JP2000072922A - ポリオレフィン系樹脂組成物及びその延伸フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物及びその延伸フィルム

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JP2000072922A
JP2000072922A JP10259446A JP25944698A JP2000072922A JP 2000072922 A JP2000072922 A JP 2000072922A JP 10259446 A JP10259446 A JP 10259446A JP 25944698 A JP25944698 A JP 25944698A JP 2000072922 A JP2000072922 A JP 2000072922A
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polyolefin
crosslinked polymer
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film
weight
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JP10259446A
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English (en)
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Gen Kanai
玄 金井
Koichi Hirayama
浩一 平山
Yasushi Itaba
康 板場
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、滑り性、耐ブロッキング性、耐スク
ラッチ性及び耐脱落性に優れたポリオレフィンフィルム
を与えるポリオレフィン系樹脂組成物及びそのフィルム
を提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、特定の官能基を含有する体積平均粒径0.3〜1
0μmの架橋ポリマー微粒子0.05〜1.0重量部及
び特定の酸変性ポリオレフィン系樹脂0.01〜5重量
部を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物及び該組
成物を少なくとも一軸方向に延伸して得られる延伸ポリ
オレフィンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、滑り性、
耐ブロッキング性、耐スクラッチ性、及び耐脱落性に優
れた延伸ポリオレフィンフィルムを製造するのに適した
ポリオレフィン系樹脂組成物及びおよびそれを用いた延
伸ポリオレフィンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】延伸ポリオレフィンフィルム、中でも延
伸ポリプロピレンフィルムは、その優れた透明性、機械
的特性の故に食品包装、繊維包装等広範囲な用途に使用
されている。しかし、延伸ポリプロピレンフィルム自身
は、耐ブロッキング性に劣るという欠点を有している。
このような問題点を解決するため、従来から多くの検討
がなされており、無機系の微粒子を添加する方法(特公
昭52−16134号公報)、有機系微粒子を添加する
方法(特公昭50−36262号公報)等のアンチブロ
ッキング剤を添加する方法が提案されている。
【0003】無機系の微粒子をアンチブロッキング剤と
して用いた場合、無機微粒子とポリオレフィン系樹脂と
の親和性が不十分であるため、フィルム延伸時に空孔
(ボイド)が発生し、透明性が悪化する。さらに、フィ
ルム表面の突起形状ならびに硬度に由来するフィルム同
士の擦れ合いによる表面傷つき性、いわゆる耐スクラッ
チ性が不良になるなどの問題がある。また、有機系の微
粒子を添加する方法でも有機微粒子として、架橋ポリメ
チルメタクリレート微粒子等を用いる方法(特開平5−
214120号公報)等があるが、ポリオレフィン系樹
脂との親和性が不十分であるためフィルム延伸時にボイ
ドが発生し、透明性が悪化したり、製膜時または2次加
工時にアンチブロッキング剤が脱落してしまう等の欠点
を有している。2次加工時にアンチブロッキング剤が脱
落すると、印刷抜けや傷つき等、フィルム品質が劣化す
る等の問題を生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、滑り性、耐ブロッキング性、耐スクラッチ性、及び
耐脱落性に優れた延伸ポリオレフィンフィルムを与える
ポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを用いた延伸フィ
ルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の官能基を有
する架橋ポリマー微粒子をアンチブロッキング剤として
用い、更に酸変性ポリオレフィンを相溶化剤として用い
ることにより、上記課題を解決するポリオレフィン系樹
脂組成物及びその延伸フィルムが得られることを見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対して、ポリマーー鎖内に
下記構造式にて示される一群の中から選ばれる一種類以
上の官能基を含有する体積平均粒径0.3〜10μmの
架橋ポリマー微粒子0.05〜1.0重量部、
【0006】
【化1】 及びJIS K0070で規定される酸価が1.0〜1
00mgKOH/gの酸変性ポリオレフィン系樹脂0.
