JPH0111558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車のシート構造に関するもの
である。

（従来技術） 乗用車等においては、前席の下方に前後位置調
整のスライドレールを設けるが、その後端に後席
の乗員の足部が当るようなことがあり、この不具
合を避けるために、たとえば実開昭57−48136号
公報に示すような構造のものが案出されている。

一方、接近して位置する前後席に対して、限ら
れた空間を有効に利用するために、いろいろな工
夫がこらされる。

第５図はその従来例の構造を示すものである。
すなわち前席シート１の両方の側縁２に、後席の
乗員の足部が納まる凹入部３を設けるとともに、
前席シート１の下部の支持台４の幅を狭くして足
部がその両側に位置するようにし、支持台４の下
部に左右のスライドレール５を取付ける。

しかし、この構造によると、左右のスライドレ
ール５の間隔Ｄが小さくなり、がたつきが出やす
いという不具合がある。

（考案の目的） この考案は、前記のような不具合に対してこれ
を解消した自動車のシート構造を提供するように
したものである。

（考案の構成） この考案は、前席シートの両側縁に後席の乗員
の足部が納まる凹入部を設けるとともに、前席ク
ツシヨンの下部に設けた垂直壁に前後位置調整の
スライドレールを上下に配置してなる自動車のシ
ート構造である。

（実施例） この考案の詳細を、第１図〜第４図に示す実施
例について説明すると、次の通りである。

前席シート１０はシートクツシヨン１２、シー
トバツクレスト１３、ヘツドレスト１４を有し、
フロア１６の上方でサイドシル１７の側方に位置
する。そしてシート１０の両側縁１８、すなわち
シートバツクレスト１３の両側縁の下部からシー
トクツシヨン１２の両側縁の後部にわたる部分
に、後席の乗員の足部１９を納める凹入部２１を
設ける。（この凹入部２１を設ける部分は、前席
の乗員の腰が当らないところである。） さらにシートクツシヨン１２の下部に垂直もし
くは垂直に近い壁２４を有するブラケツト２３を
固設し、これに対向してフロア１６に垂直もしく
は垂直に近い壁２６を有するブラケツト２５を固
設し、両壁２４，２６を上下に並行に配置した２
本のスライドレール２８を介して対向させる。い
ずれのスライドレール２８も、レール本体２９の
内にスライダ３０を擢動自由に嵌挿して形成して
あり、レール本体２９をブラケツト２５に固着
し、スライダ３０をブラケツト２３に固着する。
従つてスライドレール２８によつて、シートクツ
シヨン１２の位置を前後に移動調整することがで
きる。

このようにして後席の乗員は、片方の足先をブ
ラケツト２３とサイドシル１７との間に置き、他
方の足先をブラケツト２５の側方に置き、両足部
を前方へ自由に伸ばして着席することができる。
なおこのような構造になつているから、上下２本
のスライドレール２８の間隔Ｅを大きく取ること
ができる。

（考案の効果） この考案は前述のように構成してあるから、後
席の乗員は足部がスライドレールに当ることがな
く、また前席シートの支持ブラケツトに関係なく
足部を前方へ延ばして、室内空間を有効に利用す
ることができる。さらに上下のスライドレールの
間隔を大きく取ることができるから、がたつきを
生じることがない。そしてこのシートは、構造が
簡単で剛性（強度）が高く、軽量であつて安価に
形成できるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの考案の実施例の構造を示
し、第１図は前席シートの正面図、第２図は平面
図、第３図は側面図、第４図は第１図Ａ部の拡大
説明図、第５図は従来例の前席シートの正面図で
ある。 １０……前席シート、１８……側縁、１９……
足部、２１……凹入部、２３……ブラケツト、２
４……垂直もしくは垂直に近い壁、２５……ブラ
ケツト、２６……垂直もしくは垂直に近い壁、２
８……スライドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前席シートの両側縁に後席の乗員の足部が納ま
   る凹入部を設けるとともに、前席クツシヨンの下
   部に設けた垂直壁に前後位置調整のスライドレー
   ルを上下に配置したことを特徴とする自動車のシ
   ート構造。