JPH07282721A - 回転陽極型ｘ線管の製造方法 - Google Patents
回転陽極型ｘ線管の製造方法Info
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- JPH07282721A JPH07282721A JP6074695A JP7469594A JPH07282721A JP H07282721 A JPH07282721 A JP H07282721A JP 6074695 A JP6074695 A JP 6074695A JP 7469594 A JP7469594 A JP 7469594A JP H07282721 A JPH07282721 A JP H07282721A
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- H01J35/08—Anodes; Anti cathodes
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- H01J35/1017—Bearings for rotating anodes
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、大気中で容易且つ高精度に回転
構造体の回転バランスを測定し、必要に応じてそのまま
大気中で回転バランスの調整を行うことができる回転陽
極型Ｘ線管製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 この発明は、陽極ターゲット１１が固定され
た回転体１２の回転バランスを測定し必要に応じて回転
バランスの修正をする工程は、円柱状固定体１５の代わ
りに、内部から高圧気体を噴出する固定支持治具３１に
回転体１２を嵌合し、高圧気体を噴出させながら回転体
を高速回転させてこの回転体の回転バランスを測定する
回転陽極型Ｘ線管の製造方法である。
構造体の回転バランスを測定し、必要に応じてそのまま
大気中で回転バランスの調整を行うことができる回転陽
極型Ｘ線管製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 この発明は、陽極ターゲット１１が固定され
た回転体１２の回転バランスを測定し必要に応じて回転
バランスの修正をする工程は、円柱状固定体１５の代わ
りに、内部から高圧気体を噴出する固定支持治具３１に
回転体１２を嵌合し、高圧気体を噴出させながら回転体
を高速回転させてこの回転体の回転バランスを測定する
回転陽極型Ｘ線管の製造方法である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型Ｘ線管の
製造方法に係わり、とくにその陽極ターゲットが固定さ
れた回転体の回転バランスを測定し必要に応じて回転バ
ランスの修正をする回転陽極型Ｘ線管の製造方法に関す
る。
製造方法に係わり、とくにその陽極ターゲットが固定さ
れた回転体の回転バランスを測定し必要に応じて回転バ
ランスの修正をする回転陽極型Ｘ線管の製造方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】回転陽極型Ｘ線管は、周知のように、円
盤状の陽極ターゲットを相互間に軸受を有する回転体お
よび固定体で支え、真空容器外に配置した電磁コイルを
付勢し高速回転させながら陰極から電子ビームを放出し
て回転陽極ターゲット面に当ててＸ線を放出させる。軸
受は、玉軸受や、軸受面にらせん溝を形成するとともに
ガリウム（Ｇａ）、又はガリウム−インジウム−錫（Ｇ
ａ−Ｉｎ−Ｓｎ）合金のような液体金属を潤滑剤として
用いた動圧すべり軸受で構成される。後者の動圧すべり
軸受を用いた例は、例えば特開昭６０−１１７５３１
号、特開平２−２２７９４８号、或いは特開平５−１４
４３９６号の各公報に開示されている。
盤状の陽極ターゲットを相互間に軸受を有する回転体お
よび固定体で支え、真空容器外に配置した電磁コイルを
付勢し高速回転させながら陰極から電子ビームを放出し
て回転陽極ターゲット面に当ててＸ線を放出させる。軸
受は、玉軸受や、軸受面にらせん溝を形成するとともに
ガリウム（Ｇａ）、又はガリウム−インジウム−錫（Ｇ
