JPH07278362A - 核剤組成物及びポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

核剤組成物及びポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH07278362A
JPH07278362A JP9376494A JP9376494A JPH07278362A JP H07278362 A JPH07278362 A JP H07278362A JP 9376494 A JP9376494 A JP 9376494A JP 9376494 A JP9376494 A JP 9376494A JP H07278362 A JPH07278362 A JP H07278362A
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稔明 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より少ない配合量で優れた透明化効果を有
し、且つ250℃以下の低融点で、臭気の発生及びフィ
ッシュアイが発生しない新規有用な核剤組成物並びに当
該核剤組成物を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成
物を提供する。 【構成】 本発明に係る核剤組成物は、1,3−O−3,4−
ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデンソルビ
トール及び/又は1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−3,
4−ジメチルベンジリデンソルビトールとビス(O−3,4
−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、要すれば更に
1,3:2,4−ビス(O−ベンジリデン)ソルビトールを成
分とする。又、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成
物は、上記核剤組成物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核剤組成物及び当該核
剤組成物を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族アルデヒドとソルビトールとを酸
触媒の存在下、アセタール縮合させて調製されるジベン
ジリデンソルビトール化合物(以下「DBS化合物」と
略称する。)は、ポリオレフィン系樹脂組成物用の核剤
として賞用されているものであって、本発明者らは、こ
れまでにもより優れた特性を有する核剤を提供すべく鋭
意検討の下、種々のDBS化合物を提案してきたところ
である。
【0003】しかしながら、核剤に対する要望は多岐に
亘っているため、広範囲の用途に適用するためには、
尚、改善の余地が認められる。
【0004】具体的には、1,3:2,4−ビス(O−ベンジ
リデン)ソルビトール(以下「DBS」と略称する。)
を用いると、得られるポリオレフィン系樹脂成形物から
得られる成形物の光学的特性、特にその透明性が大幅に
改善され得るが、より高い透明性を必要とする分野に対
しては充分その要望を満足するものではない。
【0005】かかる問題点を解消するものとして、我々
はベンズアルデヒドの代りにメチル置換ベンズアルデヒ
ドを出発物質として使用して調製される1,3:2,4−ビス
(O−メチルベンジリデン)ソルビトール(以下「Me
−DBS」と略称する。)を提案した(特開昭53−1
17044号、特開昭54−28348号)。
【0006】このものを適用することにより、格段に優
れた透明性を有する樹脂組成物を得ることができるが、
メチル置換ベンズアルデヒドは、香料としても用いられ
る化合物であって香気が極めて良好なため、樹脂組成物
を加熱して成形加工するに際し、臭気を発生し易いとい
う欠点が認められる。
【0007】1,3:2,4−ビス(ポリアルキルベンジリデ
ン)ソルビトール(特開昭56−45934号)や、各
芳香環に夫々異なる種類や数の置換基を有する、いわゆ
る非対称型のDBS化合物(特開昭59−12951
号)は、Me −DBSを使用した場合と同様に、優れた
透明性を有する成形体の製造に適したポリオレフィン系
樹脂組成物を与えるとともに、Me −DBSの欠点であ
る加熱成形時における臭気の発生が大幅に抑制されたも
のである。
【0008】一方、DBS化合物は、従来の核剤である
金属塩やシリカ等の「分散型」とは異なり、その融点又
はそれ以上の温度で融解し、樹脂中に均一に溶解するこ
とがポイントとなる「溶解型」の核剤であるため、ポリ
オレフィン系樹脂の成形加工時においては核剤を高速度
で融解混合することが大切である。
【0009】従って、使用する核剤の融点が高いと、そ
のような核剤を含有する樹脂組成物の成形を高温での過
酷な条件下に行わねばならない不利がある。核剤の融点
以下の温度で成形をするには、事前に核剤とポリオレフ
ィン系樹脂とを当該核剤の融点以上の高温度に加熱溶融
し、高濃度マスターバッチを調製するという余分の工程
が必要である。よって、使用する核剤の融点が低い程、
これを含有するポリオレフィン系樹脂組成物の成形時の
加工性は優れているといえる。
【0010】又、これらのDBS化合物は、一般に融点
