JP2002356586A - ジアセタール組成物、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、該ジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂組成物、該樹脂組成物の製造法、及び成形体 - Google Patents

ジアセタール組成物、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、該ジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂組成物、該樹脂組成物の製造法、及び成形体

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JP2002356586A JP2002085548A JP2002085548A JP2002356586A JP 2002356586 A JP2002356586 A JP 2002356586A JP 2002085548 A JP2002085548 A JP 2002085548A JP 2002085548 A JP2002085548 A JP 2002085548A JP 2002356586 A JP2002356586 A JP 2002356586A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−
ソルビトール等のジアセタールの溶解性、分散性及び貯
蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少なく且つ透明
性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることが
でき、且つ、融点降下性物質の添加量が少ないジアセタ
ール組成物を提供する。 【解決手段】(A)ジアセタール、(B)硫酸エステル塩及び
(C)脂肪族モノカルボン酸からなる粒状又は粉末状ジア
セタール組成物であって、該組成物の粒子中に(B)成分
及び(C)成分が均一分散しており、ジアセタール組成物
に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、(C)成分が0.
3〜5重量部%の割合で存在し、且つ、(B)成分+(C)成
分の合計が7重量%以下であるジアセタール組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアセタール組成
物、該組成物を含むポリオレフィン樹脂用核剤、該組成
物を含むポリオレフィン樹脂組成物、該ポリオレフィン
樹脂組成物の製造方法、および該ポリオレフィン樹脂を
成形してなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ジベンジリデンソルビトール及びその核
置換誘導体に代表されるジアセタールは、ポリオレフィ
ン樹脂用の核剤や各種流動体のゲル化剤等として広く使
用されている有用な化合物である。それらの特性を効果
的に発現させためには、該ジアセタールを溶融ポリオレ
フィン樹脂や流動体に一度溶解させるか又は均一に分散
させる必要がある。しかし、該ジアセタールは、強い自
己凝集性を有し、しかも高融点であるために、均一に溶
解または分散させることは工業的に容易ではない。この
ため、上記溶解性や分散性を改善するための対策が必要
であった。
【0003】これまでにも上記問題点を改善するための
様々な提案がなされている。例えば、ジアセタールをそ
の融点以上或いは溶融温度以上の高温下で処理する方法
やジアセタールを超微粒子化し、その分散性を向上さ
せ、溶解し易くする方法(特開平6−145431号)
等が提案されている。
【0004】しかしながら、(1)ジアセタールを高温
下で処理する方法は、ジアセタールが熱分解を起こすた
め、核剤性能が十分に発揮されない、更に着色、臭気な
どの問題を引き起こす、(2)ジアセタールを超微粒子
化し、その分散性を向上させ溶解し易くする方法(特開
平6−145431号)は、粉塵爆発、作業環境の悪
化、貯蔵時の再凝集、移送性(特に、ストックタンクか
らの排出時の移送性、パイプを通しての移送性)や流動
性低下などによる作業性の低下等の工業的に重要な問題
を引き起こす、また、該技術は、高価な特別な粉砕装置
を必要とするなど、未だ上記問題点の充分な解決には至
っていないのが現状である。
【0005】また、ジアセタール粒子に融点降下性物質
を均一分散させてジアセタールの融点を下げる技術も知
られている(WO99/18108号公報)。この技術
は、高温下での処理や超微粒子化を必要とすることな
く、ジアセタールの溶解性や分散性を改善する有効な方
法であるが、(a)ジアセタールの融点をより一層下げ
ること、(b)融点降下性物質を少量の添加量で用い
て、実用レベルまでジアセタールの融点を下げることが
望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解消し、ジアセタールの各種溶融樹脂や各種の液体
への溶解性・分散性が飛躍的に改善されたジアセタール
組成物を提供することを目的とする。
【0007】特に、本発明は、ジアセタールの溶解性、
分散性及び貯蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少
なく且つ透明性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を
与えることができ、且つ、融点降下性物質の添加量が少
ないジアセタール組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意検討した。前記WO99/18
108号公報においては、融点降下性物質として各種の
化合物をジアセタール組成物の10重量%程度という大
量使用しており、ポリオレフィン樹脂用添加剤として、
無処理のジアセタールと同一重量で比較すると、該公報
のジアセタール組成物は、相対的にジアセタールの核剤
効果が減少する可能性がある。
【0009】また、前記WO99/18108公報にお
いても、少量の添加量で融点を大きく降下させる融点降
下性物質として、L−酒石酸、コハク酸、クエン酸、D
L−リンゴ酸等の脂肪族二塩基酸及びラウリル硫酸ナト
リウムが記載されている。しかし、本発明者の研究によ
ると、上記L−酒石酸、コハク酸、クエン酸、DL−リ
ンゴ酸等の脂肪族二塩基酸をジアセタールに均一分散し
てなるジアセタール組成物は、貯蔵安定性、特に高温下
での貯蔵安定性が満足できるレベルではなく、必ずしも
十分であるとは言えないことが判明した。また、ラウリ
ル硫酸ナトリウムをジアセタールに均一分散してなるジ
アセタール組成物は、ポリオレフィン樹脂用核剤として
適用した場合、当該ジアセタール組成物の融点近傍以上
の成形樹脂温度であれば分散性は良好であるが、当該ジ
アセタール組成物の融点よりも低い成形樹脂温度では分
散性は必ずしも十分とは言えない。即ち、低温成形を要
求する用途には、必ずしも満足できるものであるとは言
えないことが判明した。
【0010】そのため、少量の添加量で優れた融点降下
を発揮すると共に貯蔵安定性及び低温成形特性において
優れている融点降下性物質の開発は不可能と思われた。
【0011】しかしながら、更に検討を重ねた結果、特
定のアニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン
酸とを、融点降下性物質として、それぞれ特定量で併用
し、膨潤状態または溶解状態のジアセタールに均一分散
させ、乾燥させる場合には、得られるジアセタール組成
物が、該融点降下性物質の含有量が少量であっても、従
来技術では予想できなかったジアセタールの融点降下及
び分散性・溶解性を示すことを見い出した。
【0012】より詳しくは、特定のアニオン系界面活性
剤と特定の脂肪族モノカルボン酸とを併用することによ
り、(a)それぞれ単独で使用するよりも、大きなジア
セタールの融点降下をもたらすこと、(b)それぞれ単
独使用して又は両者を併用して得られる、同程度の融点
降下の効果を奏するジアセタール組成物を比較すると、
併用したジアセタール組成物の方がポリオレフィン樹脂
への分散性に優れていること、(c)少量の添加量で大
きなジアセタールの融点降下が得られること、及び
(d)貯蔵安定性が著しく向上することを見い出した。
【0013】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものである。即ち、本発明は、次のジアセタール組成
物、該組成物を含むポリオレフィン樹脂用核剤、該組成
物を含むポリオレフィン樹脂組成物およびその成形体を
提供するものである。
【0014】項1 (A)一般式(1)
【0015】
【化2】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ、
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基
又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整
数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2
つのR1基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン
環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、bが
2である場合、2つのR2基は互いに結合してそれらが
結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していて
も良い。]で表される少なくとも1種のジアセタール
と、(B)炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪族アル
コール硫酸エステル塩、エチレンオキシド付加モル数1
〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)
又はアルケニル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステ
ル塩、エチレンオキシド付加モル数1〜10のポリオキ
シエチレンアルキル(炭素数8〜22)フェニルエーテ
ル硫酸エステル塩、炭素数3〜6の多価アルコールと炭
素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコー
ル脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩及び炭素数8〜
22の飽和又は不飽和脂肪酸モノアルカノール(炭素数
2〜6)アミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる
少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、上記の硫酸
エステル塩が、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩
及び/又はアンモニウム塩であるアニオン系界面活性剤
の少なくとも1種、及び(C)分子内に少なくとも水酸
基1個を有していてもよい脂肪族モノカルボン酸の少な
くとも1種からなる粒状又は粉末状ジアセタール組成物
であって、(B)成分と(C)成分が該粒状又は粉末状
ジアセタール組成物の粒子中に均一に分散しており、該
ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3
重量%、(C)成分が0.3〜5重量%の割合で存在し
ており、且つ、(B)成分+(C)成分の合計量が7重
量%以下であることを特徴とするジアセタール組成物。
【0016】項2(B)成分:(C)成分の重量比が
1:0.3〜4である上記項1に記載のジアセタール組
成物。
【0017】項3(C)成分が、炭素数10〜32の脂
肪族モノカルボン酸である上記項1に記載のジアセター
ル組成物。
【0018】項4 (B)成分が、ラウリル硫酸塩、ス
テアリル硫酸塩、オレイル硫酸塩、ポリオキシエチレン
(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリル
エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシ
ド付加モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数
=2〜3モル)ノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオ
キシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モ
ル)ドデシルフェニルエーテル硫酸塩、モノラウリン酸
グリセリル硫酸塩、モノステアリン酸グリセリル硫酸
塩、ラウリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、
ステアリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、及
びオレイン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩から
なる群から選ばれる少なくとも1種の硫酸エステル塩で
あって、該塩がリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウ
ム塩である上記項1〜3のいずれかに記載のジアセター
ル組成物。
【0019】項5 (C)成分が、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、1
2−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、エイ
コサン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モンタン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステア
リン酸、リシノレイン酸、及びエルカ酸からなる群から
選ばれる少なくとも1種の脂肪族モノカルボン酸である
上記項1〜4のいずれかに記載のジアセタール組成物。
【0020】項6 (A)成分が、1,3:2,4−O
−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4
−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス
−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビ
トールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(B)成分がラウリル硫酸リチウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン
(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリル
エーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレン
オキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫
酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド
付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリウ
ムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及び
オレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る上記項1又は2に記載のジアセタール組成物。
【0021】項7 上記項1〜6のいずれかに記載のジ
アセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂用核
剤。
【0022】項8 ポリオレフィン樹脂に上記項7に記
載のポリオレフィン樹脂用核剤を配合してなることを特
徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
【0023】項9 ポリオレフィン樹脂100重量部に
対し、上記項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を
0.01〜5重量部使用することを特徴とする上記項8
に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
【0024】項10 上記項8又は9に記載のポリオ
レフィン樹脂組成物を成形することにより得ることがで
きるポリオレフィン樹脂成形体。
【0025】項11 未分散核剤が実質的に存在しない
上記項10に記載のポリオレフィン樹脂成形体。
【0026】項12 ポリオレフィン樹脂及び上記項7
に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を含有する混合物
を、ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上であって、該ポ
リオレフィン樹脂用核剤の融点以下の温度で均一混合
し、得られる溶融物をペレット化することを特徴とする
ポリオレフィン樹脂ペレットの製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】(A)成分:ジアセタール 一般式(1)において、R1及びR2で表される炭素数1
〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基等が例示され、炭素
数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等
が例示される。炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基
としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基及びイソプロポキシカルボ
ニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等が例示される。
【0028】a及びbは、それぞれ、1〜5の整数であ
り、好ましくは1、2又は3である。cは、より好まし
くは1である。R1及びR2で表される置換基の置換位置
は、特に限定されるものではないが、a及びbが1の場
合は、o−、m−又はp−位であり、a及びbが2の場
合は、2,4−位、3,4−位、3,5−位等を例示で
き、a及びbが3の場合は、2,4,5−位、3,4,
5−位等を例示できる。
【0029】これら一般式(1)で表されるジアセター
ルは、いずれも公知であるか、又は日本国特公昭48−
43748号、特開昭53−5165号、特開昭57−
185287号、特開平2−231488号等の公知方
法に従って容易に製造できる。
【0030】上記一般式(1)のジアセタールの代表例
としては、次のものを例示できる。
【0031】1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D
−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メ
チルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビ
ス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O
−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベ
ンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビ
ス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビ
ス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピル
ベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−
ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソ
ルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブ
チルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,
4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D
−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4
−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,
3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−
(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベ
ンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビ
ス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソル
ビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエ
チルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,
4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D
−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4
−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,
3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−
(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−ト
リメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:
2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O
−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソル
ビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオ
キシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボ
ニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,
4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベ
ンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビ
ス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O
−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O
−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テト
ラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソ
ルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレ
ン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−
2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトー
ル、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O
−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベン
ジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−
ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−
2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3
−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリ
デン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベン
ジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトー
ル、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4
−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3
−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O
−ベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベ
ンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジ
メチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D
−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデ
ン−2,4−O−p−エチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−
メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−
p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベ
ンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロ
ル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデ
ン−D−ソルビトールが例示され、これらは、夫々単独
で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0032】これらのうち、より効果的な化合物とし
て、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−
(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、
1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O
−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベ
ンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビ
ス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチ
ルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4
−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−
ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−
ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:
2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O
−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−
ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,
6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メ
チレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−
O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレ
ン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O
−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン
−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリ
デン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、
1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジ
メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O
−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベ
ンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリ
デン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチル
ベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソル
ビトールが好ましい。これらは、夫々単独又は2種以上
を適宜組み合わせて使用される。
【0033】これらの中でも、特に1,3:2,4−O
−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4
−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビ
トール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス
−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビ
トールが好ましい。
【0034】上記ジアセタールの結晶形態は、本発明の
効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、
立方晶等の任意の結晶形が使用できる。これらの結晶も
公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
【0035】本発明で使用するジアセタールは、一般式
(1)で表される1,3:2,4−体の純度が100%
のものであってもよいが、若干不純物を含むものであっ
てもかまわない。一般に、ジアセタールは、一般式
(1)で表される1,3:2,4−体の純度が90重量
%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは9
7重量%以上である。
【0036】一般式(1)で表されるジアセタールの合
成の際に、D−ソルビトール等の5価又は6価の多価ア
ルコールと無置換または置換芳香族アルデヒドとの縮合
反応により生成するアセタール化合物として、一般式
(1)で表される1,3:2,4−ジアセタールに加え
て、それ以外のアセタール化合物(副生物)、例えば、
1,2−体、3,4−体、2,4−体、1,3−体等の
モノアセタール、1,3:2,4:5,6−体、1,
2:3,4:5,6−体等のトリアセタール及び1,
2:3,4−体等のジアセタール異性体が生成する。
【0037】本発明のジアセタール組成物においては、
一般式(1)で表されるジアセタール以外に、これら不
純物であるモノアセタール、トリアセタール及びジアセ
タール異性体の少なくとも1種を含んでいてもよく、そ
の場合は該不純物の合計量が、アセタール総量(一般式
(1)で表される1,3:2,4−ジアセタール、モノ
アセタール、トリアセタール及びジアセタール異性体の
合計量)に対して、10重量%以下、好ましくは0.0
5〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、特
に好ましくは0.1〜3重量%以下の量で存在すること
は特に問題はなく、本発明のジアセタール組成物の低融
点化の目的からは、むしろ好ましい。但し、10重量%
以上となると、核剤特性が低下する傾向がある。
【0038】(B)成分:アニオン系界面活性剤 本発明のアニオン系界面活性剤として使用する硫酸エス
テル塩としては、炭素数6〜30、好ましくは10〜2
0の飽和又は不飽和脂肪族アルコール硫酸エステル塩;
エチレンオキシド付加モル数1〜8、好ましくは2〜5
のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22、好ま
しくは10〜22)又はアルケニル(炭素数8〜22、
好ましくは10〜22)エーテル硫酸エステル塩、エチ
レンオキシド付加モル数1〜8、好ましくは2〜5のポ
リオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22、好ましく
は9〜20)フェニルエーテル硫酸エステル塩;炭素数
3〜6、好ましくは3〜4の多価アルコールと炭素数8
〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸
との多価アルコール脂肪酸部分エステルの硫酸エステル
塩;炭素数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は
不飽和脂肪酸アルカノール(炭素数2〜6、好ましくは
2〜4)アミド硫酸エステル塩が例示できる。 該硫酸
エステル塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、又はアンモニウム塩である。
【0039】上記のうちでも、下記のアニオン系界面活
性剤が好ましい。 ・ 一般式(a)
【0040】
【化3】 [式中、Raは、炭素数6〜30、好ましくは10〜2
0の飽和又は不飽和脂肪族基(特に、アルキル基又はア
ルケニル基)を示し、Mは、Li、Na、K又はNH4
を示す。]で表される飽和又は不飽和脂肪族アルコール
硫酸エステル塩、 ・ 一般式(b)
【0041】
【化4】 [式中、Rbはアルキル基(炭素数8〜22、好ましく
は10〜22)又はアルケニル基(炭素数8〜22、好
ましくは10〜22)を示し、mは1〜8、好ましくは
2〜5の整数を示し、MはLi、Na、K又はNH4
示す。]で表されるポリオキシエチレンアルキル又はア
ルケニルエーテル硫酸エステル塩、 ・ 一般式(c)
【0042】
【化5】 [式中、RCはアルキル基(炭素数8〜22、好ましく
は9〜20)を示し、nは1〜8、好ましくは2〜5の
整数を示し、MはLi、Na、K又はNH4を示す。]
で表されるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニル
エーテル硫酸エステル塩、 ・炭素数3〜6、好ましくは3〜4であって、2〜4価
の多価アルコールと炭素数8〜22、好ましくは10〜
20の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール脂肪酸
部分エステルの硫酸エステル塩、特にグリセリンと炭素
数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂
肪酸とのモノ又はジエステルの硫酸エステル塩(塩は、
Li、Na、K又はNH4塩)。
【0043】具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ス
テアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜
3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)
ステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデシ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、モノラウリン酸グ
リセリル硫酸ナトリウム、モノステアリン脂肪酸グリセ
リル硫酸ナトリウム、ラウリン酸モノエタノールアミド
硫酸ナトリウム、ステリン酸モノエタノールアミド硫酸
ナトリウム、オレイン酸モノエタノールアミド硫酸ナト
リウムが例示できる。
【0044】好ましくは、ラウリル硫酸ナトリウム、ス
テアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜
3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)
ステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ン((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ン((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデ
シルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどが例示され
る。上記の硫酸エステル塩としてナトリウム塩の他に、
リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が例示され
る。
【0045】上記の硫酸エステル塩は、リチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩である
が、中でもリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が推
奨される。上記のアニオン系界面活性剤は、夫々単独で
又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0046】(C)成分:脂肪族モノカルボン酸 本発明の分子内に少なくとも1個の水酸基を有していて
もよい脂肪族モノカルボン酸としては、分子内に水酸基
を1〜2個、特に1個有していてもよい炭素数10〜3
2、好ましくは炭素数12〜22の脂肪族モノカルボン
酸が例示される。これらは、夫々単独で又は2種以上を
適宜組み合わせて使用される。
【0047】具体的には、飽和脂肪酸であるカプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリ
ン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モ
ンタン酸、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール
酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン
酸、エルカ酸などが例示され、中でも、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸が推奨される。
【0048】本発明のジアセタール組成物 本発明のジアセタール組成物は、上記一般式(1)で表
されるジアセタール((A)成分)、アニオン系界面活
性剤((B)成分)及び脂肪族モノカルボン酸((C)
成分)からなり、(B)成分と(C)成分が当該ジアセ
タール組成物の粒子中に均一に分散している。
【0049】本明細書において、「ジアセタール組成物
の粒子中に均一に分散している」とは、ジアセタール粒
子の表面および内部に均一に分布している状態、または
ジアセタール粒子を構成するジアセタール繊維状結晶間
に均一に分布している状態である。
【0050】当該ジアセタール組成物において、融点降
下に対する効果はアニオン系界面活性剤(B)成分の寄
与が大きく、脂肪族モノカルボン酸(C)成分の寄与は
小さい。後述する比較例の結果から明らかなように、
(B)成分単独及び(C)成分単独による融点降下は、
ジアセタール自体の融点に比し、(B)成分15〜50
℃程度、(C)成分2〜10℃程度となる。仮に、融点
降下に加成性が成り立つとすると、(B)成分と(C)
成分の併用による融点降下は、17〜60℃程度である
と予想される。
【0051】ところが、実際は、(B)成分と(C)成
分の併用により、予想に反して、(B)成分と(C)成
分の加成性から予想される融点降下を上まわる効果が発
揮され、当該ジアセタール組成物は、当該組成物中に含
有されるジアセタール自体の融点に比し、融点降下が一
般に20℃以上、特に50℃以上、場合によっては80
℃以上となる。このことは驚くべきことであった。
【0052】このような併用による効果は、単なる凝固
点降下だけでは到底説明しきれず、そのメカニズムは不
明である。
【0053】本発明に係るアニオン系界面活性剤(B)
成分の使用割合は、ジアセタール組成物に対して、0.
1〜3重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ま
しくは0.5〜2重量%である。0.1重量%未満の量で
は、(C)成分との併用効果による融点降下の効果も十
分に得られにくいばかりでなく、(A)成分の十分な融
点降下の効果が得られにくい。また、3重量%を越えて
使用しても、(A)成分の融点降下の効果に更なる優位
性が認められにくく、ポリオレフィン樹脂に対する核剤
効果を低下させる傾向、特に透明性を低下させる傾向が
生じやすい。
【0054】本発明に係る脂肪族モノカルボン酸(C)
成分の使用割合は、該ジアセタール組成物に対して、
0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%である。
0.3重量%未満の量では、アニオン系界面活性剤
(B)成分との併用効果による融点降下の効果および分
散性向上効果が得られにくい。また、5重量%を越えて
使用しても、(B)成分との併用効果および(A)成分
の融点降下の効果に更なる優位性は認められにくく、ポ
リオレフィン樹脂に対する核剤効果を低下させる傾向が
生じやすい。
【0055】また、(B)成分+(C)成分の合計量
は、7重量%以下、好ましくは5重量%以下である。7
重量%を超えて使用する場合、ポリオレフィン樹脂に対
する核剤効果を低下させる傾向が生じやすい。
【0056】さらに(B)成分:(C)成分との重量比
は、好ましくは1:0.3〜4、より好ましくは1:
0.5〜3、最も好ましくは1:1〜3である。この範
囲内においては、(B)成分と(C)成分との併用によ
る効果が得られやすく、また、併用による効果の優位性
が認められる。
【0057】上記より、本発明のジアセタール組成物に
おいては、ジアセタール組成物に対して、(B)成分が
0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より
好ましくは0.5〜2重量%の割合で存在し、(C)成
分が0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%の割
合で存在し((B)成分+(C)成分の合計量は7重量
%以下)、残部が(A)成分である。
【0058】本発明に係るジアセタール組成物として
は、特に限定されるものではなく、適宜選択できるが、
以下のジアセタール(A)成分、アニオン系界面活性剤
(B)成分及び脂肪族モノカルボン酸(C)成分からな
る組み合わせが代表例として例示される。
【0059】(A)成分が、1,3:2,4−O−ジベ
ンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス
−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール及び1,3:2,4−ビス−
O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビト
ールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
(B)成分が、ラウリル硫酸リチウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン
(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリル
エーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレン
オキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫
酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(エチレンオキシ
ド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリ
ウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、および
(C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及び
オレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
るジアセタール組成物が好ましい。
【0060】また、次の組み合わせも好ましい: ・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビト
ール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、 ・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビト
ール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、 ・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビト
ール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステ
アリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラ
ウリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ス
テアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+1
2−ヒドロキシステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレ
ンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸
ナトリウム+ラウリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレ
ンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸
ナトリウム+ステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレ
ンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸
ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラ
ウリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ス
テアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+1
2−ヒドロキシステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウ
ム+ラウリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウ
ム+ステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウ
ム+12−ヒドロキシステアリン酸 などが例示される。
【0061】これらのうち、より効果的な組成物とし
て、 ・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビト
ール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ス
テアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレ
ンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸
ナトリウム+ステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+1
2−ヒドロキシステアリン酸、 ・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベン
ジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウ
ム+ステアリン酸、 などが推奨される。
【0062】本発明のジアセタール組成物の製造法 本発明に係るジアセタール粒子中にアニオン系界面活性
剤(B)成分と脂肪族モノカルボン酸(C)成分が均一
に分散している組成物を得る製造方法は、所望のジアセ
タール組成物を得られる限り、特に限定されることはな
い。
【0063】一般式(1)で表される原料ジアセタール
の形態や平均粒子径は特に限定されないが、通常は、一
般に入手できる粉末形態で使用するのが好ましい。
【0064】本発明のジアセタール組成物の製造過程に
おいて、原料ジアセタールは溶媒によって膨潤した状態
または溶液の状態となるので、原料ジアセタールの形態
や平均粒子径によって、本発明のジアセタール組成物の
発明を阻害することは殆ど認められない。ただし、原料
ジアセタールが粉末形態や平均粒子径が小さい程、膨潤
した状態や溶液の状態とする工程の時間が短縮され、生
産性の向上やコスト削減に寄与する。
【0065】本発明に係るジアセタール組成物を得る製
造方法の一例を挙げると、ジアセタール結晶が溶媒で十
分に膨潤した状態の時または溶液の状態の時に、特定の
アニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸
(溶融物若しくは溶液の形態をとっても良い)と混合
し、(溶媒や水を取り除くべく)乾燥し、ジアセタール
組成物の揮発成分含有量を1重量%以下にする。得られ
た乾燥物を必要に応じて粉砕・解砕、或いは、造粒、分
級等を行う方法である。
【0066】かかる製造法の重要な点を要約すると下記
のようになる。
【0067】低沸点溶媒を使用する。
【0068】かかる溶媒の沸点(常圧)は、150℃以
下、好ましくは120℃、より好ましくは100℃以下
である。溶媒として、具体的には、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノールなどの低級アルコール、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系化合物、ア
セトン、MEKなどのケトン系化合物等が使用できる。
また必要に応じて、上記溶媒と水を組み合わて使用でき
る。高沸点溶媒を使用した場合、ジアセタール組成物中
に溶媒が残存しやすく、ジアセタールの保存安定性が悪
くなる傾向がある。
【0069】乾燥後のジアセタール組成物の揮発成分
含有量を1重量%以下、好ましくは、0.5重量%以
下、より好ましくは0.3重量%以下にする。
【0070】かかる揮発成分含有量が1重量%を超える
場合、貯蔵安定性が悪くなる傾向があり、またポリオレ
フィン樹脂組成物および成形体とした際に発泡などを起
こし、外観や透明性を損ねることがある。の条件が満
足されれば、特に乾燥条件について限定されることはな
いが、乾燥時間および乾燥温度により、ジアセタール組
成物自体が着色する場合がある。例えば、乾燥温度12
0℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは8
0℃以下の減圧下で行うことが推奨される。
【0071】本発明のジアセタール組成物の形態は、一
般的な粉末状、粒状、或いは顆粒、円柱、ぺレット状な
どの造粒物等の形態など任意に選択される。
【0072】粉末状の場合、その粒子直径の平均値は3
〜2000μm、好ましくは7〜250μmである。3
μmより小さい場合、粉体特性が悪くなる傾向が見ら
れ、また特別な粉砕装置が必要となる。
【0073】また、粒状の場合、上記方法により得られ
る粉末状ジアセタール組成物から、任意の形状と大きさ
の粒状ジアセタール組成物を得ることができる。かかる
粒状ジアセタール組成物は、粉末状ジアセタール組成物
と比較して、粉塵の発生や粉体の流動性が改善されると
いう利点がある。
【0074】何れの形態も、公知の造粒機、粉砕機・解
砕機、分級機等を用いて製造できる。例えば、造粒機で
は乾式または湿式押出し造粒機、混合攪拌造粒機、タブ
レットマシーン、乾式圧縮ロール造粒機、球形整粒機、
粉砕機・解砕機ではピンミル、ジェットミル、パルベラ
イザー、カッターミル、ハンマーミル、プレーナークラ
ッシャー、フレーククラッシャー、ニブラー、分級機で
は振動ふるい機、風力分級機等が例示される。
【0075】かくして得られた本願発明のジアセタール
組成物は、ジアセタール自体の融点と比べ、WO99/
18108号公報の実施例に記載されているL−酒石
酸、コハク酸、クエン酸、DL−リンゴ酸等のジカルボ
ン酸類を用いなくとも顕著な融点降下の効果を示すと共
に、上記ジカルボン酸含有ジアセタール組成物に比べ優
れた貯蔵安定性を有する。
【0076】本発明のジアセタール組成物を用いること
により、下記のような利点が得られる。
【0077】(1)ジアセタール粉末粒子中に上記特定
の化合物を均一分散させてなるジアセタール組成物は、
溶融樹脂や各種液体への溶解性・分散性および溶解速度
がより一層改善される。
【0078】(2)該組成物の提供形態が後述のペレッ
トや顆粒等の造粒物でも、溶融樹脂や各種の液体への良
好な溶解性・分散性が得られる。さらに該造粒物とする
ことにより、粉塵流動性、粉塵発生の低減、粉塵爆発の
抑制、供給ホッパー内での壁付着の抑制などの粉体特性
が向上する。
【0079】(3)貯蔵安定性、特に高温下で貯蔵した
場合の貯蔵安定性が著しく向上する。
【0080】(4)ジアセタールをかなり低温で溶解で
きるので、成型時のジアセタールの分解や昇華を生じな
い。さらに、低温成形による省エネルギー化を図ること
ができる。
【0081】(5)融点降下性物質である前記(B)成
分及び(C)成分の合計使用量が少なくても、充分な融
点降下作用が発揮されるので、実用レベルの範囲内では
ジアセタールの核剤効果が相対的に削減されるおそれが
少ない。
【0082】ポリオレフィン樹脂用核剤 本発明のポリオレフィン樹脂用核剤に使用するジアセタ
ール組成物は、ポリオレフィン樹脂用核剤として有用で
あり、ジアセタール粒子中に均一に分散したアニオン系
界面活性剤(B)成分と脂肪族モノカルボン酸(C)成
分との併用により、ジアセタール自体の融点に比して大
幅に低い融点と優れた分散性を有する。
【0083】このような特性を有する本願発明のジアセ
タール組成物を該核剤として適用する場合、溶融ポリオ
レフィン樹脂への溶解速度が上昇し、溶解性・分散性が
更に改善される結果、以下の利点が得られる。 (a)慣用の成形温度(例えば、ポリプロピレン樹脂で
は220〜260℃)よりも低い温度で成形が可能とな
る。特に、本発明によれば、本発明のジアセタール組成
物の融点よりも低い温度での成形が可能であり、かかる
低温成形を行っても、核剤の分散性が良好である。この
ように低温成形が可能であるため、該ジアセタールの昇
華性が減少し、成形時の金型汚れなどが改善される。ま
た、ポリオレフィン樹脂成形体の黄変着色も改善され
る。 (b)ポリオレフィン樹脂組成物および成形体中の未分
散物が劇的に減少するため、生産性や製品品質が向上す
る。 (c)該ジアセタール組成物とポリオレフィン樹脂とか
らなる高濃度のマスターバッチペレットの調製が極めて
容易となる。 (d)慣用の成形温度で使用する場合、ジアセタール組
成物の溶解・溶融速度が改善されているので、混練り時
の加熱滞留時間が大幅に短縮される。その結果、生産性
が大幅に向上し、エネルギーコスト等が削減可能とな
る。 (e)優れた外観と高度な透明性を有するポリオレフィ
ン樹脂成形体が得られる。 (f)ジアセタール組成物中の特定のアニオン系界面活
性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸の含有量が少ないた
め、本発明のジアセタール組成物の樹脂への添加量は、
従来の前記式(1)で表されるジアセタール類の添加量
と同様の添加量が採用できる。
【0084】本発明の核剤は、一般には上記本発明のジ
アセタール組成物のみからなるが、本発明の融点降下を
妨げない範囲で、従来公知のポリオレフィン用改質剤を
本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合して
もよい。
【0085】かかるポリオレフィン用改質剤としては、
例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリ
ストの添加剤要覧」(1995年1月)に記載されてい
る各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤(金
属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫
黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、酸化防止剤(フ
ェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イオウ
系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワック
ス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、
炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca、Mg、
Zn)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポ
リグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4
〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8
〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘
導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイ
カ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維等)、発泡剤、発砲助剤、ポリマー添加
剤の他、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘ
キサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電
防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料、加工助剤、
他の核剤等の各種添加剤が例示される。
【0086】これら他の成分を配合する場合は、本発明
のジアセタール組成物と他の成分とを、ドライブレンド
して均一混合物とする等の方法が採用できる。
【0087】ポリオレフィン樹脂組成物 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、本発明のポ
リオレフィン樹脂用核剤をポリオレフィン樹脂に常法に
従って配合することにより得られる。
【0088】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、既
知技術によるポリオレフィン樹脂組成物に比し、成形加
工時にジアセタールの未分散物や未溶解物が劇的に減少
し、最終製品にジアセタールの未分散物に基づくホワイ
トスポットやフィッシュアイ等が無いなどの外観に優
れ、かつ透明性等の性能に優れた有用なポリオレフィン
樹脂組成物である。
【0089】本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製法
は、所望の該樹脂組成物が得られれば特に限定されるこ
とはなく、常法を用いることができる。
【0090】例えば、ポリオレフィン樹脂(粉末又はフ
