JP2010111761A - ポリエチレン樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、透明性、結晶性及び剛性がより向上したポリエチレン樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】
ポリエチレン樹脂及び特定のアミド系化合物の少なくとも2種の混合物若しくは特定のアミド系化合物を含有するポリエチレン樹脂組成物とする。
【選択図】
なし

Description

本発明は、ポリエチレン樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリエチレン樹脂は、成形性、機械特性、電気特性等が優れているために、フィルム成形、シート成形、ブロー成形、射出成形等の素材として、様々な分野に応用されている。
しかし、当該樹脂は、一般的には優れた物性を有しているものの、ある種の用途によっては、透明性、結晶性及び剛性が低いという問題点があり、その樹脂本来の優れた性能が充分に引き出せないために、その適用が制限されたものとなっているのが現状である。
従来より、ポリエチレン樹脂の透明性、結晶性及び剛性を改善するために、アミド系化合物を活用する技術が提案されている(特許文献1〜2)。しかしながら、これらアミド系化合物は、ポリエチレン樹脂に対する結晶性の改善効果は良好であるが、実用的には更なる優れた物性のポリエチレン樹脂の開発が望まれている。
特開平6−234890号公報 国際公開WO00/52089号パンフレット
本発明は、上記問題点を解消し、透明性、結晶性及び剛性がより向上したポリエチレン樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、次の知見を得た。
(1)前記特開平6−234890号公報に記載のアミド系造核剤については、原料として市販の2−メチルシクロヘキシルアミンを使用したものである。これまでに試薬として又は工業製品として市販されている2−メチルシクロヘキシルアミンは、トランス体:シス体=約68:32(GLC(気液クロマトグラフィー)組成%)の混合物であり、これ以外の組成のものは販売されていない。かかる原料を使用して得られる前記特開平6−234890号公報に記載のアミド系造核剤、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)においても、アミド部分がトランス配置とシス配置との種々の混合体の形態となっている構造を有し、その結果、アミド部分のトランス配置部分:シス配置部分の比率が異なる2種以上の化合物の混合物となっている。
(2)このアミド化合物の混合物中のトランス配置部分:シス配置部分の割合は、原料2−アルキルシクロヘキシルアミン中のトランス体:シス体の比と、当該原料をアミド化反応に供した後に残留した未反応2−アルキルシクロヘキシルアミン中のトランス体:シス体比を比較すること等の一連の研究から、原料の2−アルキルシクロヘキシルアミンのトランス体:シス体の比(GLC組成比)と実質上同一割合となっていることが明らかとなった。従って、アミド系化合物の混合物中のトランス配置部分:シス配置部分の比率は、原料アミンのトランス体:シス体の比率によりコントロールできる。
(3)また、アミド化合物の混合物中のトランス配置部分の比率は、1)FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物のトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収シグナルが現れる波数における吸光度(Atrans)と、2)FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物のシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収シグナルが現れる波数における吸光度(Acis)を用いて定義される比(即ち、後述のCtrans)と正比例関係にあることも見出された。よって、アミド化合物の混合物のFT−IRスペクトルを測定することにより、アミド化合物の混合物中のトランス配置部分:シス配置部分の比率を確認することもできる。
(4)本発明者らは、アミド系化合物の混合物中の上記トランス配置部分とシス配置部分との割合を変化させて検討したところ、トランス配置部分の比率(含量)が多いアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物を含む造核剤を用いると、該造核剤を含むポリエチレン樹脂組成物の結晶化温度が高くなり、また、該ポリエチレン樹脂組成物から得られるポリエチレン樹脂成形体の剛性が向上することを見出した。
即ち、本発明は以下の項目を提供するものである。
[項1]
ポリエチレン樹脂及び一般式(1)
Figure 2010111761
[式中、aは、2〜6の整数を表す。Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸残基を表し、該脂肪族ポリカルボン酸残基の価数は2〜6である。2〜6個のR基は、同一又は異なって、それぞれ、一般式(a)
Figure 2010111761
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基、又は、一般式(b)
Figure 2010111761
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基を表す。]
で表されるアミド系化合物の少なくとも2種の混合物であって、
上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している混合物を含有するポリエチレン樹脂組成物。
[項2]
上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の70モル%以上100モル%未満の割合で存在している項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項3]
が、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基である項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項4]
が、メチル基である項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項5]
が、1,2,3−プロパントリカルボン酸残基又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基である項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項6]
が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であって、下記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が45.9%以上72.0%未満である項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物:
Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