近傍で昇華性を有している。このため、成形時の金型汚
れや成形機種の汚れの原因となり加工性の悪化を招いて
いる。
【0011】しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、用いる核剤の融点が高い程、これを含有するポリオ
レフィン系樹脂組成物は、加工性の問題はあるが、透明
性その他の性質において優れた成形体を与える傾向があ
る。従って、核剤の低融点に基づく加工性を向上させ、
同時に成形体の透明性その他の特性をも向上させること
は、二律背反の困難な問題である。
【0012】例えば、前記1,3:2,4−ビス(ポリアルキ
ルベンゼン)ソルビトールやMe−DBS化合物を核剤
として含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、透明性
その他の特性において優れた性質を有する成形体を与え
るものの、含有する前記核剤の融点が260℃程度以上
と高いため、通常、高温条件下で成形しなければならな
い。従って、260℃程度以下の加熱加工条件しか採用
できない一般成形加工分野においてDBS化合物の優れ
た核剤効果を得るためには、適用する核剤の融点以上の
温度で高濃度マスターバッチを調製する工程を余分に必
要とする等、一定の困難性を伴っていた。又、成形時に
核剤の昇華性に基づく成形性不良の問題は解消されてい
なかった。
【0013】本発明者らは、先に、かかる問題点を解消
した新規有用なジアセタール組成物及び当該組成物を核
剤として配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物を提
案した(特開平2−206627号)。これは、ジメチ
ル基或いはトリメチル基を置換基とする芳香環と置換基
を有しない芳香環とを有する特定の構造の非対称型ジア
セタ−ルを主成分とする核剤組成物が、これまでに知ら
れていた同種の化合物に比してその融点が格段に低く、
しかも昇華性を有しておらず、当該核剤組成物を含有す
る樹脂組成物は加工性が大幅に改善されるのみならず、
透明性その他の各種性質において優れた成形体を与える
ものであるとの知見に基づいてなされたものである。
【0014】ちなみに、上記ジメチル体としては、2,
4−、2,5−、3,4−及び3,5−ジ置換体が挙げ
られ、トリメチル体としては、2,4,6−及び3,
4,5−トリ置換体が挙げられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より少ない
配合量でポリオレフィン系樹脂に対する優れた透明化効
果を有し、且つ250℃以下の低融点で、臭気の発生及
び核剤組成物の未分散に起因するフィッシュアイが発生
しない新規有用な核剤組成物並びに当該核剤組成物を配
合してなるポリオレフィン系樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオレ
フィン系樹脂の核剤としての各種の対称型、非対称型の
DBS化合物の置換基の位置、置換基の種類、置換基の
数及びそれらの組み合わせと、それらの核剤特性につい
て深く検討した結果、従来の核剤の組み合わせによる予
測を越えて、特定の構造を有する非対称型DBS系化合
物と特定の構造を有する対称型DBS系化合物との混合
系のみが、他の単独系及び混合系と比較して特に際だっ
た所定の効果、即ち、低融点で、少量添加で高活性な透
明化核剤特性を示し、無臭性、低飛散性等の効果をポリ
オレフィン系樹脂に対して奏することを見いだし、かか
る知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明に係る核剤組成物は、下記の
非対称型DBS系化合物(A成分)及び対称型DBS系
化合物(B成分)、要すれば更に下記のC成分を含有す
ることを特徴とする。
【0018】A成分:1,3−O−3,4−ジメチルベンジリ
デン−2,4−O−ベンジリデンソルビトール及び/又は
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベン
ジリデンソルビトール
【0019】B成分:ビス(O−3,4−ジメチルベンジ
リデン)ソルビトール
【0020】C成分:DBS
【0021】本発明によれば、次の如き優れた利点が達
成される (1)本発明の樹脂組成物は、成形時に臭気の発生が実
質上ないものである。 (2)結晶化温度の向上により成形サイクル時間が短縮
される。 (3)上記本発明の核剤組成物の融点が低いため、低温
での成形が可能であり、しかも、核剤の不完全な融解に
基づくフィッシュアイの成形が防止される。 (4)本発明樹脂組成物は、ひけを生成することなく、
且つ顔料を分散させた場合にも体積収縮を伴うことな
く、成形できる。 (5)延伸フィルムが、向上した寸法安定性をもって製
造できる。 (6)本発明樹脂組成物から得られる成形物は、透明性
が大幅に向上している。 (7)該成形物は、更に光沢も向上している。 (8)該成形物は、弾性率、耐衝撃性、熱変形温度等の
力学的及び熱的性質においても優れている。 (9)成形時の金型汚れが殆ど認められないため、連続
成形が容易となる。 (10)特定の第三級脂肪族アミン、例えば、ジステア
リルメチルアミンやステアリルジエタノールアミンを当
該核剤に事前に均一配合しておくと、樹脂組成物の透明
性がより一層向上する。
【0022】本発明に係る特定の組成を有する核剤組成
