JP7093349B2 - 原反フィルム、延伸光学フィルムの製造方法、及び延伸光学フィルム - Google Patents

原反フィルム、延伸光学フィルムの製造方法、及び延伸光学フィルム Download PDF

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Description

本発明は、原反フィルム、延伸光学フィルムの製造方法、及び延伸光学フィルムに関する。
光の透過及び遮蔽機能を有する偏光板は、光の偏光状態を変化させる液晶と共に液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。多くの偏光板は、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムが貼り合わされた構造を有している。偏光板を構成する偏光フィルムとしては、ビニルアルコール系重合体フィルム(以下、「ビニルアルコール系重合体」を「PVA」と略記することがある)を一軸延伸して配向させた延伸フィルムにヨウ素系色素(I やI 等)や二色性有機染料といった二色性色素が吸着しているものが主流となっている。このような偏光フィルムは、二色性色素を予め含有させたPVAフィルムを一軸延伸したり、PVAフィルムの一軸延伸と同時に二色性色素を吸着させたり、PVAフィルムを一軸延伸した後に二色性色素を吸着させたりするなどして製造される。
LCDは、電卓及び腕時計などの小型機器、スマートフォン、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの広範囲において用いられるようになっている。近年、特に小型のノートパソコンや携帯電話などのモバイル用途への展開などに伴い、偏光板への薄型化の要求が強くなっている。また、携帯化により使用場所が広範囲に渡ることから、同時に耐久性の向上も求められている。
偏光板を薄型化する手法の1つとして、偏光フィルムや保護フィルムを薄型化することが挙げられる。このためには、偏光フィルムの原料となる原反フィルム(PVAフィルム)を薄型化する必要がある。しかし、薄い原反フィルムは、偏光フィルムを製造する際の乾燥工程や、得られた偏光フィルムと保護フィルムとを貼り合わせる工程などで、延伸方向に裂けやすい。また、偏光フィルムが薄い場合、偏光フィルムや偏光板を打ち抜いたりカットしたりする際などの取り扱い時に、偏光フィルムが延伸方向に裂けたり、偏光フィルムの端面に微細なクラックが入りやすい。このため、薄い原反フィルムを用いた場合、偏光板やLCDの生産性や収率が低下し、コスト高につながりやすい。このように、原反フィルムや偏光フィルムの薄型化は、生産性や収率が低下し、コスト高につながりやすい。また、位相差フィルム等、偏光フィルム以外の延伸光学フィルムにおいても、薄型化が期待されているが、同様に裂け等が生じやすくなるという不都合を有する。
薄い偏光フィルムを収率良く製造する技術として、プラスチックフィルム上にコート法によって薄いPVA膜を形成し、その積層体を延伸及び乾燥する方法が知られている(特許文献1及び2参照)。また、得られる偏光フィルムの打ち抜き性などの取扱性を改善するために、特定の条件で偏光フィルムを製造した上で、この偏光フィルムの少なくとも片面にウレタン樹脂層を積層した偏光板(特許文献3参照)、及び柔軟性にすぐれた硬化樹脂層を形成することのできる組成物(特許文献4参照)も提案されている。
特許第4804588号公報 特許第4815544号公報 特許第3315914号公報 特開2014-115538号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている方法には、以下のような不都合がある。
(1)コート作業やその後の乾燥作業が煩雑である。
(2)PVA膜の不溶化処理のための熱処理を積層体の状態で行う必要があるため、使用されるプラスチックフィルムが熱処理後も延伸可能なものに限定され、コスト高になる。
(3)プラスチックフィルム上にコート法によってPVA膜を形成してなる積層体においては、プラスチックフィルムとPVA膜との間の接着強度が比較的高い。このため、このような接着強度の高い積層体を延伸すると、PVA膜の適度なネックインが妨げられて、偏光性能に優れる偏光フィルムが得られにくい。
また、特許文献3及び4に記載された方法でも、偏光板製造時の工程が増加することによるコストの増加、歩留まりの低下等の不都合が生じる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、薄型で裂けにくい延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる原反フィルム、薄型で裂けにくい延伸光学フィルム、及びこのような延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる延伸光学フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、フィルムの厚さを薄くした場合であっても、フィルムに比較的低いガラス転移温度を有する樹脂粒子を添加しておくことで、裂けにくい延伸光学フィルムが得られることを見出し、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するためになされた本発明は、以下の通りである。
[1]平均厚みが45μm以下であり、主成分であるビニルアルコール系重合体と、ガラス転移温度が30℃以下の樹脂粒子とを含有し、上記ビニルアルコール系重合体100質量部に対する上記樹脂粒子の含有量が、1質量部以上50質量部以下である延伸光学フィルム製造用の原反フィルム。
[2]上記樹脂粒子の平均粒径が、1nm以上300nm以下である[1]の原反フィルム。
[3][1]又は[2]の原反フィルムを延伸する工程を備える延伸光学フィルムの製造方法。
[4]平均厚みが20μm以下であり、主成分であるビニルアルコール系重合体と、ガラス転移温度が30℃以下の樹脂粒子とを含有し、上記ビニルアルコール系重合体100質量部に対する上記樹脂粒子の含有量が、1質量部以上50質量部以下である延伸光学フィルム。
[5]延伸方向に平行な切断面における透過型電子顕微鏡画像にて観測される上記樹脂粒子の上記延伸方向の長さが、上記延伸方向に垂直な方向の長さよりも長い[4]の延伸光学フィルム。
本発明によれば、薄型で裂けにくい延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる原反フィルム、薄型で裂けにくい延伸光学フィルム、及びこのような延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる延伸光学フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る延伸光学フィルムにおける延伸方向に平行な切断面を示す模式図である。
<原反フィルム>
本発明の一実施形態に係る原反フィルムは、延伸光学フィルムの製造に用いられるフィルムである。すなわち、当該原反フィルムは、偏光フィルムや位相差フィルム等の延伸光学フィルムの材料となるフィルムである。当該原反フィルムを延伸することにより、延伸光学フィルムが得られる。
当該原反フィルムは、単層フィルムであってもよく、多層フィルム(積層体)であってもよい。多層フィルムの形態としては、例えば熱可塑性樹脂フィルム上にコート法などによって形成されたPVA層を有するフィルムなどを挙げることができる。本発明の効果がより一層顕著に奏される点、積層(コート等)作業の煩雑さ、熱可塑性樹脂フィルムのコストなどの観点から、当該原反フィルムは単層フィルムであることが好ましい。
(平均厚み)