ａ−Ｉｎ−Ｓｎ）合金のような液体金属を潤滑剤として
用いた動圧すべり軸受で構成される。後者の動圧すべり
軸受を用いた例は、例えば特開昭６０−１１７５３１
号、特開平２−２２７９４８号、或いは特開平５−１４
４３９６号の各公報に開示されている。
【０００３】液体金属で潤滑される動圧すべり軸受を有
する回転陽極型Ｘ線管の一例は、図４乃至図７に示すよ
うな構成である。すなわち、この回転陽極型Ｘ線管は、
円盤状の陽極ターゲット１１が円筒状回転体１２の一端
に突設された陽極ターゲット支持用シャフト１３の先端
部１３ａに、ピン１４ａ及び固定ねじ１４ｂにより結合
されている。支持用シャフト１３は、モリブデンのよう
な高融点金属からなり、熱伝導を低減するため、中央部
がくりぬかれている。円筒状回転体１２の内側には、円
柱状固定体１５が挿入されており、回転体の下端部には
フランジ状のスラストリング１６が固定されている。固
定体１５の下端部１５ａは、封着リング１５ｂを介して
真空容器１７のガラス製円筒部１７ａに気密接合されて
いる。真空容器１７は、ガラス製円筒部１７ａとの連結
部のコロナリング１７ｂを有し陽極ターゲットを包囲す
る金属製の径大部１７ｃ、及びその一部に形成されたＸ
線放射窓１７ｄを有している。なお、真空容器の金属製
径大部１７ｃの内外面には、熱輻射率が０．６以上の図
示しない黒色被膜が付着され、陽極ターゲットからの輻
射熱を管外に良好に放散するようになっている。
する回転陽極型Ｘ線管の一例は、図４乃至図７に示すよ
うな構成である。すなわち、この回転陽極型Ｘ線管は、
円盤状の陽極ターゲット１１が円筒状回転体１２の一端
に突設された陽極ターゲット支持用シャフト１３の先端
部１３ａに、ピン１４ａ及び固定ねじ１４ｂにより結合
されている。支持用シャフト１３は、モリブデンのよう
な高融点金属からなり、熱伝導を低減するため、中央部
がくりぬかれている。円筒状回転体１２の内側には、円
柱状固定体１５が挿入されており、回転体の下端部には
フランジ状のスラストリング１６が固定されている。固
定体１５の下端部１５ａは、封着リング１５ｂを介して
真空容器１７のガラス製円筒部１７ａに気密接合されて
いる。真空容器１７は、ガラス製円筒部１７ａとの連結
部のコロナリング１７ｂを有し陽極ターゲットを包囲す
る金属製の径大部１７ｃ、及びその一部に形成されたＸ
線放射窓１７ｄを有している。なお、真空容器の金属製
径大部１７ｃの内外面には、熱輻射率が０．６以上の図
示しない黒色被膜が付着され、陽極ターゲットからの輻
射熱を管外に良好に放散するようになっている。
【０００４】陽極ターゲット１１に対向して陰極構体１
８が設けられている。円筒状回転体１２と固定体１５と
の嵌合部分には、前述の各公報に示されるような各２組
の動圧式のラジアルすべり軸受１９、及びスラストすべ
り軸受２０が設けられている。回転軸方向に互いに離し
て設けられている２つのラジアルすべり軸受１９は、固
定体外周面に形成された２組のヘリンボンパターンらせ
ん溝１９ａ，１９ｂを有している。また、２つのスラス
トすべり軸受２０の一方は、固定体端面１５ｃに形成さ
れた図６に示すようなサークル状のヘリンボンパターン
らせん溝２０ａを有している。他方のスラストすべり軸
受２０は、固定体の下部段差面が接するスラストリング
１６の上面に形成された図７に示すようなサークル状の
ヘリンボンパターンらせん溝２０ｂを有している。これ
ららせん溝が形成された面と接する各対向すべり軸受面
は、単なる平滑な面であるが、必要に応じてらせん溝を
形成する場合もある。回転体および固定体の両軸受面
は、動作中におよそ２０μｍの軸受間隙を保つようにな
っている。
８が設けられている。円筒状回転体１２と固定体１５と
の嵌合部分には、前述の各公報に示されるような各２組
の動圧式のラジアルすべり軸受１９、及びスラストすべ
り軸受２０が設けられている。回転軸方向に互いに離し
て設けられている２つのラジアルすべり軸受１９は、固
定体外周面に形成された２組のヘリンボンパターンらせ
ん溝１９ａ，１９ｂを有している。また、２つのスラス
トすべり軸受２０の一方は、固定体端面１５ｃに形成さ
れた図６に示すようなサークル状のヘリンボンパターン
らせん溝２０ａを有している。他方のスラストすべり軸
