JP3319115B2 - ポリオレフィン系フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系フィルム

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JP3319115B2 JP35030193A JP35030193A JP3319115B2 JP 3319115 B2 JP3319115 B2 JP 3319115B2 JP 35030193 A JP35030193 A JP 35030193A JP 35030193 A JP35030193 A JP 35030193A JP 3319115 B2 JP3319115 B2 JP 3319115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性、滑り性および耐
ブロッキング性に加え、フィルムの巻き特性にも優れた
ポリオレフィン系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系フィルムの滑り
性、耐ブロッキング性を改良する方法として無機の微粒
子を添加したもの(例えば特公昭52−16134号公
報、特公昭42−24523号公報、特開平3−993
8号公報)や有機ポリマーの微粒子を添加したもの(例
えば特開昭49−11945号公報、特開昭57−64
522号公報、特開昭62−39219号公報)などが
知られている。
【0003】これらの方法の中で有機ポリマー微粒子を
用いる方法は、無機微粒子を用いる方法に比べ、透明性
や耐スクラッチ性に優れたフィルムが得られることから
有用であるが、透明性と滑り性や耐ブロッキング性のバ
ランスにおいては不充分であり、高度な市場要求を満足
するレベルには到達していないという問題があった。す
なわち、高度な透明性を達成するために微粒子の量を低
減させると、滑り性や耐ブロッキング性が悪化し、フィ
ルムの製造工程や加工工程での作業性に問題が生じ、逆
に、滑り性や耐ブロッキング性の特性を満足させると透
明性が低下してしまうため、「透明性」と「滑り性や耐
ブロッキング性」の相反する特性が、両方とも優れてい
るフィルムは得られていないのが現状である。
【0004】また、近年フィルムの印刷やラミネート等
の加工装置の自動化が急速に進み、巻き特性の優れたフ
ィルムが要求されている。フィルムの巻き特性を向上さ
せるためには、フィルムを巻く時にフィルム間に巻き込
まれる空気を逃げ易くして、巻き込まれた空気に由来す
るしわの発生や巻きずれを可及的に防止することが重要
である。具体的には、フィルム中に含まれる微粒子の粒
径を大きくすることで達成できるが、これでは透明性が
悪化してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決するものであり、その目的は、透明性、滑り
性および耐ブロッキング性に加え、フィルムの巻き特性
にも優れたポリオレフィン系フィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
系フィルムは、ポリオレフィン100重量部に対して、
下記方法により測定される水滴保持時間が10秒以上で
あり、かつ平均粒径0.1〜1.5μmの有機ポリマー
微粒子(1) 0.05〜1重量部と、該水滴保持時間が1
0秒以上で、かつ平均粒径1.5〜7.0μmで前記微
粒子(1) より大粒径の有機ポリマー微粒子(2) 0.01
〜0.5重量部が含まれているところに要旨を有する。
また有機ポリマー微粒子が、(メタ)アクリル系モノマ
ーおよび/またはスチレン系モノマーを含むモノマー成
分からなるポリマーであることは本発明の好ましい実施
態様である。
【0007】[水滴保持時間]有機ポリマー微粒子を水
平で平滑な台上で2枚の2軸延伸ポリプロピレンフィル
ムの間に挟持させ、上側フィルムを手で軽く押さえて厚
さ2mmの平滑な有機ポリマー微粒子層を形成した後、
上側フィルムを静かに取り外す。得られた有機ポリマー
微粒子層表面にスポイドで直径3mmの水滴を高さ1c
mのところから落とし、該水滴が有機ポリマー微粒子層
に吸収され水滴が消失するまでの時間を水滴保持時間と
する。
【0008】
【作用】本発明のフィルムを構成するポリオレフィンと
しては、プロピレン、エチレン、ブテン、4−メチルペ
ンテン−1等の単独重合体、または共重合体、もしくは
これらの(共)重合体の混合物が挙げられる。本発明に
おいて用いられる有機ポリマー微粒子(1) および(2) の