当該原反フィルムの平均厚みの上限は、45μmであり、40μmが好ましく、35μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。当該原反フィルムの平均厚みが上記上限以下であることで、薄型の延伸光学フィルムを得ることができる。一方、この平均厚みの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましく、10μmがさらに好ましく、20μmがよりさらに好ましい。当該原反フィルムの平均厚みが上記下限以上であることで、得られる延伸光学フィルムの耐裂け性をより高めることができる。
(PVA)
当該原反フィルムは、主成分としてPVA(ビニルアルコール系重合体)を含有する。なお、主成分とは、質量基準で最も含有量の大きい成分をいう(以下、同様である。)。PVAは、ビニルアルコール単位(-CH-CH(OH)-)を構造単位として有する重合体である。PVAは、ビニルアルコール単位の他、ビニルエステル単位やその他の単位を有していてもよい。
PVAとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニルエステルの1種又は2種以上を重合して得られるポリビニルエステルをけん化することにより得られるものを使用することができる。上記のビニルエステルの中でも、PVAの製造の容易性、入手の容易性、コスト等の点から、分子中にビニルオキシカルボニル基(HC=CH-O-CO-)を有する化合物が好ましく、酢酸ビニルがより好ましい。
上記ポリビニルエステルは、単量体として1種又は2種以上のビニルエステルのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルのみを用いて得られたものがより好ましいが、本発明の効果を大きく損なわない範囲内であれば、1種又は2種以上のビニルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記ビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えば
エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数2~30のα-オレフィン;
(メタ)アクリル酸又はその塩;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリルアミド;
N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミン又はその塩、N-メチロール(メタ)アクリルアミド又はその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;
N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;
(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;
マレイン酸、又はその塩、エステル若しくは酸無水物;
イタコン酸、又はその塩、エステル若しくは酸無水物;
ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;
不飽和スルホン酸又はその塩などを挙げることができる。
上記ポリビニルエステルは、上記単量体の1種又は2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記ポリビニルエステルに占める上記他の単量体に由来する構造単位の割合の上限は、ポリビニルエステルを構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、1モル%がよりさらに好ましい。
PVAとしてはグラフト共重合がされていないものを好ましく使用することができる。但し、本発明の効果を大きく損なわない範囲内であれば、PVAは1種又は2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。グラフト共重合は、ポリビニルエステル及びそれをけん化することにより得られるPVAのうちの少なくとも一方に対して行うことができる。上記グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体;不飽和スルホン酸又はその誘導体;炭素数2~30のα-オレフィンなどが挙げられる。ポリビニルエステル又はPVAにおけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステル又はPVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
上記PVAはそのヒドロキシ基の一部が架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。また、上記PVAはそのヒドロキシ基の一部がアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド化合物などと反応してアセタール構造を形成していてもよいし、これらの化合物と反応せずアセタール構造を形成していなくてもよい。
上記PVAの重合度の下限としては、1,000が好ましく、1,500がより好ましく、2,000がさらに好ましい。PVAの重合度が上記下限以上であることにより、得られる延伸光学フィルムの光学特性を向上させることができる。一方、この重合度の上限としては、10,000が好ましく、8,000がより好ましく、5,000がさらに好ましい。PVAの重合度を上記上限以下とすることで、PVAの製造コストの上昇や製膜時における不良発生を抑制することができる。なお、PVAの重合度は、JIS K6726-1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
PVAのけん化度の下限は、得られる延伸光学フィルムの耐湿熱性が良好になることから、95モル%が好ましく、98モル%がより好ましく、99モル%がさらに好ましく、99.5モル%が特に好ましい。一方、このけん化度の上限は、実質的に100モル%であってよい。なお、PVAのけん化度とは、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対するビニルアルコール単位のモル数の割合(モル%)をいう。けん化度は、JIS K6726-1994の記載に準じて測定することができる。
当該原反フィルムにおけるPVAの含有量の下限としては、60質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、75質量%がさらに好ましい。PVAの含有量を上記下限以上とすることで、得られる延伸光学フィルムにおいて、偏光性能等の光学特性がより良好に発現される。一方、この含有量の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましい場合があり、85質量%がさらに好ましい場合もある。PVAの含有量を上記上限以下とすることで、得られる延伸光学フィルムがより裂けにくくなる。
(樹脂粒子)
当該原反フィルムは、ガラス転移温度が30℃以下の樹脂粒子を含有する。当該原反フィルムは、このような樹脂粒子を含有することにより、薄型でありながら裂けにくい延伸光学フィルムを得ることができる。このような効果が生じる理由は定かでは無いが、当該原反フィルムから製造した延伸光学フィルムが裂けた場所の断面を観察したところ、断面が荒くなっていたことから、フィルム中に分散している樹脂粒子が裂けの伝播を抑制することで、裂けにくくなったものと推測される。特に、樹脂粒子のガラス転移温度が30℃以下、すなわち原反フィルムを用いて延伸光学フィルムを製造する際の一般的な延伸処理温度以下であることで、延伸工程の際に樹脂粒子も延伸方向に変形できる。これによって、PVAと樹脂粒子との密着性を保ったまま、PVAが十分に配向することができる。このため、当該原反フィルムから得られる延伸光学フィルムは、裂けが生じにくくなり、樹脂粒子の含有量や平均粒径を調整することで、偏光性能等の光学特性も高めることができると推測される。