[式中、Atransは、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
[項7]
が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基であって、下記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が50.4%以上71.5%未満である項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物:
Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
[式中、Atransは、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
[項8]
ポリエチレン樹脂及び一般式(1)
Figure 2010111761
[式中、aは、2〜6の整数を表す。Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸残基を表し、該脂肪族ポリカルボン酸残基の価数は2〜6である。2〜6個のR基は、同一であって、一般式(a)
Figure 2010111761
(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基を示す。]
で表されるアミド系化合物を含有するポリエチレン樹脂組成物。
[項9]
が炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す請求項8に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項10]
がメチル基である請求項8又は9に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項11]
が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基又は1,2,3−プロパントリカルボン酸残基である請求項8〜10いずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項12]
が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基であり、Rがメチル基である請求項8〜11のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項13]
が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であり、Rがメチル基である請求項8〜11のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項14]
ポリエチレン樹脂100重量部に対し、請求項1〜7に記載の混合物又は請求項8〜13に記載のアミド系化合物を、0.01〜2重量部含有する請求項1〜13のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
[項15]
請求項1〜14のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物を成形することにより得ることができるポリエチレン樹脂成形体。
[項16]
請求項1〜7のいずれかに記載の混合物又は請求項8〜13のいずれかに記載のアミド系化合物をポリエチレン樹脂に配合して樹脂組成物を得て、次いで該樹脂組成物を成形することからなるポリエチレン樹脂成形体の剛性向上方法。
[項17]
請求項1〜7のいずれかに記載の混合物を含有するポリエチレン樹脂用造核剤。
[項18]
請求項8〜13のいずれかに記載のアミド系化合物を含有するポリエチレン樹脂用造核剤。
本発明によれば、当該アミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物をポリエチレン樹脂に配合することにより、透明性、結晶性及び剛性に優れたポリエチレン樹脂成形体に成形加工できる樹脂組成物を得ることができる。
[ポリエチレン樹脂組成物]
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、本発明に係るアミド系化合物の混合物若しくはオールトランスのアミド系化合物、又は、本発明のアミド系化合物の混合物若しくはオールトランスのアミド系化合物を含有する造核剤を、ポリエチレン樹脂に常法にしたがって配合することにより得られる。
<ポリエチレン樹脂>
本発明で使用するポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合で得られる直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン等が例示される。
エチレンとα−オレフィン共重合体中のα−オレフィンとしては、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエンが例示される。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系やメタロセン触媒も使用できる。
本発明に係るポリエチレン樹脂の推奨されるメルトフローレート(以下、「MFR」と略記する。JIS K 7210−1995)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分である。
<アミド系化合物>
本発明に係るアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物は一般式(1)で表され、2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の立体異性構造におけるトランス構造(一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基)の総和とシス構造(一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基)の総和の比率(トランス体の総和/シス体の総和)が50/50〜100/0の範囲にある混合物である。
アミド系化合物(2種以上の混合物又はオールトランス化合物)は、典型的には、次の態様を包含している。
(i)2〜6個のR基のうちの少なくとも一つが一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(トランス配置部分)であり、残りが一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(シス配置部分)であるアミド化合物の2種以上の混合物であって、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、当該混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している混合物、
