JP2856531B2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents
回転陽極型x線管Info
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- JP2856531B2 JP2856531B2 JP26333590A JP26333590A JP2856531B2 JP 2856531 B2 JP2856531 B2 JP 2856531B2 JP 26333590 A JP26333590 A JP 26333590A JP 26333590 A JP26333590 A JP 26333590A JP 2856531 B2 JP2856531 B2 JP 2856531B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、回転陽極型X線管に係わり、とくに軸受
構体の改良に関する。
構体の改良に関する。
(従来の技術) 回転陽極型X線管は、周知のように、一部に軸受部を
有する回転体および固定体で円板状陽極ターゲットを支
え、真空容器外に配置した電磁コイルを付勢し高速回転
させながら陰極から電子ビームを放出して陽極ターゲッ
トに当て、X線を放射する。軸受部は、ボールベアリン
グのようなころがり軸受や、軸受面にらせん溝を形成す
るとともにガリウム(Ga)、又はGa、インジウム(I
n)、錫(Sn)、その他の金属から選択された合金のよ
うな液体金属を潤滑剤として用いた動圧式すべり軸受で
構成される。後者のすべり軸受を用いた例は、たとえば
特公昭60−21463号、特開昭60−97536号、特開昭60−11
7531号、特開昭61−2914号、あるいは特開昭62−287555
号の各公報に開示されている。
有する回転体および固定体で円板状陽極ターゲットを支
え、真空容器外に配置した電磁コイルを付勢し高速回転
させながら陰極から電子ビームを放出して陽極ターゲッ
トに当て、X線を放射する。軸受部は、ボールベアリン
グのようなころがり軸受や、軸受面にらせん溝を形成す
るとともにガリウム(Ga)、又はGa、インジウム(I
n)、錫(Sn)、その他の金属から選択された合金のよ
うな液体金属を潤滑剤として用いた動圧式すべり軸受で
構成される。後者のすべり軸受を用いた例は、たとえば
特公昭60−21463号、特開昭60−97536号、特開昭60−11
7531号、特開昭61−2914号、あるいは特開昭62−287555
号の各公報に開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記各公報に開示されている回転陽極型X線管では、
そのすべり軸受の軸受面として、モリブデン(Mo)又は
Mo合金、あるいはタングステン(W)又はW合金が使用
されている。しかしながら、軸受面を例えばMoで構成
し、相互間にGa又はGa合金の液体金属潤滑剤を介在させ
ると、とくに高温での熱処理、あるいはX線管の動作で
到達する高温で、これら軸受面とGa又はGa合金との相互
浸透が生じて軸受面に荒れや寸法変化が発生しやすい。
それによってまた、軸受面の間隔が変化し、安定な軸受
動作が維持できなくなるおそれがある。また、これら金
属で軸受面を構成すると、材料が高価であるとともに複
雑な形状への加工が困難であり、全体としてすこぶる高
価なX線管になってしまう。
そのすべり軸受の軸受面として、モリブデン(Mo)又は
Mo合金、あるいはタングステン(W)又はW合金が使用
されている。しかしながら、軸受面を例えばMoで構成
し、相互間にGa又はGa合金の液体金属潤滑剤を介在させ
ると、とくに高温での熱処理、あるいはX線管の動作で
到達する高温で、これら軸受面とGa又はGa合金との相互
浸透が生じて軸受面に荒れや寸法変化が発生しやすい。
それによってまた、軸受面の間隔が変化し、安定な軸受
動作が維持できなくなるおそれがある。また、これら金
属で軸受面を構成すると、材料が高価であるとともに複
雑な形状への加工が困難であり、全体としてすこぶる高
価なX線管になってしまう。
この発明は、以上のような不都合を解消し、軸受面の
高温強度を十分維持でき、且つ液体金属潤滑剤との濡れ
性がすぐれるとともにこの潤滑剤による浸触を確実に抑
