JPH07105885A - 真空用動圧軸受装置 - Google Patents

真空用動圧軸受装置

Info

Publication number
JPH07105885A
JPH07105885A JP24916593A JP24916593A JPH07105885A JP H07105885 A JPH07105885 A JP H07105885A JP 24916593 A JP24916593 A JP 24916593A JP 24916593 A JP24916593 A JP 24916593A JP H07105885 A JPH07105885 A JP H07105885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed body
rotating body
bearing device
dynamic pressure
facing surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24916593A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Takahashi
高橋  毅
Kenji Yamamoto
賢二 山元
Taiji Hiraoka
大治 平岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP24916593A priority Critical patent/JPH07105885A/ja
Publication of JPH07105885A publication Critical patent/JPH07105885A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属潤滑剤に対して十分な濡れ性を有すると
ともに、生産性が良く、コスト低減を図ることができ、
取り扱いが容易な真空用動圧軸受装置を提供する。 【構成】 回転体1と固定体2との間に充填されたガリ
ウム金属潤滑剤7に対して濡れ性を有するインジウム金
属薄膜10と13が、イオンプレーティングによって回
転体1の対向面1a,1bおよび固定体2の対向面2a,
2bに形成されている。 【効果】 H2還元炉での還元処理が必要な従来例に比
べて、生産性が良くなり、コスト低減が図れる。インジ
ウム金属薄膜10と13は大気中で酸化し難いから取り
扱い易い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空中で使用される
真空用動圧軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空中で使用される、例えばX線
管用軸受装置としては、回転陽極を支持する回転体と、
この回転体を回転可能に支持する固定体とを備え、上記
回転体と固定体との間にガリウムまたはガリウム合金か
らなる潤滑剤を充填したものがある。この軸受装置は、
回転陽極を支持する回転体及びこの回転体を支持する固
定体を、ガリウムまたはガリウム合金に対して耐食性を
有する金属材料、たとえば、タンタルTa,タングステ
ンW,モリブデンMo等で作製する必要がある。
【0003】しかし、ガリウムまたはガリウム合金に対
して耐食性を有する上記金属材料は、表面が酸化され易
くて表面に酸化膜が形成され易い。そして、上記酸化膜
が形成されると、ガリウムおよびガリウム合金に対して
濡れ性が悪くなる。したがって、濡れ性を良好に保つた
めに、固定体と回転体をH2還元炉に導入して還元処理
し、上記酸化膜を除去する必要がある。ところが、この
2還元処理は、一般に処理能力が低く、比較的長い処
理時間が費やされるから、固定体や回転体の生産性が低
下するという問題がある。さらに、このH2還元処理に
よって、固定体や回転体のコストが上昇するという問題
もある。また、H2還元処理によって還元された固定体
や回転体の表面も、大気中では酸化され易いので、取り
扱いが難しいという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、金属潤滑剤に対して十分な濡れ性を有するととも
に、生産性が良く、コスト低減を図ることができ、取り
扱いが容易な真空用動圧軸受装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の真空用動圧軸受装置は、回
転体と、この回転体を回転可能に支持する固定体とを備
え、上記回転体に対向する固定体の対向面または上記固
定体に対向する回転体の対向面の少なくとも一方に動圧
溝が形成され、上記回転体の対向面と上記固定体の対向
面との間の隙間に金属潤滑剤が充填されて、真空容器の
内部に設けられる真空用動圧軸受装置において、上記金
属潤滑剤に対して濡れ性を有する金属薄膜が、イオンプ
レーティングによって上記回転体の対向面および上記固
定体の対向面に形成されていることを特徴としている。
【0006】また、請求項2に記載の発明の真空用動圧
軸受装置は、請求項1に記載の真空用動圧軸受装置にお
いて、イオンプレーティングによって上記金属潤滑剤に
対して濡れ性を有する金属薄膜が形成される上記回転体
の対向面および上記固定体の対向面がイオンボンバード
されていることを特徴としている。
【0007】