受２０は、固定体の下部段差面が接するスラストリング
１６の上面に形成された図７に示すようなサークル状の
ヘリンボンパターンらせん溝２０ｂを有している。これ
ららせん溝が形成された面と接する各対向すべり軸受面
は、単なる平滑な面であるが、必要に応じてらせん溝を
形成する場合もある。回転体および固定体の両軸受面
は、動作中におよそ２０μｍの軸受間隙を保つようにな
っている。
【０００５】固定体１５には、その中央部が軸方向に沿
ってくりぬかれた潤滑剤収容室２１、及び中間部に形成
された潤滑剤通路２２が形成されている。また、回転体
１２は、シャフト１３、このシャフトが固定された鉄合
金製の中間円筒２３、その図示下端部に溶接された内側
円筒２４、及び銅製の外側円筒２５を有している。内面
が軸受面となる内側円筒２４と、その外周に同軸的に嵌
合された中間円筒２３との間には、半径方向の幅寸法が
０．１〜１ｍｍの範囲の断熱間隙２６が設けられてい
る。そして、潤滑剤収容室２１、潤滑剤通路２２、及び
軸受間隙には、少なくとも動作中に液状となるＧａ−Ｉ
ｎ−Ｓｎ合金のような液体金属潤滑剤（図示せず）が供
給される。
ってくりぬかれた潤滑剤収容室２１、及び中間部に形成
された潤滑剤通路２２が形成されている。また、回転体
１２は、シャフト１３、このシャフトが固定された鉄合
金製の中間円筒２３、その図示下端部に溶接された内側
円筒２４、及び銅製の外側円筒２５を有している。内面
が軸受面となる内側円筒２４と、その外周に同軸的に嵌
合された中間円筒２３との間には、半径方向の幅寸法が
０．１〜１ｍｍの範囲の断熱間隙２６が設けられてい
る。そして、潤滑剤収容室２１、潤滑剤通路２２、及び
軸受間隙には、少なくとも動作中に液状となるＧａ−Ｉ
ｎ−Ｓｎ合金のような液体金属潤滑剤（図示せず）が供
給される。
【０００６】陽極ターゲット１１は、ほぼ全体を占める
母材がモリブデンのような高融点金属からなり、これは
体積の大きいリング状蓄熱部２７を構成している。そし
て、リング状蓄熱部２７の陰極対向面には、タングステ
ン又はその合金からなるＸ線放射ターゲット層２８が被
覆されている。蓄熱部２７の真空容器径大部１７ｂに対
向する外周面には、熱輻射率が０．６以上の黒色被膜３
１が付着されている。回転体肩部１２ａに一体結合され
ている支持用シャフトの先端部１３ａは、陽極ターゲッ
トを貫通させられ、前述のようにピン１４ａ及び固定ね
じ１４ｂにより一体結合されている。
母材がモリブデンのような高融点金属からなり、これは
体積の大きいリング状蓄熱部２７を構成している。そし
て、リング状蓄熱部２７の陰極対向面には、タングステ
ン又はその合金からなるＸ線放射ターゲット層２８が被
覆されている。蓄熱部２７の真空容器径大部１７ｂに対
向する外周面には、熱輻射率が０．６以上の黒色被膜３
１が付着されている。回転体肩部１２ａに一体結合され
ている支持用シャフトの先端部１３ａは、陽極ターゲッ
トを貫通させられ、前述のようにピン１４ａ及び固定ね
じ１４ｂにより一体結合されている。
【０００７】このＸ線管の動作に際しては、真空容器外
の回転体１２に対応する位置に配置した電磁コイルをも
つステータ３２に駆動電圧を供給して回転磁界を生じさ
せ、陽極ターゲット１１を高速回転させる。そして、陰
極構体１８から電子ビームを放出させ、これを陽極ター
ゲットのターゲット層２８に射突させてＸ線を発生させ
る。
の回転体１２に対応する位置に配置した電磁コイルをも
つステータ３２に駆動電圧を供給して回転磁界を生じさ
せ、陽極ターゲット１１を高速回転させる。そして、陰
極構体１８から電子ビームを放出させ、これを陽極ター
ゲットのターゲット層２８に射突させてＸ線を発生させ
る。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】言うまでもなく、陽極
ターゲットと一体化された回転構造体は、予め、回転バ
ランスが高精度に調整される必要がある。そのため、回
転構造体や固定体を真空容器内に封入、気密接合する前
に、回転構造体の回転バランスを測定し、アンバランス
がある場合には、例えば図４に符号Ａで示すように、陽
極ターゲットの一部を所定量削り取り、回転バランスを
調整したうえで、真空容器内に組み入れる工程を経る。
