JPH1045852A - 耐熱性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐熱性樹脂の製造方法

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JPH1045852A
JPH1045852A JP20245496A JP20245496A JPH1045852A JP H1045852 A JPH1045852 A JP H1045852A JP 20245496 A JP20245496 A JP 20245496A JP 20245496 A JP20245496 A JP 20245496A JP H1045852 A JPH1045852 A JP H1045852A
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JP
Japan
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heat
polymerization
resistant resin
acid
radical polymerizable
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Application number
JP20245496A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ueda
賢一 上田
Teruyuki Kamitou
照幸 神頭
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性および耐熱性に優れ、しかも着色の少
ない耐熱性樹脂を得ることができる製造方法を提供す
る。 【解決手段】 N−置換マレイミドを含む単量体成分を
非ラジカル重合性酸無水物および/または非ラジカル重
合性カルボン酸の存在下で重合する。或いは、N−置換
マレイミドを含む単量体成分を重合した後、非ラジカル
重合性酸無水物および/または非ラジカル重合性カルボ
ン酸を添加する。これにより、透明性や耐熱性の低下を
引き起こすことなく、重合中や重合後の加熱時の着色を
充分に防止することができる。また、上記の単量体成分
は、メタクリル酸エステルを主成分とする共重合可能な
単量体を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性および耐熱
性を有する耐熱性樹脂の製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、耐熱性に優れることによる高温下での
形状安定性と、無色透明性とが要求される、光学材料や
自動車材料などに好適な耐熱性樹脂の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、N−置換マレイミドは、共重
合性に富み、メタクリル酸エステル等の他の単量体と共
重合させると、耐熱性、耐熱安定性、機械強度、成形性
等の各種物性のバランスがとれた熱可塑性樹脂を与える
ことが知られている。
【0003】このような熱可塑性樹脂のうちでも、特
に、メタクリル酸エステル単位を分子骨格中に有する熱
可塑性樹脂は、耐熱性および透明性に優れ、自動車材料
や光学材料のような耐熱性および透明性が要求される分
野に多く用いられるようになってきている。
【0004】また、得られる熱可塑性樹脂に対しより高
い耐熱性が要求される場合、より多くのN−置換マレイ
ミド単位を導入することが必要になる。しかしながら、
N−置換マレイミドを多く含む単量体混合物を重合する
と、単量体混合物中に含まれる不純物によって、重合中
や成形加工時等の加熱時に着色しやすく、着色の少ない
熱可塑性樹脂が得られにくい。
【0005】そこで、N−置換マレイミド単位を含む熱
可塑性樹脂における重合中や成形加工時の着色を低減す
る方法として、懸濁重合で得られたポリマービーズを炭
素数1〜4のアルコールを用いて洗浄することにより残
存するマレイミドを減少させる方法(特開昭61−25
2211号公報)、特定の開始剤を用いて重合を行う方
法(特開昭63−304013号公報)、単量体混合物
にベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコールを
添加して注型重合する方法(特開平5−310853号
公報)等が提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法では、製造工
程が増えたり、充分な着色低減効果が得られなかったり
した。
【0007】さらに、特開昭62−234063号公報
には、N−シクロヘキシルマレイミドにマレアミン酸等
を添加するN−シクロヘキシルマレイミドの熱安定化方
法が開示されている。そして、熱安定化されたN−シク
ロヘキシルマレイミドと塩化ビニルとを懸濁共重合させ
て、共重合体の着色を防止する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のようにマレアミン酸を添加したN−シクロヘキシル
マレイミドを共重合させる方法では、ラジカル重合性を
有するマレアミン酸と、N−シクロヘキシルマレイミド
等の単量体との間でラジカル重合反応が進行するため、
得られる共重合体の透明性や耐熱性の低下を引き起こす
おそれがあるという問題点がある。
【0009】本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み
なされたものであり、その目的は、透明性および耐熱性
