JP3124023B2 - 回転陽極型x線管の製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管の製造方法

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勝弘 小野
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弘行 杉浦
隆幸 北見
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2235/00X-ray tubes
    • H01J2235/10Drive means for anode (target) substrate
    • H01J2235/1046Bearings and bearing contact surfaces
    • H01J2235/106Dynamic pressure bearings, e.g. helical groove type

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
この発明は、回転陽極型X線管の製造方法に係わり、
とくに液体金属潤滑剤を使用した動圧式すべり軸受構造
体の製造方法に関する。
【従来の技術】
回転陽極型X線管は、周知のように、円盤状の陽極タ
ーゲットを相互間に軸受部を有する回転体及び固定体で
支え、真空容器外に配置した電磁コイルを付勢し高速回
転させながら陰極から電子ビームを放出して陽極ターゲ
ットに当て、X線を放射する。軸受部は、ボールベアリ
ングのようなころがり軸受や、軸受面にヘリンボンパタ
ーンのらせん溝を形成するとともにガリウム(Ga)、又
はGa、インジウム(In)、錫(Sn)、その他の金属から
選択された合金のような液体金属を潤滑剤として用いた
動圧式すべり軸受で構成される。後者のすべり軸受を用
いた例は、たとえば特公昭60−21463号、特開昭60−975
36号、特開昭60−117531号、或いは特開昭62−287555号
等の各公報に開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
上記各公報に開示されている回転陽極型X線管では、
そのすべり軸受を構成する回転体及び固定体として、モ
リブデン(Mo)又はMo合金、或いはタングステン(W)
とレニウム(Re)の合金が使用されている。しかしなが
ら、軸受面をこのような金属で構成し、相互間にGa、又
はGa合金の液体金属潤滑剤を介在させると、とくにMoで
構成した場合は高温での熱処理、或いはX線管の動作で
到達する高温で、これら軸受面とGa又はGa合金との相互
浸透が生じて軸受面に荒れが発生しやすい。それによっ
てまた、軸受面の高温強度が劣化し、安定な軸受動作が
維持できなくなるおそれがある。また、空気中での組立
て工程で表面酸化しやすく、液体金属潤滑剤との濡れ性
のよい直接接触が得にくいという不都合がある。また、
W−Re合金で構成すると、材料が高価であるとともに、
複雑な形状への加工やらせん溝の構成殿加工が困難であ
るという不都合がある。 一方、特開昭62−224721号公報には、軸受構成部材と
してW薄膜を付けたステンレス鋼で構成し、Gaに対する
耐性を高めることが開示されている。しかし、構造が同
公報に示されるように比較的単純な軸受構造の場合は、
均一な厚さのW薄膜付着が容易であるが、回転陽極型X
線管のとくに有底円筒状回転体のような複雑で細く深い
回転体内部の軸受面に、均一な厚さのW薄膜を付着形成
することはかなり困難である。 この発明は、以上のような不都合を解消し、動圧式す
べり軸受構成部材のとくに有底円筒状回転体の軸受面に
らせん溝の形成とともにW薄膜を均等な厚さで高精度且
つ容易に製作できる回転陽極型X線管の製造方法を提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この発明は、少なくとも有底円筒状回転体を、予め、
円筒部、底板となる円板部及びリング状フランジに分割
して個々に加工した単体部品として用意し、これら単体
部品の軸受面の所定領域にヘリンボンパターンのらせん
溝を形成し、さらにこれら単体部品の軸受面にタングス
テン薄膜を付着形成し、その後これら単体部品を一体的
に連結するとともに内側に円柱状固定体を挿入し且つ液
体金属潤滑剤を供給することを特徴とする回転陽極型X
線管の製造方法である。
【発明の実施の形態】
以下その実施例を図面を参照して説明する。なお同一
部分は同一符号であらわす。図1は完成状態を示してお
り、図2はその要部を拡大して示している。すなわち、
重金属からなる円盤状陽極ターゲット11が、有底円筒状