01〜5重量部を配合してなるポリオレフィン系樹脂組
成物及び該組成物を少なくとも一軸方向に延伸して得ら
れる延伸ポリオレフィンフィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。 1.ポリオレフィン系樹脂 本発明で使用されるポリオレフィン系樹脂は、たとえば
プロピレン、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4
−メチルペンテン−1等の単独重合体もしくは共重合体
またはこれら重合体の混合物であり、中でも、ポリプロ
ピレン系樹脂を用いることが好ましい。本発明で使用さ
れるポリプロピレン系樹脂は、公知のプロピレンを主体
とする重合体であり、そのような例としては、プロピレ
ン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共
重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−
ブテン−1共重合体、これらの混合物等を挙げることが
できる。また、これらの重合体には必要に応じてポリエ
チレン、ポリブテン−1、スチレン系樹脂、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体ゴム等を添加することも可能である。
【0008】2.架橋ポリマー微粒子 本発明で用いる架橋ポリマー微粒子は、分子内に下記構
造式に示す一群の中から選ばれる一種類以上の官能基を
含有することを特徴としている。
【0009】
【化1】
【0010】架橋ポリマー微粒子に上記のような官能基
を導入する方法としては、例えば上記構造式に示される
官能基を含有するラジカル重合性モノマーもしくは保護
基により保護された状態の官能基を含有するラジカル重
合性モノマーまたは当該官能基の前駆体を含有するラジ
カル重合性モノマーを共重合することにより導入する方
法や、重合が完了した架橋ポリマー微粒子を化学的に処
理することにより官能基を導入する方法が挙げられる。
【0011】上記構造式に示される官能基を有するラジ
カル重合性モノマーとしては、例えばグリシジルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−
メチロールアクリルアミド、メタクリル酸アミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルア
ミド、アクリルイソシアナート等のアクリル系モノマ
ー、o−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−ア
ミノスチレン等のスチレン系モノマー等が挙げられる。
【0012】上記構造式に示される官能基の前駆体もし
くは保護基により保護された状態の官能基を含有するラ
ジカル重合性モノマーとしては、例えばアミンイミド構
造を持つ化合物等が挙げられる。アミンイミド系の官能
基は、一般に加熱することによりイソシアナート基を生
成することが知られており、イソシアナートの前駆体と
なる。またアミンイミド系の官能基は、イソシアナート
基に比べ反応性がきわめて低いため、取り扱いが容易で
あるという優位点もある。
【0013】上記ラジカル重合性モノマーと共重合可能
なモノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロ
フルフリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル系モ
ノマーや、5−ヘキセン酸メチル、スチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン等の
スチレン系モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、エチ
レン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。また、これ
らのモノマーを複数種組み合わせて用いることも可能で
ある。
【0014】架橋性モノマーとしては、例えば、トリア
クリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチ
レングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタク
リル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタ
デカエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチ
レン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチ
ロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリト
ール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等
の(メタ)アクリル系モノマーや、ジビニルペンゼン、
ジビニルナフタレン、これらの誘導体等の芳香族ジビニ
ル化合物、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテ
ル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルフォン酸、等
の架橋剤、更にポリブタジエン、ポリイソプレン、不飽
和ポリエステル等が挙げられる。
【0015】上記官能基を含有するラジカル重合性モノ
マーもしくは保護基により保護された状態の官能基を含
有するラジカル重合性モノマーまたは当該官能基の前駆
体を含有するラジカル重合性モノマーと共重合可能なモ
ノマー及び架橋性モノマーとの共重合方法としては、例
えば、乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法、ソープフ
リー重合法、シード重合法、膨潤重合法、マイクロサス
ペンジョン重合法等が挙げられる。
【0016】本発明で使用する架橋ポリマー微粒子の平
均粒径は、体積平均粒径が0.3〜10μm、好ましく
は0.7〜3μmである。平均粒径が0.3μm未満で
あると、フィルムに成形した場合充分な耐ブロッキング
性を付与できず、また平均粒径が10μmを超えるとフ
ィルム延伸時に架橋ポリマー微粒子とポリオレフィン間
の界面に大きな応力集中が生じることにより界面剥離が
生じてボイドが発生し、透明性、耐脱落性が悪化するこ
とになる。
【0017】3.架橋ポリマー微粒子の処理 本発明においては、前記構造式で示される官能基を含有
するラジカル重合性モノマーもしくは保護基により保護
された状態の官能基を含有するラジカル重合性モノマー
または当該官能基の前駆体を含有するラジカル重合性モ
ノマーを共重合することにより架橋ポリマー微粒子に上
記構造式に示される官能基を導入する方法の他に、重合
が完了した架橋ポリマー微粒子を化学的に処理すること
により上記構造式に示される官能基を導入する方法をと
ることもできる。例えば、カルボキシル基を含有してい
る架橋ポリメチルメタクリレート微粒子をエタノール中
で過剰のヘキサメチレンジアミンと処理することによ
り、アミノ基を含有する架橋ポリマー微粒子を得ること
ができる。また、カルボキシル基含有もしくは水酸基含
有架橋ポリマー微粒子を過剰の多価イソシアナートで処
理することにより、イソシアナート基を含有する架橋ポ
リマー微粒子を得ることができる。さらに、架橋ポリス
チレン等の芳香族環を有する架橋ポリマー微粒子を化学
的に処理することにより、種々の官能基を導入すること
ができる。
【0018】4.酸変性ポリオレフィン系樹脂 本発明で用いる酸変性されたポリオレフィン系樹脂とし
ては、製法は特に問わないが、不飽和カルボン酸、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、ハイミツク酸、あるいはそれらの無
水物を公知の方法、例えば溶融グラフト法や溶液グラフ
ト法等でポリプロピレン系樹脂にグラフト重合させるこ
とで得られる酸変性ポリプロピレン系樹脂が挙げられ
る。これらの不飽和カルボン酸又はその無水物は、単独
でも2種類以上を併用して用いることもできる。
【0019】また、本発明で使用される酸変性されたポ
リオレフィン系樹脂は、JIS K0070で規定され
る酸価が1.0〜100mgKOH/gのもので、好ま
しくは5〜60mgKOH/gである。酸価が1.0m
gKOH/g未満であると、透明性、耐脱落性が悪化す
る。一方、100mgKOH/gを超えると、操業性が
悪化する。このような酸変性されたポリオレフィン系樹
脂は、市販のものから適宜選択して用いることができ、
例えばユーメックスシリーズ(三洋化成工業(株)製)