制して、安定な軸受動作を維持することができる比較的
安価な回転陽極型X線管を提供することを目的とする。
高温強度を十分維持でき、且つ液体金属潤滑剤との濡れ
性がすぐれるとともにこの潤滑剤による浸触を確実に抑
制して、安定な軸受動作を維持することができる比較的
安価な回転陽極型X線管を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、陽極ターゲットを回転自在に支えるすべ
り軸受部の少なくとも一方の軸受面が、セラミックスで
ある金属炭化物又は金属炭窒化物例えばバナジウム炭化
物、チタン炭化物、タングステン炭化物、モリブデン炭
化物、ジルコニウム炭化物、タンタル炭化物、ニオブ炭
化物、クロム炭化物、硼素炭化物、硅素炭化物、バナジ
ウム炭窒化物、又はチタン炭窒化物の中から選ばれた少
なくとも1種のセラミックスで構成されてなる回転陽極
型X線管である。
り軸受部の少なくとも一方の軸受面が、セラミックスで
ある金属炭化物又は金属炭窒化物例えばバナジウム炭化
物、チタン炭化物、タングステン炭化物、モリブデン炭
化物、ジルコニウム炭化物、タンタル炭化物、ニオブ炭
化物、クロム炭化物、硼素炭化物、硅素炭化物、バナジ
ウム炭窒化物、又はチタン炭窒化物の中から選ばれた少
なくとも1種のセラミックスで構成されてなる回転陽極
型X線管である。
(作用) この発明によれば、すべり軸受部の軸受面が導電性及
び熱伝導性にすぐれたセラミックスである金属炭化物又
は金属炭窒化物で構成されているので、高温での機械的
強度が高く、且つ液体金属潤滑剤の濡れ性にすぐれてい
るとともにこの潤滑剤で浸触されることがほとんどな
く、高温で長時間の安定な軸受動作を維持することがで
きる。
び熱伝導性にすぐれたセラミックスである金属炭化物又
は金属炭窒化物で構成されているので、高温での機械的
強度が高く、且つ液体金属潤滑剤の濡れ性にすぐれてい
るとともにこの潤滑剤で浸触されることがほとんどな
く、高温で長時間の安定な軸受動作を維持することがで
きる。
(実施例) 以下その実施例を図面を参照して説明する。なお同一
部分は同一符号であらわす。
部分は同一符号であらわす。
第1図および第2図に示すように、重金属からなる円
盤状陽極ターゲット11は、円筒状回転体12の一端に突設
された回転軸部13に固定ねじ14により一体的に固定され
ている。円筒状回転体12の内側には、固定体15が嵌合さ
れており、その下端部には円板状のフランジ16が固定さ
れている。固定体15の下端部17は、ガラス製の真空容器
18に気密接合されている。また、この固定体15は、中心
部分がくりぬかれた冷却媒体通路19を有し、これにパイ
プ20が挿入されていて、矢印Cで示すように冷却媒体を
循環できるようになっている。円筒状回転体12と固定体
15との嵌合部分は、前述の各公報に示されるような動圧
式すべり軸受部21を構成している。そのため、固定体側
のすべり軸受面22となる固定体15の外周壁及び両端壁に
は、前述の各公報に記載されているようならせん溝23、
24が形成されている。これと対面する回転体側のすべり
軸受面25は、単なる平滑な面でもよく、あるいは必要に
応じてらせん溝を形成したものでもよい。
盤状陽極ターゲット11は、円筒状回転体12の一端に突設
された回転軸部13に固定ねじ14により一体的に固定され
ている。円筒状回転体12の内側には、固定体15が嵌合さ
れており、その下端部には円板状のフランジ16が固定さ
れている。固定体15の下端部17は、ガラス製の真空容器
18に気密接合されている。また、この固定体15は、中心
部分がくりぬかれた冷却媒体通路19を有し、これにパイ
プ20が挿入されていて、矢印Cで示すように冷却媒体を
循環できるようになっている。円筒状回転体12と固定体
15との嵌合部分は、前述の各公報に示されるような動圧
式すべり軸受部21を構成している。そのため、固定体側
のすべり軸受面22となる固定体15の外周壁及び両端壁に
は、前述の各公報に記載されているようならせん溝23、
24が形成されている。これと対面する回転体側のすべり
軸受面25は、単なる平滑な面でもよく、あるいは必要に
応じてらせん溝を形成したものでもよい。
そこで、回転体12及び固定体15は、例えば日本工業規