一度の削り取りで不十分な場合には、繰り返して回転バ
ランスを測定し、修正を行う。
ターゲットと一体化された回転構造体は、予め、回転バ
ランスが高精度に調整される必要がある。そのため、回
転構造体や固定体を真空容器内に封入、気密接合する前
に、回転構造体の回転バランスを測定し、アンバランス
がある場合には、例えば図４に符号Ａで示すように、陽
極ターゲットの一部を所定量削り取り、回転バランスを
調整したうえで、真空容器内に組み入れる工程を経る。
一度の削り取りで不十分な場合には、繰り返して回転バ
ランスを測定し、修正を行う。
【０００９】ところで、従来一般的な玉軸受で回転体を
支持する構造の場合は、空気中で回転構造体を回転させ
ながら回転バランスを測定しても、玉軸受の銀や鉛のよ
うな固体潤滑剤の劣化はほとんどない。しかしながら、
Ｇａ、又はＧａ合金のような、非常に活性な液体金属潤
滑剤を用いる上記のような動圧すべり軸受を有する回転
陽極型Ｘ線管においては、回転構造体の回転バランスを
測定するために、軸受や回転体と固定体との間の微小間
隙等に液体金属潤滑剤を満たした状態で空気中で回転さ
せたりして空気に晒すと、たちまち潤滑剤自体の表面や
潤滑剤で濡らされた軸受面が酸化し、これを真空容器内
に封入しても正常な軸受動作性能が得られない。そのた
め、回転バランスの測定や調整を、真空装置内で行い、
そのまま真空容器内に組み込む等の、きわめて繁雑な工
程が必要となる。
支持する構造の場合は、空気中で回転構造体を回転させ
ながら回転バランスを測定しても、玉軸受の銀や鉛のよ
うな固体潤滑剤の劣化はほとんどない。しかしながら、
Ｇａ、又はＧａ合金のような、非常に活性な液体金属潤
滑剤を用いる上記のような動圧すべり軸受を有する回転
陽極型Ｘ線管においては、回転構造体の回転バランスを
測定するために、軸受や回転体と固定体との間の微小間
隙等に液体金属潤滑剤を満たした状態で空気中で回転さ
せたりして空気に晒すと、たちまち潤滑剤自体の表面や
潤滑剤で濡らされた軸受面が酸化し、これを真空容器内
に封入しても正常な軸受動作性能が得られない。そのた
め、回転バランスの測定や調整を、真空装置内で行い、
そのまま真空容器内に組み込む等の、きわめて繁雑な工
程が必要となる。
【００１０】この発明は、以上のような不都合を解消
し、大気中で容易且つ高精度に回転構造体の回転バラン
スを測定し、必要に応じてそのまま大気中で回転バラン
スの調整を行うことができる回転陽極型Ｘ線管製造方法
を提供することを目的とする。
し、大気中で容易且つ高精度に回転構造体の回転バラン
スを測定し、必要に応じてそのまま大気中で回転バラン
スの調整を行うことができる回転陽極型Ｘ線管製造方法
を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】この発明は、陽極ターゲ
ットが固定された回転体の回転バランスを測定し必要に
応じて回転バランスの修正をする工程は、円柱状固定体
の代わりに、内部から高圧気体を噴出する固定支持治具
に回転体を嵌合し、高圧気体を噴出させながら回転体を
高速回転させて回転バランスを測定する回転陽極型Ｘ線
管の製造方法である。
ットが固定された回転体の回転バランスを測定し必要に
応じて回転バランスの修正をする工程は、円柱状固定体
の代わりに、内部から高圧気体を噴出する固定支持治具
に回転体を嵌合し、高圧気体を噴出させながら回転体を
高速回転させて回転バランスを測定する回転陽極型Ｘ線
管の製造方法である。
【００１２】
【作用】この発明はによれば、大気中で容易且つ高精度
に回転構造体の回転バランスを測定し、必要に応じてそ
のまま大気中で回転バランスの調整を行うことができ
る。したがって、能率的に高精度の回転バランス調整を
行うことができる。
に回転構造体の回転バランスを測定し、必要に応じてそ
のまま大気中で回転バランスの調整を行うことができ
る。したがって、能率的に高精度の回転バランス調整を
行うことができる。
【００１３】
【実施例】以下その実施例を図１乃至図３を参照して説
明する。なお、同一部分は同一符号であらわす。陽極タ
ーゲット１１が固定された回転体１２の回転バランスを
測定し必要に応じて回転バランスの修正をする工程は、