等の市販の無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用いる
ことができる。
【0020】5.ポリオレフィン系樹脂組成物 本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、前記ポリオレ
フィン系樹脂と前記架橋ポリマー微粒子と前記酸変性ポ
リオレフィン系樹脂よりなる組成物であり、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して架橋ポリマー微粒子を
0.05〜1重量部、好ましくは0.07〜0.5重量
部、酸変性ポリオレフィン系樹脂を0.01〜5重量
部、好ましくは0.02〜2重量部配合する。架橋ポリ
マー微粒子が0.05重量部未満では、充分な滑り性、
耐ブロッキング性が得られず、1重量部を超えると、透
明性が悪化するので好ましくない。また、酸変性ポリオ
レフィン系樹脂が0.01重量部未満では透明性、耐脱
落性の改善が充分でなく、また、5重量部を超えるとフ
ィルム製膜時の操業性が悪化するので好ましくない。本
発明のポリオレフィン系樹脂組成物から、透明性と耐ブ
ロッキング性のバランスに優れ、また、架橋ポリマー微
粒子の耐脱落性に優れた延伸フィルムを得ることができ
る。
【0021】ポリオレフィン系樹脂に架橋ポリマー微粒
子および酸変性ポリオレフィン系樹脂を配合する方法と
しては、架橋ポリマー微粒子及び酸変性ポリオレフィン
系樹脂が均一に分散する方法であればどのような方法で
も良いが、例えばポリオレフィン系樹脂、架橋ポリマー
微粒子及び酸変性ポリオレフィン系樹脂をリボンブレン
ダー、ヘンシェルミキサー等により混合した後、混合物
を押出機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、その
際、酸化防止剤、帯電防止剤、中和剤、滑剤等の添加物
を適宜添加することができる。
【0022】また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、延伸フィルムでの最終組成が前記組成範囲内であ
ればよく、例えば高濃度マスターバッチを予め作成し、
延伸フィルム製造時にドライブレンドなどの方法を用い
て所定の濃度に希釈することが可能である。
【0023】6.フィルム 本発明の延伸フィルムは、前記で得られたポリオレフィ
ン系樹脂組成物を溶融押出した後、冷却し、ついで公知
の方法により少なくとも一軸方向以上に延伸して製造す
る。本発明のフィルムの厚みは特に限定されないが、2
00μm以下であり、好ましくは5〜100μm、更に
好ましくは10〜50μmである。さらに、本発明にの
延伸フィルムは2層以上の多層フィルムあるいは積層フ
ィルムとしてもよく、少なくとも一方の表層に本発明の
樹脂組成物を用いる。この場合、該多層フィルムの表層
を構成する樹脂の組成が前記樹脂組成物の組成範囲内で
あればよい。積層フィルムを得る方法としては、多層共
押出法やドライラミネート法が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例、及び比較例によって本発明を
更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例によっ
て特に限定を受けるものではない。なお、本発明の詳細
な説明及び実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で
測定した。 (1)ヘイズ(単位%):JIS K7105に準拠し
て測定し、透明性の尺度として用いた。
【0025】(2)耐ブロッキング性(単位g/10c
2):2枚のフィルムのコロナ処理面同士を接触面積
が40cm2になるように重ねて、2枚のガラス板の間
に置き、2Kgの荷重をかけて50℃、湿度50%の雰
囲気下24時間放置した後、引張試験機を用いて引張速
度150mm/分にて引き剥がして、その最大荷重を読
みとって評価した。
【0026】(3)滑り性:ASTM D−1894に
準拠して静摩擦係数(μs)および動摩擦係数(μd)
を測定した。
【0027】(4)耐スクラッチ性:100×300m
mのフィルム(フィルムA)をガラス板にたるみ、しわ
がないように固定した。さらに、100×300mmの
フィルム(フィルムB)をフィルムAに乗せ、フィルム