(ii)2〜6個のR基の全てが一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(トランス配置部分)であるアミド系化合物(即ち、オールトランス化合物)の少なくとも1種と、2〜6個のR基の全てが一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(シス配置部分)であるアミド系化合物(即ち、オールシス化合物)の少なくとも1種との混合物であって、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、当該混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している混合物、
(iii)1)2〜6個のR基のうちの少なくとも一つが一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(トランス配置部分)であり、残りが一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(シス配置部分)であるアミド化合物の2種以上の混合物と、2)オールトランス化合物とからなる組成物であって、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、当該組成物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している組成物、
(iv)2〜6個のR基の全てが一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基(トランス配置部分)である単一のアミド系化合物(即ち、オールトランス化合物)。
本発明に係るアミド系化合物(2種以上の混合物又はオールトランス化合物)は、上記(i)〜(iv)に限定されるものではなく、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している混合物である限り、他の態様も包含するものである。
<好ましいアミド系化合物>
本発明に係るアミド系化合物の中でも、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の含量が50モル%以上、特に70モル%以上100モル%未満である混合物又はオールトランスの単一化合物が好ましい。
かかる混合物の中でも、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の含量が50〜90モル%、特に70〜80モル%である混合物が好ましい。
一般式(1)において、Rは、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基、特にメチル基であるのが有利である。 また、一般式(1)において、aが3又は4である化合物が好ましい。なかでもRが、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(以下、「BTC」と略記する。)残基、1,2,3−プロパントリカルボン酸(以下、「PTC」と略記する。)残基であるものが好ましい。
特に、ポリエチレン樹脂成形体の透明性、剛性、結晶化温度等の物性の点で有利とする観点からは、一般式(1)において、Rが、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基又は1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であり、Rが2−アルキル(炭素数1〜6、特にメチル)シクロヘキシルアミン残基であるアミド系化合物が好ましい。
尚、本発明に係るアミド系化合物の混合物中のトランス体の含量(割合)、又は、オールトランスのアミド系化合物中のトランス体の含量は、後述の実施例の項に記載のように、FT−IR法により測定される、対応するオールトランス化合物のN−H伸縮振動吸収シグナルが現れる波数において測定された吸光度(Atrans)と、対応するオールシス化合物のN−H伸縮振動吸収シグナルが現れる波数における吸光度(Acis)とから算出されるトランス配置部分の吸光度の割合(Ctrans)と正比例しているので、検量線を用いて容易に確認することができる。
例えば、Rが1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であり、トランス配置部分の含量が70%以上100%未満の本発明のアミド系化合物の混合物は、下記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が45.9%以上72.0%未満である:
Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
[式中、Atransは、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物の一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基である本発明のアミド系化合物の混合物は、上記Ctransが好ましくは45.9〜67.0%、特に56.3〜61.6%であるのが好ましい。
が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であるオールトランス化合物のCtransは72.0%である。
また、Rが1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基であり、トランス配置部分の含量が50モル%以上100モル%未満の本発明のアミド系化合物の混合物は、上記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が50.4〜71.5%である。
が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基である場合、上記Ctransは、好ましくは50.4〜67.2%、特に54.6〜63.0%であるのが好ましい。
が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン残基であるオールトランス化合物のCtransは71.5%である。
本発明に係るアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物を構成する一般式(1)で表される化合物の好ましいものとしては、例えば、次の化合物を例示できる。
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)。
これらのなかでも一般式(1)において、Rが1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基又は1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であり、Rが2−メチルシクロヘキシルアミン残基であるアミド系化合物が好ましい。
<アミド系化合物の製造方法>
本発明に係るアミド系化合物は、種々の方法により合成できるが、一般には、2〜6個のカルボキシル基を有する脂肪族ポリカルボン酸又はその反応性誘導体(例えば酸無水物、酸ハライド、低級アルキルエステル)と、一般式RNH(式中、Rは前記に同じ)で表される2−アルキルシクロヘキシルアミン(トランス体が、GLC組成(%)で、50%以上であるもの)とを反応させることにより合成できる。上記反応性誘導体を使用する場合は、特に、低級アルキル(炭素数1〜4、特に炭素数1)エステルの取扱いが容易な点で好ましい。