の回転体12の一端に突設された回転軸部13に固定ねじ14
により一体的に固定されている。有底円筒状回転体12の
内側には、円柱状の固定体15が挿入されており、回転体
の下端開口部にはリング状のフランジ16が固着されてい
る。固定体15の下端の陽極支持部17は、ガラス製の真空
容器18に気密接合されている。 有底円筒状の回転体12は、予め分割して用意した円筒
部12a、その外側の銅円筒12b、図示上部の平らな底板で
ある円板部12c、回転軸部13、及びリング状フランジ16
の所定領域にらせん溝を形成するとともに軸受面にW薄
膜を付着形成したうえで一体的に連結したものである。
また、この固定体15には、予め中心部分をくりぬいた潤
滑剤収容室22が形成されている。 円筒状回転体12と固定体15との嵌合部分には、前述の
各公報に示されるような動圧式すべり軸受部19が構成さ
れている。そのため、固定体15のすべり軸受面となる外
周壁には、2組のラジアル方向動圧式すべり軸受のヘリ
ンボンパターンらせん溝20、20が形成されている。 また、固定体15の先端壁すなわち図示上端壁面には、
一対のスラスト方向動圧式すべり軸受の一方のサークル
状ヘリンボンパターンらせん溝12が形成され、他方のサ
ークル状ヘリンボンパターンらせん溝21がリング状フラ
ンジ16の図示上面に形成されている。 固定体15の外周に嵌合し微小な軸受間隙gを介して対
面する有底円筒状回転体12の円筒部12a及び平板部12c
は、単なる平滑な面になっている。これら軸受領域を構
成している固定体15、回転体12の円筒部12a及び平板部1
2c、並びにリング状フランジ16は、その母材が例えばコ
バール(商品名)や、鉄−ニッケルを主体とする合金の
ような、熱膨張率がタングステン(W)に同等又は近い
鉄合金材料で構成することが望ましい。 そして、軸受面となる表面の所定領域に、予め例えば
20μmの深さのヘリンボンパターンのらせん溝20、21が
形成されている。そして、固定体及び回転体の少なくと
も一方、とくに回転体の軸受面に、Wの薄膜を例えばCV
D法により5μm〜15μmの範囲の厚さに付着してあ
る。これによって、十分な軸受面強度が得られ、らせん
溝の内面にもほぼ均等な厚さで被覆できる。このW薄膜
は、母材への付着強度が高く、高温強度及び耐磨耗性に
すぐれており、且つ液体金属潤滑剤の濡れ性にもすぐれ
ている。 さて、回転体及び固定体の両軸受面は、およそ20μm
の軸受間隙gをもって対面するようになっており、この
軸受間隙g、らせん溝20、21、及び潤滑剤収容室22に、
少なくとも動作中は液状となる液体金属潤滑剤(図示せ
ず)を充填する。 そして、回転体12の銅円筒12bに対応する位置の真空
容器外に、図示しないステータ即ち電磁コイルを配置し
て回転磁界を生じさせ、回転陽極を矢印Pの如く高速回
転させる。図示しない陰極から放出された電子ビームが
陽極ターゲット11の射突してX線が発生させられるとと
もに、このターゲットに生じた熱はその多くが輻射によ
り放散されるとともに、その一部は回転体から軸受部の
液体金属潤滑剤を通り固定体を経て直接又は冷却媒体を
介して外部に放散させられる。軸受面を構成しているW
薄膜は、回転陽極型X線管として必要十分な電気伝導性
及び熱伝導性を有しているので、陽極電流および熱の通
路として支障なく機能する。その上、高温での機械的強
度が高く、且つGa又はGa合金のような液体金属潤滑剤で
浸蝕されることがない。しかも、軸受面が酸化しにくい
ので、組立て及び取扱いが容易であり、液体金属潤滑剤
との必要十分な濡れ性を得るのに格別余分の工程を要し
ない利点もある。こうして、容易に安定な軸受動作性能
を備える回転陽極型X線管が得られる。 次に、図3の(a)、(b)、及び図4を参照してそ
の製造方法を説明する。軸受構成部材であるいずれも鉄
合金製の固定体15、回転体12の円筒部12a、底板となる
平板部12c、及びリング状フランジ16は、予め別部品と
して加工し、用意する。そして、固定体15の外周壁及び
上端面の所定領域、並びにリング状フランジ16の上面の
一部に、ヘリンボンパターンのらせん溝20、21を例えば
20μmの深さでそれぞれ例えばエッチングにより形成す
る。 次に、各軸受構成部材の軸受面となる部分に、それぞ
れ単体部品状態でW薄膜26,26…を、例えばCVD法により
例えば5μm〜15μmの範囲の厚さに付着させる。この
W薄膜26は、各部品単体で付着形成するので、付着すべ
き面に均等な厚さで高精度に形成することができる。 そして、回転体12の円筒部12a、銅円筒12b、平板部12
c、及び回転軸部13を連結し、これに液体金属潤滑剤と
ともに固定体15を挿入、充填し、さらにリング状フラン
