JPH07278330A - 空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
平均粒径が0.1〜7μmである有機質の架橋高分子微
粒子を1.1〜40重量部配合してなる組成物を成形後
延伸してなり、内部に10〜100cc/100gの空
洞を無数に有する空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィル
ムを開示する。 【効果】 腰やクッション性を始めとする物性を満足す
ると共に、異物が無くてフィッシュアイ等の欠陥がなく
且つ耐溶剤性にも優れ、ラベル、ポスター、記録紙、刷
版用基材、包装材料等として極めて有用な空洞含有ポリ
オレフィン系樹脂フィルムを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、刷版用基材、包装材料等として使用される、フィ
ルム内部に無数の空洞を有する空洞含有ポリオレフィン
系樹脂フィルムに関し、より詳細には、軽量でクッショ
ン性に優れ且つ耐溶剤性に優れると共に、生産性が良好
で安価に製造することのできる空洞含有ポリオレフィン
系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルム
は、パール調、マット調等の表面性状に優れると共に、
腰やクション性等の機械的特性等においても優れたもの
であるところから、前述の様な用途に幅広く活用されて
いる。ところで、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィル
ムに空洞を形成する方法としては、ポリオレフィン系樹
脂中に炭酸カルシウム、二酸化珪素等の無機質微粒子や
該ポリオレフィンに対して非相溶の熱可塑性樹脂を微粒
子状に分散せしめたシート状物を縦・横方向に延伸する
方法が一般的に採用されている。
【0003】しかしながら無機質微粒子を使用する方法
では、一般的に使用される炭酸カルシウムや二酸化珪素
等の粒度分布が広く粗大粒子を含むため、メルトライン
のフィルター詰まりが起こったり、更には製膜時に粗大
粒子に起因する欠陥によって破断等を引き起こし、生産
性を阻害するばかりでなく、得られるフィルムはフィッ
シュアイ等の異物欠陥を有するものとなり、高品質のも
のが得られにくいという問題がある。
【0004】また、ポリオレフィンに非相溶の熱可塑性
樹脂を微粒子状に分散させる方法では、無機質微粒子の
場合の様に粗大粒子に起因する問題を生じることはな
い。しかしながらこの方法では、樹脂の分散状態が空洞
の均一性や空洞率に与える影響が非常に大きいにもかか
わらず、分散状態の制御が難しく、空洞を均一にしかも
目標空洞率に合わせることが困難である。しかも得られ
る空洞含有フィルムは表面の均一性に劣るものであるた
め、印画紙や感熱受像紙等として使用するには不適当で
あり、さらにはコーティング等の表面処理を行なうとき
に、ポリオレフィン中に分散した樹脂の溶出が起こって
表面状態を更に悪くするという問題も指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、従
来の空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムに見られる
前述の様な欠陥を解消し、フィッシュアイ等の欠陥を無
くすと共に表面処理における耐溶剤性を高め、更には高
生産性の下に製造し得る様な空洞含有フォリオレフィン
系樹脂フィルムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る空洞含有ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムの構成は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対し、平均粒径が0.1〜7μmである有機質の架橋高
分子微粒子を1.1〜40重量部配合してなる組成物を
成形後延伸してなり、その空洞含有率が10〜100c
c/100gであるところに要旨が存在する。尚、本発
明で使用される有機質の架橋高分子微粒子としては、ポ
リオレフィン系樹脂内への分散性が良好で均一な空洞を
万偏なく形成することができ、且つ耐溶剤性の一段と優
れたものを与えるという理由から、(メタ)アクリル系
モノマーやスチレン系モノマーをモノマー単位として含
む架橋高分子が好ましいものとして用いられる。
【0007】
【作用】上記の様に本発明に係る空洞含有ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂に対し、平
均粒径の特定された有機質の架橋高分子微粒子を特定量
部配合してなる組成物を成形後延伸してなり、内部に1
0〜100cc/100gの空洞が形成されたものであ
って、微細な空洞が全体に渡って万偏なく分散されてお
り、軽量で優れたクッション性を有するという空洞含有
樹脂フィルム本来の特徴を備えると共に、耐溶剤性に優
れたものであってコーティング等の表面処理工程で表面
荒れ等を生じることのない高品質の空洞含有ポリオレフ
ィン系樹脂フィルムである。
【0008】上記においてフィルムベースとなるポリオ
レフィン系樹脂としては、プロピレン、エチレン ブテ