Bの中央部に200gのおもりを5×5cmの面積で接
触させるように乗せた。次に、フィルムBを水平移動さ
せることによって、10cmの間を100回擦りあわせ
た。フィルムAの擦りあわせ前後のヘイズを測定し、そ
の差であるΔヘイズをフィルムの耐スクラッチ性の尺度
とした。数値が小さい方が良好である。
【0028】(5)耐脱落性:100×300mmのフ
ィルムをガラス板にたるみ、しわがないように固定し
た。また、100×50mmの黒紙を、ガーゼを三重に
巻き付けた100×10mmの接触面積を有する棒に巻
き付け、固定した。両者を振幅200mm、振とう速度
72回/分の条件で、10分間擦り合わせた。黒紙への
アンチブロッキング剤の付着状況を目視により、次の基
準で評価した。 ◎:付着が認められない。 ○:ほとんど付着が認められない。 △:わずかに付着が認められる。 ×:付着が認められる。
【0029】また、実施例及び比較例では、次の架橋ポ
リマー微粒子を用いた。 架橋ポリマー微粒子A 根上工業(株)製アートパール4P(体積平均粒径:
1.9μmの架橋ポリメチルメタクリレート微粒子)
【0030】 架橋ポリマー微粒子B グリシジルメタクリレート/メタクリル酸メチル/トリ
メタクリル酸トリメチロールプロパンを重量比で10/
80/10の比率で使用し、乳化重合法にて、体積平均
粒径:1.8μmのものを得た。
【0031】 架橋ポリマー微粒子C 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メ
チル/トリメタクリル酸トリメチロールプロパンを重量
比で10/80/10の比率で使用し、乳化重合法に
て、体積平均粒径:1.8μmのものを得た。
【0032】 架橋ポリマー微粒子D メタクリル酸アミド/メタクリル酸メチル/トリメタク
リル酸トリメチロールプロパンを重量比で10/80/
10の比率で使用し、乳化重合法にて、体積平均粒径:
1.8μmのものを得た。
【0033】 架橋ポリマー微粒子E メタクリル酸/メタクリル酸メチル/トリメタクリル酸
トリメチロールプロパンを重量比で10/80/10の
比率で使用し、乳化重合法にて、体積平均粒径:1.8
μmのものを得た。2lのフラスコ中にヘキサメチレン
ジアミン50gを500mlのエタノールに溶かし、先
に得られた架橋ポリマー微粒子300gをフラスコ内に
徐々に加え、還流装置を取り付け、マグネチックスター
ラーを用いて24時間沸騰条件下で撹拌した。得られた
架橋ポリマー微粒子を500mlのエタノール中で5回
洗浄し、減圧下一晩乾燥させて架橋ポリマー微粒子Eを
得た。得られた架橋ポリマー微粒子EをIRにて観察し
たところ、1650cm-1付近にアミド基に起因する吸
収が確認されたことにより、反応の進行を確認した。
【0034】 架橋ポリマー微粒子F 2lのフラスコ中にジフェニルメタンジイソシアナート
50gを500mlのエーテルに溶かし、架橋ポリマー
微粒子C300gを徐々にフラスコ中に加え、マグネチ
ックスターラーを用いて窒素雰囲気下24時間室温にて
撹拌した。得られた架橋ポリマー微粒子を500mlの
エーテルで5回洗浄し、減圧下一晩乾燥させて架橋ポリ
マー微粒子Fを得た。得られた架橋ポリマー微粒子Fを
IRにて観察したところ、2260cm-1付近にイソシ
アナート基に起因する吸収が確認されたことにより、反
応の進行を確認した。
【0035】実施例1 メルトフローレート2.3g/10分のポリプロピレン
パウダー85重量%、架橋ポリマー微粒子B10重量
%、酸変性ポリオレフィン系樹脂として三洋化成工業
(株)製ユーメックス1001(酸価:26mgKOH
/g)5重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し
て、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、BHT
(2,6−ジターシャリーブチルヒドロキシトルエン)
0.2重量部、及びIrganox1010(チバガイ
ギー社製)0.05重量部をヘンシェルミキサーで混合
した後、45mm二軸押出機で造粒し、ペレット化し
た。得られたペレットとメルトフローレート2.3g/
10分のポリプロピレンパウダー100重量部、ステア
リン酸カルシウム0.1重量部、BHT(2,6−ジタ
ーシャリーブチルヒドロキシトルエン)0.2重量部、
及びIrganox1010(チバガイギー社製)0.