図１に示すように、回転体を固定支持治具３１に嵌合
し、この固定支持治具の内部から高圧気体を矢印のよう
に噴出させて事実上の静圧空気軸受となし、これにより
回転体を浮上させながらステータ３２に通電して陽極タ
ーゲットが一体化された回転体を高速回転させ、これら
回転構造体の回転バランスを測定する。これは、空気
中、又は不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
明する。なお、同一部分は同一符号であらわす。陽極タ
ーゲット１１が固定された回転体１２の回転バランスを
測定し必要に応じて回転バランスの修正をする工程は、
図１に示すように、回転体を固定支持治具３１に嵌合
し、この固定支持治具の内部から高圧気体を矢印のよう
に噴出させて事実上の静圧空気軸受となし、これにより
回転体を浮上させながらステータ３２に通電して陽極タ
ーゲットが一体化された回転体を高速回転させ、これら
回転構造体の回転バランスを測定する。これは、空気
中、又は不活性ガス雰囲気中で行うことができる。
【００１４】固定支持治具３１は、完成状態のＸ線管の
円柱状固定体と類似の外形形状、寸法を有するが、らせ
ん溝等はなく、中心部の比較的径大な通気孔３３、およ
び円周方向に軸対称に４個、即ち９０度間隔で、軸方向
に５箇所の横方向通気孔３４を有している。そしてこの
固定支持治具３１は、基台３５に固定され、図示しない
コンプレッサにより内部通気孔に高圧空気が供給される
ようになっている。なお、空気に限らず、不活性ガスを
供給して軸受構成部材の酸化防止を計るようにしてもよ
い。回転体１２と固定支持治具３１との間の数１０μｍ
の微小間隙に高圧気体が供給されるので、両者間に事実
上の静圧空気軸受が構成され、それによって回転構造体
は回転可能に支持される。
円柱状固定体と類似の外形形状、寸法を有するが、らせ
ん溝等はなく、中心部の比較的径大な通気孔３３、およ
び円周方向に軸対称に４個、即ち９０度間隔で、軸方向
に５箇所の横方向通気孔３４を有している。そしてこの
固定支持治具３１は、基台３５に固定され、図示しない
コンプレッサにより内部通気孔に高圧空気が供給される
ようになっている。なお、空気に限らず、不活性ガスを
供給して軸受構成部材の酸化防止を計るようにしてもよ
い。回転体１２と固定支持治具３１との間の数１０μｍ
の微小間隙に高圧気体が供給されるので、両者間に事実
上の静圧空気軸受が構成され、それによって回転構造体
は回転可能に支持される。
【００１５】回転バランスの測定に際しては、図２に示
すように、陽極ターゲットを一体化した回転体１２、ス
ラストリング１６、ボルト１６ａを用意する。そして、
陽極ターゲットを一体化した回転体１２を、図３に示す
固定支持治具３１に嵌合し、回転体１２の開口端部にス
ラストリング１６をボルト１６ａで固定する。このよう
に組立てた固定支持治具３１を、図１に示したように基
台３５に固定し、回転構造体を垂直に保持して、高圧空
気を治具の内部通気孔に供給する。それによって、回転
構造体は軸方向および半径方向の全方向に浮上させられ
る。この状態で、ステータ３２に交番電圧を供給し、回
転磁界により回転構造体を所用の回転数で回転させる。
そして、図示しない回転バランス測定器により、回転バ
ランスを測定する。もし、回転アンバランスがあれば、
回転を停止し、例えば陽極ターゲットの所定位置の素材
を所定量削り取り、回転バランスの調整を行う。また、
必要により、同様に、回転バランスの測定、修正を繰り
返して行う。こうして、回転バランス調整を終えた後、
スラストリングを分解して固定支持治具から回転構造体
を取り外し、らせん溝等を有する正規の固定体に嵌合し
て組立て、軸受部分に液体金属潤滑剤を供給し、その後
真空容器内に組み入れて排気工程に移る。
すように、陽極ターゲットを一体化した回転体１２、ス
ラストリング１６、ボルト１６ａを用意する。そして、
陽極ターゲットを一体化した回転体１２を、図３に示す
固定支持治具３１に嵌合し、回転体１２の開口端部にス
ラストリング１６をボルト１６ａで固定する。このよう
に組立てた固定支持治具３１を、図１に示したように基
台３５に固定し、回転構造体を垂直に保持して、高圧空
気を治具の内部通気孔に供給する。それによって、回転