に優れ、しかも着色の少ない耐熱性樹脂の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の耐
熱性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、
N−置換マレイミドを含む単量体成分を、非ラジカル重
合性酸無水物および/または非ラジカル重合性カルボン
酸の存在下で重合することを特徴としている。
【0011】上記方法によれば、透明性や耐熱性の低下
を引き起こすことなく、重合中や重合後の加熱時の着色
を充分に防止することができるので、透明性および耐熱
性に優れ、しかも着色の少ない耐熱性樹脂を得ることが
できる。
【0012】また、請求項2記載の発明の耐熱性樹脂の
製造方法は、上記の課題を解決するために、N−置換マ
レイミドを含む単量体成分を重合した後、非ラジカル重
合性酸無水物および/または非ラジカル重合性カルボン
酸を添加することを特徴としている。
【0013】上記方法によれば、透明性や耐熱性の低下
を引き起こすことなく、重合後の加熱時、例えば、脱溶
媒工程や成型時における着色を充分に防止することがで
きるので、透明性および耐熱性に優れ、しかも着色の少
ない耐熱性樹脂を得ることができる。
【0014】さらに、請求項3記載の発明の耐熱性樹脂
の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
または2に記載の耐熱性樹脂の製造方法において、上記
N−置換マレイミドを含む単量体成分が、メタクリル酸
エステルをさらに含むことを特徴としている。
【0015】上記方法によれば、より一層透明性に優れ
た耐熱性樹脂を得ることができる。
【0016】本発明について、以下に詳しく説明する。
本発明にかかる耐熱性樹脂の製造方法は、N−置換マレ
イミドを含む単量体成分を、非ラジカル重合性酸無水物
および/または非ラジカル重合性カルボン酸の存在下で
重合する方法である。或いは、本発明にかかる耐熱性樹
脂の製造方法は、N−置換マレイミドを含む単量体成分
を重合した後、非ラジカル重合性酸無水物および/また
は非ラジカル重合性カルボン酸を添加する方法である。
【0017】上記のN−置換マレイミドを含む単量体成
分は、N−置換マレイミドのみであってもよいし、N−
置換マレイミドと、共重合可能な重合性単量体との混合
物(以下、単量体混合物と称する)であってもよい。
【0018】上記のN−置換マレイミドとしては、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イ
ソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N
−トリブロモフェニルマレイミド、N−ラウリルマレイ
ミド、N−ベンジルマレイミド等を挙げることができ
る。
【0019】上記例示のN−置換マレイミドのうちで
も、得られる耐熱性樹脂の透明性、低着色性、耐熱性等
の工業的価値からの観点より、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましく、N−シ
クロヘキシルマレイミドがより好ましい。また、N−ト
リブロモフェニルマレイミドを用いると、透明性および
耐熱性と合わせて、得られる耐熱性樹脂に対し難燃性を
付与することができる。上記例示のN−置換マレイミド
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適
宜混合して用いてもよい。
【0020】上記の共重合可能な重合性単量体(以下、
共重合性単量体と称する)としては、N−置換マレイミ
ドと共重合可能な不飽和結合を有する化合物であればよ
く、後述するメタクリル酸エステル、後述するN−置換
マレイミドおよびメタクリル酸エステルと共重合可能な
他の単量体が挙げられ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。共重合性単量体としては、透明性
の高い耐熱性樹脂を得るためには、メタクリル酸エステ
ルを用いることが好ましく、メタクリル酸エステルと、
芳香族ビニル類やアクリル酸エステル類とを併用するの
がさらに好ましい。また、共重合性単量体は、メタクリ
ル酸エステルを主成分とするのが望ましい。
【0021】上記単量体混合物におけるN−置換マレイ
ミドの割合は、15〜50重量%であることが好まし
い。N−置換マレイミドの割合が15重量%未満である
と、耐熱性樹脂の耐熱性が低下するおそれがある。ま
た、N−置換マレイミドの割合が50重量%を超える
と、必然的に共重合性単量体の割合が50重量%未満と
なるので、得られる耐熱性樹脂の透明性等の物性が低下
するおそれがある。
【0022】単量体成分を重合する方法としては、溶液
重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等を用いることが
できるが、溶液重合が、耐熱性樹脂の組成や分子量をコ
ントロールしやすいため、特に好適である。また、溶液
重合や塊状重合を行って脱溶媒する方法であれば、耐熱
性樹脂の着色を低減する効果をさらに向上させることが
できる。溶媒を用いて重合を行う場合、溶媒としては、
一般に用いられている有機溶媒、例えばトルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、メチル
イソブチルケトン、ブチルセロソルブ、 N,N'-ジメチル
ホルムアミド、2−メチルピロリドン、メチルエチルケ
トン等の有機溶媒を用いればよい。上記溶媒の使用量に
