JPH0676772A - 回転陽極型x線管 - Google Patents
回転陽極型x線管Info
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- JPH0676772A JPH0676772A JP2263335A JP26333590A JPH0676772A JP H0676772 A JPH0676772 A JP H0676772A JP 2263335 A JP2263335 A JP 2263335A JP 26333590 A JP26333590 A JP 26333590A JP H0676772 A JPH0676772 A JP H0676772A
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Abstract
(57)【要約】
電子出願以前の出願であるので
要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、回転陽極型X線管に係わり、 とくに軸受構体の改良に関する。
(従来の技術) 回転陽極型X線管は、周知のように、一部 に軸受部を有する回転体および固定体で円板状 陽極ターゲットを支え、真空容器外に配置した 電磁コイルを付勢し高速回転させながら陰極か ら電子ビームを放出して陽極ターゲットに当て、 X線を放射する。軸受部は、ボールベアリング のようなころがり軸受や、軸受面にらせん溝を形 成するとともにガリウム(Ga)、又はGa、イ ンジウム(In)、錫(Sn)、その他の金属か ら選択された合金のような液体金属を潤滑剤とし て用いた動圧式すべり軸受で構成される。後者の すべり軸受を用いた例は、たとえば特公昭60-214 63号、特開昭60-97536号、特開昭60-117531号、 特開昭61-2914号、あるいは特開昭62-287555号 の各公報に開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記各公報に開示されている回転陽極型X線管 では、そのすべり軸受の軸受面として、モリブデ ン(Mo)又はMo合金、あるいはタングステン (W)又はW合金が使用されている。しかしなが ら、軸受面を例えばMoで構成し、相互間にGa 又はGa合金の液体金属潤滑剤を介在させると、 とくに高温での熱処理、あるいはX線管の動作で 到達する高温で、これら軸受面とGa又はGa合 金との相互浸透が生じて軸受面に荒れや寸法変化 が発生しやすい。それによってまた、軸受面の間 隔が変化し、安定な軸受動作が維持できなくなる おそれがある。また、これら金属で軸受面を構成 すると、材料が高価であるとともに複雑な形状へ の加工が困難であり、全体としてすこぶる高価な X線管になってしまう。
この発明は、以上のような不都合を解消し、軸 受面の高温強度を十分維持でき、且つ液体金属潤 滑剤との濡れ性がすぐれるとともにこの潤滑剤に よる浸蝕を確実に抑制して、安定な軸受動作を維 持することができる比較的安価な回転陽極型X線 管を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、陽極ターゲットを回転自在に支 えるすべり軸受部の少なくとも一方の軸受面が、 セラミックスである金属炭化物又は金属炭窒化物 例えばバナジウム炭化物、チタン炭化物、タング ステン炭化物、モリブデン炭化物、ジルコニウム 炭化物、タンタル炭化物、ニオブ炭化物、クロム 炭化物、硼素炭化物、硅素炭化物、バナジウム炭 窒化物、又はチタン炭窒化物の中から選ばれた少 なくとも1種のセラミックスで構成されてなる回 転陽極型X線管である。
(作用) この発明によれば、すべり軸受部の軸受面が 導電性及び熱伝導性にすぐれたセラミックスであ る金属炭化物又は金属炭窒化物で構成されている ので、高温での機械的強度が高く、且つ液体金属 潤滑剤の濡れ性にすぐれているとともにこの潤滑 剤で浸蝕されることがほとんどなく、高温で長時 間の安定な軸受動作を維持することができる。
(実施例) 以下その実施例を図面を参照して説明する。な お同一部分は同一符号であらわす。