より詳しくは、本発明に係るアミド系化合物の混合物の製造法は、一般式(2)
Figure 2010111761
[式中、aは、2〜6の整数を表す。Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸残基を表す。]
で表されるポリカルボン酸又はその反応性誘導体と一般式(3a)
Figure 2010111761
[式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。]
で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン及び一般式(3b)
Figure 2010111761
[式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。]
で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミンとからなり、GLCにより測定したトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン含量が50%以上100%未満であるアミン混合物とをアミド化反応させることにより得られる。
また、本発明に係るオールトランスのアミド系化合物の製造法は、一般式(2)で表されるポリカルボン酸又はその反応性誘導体と、一般式(3a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミンとをアミド化反応させることにより得られる。
<ポリカルボン酸>
上記ポリカルボン酸は、一般式(2)で表される。
従って、一般式(1)のRで示される「ポリカルボン酸残基」とは、一般式(2)で表される脂肪族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を指し、aと同一の価数を有する残基、即ち、2〜6価の基である。また、Rの炭素数は、全てのカルボキシル基を除いて得られるポリカルボン酸残基が有する炭素数を指す。
ポリカルボン酸としては、一般式(2)で表される飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸が挙げられる。かかるポリカルボン酸は、水酸基、アルキル基(炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4)、アルケニル基(炭素数2〜10、好ましくは3〜4)、アリール基(炭素数6〜20,好ましくは6〜15)及びアセトキシ基からなる群から選択される1個若しくは2個以上(特に1又は2個)の置換基を有していてもよい。
脂肪族ポリカルボン酸としては、一般式(2)においてRが炭素数2〜30、好ましくは3〜10であり、カルボキシル基を2〜6個(特に3又は4個)有する飽和又は不飽和のポリカルボン酸が挙げられる。例えば、ジフェニルマロン酸、コハク酸、フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、グルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン二酸、クエン酸、メタントリカルボン酸、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、プロペントリカルボン酸、カンホロン酸、ブタントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、ヘプタントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ノナントリカルボン酸、デカントリカルボン酸、アセトキシプロパントリカルボン酸、アセトキシペンタントリカルボン酸、アセトキシヘプタントリカルボン酸、エタンテトラカルボン酸、プロパンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ドデカンテトラカルボン酸、ペンタンペンタカルボン酸、アセトキシペンタンペンタカルボン酸、ペンタンヘキサカルボン酸、テトラデカンヘキサカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、1,6−ヘキサメチレンジアミン四酢酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノ二酢酸等が例示される。
<2−アルキルシクロヘキシルアミン>
一般式(1)のRで示される2−アルキルシクロヘキシルアミン残基は、一般式(3a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン又は一般式(3b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミンからアミノ基を除いて得られる残基を指す。
2−アルキルシクロヘキシルアミンとしては、2−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、2−n−ペンチルシクロヘキシルアミン、2−n−ヘキシルシクロヘキシルアミン、2−n−ヘプチルシクロヘキシルアミン、2−n−オクチルシクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルシクロヘキシルアミン、2−n−ノニルシクロヘキシルアミン、2−n−デシルシクロヘキシルアミン等の、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状アルキル基を有する2−アルキルシクロヘキシルアミン等のシス体、トランス体又はこれらの混合物が例示される。
これらのうち、2−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、2−n−ペンチルシクロヘキシルアミン等の2−アルキル(炭素数1〜5)シクロヘキシルアミン等のシス体、トランス体又はこれらの混合物が好ましく、特に2−メチルシクロヘキシルアミンのシス体、トランス体又はこれらの混合物が例示される。
これらのアミンは、単独で又は2種以上を混合してアミド化反応に供することができる。また、これらのアミン(トランス体、シス体、トランス体−シス体混合物)の純度は、100%であってもよいが、若干不純物を含むものであってもかまわない。一般に、2−アルキルシクロヘキシルアミンの純度としては、98重量%以上、好ましくは99重量%以上、より好ましくは99.5重量%以上である。
前記のように、アミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物を構成する2−アルキル(炭素数1〜10)シクロヘキシルアミン残基の立体異性構造におけるトランス構造の総和とシス構造の総和の比率(トランス体の総和/シス体の総和)は、50/50〜100/0である。
換言すると、一般式(1)で表される単一のアミド系化合物であって、2〜6個のR基が全てトランスである化合物を包含する。また、一般式(1)のアミド系化合物の2種以上の混合物であって、当該混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基に対するトランス構造部分の割合が50モル%以上100モル%未満であるものをも包含する。