ついては、特に限定されるものではない。
【0023】本発明にかかる製造方法においては、着色
を低減するために、非ラジカル重合性酸無水物および非
ラジカル重合性カルボン酸からなる群より選ばれる少な
くとも1つの化合物(以下、適宜、非ラジカル重合性酸
成分と称する)が添加される。ここで、非ラジカル重合
性とは、炭素−炭素不飽和結合を有しないか、或いは、
N−置換マレイミドや共重合性単量体とラジカル重合し
ない炭素−炭素不飽和結合を有することを指している。
【0024】上記非ラジカル重合性酸成分としては、具
体的には、一般式(1) R−COOH (Rは、水素原子、炭素数1から30までの直鎖または
枝分かれしたアルキル基、アルケニル基、フェニル基、
置換フェニル基、ベンジル基、または、ポリエチレング
リコール鎖である。)で表される非ラジカル重合性カル
ボン酸、一般式(2) (R−CO)2 O (Rは、水素原子、炭素数1から30までの直鎖または
枝分かれしたアルキル基、アルケニル基、フェニル基、
置換フェニル基、ベンジル基、または、ポリエチレング
リコール鎖である。)で表される非ラジカル重合性酸無
水物を用いることができる。
【0025】上記非ラジカル重合性カルボン酸として
は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプ
ロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香
酸、シクロへキサンカルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸が挙げられ、これらの1種または2種
以上を用いることができる。また、上記非ラジカル重合
性酸無水物としては、前記の非ラジカル重合性カルボン
酸の無水物が挙げられ、例えば、無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水フタル酸等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上を用いることができる。上記非ラジカル重合
性酸成分としては、非ラジカル重合性酸無水物が、耐熱
性樹脂の着色を低減する効果が高いため、特に好まし
い。
【0026】上記非ラジカル重合性酸成分の沸点は、特
に限定されるものではないが、溶媒を用いて重合を行う
場合には、重合後の脱溶媒工程で留出除去される程度の
低沸点であることが望ましい。
【0027】これら非ラジカル重合性酸成分の着色低減
効果の機構は明らかでないが、N−置換マレイミド中の
不純物であるアミン成分と反応してアミドに変換させ
て、酸化着色しにくくする効果があるのではないかと推
測される。また、単量体成分にフェノール系重合禁止剤
が含まれている場合には、フェノール系重合禁止剤をア
セチル化して、酸化着色しにくくする効果があるのでは
ないかと推測される。
【0028】上記非ラジカル重合性酸成分の添加量は、
単量体成分100重量部に対して、0.01重量部〜1
0重量部の範囲内が好ましく、0.05重量部〜1重量
部の範囲内がさらに好ましい。非ラジカル重合性酸成分
の添加量がこの範囲を下回ると、充分な着色低減効果が
得られない。また、非ラジカル重合性酸成分の添加量が
この範囲を超えると、得られる耐熱性樹脂の耐熱性が低
下する場合があり、さらに、非ラジカル重合性酸成分を
重合中に存在させる場合には、重合反応に影響を与える
場合がある。
【0029】非ラジカル重合性酸成分を添加する方法
は、重合前または重合中に非ラジカル重合性酸成分を添
加する方法であってもよく、重合後に加熱を行う前、例
えば、溶媒を用いて重合を行った場合には脱溶媒を行う
前に非ラジカル重合性酸成分を添加する方法であっても
よい。これらの方法のうち、重合前から添加しておく方
法が特に好ましい。
【0030】添加された非ラジカル重合性酸成分は、比
較的低沸点である場合には、留出除去することもでき
る。即ち、例えば、溶媒を用いて溶液重合や塊状重合を
行った後、脱溶媒工程において減圧下で加熱することに
より、非ラジカル重合性酸成分を留出除去することがで
きる。脱溶媒工程の温度や減圧度等の条件については、
非ラジカル重合性酸成分の沸点等を考慮して、非ラジカ
ル重合性酸成分の残存量を十分低減できるように選択す
ればよく、特に限定されるものではない。
【0031】このようにして非ラジカル重合性酸成分を
留出除去すると、耐熱性樹脂中に残存する非ラジカル重
合性酸成分の量を低減できる。この結果、重合時や重合
後の脱溶媒工程等の加熱時における着色を防止すること
ができる上、耐熱性樹脂の耐熱性の低下や耐熱性樹脂の
外観不良を引き起こすおそれがない。その上、留出除去
された非ラジカル重合性酸成分は、回収して再利用が可
能であり、これにより製造効率の向上が可能である。
【0032】次に、耐熱性樹脂の製造に用いる単量体混
合物について、さらに詳しく説明する。前記単量体混合
物としては、N−置換マレイミド15〜50重量%と、
メタクリル酸エステル85〜50重量%と、必要に応じ
て、N−置換マレイミドおよびメタクリル酸エステルと
共重合可能な他の単量体0〜20重量%とからなるもの
が好ましい。このような配合量により、優れた光学的性
質、成形性を維持しながら、高い耐熱性を有する耐熱性
樹脂を安定に得ることができる。
【0033】なお、本明細書では、重量%の表示は、そ
の配合量の合計が常に100重量%となるように単量体
混合物が配合されることを意味し、例えば、N−置換マ
レイミドが15重量%配合されると、メタクリル酸エス
テルが85重量%と一義的に設定されることを意味す