【作用】上記請求項1に記載の発明の真空用動圧軸受装
置は、上記金属潤滑油に対して濡れ性を有する金属薄膜
が、イオンプレーティングによって上記回転体の対向面
および上記固定体の対向面に形成されている。したがっ
て、上記回転体および固定体は、上記金属潤滑剤に対し
て濡れ性が良い。また、上記濡れ性を有する金属薄膜
は、イオンプレーティングによって形成されるから、H
2還元炉での還元処理が必要な従来例に比べて、生産性
が良くて、コスト低減が図れる。また、上記金属薄膜
を、大気中でも酸化し難い金属材料で作製すれば、酸化
し難くすることができる。したがって、大気中で取り扱
えるようにできて、取り扱いを容易にできる。
【0008】上記請求項2に記載の発明の真空用動圧軸
受装置は、上記回転体の対向面及び上記固定体の対向面
がイオンボンバードされているから、このイオンボンバ
ードによって、上記回転体の対向面および上記固定体の
対向面が物理的にクリーニングされている。そして、こ
の物理的にクリーニングされた上記対向面に上記金属薄
膜が形成されているから、上記金属薄膜は上記対向面へ
の密着性が良い。また、万一イオンプレーティングされ
た薄膜が消失しても、上記クリーニングされた上記対向
面は金属潤滑油に対して濡れ性があるから、潤滑効果が
失われることがない。
【0009】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0010】図1に、この発明の真空用動圧軸受装置と
してのX線管用動圧軸受装置の実施例の要部断面を示
す。この実施例は、回転陽極11に固定されて回転陽極
11を支持する円筒形状の回転体1と、この回転体1を
回転可能に支持する円柱形の固定体2とを備えている。
上記回転体1に対向する固定体2の外周面2aおよび端
面2bには、約10μmの深さの動圧溝3および5が形
成されている。また、上記固定体2の中心には、冷却用
の空洞6が形成されている。そして、上記固定体2と上
記回転体1との間の隙間には、ガリウム合金からなる金
属潤滑剤7が充填されている。そして、上記回転体1お
よび固定体2は、上記ガリウム合金に対して耐食性を有
するタンタルで作製されている。
【0011】また、図2に示すように、上記実施例は、
上記ガリウム合金からなる金属潤滑剤7に対して濡れ性
を有するインジウムInを、上記固定体2の外周面2a
及び端面2bにイオンプレーティングすることによっ
て、インジウムを含む金属薄膜10が約1μmの厚さに
形成されている。さらに、インジウムInを、上記回転
体1の内周面1aおよび内端面1bにイオンプレーティ
ングすることによって、インジウムを含む金属薄膜13
が約1μmの厚さに形成されている。なお、上記固定体
2の外周面2aおよび端面2bと、上記回転体1の内周
面1aおよび内端面1bとは、上記イオンプレーティン
グの前にあらかじめアルゴンイオンでイオンボンバード
されている。したがって、上記固定体2の外周面2aと
端面2bおよび上記回転体1の内周面1aと内端面1b
とは、上記イオンプレーティングの前にあらかじめ物理
的にクリーニングされている。したがって、上記固定体
2の外周面2aと端面2bおよび上記回転体1の内周面
1aと内端面1bへ、イオンプレーティングによって上
記金属薄膜10および上記金属薄膜13がしっかりと密
着させられている。
【0012】上記実施例は、回転陽極11と一体に回転
体1が回転すると、上記動圧溝3および5が、上記回転
体1と固定体2との間に充填された上記ガリウム合金か
らなる金属潤滑剤7に動圧を発生させて、固定体2に対
して回転体1を径方向および軸方向に支持する。
【0013】上記実施例のX線管用動圧軸受装置は、上
記ガリウム合金からなる金属潤滑剤7に対して濡れ性を
有するインジウムを含む金属薄膜13および10が、イ
オンプレーティングによって、上記回転体1の内周面1
aと内端面1bおよび上記固定体2の外周面2aと端面
2bに形成されている。したがって、上記回転体1およ
び固定体2は、上記金属潤滑剤7に対して濡れ性が良
い。また、上記金属潤滑剤7に対して濡れ性を有する金
属薄膜13は、イオンプレーティングによって形成され
るから、H2還元炉での還元処理が必要な従来例に比べ
て、生産性が良くて、コスト低減を図ることができる。
また、イオンプレーティングによれば、金属薄膜10,
13の厚さを、動圧溝3,5の溝深さ10μmの10分
の1程度の厚さに精密に管理できるから、動圧溝3,5
に必要なミクロンオーダーの溝寸法精度を容易に確保で
きる。したがって、金属薄膜の形成後に、膜厚調整のた
めに膜を削るというような後加工が不必要である。ま
た、上記インジウムを含む金属薄膜13および10は、
大気中でも酸化し難いので、従来例に比べて、回転体1
および固定体2の取り扱いを容易にできる。
【0014】また、上記固定体2の外周面2aと端面2
bおよび上記回転体1の内周面1aと内端面1bとは、
上記イオンプレーティングの前にあらかじめイオンボン
バードされて、物理的にクリーニングされている。した
がって、イオンプレーティングによって形成された上記
金属薄膜10および上記金属薄膜13は、上記固定体2
の外周面2aと端面2bおよび上記回転体1の内周面1
aと内端面1bに、しっかりと密着させられる。したが
って、金属薄膜10および13の耐久性が良くなる。万