分子構造は、上記ポリオレフィンの溶融成形温度で非溶
融で、かつ同温度に耐える耐熱性を有するものであれば
特に制限はなく、付加重合法で得たものであってもよい
し、重縮合や重付加反応法で得たものでもよい。該微粒
子を構成するポリマーは非架橋タイプであっても架橋タ
イプであってもかまわないが、耐熱性の点より架橋タイ
プの方が推奨される。
【0009】ポリマーを微粒子化する方法も限定はされ
ないが、乳化重合や懸濁重合等の方法を用い、重合時に
直接微粒子化する方法が好適である。これらの重合方法
を採用する場合は、自己乳化性を付与し得る特殊構造の
極性モノマーを少量共重合する手段を採用してもよい。
ポリマー微粒子の形状は特に限定はされないが、実質的
に球状、あるいはラグビーボール状のものが好ましい。
【0010】本発明では有機ポリマー微粒子(1) および
(2) として、(メタ)アクリル系モノマーおよび/また
はスチレン系モノマーを含むモノマー成分よりなるポリ
マー微粒子を用いることが好ましい。すなわち、(メ
タ)アクリル系モノマーまたはスチレン系モノマーのホ
モポリマー、(メタ)アクリル系モノマーのコポリマー
(コポリマー以上のターポリマーも含む。以下同じ)
チレン系モノマーのコポリマー、(メタ)アクリル系
モノマーとスチレン系モノマーのコポリマー等である。
中でも好ましいのは、架橋タイプの(メタ)アクリル系
−スチレン系コポリマーであり、透明性、滑り性、耐熱
性、水滴保持時間等のバランスにおいて優れている。な
お、有機ポリマー微粒子(1) および(2) のポリマー組成
は同種であっても異なっていてもよい。
【0011】(メタ)アクリル系モノマー成分として
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸またはそのエステ
ル誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸ま
たはそのエステル誘導体が挙げられる。これらのモノマ
ーは1種であっても、2種以上を併用しても構わない。
また、少量であれば、アクリル酸やメタアクリル酸の金
属塩、アミド誘導体、ヒドロキシルエチルエステルやジ
メチルアミノエチルエステル等の特殊な構造のエステル
誘導体等を用いてもかまわない。
【0012】スチレン系モノマー成分としては、スチレ
ン、メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン
またはその誘導体が挙げられる。また、全モノマー成分
の20重量%以下であれば、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル等の重合性のビニルモノマーを共重合してもかまわ
ない。架橋方法としては、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールのジアクリル酸エステルやジメタクリル酸エ
ステル等の多官能性モノマーを微粒子ポリマー生成時に
共重合させるか、ポリマー生成後に後架橋する等の手段
が挙げられるがこれらに限定されない。
【0013】本発明における有機ポリマー微粒子(1) お
よび(2) は、いずれも前述の方法で測定した水滴保持時
間が10秒以上である必要がある。好ましくは1分以上
で、より好ましくは5分以上のものである。この水滴保
持時間は、有機ポリマー微粒子の疎水性の度合いを規定
したものであり、水滴保持時間が10秒より小さいと、
高透明で、かつ滑り性や耐ブロッキング性の良好なフィ
ルムが得られない。
【0014】水滴保持時間を10秒以上にするための手
段は特に制限されないが、以下に示す方法が推奨され
る。微粒子を構成するポリマーの構造を最適化する。
重合方法や微粒子の調整方法を最適化し、微粒子の表
面に疎水性基を有した成分を偏在させる。乳化重合法
や懸濁重合法で直接微粒子化する方法で調整する場合
は、重合時に用いる界面活性剤や自己乳化性を付与する
モノマーを最適化する。乳化重合法や懸濁重合法で直
接微粒子化する方法で調整する場合は、水等の溶媒から
微粒子を分離する時の洗浄を充分に行い、界面活性剤等
の親水性の添加剤や残留モノマーを除去する。疎水性
のモノマーあるいはポリマーで微粒子表面を被覆する。
シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等
の表面処理剤で表面処理を行う。
【0015】本発明では、平均粒径の異なる有機ポリマ
ー微粒子(1) および(2) をフィルム中に特定量含有させ
ることを必須構成としている。すなわち、小粒径の有機
