JPH07279852A - ダイヤフラム式電磁ポンプ - Google Patents

ダイヤフラム式電磁ポンプ

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JPH07279852A
JPH07279852A JP8921694A JP8921694A JPH07279852A JP H07279852 A JPH07279852 A JP H07279852A JP 8921694 A JP8921694 A JP 8921694A JP 8921694 A JP8921694 A JP 8921694A JP H07279852 A JPH07279852 A JP H07279852A
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栄次 金子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁石と永久磁石との磁気的相互作用により
ダイヤフラムを駆動するダイヤフラム式電磁ポンプに関
し、ポンプの容量を大きくできるとともに容易に製造で
きることを目的とする。 【構成】 電磁石7a、7bの間には永久磁石8a、8
bが設けられた振動子9が配置されている。電磁石7a
(7bも同様の構造)は、中央部に主極26a、両端部
に側極26bが形成されたE字状のコア22と、このコ
ア22に固定されたコイル枠23と、このコイル枠23
に巻回されたコイル24とからなる。コア22の主極2
6aには固定部としての突起27が形成されている。コ
イル24が巻回されたコイル枠23を主極26aに嵌合
させた後突起27を折り曲げることにより、コイル枠2
3をコア22に固定することができるとともに折り曲げ
られた突起で永久磁石8a、8bに対するコア22の対
応磁路面積を大きくすることができる。したがって、簡
単な構成で振動子9の振幅を大きくすることによりポン
プの容量を大きくすることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエアーマッサー
ジ器等に使用されるダイヤフラム式電磁ポンプに関し、
特に電磁石と永久磁石との磁気的相互作用を増大させる
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁石とダイヤフラムが連結され
た振動子に設けられた永久磁石との磁気的相互作用によ
って空気等の流体を吐出すようにしたポンプとしては、
例えば特公平4−21077号公報に記載されているも
のが知られている。このポンプは、上記公報の第1図に
示されているように、永久磁石を備えた振動子の一端に
ダイヤフラムを連結し、この振動子を上記永久磁石とこ
の永久磁石に対向して配置された電磁石との磁気的相互
作用によって振動させる構成となっており、振動子を振
動させるとダイヤフラムが駆動することによって吸入口
から吸引された流体を吐出口から吐出すようになってい
る。
【0003】そして、電磁石は、上記公報の第2図a、
第2図b、第3図に示されるような中央部に主極、両端
部に側極が形成された断面E字状のコアと、上記公報に
はその固定に関しては開示されていないがコアに装着さ
れ固定されるコイル枠と、このコイル枠に巻回されたコ
イルとからなっている。上記公報に示されたコアは、主
極の先端に別工程により補助磁路が取り付けられてお
り、この補助磁路によりコアの永久磁石に対する対応磁
路面積を大きくして両者間の磁気的相互作用を強くして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のものでは補助磁路を設けてコアと永久磁石と
の磁気的相互作用を強くすることにより振動子の振幅を
大きくしてポンプの容量を大きくすることはできるが、
補助磁路の主極への取り付けと、コイル枠のコアへの固
定とをそれぞれ別個に行うものであるので、製造が面倒
であるという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解決し、容量を大き
くすることができるとともに容易に製造することができ
るダイヤフラム式電磁ポンプを得ることを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のダイヤフラム式電磁ポンプは、永久磁石とこ
の永久磁石に対向して設けられた電磁石との磁気的相互
作用に基づいて前記永久磁石を備えた振動子を振動させ
て前記振動子に連結されたダイヤフラムの往復動によっ