ン、4−メチルペンテン−1の如く公知のオレフィンを
モノマー成分とする単独重合体や共重合体もしくはそれ
らの任意の混合物が使用される。また該ポリオレフィン
系樹脂中に分散される有機質の架橋高分子微粒子として
は、上記ポリオレフィン系樹脂の溶融成形温度条件下で
溶融することがなく、且つ同温度に耐える耐熱性を有す
るものであれば特に制限はなく、付加重合法、重縮合
法、重付加反応法など任意の方法で得られる架橋高分子
微粒子を使用することができ、また一旦非架橋構造のポ
リマーを製造した後架橋剤を用いて事後的に架橋させた
高分子微粒子を使用することも可能である。
【0009】但し該有機質架橋高分子微粒子は、平均粒
子径が0.1〜7μmの範囲のものを使用する必要があ
り、該粒子径が0.1μm未満の極微細なものである場
合は、たとえ添加量をかなり増やしたとしても本発明で
意図する様な空洞率を得ることができず、一方粒子径が
7μmを超える粗粒物になると、得られるフィルムが表
面凹凸の著しいものとなるばかりでなく、製造時の製膜
性や延伸性に欠けるものとなる。該微粒子のより好まし
い粒子径は0.5〜5.0μmの範囲であり、また該微
粒子は粒度分布の小さいものが好ましい。
【0010】また該微粒子の配合量は、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して1.1〜40重量部の範囲
とすることが必須であり、微粒子の配合量が不足する場
合はやはり本発明で意図する様な空洞率を得ることがで
きず、逆に多過ぎる場合は製膜性や延伸性に問題が生じ
てくる。該微粒子のより好ましい配合量は2.0〜30
重量部の範囲である。
【0011】更にこの有機質架橋高分子微粒子は、水滴
保持時間が5分以下のものが好ましい。即ち水滴保持時
間とは、下記の方法で測定される値であって、架橋高分
子微粒子の疎水性の度合いを示す指標となるものであ
り、水滴保持時間が5分を超えるものでは、延伸時にポ
リオレフィン系樹脂と微粒子間の界面剥離が起こりにく
くなって充分な空洞率が得られにくくなるからである。
【0012】(水滴保持時間の測定法)架橋高分子微粒
子を水平で平滑な台上で2枚の2軸延伸ポリプロピレン
フィルムの間に挟持し、上側フィルムを手で軽く押えて
厚さ2mmの平滑な微粒子層を形成した後、上側フィル
ムを静かに取り外す。得られた架橋高分子微粒子層の表
面にスポイドで直径3mmの水滴を高さ1cmの位置か
ら落とし、該水滴が架橋高分子微粒子層に吸収されて消
失するまでの時間を測定し、疎水性の指標とする。
【0013】尚、上記の有機質架橋高分子微粒子として
特に好ましいのは、(メタ)アクリル系モノマーおよび
/またはスチレン系モノマーをモノマー成分として含む
架橋高分子、中でも(メタ)アクリル−スチレン系の共
重合架橋高分子であって、これらの架橋高分子微粒子は
耐熱性および耐溶剤性が良好で且つ空洞形成性の優れた
ものであり、微細な空洞が均一に分散して形成された高
品質の空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを与え
る。
【0014】(メタ)アクリル系モノマーの具体例とし
ては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル等の(メタ)アクリル酸またはそのエステル誘導体
であり、これらのモノマーは単独で使用してもよく或は
2種以上を併用することもできる。また、少量であれば
(メタ)アクリル酸の金属塩、アミド誘導体、ヒドロキ
シエチルエステル、ジメチルアミノエステル等の誘導体
を併用しても構わない。
【0015】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレンまた
はその誘導体が挙げられる。また全モノマー成分中の含
有率が20重量%程度以下であれば、酢酸ビニル、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合
性ビニル系モノマーを配合することも有効である。これ
らモノマー成分の架橋法としては、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル等
の多官能性モノマーを高分子微粒子製造時に共重合させ
るか、高分子生成後に添加して架橋させる等の方法が例
示されるが、これらの製法には一切制限されない。
【0016】上記の有機質架橋高分子微粒子の平均粒径
や配合割合の最適値は、ポリオレフィン系樹脂の種類や
フィルムの厚さ、要求特性等によっても変わってくるの
で、目的とするフィルム特性に応じて前記範囲から最適
の値に設定すればよい。
【0017】上記の様に本発明における空洞含有ポリオ
レフィン系樹脂フィルムの必須構成素材は、ポリオレフ
ィン系樹脂と有機質架橋高分子微粒子であるが、本発明
の特徴を阻害しない範囲であれば、更に他の成分として
他の有機質樹脂や無機質微粒子を併用したり、高級脂肪
酸アミド、高級脂肪酸エステル、ワックス、金属石鹸等
の潤滑剤を併用する等によって、隠蔽性、滑り性、生産
性などを高めることも有効である。特にポスター、ラベ
ル、印画紙、受像紙等の印刷物として使用する場合は、
白色度や隠蔽力調整のため2酸化チタンなどが使用され
るが、本発明においても、フィルム欠陥や耐溶剤性、生
