JPH07286012A - マレイミド系共重合体の製造方法 - Google Patents

マレイミド系共重合体の製造方法

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JPH07286012A
JPH07286012A JP7883794A JP7883794A JPH07286012A JP H07286012 A JPH07286012 A JP H07286012A JP 7883794 A JP7883794 A JP 7883794A JP 7883794 A JP7883794 A JP 7883794A JP H07286012 A JPH07286012 A JP H07286012A
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JP
Japan
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maleimide
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methyl methacrylate
maleamic acid
copolymer
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JP7883794A
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English (en)
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Kazuhide Kuroda
一秀 黒田
Hiroko Ueda
裕子 植田
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、透明性、熱安定性に優れている共重
合体の製造法および得られる共重合体。 【構成】 マレインアミド酸エステルを脱アルコール閉
環反応をすることによって得られるマレイミド5〜40
重量%、メタクリル酸メチル60〜95重量%、および
その他の単量体0〜20重量%からなる単量体成分(但
し単量体成分の合計は100重量%)をラジカル共重合
するマレイミド系共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル系共重合体の
製造方法に関し、詳しくはマレインアミド酸エステルを
脱アルコール閉環反応をすることによって得られるマレ
イミドと、メタクリル酸メチルおよびその他単量体をラ
ジカル共重合して得られるマレイミド系共重合体の製造
方法およびマレイミド系共重合体に関する。
【0002】このメタクリル系共重合体は、耐熱性、透
明性に優れており、特に着色が無く無色であることか
ら、自動車、照明、包装容器、光学用途など広範囲の分
野に使用される。
【0003】
【従来の技術】マレイミドは従来、ドイツ特許1,93
4,791号や米国特許3,899,509号に示され
るようにマレインアミド酸を脱水閉環することにより合
成されている。また、マレイミド類とメタクリル酸メチ
ルの共重合体は、米国特許3,676,404号に示さ
れている。これらの方法では、マレインアミト゛酸からマ
レイミドへの反応収率が低く、特に工業的な生産条件に
おいては、マレイミド中に原料のマレインアミド酸が残
留する。このようにして得られたマレインアミド酸を含
んだマレイミドをメタクリル酸メチルと共重合して得ら
れるメタクリル酸メチル系共重合体では、耐熱性等の向
上効果はあるものの、熱安定性に劣り、特に加熱条件に
おいて着色しやすいという欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、無色透明性共に優れており、さらに熱安定性に優れ
たマレイミドとメタクリル酸メチルからなる共重合体を
提供することにある。
【0005】本発明者らはこれらの問題点に関し鋭意検
討したところ、マレイミド中のマレインアミド酸と着色
との関連を見出し、特定のマレイミドを用いることによ
り、さらに詳しくはマレインアミド酸を特定量以下で含
むマレイミドとメタクリル酸メチルを共重合することに
より耐熱性、透明性、熱安定性に優れている共重合体を
得ることができる事を見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【0007】
【化4】
【0008】で表されるマレインアミド酸エステルを脱
アルコール閉環反応をすることによって得られるマレイ
ミド5〜40重量%、メタクリル酸メチル60〜95重
量%、その他単量体0〜20重量%からなる単量体成分
(但し単量体成分の合計は100重量%)をラジカル共
重合するマレイミド系共重合体の製造方法であり、すな
わち、マレインアミド酸を1,000ppm以下で含
む、さらに詳しくはマレインアミド酸の含有量が10〜
1,000ppmであるマレイミドとメタクリル酸メチ
ル、必要に応じてその他単量体をラジカル共重合するマ
レイミド系共重合体の製造方法製造方法に関する。ま
た、本発明は下記一般式(2)
【0009】
【化5】
【0010】で表されるマレイミド単位単位5〜40重
