JPH0350015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は二つに分割できる段ボール等からな
る分割式包装箱に関する。

〔従来の技術〕

一般的に商品は卸し段階では大量に輸送するた
めに大きい包装箱が望ましい。しかし、小売段階
では小分けにして販売されることが多い。

このような要望に応じて従来から第４図〜第７
図に示すような分割式包装箱が提案されている
（実開昭60−179625号）。

この従来の段ボール紙等からなる分割式包装箱
１は第４図および第５図に示すように、二つの独
立して組立てられる第１の包装箱２と第２の包装
箱３とからなつている。第１の包装箱２は第６図
に示すような板状体を組立てた天井部のない上方
に開口部２ａを有する直方体形状をしている。第
２の包装箱３は第７図に示すような板状体を組立
てた天井部３ａを有する直方体形状に形成すると
ともに、前記天井部３ａには第１の包装箱の開口
部２ａを覆う天井部３ｂおよびこの天井部３ｂに
連なるフラツプ３ｃを一体的に設けてある。ま
た、前記天井部３ｂに連なるフラツプ３ｄを形成
している。前記天井部３ａと天井部３ｂとの境目
には２本のミシン目からなる切取り容易線４を両
側部のフラツプ３ｄにまたがつて形成してある。
このフラツプ３ｄに形成した切取り容易線４の端
部に「Ｈ」状の切込み５を形成して切取り容易線
４を破りやすくしてある。このように構成した第
１・第２の包装箱２，３の側壁２ｅ，３ｅを当接
した状態で、第１の包装箱２の開口部２ａを第２
の包装箱３の天井部３ｂで覆つてフラツプ３ｃ，
３ｄを第１・第２の包装箱２，３の側壁に固着し
てある。

このような構成によれば、大量輸送する段階で
は大きなままで使用し、小売段階では前記切取り
容易線４を破つて二つに分割して使用できる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の分割式包装箱によれば、
第１・第２の包装箱の分割面をなす側壁が二重に
なつていてその分の材料が無駄であるという欠点
があつた。また、第１・第２の包装箱に内容物を
充填する作業工程および包装箱を組立てる作業が
複雑であるという問題点もある。さらに、小売段
階で、いくら二つに分割して小さくしても箱型の
ままでは抱き抱えて持たなければならないので持
ち運びにくいという欠点もあつた。

そこで、本考案は二つに分割する包装箱の分割
面の材料を節約し、内容物を充填する作業工程お
よび包装箱を組立てる作業を単純化するととも
に、小売段階で分割した際、持ち運びやすい分割
式包装箱を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、段ボール紙・板紙等
の板状体を直方体に組立てて箱本体を構成し、こ
の箱本体を二つに分割するための切取り容易線を
形成し、この切取り容易線で分割される前記箱本
体の各分割箱にはその内側の対向面に手提げ紐を
それぞれ設け、この両側の各手提げ紐を前記切取
り容易線を超えて他方の前記分割箱側へ突出する
ようそれぞれ配置した構成としてある。

〔作用〕

このような構成によれば、切取り容易線を破つ
て箱本体を二つに切り離し、両方の分割面を上方
に向ければ二つの分割箱を構成できるため、分割
面をなす分の材料を節約でき、箱の成型等も簡単
である。又、箱本体を二つに分割すると同時に手
提げ紐が内側より現れ即座に持ち運びができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に基
づいて説明する。

この箱本体６は、第２図に示すような一枚の段
ボール紙等からなる板状体を第１図に示すように
直方体に組立ててある。

前記箱本体６の側面７の中央部から天面８にわ
たつて２本の平行なミシン目からなる切取り容易
線９ａを形成し、側面７の中央部から底面１０に
わたつて１本のミシン目からなる切取り容易線９
ｂを形成してある。前記側面７の中央には切取り
容易線９ａの両端部に「Ｈ」状の切込み１１を形
成してある。

そして、箱本体６は切取り容易線９ａ，９ｂに
よつて二つの分割箱６ａ，６ｂに画成される。こ
の各分割箱６ａ，６ｂの対向面をなす天面８およ
び底面１０の内側で、且つ、前記切取り容易線９
ａ，９ｂの近くには手提げ紐１２の両端をそれぞ
れ貼付けてある。この手提げ紐１２の両端の上面
にはさらに接着テープ１３を貼付けてある。

また、各分割箱６ａ，６ｂの手提げ紐１２の中
央部分は前記切取り容易線９ａ，９ｂを越えて他
方の分割箱６ａ，６ｂ側へ突出するようそれぞれ
配置してある。

上記構成において、Ｈ状の切込み１１から切取
り容易線９ａを破り取り、さらに切取り容易線９
ｂを破り取つて箱本体６を二つに切り離し、両方
の分割面を上方に向ければ図３に示すような分割
箱６ａ，６ｂが二つ構成される。即ち、上面が開
口した分割箱６ａ，６ｂとして構成したので、分
割面をなす分の材料を節約でき、又、分割前は一
つの収容空間を持つ分割式包装箱であるため箱の
成型、内容物を充填する作業工程が簡単である。

また、箱本体６を二つに切り離すと同時に各分
割箱６ａ，６ｂの手提げ紐１２が内側より現れる
ため、即座に持ち運びができる。

この実施例によれば、Ｈ状の切込み１１から切
取り容易線９ａを破り取り、切取り容易線９ｂで
外側に折り返せば手提げ紐１２を有し、収容室が
二分割された箱として構成される。

なお、前記実施例の切取り容易線９ａ，９ｂは
上半部を２本のミシン目で下半部を１本のミシン
目に形成したが、全部２本ミシン目としてもよ
く、また、カツトテープ、ジツパー等を用いても
よい。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなようにこの考案によれ
ば、分割式包装箱の二つに分割する分割面をなす
分の材料を節約し、箱の成型、内容物を充填する
作業工程が簡易であるという効果がある。また、
箱本体を二つに分割すると同時に手提げ紐が内側
より現れるので、即座に持ち運びでき、持ち運び
が容易であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は裏側面の展開図、第３図は分割した使用状
態を示す斜視図、第４図は従来技術を示す分解斜
視図、第５図は斜視図、第６図および第７図は展
開図である。 ６……箱本体、６ａ，６ｂ……分割箱、９ａ，
９ｂ……切取り容易線、１２……手提げ紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボール紙・板紙等の板状体を直方体に組立て
   て箱本体を構成し、この箱本体を二つに分割する
   ための切取り容易線を形成し、この切取り容易線
   で分割される前記箱本体の各分割箱にはその内側
   の対向面に手提げ紐をそれぞれ設け、この両側の
   各手提げ紐を前記切取り容易線を超えて他方の前
   記分割箱側へ突出するようそれぞれ配置したこと
   を特徴とする分割式包装箱。