格(JIS)で定められた炭素工具鋼のSK4、あるいは合金
工具鋼のSKD11のような、炭素を少量(即ち0.5乃至2.5
重量%)含む鋼材で構成され、軸受面となるそれぞれの
表面部に金属炭化物セラミックスからなる薄膜26、27が
付着されたものである。この金属炭化物セラミックスの
薄膜26、27を形成するには、とくに限定されないが、例
えば上記の鋼材からなる回転体及び固定体の軸受面とな
る部分以外を適当にマスクし、これを電気炉内で500〜1
250℃の範囲の温度に保持されたバナジウム(V)を含
む溶融塩浴剤中に数時間浸漬保持する。それにより、バ
ナジウム炭化物(VC)の薄膜を各々の軸受面に5〜20μ
mの厚さで付着し、所要の熱処理をして形成できる。こ
の金属炭化物セラミックスの薄膜は、鋼材中の炭素の一
部が拡散結合したものであるため、付着強度が高く、高
温強度及び耐摩耗性にすぐれており、また液体金属潤滑
剤の濡れ性にもすぐれていて、且つこの潤滑剤で浸蝕さ
れ難い。なお、固定体15には、らせん溝23、24を予め形
成してあり、金属炭化物薄膜は、溝の内面にもほぼ均等
な厚さで付着している。
格(JIS)で定められた炭素工具鋼のSK4、あるいは合金
工具鋼のSKD11のような、炭素を少量(即ち0.5乃至2.5
重量%)含む鋼材で構成され、軸受面となるそれぞれの
表面部に金属炭化物セラミックスからなる薄膜26、27が
付着されたものである。この金属炭化物セラミックスの
薄膜26、27を形成するには、とくに限定されないが、例
えば上記の鋼材からなる回転体及び固定体の軸受面とな
る部分以外を適当にマスクし、これを電気炉内で500〜1
250℃の範囲の温度に保持されたバナジウム(V)を含
む溶融塩浴剤中に数時間浸漬保持する。それにより、バ
ナジウム炭化物(VC)の薄膜を各々の軸受面に5〜20μ
mの厚さで付着し、所要の熱処理をして形成できる。こ
の金属炭化物セラミックスの薄膜は、鋼材中の炭素の一
部が拡散結合したものであるため、付着強度が高く、高
温強度及び耐摩耗性にすぐれており、また液体金属潤滑
剤の濡れ性にもすぐれていて、且つこの潤滑剤で浸蝕さ
れ難い。なお、固定体15には、らせん溝23、24を予め形
成してあり、金属炭化物薄膜は、溝の内面にもほぼ均等
な厚さで付着している。
回転体及び固定体の両軸受面22、25は、およそ20μm
の間隙gをもって対面するようになっており、この間隙
gおよびらせん溝置内に動作中に液状である液体金属潤
滑剤(図示せず)を充填し介在させる。そして、真空容
器18の外側の回転体12に対応する位置に、図示しない電
磁コイルを有するステータを配置して回転磁界を生じさ
せ、回転陽極を矢印Pの如く高速回転させる。図示しな
い陰極から放出された電子ビームが陽極ターゲット11に
射突してX線が発生させられるとともに、このターゲッ
トに生じた熱はその多くがターゲットから輻射により放
散されるとともに、一部は回転体12から軸受部21の液体
金属潤滑剤を通り固定体15を経て直接又は冷却媒体を介
して外部に放散させられる。軸受面を構成しているバナ
ジウム炭化物セラミックスの薄膜26、27は、高温での機
械的強度が高く、且つGa又はGa合金のような液体金属潤
滑剤で浸蝕されることがない。さらにまた、軸受けの母
材である前記の炭素工具鋼等は、比較的安価であり、加
工もMoやWに比べて格段に容易である。さらに、この軸
受面は高温強度が高く、高温で潤滑剤に犯され難いの
で、軸受面の動作温度を例えば500℃程度まで高めるこ
とが可能であ.。したがって陽極ターゲットの動作温度
を高くすることができ、陽極ターゲットの冷却率を高め
ることができる。それにより、陽極ターゲットへの入力
電力の平均値を相対的に大きくすることができる。こう
して、容易に安定な軸受動作性能を有し且つ高冷却率を
有する回転陽極型X線管が得られる。
の間隙gをもって対面するようになっており、この間隙
gおよびらせん溝置内に動作中に液状である液体金属潤
滑剤(図示せず)を充填し介在させる。そして、真空容
器18の外側の回転体12に対応する位置に、図示しない電
磁コイルを有するステータを配置して回転磁界を生じさ
せ、回転陽極を矢印Pの如く高速回転させる。図示しな
い陰極から放出された電子ビームが陽極ターゲット11に