一、イオンプレーティングされた金属薄膜10および1
3が消失したとしてもクリーニングされたタンタルはガ
リウムあるいはガリウム合金に対し濡れ性を有するので
潤滑効果が失われることはない。
【0015】尚、上記実施例では、金属潤滑剤をガリウ
ム合金にしたがガリウムにしてもよい。また、インジウ
ムInをイオンプレーティングして金属薄膜を形成した
が、インジウムに替えて、ガリウムGa,ガリウム合
金,銀Ag,錫Sn,ビスマスBiのいずれか1つをイオ
ンプレーティングして上記金属薄膜を形成してもよい。
また、固定体2の外周面に動圧溝を形成したが、回転体
1の内周面に動圧溝を形成してもよい。
【0016】また、上記実施例では、インジウム金属薄
膜をイオンプレーティングによって形成したが、X線管
用動圧軸受装置を組み立て後に、固定体と回転体との間
にインジウムInを入れて、固定体と回転体をインジウ
ムInの融点(156.4℃)以上に加熱し、上記固定体
の外周面と上記回転体の内周面に、インジウムとガリウ
ムとの合金薄膜層をめっきしてもよい。上記インジウム
は、それ自身潤滑性を持っており、しかも、ガリウム潤
滑剤に混ざると潤滑剤の融点を低下させるから、ガリウ
ム潤滑剤自体の潤滑性が向上する。
【0017】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の真空用動圧軸受装置は、回転体と固定体との間に充
填された金属潤滑剤に対して濡れ性を有する金属薄膜
が、イオンプレーティングによって上記回転体の対向面
および上記固定体の対向面に形成されている。したがっ
て、上記回転体および固定体は、上記金属潤滑剤に対し
て濡れ性が良い。また、上記濡れ性を有する金属薄膜
は、イオンプレーティングによって形成されるから、H
2還元炉での還元処理が必要な従来例に比べて、生産性
が良くて、コスト低減が図れる。また、上記金属薄膜
を、大気中でも酸化し難い金属材料で作製すれば、固定
体と回転体を大気中で取り扱えるようにできるから、H
2還元後も大気に触れさせない処理が必要な従来例に比
べて、取り扱いを容易にできる。
【0018】また、請求項2に記載の発明の真空用動圧
軸受装置は、イオンプレーティングによって上記金属潤
滑剤に対して濡れ性を有する金属薄膜が形成される上記
回転体の対向面および上記固定体の対向面がイオンボン
バードされている。したがって、このイオンボンバード
によって、上記回転体の対向面および上記固定体の対向
面が物理的にクリーニングされている。したがって、こ
の物理的にクリーニングされた上記対向面に上記金属薄
膜が形成されているから、上記金属薄膜は上記対向面へ
の密着性が良い。したがって、請求項2の発明によれ
ば、上記金属薄膜の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の真空用動圧軸受装置の実施例の要
部断面図である。
【図2】 上記実施例の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…回転体、1a…内周面、1b…内端面、2…固定
体、2a…外周面、2b…端面、3,5…動圧溝、6…
空洞、7…金属潤滑剤、10,13…金属薄膜、11…
回転陽極。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体と、この回転体を回転可能に支持
    する固定体とを備え、上記回転体に対向する固定体の対
    向面または上記固定体に対向する回転体の対向面の少な
    くとも一方に動圧溝が形成され、上記回転体の対向面と
    上記固定体の対向面との間の隙間に金属潤滑剤が充填さ
    れて、真空容器の内部に設けられる真空用動圧軸受装置
    において、 上記金属潤滑剤に対して濡れ性を有する金属薄膜が、イ
    オンプレーティングによって上記回転体の対向面および
    上記固定体の対向面に形成されていることを特徴とする
    真空用動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空用動圧軸受装置に
    おいて、 イオンプレーティングによって上記金属潤滑剤に対して
    濡れ性を有する金属薄膜が形成される上記回転体の対向
    面および上記固定体の対向面がイオンボンバードされて
    いることを特徴とする真空用動圧軸受装置。
JP24916593A 1993-10-05 1993-10-05 真空用動圧軸受装置 Pending JPH07105885A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24916593A JPH07105885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 真空用動圧軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24916593A JPH07105885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 真空用動圧軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07105885A true JPH07105885A (ja) 1995-04-21