樹脂粒子とは、主成分が重合体(樹脂)である粒子である。樹脂粒子中の重合体の含有量の下限としては、例えば50質量%であり、80質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。樹脂粒子は、実質的に樹脂のみから形成されていてよい。
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)(樹脂粒子の主成分である重合体のTg)の上限は、30℃であるが、25℃が好ましく、20℃がより好ましく、15℃がさらに好ましく、10℃がよりさらに好ましい。このガラス転移温度が上記上限以下であることで、裂けにくい延伸光学フィルムを得ることができる。また、このガラス転移温度を上記上限以下とし、かつ樹脂粒子の含有量や平均粒径を調整することで、偏光性能等の光学特性も高めることができる。
樹脂粒子のガラス転移温度の下限は特に制限はないが、例えば-100℃が好ましく、-80℃がより好ましく、-60℃がさらに好ましい。このガラス転移温度を上記下限以上とすることで、原反フィルムを作製する製膜工程における加温の際の樹脂粒子の凝集が抑制され、得られる原反フィルム及び延伸光学フィルムの白濁を抑制することができる。また、得られる延伸光学フィルムの光学特性を高めることができる。
なお、樹脂粒子のガラス転移温度は、樹脂粒子を用いて製膜し、この得られた樹脂膜に対して行ったDSC(示差走査熱量測定)による測定値とする。樹脂粒子が、異なる複数の樹脂を含む場合、最も低いガラス転移温度を有する樹脂のガラス転移温度を、この樹脂粒子のガラス転移温度とする。
当該原反フィルムにおける樹脂粒子の含有量の下限は、PVA100質量部に対して、1質量部であり、3質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましいこともある。樹脂粒子の含有量を上記下限以上とすることで、得られる延伸光学フィルムを裂けにくくすることができ、取扱性などが向上する。一方、この含有量の上限は、50質量部であり、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。樹脂粒子の含有量を上記上限以下とすることで、得られる延伸光学フィルムの光透過性を良好な状態とすることができ、また、偏光性能等の光学特性を高めることができる。
当該原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径の下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましく、20nmがよりさらに好ましく、30nmがよりさらに好ましい。樹脂粒子の平均粒径を上記下限以上とすることで、得られる延伸光学フィルムがより裂けにくくなり、取扱性などが向上する。一方、この平均粒径の上限としては、例えば500nmであってもよいが、300nmが好ましく、200nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。樹脂粒子の平均粒径を上記上限以下、特に300nm以下とすることで、得られる延伸光学フィルムの光透過性を良好な状態とすることができ、偏光性能等の光学特性を高めることができる。
なお、当該原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径は、フィルム切断面のTEM(透過型電子顕微鏡)画像に基づく測定値とする。当該原反フィルムの面内方向に対して垂直な切断面のTEMを測定することで、樹脂粒子の有無や分散状態が、海島構造として観察できる。なお、海島構造とは、2種類の物性からなる混合物において、連続的に見える部分(海部)の中に、不連続な部分(島部)が混在している状態の構造のことである。樹脂粒子とPVAとの染色性が異なるため、連続的に見える部分の色が濃く、不連続に見える部分の色が淡くなったり、連続的に見える部分の色が淡く、不連続に見える部分の色が濃くなったりする。このTEM画像においては、樹脂粒子が島部となって観測される。フィルム切断面のTEM画像に対して、画像解析ソフトを用い、機械的に樹脂粒子を抽出し、これらの樹脂粒子の径の平均値を算出する。この算出された値を樹脂粒子の平均粒径とする。樹脂粒子の平均粒径の具体的な測定方法は、実施例に記載の方法とする。
樹脂粒子は、重合体を含有する。この重合体としては、ガラス転移温度が30℃以下のものであれば特に限定されず、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル樹脂等を挙げることができるが、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を含む重合体をいう。
(メタ)アクリルエステルとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル等を挙げることができる。
樹脂粒子は、アクリル樹脂の中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位((メタ)アクリル酸アルキルエステル単位)を含むアクリル樹脂を含むことが好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが有するアルキル基の炭素数の下限は1であるが、2が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。一方、このアルキル基の炭素数の上限としては、例えば10であり、8が好ましく、6がより好ましく、4がさらに好ましい。また、アクリル酸アルキルエステル単位であることも好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の中でも、アクリル酸ブチル単位が最も好ましい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を含むアクリル樹脂を用いた樹脂粒子は、ガラス転移点が低く、裂けにくさ及び光学特性をより高めることができる。この理由は定かでは無いが、樹脂粒子の柔軟性が高まり、延伸処理の際に樹脂粒子が延伸方向に変形しやすくなることなどが推測される。
また、アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸単位(-CH-CHCOOH-及び-CH-C(CH)COOH-)を含むアクリル樹脂も好適に用いることができる。このような重合体を用いた樹脂粒子は、PVAマトリックス中で良好な分散性等を発揮することができる。この場合、例えば(メタ)アクリル酸単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位とのブロック共重合体が好ましい。なお、アクリル樹脂がブロック共重合体である場合、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体等のいずれであってもよい。
樹脂粒子は、一種の重合体から形成される粒子を用いてもよく、内側と外側の材質が異なる、いわゆるコアシェル型の構造を有する粒子を用いてもよい。コアシェル型の粒子を用いる場合、コアの材料が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を含むアクリル樹脂を含むことが好ましい。また、コアシェル型の粒子を用いる場合、シェルの材料が、脂環式基含有(メタ)アクリル酸エステル単位や、(メタ)アクリル酸単位を含むアクリル樹脂であることが好ましい。
樹脂粒子は、公知の方法により製造することができる。また、樹脂粒子は、市販品を用いてもよい。また、当該原反フィルムに樹脂粒子を含有させる方法も、特に限定されない。例えばPVAチップに樹脂粒子を添加してもよいし、製膜時に用いる製膜原液に樹脂粒子を添加しても良い。