そのために、一般式(1)で表されるオールトランスのアミド系化合物又はトランス構造部分が50モル%以上100モル%未満の混合物を調製するに当たっては、原料として使用するトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン(トランス体)そのもの、又は、トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミンとシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン(シス体)とを含有し、トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミンの含量(GLCにより測定)が50%以上、特に70%以上、好ましくは70〜90%、より好ましくは70〜80%である混合物を使用する。また、原料の入手容易性及び経済的な観点からは、トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミンの含量(GLCにより測定)が50〜80%であるのが好ましい。
かかるトランス体純品又はトランス体リッチの混合物は、市販のトランス体及びシス体からなる混合物(GLCにより測定したトランス体含量=68.4%程度)を、トランス体のみを分離する操作、例えば蒸留等を行なうことにより得られる。かかる蒸留操作は、大気圧下でも減圧下でも行うことができ、一般には、アミンの分解を抑える観点からは、減圧下で行うことが好ましい。蒸留温度としては、特に限定されないが150℃以下、好ましくは100℃以下である。そのため、通常は減圧下で蒸留を行う場合、その圧力としては、特に限定されないが、0.5〜15kPa程度、特に1〜10kPa程度が好ましい。蒸留は、通常用いられている方法でよく、例えば、単蒸留や多段の蒸留塔等を用いる蒸留が挙げられる。もちろん、これに限定されるものではない。
こうして得られるトランス体純品と、又はGLCにより測定したトランス体含量が50%以上のトランス体−シス体混合物であるアミン原料と、一般式(2)で表されるポリカルボン酸又はその反応性誘導体(例えば酸無水物、酸ハライド、エステル等)とをアミド化反応させることにより、所望の一般式(1)で表されるアミド系化合物又は所望の混合物を合成することができる。
また、この方法と同様にして得られるR基のトランス構造部分が100%の上記オールトランスのアミド系化合物と、他のタイプの立体構造部分を有するアミド系化合物(例えば、分子内の2〜6個のR基の全てがシス構造部分であるアミド系化合物、2〜6個のR基のうちの少なくとも1個がトランス構造を有し、残りがシス構造を有する混在型のアミド系化合物等)とを、一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の含量が50モル%以上100モル%未満となるように混合することにより、所望の一般式(1)で表されるアミド系化合物の混合物を調製することもできる。
上記アミド化反応は、公知の方法、例えば、前記特開平7−242610号公報、WO2005/037770などに記載の方法に従って行うことができる。より具体的には、次の方法を採用できる。
(i)一般式(2)で表されるポリカルボン酸とその3〜20当量倍の上記アミン原料とを不活性溶媒中、60〜280℃で2〜50時間反応させる。
本製造法においては、反応時間を短縮するために、活性化剤を用いるのがより好ましい。該活性化剤としては、五酸化リン、ポリリン酸、五酸化リン−メタンスルホン酸、亜リン酸エステル(例えば、亜リン酸トリフェニル等)−ピリジン、亜リン酸エステル−金属塩(例えば、塩化リチウム等)、トリフェニルホスフィン−ヘキサクロロエタン等が例示され、通常、一般式(1)で表されるポリカルボン酸のカルボキシル基に対して等モル程度使用される。
(ii)一般式(2)で表されるポリカルボン酸のクロリドとその3〜6当量倍のアミン原料とを不活性溶媒中、0〜100℃で1〜5時間反応させる。
(iii)一般式(2)で表されるポリカルボン酸のポリアルキルエステルとその3〜30当量倍のアミン原料とを無溶媒又は不活性溶媒中、無触媒又は触媒の存在下、20〜280℃で3〜50時間反応させる。
当該触媒としては、通常のエステル・アミド交換反応に用いられる酸触媒や塩基触媒等が挙げられるが、中でも塩基触媒がより好ましい。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコラート等が例示され、通常、ポリカルボン酸のカルボキシル基に対して等モル量程度使用される。
上記(i)、(ii)及び(iii)法に係る不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が例示される。
<ポリエチレン樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリエチレン樹脂組成物の製造方法としては、所望の該樹脂組成物が得られる限り、限定されることなく、常法を用いることができる。例えば、ポリエチレン樹脂(粉末又は顆粒)、本発明のアミド系化合物、及び必要に応じて上記のポリエチレン用樹脂改質剤を、慣用の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等を用いて混合したブレンドタイプのポリエチレン樹脂組成物を得る方法、又は、このブレンドタイプのポリエチレン樹脂組成物を、慣用の混練機、例えば、一軸又は二軸の押し出し機等を用いて、通常160〜280℃、好ましくは180〜260℃の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを、冷却し、得られたストランドをカッティングすることでペレットとする方法などが例示される。
本発明に係るアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物を、そのままで、又は、上記添加剤、ポリエチレンン用改質剤等と配合された造核剤の形態で、ポリエチレン樹脂に配合する場合、本発明の混合物またはオールトランス化合物の配合量(造核剤として配合する場合は、本発明の混合物またはオールトランスのアミド系化合物換算での配合量)は、所定の効果が得られる限り特に限定されるものではなく、広い範囲から適宜選択することができるが、通常、ポリエチレン樹脂100重量部当たり、0.01〜2重量部、好ましくは0.03〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。これらの範囲内で配合することにより十分に本発明の効果を得ることができる。0.01重量部未満では核剤効果が不十分であり、成形体の機械的特性(例えば、剛性等)が低い。一方、2重量部を越えても更なる効果の向上は得られにくい。
アミド系化合物のポリエチレン樹脂への添加方法としては、慣用されている装置、例えば、一軸又は二軸の押し出し機等を用いて、0.01〜2重量部のアミド系化合物を添加する一段添加法が好ましい。又は、2〜15重量%程度の高濃度マスターバッチの形態を用いた二段添加法を採用しても何ら差し支えない。
[ポリエチレン樹脂用造核剤]
本発明のポリエチレンン樹脂用造核剤は、一般式(1)で表されるアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物のみからなるものであるか、又はアミド系化合物の混合物又はオールトランスのアミド系化合物と後述の添加剤、ポリエチレン樹脂用改質剤等とを含有するものである。