第1図および第2図に示すように、重金属から なる円盤状陽極ターゲット11は、円筒状回転体12 の一端に突設された回転軸部13に固定ねじ14によ り一体的に固定されている。円筒状回転体12の内 側には、固定体15が嵌合されており、その下端部 には円板状のフランジ16が固定されている。固定 体15の下端部17は、ガラス製の真空容器18に気密 接合されている。また、この固定体15は、中心部 分がくりぬかれた冷却媒体通路19を有し、これに パイプ20が挿入されていて、矢印Cで示すように 冷却媒体を循環できるようになっている。円筒状 回転体12と固定体15との嵌合部分は、前述の各公 報に示されるような動圧式すべり軸受部21を構成 している。そのため、固定体側のすべり軸受面22 となる固定体15の外周壁及び両端壁には、前述の 各公報に記載されているようならせん溝23、24が 形成されている。これと対面する回転体側のすべ り軸受面25は、単なる平滑な面でもよく、あるい は必要に応じてらせん溝を形成したものでもよい。
そこで、回転体12及び固定体15は、例えば日本 工業規格(JIS)で定められた炭素工具鋼のS K4、あるいは合金工具鋼のSKD11のような、 炭素を少量(即ち0.5乃至2.5重量%)含む鋼材 で構成され、軸受面となるそれぞれの表面部に金 属炭化物セラミックスからなる薄膜26、27が付着 されたものである。この金属炭化物セラミックス の薄膜26、27を形成するには、とくに限定されな いが、例えば上記の鋼材からなる回転体及び固定 体の軸受面となる部分以外を適当にマスクし、こ れを電気炉内で500〜1250℃の範囲の温度に保持 されたバナジウム(V)を含む溶融塩浴剤中に数 時間浸漬保持する。それにより、バナジウム炭化 物(VC)の薄膜を各々の軸受面に5〜20μmの 厚さで付着し、所要の熱処理をして形成できる。
この金属炭化物セラミックスの薄膜は、鋼材中の 炭素の一部が拡散結合したものであるため、付着 強度が高く、高温強度及び耐磨耗性にすぐれてお り、また液体金属潤滑剤の濡れ性にもすぐれてい て、且つこの潤滑剤で浸蝕され難い。なお、固定 体15には、らせん溝23、24を予め形成してあり、 金属炭化物薄膜は、溝の内面にもほぼ均等な厚さ で付着している。
回転体及び固定体の両軸受面22、25は、およそ 20μmの間隙gをもって対面するようになってお り、この間隙gおよびらせん溝内に動作中に液状 である液体金属潤滑剤(図示せず)を充填し介在 させる。そして、真空容器18の外側の回転体12に 対応する位置に、図示しない電磁コイルを有する ステータを配置して回転磁界を生じさせ、回転陽 極を矢印Pの如く高速回転させる。図示しない陰 極から放出された電子ビームが陽極ターゲット11 に射突してX線が発生させられるとともに、この ターゲットに生じた熱はその多くがターゲットか ら輻射により放散されるとともに、一部は回転体 12から軸受部21の液体金属潤滑剤を通り固定体15 を経て直接又は冷却媒体を介して外部に放散させ られる。軸受面を構成しているバナジウム炭化物 セラミックスの薄膜26、27は、高温での機械的強 度が高く、且つGa又はGa合金のような液体金 属潤滑剤で浸蝕されることがない。さらにまた、 軸受けの母材である前記の炭素工具鋼等は、比較 的安価であり、加工もMoやWに比べて格段に容 易である。さらに、この軸受面は高温強度が高く、 高温で潤滑剤に犯され難いので、軸受面の動作温 度を例えば500℃程度まで高めることが可能で あ.。したがって陽極ターゲットの動作温度を高 くすることができ、陽極ターゲットの冷却率を高 めることができる。それにより、陽極ターゲット への入力電力の平均値を相対的に大きくすること ができる。こうして、容易に安定な軸受動作性能 を有し且つ高冷却率を有する回転陽極型X線管が 得られる。
なお、前述の実施例は、回転体、固定体の少な くとも一方を導電性および熱伝導性のよい金属で 構成してその軸受面に金属炭化物又は金属炭窒化 物セラミックスの薄膜を形成したものであるが、 それに限定されず、次のような実施例でもよい。
即ち、回転体、固定体の全体を金属炭化物又は金 属炭窒化物のセラミックスで構成してもよいし、 あるいは回転体、固定体の一方の全体を金属炭化 物又は金属炭窒化物のセラミックスで構成し、他 方を導電性および熱伝導性のよい金属またはその 他の素材で構成してもよい。
また、セラミックスである金属炭化物は、上述 のバナジウム炭化物(VC)がとくに好適である が、それに限られず、例えばチタン炭化物(Ti C)、タングステン炭化物(WCあるいはW2C) 、モリブデン炭化物(MoCあるいはMo2C)、 ジルコニウム炭化物(ZrC)、タンタル炭化物 (TaC)、ニオブ炭化物(NbC)、クロム炭 化物(CrC)、硼素炭化物(B4C)、硅素炭 化物(SiC)、もしくは金属炭窒化物セラミッ クスのバナジウム炭窒化物(V(C,N))、又 はV2(N,C)、又は、チタン炭窒化物 (Ti(C,N))の中から選ばれた少なくとも 1種の金属炭化物又は金属炭窒化物を使用し得る。