(可塑剤)
当該原反フィルムは、可塑剤をさらに含むことができる。当該原反フィルムが可塑剤を含むことにより、取扱性や延伸性の向上等を図ることができる。好ましい可塑剤としては、多価アルコールが挙げられ、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらの可塑剤は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、延伸性の向上効果の点からグリセリンが好ましい。
当該原反フィルムにおける可塑剤の含有量の下限としては、PVA100質量部に対して2質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、4質量部がさらに好ましく、6質量部がよりさらに好ましい。可塑剤の含有量を上記下限以上とすることで、延伸性がより向上する。一方、この含有量の上限としては、20質量部が好ましく、17質量部がより好ましく、14質量部がさらに好ましい。可塑剤の含有量を上記上限以下とすることで、原反フィルムが柔軟になりすぎたり、表面に可塑剤がブリードアウトしたりして、取扱性が低下するのを抑制することができる。
(他の添加剤等)
当該原反フィルムには、PVA、樹脂粒子及び可塑剤以外に、さらに充填剤、銅化合物などの加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、架橋剤、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤などの他の添加剤を、必要に応じて適宜配合できる。
但し、当該原反フィルムにおけるPVA、樹脂粒子及び可塑剤以外の他の添加剤の含有量の上限としては、1質量%が好ましいことがあり、0.2質量%がより好ましいことがある。他の添加剤の含有量が上記上限を超える場合、得られる延伸光学フィルムの裂け強度や光学特性に影響を与える場合がある。
当該原反フィルムの膨潤度の下限としては、160%が好ましく、170%がより好ましく、180%がさらに好ましい。膨潤度が上記下限以上であることにより、極度に結晶化が進行するのを抑制することができ、安定して高倍率まで延伸することができる。一方、この膨潤度の上限としては、240%が好ましく、230%がより好ましく、220%がさらに好ましい。膨潤度が上記上限以下であることにより、延伸時の溶解が抑制され、より高温の条件下でも延伸することが可能となる。なお、原反フィルムの膨潤度とは、原反フィルムを30℃の蒸留水中に15分間浸漬した際の質量を、30℃の蒸留水に15分間浸漬した後に105℃で16時間乾燥した原反フィルムの質量で除して得られる値の百分率を意味する。
当該原反フィルムの形状に特に制限はないが、延伸光学フィルムを生産性良く連続的に製造することができることから、長尺のフィルムであることが好ましい。当該長尺の原反フィルムの長さは特に制限されず、製造される延伸光学フィルムの用途などに応じて適宜設定することができ、例えば、5m以上20,000m以下の範囲内にすることができる。当該原反フィルムの幅に特に制限はなく、例えば下限を50cmとすることができるが、近年幅広の偏光フィルムが求められていることから、下限は1mが好ましく、2mがより好ましく、4mがさらに好ましい。当該原反フィルムの幅の上限に特に制限はないが、例えば7mとすることができる。幅があまりに広すぎると、実用化されている装置で延伸光学フィルムを製造する場合に、均一に延伸することが困難になる傾向がある。
当該原反フィルムは、製造時や取り扱い時に裂けにくい延伸光学フィルムを比較的容易に製造できる。従って、偏光フィルムや位相差フィルム等の延伸光学フィルムの材料として好適に用いることができる。なかでも、当該原反フィルムは、良好な偏光性能を有する偏光フィルムを容易に製造することができることから、偏光フィルムを製造するための原反フィルムとして用いることが特に好ましい。
(原反フィルムの製造方法)
本発明の原反フィルムの製造方法は特に限定されず、製膜後の原反フィルムの厚み及び幅がより均一になる製造方法を好ましく採用することができる。例えば、原反フィルムを構成する上記PVA及び樹脂粒子、並びに必要に応じてさらに、可塑剤、その他の添加剤、及び後述する界面活性剤等のうちの1種又は2種以上が液体媒体中に溶解した製膜原液を用いて、製膜することにより得ることができる。また、必要に応じて、PVAを溶融した製膜原液を用いても製造することができる。製膜原液において、樹脂粒子は均一に混合されていることが好ましい。また、製膜原液が、可塑剤、その他の添加剤及び界面活性剤の少なくとも1種を含有する場合には、それらの成分が均一に混合されていることが好ましい。
上記液体媒体としては、例えば水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。これらの液体媒体は、1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、環境に与える負荷が小さいことや回収性の点から水が好ましい。
製膜原液の揮発分率(製膜原液中における、製膜時に揮発や蒸発によって除去される液体媒体などの揮発性成分の含有割合)は、製膜方法、製膜条件などによっても異なるが、一般的には、下限として50質量%が好ましく、55質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。製膜原液の揮発分率が上記下限以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなり過ぎず、製膜原液調製時のろ過や脱泡が円滑に行われ、異物や欠点の少ない原反フィルムの製造が容易になる。一方、この揮発分率の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。製膜原液の揮発分率が上記上限以下であることにより、製膜原液の濃度が低くなり過ぎず、工業的な原反フィルムの製造が容易になる。
製膜原液は界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含むことにより、製膜性が向上して原反フィルムの厚み斑の発生が抑制されると共に、製膜に使用する金属ロールやベルトからのフィルムの剥離が容易になる。界面活性剤を含む製膜原液から原反フィルムを製造した場合には、当該原反フィルム中には界面活性剤が含有され得る。上記界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトからの剥離性の観点などから、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型等が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好ましい。
これらの界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
製膜原液又は得られる原反フィルムが界面活性剤を含む場合、その含有量の下限は、製膜原液又は原反フィルムに含まれるPVA100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.02質量部がより好ましい。界面活性剤の含有量が上記下限以上であることにより、製膜性及び剥離性がより向上する。一方、この含有量の上限としては、0.5質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記上限以下であることにより、界面活性剤が原反フィルムの表面にブリードアウトしてブロッキングが生じて取り扱い性が低下することを抑制することができる。