量%、メタクリル酸メチル単位60〜95重量%および
その他の単量体単位0〜20重量%からなり、下記一般
式(3)
【0011】
【化6】
【0012】で表されるマレインアミド酸単位の含有量
がx≦10×yであるマレイミド系共重合体。(ただ
し、xはマレイミド系共重合体中のマレインアミド酸単
位の含有量(ppm)、yはマレイミド系共重合体中の
マレイミド単位の含有量(重量%))に関する。
【0013】以下、本発明につき詳細に説明する。
【0014】一般式(1)で表されるマレインアミド酸
エステルとしては、マレインアミド酸メチルエステル、
マレインアミド酸エチルエステル、マレインアミド酸n
−プロピルエステル、マレインアミド酸イソプロピルエ
ステル、マレインアミド酸n−ブチルエステル、マレイ
ンアミド酸イソブチルエステル、マレインアミド酸se
c−ブチルエステル、マレインアミド酸t−ブチルエス
テル、マレインアミド酸アミルエステル、マレインアミ
ド酸sec−アミルエステル、マレインアミド酸イソア
ミルエステル、マレインアミド酸n−ヘキシルエステ
ル、マレインアミド酸イソヘキシルエステル、マレイン
アミド酸n−ヘプチルエステル、マレインアミド酸n−
オクチルエステル、マレインアミド酸2−エチルヘキシ
ルエステル、マレインアミド酸n−シクロヘキシルエス
テル等があげられる。
【0015】これらマレインアミド酸エステルの脱アル
コール閉環反応は加熱により進行するが、反応速度を高
めるために、触媒を使用することもできる。この触媒と
しては、硫酸、無水硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、
亜リン酸および次亜リン酸などの無機酸およびこれらの
金属塩、あるいは、酢酸、マレイン酸、フマル酸、コハ
ク酸、フタル酸などの有機酸およびこれらの金属塩、あ
るいはこれら酸成分を不活性な担体に担持したもの、酸
性イオン交換樹脂あるいは一般式(4)
【0016】
【化7】
【0017】で示されるモノアルキル硫酸エステルが単
独あるいは混合物として用いられる。特にモノアルキル
硫酸エステルを触媒として用いると副反応が少なくマレ
イミドの収率が高く好ましい。モノアルキル硫酸エステ
ルとしては、モノメチル硫酸エステル、モノエチル硫酸
エステル、モノn−プロピル硫酸エステル、モノイソプ
ロピル硫酸エステル、モノn−ブチル硫酸エステル、モ
ノイソブチル硫酸エステル、モノsec−ブチル硫酸エ
ステル、モノt−ブチル硫酸エステル、モノアミル硫酸
エステル、モノsec−アミル硫酸エステル、モノイソ
アミル硫酸エステル、モノn−ヘキシル硫酸エステル、
モノイソヘキシル硫酸エステル、モノn−ヘプチル硫酸
エステル、モノn−オクチル硫酸エステル、モノ2−エ
チルヘキシル硫酸エステル、モノn−シクロヘキシル硫
酸エステル等が挙げられる。
【0018】反応溶媒としては、一般の有機溶媒を単独
であるいは混合して用いることができ、例えばジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スル
ホラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、
ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示さ
れ、なかでもトルエン、キシレンが好ましい。反応溶媒
の使用量はマレインアミド酸エステルの1〜50倍使用
するのが好ましい。
【0019】反応温度は70〜180℃の範囲で行う。
反応圧力は、上記反応温度範囲内であれば常圧、加圧、
減圧のいずれの状態でも良い。反応時間は、反応濃度に
よっても異なるが、0.5〜20時間反応する。
【0020】イミド化反応は、脱アルコール反応である
ために、生成するアルコールを留去しながら行うことで
さらに有利に進行させることができる。
【0021】上述の方法は従来法と異なりマレインアミ
ド酸エステルを脱アルコール閉環反応してマレイミドを
得るため、水/アセトニトリル=1/2を溶離液とし
て、逆層ODSカラムを用いたHPLC(高速液体クロ
マトグラフィー)法で測定したマレアミド酸の量が10
〜1,000ppm以下のマレイミドを得る新規な製法
である。さらに精製を繰り返せば10ppm以下のマレ
イミドを得られるが、コストの面から実用的な方法とは
言えない。
【0022】メタクリル酸メチルは、公知の方法で作ら
れているモノマーを使用すればよい。
【0023】その他単量体は、耐衝撃性、耐溶剤性、相
溶性を向上させるという目的で使用され、たとえば、ス
チレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン(o−、m−、p−メチルスチレンを
ビニルトルエンとも言う)、1,3−ジメチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−
第3級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン;α−メ
チルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−