本発明において、ポリエチレン樹脂用造核剤として用いられるアミド系化合物の粒径は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、通常、レーザー回折光散乱法で測定した平均粒径が好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは1〜200μm、特に好ましくは1〜100μmの範囲である。例えば、ポリエチレン樹脂へのアミド系化合物の分散、溶解又は融解を短時間としたい場合には、その分散、溶解又は融解混合時の温度にも影響されるが、その粒子径としては、最大粒子径が50μm以下であり、好ましくは10μm以下であることが推奨される。
アミド系化合物の最大粒子径を上記範囲に調整する方法としては、この分野で公知の慣用装置を用いて微粉砕し、これを分級する方法が提示される。具体的には、ジェットミル、例えば、「流動層式カウンタージェットミル100AFG」(商品名、ホソカワミクロン社製)、「超音速ジェットミルPJM−200」(商品名、日本ニューマチック社製)等を用いて微粉砕並びに分級する方法が例示される。
本発明に係るアミド系化合物の結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、立方晶、単斜晶、三方晶、六方晶等の任意の結晶形が使用できる。
<その他の添加剤>
本発明のポリエチレン樹脂組成物及びポリエチレン樹脂用造核剤には、必要に応じて、その他の任意成分として従来公知のポリエチレン用改質剤を含むことができる。例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、リン化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、酸化防止剤(フェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Li、Na、K、Al、Ca、Mg、Zn)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤の他、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料、加工助剤、他の造核剤等が例示される。
他の造核剤としては、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族カルボン酸無水物、芳香族リン酸エステルの金属塩、芳香族リン酸エステルのアミン塩、ソルビトール誘導体、脂肪族ジカルボン酸金属塩若しくはアミン塩、ロジン酸誘導体、水添ナジック酸金属塩、脂環族カルボン酸塩等の造核剤が挙げられる。具体的には、安息香酸ナトリウム、p−tert−ブチル安息香酸ナトリウム、ヒドロキシビス(p−tert−ブチル安息香酸)アルミニウム等の芳香族カルボン酸金属塩;安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、アルキル置換安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物;ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステルの金属塩;リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)と脂肪酸族多価アミンとの塩等の芳香族リン酸エステルのアミン塩;ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等のソルビトール誘導体;ロジン酸ナトリウム塩,ロジン酸カリウム塩,ロジン酸マグネシウム塩等のロジン酸金属塩、ロジン酸アミド系化合物等のロジン酸誘導体;水添ナジック酸二ナトリウム等の水添ナジック酸金属塩、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩等の脂環族カルボン酸塩等が例示される。これらの化合物は、単独で使用しても、二種以上組み合わせて使用してもよい。
上記ポリエチレン用改質剤を使用する場合、これらは、一般式(1)で表されるアミド系化合物の1種単独又は2種以上の混合物に、例えば、ドライブレンドして混合物とする等の公知の方法に従って配合すればよい。
[ポリエチレン樹脂成形体および成形体の剛性向上方法]
本発明のポリエチレン樹脂成形体は、上記本発明のポリエチレン樹脂組成物を、慣用の成形方法を用いて成形することにより得られる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を成形するに際しては、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれをも採用できる。成形条件としては、従来採用されている条件が広い範囲から適宜選択できる。
本発明により得られるポリエチレン樹脂成形体は、後述の実施例からも明らかなように、優れた剛性を有している。即ち、本発明は、一般式(1)で表されるアミド系化合物の2種以上の混合物又はオールトランスのアミド系化合物、又は本発明の造核剤をポリエチレン樹脂に配合して樹脂組成物を得、該樹脂組成物を成形することを特徴とするポリエチレン樹脂成形体の剛性向上方法を提供するものでもある。
こうして得られた本発明のポリエチレン樹脂成形体は、従来、リン酸金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンジリデンソルビトール類等を核剤として配合してなるポリエチレン樹脂組成物が用いられてきたと同様の分野において適用され、具体的には、食品・植物等の包装物;食品を熱充填するためのカップ、レトルト食品の包装容器;ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャンプー用等の容器;味噌、醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車用部品等の素材として好適である。
以下、実施例及び比較例を揚げ、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)>
FT−IR装置(商品名「Spectrum One」、パーキンエルマー社製)を用いて、3400から3100cm−1に現れるN−H伸縮振動の吸収帯を測定した。
トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)は、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度(Atrans)、及び、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度(Acis)から、下記数式(E)に従って算出した。
Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
[式中、Atransは、FT−IR法で測定される、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
以下に、具体例として1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)中のトランス−2−メチルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans、%)の求め方について説明する。