て流体を吐出するものにおいて、前記電磁石は、前記永
久磁石側に突極が形成されたコアとこのコアに装着され
固定されるコイル枠に巻回されたコイルとからなり、前
記突極の永久磁石側端部に前記コイル枠の永久磁石側端
部に重合するとともに前記永久磁石と互いに面対向して
前記コイル枠を前記コアに固定する固定部を設け、前記
突極の前記永久磁石に対する対応磁路面積を大きくした
ものである。
【0007】
【作用】本発明のダイヤフラム式電磁ポンプは、コアの
突極に設けられコイル枠をコアに固定するための固定部
に上記従来例でいうところの補助磁路としての機能を持
たせたもので、突極の永久磁石側端部に設けられた固定
部をコイル枠の永久磁石側端部に重ねると、コイル枠を
コアに固定することができるとともにコアの永久磁石と
の対応磁路面積が大きくなり両者間の磁気的作用部分を
大きくすることができる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
図3において1はポンプ本体で、このポンプ本体1は、
筒状の本体ケース2と、この本体ケース2の左右両端に
取り付けられたケーシング3a、3bと、このケーシン
グ3a、3bにそれぞれ取り付けられたプレート4a、
4bとから構成されている。
【0009】筒状の本体ケース2の外周壁5には吸気孔
6が形成されている。また、本体ケース2内には、この
本体ケース2に取り付けられた電磁石7a、7bとこの
電磁石7a、7b間に配置され永久磁石8a、8bが軸
方向に配列して設けられた振動子9とが設けられてい
る。この振動子9の軸方向両端部は、センタプレート1
0を介してゴム製で弾性変形可能なダイヤフラム11
a、11bに連結されている。ダイヤフラム11a、1
1bの外周部は本体ケース2の両端部とケーシング3
a、3bとでそれぞれ挟着保持されている。また、セン
タープレート10は各ダイヤフラム11a、11bの両
面にそれぞれ設けられており、各ダイヤフラム11a、
11bと各センタープレート10とは、振動子9の両端
部に形成された螺子溝(図示せず)が貫通され螺子溝に
ナット12a、12bを締めつけることにより振動子9
の両端部に連結されている。永久磁石8a、8bは交互
に着磁されている。すなわち、図3において左側の永久
磁石8aは上側がS極、下側がN極に、右側の永久磁石
8bは上側がN極、下側がS極にそれぞれ着磁されてい
る。
【0010】13a、13bはダイヤフラム11a、1
1bとケーシング3a、3bとでそれぞれ形成されるポ
ンプ室で、このポンプ室13a、13bはケーシング3
a、3bに形成された吸引用孔14a、14bを介して
後述する吸引室に連通するとともにケーシング3a、3
bに形成された吐出用孔15a、15bを介して後述す
る吐出室に連通するものである。また、ケーシング3
a、3bには吸引室と吐出室とを仕切るとともにプレー
ト4a、4bに支持される仕切壁3c、3dがそれぞれ
形成されている。
【0011】16a、16bは、プレート4a、4bと
ケーシング3a、3bと仕切壁3c、3dとでそれぞれ
形成され吸引用孔14a、14bを介してポンプ室13
a、13bに連通する吸引室で、この吸引室16a、1
6bは本体ケース2に形成された連通孔17a、17
b、本体ケース2内、吸気孔6をそれぞれ介して外気と
連通している。なお、本体ケース2内に連通孔17a、
17bと吸気口6とを連通する通気路を独立して設けれ
ば、液体等も取り扱うことが可能である。18a、18
bは、プレート4a、4bとケーシング3a、3bと仕
切壁3c、3dとでそれぞれ形成され吐出用孔15a、
15bを介してポンプ室13a、13bに連通する吐出
室で、この吐出室18a、18bはケーシング3a、3
bにそれぞれ形成された吐出孔19a、19bを介して
外気に連通している。
【0012】そして、吸引用孔14a、14bはポンプ
室13a、13b内にそれぞれ配置された吸引弁20
a、20bで開閉される。すなわち、吸引弁20a、2
0bは振動子9が振動してポンプ室13a、13bの容
積が増加するようにダイヤフラム11a、11bが撓ん
だ場合に吸引用孔14a、14bを開放し、振動子9が
振動してポンプ室13a、13bの容積が減少するよう
にダイヤフラム11a、11bが撓んだ場合に吸引用孔
14a、14bを閉塞するものである。また、吐出用孔
15a、15bは吐出室18a、18bに配置された吐
出弁21a、21bで開閉される。すなわち、吐出弁2
1a、21bは振動子9が振動してポンプ室13a、1