射突してX線が発生させられるとともに、このターゲッ
トに生じた熱はその多くがターゲットから輻射により放
散されるとともに、一部は回転体12から軸受部21の液体
金属潤滑剤を通り固定体15を経て直接又は冷却媒体を介
して外部に放散させられる。軸受面を構成しているバナ
ジウム炭化物セラミックスの薄膜26、27は、高温での機
械的強度が高く、且つGa又はGa合金のような液体金属潤
滑剤で浸蝕されることがない。さらにまた、軸受けの母
材である前記の炭素工具鋼等は、比較的安価であり、加
工もMoやWに比べて格段に容易である。さらに、この軸
受面は高温強度が高く、高温で潤滑剤に犯され難いの
で、軸受面の動作温度を例えば500℃程度まで高めるこ
とが可能であ.。したがって陽極ターゲットの動作温度
を高くすることができ、陽極ターゲットの冷却率を高め
ることができる。それにより、陽極ターゲットへの入力
電力の平均値を相対的に大きくすることができる。こう
して、容易に安定な軸受動作性能を有し且つ高冷却率を
有する回転陽極型X線管が得られる。
なお、前述の実施例は、回転体、固定体の少なくとも
一方の導電性および熱伝導性のよい金属で構成してその
軸受面に金属炭化物又は金属炭窒化物セラミックスの薄
膜を形成したものであるが、それに限定されず、次のよ
うな実施例でもよい。即ち、回転体、固定体の全体を金
属炭化物又は金属炭窒化物のセラミックスで構成しても
よいし、あるいは回転体、固定体の一方の全体を金属炭
化物又は金属炭窒化物のセラミックスで構成し、他方の
導電性および熱伝導性のよい金属またはその他の素材で
構成してもよい。
一方の導電性および熱伝導性のよい金属で構成してその
軸受面に金属炭化物又は金属炭窒化物セラミックスの薄
膜を形成したものであるが、それに限定されず、次のよ
うな実施例でもよい。即ち、回転体、固定体の全体を金
属炭化物又は金属炭窒化物のセラミックスで構成しても
よいし、あるいは回転体、固定体の一方の全体を金属炭
化物又は金属炭窒化物のセラミックスで構成し、他方の
導電性および熱伝導性のよい金属またはその他の素材で
構成してもよい。
また、セラミックスである金属炭化物は、上述のバナ
ジウム炭化物(VC)がとくに好適であるが、それに限ら
れず、例えばチタン炭化物(TiC)、タングステン炭化
物(WCあるいはW2C)、モリブデン炭化物(MoCあるいは
Mo2C)、ジルコニウム炭化物(ZrC)、タンタル炭化物
(TaC)、ニオブ炭化物(NbC)、クロム炭化物(Cr
C)、硼素炭化物(B4C)、硅素炭化物(SiC)、もしく
は金属炭窒化物セラミックスのバナジウム炭窒化物(V
(C,N))、又はV2(N,C)、又は、チタン炭窒化物(Ti
(C,N))の中から選ばれた少なくとも1種の金属炭化
物又は金属炭窒化物を使用し得る。なお、これら金属炭
化物又は金属炭窒化物のセラミックスは、主要部をなし
ているもので、それにわずかの他の物質が含まれたもの
であってもよいことは当然である。そしてこれらは、高
温での機械的、物理的安定性にすぐれるとともに、比抵
抗が比較的小さく且つ熱伝導度が比較的大きいので、X
線管の陽極構体として好適である。また、これらは、母
材の軸受面となる表面に前述のような溶融塩浴浸漬法に
よる他、CVD(化学的気相成長)法あるいはPVD(物理的
蒸着)法により所定厚さに付着させ必要な熱処理を施し
て形成することができる。
ジウム炭化物(VC)がとくに好適であるが、それに限ら
れず、例えばチタン炭化物(TiC)、タングステン炭化
物(WCあるいはW2C)、モリブデン炭化物(MoCあるいは
Mo2C)、ジルコニウム炭化物(ZrC)、タンタル炭化物
(TaC)、ニオブ炭化物(NbC)、クロム炭化物(Cr
C)、硼素炭化物(B4C)、硅素炭化物(SiC)、もしく
は金属炭窒化物セラミックスのバナジウム炭窒化物(V
(C,N))、又はV2(N,C)、又は、チタン炭窒化物(Ti
(C,N))の中から選ばれた少なくとも1種の金属炭化
物又は金属炭窒化物を使用し得る。なお、これら金属炭
化物又は金属炭窒化物のセラミックスは、主要部をなし
ているもので、それにわずかの他の物質が含まれたもの
であってもよいことは当然である。そしてこれらは、高
温での機械的、物理的安定性にすぐれるとともに、比抵
抗が比較的小さく且つ熱伝導度が比較的大きいので、X