物が、何故、かかる特段に優れた核剤効果を示すかにつ
いては、まだ充分に明かではない。
【0023】本発明に係る核剤組成物において、A成分
とB成分の配合比率(重量基準)は、所定の効果が得ら
れる限り、特に限定されるものではないが、A成分/B
成分=4/1〜1/9が推奨される。かかる範囲を外れ
た場合には、核剤効果が低下したり、高融点によるフィ
ッシュアイの発生をきたす傾向が認められ、好ましくな
い。
【0024】更に、A成分とB成分とC成分との総量に
対するC成分の配合比率(重量基準)は、所定の効果が
得られる限り、特に限定されるものではないが、C成分
/(A成分+B成分+C成分)が0.4以下であること
が推奨される。かかる範囲を外れた場合には、核剤効果
が低下する傾向が認められ、好ましくない。
【0025】A成分、B成分及びC成分は、いずれも公
知の化合物であり、公知方法に従い容易に製造できる。
よって、本発明に係る核剤組成物は、A成分とB成分、
要すればC成分とを夫々、所定の比率で混合することに
より調製できる。
【0026】又、ソルビトールにベンズアルデヒドと3,
4−ジメチルベンズアルデヒドとの適当な混合物を反応
させることによって、所定の比率でA成分及びB成分を
一挙に製造することもできる。この具体法の一例を後記
製造例に示す。
【0027】本発明に係る核剤組成物は、以下で詳しく
述べるポリオレフィン系樹脂用の核剤としてのみなら
ず、液状物質の流動性消失効果をもたらすゲル化剤、粘
度調整剤、揺変剤、塗料・インキ・接着剤等のタレ防止
剤、水上や水中の油分を吸着する効果をもたらす油水分
離剤、凝集剤等として機能し、接着剤、塗料、樹脂の改
質、固形芳香剤、水処理剤、流出油の固化・回収、香
料、化粧料、土木・建材、潤滑油、防錆剤、農薬、医
薬、医療外製品、固形燃料、インキ、糊等、本発明に係
るジアセタールが従来用いられてきた分野において同様
に適用される。
【0028】本発明は、前記核剤組成物を含有してなる
有用なポリオレフィン系樹脂組成物をも提供するもので
もある。
【0029】本発明に係る核剤組成物のポリオレフィン
系樹脂に対する配合量は、所定の効果が得られる限り特
に限定されるものではなく、適宜選択することができる
が、通常、樹脂100重量部当り0.05〜3重量部程
度、好ましくは0.07〜1重量部程度配合される。こ
れらの範囲内の配合により、充分に本発明所定の効果を
得ることができる。
【0030】核剤組成物の添加法としては一段添加法が
好ましいが、例えば、2〜15%程度の高濃度マスター
バッチの形態での添加による二段法を採用しても何ら差
し支えない。
【0031】本発明に係る核剤が適用されるポリオレフ
ィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロ
ピレン系樹脂が例示され、より具体的には、高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、
エチレン含量50重量%以上のエチレンコポリマー、プ
ロピレンホモポリマー、プロピレン含量50重量%以上
のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン
含量50重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテ
ンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上の
メチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示さ
れる。
【0032】上記コポリマーは、ランダムコポリマーで
あってもよく、ブロックコポノマーであってもよい。こ
れらの樹脂の立体規則性は、アイソタクチックでもシン
ジオタクチックでもよい。
【0033】上記コポリマーを構成し得るコモノマーと
して、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペン
テン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセ
ン、ウンデセン、ドデセン等のα−オレフィン、1,4
−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が
例示できる。
【0034】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物
には、使用目的やその用途に応じて適宜、従来公知のポ
リオレフィン用改質剤を本発明の効果を損なわない範囲
で添加することができる。
【0035】かかるポリオレフィン用改質剤としては、
例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリ
ストの添加剤要覧」(1990年10月)に記載されて
いる各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤
(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合
物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系
化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、酸化防止剤
(フェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イ
オウ系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワ
ックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪
酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca、M
g、Zn)塩、炭素数8〜18の脂肪酸、炭素数8〜2
2の脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜2
2の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコー
ルとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイ
ド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タル
ク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーラ
イト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡
剤、発泡助剤、ポリマー添加剤の他、可塑剤(ジアルキ
ルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート
等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散
剤、有機無機の顔料、加工助剤、他の核剤等の各種添加
剤が例示される。
【0036】当該樹脂組成物を製造するに際しては、従
来公知のいずれの方法をも適用することができ、例え
ば、ポリオレフィン系樹脂に本発明に係る核剤組成物を
直接ブレンドして最終成形加工してもよく、予め当該樹
脂に上記核剤組成物を配合して、これをペレット化し、
しかる後に最終成形加工してもよい。予め当該核剤と有
機アミンとをブレンドした後に、上記の方法で成形加工
しても良い。
【0037】又、本発明に係る樹脂組成物を成形するに
際しては、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、圧空
成形、回転成形、フィルム成形等、従来公知の成形方法
のいずれをも採用できる。
【0038】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物
は、従来DBS類を核剤組成物として配合してなるポリ
オレフィン系樹脂組成物が用いられてきたと同様の各種
分野において適用され、より具体的には、熱や放射線等
により滅菌されるディスポーザブル注射器、輸液・輸血
セット、採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅
菌される食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存
用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するための
カップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;
ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャン
プー用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用
容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケー
ス及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機
械部品;自動車用部品等の素材として好適である。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げ、本発明を詳
しく説明する。尚、下記の各例における評価は、次の方
法により行なった。
【0040】核剤組成物の融点(Tm ) 示差走査熱量計を用い、室温から20℃/分で昇温した
ときの発熱ピーク温度で示す。
【0041】ポリオレフィン系樹脂組成物の透明性 ヘーズメーターを用いて曇度(%)及び光沢を測定した
(JIS K 6714、JIS K 6717)。曇
度は小さい程その光学的特性は優れている。(尚、測定
の結果、実施例及び比較例において、DBS系化合物を
配合した樹脂組成物は、何れも良好な光沢を示した。)
【0042】フィッシュアイ発生の程度 射出成形して得たテストピース表面を目視にて観察し、
テストピース30個中において未分散核剤が認められる
テストピースの個数に基づいて、以下のとおり3段階に
評価した。 ○:フィッシュアイの発生が認められない ×:フィッシュアイの発生が認められる
【0043】臭気の発生の程度 ペレット30gを200mlのガラスビン中に密封し、1
30℃の恒温槽に1時間放置した後、その臭気の有無に
よって判定する。
【0044】製造例1 粉末ソルビット36.4g(0.2モル)、3,4−ジメ
チルベンズアルデヒド26.8g(0.2モル)、ベン
ズアルデヒド21.2g(0.2モル)、シクロヘキサ
ン300ml、ジメチルホルムアミド20ml、濃硫酸0.