ポリマー微粒子(1) で主に滑り性、耐ブロッキング性を
良好にし、また大粒径の微粒子(2) によってフィルムの
巻き特性を良好にするものである。従って、有機ポリマ
ー微粒子(1) の平均粒径は0.1〜1.5μmの範囲と
し、微粒子(2) の平均粒径は微粒子(1) より大粒径の
1.5〜7.0μmとする。また、有機ポリマー微粒子
(1) の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して
0.05〜1重量部の範囲とし、微粒子(2) の配合量を
0.01〜5重量部とする。平均粒径や配合量が上記範
囲に満たない場合は、滑り性、耐ブロッキング性やフィ
ルム巻き特性の改良効果が発現せず、逆に上記範囲を超
えると、透明性が悪化して好ましくない。
【0016】有機ポリマー微粒子(1) および(2) の粒度
分布は、シャープであることが透明性、滑り性、耐ブロ
ッキング性、巻き特性を満足する点で好ましい。なお、
該有機ポリマー微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡
で写真撮影し、イメージアナライザー装置を用いて水平
方向のフェレ径を測定し、その平均値で表示したもので
ある。上記した有機ポリマー微粒子の平均粒径や配合割
合の最適値は、ポリオレフィンの種類、フィルムの厚み
や構成、延伸の有無等によって変化するので、目的とす
るフィルム特性に合せて前記した範囲内で適宜任意に設
定するのが良い。
【0017】本発明のポリオレフィン系フィルムには、
本発明の効果を損なわない範囲であれば、有機ポリマー
微粒子以外の有機や無機の微粒子を併用したり、高級脂
肪酸アマイド、高級脂肪酸エステル、ワックス、金属石
ケン等の潤滑剤を併用するなどして滑り性を向上させて
も構わない。潤滑剤の併用はむしろ好ましい実施態様で
ある。また、通常ポリオレフィン系フィルムに配合され
る公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、加工助
剤、可塑剤等の併用も何ら制限を受けない。
【0018】上記した有機ポリマー微粒子や添加剤等を
ポリオレフィンと混合する方法としては、特に限定され
るものではないが、V型ブレンダ、スクリュー型ブレン
ダ、ドライブレンダ、リボンブレンダ、ヘンシェルミキ
サーなどの混合機にて均一混合した後、混練ペレット化
する方法が一般的である。
【0019】本発明のフィルムは、単に押出成形した未
延伸のキャスティングフィルムであっても、該キャステ
ィングフィルムを1軸または2軸方向に延伸した延伸フ
ィルムであってもよく、2軸延伸フィルムが本発明の効
果が顕著に発現されるので特に好ましい。また、単層構
成および2層以上の積層構成のいずれにも適用でき、積
層構成の場合は、有機ポリマー微粒子は表面層に添加す
ることが好ましいが、特に限定はされない。さらに本発
明のフィルムに対して、コロナ放電処理、プラズマ処
理、紫外線照射処理等を行い、接着性を向上させる等の
表面処理を施すことは用途展開上有用である。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお、実施例で用いた
測定方法は次の通りである。 (1)曇価 JIS−K6714に準じ、東洋精機ヘーズテスターJ
で測定した。 (2)狭角拡散透過値 東洋精機製作所製の視覚透明度試験機を用いて測定し
た。測定値が小さい程、透明度が高いことを示してい
る。 (3)摩擦係数 20℃×65%RHにおいてASTM−D1894に準
じ測定した。 (4)耐ブロッキング性 フィルムをカッターで80mm×120mmに裁断し、
この裁断片2枚を長手方向において上下に20mmずつ
ずらして重ね、サンプルとする。このサンプルをタイプ
用紙と交互に5組重ね合わせ、ガラス板で挟んだ後2k
gの加重をかけ50℃の環境で48時間放置する。サン
プルを取り出して放冷し、20mm巾で長手方向に再裁
断し試験片とし、試験片を引張試験器を使用し、引張り
速度200mm/分で剪断応力を測定した。
【0021】(5)空気抜け速さ まず、図1に示した台盤1の上にフィルム4をB面(平
坦面)を上にして置いた後、フィルム押さえ2をフィル
ム4の上から台盤1に載せて、張力を与えながらフィル
ム4を固定する。次いで、フィルム押さえ2の上にフィ
ルム5をA面(易滑面)を下にして置き、フィルム5の
上にフィルム押さえ8を載せてネジ3を用いてフィルム
押え8、2、および台盤1を固定する。ここで、フィル
ム押さえ2に設けられた空洞2aから、細孔2cおよび
