JPH0728102Y2 - 包装用箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、冷蔵庫等の大型商品を収納する包装用の箱に
関する。

（従来の技術） 冷蔵庫等の大型商品を収納する包装用箱は、下蓋と、底
部が開放された箱本体とから構成されており、商品を収
納した後に、これら全体に巻き掛けた紐やバンド等の締
付部材で全体を結束固定している。

このように構成された包装体を開梱する場合は、まず締
付部材を取り外し、箱本体を何らかの分割手段によって
高さ方向に複数個に分割し、天井までの高さに合わせた
大きさになったところで箱本体を完全に取り除くという
方法をとっていた。

しかしながら、箱本体の分割には副資材を必要とし、そ
の取り付けのために作業能率が低下するという問題があ
るため、分割手段はその数をできるだけ少なくしなけれ
ばならないという制約を受けていた。

そこで、実公昭58−16544号公報に記載されているよう
に、箱本体を縦方向に分割できるように分割手段を設け
たものが提案されている。この構成によれば、分割手段
を１ケ所に設けるだけで箱本体を取り除くことが可能と
なり、それまでのものに比べて副資材が節約され、開梱
時の作業能率が向上するという利点があるが、箱の材料
として段ボールシートを用いた場合の製造時の段ボール
シートの流れ方向等の問題から、箱の材料にカットテー
プ等の分割用の資材を取り付けるのを手作業に頼らなく
てはならず、人件費等が直接コストに影響を与えてい
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、以上のような従来技術の問題点を解決し、箱
本体を容易に取り除くことができる構造であって、しか
もその分割用の資材を機械的に取り付けることができる
構成の包装用箱を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） すなわち本考案の包装用箱は、カットテープを装着した
当て板を箱本体の内側に挿入し、カットテープを引くこ
とによって箱本体を縦方向に切り裂くようにしたことを
特徴とするものである。

以下図面に従って、本考案の包装用箱の構成を詳細に説
明するが、図示したものは一例であって、本考案の包装
用箱に限定されるものではなく、例えば、箱本体は胴体
と上蓋に分けて構成されるものの他に、蓋フラップが胴
体に連設されたものであっても良い。

第１図は梱包を完了した状態の包装用箱の一例であり、
下蓋（１）、筒状の胴体（２）、上蓋（３）から構成さ
れる包装用箱の内部に商品等を収納し、締付部材（４）
で全体を結束固定したものである。

胴体（２）の一側面の上端および下端には、開梱用の手
かけ部（５）を形成するようにミシン目や切り込みが設
けられている。

胴体（２）の内部には、第２図に示すように１枚又は２
枚以上の当て板（６）が、胴体と商品（図示せず）との
間に挿入されている。当て板は、商品の脆弱な部分の保
護、あるいは商品と包装用箱との間の隙間をなくすため
に用いるものであり、包装用箱の胴部に密着した状態で
挿入されている。

当て板の片面にはカットテープ（７）が固定され、か
つ、当て板のカットテープの端部が固定された部分の両
側には、引き裂き用の切り込み（８）が形成されてい
る。

引き裂き用の切り込み（８）は第３図に示すように当て
板（６）の上下両端に形成し、上下両方向から引き裂き
可能とするのが望ましい。

胴体や当て板の材質としては、段ボールシートや厚紙等
の内から収納する商品の大きさや重量に応じて任意に選
択する。

下蓋や上蓋は、図示したような板状のものの方に、四角
い盆状のもの等も使用でき、その材質も、段ボールシー
ト、木質板、樹脂板等任意に選択できる。

以上のように構成された本考案の包装用箱を開梱するに
は、締付部材を取り外し、上蓋を取り除き、胴体の上下
端のミシン目等を破って手かけ部を設け、その内側の当
て板の上下端の切り込みの間の板部分をつかんで、上端
は下方へ、下端は上方へと力を加える。

すると、第２図のように当て板のカットテープを固定し
た面を胴体に向けて挿入した場合には胴体のみが、カッ
トテープを固定した面を胴体とは反対側に向けて挿入し
た場合には第４図に示すように当て板と胴体の両方が引
き裂かれて、胴体部分が容易に除去できる。

（作用） 当て板は箱本体に内側から強く押し付けられているの
で、当て板表面に固定されたカットテープは箱本体の内
側表面に密着しており、従って、引き裂き時にはカット
テープが箱本体の内側表面に固定された場合と同じ機能
を果たすもので、引き裂きは容易である。

（考案の効果） 箱本体の１ケ所に分割用のカットテープを取り付け
るだけで箱本体を容易に取り除けるので、副資材の費用
も安く、開梱時の作業能率も良い。

カットテープは当て板に固定するので、その取り付
けは機械的に行なうことができ、人件費等が削減でき
る。

箱の材料としてダンボール等を用いた場合でも、当
て板を段ボールの段目に対してバイアスとなるように作
製すれば、斜め方向に引き裂くことも可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の包装用箱の一例を示すものであり、第１
図は梱包を完了した状態の斜視図、第２図は当て板の挿
入状態を示す一部切り欠き斜視図、第３図は当て板の斜
視図、第４図は引き裂き完了時の胴体と当て板の状態を
示す斜視図である。 （１）……下蓋、（２）……胴体 （３）……上蓋、（４）……締付部材 （５）……手かけ部、（６）……当て板 （７）……カットテープ、（８）……切り込み

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下蓋上に商品を載置し、その上から底部が
   開放した箱本体をかぶせ、商品と箱の側壁との間に当て
   板を挿入する包装用箱において、箱本体の一側面の上下
   端に開梱用の手かけ部を形成し、該側面の内側に当接す
   る当て板表面の、前記２ケ所の手かけ部に接する部分を
   結ぶ線上にカットテープを固定し、かつ、当て板のカッ
   トテープの端部が固定された部分の両側には、引き裂き
   用の切り込みが形成されていることを特徴とする包装用
   箱。