7gをデカンター付き冷却器、温度計、ガス導入口、攪
拌器を備えた3リットルの4ツ口フラスコに仕込み、系
内を窒素置換する。攪拌しながら加熱して全系を70〜
80℃に保ちながら、縮合生成水を系外に留去する。反
応を4時間で停止し、中和、水洗後、乾燥して、第1表
に示される組成(ガスクロマトグラフィーによる。)を
有する核剤組成物(核剤組成物1)を85%の収率で得
た。
【0045】ちなみに、このときのA成分は1,3−O−
3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデンソ
ルビトールと1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−3,4−
ジメチルベンジリデンソルビトールとの混合物(核剤A
−1)であり、B成分はビス(O−3,4−ジメチルベン
ジリデン)ソルビトール(核剤B−1)である。又、C
成分はDBS(核剤C)である。
【0046】実施例1 エチレン含有量3.0重量%のアイソタクチックランダ
ムポリプロピレン樹脂(以下「ポリプロピレンA」と略
記する。)に対し、製造例1で得た核剤組成物(核剤組
成物1)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン(商品名、イルガノックス1010、チバ・ガイ
ギー社製)及びステアリン酸カルシウムを下記の組成で
加えて、5分間ヘンシェルミキサーにより混合し、次い
で、245℃でラボプラストミル押出機により混練して
押し出し、水冷法によりペレットを得た。このペレット
を230℃で射出成形して、厚み1.5mmのシートを得
て試料に供し、その特性を評価した。得られた結果を第
2表に示す。
【0047】 ポリプロピレンA 100 重量部 核剤組成物1 0.2 重量部 イルガノックス1010 0.05重量部 ステアリン酸カルシウム 0.03重量部
【0048】実施例2〜5 核剤組成物の構成成分である化合物を夫々別個に製造
し、所定比率で調合することにより、第1表に表される
組成を有する核剤組成物(核剤組成物2〜5)を得、こ
のものを配合した樹脂組成物の特性を実施例1に準じて
評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0049】比較例1 第1表に記載の組成を有する「核剤組成物6」を配合し
てなるポリプロピレン系樹脂組成物を実施例1に準じて
調製し、このものの特性を評価した。得られた結果を第
2表に示す。
【0050】比較例2 第1表に記載の組成を有する「核剤組成物7」を配合し
てなるポリプロピレン系樹脂組成物を実施例1に準じて
調製し、このものの特性を評価した。得られた結果を第
2表に示す。
【0051】比較例3 1,3−O−2,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベン
ジリデンソルビトールと1,3−O−ベンジリデン−2,4−
O−2,4−ジメチルベンジリデンソルビトールとの混合
物(核剤A−2)、ビス(O−2,4−ジメチルベンジリ
デン)ソルビトール(核剤B−2)及び「核剤C」から
なる核剤組成物(核剤A−2:核剤B−2:核剤C=5
8:30:12、重量%、核剤組成物8)を適用した他
は実施例1と同様にして得たシートの特性を実施例1に
準じて評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0052】比較例4 1,3−O−2,5−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベン
ジリデンソルビトールと1,3−O−ベンジリデン−2,4−
O−2,5−ジメチルベンジリデンソルビトールとの混合
物(核剤A−3)、ビス(O−2,5−ジメチルベンジリ
デン)ソルビトール(核剤B−3)及び「核剤C」から
なる核剤組成物(核剤A−3:核剤B−3:核剤C=5
8:30:12、重量%、核剤組成物9)を適用した他
は実施例1と同様にして得たシートの特性を実施例1に
準じて評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0053】比較例5 1,3−O−3,5−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベン
ジリデンソルビトールと1,3−O−ベンジリデン−2,4−
O−3,5−ジメチルベンジリデンソルビトールとの混合
物(核剤A−4)、ビス(O−2,5−ジメチルベンジリ
デン)ソルビトール(核剤B−4)及び「核剤C」から
なる核剤組成物(核剤A−4:核剤B−4:核剤C=5