パイプ7を介して接続された真空ポンプ6を駆動させて
吸引すると、フィルム5には空洞2aに吸い付けられる
ことによる張力が加わる。また、同時にフィルム4とフ
ィルム5の重なり合った部分Xもフィルム押さえ2に円
周状に設けられた細孔2dを介して減圧され、フィルム
4とフィルム5はその重なり合った部分Xにおいて、外
周部から密着し始める。密着状態は、X部の上部から干
渉縞を観察することによって把握できるため、X部の外
周に干渉縞が生じてから、X部の全面に干渉縞が拡が
り、干渉縞の動きが止まるまでの時間(秒)を測定し、
この時間(秒)を「空気抜け速さ」とした。空気抜け速
さの時間が短いほど、フィルムの巻き特性は良好であ
る。
【0022】実施例1 メルトインデックス2.5g/10分のポリプロピレン
100重量部に対して、水滴保持時間が10分以上の架
橋アクリル−スチレン系共重合体粒子[メチルメタクリ
レート/nブチルアクリレート/スチレン/ジビニル
ベンゼン=36/27/36/1(重量比)からなるモ
ノマー成分を乳化重合法で重合調整し、乳化液から共重
合体粒子を分離する際に水洗を5回繰返して微粒子表面
に付着している界面活性剤を充分に除去している。]に
ついて、平均粒径が1.1μm[微粒子(1) ]のもの
0.15重量部と、2.1μm[微粒子(2) ]のもの
0.03重量部(いずれもほぼ単分散の粒径分布を示す
球状の微粒子であった)を、グリセリン樹脂酸エステル
0.3重量部およびエルカ酸アミド0.3重量部と共に
混合した組成物を用いて、樹脂温度270℃で溶融押出
しを行い、90℃の冷却ロールで急冷して、厚さ0.9
0mmの未延伸シートを得た。この未延伸シートを、縦
延伸機のロール周速差を利用して、延伸温度40℃で縦
方向に4.5倍延伸し、引続きテンター式延伸機により
延伸温度155℃で横方向に8倍延伸した。次いで16
0℃で熱処理を行い、厚さ約25μmの2軸延伸フィル
ムとした後、片面にコロナ処理を施した。得られたフィ
ルムの特性値を表1に示す。
【0023】比較例1 実施例1において、乳化液から共重合体粒子を分離する
折の水洗を1回のみとして得た水滴保持時間が2秒以内
である架橋アクリル−スチレン系共重合体粒子((1) お
よび(2) の平均粒径、粒度分布、粒子形状、粒子組成は
実施例1と同じ)を用いる以外は実施例1と同じ方法で
フィルムを得た。特性値を表1に示す。
【0024】比較例2 実施例1において、平均粒径2.1μmの微粒子(2) の
配合を行わない以外は実施例1と同じ方法でフィルムを
得た。特性値を表1に示す。 比較例3 実施例1において、平均粒径1.1μmの微粒子(1) の
配合を行わない以外は実施例1と同じ方法でフィルムを
得た。特性値を表1に示す。 比較例4 実施例1において、平均粒径1.1μmの微粒子(1) の
配合量を0.03重量部にした以外は実施例1と同じ方
法でフィルムを得た。特性値を表1に示す。
【0025】比較例5 実施例1において、平均粒径1.1μmの微粒子(1) の
配合量を1.2重量部にした以外は実施例1と同じ方法
でフィルムを得た。特性値を表1に示す。 比較例6 実施例1において、平均粒径2.1μmの微粒子(2) の
配合量を0.005重量部にした以外は実施例1と同じ
方法でフィルムを得た。特性値を表1に示す。 比較例7 実施例1において、平均粒径2.1μmの微粒子(2) の
配合量を0.6重量部にした以外は実施例1と同じ方法
でフィルムを得た。特性値を表1に示す。
【0026】実施例2 実施例1の方法において架橋アクリル−スチレン系共重
合体粒子に替えて、水滴保持時間が8分である平均粒径
が0.95μm[微粒子(1) ]および2.5μm[微粒
子(2) ]のほぼ単分散の粒度分布を示す球状の架橋アク
リル系粒子[組成;メチルメタクリレート/トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート=98/2(重量
比)]を用い、かつ、その添加量を0.20重量部、
0.025重量部とする以外は、実施例1と同じ方法で
フィルムを得た。特性値を表1に示す。
【0027】比較例8 実施例2の方法において、水滴保持時間が2秒以内の架
橋アクリル系粒子(1)(2) を用いる以外は、実施例2と
同じ方法でフィルムを得た。特性値を表1に示す。 比較例9 実施例2において、平均粒径2.5μmの微粒子(2) の
配合を行わない以外は実施例2と同じ方法でフィルムを
得た。特性値を表1に示す。 比較例10 実施例2において、平均粒径0.95μmの微粒子(1)
の配合を行わない以外は実施例2と同じ方法でフィルム