レーク)、本発明のポリオレフィン樹脂用核剤、及び必
要に応じて後述のポリオレフィン用改質剤を、慣用の混
合機、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボ
ンブレンダー等を用いて混合したブレンドタイプのポリ
オレフィン樹脂組成物を得る方法、或いは、このブレン
ドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を、慣用の混練り
機、例えば一軸又は二軸の押し出し機等を用いて、所望
の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを、冷却
し、得られたストランドをカッティングすることでペレ
ットタイプとする方法、また、ペレットタイプのなかで
ポリオレフィン樹脂用核剤とポリオレフィン樹脂とのマ
スターバッチペレットとする方法などが例示される。
【0091】しかし、本発明のジアセタール組成物から
なる核剤は、前記のように、融点降下効果が大きいの
で、ポリオレフィン樹脂に本発明ジアセタール組成物を
配合してペレットを製造する際の温度を低温側にシフト
することができる。例えば、本発明のジアセタール組成
物(核剤)及びポリオレフィン樹脂を含有する混合物
を、ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上(特に160℃
以上、好ましくは180℃以上)であって且つ当該ジア
セタール組成物の融点以下の温度で溶融し、得られる溶
融物をペレット化することにより、容易にペレット形態
のポリオレフィン樹脂組成物を製造できる。
【0092】本発明に係るポリオレフィン樹脂用核剤の
配合量は、所望のジアセタールの核剤効果が得られる限
り特に限定されるものではなく、適宜選択することがで
きる。通常、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して
0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部配
合される。これらの範囲内で配合することにより所望の
ジアセタールの核剤効果を得ることができる。また、該
核剤とポリオレフィン樹脂とのマスターバッチペレット
の形態とする場合、該核剤はポリオレフィン樹脂100
重量部に対して、2〜20重量部、好ましくは5〜15
重量部配合されるが、ポリオレフィン樹脂で希釈して所
定の配合量へと調整することもできる。
【0093】本発明に係るポリオレフィン樹脂は、結晶
化度が5〜100%、好ましくは15〜95%の結晶性
樹脂であって、具体的にはポリエチレン系樹脂、立体規
則性ポリプロピレン系樹脂、立体規則性ポリブテン系樹
脂、立体規則性のエチレン−プロピレン−ブタジエン等
のターポリマー系樹脂、メチルペンテン系樹脂、ポリブ
タジエン等が例示される。
【0094】ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン含量50重量%
以上、特に70重量%以上のエチレンコポリマーが例示
される。
【0095】ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンホモポリマー及びプロピレン含量50重量%以上、特
に70重量%以上のプロピレンコポリマーが例示され
る。
【0096】ポリブテン系樹脂としては、ブテンホモポ
リマー及びブテン含量50重量%以上、特に70重量%
以上のブテンコポリマーが例示される。
【0097】メチルペンテン系樹脂としては、メチルペ
ンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以
上、特に70重量%以上のメチルペンテンコポリマーが
例示される。
【0098】上記各々のコポリマーは、ランダムコポリ
マーでもよく、ブロックコポリマーでもよい。又、これ
ら樹脂の立体規則性はアイソタクチックでもシンジオタ
クチックでも良い。
【0099】上記各々のコポリマーを構成し得るコモノ
マーとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネ
ン、デセン、ウンデセン、ドデセンなどのα−オレフィ
ン(特に炭素数2〜12のα−オレフィン)、1,4−
エンドメチレンシクロヘキセンなどのビシクロ型モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チルなどの(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、
マレイン酸などが例示できる。
【0100】かかる重合体を製造するために使用される
触媒としては、従来公知の触媒は特に制限なく使用可能
であり、一般に使用されているラジカル重合触媒やチー
グラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例
えば、三塩化チタン、四塩化チタンなどのチタンのハロ
ゲン化物)を塩化マグネシウムなどのハロゲン化マグネ
シウムを主成分とする担体に担持してなる触媒とアルキ
ルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムクロリドなど)とを組み合わせてなる
触媒系やメタロセン触媒が使用できる。
【0101】本発明に係るポリオレフィン系樹脂の推奨
されるメルトフローレート(以下「MFR」と略記す
る。JIS K 7210−1976)は、その使用され
る成形方法と成型物の物性に応じて適宜選択されるが、
通常、0.01〜200g/10分、好ましくは0.0
5〜100g/10分である。このMFRの範囲内であ
れば、樹脂の種類或いはMFRの異なるポリオレフィン
系樹脂の混合物も推奨される。
【0102】本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、
使用目的やその用途に応じて適宜、上記の従来公知のポ
リオレフィン用改質剤を本発明の効果を損なわない範囲
で添加することができる。
【0103】ポリオレフィン樹脂成形体 本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、本発明のポリオ
レフィン樹脂組成物を慣用の成形方法に従って成形する
ことにより得られる。
【0104】本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、既
知技術による成形体に比して、成形加工時にジアセター
ルの未分散物や未溶解物が劇的に減少し、最終製品にジ
アセタールの未分散物に基づくホワイトスポットやフィ
ッシュアイ等がなく外観に優れ、さらに透明性等も優れ
たポリオレフィン樹脂成形体である。さらに、低温成形
された場合は、黄変着色も飛躍的に改善される。
【0105】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物の
成形方法は、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成
形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法の
いずれをも採用できる。成形条件は、従来採用されてい
る条件が広い範囲から適宜選択される。
【0106】本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、従
来のジアセタールを核剤として配合してなるポリオレフ
ィン樹脂組成物が使用されてきたと同様の分野において
適用される。
【0107】具体的には、熱や放射線等により滅菌され
るディスポーザブル注射器、輸液・輸血セット、採血器
具等の医療用器具類;放射線等により滅菌される食品・
植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の
各種ケース類;食品を熱充填するためのカップ、レトル
ト食品の包装容器;電子レンジ用容器;ジュース、茶等
の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャンプー用等の缶、
ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用容器及びキャッ
プ;水、米、パン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷
蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車
用部品等の素材などが例示される。
【0108】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0109】本発明のジアセタール組成物の融点、均一
性、ポリオレフィン樹脂成形体の透明性(ヘイズ値)、
分散性及び貯蔵安定性を以下の方法により測定し、評価
した。
【0110】融 点 島津製作所製の示差走査熱量計「DSC−50」(商品
名)を用いて、10℃/分の速度で昇温し、ジアセター
ル由来のピーク温度を融点とした。試料を3mg採取し
て、標準サンプルにシリカゲル3mgを用いた。
【0111】均一性(粉砕物粒子中での融点降下性物質
の均一分散の確認) 粉砕して得られた粉末状ジアセタール組成物をクロスニ
コル下で、常温及び昇温下に偏光顕微鏡を用いて目視で
観察した。融点降下性物質が該粉末の粒子中に均一に分
散している場合を〇、均一でない場合を×で表示した。
【0112】ジアセタール組成物の貯蔵安定性 60℃の恒温槽にジアセタール組成物を2週間放置し、
組成物中のジアセタール含量をガスクロマトグラフィー
で分析した。加熱前のジアセタール含量を基準とし、残
存しているジアセタールの重量比を記載した。記載値が
大きいほど貯蔵安定性に優れている。
【0113】ヘイズ値(透明改質性) 東洋精機製作所のヘイズメーターを用いて、JIS K
6714、JISK 6717に準じて厚さ1.0m
mのポリオレフィン樹脂成形体のヘイズ値を測定した。
得られた数値が小さいほど透明性に優れている。
【0114】分散性(ポリオレフィン樹脂成形体中のジ
アセタール組成物の分散性) 5cm×5cm×1.0mmのポリオレフィン成形体1
0枚中の未分散核剤に基づくホワイトスポット(白色の
点)の数を目視で測定し、1枚当たりの平均値として求
めた。得られた数値が小さいほど分散性に優れている。
【0115】黄色度 分光測色計(商品名「CM−3500d」、ミノルタ株
式会社製)を用いて、ASTM D1925に準じて厚
さ2.0mmのポリオレフィン樹脂成形体の黄色度を測
定した。得られた数値が小さい程、黄系の着色がなく、
外観に優れている。
【0116】本発明にかかるジアセタール組成物の調製
方法およびポリオレフィン樹脂組成物の調製とその成形
方法は以下の方法を用いた。
【0117】ジアセタール組成物の調製方法 撹拌機、デカンター付き冷却管、温度計、ガス導入口お
よびオイルバスを備えた5L万能撹拌機(ダルトン社
製)に、ジアセタール300g、メタノール500gお
よび表1記載の実施例各項のアニオン系界面活性剤と脂
肪族モノカルボン酸を表1記載の実施例各項の重量比と
なる量を入れた。
【0118】窒素置換後、窒素気流下、オイルバス設定
温度70℃、撹拌速度50〜60rpmで3時間撹拌し
た(系は膨潤したペースト状となる)。次に蒸留水10
0gを添加して更に1時間同一条件下で撹拌した。
【0119】次に、徐々に減圧にして、メタノールおよ
び水を系外に除去した。メタノール及び水を大部分除去
してから、オイルバス設定温度を100℃として、減圧
度が2.0kPa以下に達してから5時間攪拌しながら
乾燥した。乾燥の終点は、ジアセタール組成物の揮発成
分含有量が1.0重量%以下となる点とした。
【0120】本調製方法により得られた実施例および比
較例のジアセタール組成物の揮発成分含有量は、すべて
0.3重量%以下であることを加熱減量法により確認し
た。
【0121】得られた乾燥物を小型粉砕機で粉砕して、
粉末状のジアセタール組成物とした。
【0122】ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方
エチレン含有量3.0重量%のアイソタクチックランダ
ムポリプロピレン樹脂(MFR=20g/10分、以
下、「r−PP」と略記する。)100重量部に対し
て、上記で調製されたジアセタール組成物をジアセター
ル純分換算で0.25重量部、ステアリン酸カルシウム
