JPH0727930U - 車両用シートの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車椅子を使用する身体障害者が、車椅子から車
両（乗用車）に容易に乗り移ることができるようにする
ことである。 【構成】シート本体（ＳＣ）（ＳＢ）をスライドレール
（１）（２）によって横方向に移動可能に車体（Ｂ）に
取付けて、シート本体（ＳＣ）（ＳＢ）が車体（Ｂ）外
に突出できるようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用シート（座席）の車体に対する取付、詳しくは、身体障害者（ 車椅子使用者）用の乗用車用シートの車体に対する取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車椅子を使用する身体障害者が、車椅子から乗用車のシートに乗り移る際、乗 用車におけるドアの開口角度が小さいため、乗員の乗降口が狭くなる。また、乗 用車のシートは車内の所定位置に設置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、車椅子を乗用車のシートに横付けすることができないため、身体障害 者が自分で車椅子から乗用車に乗り移ることができないし、また、他人の手をか りても、乗り移りが困難である。 そこで、本考案は身体障害者が自分で車椅子から乗用車に乗り移れるように、 或いは、逆に乗用車から車椅子に容易に乗り移れるようにすることを目的とする 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案に係る車両用シートの取付構造は、シート 本体をスライドレールを介して車体側に取付け、該スライドレールを、車体の横 幅方向に向けて固定したロアレールと、前記シート本体に固定すると共に前記ロ アレールに摺動自在に嵌合して車体の外方に突出するアッパーレールとからなる ことを特徴とするものである。 以上のスライドレールは、弧状に形成することにより、シート本体が乗用車の フロントシートである場合には、車体のセンターピラーに、シート本体が接触す ることなく車体外に突出させることができる。

【０００５】

【作用】

スライドレールのアッパーレールと一体のシート本体は、アッパーレールと共 に車体外に突出する。この状態で車椅子よりシート本体に身体障害者が乗り移る 。また、降車する際にも同様にシート本体を車体外に突出させて車椅子に乗り移 る。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１、２は、本考案に係る構造のシート本体を乗用車の助手席側に設けた場合 を示し、シート本体はシートクッション（ＳＣ）と、このシートクッション（Ｓ Ｃ）にリクライニングデバイスを介して取付けられているシートバック（ＳＢ） とから構成されている通常のシートであり、このシート本体（ＳＣ）（ＳＢ）は 、車体の横幅方向に配設した前後一対のスライドレール（１）（２）を介して車 体（Ｂ）に横方向にスライド可能で、図１、２の鎖線に示すように、車体（Ｂ） 外に突出するように取付けられている。

【０００７】 図中（Ｈ）は、乗用車の操作ハンドル、（Ｓ）は運転席、（Ｄ）はドアを夫々 示す。 以上のスライドレール（１）（２）は、車両の進行方向に中央が突出する弧状 に形成され、シートクッション（ＳＣ）の底部に固定されるアッパーレール（１ ）と、車体（Ｂ）側に締結したベースプレート（３）と一体でアッパーレール（ １）を摺動自在に嵌合するロアレール（２）とから構成され、図示するが如く、 車体（Ｂ）のセンターピラー（Ｐ）を逃げるように、円弧状にスライドする。

【０００８】 図３、４は、前記スライドレールを示し、プレートからなるアッパーレール（ １）の左右に設けた係合部（１１）（１１）が、プレートからなるロアレール（ ２）の左右に設けた被係合部（２１）（２１）に嵌合し、アッパーレール（１） の一側面には多数の噛合孔（１２）が開孔されている。 そして、この噛合孔（１２）の１又は２に噛合するピニオンギャ（４）をベー スプレート（３）側に配設し、ピニオンギャ（４）はベースプレート（３）に取 付けたモータ（Ｍ）に減速ギャを介して連結されている。 図中（５）はアッパーレール（１）のスライド性を向上させるロールを示す。

【０００９】 斯して、車椅子の身体障害者が、乗用車に対して乗降する際は、スイッチを操 作してモータ（Ｍ）を回転させ、ピニオンギャ（４）の回転力によってアッパー レール（１）をスライドさせると、アッパーレール（１）と一体のシート本体（ ＳＣ）（ＳＢ）が、図１、２の鎖線に示すように横方向に移動する。

【００１０】 これによって、シート本体（ＳＣ）（ＳＢ）が車両（Ｂ）の外部に飛び出し、 シート本体（ＳＣ）（ＳＢ）に車椅子が横付できる。 この状態において、身体障害者は車椅子から乗用車のシート本体（ＳＣ）（Ｓ Ｂ）に乗り移る。また、逆の手順で乗用車から車椅子に乗り移る。そして、シー ト本体（ＳＣ）（ＳＢ）に乗り移った後は、スイッチを操作してモータ（Ｍ）を 逆回転させてシート本体（ＳＣ）（ＳＢ）を図１、２の実線の状態に戻す。これ により、身体障害者は乗用車内に収容される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、シート本体がスライドレールによって車体外にスライドさせ ることができるため、シート本体に対する車椅子からの乗降が容易になり、車椅 子の身体障害者は他人の手を借りることなく容易に乗用車等の車両に乗り移るこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の使用状態を示す斜視図である。

【図２】シート本体の動きを説明する説明図である。

【図３】本考案に使用するスライドレールの斜視図であ
る。

【図４】図３のIVーIV線に沿える断面図である。

【符号の説明】

ＳＣ シート本体 ＳＢ シート本体 Ｂ 車体 １ スライドレールのアッパーレール ２ スライドレールのロアレール

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート本体をスライドレールを介して車
   体側に取付け、該スライドレールは、車体の横幅方向に
   向けて固定したロアレールと、前記シート本体に固定す
   ると共に前記ロアレールに摺動自在に嵌合して車体の外
   方に突出するアッパーレールとからなる車両用シートの
   取付構造。
2. 【請求項２】 前記スライドレールは、弧状に形成して
   なる前記実用新案登録請求の範囲第１項記載の車両用シ
   ートの取付構造。