JP2005220769A - 電磁式ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ダイアフラム140を有する電磁式ポンプにおいて、ダイアフラム140にその吸入動作においてダイアフラム室108内へ空気を吸入する吸入経路を開閉する弁体としての突出片143を設けるとともに、当該突出片143がダイアフラム本体141と同一の弾性材料によって一体的に成形された構成とする。
【選択図】 図2
Description
ところで、上記のような電磁式ポンプにおいては、その製造工程における組み付け性やメンテナンス性等を向上させるべく一層の合理化を図る要請がある。
なお、本発明は、各種の流体を吸入・圧縮して高圧化し、所定の圧力、流量の流体を所望の供給先へと吐出する電磁式ポンプ等に適用され得る。電磁式ポンプの具体例としては、曝気式浄化槽の曝気用エア供給用、養魚の酸素補給用、泡風呂等のエア噴気用などの電磁式ポンプがある。
請求項1に記載の電磁式ポンプは、ダイアフラム、振動子、電磁石、吸入経路、吐出経路を少なくとも備える。
なお、本発明では、振動子とダイアフラムとの連結に関し、振動子がダイアフラム以外の部材を介して当該ダイアフラムに間接的に固定される態様、あるいはダイアフラムに直接的に固定される態様を包含する。
更に、本発明のダイアフラムでは、弁体がダイアフラム本体と同一の弾性材料によって一体的に成形された構成になっている。このようなダイアフラムは、例えば、ゴム材料、樹脂材料などの弾性材料をプレス成形や射出成形によって成形することで形成される。また、本発明では、ダイアフラムが吸入経路や吐出経路を開閉する弁機構を構成する各部材のうち少なくとも弁体を備えていればよく、弁体の開放位置を規定する弁押え等の部材を弁体とともにダイアフラム本体に一体的に成形してもよい。
図1に示すように、電磁式ポンプ100は電磁石ケース101を備え、防振手段(防振ゴムなど)を介してポンプ基台プレート(図示省略)上に配置される。この電磁石ケース101の両側面には、後述する一対のダイアフラム140,140の外周面を当該電磁石ケース101に押しつけるようにして、弁ケース本体102及び弁ケース蓋体103が順次配置される。電磁石ケース101内には、互いに対向するように配置された一対の電磁石110,120と、この一対の電磁石110,120の対向面の間に介在する振動子130が挿着されている。
吐出弁107は、弾性を有するゴム材料によって構成され、区画壁105に形成された連通孔106を開放ないし閉鎖する吐出用の弁体107a(吐出弁機構)を有する。連通孔106が弁体107aによって開放された状態では、圧縮室108と吐出室109とが連通される一方、連通孔106が弁体107aによって閉鎖された状態では、圧縮室108と吐出室109との連通が阻止される構成になっている。なお、この連通孔106が、本発明における「吐出経路」を構成する。
従って、圧縮室108において圧縮され高圧化された空気は、吐出弁107の閉鎖状態において吐出弁107を介して吐出室109へ送られ、所定の圧力及び流量の空気が吐出口104を経て所望の供給先(浄化槽等)へ供給される構成になっている。
また、図4に示すように、基部142は、その板厚がダイアフラム本体141の各部位のうち相対的に厚肉化された厚肉部(板厚d1)である。これに対し、突出片143は、その板厚がダイアフラム本体141の各部位のうち相対的に薄肉化された薄肉部(板厚d2<d1)である。
このように、ダイアフラム140自体を吸入用の弁体としての突出片143を有する形状に成形した点が、本実施の形態の電磁式ポンプ100の特徴部分の一つである。
ダイアフラム140の成形後、このダイアフラム140をその両側から第1センタープレート150及び第2センタープレート152によって挟持した状態で、第1センタープレート150と第2センタープレート152とを溶着する。これによって、ダイアフラム140、第1センタープレート150、第2センタープレート152が一体化された構成体が形成されることとなる。
図1において、交流電源に接続された電磁石110,120の極性変化に伴い振動子130は、交流電源と同じ周波数で図中の矢印10及び矢印12方向に往復運動する。この振動子130の動きに同期して振動子130の両端部に配置されたダイアフラム140,140は、その外周部分が電磁石ケース101側に固定された状態で、その中央部が振動子130のストロークと同じ変位量で弾性変形する。
図5に示すように、振動子130の矢印10方向への動作によって図中右側のダイアフラム140が矢印10方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室108が負圧になり、吸入経路用の弁体としての右側の突出片143が開放されて、吸入空気が電磁石ケース101から右側の圧縮室108へと吸入される(吸入動作)。すなわち、この吸入動作においては、当該突出片143は、電磁石ケース101と右側の圧縮室108との圧力差によって右側の圧縮室108側(図中右側)に撓む。これにより右側の連通孔(図2中の連通孔150a及び連通孔152a)が連通され、電磁石ケース101内と右側の圧縮室108とが連通されることとなる。このとき、当該突出片143の開放位置は、センタープレートの弁押え(図2中の第2センタープレート152の弁押え152b)に当接しそれ以上右側の圧縮室108側へは撓まない。
図6に示すように、振動子130の矢印12方向への動作によって図中右側のダイアフラム140が矢印12方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室108は圧縮され正圧になり、右側の突出片143が閉鎖されるとともに、右側の吐出弁107の弁体が開放されて、吐出空気が右側の圧縮室108内から吐出室109内へと吐出される(吐出動作)。すなわち、この吐出動作においては、当該突出片143は右側の圧縮室108内の圧力によって右側の連通孔(図2中の連通孔150a及び連通孔152a)を閉鎖した状態となり、右側の吐出弁107は右側の圧縮室108内の圧力によって開放されることとなる。
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