3bの容積が減少するようにダイヤフラム11a、11
bが撓んだ場合に吐出用孔15a、15bを開放し、振
動子9が振動してポンプ室13a、13bの容積が増加
するようにダイヤフラム11a、11bが撓んだ場合に
吐出用孔15a、15bを閉塞するものである。
【0013】次に電磁石7a、7bについて説明する。
なお、両電磁石7a、7bの構造は同一であるので一方
のみについて説明する。図1に示すように電磁石7a、
7bは、薄い鉄板を積層して構成されたE字状のコア2
2と、このコア22に固定されるプラスチック等の絶縁
部材からなるコイル枠23と、このコイル枠23に巻回
された電磁コイル24とからなっている。
【0014】コア22は、基部25と、この基部25に
連なって永久磁石8側言い換えれば振動子9側に突出す
る突極26とからなる。また、突極26は、中央部に位
置する主極26aと、両端部に位置する側極26b、2
6bとからなり、コイル24に電流を流すと主極26a
と側極26b、26bとは異極に磁化される。すなわ
ち、主極26aがN極に磁化されている場合、側極26
b、26bはS極に磁化されるものである。そして、主
極26aの永久磁石8側端部には固定部としての突起2
7、27が突出形成されている。この突起27は、主極
26aにおける両側極26b、26b側端部に鉄板の積
層方向に沿って形成されている。なお、図中22aは連
結孔で、この連結孔22aに挿入される図示しないピン
で多数の鉄板が連結される。
【0015】コイル枠23は、主極26aに嵌合される
筒状部28と、この筒状部28の両端に一体に、かつ互
いに平行に設けられた環状の鍔部29、29とからな
る。コイル24は、筒状部28と鍔部29、29とで形
成された巻回部に巻回されるものである。
【0016】電磁石7a、7bは、コイル22が予め巻
回されたコイル枠23をコア22にカシメ固定すること
により組み立てられる。具体的には、コイルが巻回され
たコイル枠23の筒状部28を主極26aに嵌合させた
後、両突起27、27を同時にプレス加工等でカシメて
外側に90度折り曲げる。この状態では、図2に示すよ
うにコイル枠23の筒状部28の永久磁石側端部に折り
曲げられた突起27、27が重なっている。このように
突起27、27を折り曲げて組み立てることにより、容
易にコイル枠23がコア22に固定されるとともに主極
26aの永久磁石8a、8bに対する対向面積が大きく
なる。
【0017】このように本発明によれば、コイル枠23
をコア22に固定するための突起27を利用して突極の
永久磁石に対する対応磁路面積を大きくすることにより
両者間の磁気的作用部分を大きくすることができる。つ
まり、主極26aと永久磁石8a、8bとの磁気的作用
の増加を計ることができるものである。また、主極26
aは突起27をカシメた状態で先端部のみが幅広となっ
ているのでコイル24を巻回するスペースすなわち主極
26aと両側極26b間とのスペースを充分確保でき
る。これらのことから、簡単な構成で振動子9の振幅を
大きくしてポンプの容量を大きくすることができる。な
お、本実施例においては主極26aに固定部としての突
起27を設けたが、側極26bに設けることも可能であ
る。また、突起27は、主極26aにおける振動子9の
軸方向両端に設けたが、振動子9の軸方向に直交する方
向の両端に設けたりすることも可能である。さらに、固
定部としての突起27を主極26aと一体に設けたもの
について説明したが、例えば別体の鉄板からなる固定部
を主極26aに取り付けてもよい。すなわち、主極26
aにコイル枠23を嵌合した後、鉄板をコイル枠23の
永久磁石側端部に重ね、その後鉄板と主極26aとを取
りつけてコイル枠23を固定することもできる。
【0018】次に本実施例のダイヤフラム式電磁ポンプ
の動作を説明する。コイル24に交流電流を流すと、交
流電流の変化に同期して主極26aと側極26b、26
bにはそれぞれ異なる磁極が交互にあらわれる。例え
ば、一方の電磁石7aでは交流電流のある半波区間(以
下、第1区間)において主極26aがN極、側極26
b、26bがS極に磁化されると、これに続く半波区間
(以下、第2区間)では主極26aがS極、側極26
b、26bがN極に磁化され、これに続く半波区間は第
1区間と同様になる。なお、図3に示すように他方の電
磁石7bは一方の電磁石7aと反対に磁化されるように
なっている。
【0019】上記第1区間での各突極が磁化される状態
は図3に示されており、この状態では永久磁石8aと電
磁石7a、7bの左側(図3において)の側極26b、