なお、これら金属炭化物又は金属炭窒化物のセラ ミックスは、主要部をなしているもので、それに わずかの他の物質が含まれたものであってもよい ことは当然である。そしてこれらは、高温での機 械的、物理的安定性にすぐれるとともに、比抵抗 が比較的小さく且つ熱伝導度が比較的大きいので、 X線管の陽極構体として好適である。また、これ らは、母材の軸受面となる表面に前述のような溶 融塩浴浸漬法による他、CVD(化学的気相成長) 法あるいはPVD(物理的蒸着)法により所定厚 さに付着させ必要な熱処理を施して形成すること ができる。
また液体金属潤滑剤は、Ga、Ga−In、又 はGa−In−SnのようなGaを主体とするも のに限らず、例えばビスマス(Bi)を相対的に 多く含むBi−In−Pb−Sn合金、あるいは Inを相対的に多く含むIn−Bi合金、または In−Bi−Sn合金等を使用し得る。これらは 融点が室温以上であるので、陽極ターゲットを回 転させる前に潤滑剤をこの温度以上に予熱して液 状にしたうえで回転させるように構成することが 望ましい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によればすべり 軸受部の軸受面が金属炭化物又は金属炭窒化物セ ラミックスで構成されているので、高温での機械 的強度が高く、且つ液体金属潤滑剤の濡れ性にす ぐれているとともにこの潤滑剤で浸蝕されること がほとんどなく、高温で長時間の安定な軸受動作 性能をもち且つ高冷却率を有する安価な回転陽極 型X線管を得ることができる。
第1図はこの発明の実施例を示す要部縦断面 図、第2図はその一部拡大図である。 11…陽極ターゲット、 12…回転体、 18…真空容器、 15…固定体、 21…すべり軸受部、 22、25…軸受面、 g…間隙、 26、27…金属炭化物又は炭窒化物の薄膜、 23、24…らせん溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北見 隆幸 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内 (72)発明者 矢越 英夫 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 陽極ターゲットが固定された回転体と、
こ の回転体を回転可能に保持する固定体と、前記 回転体および固定体の一部に設けられるととも に軸受面の相互間に少なくとも動作中は液状で ある金属潤滑剤が介在されてなるすべり軸受部 とを具備する回転陽極型X線管において、 上記すべり軸受部の少なくとも一方の軸受面 が、金属炭化物又は金属炭窒化物で構成されて なることを特徴とする回転陽極型X線管。 - 【請求項2】 少なくとも一方の軸受面は、導電性およ
び 熱伝導性のよい素材の表面に金属炭化物又は金 属炭窒化物の薄膜が付着されてなる請求項1記 載の回転陽極型X線管。 - 【請求項3】 少なくとも一方の軸受面は、バナジウム
炭 化物、チタン炭化物、タングステン炭化物、モ リブテン炭化物、ジルコニウム炭化物、タンタ ル炭化物、ニオブ炭化物、クロム炭化物、硼素 炭化物、硅素炭化物、バナジウム炭窒化物、又 はチタン炭窒化物の中から選ばれた少なくとも 1種の金属炭化物又は金属炭窒化物で構成され てなる請求項1又は2記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項4】 少なくとも一方の軸受面は、液体金属潤
滑 剤を受入れるらせん溝を有してなる請求項1、 2又は3記載の回転陽極型X線管。
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KR101104304B1 (ko) * | 2009-06-15 | 2012-01-11 | 동아공업 주식회사 | 배기파이프용 가스켓 |
WO2024122614A1 (ja) * | 2022-12-08 | 2024-06-13 | キヤノン電子管デバイス株式会社 | 回転陽極型x線管 |
-
1990
- 1990-10-01 JP JP26333590A patent/JP2856531B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2856531B2 (ja) | 1999-02-10 |
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Legal Events
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