上記製膜原液を用いて原反フィルムを製膜する際の製膜方法としては、例えばキャスト製膜法、押出製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法などが挙げられる。これらの製膜方法は1種のみを採用しても2種以上を組み合わせて採用してもよい。これらの製膜方法の中でもキャスト製膜法及び押出製膜法が、厚み及び幅が均一で物性の良好な原反フィルムが得られることから好ましい。製膜された原反フィルムには必要に応じて乾燥や熱処理を行うことができる。
熱処理温度に特に制限はなく、適宜調整すればよい。熱処理温度は、あまりに高いと原反フィルムの変色や劣化がみられる。従って、熱処理温度の上限としては、210℃が好ましく、180℃がより好ましく、150℃がさらに好ましい。一方、熱処理温度の下限としては、例えば60℃であり、90℃が好ましい。
熱処理時間に特に制限はなく、適宜調整すればよいが、原反フィルムを効率よく製造する観点から、上限としては、30分が好ましく、15分がより好ましい。一方、この下限としては、例えば1分が好ましく、3分がより好ましい。
<延伸光学フィルム>
本発明の一実施形態に係る延伸光学フィルムは、偏光フィルムや位相差フィルム等、所定方向に配向したPVAを含む光学フィルムである。当該延伸光学フィルムは、一軸延伸されていてもよく、二軸延伸されていてもよいが、一軸延伸されていることが好ましい。一軸延伸された当該延伸光学フィルムは、偏光フィルム等として好適に用いることができる。当該延伸光学フィルムは、単層フィルムであっても、多層フィルムであってもよいが、単層フィルムであることが好ましい。
(平均厚み)
当該延伸光学フィルムの平均厚みの上限は、20μmであり、18μmが好ましく、16μmがより好ましく、14μmがさらに好ましい。当該延伸光学フィルムの平均厚みが上記上限以下であることで、十分な薄型化を図ることができる。一方、この平均厚みの下限としては、5μmが好ましく、8μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。当該延伸光学フィルムの平均厚みが上記下限以上であることで、より裂けにくくし、取扱性などを高めることができる。
(成分等)
当該延伸光学フィルムは、主成分であるPVAと樹脂粒子とを含有する。
当該延伸光学フィルムに含有される樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)(樹脂粒子の主成分である重合体のTg)の上限は、30℃であるが、25℃が好ましく、20℃がより好ましく、15℃がさらに好ましく、10℃がよりさらに好ましい。このガラス転移温度が上記上限以下であることで、当該延伸光学フィルムは、裂けにくく、取扱性等に優れる。また、このガラス転移温度を上記上限以下とし、かつ樹脂粒子の含有量や平均粒径を調整することで、偏光性能等の光学特性も高めることができる。樹脂粒子のガラス転移温度の下限は特に制限はないが、例えば-100℃が好ましく、-80℃がより好ましく、-60℃がさらに好ましい。このガラス転移温度を上記下限以上とすることで、樹脂粒子の凝集が抑制され、延伸光学フィルムの白濁を抑制することができる。また、延伸光学フィルムの光学特性を高めることができる。
なお、当該延伸光学フィルムに含有される樹脂粒子のガラス転移温度は、原反フィルムに含有される樹脂粒子と同様、樹脂粒子を用いて製膜し、この得られた樹脂膜に対して行ったDSC(示差走査熱量測定)の測定値とする。
当該延伸光学フィルムにおける樹脂粒子の含有量の下限は、PVA100質量部に対して、1質量部であり、3質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましいこともある。樹脂粒子の含有量を上記下限以上とすることで、延伸光学フィルムを裂けにくくすることができ、取扱性などが向上する。一方、この含有量の上限は、50質量部であり、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。樹脂粒子の含有量を上記上限以下とすることで、延伸光学フィルムの光透過性を良好な状態とすることができ、また、偏光性能等の光学特性を高めることができる。
当該延伸光学フィルムにおいては、延伸方向に平行な切断面における透過型電子顕微鏡(TEM)画像にて観測される樹脂粒子の上記延伸方向の長さ(延伸方向の径)が、上記延伸方向に垂直な方向の長さ(延伸方向に垂直な方向の径)よりも長いことが好ましい。すなわち、当該延伸光学フィルム中の樹脂粒子は、延伸方向に沿った長軸を有する楕円形であることが好ましい。このような場合、PVAと樹脂粒子との密着性を保ったまま、PVAが十分な配向状態を形成することができる。このため、当該延伸光学フィルムは、裂けが生じにくくなり、樹脂粒子の含有量や平均粒径を調整することで、偏光性能等の光学特性も高めることができると推測される。なお、このような楕円形の樹脂粒子は、ガラス転移温度が30℃以下の樹脂粒子を含む原反フィルムを延伸処理する際、樹脂粒子が延伸方向に沿って変形することで形成され得る。なお、延伸光学フィルムにおける延伸方向は、通常、PVAの結晶の配向方向である。
具体的には、図1に示されるように、当該延伸光学フィルム1の延伸方向Xに平行な切断面におけるTEM画像において、樹脂粒子2(島部)の延伸方向Xの長さAが、延伸方向Xに垂直な方向の長さBよりも長いことが好ましい。さらに、この樹脂粒子2における延伸方向Xに垂直な方向の長さBに対する延伸方向Xの長さAの比(A/B)の下限としては、1.2が好ましく、1.6がより好ましく、2.0がさらに好ましい。なお、この比(A/B)の上限としては、例えば3であってよく、2.6であってもよい。
樹脂粒子の延伸方向の長さAの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、30nmがさらに好ましく、50nmがよりさらに好ましく、70nmがよりさらに好ましい。一方、この長さAの上限としては、例えば800nmであってもよいが、300nmが好ましく、200nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。また、樹脂粒子の延伸方向に垂直な方向の長さBの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましく、30nmがよりさらに好ましい。一方、この長さBの上限としては、例えば500nmであってもよいが、200nmが好ましく、100nmがより好ましく、50nmがさらに好ましい。長さA及び長さBが上記範囲であることで、裂けがより生じにくくなり、樹脂粒子の含有量や平均粒径を調整することで、偏光性能等の光学特性も高めることができる。
なお、上記樹脂粒子の延伸方向の長さAと、延伸方向に垂直な方向の長さBとは、以下の方法によって測定される。延伸方向に平行なフィルム切断面のTEM画像に対して、画像解析ソフトを用い、機械的に樹脂粒子を抽出する。抽出された樹脂粒子の長軸方向の平均長さを長さAとし、短軸方向の平均長さを長さBとして算出する。この長さA及び長さBから、長さの比(A/B)も求められる。これらの具体的な測定方法は、実施例に記載の方法とする。
当該延伸光学フィルムに含有されるPVA及び樹脂粒子の好ましい形態は、上述した原反フィルムに含有されるPVA及び樹脂粒子と同様である。当該延伸光学フィルムに含まれていてもよいその他の成分についても、上述した原反フィルムと同様である。当該延伸光学フィルムが偏光フィルムである場合、当該延伸光学フィルムは、表裏面に吸着された二色性色素を有する。二色性色素としては、ヨウ素系色素が一般的である。
当該延伸光学フィルムが偏光フィルムの場合、その偏光性能としては、透過率44.0%のときの偏光度の下限として、例えば70%であってもよいが、99.0%であることが好ましく、99.8%であることがより好ましく、99.9%であることがさらに好ましい。偏光度が上記下限未満の場合は、スマートフォン、ノートパソコン、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステムなどに用いると、LCDのコントラストが低下することがある。