メチルスチレン;ビニルナフタレン;o−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4
−ジブロモスチレンなどのハロゲン化スチレン;2−メ
チル−4−クロロスチレンなどのハロゲン化アルキルス
チレン等の芳香族ビニル系単量体、また、アクリロニト
リル、メタクリロニトニル、エタクリロニトリル、フェ
ニルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、あ
るいは、シクロアルキル基およびベンジル基を含む、炭
素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル、たとえば、アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブ
チル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸
イソアミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等;(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート;エチレン、プロピレン、イソブチレン、
ジイソブチレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプ
レン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;メチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和モノ
カルボン酸のビニルエステル類があげられる。
【0024】マレイミドの使用量は5〜40重量%が必
要でありこの範囲であると耐熱性、無色透明性に優れて
いるが、5重量%未満だと得られる共重合体の耐熱性、
耐用材性が劣る。40重量%を越えて用いると成型性が
悪く、またマレイミドの反応性がメタクリル酸メチルに
比べて低いため、共重合体中に未反応単量体として残存
しやすく、これを取り除くための操作が繁雑となり好ま
しくない。
【0025】メタクリル酸メチル単量体の使用量は60
〜95重量%であり、この範囲であると得られる共重合
体は耐熱性、無色透明性に優れているが、60重量%未
満であると成型性が悪かったり、95重量%を越えると
耐熱性が劣る。
【0026】その他の単量体の使用量は本発明の共重合
体の耐熱性、無色透明性を損なわない範囲で使用すれば
よく、0〜20重量%が適当である。
【0027】共重合させる方法としては、特に限定はさ
れず、公知の方法を適宜採用すればよいが、有機溶媒中
でラジカル重合させる方法が好ましい。有機溶媒を使用
する場合、その使用量は、例えば、原材料の全重量に対
して30〜70重量%の範囲が好ましい。使用できる有
機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エ
チル等のエステル類;クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルフォキシド等の極性を有する有機溶媒等が
あげられる。これらの中でも、経済性および常温での取
り扱いやすさまた、原料となるマレイミドの溶解性を考
慮してトルエンまたはメチルエチルケトンが好ましい。
【0028】重合の開始剤としては、特に限定はされな
いが、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート等の過酸化物;アゾビスイソブチロニト
リツ、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビス−1
−シクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物等、通
常のラジカル重合に用いられる化合物が通常の使用量で
使用される。
【0029】重合は使用する重合の開始剤の種類や量に
よるが、例えば、温度60〜200℃で1〜20時間行
う。
【0030】この製造方法で得られたマレイミド系共重
合体は、マレイミド単位5〜40重量%、メタクリル酸
メチル単位60〜95重量%およびその他の単量体単位
0〜20重量%からなり、マレインアミド酸単位の含有
量がx≦10×yであるマレイミド系共重合体(ただ
し、xはマレイミド系共重合体中のマレインアミド酸単
位の含有量(ppm)、yはマレイミド系共重合体中の
マレイミド単位の含有量(重量%))である。
【0031】マレイミド単位が5〜40重量%であると
耐熱性、無色透明性に優れているが、5重量%未満だと
得られる共重合体の耐熱性が劣り、40重量%を越ると
成型性が悪い。
【0032】また、マレインアミド酸単位が上記範囲内
であれば熱着色性に優れている。
【0033】このマレイミド系共重合体は、重量平均分
子量10万〜40万、数平均分子量3万から20万、ガ
ラス転移温度120〜200℃という物性を有する。
【0034】本発明のマレイミド系共重合体は、必要に
応じてヒンダードフェノール系酸化防止剤やホスファイ
ト系安定剤を熱安定性の改良に、ベンゾフェノン系やヒ
ンダードアミン系紫外線吸収剤を耐候性の改良に、ま
