (ハ)メタクリル酸メチル単位60〜100重量%、ア
    ルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のアク
    リル酸アルキルエステル単位0〜20重量%、これらと
    共重合可能なビニル系不飽和単量体単位0〜20重量%
    からなるメタクリル樹脂[III]との混合物であって、
    該混合物中の前記4層構造グラフト共重合体[II]を構
    成する硬質層(1)、中間層(2)および軟質層(3)
    の合計含有量が1〜50重量%であることを特徴とする
    耐衝撃性メタクリル樹脂組成物。
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