当該延伸光学フィルムが偏光フィルムの場合、この偏光フィルムは、通常、その両面又は片面に、光学的に透明で且つ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせて偏光板にして使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム等が使用される。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系接着剤や紫外線硬化型接着剤などを挙げることができ、PVA系接着剤が好ましい。
上記のようにして得られた偏光板は、さらに位相差フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルム等が貼り合わせられていてもよい。なお、上記位相差フィルムとして、本発明の延伸光学フィルムを用いることもできる。偏光板は、アクリル系等の粘着剤をコートした後、ガラス基板に貼り合わせてLCDの部品として使用することができる。
<延伸光学フィルムの製造方法>
本発明の一実施形態に係る延伸光学フィルムは、上述した当該原反フィルムを延伸する工程を備える製造方法によって得ることができる。すなわち、当該延伸光学フィルムは、上述した原反フィルムを用いること以外は、従来と同様の方法により製造することができる。すなわち、当該製造方法によれば、特殊な工程を経ることなく、薄型で裂けにくい延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる。以下、当該延伸光学フィルムが偏光フィルムである場合の具体的な製造方法について説明する。
当該偏光フィルムを製造するための具体的な方法としては、当該原反フィルムに対して、膨潤処理、染色処理、一軸延伸処理、及び必要に応じてさらに、架橋処理、固定処理、洗浄処理、乾燥処理、熱処理などを施す方法が挙げられる。この場合、膨潤処理、染色処理、架橋処理、一軸延伸、固定処理などの各処理の順序は特に制限されず、また、2つ以上の処理を同時に行うこともできる。また、各処理の1つ又は2つ以上を2回又はそれ以上行うこともできる。
膨潤処理は、原反フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水に浸漬する際の水の温度の下限としては、20℃が好ましく、22℃がより好ましく、25℃がさらに好ましい。一方、この温度の上限としては、40℃が好ましく、38℃がより好ましく、35℃がさらに好ましい。また、水に浸漬する時間の下限としては、0.1分が好ましく、0.5分がより好ましい。一方、この時間の上限としては、5分が好ましく、3分がより好ましい。なお、水に浸漬する際の水は純水に限定されず、各種成分が溶解した水溶液であってもよいし、水と水性媒体との混合物であってもよい。
染色処理は、原反フィルムに対して二色性色素を接触させることにより行うことができる。二色性色素としては、ヨウ素系色素を用いるのが一般的である。染色処理の時期としては、一軸延伸処理前、一軸延伸処理時及び一軸延伸処理後のいずれの段階であってもよい。染色処理は、原反フィルムを染色浴としてヨウ素-ヨウ化カリウムを含有する溶液(特に水溶液)中に浸漬させることにより行うのが一般的である。染色浴におけるヨウ素の濃度は0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、ヨウ化カリウムの濃度は0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。また、染色浴の温度の下限は、20℃が好ましく、25℃がより好ましい。一方、この温度の上限は、50℃が好ましく、40℃がより好ましい。
原反フィルムに対して架橋処理を施すことで、高温で湿式延伸する際に、PVAが水へ溶出することを効果的に防止することができる。この観点から架橋処理は一軸延伸処理の前に行うことが好ましい。架橋処理は、架橋剤を含む水溶液に原反フィルムを浸漬することにより行うことができる。上記架橋剤としては、ホウ酸、ホウ砂等のホウ酸塩などのホウ素無機化合物の1種又は2種以上を使用することができる。架橋剤を含む水溶液における架橋剤の濃度の下限は1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。一方、この濃度の上限は、15質量%が好ましく、7質量%がより好ましく、6質量%がさらに好ましい。架橋剤の濃度が上記範囲内にあることで十分な延伸性を維持することができる。架橋剤を含む水溶液はヨウ化カリウム等の助剤を含有してもよい。架橋剤を含む水溶液の温度の下限は、20℃が好ましく、25℃がより好ましい。一方、この温度の上限は、50℃が好ましく、40℃がより好ましい。この温度を上記範囲内とすることで効率良く架橋することができる。
一軸延伸処理は、湿式延伸法及び乾式延伸法のいずれで行ってもよい。湿式延伸法の場合は、ホウ酸水溶液中で行うこともできるし、上述した染色浴中や後述する固定処理浴中で行うこともできる。また、乾式延伸法の場合は、室温のまま一軸延伸処理を行ってもよいし、加熱しながら一軸延伸処理を行ってもよいし、吸水後の原反フィルムを用いて空気中で一軸延伸処理を行ってもよい。これらの中でも、湿式延伸法が好ましく、ホウ酸水溶液中で一軸延伸処理を行うことがより好ましい。ホウ酸水溶液のホウ酸濃度の下限は0.5質量%が好ましく、1.0質量%がより好ましく、1.5質量%がさらに好ましい。一方、このホウ酸濃度の上限は、6.0質量%が好ましく、5.0質量がより好ましく、4.0質量%がさらに好ましい。また、ホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有してもよく、その濃度は0.01質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。
一軸延伸処理における延伸温度の下限は、30℃が好ましく、40℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。延伸温度の下限を樹脂粒子のガラス転移温度の上限である30℃以上とすることで、延伸の際に樹脂粒子が延伸方向に延びるように良好に変形される。これによって、裂けにくく、取扱性に優れる延伸光学フィルムを比較的容易に得ることができる。
一軸延伸処理における延伸倍率の下限は、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から5倍が好ましく、5.5倍がより好ましく、6倍がさらに好ましい。延伸倍率の上限は特に制限されないが、例えば10倍が好ましく、8倍がより好ましいこともある。
偏光フィルムの製造にあたっては、原反フィルムへの二色性色素(ヨウ素系色素等)の吸着を強固にするために一軸延伸処理の後に固定処理を行うことが好ましい。固定処理に使用する固定処理浴としては、ホウ酸、硼砂等のホウ素無機化合物の1種又は2種以上を含む水溶液を使用することができる。また、必要に応じて、固定処理浴中にヨウ素化合物や金属化合物を添加してもよい。固定処理浴におけるホウ素無機化合物の濃度の下限は、0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。一方、この濃度の上限は、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。この濃度を上記範囲内にすることで二色性色素の吸着をより強固にすることができる。固定処理浴の温度の下限は、15℃が好ましい。一方、この温度の上限は、60℃が好ましく、40℃がより好ましい。