た、アミド系の滑剤や金属石鹸類を成形加工性の改良を
目的として配合使用することができる。さらに炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ、ベントナイ
ト、ガラス繊維等の無機充填剤、難燃剤、帯電防止剤、
着色剤などの添加剤を配合することができる。これら
は、1または2以上を配合することができる。これらの
配合量は、必要に応じて適宜設定すればよい。本発明の
マレイミド系共重合体は、たとえば、射出成形、押出成
形、真空成形などの成形法により所定の成形品を与える
ことができる。
【0035】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記の実施例に限定されな
い。なお、特に断らない限り、「部」は「重量部」、
「%」は「重量%」であり、「ppm」は重量基準のも
のである。
【0036】−製造例1− 温度計、水分離器を備えた冷却管、攪拌機を備えたフラ
スコにマレインアミド酸n−ブチルエステル10.0
部、モノn−ブチル硫酸エステル1.6部、トルエン4
0.0部を入れ、還流下で反応を行った。反応により生
成したn−ブチルアルコールは系外に留去し、1時間反
応した。反応終了後、反応液をろ過し、20〜10mm
Hgの減圧下150℃で減圧蒸留しマレイミドを得た。
HPLCで分析したところマレインアミド酸は20pp
mであった。
【0037】−製造例2− 温度計、水分離器を備えた冷却管、攪拌基を備えたフラ
スコにマレインアミド酸メチルエステル12.9部、ト
ルエン103.2部を入れ、これにシリカ担体(富士デ
ビソン(株)製、150μm)にオルソリン酸33%を
担持した触媒2.0部を加え、100℃で3時間攪拌し
ながら脱アルコール反応した。この間、反応により生成
し、蒸発するアルコールは系外に留去した。反応終了
後、反応液をろ過し、20〜10mmHgの減圧下15
0℃で減圧蒸留しマレイミドを得た。マレインアミド酸
の含有量は50ppmであった。
【0038】−製造例3− マレインアミド酸メチルエステル129部、シリカ担体
(富士デビソン(株)製、150μm)にオルソリン酸
33%を担持した触媒2.0部を減圧蒸留装置に仕込
み、反応温度150℃、操作圧力15mmHgの条件下
で3時間攪拌しながら脱アルコール反応した。流出物は
80℃に保温した受器に導入してマレイミドを得た。マ
レインアミド酸の含有量は50ppmであった。
【0039】−製造例4− 温度計、水分離器を備えた冷却管、攪拌機を備えたフラ
スコにマレインアミド酸62.2部、オルソリン酸10
部、キシレン450部を入れ、140℃で3時間反応さ
せた。反応終了後、酸触媒層を分離し、キシレンを留去
した後、20〜10mmHgの減圧下150℃で減圧蒸
留しマレイミドを得た。HPLCで分析したところマレ
インアミド酸は1500ppm検出された。
【0040】−実施例1− 上記製造例1で得られたマレイミド11部、メタクリル
酸メチル34部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート0.2部、メチルエチルケトン55部を用
いて、還流下6.5時間反応した。得られた共重合体は
元素分析で求めた組成がマレイミド含有量18.8%、
メタクリル酸メチル81.2%、GPCで求めたポリス
チレン換算の重量平均分子量が13.5万、DSCで測
定したガラス転移温度157℃であった。HPLCによ
る反応液の分析でマレインアミド酸が検出されなかった
ことからマレイミド系共重合体中のマレインアミド酸の
存在量は4ppmと計算された。また、240℃で成型
した10φ×10(mm)の成型体は、無色透明であっ
た。
【0041】−実施例2− 上記製造例1で得られたマレイミド4.5部、メタクリ
ル酸メチル40.5部、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート0.2部、メチルエチルケトン55
部を用いて、還流下6.5時間反応した。得られた共重
合体は組成がマレイミド含有量8.3%、メタクリル酸
メチル91.7%、重量平均分子量が12.9万、ガラ
ス転移温度138℃であった。HPLCによる反応液の
分析でマレインアミド酸が検出されなかったことからマ
レイミド系共重合体中のマレインアミド酸の存在量は2
ppmと計算された。また、実施例1と同様にして得ら
れた成型体は、無色透明であった。
【0042】−実施例3− 上記製造例1で得られたマレイミド16部、メタクリル
酸メチル24部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート0.5部、メチルエチルケトン60部を用
いて、還流下6.5時間反応した。組成がマレイミド含
有量34.8%、メタクリル酸メチル65.2%、重量
平均分子量が9.8万、ガラス転移温度195℃であっ
た。HPLCによる反応液の分析でマレインアミド酸が
検出されなかったことからマレイミド系共重合体中のマ
レインアミド酸の存在量は7ppmと計算された。ま
た、実施例1と同様にして280℃で成形して得られた
成型体は、無色透明であった。
【0043】−実施例4− 製造例2で得られたマレイミドを用いた以外は実施例1