線管の陽極構体として好適である。また、これらは、母
材の軸受面となる表面に前述のような溶融塩浴浸漬法に
よる他、CVD(化学的気相成長)法あるいはPVD(物理的
蒸着)法により所定厚さに付着させ必要な熱処理を施し
て形成することができる。
また液体金属潤滑剤は、Ga、Ga−In、又はGa−In−Sn
のようなGaを主体とするものに限らず、例えばビスマス
(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb−Sn合金、あるい
はInを相対的に多く含むIn−Bi合金、またはIn−Bi−Sn
合金等を使用し得る。これらは融点が室温以上であるの
で、陽極ターゲットを回転させる前に潤滑剤をこの温度
以上に予熱して液状にしたうえで回転させるように構成
することが望ましい。
のようなGaを主体とするものに限らず、例えばビスマス
(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb−Sn合金、あるい
はInを相対的に多く含むIn−Bi合金、またはIn−Bi−Sn
合金等を使用し得る。これらは融点が室温以上であるの
で、陽極ターゲットを回転させる前に潤滑剤をこの温度
以上に予熱して液状にしたうえで回転させるように構成
することが望ましい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によればすべり軸受部
の軸受面が金属炭化物又は金属炭窒化物セラミックスで
構成されているので、高温での機械的強度が高く、且つ
液体金属潤滑剤の濡れ性にすぐれているとともにこの潤
滑剤で浸蝕されることがほとんどなく、高温で長時間の
安定な軸受動作性能をもち且つ高冷却率を有する安価な
回転陽極型X線管を得ることができる。
の軸受面が金属炭化物又は金属炭窒化物セラミックスで
構成されているので、高温での機械的強度が高く、且つ
液体金属潤滑剤の濡れ性にすぐれているとともにこの潤
滑剤で浸蝕されることがほとんどなく、高温で長時間の
安定な軸受動作性能をもち且つ高冷却率を有する安価な
回転陽極型X線管を得ることができる。
第1図はこの発明の実施例を示す要部縦断面図、第2図
はその一部拡大図である。 11……陽極ターゲット、 12……回転体、 18……真空容器、 15……固定体、21 ……すべり軸受部、 22、25……軸受面、 g……間隙、 26、27……金属炭化物又は炭窒化物の薄膜、 23、24……らせん溝。
はその一部拡大図である。 11……陽極ターゲット、 12……回転体、 18……真空容器、 15……固定体、21 ……すべり軸受部、 22、25……軸受面、 g……間隙、 26、27……金属炭化物又は炭窒化物の薄膜、 23、24……らせん溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北見 隆幸 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝那須電子管工場内 (72)発明者 矢越 英夫 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝那須電子管工場内 (56)参考文献 特開 平2−227947(JP,A) 特開 昭63−72051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 35/10
Claims (2)
- 【請求項1】陽極ターゲットが固定された回転体と、こ
の回転体と嵌合し合い該回転体を回転可能に保持する固
定体と、前記回転体および固定体の嵌合部の軸受面の相
互間及び前記軸受面に形成されたらせん溝内に少なくと
も動作中は液状である金属潤滑剤が供給された動圧式す
べり軸受部とを具備する回転陽極型X線管において、 上記金属潤滑剤は、ガリウム、或いはガリウムを主体と
する合金、又はビスマスを主体とする合金、若しくはイ
ンジウムを主体とする合金であり、 且つ上記すべり軸受部の少なくとも一方の軸受面は、バ
ナジウム炭化物、チタン炭化物、タングステン炭化物、
モリブデン炭化物、ジルコニウム炭化物、タンタル炭化
物、ニオブ炭化物、クロム炭化物、硼素炭化物、硅素炭
化物、バナジウム炭窒化物、又はチタン炭窒化物の中か