る。
【0034】上記メタクリル酸エステルとしては、炭素
数1〜18のアルキル基、シクロヘキシル基、およびベ
ンジル基のうちのいずれかを有するメタクリル酸エステ
ルが好適である。上記メタクリル酸エステルとしては、
具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリ
ル酸イソアミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル
酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸ベンジル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタ
クリル酸3−フェニルプロピル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシルエチル等が挙げられる。これらのうち、メタク
リル酸メチルが特に好ましい。これらメタクリル酸エス
テルは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を適宜混合して用いてもよい。
【0035】単量体混合物におけるメタクリル酸エステ
ルの割合は、50〜85重量%であることが好ましい。
メタクリル酸エステルの割合が50重量%未満である
と、メタクリル系樹脂が有する透明性等に代表される優
れた特性が、得られた耐熱性樹脂においても低下するお
それがある。また、メタクリル酸エステルの割合が85
重量%を超えると、必然的にN−置換マレイミドの割合
が15重量%未満となるので、得られた耐熱性樹脂の耐
熱性が低下するおそれがある。
【0036】上記単量体混合物は、必要に応じて他の単
量体を含んでいてもよい。上記の他の単量体は、N−置
換マレイミドおよびメタクリル酸エステルと共重合可能
な化合物であればよい。上記他の単量体としては、具体
的には、芳香族ビニル類;不飽和ニトリル類;アクリル
酸エステル類;オレフィン類;ジエン類;ビニルエーテ
ル類;ビニルエステル類;フッ化ビニル類;プロピオン
酸アリル等の飽和脂肪酸モノカルボン酸のアリルエステ
ル類またはメタクリルエステル類;多価(メタ)アクリ
レート類;多価アリレート類;グリシジル化合物;不飽
和カルボン酸類等を挙げることができる。これら例示の
化合物のうち、芳香族ビニル類が特に好ましい。
【0037】前記芳香族ビニル類としては、スチレン、
α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペ
ニルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等を挙
げることができる。これらのうち、特にスチレンが好ま
しい。
【0038】前記不飽和ニトリル類としてはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フ
ェニルアクリロニトリル等を挙げることができる。前記
アクリル酸エステル類としては、炭素数1〜18のアル
キル基、シクロヘキシル基、およびベンジル基からなる
群から選ばれる少なくとも一つを有するアクリル酸エス
テルが好適である。
【0039】上記アクリル酸エステル類としては、具体
的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−ヒドロキシル
エチル等を挙げることができる。
【0040】前記のオレフィン類としては、エチレン、
プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン等を挙げる
ことができる。前記ジエン類としては、ブタジエン、イ
ソプレン等を挙げることができる。前記ビニルエーテル
類としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル等を挙げることができる。前記ビニルエステル類と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げるこ
とができる。前記フッ化ビニル類としては、フッ化ビニ
リデン等を挙げることができる。
【0041】前記多価(メタ)アクリレート類として
は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドま
たはプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アク
リレート、イソシアヌレートのエチレンオキサイドまた
はプロピレンオキサイド付加物のジもしくはトリ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。
【0042】前記の多価アリレート類としては、トリア
リルイソシアヌレート等を挙げることができる。前記の
グリシジル化合物としては、グリシジル(メタ)アクリ
レート、アリルグリシジルエーテル等を挙げることがで
きる。前記の不飽和カルボン酸類としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、あるいはそれらの半エステル化物や無水物を挙げる
ことができる。これら他の単量体として例示した化合物
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適
宜混合して用いてもよい。
【0043】単量体混合物における他の単量体の割合
は、0〜20重量%であることが好ましい。また、単量
体混合物における芳香族ビニル類の割合は、15重量%