と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体は、組
成がマレイミド含有量19.5%、メタクリル酸メチル
80.5%、重量平均分子量が11.6万、ガラス転移
温度158℃であった。HPLCによる反応液の分析で
マレインアミド酸が検出されなかったことからマレイミ
ド系共重合体中のマレインアミド酸の存在量は10pp
mと計算された。また、実施例1と同様にして得られた
成型体は、無色透明であった。
【0044】−実施例5− 製造例3で得られたマレイミドを用いた以外は実施例1
と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体は、組
成がマレイミド含有量19.0%、メタクリル酸メチル
81.0%、重量平均分子量が12.8万、ガラス転移
温度157℃であった。HPLCによる反応液の分析で
マレインアミド酸が検出されなかったことからマレイミ
ド系共重合体中のマレインアミド酸の存在量は10pp
mと計算された。また、実施例1と同様にして得られた
成型体は、無色透明であった。
【0045】−比較例1− 製造例4で得られたマレイミドを用いた他は、実施例2
と同様にして重合を行った。得られた共重合体は組成が
マレイミド含有量19.2%、メタクリル酸メチル8
0.8%、分子量12.5万、ガラス転移温度157℃
であった。HPLCによる反応液の分析でマレインアミ
ド酸が検出されなかったことからマレイミド系共重合体
中のマレインアミド酸の存在量は250ppmと計算さ
れた。また、実施例1と同様にして得られた成型体は、
淡黄色透明であった。
【0046】−比較例2− 上記製造例1で得られたマレイミド24部、メタクリル
酸メチル16部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート0.5部、メチルエチルケトン60部を用
いて、還流下6.5時間反応した。組成がマレイミド含
有量58.8%、メタクリル酸メチル41.2%、重量
平均分子量が9.8万、ガラス転移温度250℃であっ
た。HPLCによる反応液の分析でマレインアミド酸が
検出されなかったことからマレイミド系共重合体中のマ
レインアミド酸の存在量は12ppmと計算された。ま
た、実施例1と同様にして280℃で成型しようとした
が、発泡した固体しか得られなかった。
【0047】
【発明の効果】以上のように、マレインアミド酸エステ
ルを脱アルコール閉環反応をすることによって得られ
る、マレインアミド酸を特定量以下で含むマレイミドと
メタクリル酸メチルを共重合することにより耐熱性、透
明性、熱安定性に優れている共重合体を得ることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 で表されるマレインアミド酸エステルを脱アルコール閉
    環反応をすることによって得られるマレイミド5〜40
    重量%、メタクリル酸メチル60〜95重量%、および
    その他の単量体0〜20重量%からなる単量体成分(但
    し単量体成分の合計は100重量%)をラジカル共重合
    するマレイミド系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 マレインアミド酸が1000ppm以下
    のマレイミド5〜40重量%、メタクリル酸メチル60
    〜95重量%、およびその他の単量体0〜20重量%か
    らなる単量体成分(但し単量体成分の合計は100重量
    %)をラジカル共重合するマレイミド系共重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 マレインアミド酸を1000ppm以下
    で含むマレイミド5〜40重量%、メタクリル酸メチル
    60〜95重量%、およびその他の単量体0〜20重量
    %からなる単量体成分(但し単量体成分の合計は100
    重量%)をラジカル共重合するマレイミド系共重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 マレインアミド酸を10〜1000pp
    mの範囲で含むマレイミド5〜40重量%、メタクリル
    酸メチル60〜95重量%、およびその他の単量体0〜
    20重量%からなる単量体成分(但し単量体成分の合計
    は100重量%)をラジカル共重合するマレイミド系共
    重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】下記一般式(2) 【化2】 で表されるマレイミド単位5〜40重量%、メタクリル
    酸メチル単位60〜95重量%およびその他の単量体単
    位0〜20重量%からなり、下記一般式(3) 【化3】 で表されるマレインアミド酸単位の含有量がx≦10×
    yであるマレイミド系共重合体。(ただし、xはマレイ
    ミド系共重合体中のマレインアミド酸単位の含有量(p
    pm)、yはマレイミド系共重合体中のマレイミド単位
    の含有量(重量%))。
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