洗浄処理は、水等に原反フィルムを浸漬して行われることが一般的である。このとき、偏光性能向上の点から洗浄処理に用いる水等はヨウ化カリウム等の助剤を含有することが好ましい。このとき、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の濃度は0.5質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。また、洗浄処理に用いる水等の温度の下限は、一般的に5℃であり、10℃が好ましく、15℃がより好ましい。一方、この温度の上限は、一般的に50℃であり、45℃が好ましく、40℃がより好ましい。経済的な観点から水等の温度が低すぎることは好ましくない。一方、水等の温度が高すぎると偏光性能が低下することがある。
乾燥処理の条件は特に制限されないが、乾燥温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、乾燥温度の上限としては、150℃が好ましく、130℃がより好ましい。上記範囲内の温度で乾燥することで、寸法安定性に優れる偏光フィルムが得られやすい。
乾燥処理の後に熱処理を行うことで、さらに寸法安定性に優れた偏光フィルムを得ることができる。ここで熱処理とは、乾燥処理後の水分率が5%以下の偏光フィルムをさらに加熱し、偏光フィルムの寸法安定性を向上させる処理のことである。熱処理の条件は特に制限されないが、60℃以上150℃以下の範囲内で熱処理することが好ましい。60℃よりも低温で熱処理を行うと熱処理による寸法安定化効果が不十分である。一方、150℃よりも高温で熱処理を行うと、偏光フィルムに黄変が激しく生じることがある。
<その他の実施形態>
本発明の原反フィルム、延伸光学フィルム、及び延伸光学フィルムの製造方法は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、延伸光学フィルム及びその製造方法としては、延伸光学フィルムが偏光フィルムである場合を中心に説明したが、延伸光学フィルムは偏光フィルムに限定されるものではない。例えば、位相差フィルム等の偏光フィルム以外の延伸光学フィルムも、本発明の範囲内であり、本発明の原反フィルムを延伸する工程を備える製造方法によって製造することができる。本発明の一実施形態としての位相差フィルムの製造方法は、本発明の原反フィルムを延伸すること以外は、従来公知の方法を用いて行うことができる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において採用された各評価方法を以下に示す。
[樹脂粒子のガラス転移温度]
以下の各実施例又は比較例で得られた原反フィルムを水に溶解後、樹脂粒子を捕集可能なフィルター(メルク社の「MF-ミリポアメンブレンフィルターVSWP」孔径0.025μm)でろ過し、捕集物(樹脂粒子)を乾燥した。その後、樹脂粒子を100℃で熱処理することで、樹脂粒子のみから成形した樹脂膜を採取した。DSC(TA Instruments社の「Q2000」)を用いて、樹脂膜のガラス転移温度を求めた。これを樹脂粒子のガラス転移温度とした。
[原反フィルムの膨潤度]
以下の各実施例又は比較例で得られた原反フィルムを約1.5g採取した。これを約2mm×10cmに裁断した後、100メッシュ(NBCメッシュテック社の「N-N0110S 115」)に包み、30℃の蒸留水中に15分間浸漬した。その後、3,000rpmで5分間遠心脱水を行い、メッシュを取り除いてから膨潤した原反フィルムの質量(W1)を求めた。続いて、その原反フィルムを105℃の乾燥機で16時間乾燥した後、質量(W2)を求めた。下記式により、原反フィルムの膨潤度を算出した。
膨潤度(%)={(W1)/(W2)}×100
[原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径]
以下の各実施例又は比較例で得られた原反フィルムをウルトラミクロトーム(Leica社の「ウルトラカットS/FC-S」)で切り出した後、四酸化オスミニウムの蒸気に23℃の雰囲気下で5日間晒し、PVAのヒドロキシ基を染色処理した。染色処理後、さらにダイヤモンドナイフ(DiATOME社の「Ultra Cryo Dry」2mm 35°)を用いて、-100℃の雰囲気下で観察用の凍結切片を切り出した。その後、過剰に染色された観察用の凍結切片を蒸留水で洗浄して乾燥させた。透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「透過電子顕微鏡HT7000」)を用いて切断面を観察し、TEM画像を得た。加速電圧は100kV、エミッション電流は10μAに設定し、電子銃はLaB6フィラメントを用いた。
上記方法で得られたTEM画像を用いて、以下の方法にて、原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径を測定した。まず、画像解析ソフト「Image-Pro Plus 7.0J」(Media Cybernetics社製)を用いて、TEM画像を開いた後、「変換」で8ビットスケールに変換変更し、「フィルター処理」で平坦化処理を行った。次に、「コントラスト強調」でコントラスト値を80に設定し、「カウント/サイズ」内の測定項目設定ページにおいて「平均粒径」を選択した後、明るい色のオブジェクトを自動抽出させることで、機械的に樹脂粒子を抽出し、原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径を算出した。なお、粒径がTEM画像中での最大径の1/10より小さいものは、ノイズとして除去した。また、TEM画像において、PVAよりも樹脂粒子の色が濃い場合には、暗い色のオブジェクトを自動抽出させることで、原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径を算出した。
[偏光フィルム中の樹脂粒子の長さ]
以下の各実施例又は比較例で得られた偏光フィルムについて、上記「原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径」に記載の方法と同様にして、切断面のTEM画像を得た。但し、この偏光フィルムについては、延伸方向に対して平行な切断面から観察を行った。
上記方法で得られたTEM像を用いて、以下の方法にて、偏光フィルム中の樹脂粒子の延伸方向長さA(長軸長さ)、及び延伸方向に垂直な方向の長さB(単軸長さ)を測定した。まず、画像解析ソフト「Image-Pro Plus 7.0J」(Media Cybernetics社製)を用いて、TEM画像を開いた後、「変換」で8ビットスケールに変換変更し、「フィルター処理」で平坦化処理を行った。次に、「コントラスト強調」でコントラスト値を80に設定し、「カウント/サイズ」内の測定項目設定ページにおいて「楕円の長軸/短軸比」を選択した後、明るい色のオブジェクトを自動抽出させることで、機械的に樹脂粒子を抽出し、偏光フィルム中の樹脂粒子の長軸方向の長さA(延伸方向の長さ)、短軸方向の長さB(延伸方向に垂直な方向の長さ)、及びこれらの長さ比(A/B)を算出した。なお、粒径がTEM画像中での最大径の1/10より小さいものは、ノイズとして除去した。また、TEM画像において、PVAよりも樹脂粒子の色が濃い場合には、暗い色のオブジェクトを自動抽出させることで、偏光フィルム中の樹脂粒子の各長さを算出した。
[耐裂け性評価:突き刺し性]
以下の各実施例又は比較例で得られた偏光フィルムを温度23℃、相対湿度20%で24時間静置した。この後、この偏光フィルムから長さ方向(偏光フィルムの延伸方向)に40mm×幅方向に20mmのフィルム片を切り出し、金属枠で挟んで4辺を固定した。その後、引っ張り試験装置(島津製作所社の「オートグラフAGS-H」)にこの偏光フィルムを取り付け、この偏光フィルムの延伸方向とマイナスドライバー(偏光フィルムとの接触面積:1mm×5mm)の長辺とが平行になるように、マイナスドライバーを上のチャック部に取り付け、1mm/minの速度で偏光フィルムにマイナスドライバーを押し付けた。そして、マイナスドライバーが偏光フィルムを貫通したときの最大荷重を突き刺し強度とし、以下の基準で突き刺し性を評価した。なお、A及びBは実用上問題なく使用できるため良好と判定し、Cは不良と判定した。