ら選ばれた少なくとも1種の金属炭化物又は金属炭窒化
物のセラミックスで構成されてなることを特徴とする回
転陽極型X線管。 - 【請求項2】少なくとも一方の軸受面は、導電性および
熱導電性のよい素材の表面に上記金属炭化物又は金属炭
窒化物のセラミックス薄膜が付着されてなる請求項1記
載の回転陽極型X線管。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26333590A JP2856531B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 回転陽極型x線管 |
CN 91109593 CN1030807C (zh) | 1990-10-01 | 1991-09-28 | 旋转阳极型x射线管 |
CA002052473A CA2052473C (en) | 1990-10-01 | 1991-09-30 | Rotary-anode type x-ray tube having a ceramic bearing surface |
US07/767,615 US5204890A (en) | 1990-10-01 | 1991-09-30 | Rotary anode type x-ray tube |
EP91116679A EP0479197B1 (en) | 1990-10-01 | 1991-09-30 | Rotary anode type X-ray tube |
DE69121504T DE69121504T2 (de) | 1990-10-01 | 1991-09-30 | Drehanoden-Röntgenröhre |
KR1019910017202A KR940009325B1 (ko) | 1990-10-01 | 1991-09-30 | 회전 양극형 x선관 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26333590A JP2856531B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 回転陽極型x線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0676772A JPH0676772A (ja) | 1994-03-18 |
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Family
ID=17388048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26333590A Expired - Fee Related JP2856531B2 (ja) | 1990-10-01 | 1990-10-01 | 回転陽極型x線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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---|---|---|---|---|
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EP1432005A4 (en) | 2001-08-29 | 2006-06-21 | Toshiba Kk | ROTARY X-RAY TUBE WITH POSITIVE POLE |
KR101104304B1 (ko) * | 2009-06-15 | 2012-01-11 | 동아공업 주식회사 | 배기파이프용 가스켓 |
JP2024082605A (ja) * | 2022-12-08 | 2024-06-20 | キヤノン電子管デバイス株式会社 | 回転陽極型x線管 |
-
1990
- 1990-10-01 JP JP26333590A patent/JP2856531B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0676772A (ja) | 1994-03-18 |
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