産性等を損なわない範囲で、2酸化チタンなどを同様の
目的で添加することも可能である。また、通常のポリオ
レフィン系樹脂フィルムに配合される公知の安定剤、耐
電防止剤、、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、加工助剤、可
塑化剤などを適宜配合することも可能である。
【0018】またポリオレフィン系樹脂への前記有機質
架橋高分子微粒子や必要により配合される副添加材等の
配合法にも格別の制限はないが、一般的な方法として
は、V型ブレンダー、スクリュー型ブレンダー、ドライ
ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等
の混合機を使用して均一に混合した後、混練ペレット化
する方法が一般的である。このペレットを使用して常法
によりシート状またはフィルム状に成形した後、該シー
トまたはフィルムを1軸もしくは2軸(好ましくは2
軸)延伸すると、本発明の空洞含有フィルムが得られ
る。
【0019】この延伸工程では、前述の如くポリオレフ
ィン系樹脂と架橋高分子微粒子との界面で剥離が起こっ
てその周囲に微細な空隙ができ、分散された該微粒子の
数に応じた数の微細な空洞が無数に形成され、本発明の
空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムが得られる。該
延伸工程では、得られるフィルムの空洞含有率が10〜
100cc/100gの範囲となる様、前記架橋高分子
微粒子の配合量等に応じて延伸倍率をコントロールする
ことが必要となる。しかして、空洞含有率が10cc/
100g未満では、パール調やクッション性等の特性を
充分に高めることができず、逆に100cc/100g
を超える高空洞率になると、パール調やクッション性が
飽和すると共にフィルム強度が乏しくなるので好ましく
ない。
【0020】尚、本発明のフィルムは単層構造および2
層以上の複層構造のものを包含するものであり、複層構
造のものには、積層状態で延伸を行なったもの及び延伸
後に積層したものが含まれる。また、必要によっては表
面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等
を施してヒートシール性や接着性を高めることも可能で
ある。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0022】尚、下記実施例で採用した測定法は次の通
りである。 [空洞含有率]空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルム
100g中に存在する空洞を、原料及び製品の密度から
下記式によって算出する。 空洞含有率=100×[1/D−(ΣMi/ρi)/1
00] 式中Miは原料別の混合割合(重量%)、ρiは各々の
密度、Dは延伸フィルムの見掛け密度を夫々表わす。
【0023】[耐溶剤性]メチルエチルケトン/トルエ
ン=1/1の混合溶媒100重量部に対して共重合ポリ
エステル(東洋紡績社製「バイロン200」)を30重
量部混合した溶液を、各試料フィルム上にマイヤーバー
を用いて乾燥厚みが10μmとなる様に塗布した後、1
20℃の雰囲気中で1分間乾燥し、塗布前後の光沢の差
の絶対値を耐溶剤性の指標とする。
【0024】[異物]各試料フィルム1m2 中の0.1
mm以上の異物を測定してその個数を求める。 [隠蔽性]JIS K 8714に従って全光線透過率
を求める。 [生産性]同一組成のフィルムを3時間連続的に製膜
し、その間の破断回数によって生産性をの良否を評価し
た。
【0025】実施例1 メルトインデックス2.5g/10分のポリプロピレン
100重量部に対して、水滴保持時間が2秒以内で、平
均粒子径が1.7μmであるほぼ単分散の粒径分布を示
す球状の架橋アクリル−スチレン系共重合体微粒子(メ
チルアクリレート/n−ブチルアクリレート/スチレン
/ジビニルベンゼンを重量比で36/27/36/1の
比率で使用し、乳化重合した後、乳化液から架橋重合体
微粒子を分離する際に水洗を1回行ない、微粒子表面に
付着している界面活性材を除去したもの)10重量部、
グリセリン樹脂酸エステル0.3重量部およびエルカ酸
アミド0.3重量部を混合した樹脂組成物を使用し、樹
脂温度280℃で溶融押し出しした後、80℃の冷却ロ
ールで冷却し、未延伸シートを得る。この未延伸シート
を縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度140℃
で縦方向に4.5倍延伸し、引き続いてテンター式延伸
機により延伸温度160℃で横方向に8倍延伸する。次
いで170℃で熱固定を行なって、厚さ約50μmの2
軸延伸フィルムとした後、片面にコロナ放電処理を行な
って、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムとする。
【0026】比較例1 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子の添加量を0.5重量部に代えた以外は全く
同様にして、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを
得た。 比較例2 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子の添加量を50重量部に代えた以外は全く同
様にして、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得
ようとしたが、製膜工程での破断が著しく、供試できる
様な空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得ること
はできなかった。
【0027】比較例3 上記実施例1において、平均粒子径が0.05μmの架
橋アクリル−スチレン系共重合体微粒子(粒子形状及び
粒子組成は実施例1と同じ)を使用した以外は全く同様
にして、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得
た。 比較例4 上記実施例1において、平均粒子径が10μmの架橋ア
クリル−スチレン系共重合体微粒子(粒子形状及び粒子
組成は実施例1と同じ)を使用した以外は全く同様にし
て、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0028】比較例5 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子に代えて、シクロペンタジエン系石油樹脂1
0重量部を使用した以外は全く同様にして、空洞含有ポ
リオレフィン系樹脂フィルムを得た。 比較例6 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子に代えて、平均粒子径が1.5μmの重質炭
酸カルシウムを使用した以外は全く同様にして、空洞含
有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0029】実施例2 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子に代えて、水滴保持時間が1分である平均粒
子径が1.7μmのほぼ単分散の粒度分布を示す球状の
架橋アクリル系樹脂微粒子[組成:メチルメタクリレー
ト/トリメチロールプロパントリメタクリレート/=9
8/2(重量部)]を使用し、且つその添加量を12重
量部とし、更に隠蔽材として2酸化チタンを3重量部添
加した以外は実施例1と全く同様にして、空洞含有ポリ
オレフィン系樹脂フィルムを得た。 比較例7 上記実施例2において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子を配合しなかった以外は全く同様にして、空
洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0030】実施例3 上記実施例1において、架橋アクリル−スチレン系共重
合体微粒子に代えて、水滴保持時間が2秒以下で、平均
粒子径が1.3μmのほぼ単分散の粒径分布を示す球状
の架橋ポリスチレン系樹脂微粒子[懸濁重合法を採用、
組成:スチレン/ジビニルベンゼン=98/2(重量
部)]を使用した以外は全く同様にして、空洞含有ポリ
オレフィン系樹脂フィルムを得た。 比較例8 上記実施例3において、架橋ポリスチレン系共重合体微
粒子の添加量を0.8重量部に代えた以外は全く同様に
して、空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
【0031】上記で得た各空洞含有ポリオレフィン系樹
脂フィルムの特性は下記表1に一括して示す通りであ
り、実施例1〜3で得られるフィルムは、何れも優れた
空洞含有率と耐溶剤性等の要求特性を満足しており、フ
ィッシュアイ等の異物欠陥も見られず、高品質のもので
ある。これらに対し、比較例1,3,7,8で得られた
フィルムは、本来の目的である空洞率が不足しており、
また比較例2,4のフィルムは、空洞率は充分であるも
のの破断が頻発し、生産性及び品質を満足できない。更
に比較例5のフィルムは耐溶剤性に欠けるものであり、
比較例6は異物の数が多く、何れも品質上の問題を有し
ていることが分かる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、空
洞形成のための成分として有機質の架橋高分子微粒子を
特定量配合し、特定量の空洞率を与えることによって、
腰やクッション性を始めとする物性を満足すると共に、
異物が無くてフィッシュアイ等の欠陥がなく且つ耐溶剤
性にも優れ、ラベル、ポスター、記録紙、刷版用基材、
包装材料等として極めて有用な空洞含有ポリオレフィン
系樹脂フィルムを提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久世 勝朗 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、平均粒径が0.1〜7μmである有機質の架橋高分
    子微粒子を1.1〜40重量部配合してなる組成物を成
    形後延伸してなり、その空洞含有率が10〜100cc
    /100gであることを特徴とする空洞含有ポリオレフ
    ィン系樹脂フィルム。
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