未満であることが好ましい。単量体混合物における他の
単量体の割合が20重量%を超える場合、或いは、単量
体混合物における芳香族ビニル類の割合が15重量%以
上である場合には、得られた耐熱性樹脂の透明性や、耐
熱性および耐候性が低下するおそれがある。
【0044】また、単量体混合物の重合を開始する際に
は、重合開始剤が添加される。上記重合開始剤として
は、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパ
ーオキシオクトエート、t-ブチルパーオキシベンゾエー
ト、t-ブチルパーオキシ−2-エチルヘキサノエート、t-
アミルパーオキシ−2-エチルヘキサノエート、クメンヒ
ドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物;
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2-フェニルアゾ -
2,4-ジメチル -4-メトキシバレロニトリル等のアゾ化合
物などが挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。単量体混合物に対する重合開始剤の添加量等は、特
に限定されるものではない。また、共重合体の分子量の
制御に連鎖移動剤を用いてもよく、例えば、ブチルメル
カプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプ
タンやα−スチレンダイマー等が挙げられる。
【0045】本発明の製造方法では、耐熱性樹脂の使用
目的に応じて、種々の添加剤、例えば、紫外線吸収剤や
安定剤に代表される公知の添加剤を重合反応時や重合反
応後に添加することができる。
【0046】また、本発明の製造方法により得られた耐
熱性樹脂は、そのままで使用することができるが、他の
合成樹脂、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、メタ
クリル酸メチル−スチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹
脂、MBS樹脂、ポリスチレン、PPE樹脂等と押し出
し機等でブレンドして用いることもできる。
【0047】本発明にかかる耐熱性樹脂は、耐熱性およ
び透明性に優れ、しかも着色が少ないことから、例え
ば、光ディスク等の光学材料の基材や自動車部品、照明
カバー、電気機器部品等のように透明性だけでなく、美
観を要求される素材として特に好適である。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例において、「部」の記載は重量部を示し、「%」の記
載は重量%を示す。また、実施例および比較例における
共重合体ペレットの黄色度(YI)およびガラス転移温
度は、以下に示す方法で測定した。
【0049】黄色度(YI)の測定方法 共重合体ペレットをクロロホルムに溶解して15%クロ
ロホルム溶液にし、JIS K 7103に従い、透過
光で測定した。
【0050】ガラス転移温度の測定方法 得られた共重合体のガラス転移温度を、JIS K 7
121に従い、示差走査熱量測定器(理学電気(株)
製、商品名:DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲
気下、α−アルミナをリファレンスとして用いて、常温
より220℃まで昇温速度10℃/分で昇温して測定し
たDSC(Differential Scanning Colorimetry)曲線か
ら中点法にて算出した。
【0051】〔実施例1〕まず、第1滴下槽、第2滴下
槽、第3滴下槽、および攪拌機を備えた内容量20リッ
トルのステンレス製重合槽に、メタクリル酸メチル1
5.75部、N−シクロヘキシルマレイミド6.25
部、無水酢酸0.05部、トルエン25部、および酸化
防止剤であるペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕0.0025部を仕込み、300rp
mで攪拌しながら窒素ガスを10分間バブリングした
後、窒素雰囲気下で昇温を開始した。
【0052】また、第1滴下槽には、メタクリル酸メチ
ル15.75部、スチレン6部、およびトルエン10部
を仕込み、予め窒素ガスでバブリングしておいた。さら
に、第2滴下槽には、N−シクロヘキシルマレイミド
6.25部、およびトルエン10部を仕込み、予め窒素
ガスでバブリングしておいた。また、第3滴下槽には、
開始剤であるt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート0.108部とトルエン10部とを仕込み、予め
窒素ガスでバブリングしておいた。
【0053】次に、前記の重合槽内の温度が110℃に
達した時点で、重合槽内にt−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネートを0.02部加え、第1滴下槽、第
2滴下槽および第3滴下槽より滴下を開始した。そし
て、第1滴下槽、第2滴下槽および第3滴下槽よりそれ
ぞれ3.5時間かけて滴下を行いながら、重合温度11
0℃の還流下で重合反応を7時間行った。
【0054】さらに、重合反応終了後、ペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.0475
部を添加し、重合液を得た。
【0055】この重合液をシリンダー温度240℃にコ
ントロールしたベント付き30mm2軸押し出し機に供
給し、ベント口より真空脱揮して溶媒等を留去し、押し