ジ16を回転体円筒部12aの図示下端面に固定して一体的
に連結する。 このように、有底円筒状の回転体を予め円筒部、底板
となる平板部、回転軸部、及びリング状フランジに分け
た部品として用意し、各単体部品の軸受面の所定領域に
らせん溝を形成するとともに、軸受面にW薄膜を付着す
る。それによって、各動圧式すべり軸受構成部材が単純
な円筒、円板、リング状、或いは円柱体の状態のものに
W薄膜を付着できるので、全体にわたって均等な厚さ
で、高精度且つ容易に製作できる。 なお、軸受構成母材を鉄合金で構成すれば、比較的安
価で、且つらせん溝を含む部品加工が容易である。その
一方で、すべり軸受面となる表面にW薄膜を付着してあ
るため、高温での軸受面の機械的強度が高く、且つ液体
金属潤滑剤の濡れ性にすぐれているとともにこの潤滑剤
で浸蝕されることがほとんどなく、高温で長時間の安定
な軸受動作を維持することができる。 なおまた、使用する液体金属潤滑剤は、Ga、Ga−In、
又はGa−In−SnのようなGaを主体とするものに限らず、
例えば、ビスマス(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb
−Sn合金、或いはInを相対的に多く含むIn−Bi合金、又
はIn−Bi−Sn合金を使用し得る。これらは融点が室温以
上であるので、陽極ターゲットを回転させる前に潤滑剤
をこの温度以上に予熱したうえで回転させることが望ま
しい。
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、動圧式すべ
り軸受構成部材のとくに有底円筒状の回転体を予め単純
な形状の複数部品として用意し、それぞれの軸受面の所
定領域にらせん溝を形成するとともに、軸受面にW薄膜
を付着したうえで一体的に結合して組立てるので、W薄
膜を複雑な形状をしている有底円筒状の回転体内側軸受
面の全面にわたって均等な厚さで、高精度且つ容易に付
着形成できる。こうして、安定な軸受動作性能をもつ回
転陽極型X線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例による完成状態を示す要部縦断面図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 図1の製造工程での各部品を示す半縦断面図。
【図4】 図1の要部拡大断面図。
【符号の説明】
11……陽極ターゲット、 12……回転体、 12a……円筒体、 12c……平板部、 15……固定体 16……リング状フランジ、 18……真空容器、 19……動圧式すべり軸受部、 20……ラジアル軸受のらせん溝、 21……スラスト軸受のらせん溝、 g……軸受間隙、 26……タングステンの薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北見 隆幸 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝那須電子管工場内 (72)発明者 田沢 宏明 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝那須電子管工場内 (56)参考文献 特開 昭62−224721(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 35/10 H01J 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極ターゲットが固定された有底円筒状の
    回転体と、この回転体の内側に挿入され前記回転体を回
    転可能に保持する円柱状の固定体と、前記回転体及び固
    定体の一部に設けられたらせん溝を含む軸受面の相互間
    に動作中液状である金属潤滑剤が介在されてなる動圧式
    ラジアルすべり軸受部及び動圧式スラストすべり軸受部
    とを具備し、上記すべり軸受部を構成している少なくと
    も上記回転体の軸受面にタングステン薄膜が付着されて
    いる回転陽極型X線管の製造方法において、 上記回転体を、予め、円筒部、底板となる円板部及びリ
    ング状フランジに分割して個々に加工した単体部品とし
    て用意し、これら単体部品の所定領域に上記らせん溝を
    形成し、さらにこれら単体部品の軸受面となる領域に上
    記タングステン薄膜を付着形成し、その後これら単体部
    品を一体的に連結するとともに内側に上記固定体を挿入
    し且つ上記金属潤滑剤を供給することを特徴とする回転
    陽極型X線管の製造方法。
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