9:29:12、重量%、核剤組成物10)を適用した
他は実施例1と同様にして得たシートの特性を実施例1
に準じて評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0054】比較例6 「核剤A−1」、「核剤B−2」及び「核剤C」からな
る核剤組成物(核剤A−1:核剤B−2:核剤C=5
8:30:12、重量%、核剤組成物11)を適用した
他は実施例1と同様にして得たシートの特性を実施例1
に準じて評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0055】比較例7 核剤組成物を配合しない他は実施例1と同様にして得た
シートの特性を実施例1に準じて評価した。得られた結
果を第2表に示す。
【0056】実施例6 対象樹脂を直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対
し、「核剤組成物1」を2重量部配合してなる樹脂組成
物をヘンシェルミキサーで5分間混合した後、240℃
で押し出し成形してマスターバッチペレット(以下「ペ
レットA」という。)を作成した。同時に、上記と同じ
直鎖状低密度ポリエチレンのペレット(以下「ペレット
B」という。)を粉末から作成した。両者をペレットA
/ペレットB=1/9の割合で混合した後、200℃で
押し出し成形して1.0mm厚みのシートを作成し、その
特性を評価した。得られた結果を第3表に示す。
【0057】実施例7〜10 所定の核剤組成物(核剤組成物2〜5)を配合してなる
樹脂組成物の特性を実施例6に準じて評価した。得られ
た結果を第3表に示す。
【0058】比較例8〜12 第1表に記載の組成を有する核剤組成物(核剤組成物
6、7)又は核剤組成物8〜10を夫々配合してなる樹
脂組成物を実施例6に準じて調製し、このものの特性を
評価した。得られた結果を第3表に示す。
【0059】比較例13 核剤組成物を配合しない他は実施例6と同様にして得た
シートの特性を実施例6に準じて評価した。得られた結
果を第3表に示す。
【0060】
【発明の効果】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成
物は、最高度の透明性を有するばかりでなく、成形加工
時における熱分解による臭気の発生も認められない。し
かも、当該核剤組成物の融点は250℃以下と、従来の
優秀な性能を有するDBS類の融点と比較して著るしく
低いため、成形温度を低減することができる。
【0061】更に、ポリエチレン等の比較的低温で成形
する樹脂に適用する場合においても、核剤としてのDB
S類が完全に融解しないことに起因するフィッシュアイ
の生成を抑制することが容易である。
【0062】本発明に係る核剤組成物は、従来公知の核
剤組成物と比較して極めて少量で上記所定の効果を得る
ことができる。
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分及びB成分を含有すること
    を特徴とする核剤組成物。 A成分:1,3−O−3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−
    O−ベンジリデンソルビトール及び/又は1,3−O−ベ
    ンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベンジリデンソル
    ビトール B成分:ビス(O−3,4−ジメチルベンジリデン)ソル
    ビトール
  2. 【請求項2】 A成分/B成分が、4/1〜1/9(重
    量基準)である請求項1に記載の核剤組成物。
  3. 【請求項3】 更に、C成分として、1,3:2,4−ビス
    (O−ベンジリデン)ソルビトールを配合してなる核剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 C成分/(A成分+B成分+C成分)
    が、0.4以下(重量基準)である請求項3に記載の核
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂及び請求項1〜4
    の何れかの請求項に記載の核剤組成物を含有してなるポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、請求項1〜4の何れかの請求項に記載の核剤組成物
    0.05〜3重量部を含有してなるポリオレフィン系樹
    脂組成物。
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