構造体は軸方向および半径方向の全方向に浮上させられ
る。この状態で、ステータ３２に交番電圧を供給し、回
転磁界により回転構造体を所用の回転数で回転させる。
そして、図示しない回転バランス測定器により、回転バ
ランスを測定する。もし、回転アンバランスがあれば、
回転を停止し、例えば陽極ターゲットの所定位置の素材
を所定量削り取り、回転バランスの調整を行う。また、
必要により、同様に、回転バランスの測定、修正を繰り
返して行う。こうして、回転バランス調整を終えた後、
スラストリングを分解して固定支持治具から回転構造体
を取り外し、らせん溝等を有する正規の固定体に嵌合し
て組立て、軸受部分に液体金属潤滑剤を供給し、その後
真空容器内に組み入れて排気工程に移る。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
大気中で容易且つ高精度に回転構造体の回転バランスを
測定し、必要に応じてそのまま大気中で回転ハランスの
調整を行うことができる。したがって、能率的に高精度
の回転バランス調整を行うことができる。
大気中で容易且つ高精度に回転構造体の回転バランスを
測定し、必要に応じてそのまま大気中で回転ハランスの
調整を行うことができる。したがって、能率的に高精度
の回転バランス調整を行うことができる。
【図１】この発明の実施例を示す縦断面図。
【図２】図１の一部縦断面図。
【図３】図１の一部縦断面図。
【図４】この発明が対象とする回転陽極型Ｘ線管を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図５】図４の一部拡大図。
【図６】図５の一部を示す上面図。
【図７】図５の一部を示す上面図。
１１…陽極ターゲット １２…回転体 １５…固定体 １７…真空容器 １９，２０…動圧すべり軸受 ３１…固定支持治具 ３３，３４…通気孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成７年２月２３日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１５
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１５】回転バランスの測定に際しては、図２に示
すように、陽極ターゲットを一体化した回転体１２、ス
ラストリング１６、ボルト１６ａを用意する。そして、
陽極ターゲットを一体化した回転体１２を、図３に示す
概略円筒状の固定支持治具３１の外周に嵌合し、回転体
１２の開口端部にスラストリング１６をボルト１６ａで
固定する。このように組立てた固定支持治具３１を、図
１に示したように基台３５に直立に固定し、回転構造体
を垂直に保持する。そして、高圧空気を治具３１の内部
通気孔に供給する。それによって、回転構造体は軸方向
および半径方向の全方向に浮上させられる。この状態
で、ステータ３２に交番電圧を供給し、回転磁界により
回転構造体を所用の回転数、例えば毎分８００回転で回
転させる。そして、図示しない回転バランス測定器によ
り、回転バランスを測定する。もし、回転アンバランス
があれば、回転を停止し、例えば陽極ターゲットの所定
位置の素材を所定量削り取り、回転バランスの調整を行
う。また、必要により、同様に、回転バランスの測定、
修正を繰り返して行う。こうして、回転バランス調整を
終えた後、スラストリングを分解して固定支持治具から
回転構造体を取り外し、らせん溝等を有する正規の固定
体に嵌合して組立て、軸受部分に液体金属潤滑剤を供給
し、その後真空容器内に組み入れて排気工程に移る。な
お、回転バランスの測定に際しては、スラストリング１
６及びボルト１６ａを取り付けないで行うこともでき
る。すなわち、回転構造体は垂直に保持されるので、こ
の回転構造体の自重に対して高圧空気による持上げ力を
適当に調節すれば回転構造体を適度の寸法だけ浮上させ
て回転させることができるので、スラストリング１６及
びボルト１６ａを取り付けないでも安定に回転させて回
転バランスを測定することができる。なお、最終の回転
構造体の回転バランスは、これらスラストリング及びボ
ルトを取り付けないで回転バランスの測定又は修正を行
っても損なわれるおそれは殆どない。その理由は、回転