弁ケース本体102の区画壁105には吸入弁207が設けられており、この吸入弁207は、吸入経路である連通孔106を開放ないし閉鎖する吸入用の弁体207a(吸入弁機構)を有する。一方、図3に示すダイアフラム140の突出片143が、センタープレートに形成された吸入経路(図2では、第1センタープレート150の連通孔150aと、第2センタープレート152の連通孔152aとによって形成される吐出経路)を開放ないし閉鎖する吐出用の弁体としての機能(吐出弁機構)を有する。
図8に示すように、振動子130の矢印10方向への動作によって図中右側のダイアフラム140が矢印10方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室108が負圧になり、右側の吸入弁207の弁体が開放されて、吸入空気が電磁石ケース101から右側の圧縮室108へと吸入される(吸入動作)。
また、図8に示すように、振動子130の矢印10方向への動作によって図中左側のダイアフラム140が矢印10方向に弾性変形した場合、図中左側の圧縮室108は圧縮され正圧になり、左側の吸入弁207の弁体が閉鎖されるとともに、吐出経路用の弁体としての左側の突出片143が開放されて、吐出空気が左側の圧縮室108内から吐出室109内へと吐出される(吐出動作)。
一方、図9に示すように、振動子130の矢印12方向への動作によって図中右側のダイアフラム140が矢印12方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室108は圧縮され正圧になり、右側の吸入弁207の弁体が閉鎖されるとともに、吐出経路用の弁体としての右側の突出片143が開放されて、吐出空気が右側の圧縮室108内から吐出室109内へと吐出される(吐出動作)。
また、図9に示すように、振動子130の矢印12方向への動作によって図中左側のダイアフラム140が矢印12方向に弾性変形した場合、図中左側の圧縮室108が負圧になり、左側の吸入弁207の弁体が開放されて、吸入空気が電磁石ケース101から左側の圧縮室108へと吸入される(吸入動作)。
図8及び図9を用いて説明したように、一対のダイアフラム140,140による上記の吸入動作及び吐出動作が交互に連続的に行われることによって、圧縮空気が連続的に吐出される。これにより、所定の流量及び圧力の吐出空気が吐出室109から所望の供給先へ供給されることとなる。このような構成の電磁式ポンプ200によっても、上記実施の形態の電磁式ポンプ100の作用効果と同様の作用効果を奏することとなる。
本発明では、「請求項1に記載の電磁式ポンプであって、
前記ダイアフラムは、当該ダイアフラムの各部位のうち板厚が相対的に薄肉化された薄肉部を有し、この薄肉部が前記弁体として構成されることを特徴とする電磁式ポンプ。」という構成(態様1)を採り得る。
従って、本態様1によれば、請求項1に記載の構成によって得られる作用効果に加え、ダイアフラムに設けられた弁体が、吸入経路や吐出経路を開放動作及び閉鎖動作する際の弁機能が高まる。
また、本発明では、「電磁式ポンプに装着され、流体の圧縮室を区画するともに当該圧縮室における流体の吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能なダイアフラムであって、
当該ダイアフラムの吸入動作において圧縮室外から圧縮室内へ流体を吸入する吸入経路と、当該ダイアフラムの吐出動作において圧縮室内から圧縮室外へ流体を吐出する吐出経路のいずれか一方の経路の開閉を行う弁体を備えるとともに、当該弁体がダイアフラム本体と同一の弾性材料によって一体的に成形された構成であることを特徴とするダイアフラム。」という構成(態様2)を採り得る。
従って、本態様2によれば、ダイアフラムに吸入経路ないし吐出経路を開閉する弁体を付帯させるとともに、当該弁体をダイアフラム本体と同一の弾性材料によって一体的に成形することによって、請求項1に記載の発明の作用効果と同様に、電磁式ポンプの製造工程における組み付け性やメンテナンス性等を向上させるのに有効である。
また、本発明では、「態様2に記載のダイアフラムであって、
当該ダイアフラムの各部位のうち板厚が相対的に薄肉化された薄肉部を有し、この薄肉部が前記弁体となる構成であることを特徴とするダイアフラム。」という構成(態様3)を採り得る。
従って、本態様3によれば、態様2に記載の構成によって得られる作用効果に加え、ダイアフラムに設けられた弁体が、吸入経路や吐出経路を開放動作及び閉鎖動作する際の弁機能が高めるのに有効である。
101…電磁石ケース
102…弁ケース本体
103…弁ケース蓋体
104…吐出口
105…区画壁
106…連通孔
107…吐出弁
107a,207a…弁体
108…圧縮室
109…吐出室
110,120…電磁石
112,122…電磁石コア
114,124…電磁石コイル
116,126…電磁石ボビン
130…振動子
131…連結用シャフト
140…ダイアフラム
141…ダイアフラム本体
141a…貫通穴
142…基部
143…突出片
150…第1センタープレート
150a,152a…連通孔
152…第2センタープレート
152b…弁押え
207…吸入弁
Claims (1)
- 流体の圧縮室を区画するともに当該圧縮室における流体の吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能なダイアフラムと、
前記ダイアフラムに連結され当該ダイアフラムを吸入動作方向及び吐出動作方向へと駆動可能な振動子と、
交流電源に接続される電磁コイルを介して前記振動子に対しダイアフラム駆動用の磁力を付与する電磁石と、
前記ダイアフラムの吸入動作において圧縮室外から圧縮室内へ流体を吸入する吸入経路と、
前記ダイアフラムの吐出動作において圧縮室内から圧縮室外へ流体を吐出する吐出経路と、
を有する電磁式ポンプであって、
前記ダイアフラムは、前記吸入経路及び吐出経路のいずれか一方の経路の開閉を行う弁体を備えるとともに、当該弁体がダイアフラム本体と同一の弾性材料によって一体的に成形された構成であることを特徴とする電磁式ポンプ。
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