Family

ID=17188878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24916593A Pending JPH07105885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 真空用動圧軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07105885A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09161699A (ja) * 1995-12-04 1997-06-20 Toshiba Corp 回転陽極型x線管及びその製造方法
DE19612693A1 (de) * 1996-03-29 1997-09-04 Siemens Ag Gleitlager für eine Drehanode einer Röntgenröhre

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09161699A (ja) * 1995-12-04 1997-06-20 Toshiba Corp 回転陽極型x線管及びその製造方法
DE19612693A1 (de) * 1996-03-29 1997-09-04 Siemens Ag Gleitlager für eine Drehanode einer Röntgenröhre

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0482386B1 (en) Rotary-anode type X-ray tube
US8240923B2 (en) X-ray tube rotating anode assembly bearing
JPH0154433B2 (ja)
US5204890A (en) Rotary anode type x-ray tube
JPS60113817A (ja) 金属潤滑剤を使用した螺旋溝付き軸受
EP0479195B1 (en) Rotary-anode type x-ray tube
US3360312A (en) Bearing for evacuated space
JPH07105885A (ja) 真空用動圧軸受装置
US4490264A (en) Device incorporating a bearing
JPS61165021A (ja) ころがり軸受
JP3139873B2 (ja) 回転陽極型x線管
JPH06193637A (ja) 転がり軸受
US9890812B2 (en) Liquid metal bearing
JP3394616B2 (ja) 真空用動圧軸受装置の製造方法
JP4467740B2 (ja) 回転陽極型x線管
JP3228992B2 (ja) X線管装置
JP2856531B2 (ja) 回転陽極型x線管
JP2930255B2 (ja) 回転陽極型x線管
JP5205139B2 (ja) 回転陽極型x線管装置
JP3624979B2 (ja) 転がり軸受
JP3017859B2 (ja) 回転陽極型x線管およびその製造方法
JP2989056B2 (ja) 回転陽極型x線管
JPS59691Y2 (ja) 回転陽極x線管
JPH06314549A (ja) 回転陽極型x線管
US6170988B1 (en) Self-acting air bearing apparatus