0.05重量部及びテトラキス[メチレン−3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオレート]メタン(商品名;イルガノックス101
0、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.05重
量部を配合して、ヘンシェルミキサーでドライブレンド
した。次に、樹脂温度220℃で一軸押出機(25mm
φ、L/D=380mm/20mm、回転数=40rp
m)を用いて溶融混練して、押出し、得られたストラン
ドを水冷し、次いで切断してペレット化して、ポリオレ
フィン樹脂組成物を得た。
【0123】得られたポリオレフィン樹脂組成物を樹脂
温度220℃、金型温度40℃の条件下で射出成形し、
ポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。
【0124】実施例1 表1に記載の重量比となるジアセタール組成物を上記ジ
アセタール組成物の調製方法に従って調製した。得られ
たジアセタール組成物の融点および均一性を評価し、そ
の評価結果を表1に記載した。
【0125】次に、得られたジアセタール組成物を用い
て、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に
従って、ポリオレフィン樹脂成形体を得た。得られたポ
リオレフィン成形体の透明性、分散性および黄色度を評
価し、その評価結果を表1に記載した。
【0126】尚、表1〜表3および表5において、各略
号は次の意味を表す: 「DBS」:1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D
−ソルビトール 「Me−DBS」:1,3:2,4−ビス−O−(p−
メチルベンジリデン)−D−ソルビトール 「3,4−DMDBS」:1,3:2,4−ビス−O−
(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトー
ル。
【0127】実施例2〜14 表1に記載の重量比となる各ジアセタール組成物を上記
ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。得ら
れた各ジアセタール組成物の融点、均一性を評価し、そ
の評価結果を表1に記載した。
【0128】次に、得られたジアセタール組成物を用い
て、ジアセタール純分換算で0.25重量部を0.2重
量部に代えた以外は上記ポリオレフィン樹脂組成物の調
製と成形方法に従って、ポリオレフィン樹脂成形体を得
た。得られたポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散
性および黄色度を評価し、その評価結果を表1に記載し
た。
【0129】比較例1〜3 表2に記載の構成成分の重量比を有する比較ジアセター
ル組成物を、上記ジアセタール組成物の調製方法に従っ
て調製した。
【0130】得られた比較用ジアセタール組成物の融
点、均一性を評価し、その評価結果を表2に記載した。
【0131】次に、得られた比較用ジアセタール組成物
を用いて、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形
方法に従って、比較用ポリオレフィン樹脂成形体を得
た。得られた比較用ポリオレフィン樹脂成形体の透明
性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表2
に記載した。
【0132】比較例4〜22 表2及び表3に記載の重量比となる比較用ジアセタール
組成物を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調
製した。
【0133】得られた比較用ジアセタール組成物の融
点、均一性を評価し、その評価結果を表2及び表3に記
載した。
【0134】次に、得られた比較用ジアセタール組成物
を用いて、ジアセタール純分換算で0.25重量部を
0.2重量部に代えた以外は上記ポリオレフィン樹脂組
成物の調製と成形方法に従って、比較用ポリオレフィン
樹脂成形体を得た。得られた比較用ポリオレフィン樹脂
成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評
価結果を表2及び表3に記載した。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】 上記表1〜表3の結果から、次の事項が明らかである。
【0138】1)融点降下の効果 表1〜表3の結果から明らかなように、(B)成分であ
るアニオン系界面活性剤と(C)成分である脂肪族モノ
カルボン酸とを併用することにより、それぞれ単独で使
用するよりも融点降下が大きい。仮に融点降下に加成性
が成り立つと仮定しても、その加成性以上の融点降下が
得られていることから、この現象は特異的であると言え
る。
【0139】2)分散性の促進効果 例えば実施例5と比較例6を比較した場合、融点以上の
樹脂温度で成形しているにも拘わらず、ポリオレフィン
樹脂成形体の分散性に有意な差が生じている。この有意
な差は、低温成形や商業ベースでの成形する際に、より
大きな差として現れる。この現象は、同程度の融点の場
合、夫々単独で使用するよりも併用した方が、分散性に
優れていることを示している。
【0140】3)アニオン系界面活性剤(B)成分の配
合量 (B)成分の重量比が大きい程、融点が低下する傾向が
ある。その反面、(B)成分の重量比が大きい程、ポリ
オレフィン樹脂の高度な透明性を阻害する傾向を示して
いる。
【0141】即ち、(B)成分の下限量は、融点降下の
効果に左右される傾向を示し、上限量はポリオレフィン
樹脂の改質効果に左右される傾向を示している。
【0142】実施例15〜25 本発明のジアセタール組成物について、低温成形特性を
試験した。即ち、実施例1〜8および10〜12で得ら
れたジアセタール組成物を用いて、ジアセタール組成物
の融点以下である混練り樹脂温度を200℃、射出成形
温度を200℃とした以外は上記のポリオレフィン樹脂
組成物の調製と成形方法に従って、ポリオレフィン樹脂
成形体を作成した。得られたポリオレフィン樹脂成形体
の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果
を表4に記載した。
【0143】比較例23〜29 比較例2、5〜8および10〜11で得られた比較用ジ
アセタール組成物を用いて、比較用ジアセタール組成物
の融点以下である混練り樹脂温度を200℃、射出成形
温度を200℃とした以外は上記のポリオレフィン樹脂
組成物の調製と成形方法に従って、比較用ポリオレフィ
ン樹脂成形体を作成した。得られた比較用ポリオレフィ
ン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、
その評価結果を表4に記載した。
【0144】
【表4】 表4の結果から明らかなように、本願発明のジアセター
ル組成物は、慣用成形温度(220〜260℃)よりも
低い成形温度200℃でも実用レベルの分散性を保持
し、さらに黄変着色も改善している。これに対して、比
較用ジアセタール組成物では、上記200℃での低温成
形では十分な分散性が得られているとは言い切れない。
【0145】実施例26 実施例1〜14および31で得られたジアセタール組成
物を用いて、貯蔵安定性を評価し、その評価結果を表5
に示した。何れのジアセタール組成物もジアセタールの
含有量は減少していなかった。
【0146】参考のため、実施例1〜14および31で
得られたジアセタール組成物の融点、均一性のデータ
(表1に記載)を、表5においても、まとめて示す。
【0147】比較例30および31 表5に記載の重量組成比となるように上記のジアセター
ル組成物の調製方法に従って、比較用ジアセタール組成
物を得た。得られた比較用ジアセタール組成物の融点、
均一性および貯蔵安定性を評価し、その評価結果を表5
に記載した。
【0148】
【表5】 表5の結果から明らかなように、L-酒石酸やDL-リンゴ
酸は融点降下が大きいが、その反面、60℃で2週間貯
蔵した場合に、ジアセタール含有量が約10%低下し
た。これに対して、本発明のジアセタール組成物は調製
直後のジアセタール含有量を保持し、貯蔵安定性に優れ
ている。
【0149】実施例27 r−PPの代わりにアイソタクチックホモポリプロピレ
ン樹脂(MFR=30g/10分、以下、「h-PP」と
略記する。)を用いた以外は、実施例5と同様に行い、
その評価結果を表6に記載した。
【0150】実施例28 r−PPの代わりに直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(M
FR=20g/10分、以下、「LLDPE」と略記す
る。)を用い、混練り樹脂温度および射出成形樹脂温度
を200℃とした以外は、実施例12と同様に行い、そ
の評価結果を表6に記載した。
【0151】比較例32 r−PPの代わりにh-PPを用いた以外は、比較例5と
同様に行い、その評価結果を表6記載した。
【0152】比較例33 r−PPの代わりにLLDPEを用い、混練り樹脂温度
および射出成形樹脂温度を200℃とした以外は、比較
例6と同様に行い、その評価結果を表6に示した。
【0153】
【表6】 表6の結果から明らかなように、r-PP以外にもh-PP
やLLDPEなど他のポリオレフィン樹脂に対しても、
本発明のジアセタール組成物が適用可能であり、r-PP
に適用して得られる分散性等の改善効果を、他の樹脂に
おいても発現していることが判る。
【0154】比較例34 本発明のジアセタール組成物を使用しない以外は、上記
ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、
比較樹脂成形体を作成し、その評価結果を表6に記載し
た。
【0155】比較例35 本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、r-PP
の代わりにh-PPを使用した以外は、上記ポリオレフィ
ン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較樹脂成形
体を作成し、その評価結果を表7に記載した。
【0156】比較例36 本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、r-PP
の代わりにLLDPE、混練り樹脂温度および射出成形
樹脂温度を200℃とした以外は、上記ポリオレフィン
樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用樹脂成形
体を作成し、その評価結果を表7に記載した。
【0157】比較例37 本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、混練り
樹脂温度および射出成形樹脂温度を200℃とした以外
は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に
従って、比較用樹脂成形体を作成し、その評価結果を表
7に記載した。
【0158】
【表7】 表7の結果から明らかなように、本願発明のジアセター
ル組成物を使用しない場合には、成形温度220℃及び
200℃における樹脂成形体のヘイズ値が大きく、透明
性が極端に低い。これに対して、前記表1等から判るよ
うに、本願発明のジアセタール組成物を使用した場合
は、ヘイズが著しく向上する。
【0159】また、黄色度については、ジアセタール組
成物をポリオレフィン樹脂用核剤に適応しても、ポリオ
レフィン樹脂自身の黄色度に悪影響を及ぼさない事か
ら、従来の使用方法で本願発明のジアセタール組成物が
使用できる。
【0160】実施例29および比較例38 図1に示す重量比となるジアセタール組成物(実施例2
9)及び比較用ジアセタール組成物(比較例38)を上
記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。融
点の測定結果を図1に示す。
【0161】図1は、ステアリン酸を2.0重量%に固
定した場合におけるラウリル硫酸ナトリウムの重量比
(X重量%)のジアセタールの融点降下の効果及びステ
アリン酸との併用効果に対する影響を示している。
【0162】即ち、実施例29の組成は、Me−DB
S:ラウリル硫酸ナトリウム:ステアリン酸=(98.