を得た。特性値を表1に示す。
【0028】実施例3 実施例1の方法において、平均粒径2.1μmの架橋ア
クリル−スチレン系共重合体粒子(2) に替えて、ポリマ
ー型のシランカップリング剤で表面処理して得た、水滴
保持時間が10分以上、平均粒径が1.3μmのほぼ単
分散の粒径分布を示す球状の架橋ポリスチレン系粒子
[懸濁重合で調製:組成;スチレン/ジビニルベンゼン
=98/2(重量比)]を用いる以外は、実施例1と同
じ方法でフィルムを得た。特性値を表1に示す。
【0029】比較例11 実施例3の方法において、架橋ポリスチレン系粒子の表
面処理を行わず、水滴保持時間が2秒以内の粒子を用い
る以外は、実施例3と同じ方法でフィルムを得た。特性
値を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜3で得られた本発明のフィルム
は、いずれも優れた透明性と、良好な滑り性および耐ブ
ロッキング性に加え、フィルム巻き特性にも優れてお
り、非常に高品質であった。一方、比較例1、8で得ら
れたフィルムは、透明性、耐ブロッキング性、および空
気抜け速さに劣り低品質であった。比較例2、6、9で
得られたフィルムは、透明性は良好であるが、空気抜け
速さに劣り、巻き特性が悪い。比較例3、4、10で得
られたフィルムは、滑り性、耐ブロッキング性、空気抜
け速さが劣っている。比較例5、7、11で得られたフ
ィルムは、フィルム巻き特性は良好であるが、透明性に
劣るものであった。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系フィルムは、
水滴保持時間の長い特定の表面特性を有した有機ポリマ
ー微粒子を、滑り性、耐ブロッキング性向上に寄与する
小粒径のものと、フィルム巻き特性向上に寄与する比較
的大粒径のものを特定量配合した構成であるので、透明
性と、滑り性および耐ブロッキング性に加えて、フィル
ム巻き特性にも優れており、例えば各種の包装用材料と
して広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルム巻き特性を表す「空気抜け速さ」を測
定する装置の断面概略説明図である。
【符号の説明】
1 台盤 2,8 フィルム押さえ 2a 空洞 2c,2d 細孔 3 ネジ 4,5 フィルム 6 真空ポンプ 7 パイプ X フィルム重なり部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古峪 靖恭 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (56)参考文献 特開 平5−214120(JP,A) 特開 平4−136074(JP,A) 特開 平2−246056(JP,A) 特開 昭57−64522(JP,A) 特開 昭62−39219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08L 101/00 - 101/16 C08F 6/00 - 246/00 C08F 299/00 - 299/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    下記方法により測定される水滴保持時間が10秒以上で
    あり、かつ平均粒径0.1〜1.5μmの有機ポリマー
    微粒子(1) 0.05〜1重量部と、該水滴保持時間が1
    0秒以上で、かつ平均粒径1.5〜7.0μmで前記微
    粒子(1) より大粒径の有機ポリマー微粒子(2) 0.01
    〜0.5重量部が含まれていることを特徴とするポリオ
    レフィン系フィルム。 [水滴保持時間]有機ポリマー微粒子を水平で平滑な台
    上で2枚の2軸延伸ポリプロピレンフィルムの間に挟持
    させ、上側フィルムを手で軽く押さえて厚さ2mmの平
    滑な有機ポリマー微粒子層を形成した後、上側フィルム
    を静かに取り外す。得られた有機ポリマー微粒子層表面
    にスポイドで直径3mmの水滴を高さ1cmのところか
    ら落とし、該水滴が有機ポリマー微粒子層に吸収され水
    滴が消失するまでの時間を水滴保持時間とする。
  2. 【請求項2】 有機ポリマー微粒子が、(メタ)アクリ
    ル系モノマーおよび/またはスチレン系モノマーを含む
    モノマー成分からなるポリマーである請求項1に記載の
    ポリオレフィン系フィルム。
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