26bとの間では斥力、永久磁石8aと電磁石7a、7
bの主極26a、26aとの間では引力がそれぞれ作用
するとともに、永久磁石8bと電磁石7a、7bの右側
(図3において)の側極26b、26bとの間では引
力、永久磁石8bと電磁石7a、7bの主極26a、2
6aとの間では斥力がそれぞれ作用する。したがって、
この状態では振動子9は右側(図3において)に移動す
る。一方、第2区間ではこれらの関係が逆になって振動
子9は左側(図3において)に移動する。そして、この
繰り返しにより振動子9は軸方向に振動する。
【0020】そして、第1区間においては振動子9が右
側に移動することによりポンプ室13aの室内容積が増
加するので吸引弁20aが吸引用孔14aを開放して、
外気が吸気孔6から本体ケース2内、連通孔17a、吸
引室16a、吸引用孔14aを介してポンプ室13aに
吸引される。このとき前述のように吐出弁21aは吐出
用孔15aを閉塞している。また、第2区間においては
振動子9が移動することによりポンプ室13aの室内容
積が減少するので吐出弁21aが吐出用孔15aを開放
して、ポンプ室13a内の空気が吐出用孔15aから吐
出室18aを介して吐出孔19aから吐き出される。一
方、ポンプ室13bはポンプ室13aとは反対に第1区
間で容積が減少して空気を吐き出し、第2区間で容積が
増加して外気を吸引する。したがって、吐出孔21a、
21bからは半波ごとに交互に空気が吐き出されること
となる。
【0021】本実施例は、コイル枠23をコア22に固
定するための固定部を利用してコアと永久磁石との磁気
的相互作用を大きくするものにおいて、固定部である突
起27をコイル枠23の筒状部28に重ねて取りつけて
いるので、突起27を折り曲げる際に大きな力を加えて
も筒状部28は鍔部29と比較して強度が大きいことか
ら破損するおそれがないため、コイル枠23を強固にコ
ア22に固定することができる。このため、ポンプの駆
動中にコイル枠ががたつくこともない。
【0022】また、本実施例は、コイル枠23をコア2
2に固定するための固定部を利用してコアと永久磁石と
の磁気的相互作用を大きくするものにおいて、固定部を
コア22と一体形成された突起27とし、コイル枠23
を主極26aに嵌合させた後この突起27を折り曲げる
ことによりコイル枠23をコア22に固定しているの
で、次のような利点がある。すなわち、第1に固定部と
コア22とを一体とすることにより部品点数を減少する
ことができ、第2に突起27を折り曲げる前の状態では
この突起27がコイル枠23の主極26aへの嵌合の妨
げにならないので組み立てが容易になるものである。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明のダイヤフラ
ム式電磁ポンプによれば、コアと永久磁石との磁気的相
互作用を強くしてポンプの容量を大きくすることができ
るとともに容易に製造できるダイヤフラム式電磁ポンプ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電磁石の分解斜視図で
ある。
【図2】同じく本発明の一実施例を示し、コイル枠とコ
アの固定部分の要部断面図である。
【図3】同じく本発明の一実施例を示すダイヤフラム式
電磁ポンプの断面図である。
【符号の説明】
7a 電磁石 7b 電磁石 8a 永久磁石 8b 永久磁石 9 振動子 11a ダイヤフラム 11b ダイヤフラム 22 コア 23 コイル枠 24 コイル 26 突極 27 突起(固定部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石とこの永久磁石に対向して設け
    られた電磁石との磁気的相互作用に基づいて前記永久磁
    石を備えた振動子を振動させて前記振動子に連結された
    ダイヤフラムの往復動によって流体を吐出するものにお
    いて、 前記電磁石は、前記永久磁石側に突極が形成されたコア
    とこのコアに装着され固定されるコイル枠に巻回された
    コイルとからなり、前記突極の永久磁石側端部に前記コ
    イル枠の永久磁石側端部に重合するとともに前記永久磁
    石と互いに面対向して前記コイル枠を前記コアに固定す
    る固定部を設け、前記突極の前記永久磁石に対する対応
    磁路面積を大きくしたことを特徴とするダイヤフラム式
    電磁ポンプ。
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