0−X):X:2.0であり、比較例38の組成は、M
e−DBS:ラウリル硫酸ナトリウム=(100−
X):Xである。
【0163】図1から次のことが判る: 1)ラウリル硫酸ナトリウム単独では、ジアセタール組
成物の融点を200℃以下にすることは容易ではなく、
5重量%を超える使用量が必要である。ラウリル硫酸ナ
トリウムをこの様に多量使用すると、ポリオレフィン樹
脂の透明性が悪くなる傾向がある。3重量%を超える
と、従来ポリオレフィン樹脂成形体が使用されてきた用
途に適用できない恐れがある。
【0164】これに対して、本発明に従い、ラウリル硫
酸ナトリウムとステアリン酸とを併用すると、ラウリル
硫酸ナトリウム使用量がわずか約2重量%でジアセター
ル組成物の融点が200℃以下となる。
【0165】2)ラウリル硫酸ナトリウムとステアリン
酸との併用効果により、ジアセタールの融点は、加成性
が成り立つと仮定した融点よりも更に低下する。
【0166】通常、融点降下については凝固点降下の理
論を基に添加量(モル)と融点降下にある範囲で直線性
が成り立つ。しかし、(B)成分または(C)成分の単
独だけでも凝固点降下の理論では説明ができない融点降
下の挙動を示すが、本願発明の(B)成分と(C)成分
を併用することにより、ジアセタールの融点の更なる降
下と分散性を向上させる効果から、成形樹脂温度の範囲
を低温側に広げることが可能となる。
【0167】3)実施例29におけるラウリル硫酸ナト
リウムの使用量は、融点降下の効果が0.1重量%以上
で発現していることから、下限量は0.1重量%であ
る。また、従来ポリオレフィン樹脂成形体が使用されて
きた用途を考慮した場合(特にポリオレフィン樹脂の透
明性)、上限の使用量は3重量%である。
【0168】図1から、工業的にジアセタール組成物の
製造する場合、安定的な性能と品質を得るためには該グ
ラフの勾配の緩やかとなる0.5〜2重量%が推奨され
る。
【0169】実施例30 図2に記載した重量比となるジアセタール組成物を上記
ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。融点
測定結果を図2に示す。
【0170】図2は、ラウリル硫酸ナトリウムの使用量
を1.0重量%に固定した場合におけるステアリン酸の
重量比(Y重量%)の融点降下及びラウリル硫酸ナトリ
ウムとの併用効果に対する影響を示すものであり、実施
例30の組成は、Me−DBS:ラウリル硫酸ナトリウ
ム:ステアリン酸=(99.0−Y):1.0:Yであ
る。
【0171】図2から次のことが判る: 1)ステアリン酸をラウリル硫酸ナトリウムと併用する
ことにより、ジアセタール組成物の融点が顕著に低下す
る。
【0172】2)実施例30におけるステアリン酸の使
用量は、0.3重量%以上で融点降下の効果および併用
効果が発現している。また、その上限の使用量は、ポリ
オレフィン樹脂の核剤効果、融点降下の効果および分散
性の促進効果から、5重量%である。
【0173】図2から、工業的にジアセタール組成物を
製造する場合、安定的な性能と品質を得るためには該グ
ラフの勾配の緩やかとなる1〜3重量%が推奨される。
【0174】3)実施例30におけるステアリン酸
[(C)成分]とラウリル硫酸ナトリウム[(B)成
分](1.0重量%)との併用効果は、(B)成分:
(C)=1:0.3以上で発現し、(B)成分:(C)
=1:4以上では併用効果は飽和状態に達している。即
ち、併用効果の観点から、(B)成分:(C)成分の重
量比は、1:0.3〜4、特に1:0.5〜3が推奨さ
れる。
【0175】実施例31 実施例5の粉末状ジアセタール組成物を用い、乾式圧縮
ロール造粒機を使用してロール圧力5MPaで幅25c
mの板状の圧縮物を得た。次に、ハンマーミルを用い
て、回転速度1000rpm、スクリーンメッシュの孔
径1mmの条件下で板状の圧縮物を解砕した。
【0176】得られた粒状ジアセタール組成物の平均粒
子径は、200μmであった。粒度分布測定には、乾式
粒度測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300
(高速多点処理型 Super Dry X)、マイクロトラック社
製)を使用した。
【0177】得られた粒状ジアセタール組成物の、融
点、及び均一性を評価した結果を表1に記載した。
【0178】上記粒状化法は、圧縮圧力、粉砕の回転速
度及びスクリーンメッシュ等により任意に粒度分布が調
整できる。しかも、上記程度のロール圧力で造粒する
と、粉塵の問題もなく、且つ、ポリオレフィン樹脂への
溶解性も良好である。
【0179】
【発明の効果】本発明によれば、ジアセタールの融点の
大幅な降下及びポリオレフィン樹脂への分散性の促進が
可能となった。その結果、ポリオレフィン溶融樹脂や各
種液体への溶解速度を上昇させたり、低温溶解や溶解時
間の短縮ができ、更に未溶解物が激減するなどの製品品
質や生産性を大幅に向上させることができる。
【0180】また、ポリオレフィン樹脂用核剤として使
用した場合、上記効用の他に、低温成形性により、ジア
セタール化物の昇華や黄色着色を抑制するばかりでな
く、外観の優れた透明性の高いポリオレフィン樹脂成形
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例29及び比較例38における融点測定結
果を示すグラフである。
【図2】実施例30における融点測定結果を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 稔明 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AC09 AC13 AC19 AF30 AH04 AH05 AH07 AH12 AH17 BB05 BB06 4J002 BB001 EF018 EF058 EL106 EV187 FD206 GG00 GG01 GM00 GN00 GQ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(1) 【化1】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ、
    水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
    アルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基
    又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整
    数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2
    つのR1基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン
    環と共にテトラリン環を形成していても良く、又、bが
    2である場合、2つのR2基は互いに結合してそれらが
    結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していて
    もよい。]で表される少なくとも1種のジアセタール、 (B)炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪族アルコー
    ル硫酸エステル塩、エチレンオキシド付加モル数1〜8
    のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)又は
    アルケニル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル
    塩、エチレンオキシド付加モル数1〜10のポリオキシ
    エチレンアルキル(炭素数8〜22)フェニルエーテル
    硫酸エステル塩、炭素数3〜6の多価アルコールと炭素
    数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール
    脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩及び炭素数8〜2
    2の飽和又は不飽和脂肪酸モノアルカノール(炭素数2
    〜6)アミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少
    なくとも1種の硫酸エステル塩であって、上記の硫酸エ
    ステル塩がリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩又は
    アンモニウム塩であるアニオン系界面活性剤の少なくと
    も1種、及び (C)分子内に少なくとも水酸基1個を有していてもよ
    い脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種からなる粒状
    又は粉末状ジアセタール組成物であって、 (B)成分及び(C)成分が、該粒状又は粉末状ジアセ
    タール組成物の粒子中に均一に分散しており、 該ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜
    3重量%、(C)成分が0.3〜5重量%の割合で存在
    しており、且つ、(B)成分+(C)成分の合計量が7
    重量%以下であることを特徴とするジアセタール組成
    物。
  2. 【請求項2】 (B)成分:(C)成分の重量比が1:
    0.3〜4である請求項1に記載のジアセタール組成
    物。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、炭素数10〜32の脂肪
    族モノカルボン酸である請求項1に記載のジアセタール
    組成物。
  4. 【請求項4】(B)成分が、ラウリル硫酸塩、ステアリ
    ル硫酸塩、オレイル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチ
    レンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテ
    ル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加
    モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸塩、ポリ
    オキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3
    モル)ノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチ
    レン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデ
    シルフェニルエーテル硫酸塩、モノラウリン酸グリセリ
    ル硫酸塩、モノステアリン酸グリセリル硫酸塩、ラウリ
    ン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、ステアリン
    酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、オレイン酸モ
    ノエタノールアミド硫酸エステル塩からなる群から選ば
    れる少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、該硫酸
    エステル塩がリチウム塩、ナトリウム塩及び/又はカリ
    ウム塩である請求項1〜3のいずれかに記載のジアセタ
    ール組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分が、カプリン酸、ラウリン
    酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12
    −ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、エイコ
    サン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モンタン酸、オ
    レイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリ
    ン酸、リシノレイン酸、及びエルカ酸からなる群から選
    ばれる少なくとも1種の脂肪族モノカルボン酸である請
    求項1〜4のいずれかに記載のジアセタール組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分が、1,3:2,4−O−ジ
    ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビ
    ス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトー
    ル、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリ
    デン)−D−ソルビトール及び1,3:2,4−ビス−
    O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビト
    ールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、 (B)成分が、ラウリル硫酸リチウム、ラウリル硫酸ナ
    トリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン
    (エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリル
    エーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレン
    オキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫
    酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(エチレンオキシ
    ド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリ
    ウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、 (C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
    酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及び
    オレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1又は2に記載のジアセタール組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のジア
    セタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂用核剤。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィン樹脂に請求項7記載の
    ポリオレフィン樹脂用核剤を配合してなるポリオレフィ
    ン樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン樹脂100重量部に対
    し、請求項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を0.
    01〜5重量部使用することを特徴とする請求項8記載
    のポリオレフィン樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載のポリオレフ
    ィン樹脂組成物を成形することにより得ることができる
    ポリオレフィン樹脂成形体。
  11. 【請求項11】 未分散核剤が実質的に存在しない請求
    項10に記載のポリオレフィン樹脂成形体。
  12. 【請求項12】 ポリオレフィン樹脂及び請求項7に記
    載のポリオレフィン樹脂用核剤を含有する混合物を、ポ
    リオレフィン樹脂の溶融温度以上であって、該ポリオレ
    フィン樹脂用核剤の融点以下の温度で均一混合し、得ら
    れる溶融物をペレット化することを特徴とするポリオレ
    フィン樹脂ペレットの製造方法。
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