構造体の全重量に占めるスラストリング及びボルトの重
量はきわめてわずかであり、またこれらスラストリング
及びボルトを予め高精度に製作しておくことにより、回
転構造体の回転バランスへの影響が殆どないためであ
る。
すように、陽極ターゲットを一体化した回転体１２、ス
ラストリング１６、ボルト１６ａを用意する。そして、
陽極ターゲットを一体化した回転体１２を、図３に示す
概略円筒状の固定支持治具３１の外周に嵌合し、回転体
１２の開口端部にスラストリング１６をボルト１６ａで
固定する。このように組立てた固定支持治具３１を、図
１に示したように基台３５に直立に固定し、回転構造体
を垂直に保持する。そして、高圧空気を治具３１の内部
通気孔に供給する。それによって、回転構造体は軸方向
および半径方向の全方向に浮上させられる。この状態
で、ステータ３２に交番電圧を供給し、回転磁界により
回転構造体を所用の回転数、例えば毎分８００回転で回
転させる。そして、図示しない回転バランス測定器によ
り、回転バランスを測定する。もし、回転アンバランス
があれば、回転を停止し、例えば陽極ターゲットの所定
位置の素材を所定量削り取り、回転バランスの調整を行
う。また、必要により、同様に、回転バランスの測定、
修正を繰り返して行う。こうして、回転バランス調整を
終えた後、スラストリングを分解して固定支持治具から
回転構造体を取り外し、らせん溝等を有する正規の固定
体に嵌合して組立て、軸受部分に液体金属潤滑剤を供給
し、その後真空容器内に組み入れて排気工程に移る。な
お、回転バランスの測定に際しては、スラストリング１
６及びボルト１６ａを取り付けないで行うこともでき
る。すなわち、回転構造体は垂直に保持されるので、こ
の回転構造体の自重に対して高圧空気による持上げ力を
適当に調節すれば回転構造体を適度の寸法だけ浮上させ
て回転させることができるので、スラストリング１６及
びボルト１６ａを取り付けないでも安定に回転させて回
転バランスを測定することができる。なお、最終の回転
構造体の回転バランスは、これらスラストリング及びボ
ルトを取り付けないで回転バランスの測定又は修正を行
っても損なわれるおそれは殆どない。その理由は、回転
構造体の全重量に占めるスラストリング及びボルトの重
量はきわめてわずかであり、またこれらスラストリング
及びボルトを予め高精度に製作しておくことにより、回
転構造体の回転バランスへの影響が殆どないためであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 誠 神奈川県川崎市川崎区日進町７番地１ 東 芝電子エンジニアリング株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 円柱状固定体のまわりに、陽極ターゲッ
トが固定された円筒状回転体を嵌合し、これら固定体お
よび回転体の嵌合部に設けられた動圧すべり軸受に液体
金属潤滑剤を供給する回転陽極型Ｘ線管の、上記陽極タ
ーゲットが固定された回転体の回転バランスを測定し必
要に応じて回転バランスの修正をする回転陽極型Ｘ線管
の製造方法において、 上記回転体の回転バランスを測定又は修正する工程は、
上記円柱状固定体の代わりに、内部から高圧気体を噴出
する固定支持治具に上記回転体を嵌合し、前記高圧気体
を噴出させながら前記回転体を高速回転させて該回転体
の回転バランスを測定することを特徴とする回転陽極型
Ｘ線管の製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6074695A JP2966279B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 回転陽極型ｘ線管の製造方法 |
| KR1019950005592A KR0171237B1 (ko) | 1994-04-13 | 1995-03-14 | 회전 양극형 x선관의 제조방법 |
| DE69510123T DE69510123T2 (de) | 1994-04-13 | 1995-03-22 | Verfahren zur Herstellung einer Drehanoden-Röntgenröhre |