a)標準サンプルの調製方法
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(トランス−2−メチルシクロヘキシルアミド)(オールトランス化合物)及び1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シス−2−メチルシクロヘキシルアミド)(オールシス化合物)を、イソプロピルアルコール及びイソプロピルアルコール水溶液で十分に洗浄し、80℃で6時間乾燥した。
次いで、トランス−2−メチルシクロヘキシルアミン残基の含量が、混合物中の全2−メチルシクロヘキシルアミン残基に対して、80モル%、50モル%及び20モル%となるように、上記洗浄乾燥した1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(トランス−2−メチルシクロヘキシルアミド)と上記洗浄乾燥した1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シス−2−メチルシクロヘキシルアミド)とを混合して、サンプルを調製した。また、上記洗浄及び乾燥したオールトランス化合物を、トランス−2−メチルシクロヘキシルアミン残基の含量が100モル%のサンプルとして使用した。
こうして調製された各サンプルを、測定前にめのう乳鉢でメタノール湿潤下、十分に粉砕し、乾燥後、FT−IR測定用標準サンプルとして用いた。
b)測定方法及び検量線の作成方法
FT−IR装置(商品名「Spectrum One」、パーキンエルマー社製)に、赤外全反射吸収スペクトル(Attenuated Total Reflection、以下「ATR」と略記する)装置(パーキンエルマー社製ユニバーサルATR装置)を装備して使用した。なお,測定は波数範囲650〜4000cm−1、分解能4cm−1、積算回数16回、25°Cの温度で行った。この条件下で、FT−IR−ATR法)によってトランス−2−メチルシクロヘキシルアミン残基の含量100モル%、80モル%、50モル%、及び20モル%の標準サンプルの赤外吸収スペクトルを測定した。
各標準サンプルの赤外吸収スペクトルから、ベースライン法(3400cm−1、3150cm−1)により、3281cm−1における吸光度Atrans、3313cm−1における吸光度Acisを求めた。
Ctrans(%)、即ち[Atrans/(Atrans+Acis)]×100を標準サンプルのトランス−2−メチルシクロヘキシルアミン残基の含量(モル%)に対してプロットしたところ、直線関係にある検量線が得られた。得られた検量線により各実施例及び比較例で使用した混合物及びオールトランスのアミド系化合物のCtrans(%)を算出した。
<ヘイズ値(%)>
東洋精機製作所製のヘイズメーターを用いて、JIS K7136−2000に準じて測定した。得られた数値が小さい程、透明性に優れている。
<結晶化温度Tc>
示差走査熱量計(商品名「ダイヤモンドDSC」、パーキンエルマー社製)を用いて、JIS K−7121に準じて測定した。結晶化温度Tcが高い程、結晶性が高い。
<結晶化ハーフタイムT1/2(min)>
示差走査熱量計(商品名「 ダイヤモンドDSC 」、パーキンエルマー社製)を用いて、 230℃で3分保持後、冷却速度300℃/minにて結晶化温度120℃に保持する。 次に、 結晶化温度120℃に達した時点から、発熱曲線のピークトップに達する時間までを測定し、同時間を 結晶化ハーフタイムT1/2 とした。 結晶化ハーフタイムT1/2 が小さい程、結晶化速度が速く、成形サイクルの短縮が可能である。
<曲げ弾性率(MPa)>
インストロン万能試験機を用いて、JIS K7203−1982に準じて測定した。尚、試験温度は25℃、試験速度は10mm/minとした。曲げ弾性率の値が大きい程、剛性に優れている。
[実施例1]
直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=20g/10分、以下、「L−LDPE」と略記する。)100重量部に対して、アミド系化合物の混合物である、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(Ctrans:58.4%、以下、「PTC−2MeCHA」と略記する。)0.15重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1010」、以下、「IR−1010」と略記する。)0.05重量部及びステアリン酸カルシウム(以下、「ステアリン酸Ca」と略記する。)0.05重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで1000rpm、5分間ドライブレンドした。
次に、樹脂温度230℃で直径15mmの二軸押出機を用いて溶融混練して、押し出されたストランドを水冷し、次に得られたストランドを切断してペレット状ポリエチレン樹脂組成物を得た。 得られたペレットを樹脂温度230℃、金型温度40℃の条件下で射出成形し、ポリエチレン樹脂成形体(試験片)2種類を調製した。一方は、ヘイズ測定用の試験片であり、サイズは70mm×40mm×1mmである。他方は曲げ弾性率測定用の試験片であり、サイズは90mm×10mm×4mmである。得られた試験片のヘイズ値、結晶化温度Tc、結晶化ハーフタイムT1/2及び曲げ弾性率を測定した。上記のポリエチレン樹脂組成物の組成比を表1に、物性の評価結果を表2に記載した。
[実施例2]
PTC−2MeCHAを0.15重量部に対して、0.075重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験片のヘイズ値、結晶化温度Tc、結晶化ハーフタイムT1/2及び曲げ弾性率を測定した。上記のポリエチレン樹脂組成物の組成比を表1に、物性の評価結果を表2に記載した。
[比較例1]
PTC−2MeCHAを添加しない以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験片のヘイズ値、結晶化温度Tc、結晶化ハーフタイムT1/2及び曲げ弾性率を測定した。上記のポリエチレン樹脂組成物の組成比を表1に、物性の評価結果を表2に記載した。
Figure 2010111761
Figure 2010111761
表2の結果から、次の事項が明らかである。トランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基含量が50モル%〜100モル%であるアミド系化合物の混合物を含有すると、ポリエチレン樹脂成形体の透明性、結晶化温度及び曲げ弾性率の値が向上している。
本発明に従い、一般式(1)で表されるオールトランスのアミド系化合物またはアミド系化合物の混合物を構成する2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の立体異性構造におけるトランス体含量が50〜100モル%の範囲にあるアミド系化合物もしくは混合物を含有するポリエチレン用造核剤をポリエチレン樹脂に配合することにより、透明性、結晶性及び剛性に優れたポリエチレン樹脂組成物及び成形体を得ることができる。

Claims (18)