05重量部、帯電防止剤としてのポリオキシエチレンア
ルキルアミン脂肪酸エステル1.1重量部をヘンシェル
ミキサーで混合した後65mm押出機で造粒して得られ
たポリプロピレンペレットとをリボンミキサーにて架橋
ポリマー微粒子の濃度がポリプロピレン100重量部に
対して0.2重量部となるよう混合し、ペレット混合物
をTダイから溶融押出し、チルロールで急冷しフィルム
を得、得られたフィルムをテンター式二軸延伸機で縦方
向に140℃で5倍、横方向に155℃で9倍に延伸し
て、厚さ20μmの延伸フィルムを得た後、片面にコロ
ナ処理を施した。得られたフィルムの評価結果を表1に
示した。
【0036】実施例2 実施例1の架橋ポリマー微粒子Bを架橋ポリマー微粒子
Cに代えた以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0037】実施例3 実施例1の架橋ポリマー微粒子Bを架橋ポリマー微粒子
Dに代えた以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0038】実施例4 実施例1の架橋ポリマー微粒子Bを架橋ポリマー微粒子
Eに代えた以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0039】実施例5 実施例1の架橋ポリマー微粒子Bを架橋ポリマー微粒子
Fに代えた以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0040】比較例1 実施例1の架橋ポリマー微粒子Bを架橋ポリマー微粒子
Aに代えた以外は実施例1と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。実施例の
フィルムに比べてヘイズが悪化し、また、耐脱落性も悪
化した。
【0041】比較例2 メルトフローレート2.3g/10分のポリプロピレン
パウダー90重量%、架橋ポリマー微粒子C10重量%
からなる樹脂組成物100重量部に対して、ステアリン
酸カルシウム0.1重量部、BHT(2,6−ジターシ
ャリーブチルヒドロキシトルエン)0.2重量部、及び
Irganox1010(チバガイギー社製)0.05
重量部をヘンシェルミキサーで混合した後、45mm二
軸押出機で造粒し、ペレット化した。得られたペレット
と、メルトフローレート2.3g/10分のポリプロピ
レンパウダー100重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部、BHT(2,6−ジターシャリーブチル
ヒドロキシトルエン)0.2重量部、Irganox1
010(チバガイギー社製)0.05重量部及び帯電防
止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸
エステル1.1重量部をヘンシャルミキサーで混合した
後65mm押出機で造粒して得られたポリプロピレンペ
レットとをリボンミキサーにて架橋ポリマー微粒子の濃
度がポリプロピレン100重量部に対して0.2重量部
となるよう混合し、ペレット混合物をTダイから溶融押
出し、チルロールで急冷しフィルムを得、得られたフィ
ルムをテンター式二軸延伸機で縦方向に140℃で5
倍、横方向に155℃で9倍に延伸して、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。実施例の
フィルムに比べてヘイズが悪化し、また、耐脱落性も悪
化した。
【0042】比較例3 比較例2の架橋ポリマー微粒子Cを架橋ポリマー微粒子
Eに代えた以外は比較例2と同様にして、厚さ20μm
の延伸フィルムを得た後、片面にコロナ処理を施した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示した。実施例ノ
フィルムに比べてヘイズが悪化した。また、耐脱落性も
悪化した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、透明性、滑り性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング
性、及び耐脱落性に優れた延伸フィルムを与える。ま
た、本発明による延伸フィルムはその優れた滑り性、耐
ブロッキング性、耐脱落性により操業性に優れ、尚かつ
その優れた透明性により、食品包装、繊維包装などの広
範囲の使用に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板場 康 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社川崎技術センター内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA20 AA32 AA33 AA35 AA77 AA78 AD02 AF01Y AF27 AF28 AF30 AH04 BA01 BB07 BC01 4J002 BB011 BB111 BB203 BB212 BC023 BC093 BC103 BD173 BF023 BG013 BG063 BG073 BG133 BN052 CD203 FA083 FB083 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)、(2)および(3)成分を
    含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。 (1)ポリオレフィン系樹脂100重量部 (2)ポリマー鎖内に下記構造式にて示される一群の中
    から選ばれる一種類以上の官能基を含有する体積平均粒
    径0.3〜10μmの架橋ポリマー微粒子0.05〜
    1.0重量部 【化1】 (3)JIS K0070で規定される酸価が1.0〜
    100mgKOH/gの酸変性ポリオレフィン系樹脂
    0.01〜5重量部
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
    系樹脂である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組
    成物を少なくとも一軸方向に延伸して得られる延伸ポリ
    オレフィンフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
    系樹脂である請求項3記載の延伸ポリオレフィンフィル
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001072813A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Japan Polychem Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその延伸フィルム
JP2019116589A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 株式会社クラレ 熱可塑性ポリオレフィン制振材

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