| EP95104245A EP0677864B1 (en) | 1994-04-13 | 1995-03-22 | Method of manufacturing rotating anode type x-ray tube |
| US08/411,875 US5583906A (en) | 1994-04-13 | 1995-03-28 | Method of manufacturing rotating anode type X-ray tube |
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|---|---|---|---|
| JP6074695A JP2966279B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 回転陽極型ｘ線管の製造方法 |
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|---|---|
| JPH07282721A true JPH07282721A (ja) | 1995-10-27 |
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|---|---|---|---|
| JP6074695A Expired - Lifetime JP2966279B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 回転陽極型ｘ線管の製造方法 |
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| US11243135B2 (en) * | 2019-06-19 | 2022-02-08 | Kenneth Alden Johnson | Hovering centripetal projectile balance apparatus |
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-
1994
- 1994-04-13 JP JP6074695A patent/JP2966279B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1995
- 1995-03-14 KR KR1019950005592A patent/KR0171237B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1995-03-22 EP EP95104245A patent/EP0677864B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-22 DE DE69510123T patent/DE69510123T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-28 US US08/411,875 patent/US5583906A/en not_active Expired - Lifetime
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| JP2006324088A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Hitachi Medical Corp | 回転陽極ｘ線管の製造方法および製造装置 |
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|---|---|
| DE69510123T2 (de) | 1999-11-04 |
| KR0171237B1 (ko) | 1999-02-01 |
| US5583906A (en) | 1996-12-10 |
| KR950030207A (ko) | 1995-11-24 |
| EP0677864B1 (en) | 1999-06-09 |
| EP0677864A1 (en) | 1995-10-18 |
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