  1. ポリエチレン樹脂及び一般式(1)
    Figure 2010111761
    [式中、aは、2〜6の整数を表す。Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸残基を表し、該脂肪族ポリカルボン酸残基の価数は2〜6である。2〜6個のR基は、同一又は異なって、それぞれ、一般式(a)
    Figure 2010111761
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基、又は、一般式(b)
    Figure 2010111761
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基を表す。]
    で表されるアミド系化合物の少なくとも2種の混合物であって、
    上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の50モル%以上100モル%未満の割合で存在している混合物を含有するポリエチレン樹脂組成物。
  2. 上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基が、混合物中の全2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の70モル%以上100モル%未満の割合で存在している請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. が、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基である請求項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  4. が、メチル基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  5. が、1,2,3−プロパントリカルボン酸残基又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  6. が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であって、下記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が45.9%以上72.0%未満である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物:
    Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
    [式中、Atransは、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
    Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
  7. が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基であって、下記数式(E)で定義されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基の吸光度の割合(Ctrans)が50.4%以上71.5%未満である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物:
    Ctrans(%)=[Atrans/(Atrans+Acis)]×100 (E)
    [式中、Atransは、FT−IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)で測定される、対応するオールトランス化合物の上記一般式(a)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示し、
    Acisは、FT−IR法で測定される、対応するオールシス化合物の上記一般式(b)で表されるシス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基のN−H伸縮振動吸収のシグナルが現れる波数における吸光度を示す。]。
  8. ポリエチレン樹脂及び一般式(1)
    Figure 2010111761
    [式中、aは、2〜6の整数を表す。Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和脂肪族ポリカルボン酸残基を表し、該脂肪族ポリカルボン酸残基の価数は2〜6である。2〜6個のR基は、同一であって、一般式(a)
    Figure 2010111761
    (式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)で表されるトランス−2−アルキルシクロヘキシルアミン残基を示す。]
    で表されるアミド系化合物を含有するポリエチレン樹脂組成物。
  9. が炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す請求項8に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  10. がメチル基である請求項8又は9に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  11. が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基又は1,2,3−プロパントリカルボン酸残基である請求項8〜10のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  12. が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸残基であり、Rがメチル基である請求項8〜11のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  13. が1,2,3−プロパントリカルボン酸残基であり、Rがメチル基である請求項8〜11のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  14. ポリエチレン樹脂100重量部に対し、請求項1〜7に記載の混合物又は請求項8〜13に記載のアミド系化合物を、0.01〜2重量部含有する請求項1〜13のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物を成形することにより得ることができるポリエチレン樹脂成形体。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載の混合物又は請求項8〜13のいずれかに記載のアミド系化合物をポリエチレン樹脂に配合して樹脂組成物を得て、次いで該樹脂組成物を成形することからなるポリエチレン樹脂成形体の剛性向上方法。
  17. 請求項1〜7のいずれかに記載の混合物を含有するポリエチレン樹脂用造核剤。
  18. 請求項8〜13のいずれかに記載のアミド系化合物を含有するポリエチレン樹脂用造核剤。
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