出されてきたストランドをペレット化して、本発明にか
かる耐熱性樹脂としての共重合体ペレットを得た。
【0056】得られた共重合体ペレットは、黄色度(Y
I)が1.4、ガラス転移温度が134℃であった。
【0057】〔実施例2〕無水酢酸を無水プロピオン酸
に変更する以外は、実施例1と同様の反応・操作等を行
い、共重合体ペレットを得た。得られた共重合体ペレッ
トは、黄色度(YI)が1.2、ガラス転移温度が13
4℃であった。
【0058】〔実施例3〕まず、第1滴下槽、第2滴下
槽、第3滴下槽、および攪拌機を備えた内容量20リッ
トルのステンレス製重合槽に、メタクリル酸メチル1
5.75部、N−シクロヘキシルマレイミド6.25
部、およびトルエン25部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕0.0025部を仕込
み、300rpmで攪拌しながら窒素ガスを10分間バ
ブリングした後、窒素雰囲気下で昇温を開始した。
【0059】次に、前記の重合槽内の温度が110℃に
達した時点で、重合槽内にt−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネートを0.02部加え、第1滴下槽、第
2滴下槽、および第3滴下槽より実施例1と同様の滴下
を行いながら、重合温度110℃の還流下で重合反応を
7時間行った。
【0060】さらに、重合反応終了後、無水酢酸0.0
5部、およびペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕0.0475部を添加し、重合液を得
た。
【0061】得られた共重合体ペレットは、黄色度(Y
I)が2.5、ガラス転移温度が133℃であった。
【0062】〔実施例4〕無水酢酸を無水プロピオン酸
に変更する以外は、実施例3と同様の反応・操作等を行
い、共重合体ペレットを得た。得られた共重合体ペレッ
トは、黄色度(YI)が2.2、ガラス転移温度が13
4℃であった。
【0063】〔比較例1〕無水酢酸を使用しない点以外
は、実施例1と同様の反応・操作等を行い、共重合体ペ
レットを得た。得られた共重合体ペレットは、黄色度
(YI)が3.1、ガラス転移温度が136℃であっ
た。
【0064】
【発明の効果】本発明の耐熱性樹脂の製造方法によれ
ば、透明性および耐熱性に優れ、しかも着色の少ない耐
熱性樹脂を安定に得ることができるという効果を奏す
る。従って、得られた耐熱性樹脂は、例えば、光ディス
ク等の光学材料の基材や自動車部品、照明カバー、電気
機器部品等のように透明性だけでなく、美観を要求され
る素材として特に好適に用いることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−置換マレイミドを含む単量体成分を、
    非ラジカル重合性酸無水物および/または非ラジカル重
    合性カルボン酸の存在下で重合することを特徴とする耐
    熱性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】N−置換マレイミドを含む単量体成分を重
    合した後、非ラジカル重合性酸無水物および/または非
    ラジカル重合性カルボン酸を添加することを特徴とする
    耐熱性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】上記N−置換マレイミドを含む単量体成分
    が、メタクリル酸エステルをさらに含むことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の耐熱性樹脂の製造方法。
JP20245496A 1996-07-31 1996-07-31 耐熱性樹脂の製造方法 Pending JPH1045852A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6417306B1 (en) 1999-12-13 2002-07-09 Nippon Shokubai Co., Ltd, Transparent heat-resistant resin and production process therefor
JP2016069560A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社日本触媒 樹脂組成物及びその製造方法
US10800875B2 (en) 2018-03-27 2020-10-13 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Methacrylic resin and production method, molded article, and optical or automotive component of same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6417306B1 (en) 1999-12-13 2002-07-09 Nippon Shokubai Co., Ltd, Transparent heat-resistant resin and production process therefor
JP2016069560A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社日本触媒 樹脂組成物及びその製造方法
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