A:突き刺し強度が5N以上
B:突き刺し強度が3N以上5N未満
C:突き刺し強度が3N未満
[耐裂け性評価:カッティング性]
以下の各実施例又は比較例で得られた偏光フィルムを温度23℃、相対湿度50%で24時間静置した。この後、この偏光フィルムを延伸方向と垂直な方向に速度600mm/minでカッターナイフを用いてカットし、カット断面を実体顕微鏡で観察した。なお、カッターナイフの刃と偏光フィルムの延伸方向とのなす角度を45°とした。そして、偏光フィルムのカット断面の1cmあたりに存在するクラック数を測定し、以下の基準でカッティング性を評価した。なお、A及びBは実用上問題なく使用できるため良好と判定し、Cは不良と判定した。
A:クラック無し
B:1~4本/cm
C:5本以上/cm
[耐裂け性評価:打ち抜き性]
以下の各実施例又は比較例で得られた偏光フィルムを温度23℃、相対湿度50%で24時間静置した。この後、カッティングマット(コクヨ社の「マー40N」)の上に偏光フィルムを置き、直径10mmの円形のポンチ(スリーエッチ社のベルトポンチ「TPO-100」)を用いて偏光フィルムを打ち抜き、円形にくり抜かれた偏光フィルムの打ち抜き端面を実体顕微鏡で観察した。そして、偏光フィルムに存在するクラック数を測定し、以下の基準で打ち抜き性を評価した。なお、A及びBは実用上問題なく使用できるため良好と判定し、Cは不良と判定した。
A:クラック無し
B:1~4本/周
C:5本以上/周
[偏光フィルムの偏光性能]
(透過率Tsの測定)
偏光フィルムの中央部から、偏光フィルムの延伸方向に2cmの長さのサンプルを2枚採取した。1枚のサンプルについて、積分球付き分光光度計(日本分光社の「V7100」)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行い、長さ方向に対して+45°傾けた場合の光の透過率と-45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts1(%)を求めた。もう1枚のサンプルについても同様にして、+45°傾けた場合の光の透過率と-45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts2(%)を求めた。下記計算式(1)を用いて、Ts1とTs2を平均し、偏光フィルムの透過率Ts(%)とした。
Ts=(Ts1+Ts2)/2・・・(1)
以下の実施例又は比較例においては、染色処理条件を調整して透過率Tsが44.0%になるようサンプルを作製し、以下の偏光度Vの測定を行った。
(偏光度Vの測定)
上記透過率Tsの測定で使用した2枚のサンプルについて、その延伸方向がお互いに直交するように重ねた場合の光の透過率T(%)と、その延伸方向が平行になるように重ねた場合の光の透過率T//(%)を測定した。この測定は、積分球付き分光光度計(日本分光社の「V7100」)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行って実施した。測定したT//(%)及びT(%)から、下記計算式(2)を用いて、偏光度V(%)を求めた。
V={(T//-T)/(T//+T)}1/2×100・・・(2)
[製造例1]樹脂粒子Aの製造
乾燥させた0.5Lの耐圧重合槽に、重合開始剤であるペルオキソ二硫酸カリウム0.20g、三洋化成工業社の反応性乳化剤「JS-20」36.0g、及びイオン交換水300gを仕込んだ。これを30分間窒素ガスにてバブリングすることで脱酸素処理を行い、開始乳化液を得た。次に、この開始乳化液を撹拌しながら60℃に昇温した後に、それぞれ脱気処理したアクリル酸n-ブチル45.0g、メタクリル酸アリル0.45g、及びトリメチロールプロパントリメタクリレート0.23gの混合液を1.0ml/分の速度で連続的に添加した。
その後、後述する方法にて算出した各単量体の転化率が95質量%を超えたことを確認した時点で、脱気処理したメタクリル酸ジシクロペンタニル5.6gを1.0ml/分の速度で連続的に添加した。上記添加後、上記方法にて算出した単量体転化率が95質量%を超えたことを確認し、重合槽を100℃に昇温して重合を行い、残留単量体がガスクロマトグラフィの検出限界以下になるまで重合を行った。重合後25℃まで冷却して、樹脂粒子Aを含むエマルション溶液(樹脂分17質量%)を得た。なお、重合開始から25℃までの冷却に要した重合時間は8時間であった。また、得られた樹脂粒子は、コアがポリアクリル酸n-ブチル、シェルがポリメタクリル酸ジシクロペンタニルであるコアシェル型の粒子である。
(単量体の転化率)
重合開始から1時間毎にサンプリングした乳化液(0.100g)をテトラヒドロフラン溶液(10.0g、0.1質量%4-ターシャリー・ブチルカテコール添加)に滴下することで、被覆重合体粒子又は重合体粒子のテトラヒドロフラン溶液を調製した。この溶液をガスクロマトグラフィ(島津製作所GC-14A、カラムUAWAX-20EX-1.0F)で分析し、検出された単量体量及び乳化重合開始時点の単量体の添加量から単量体転化率(%)を算出した。
[製造例2]樹脂粒子Bの製造
二軸押出機(パーカーコーポレーション社製)に、ホッパーから(メタ)アクリル系ブロック共重合体であるメタクリル酸メチル-アクリル酸n-ブチル-メタクリル酸メチルトリブロック共重合体(クラリティ(登録商標)LA2140、(株)クラレ製、メタクリル酸メチル単位24質量%)を0.66kg/時で供給し、シリンダー途中からN-メチルシクロヘキシルアミンを72kg/時((メタ)アクリル系重合体中のメタクリル酸メチル単位100モルに対して40モルとなる量)で供給し、シリンダー温度220℃、スクリュウ回転数100rpmで溶融混練した。これにより、メタクリル酸無水物-アクリル酸n-ブチル共重合体1を得た。これを20mm以下に粉砕し、80℃の熱水に24時間浸漬することで、酸無水物をカルボキシ基に変換し、メタクリル酸-アクリル酸n-ブチル-メタクリル酸トリブロック共重合体とした。その後、この共重合体をろ過により取り出し、乾燥し、メタノールに固形分濃度10質量%になるように溶解した。その後、メタノールと同質量分の水を滴下し、分散溶液を得た後、得られた溶液を60℃で減圧処理してメタノールを留去し、メタクリル酸-アクリル酸n-ブチル-メタクリル酸トリブロック共重合体の樹脂粒子Bを含むエマルション溶液(樹脂分10質量%)を得た。
以下に、実施例及び比較例用いた市販の樹脂粒子を示す。
樹脂粒子C:イーテック社の「AE986B」(アクリル樹脂製粒子)
樹脂粒子D:サイデン化学社の「UC-143」(アクリル樹脂製粒子)
樹脂粒子E:星光PMC社の「QE-1042」
樹脂粒子F:星光PMC社の「KE-1062」
樹脂粒子G:イーテック社の「N827(A)-1」(アクリル樹脂製粒子)
[実施例1]
(原反フィルムの製造)
PVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物であり、重合度は2,400、けん化度は99.95モル%である。)とグリセリン(PVA100質量部に対して12質量部)と界面活性剤(PVA100質量部に対して0.03質量部)と水とを混合し、90℃で4時間溶解することで、PVA水溶液を得た。その後、このPVA水溶液にPVA100質量部に対して、10質量部の樹脂粒子Aを添加し、85℃で30分間撹拌した。その後、PVA水溶液の脱泡のため、PVA水溶液を85℃で16時間保温した。
上記PVA水溶液を、80℃の金属ロール上で乾燥してPVAフィルムを得た。その後、110℃の乾燥機で10分間熱処理を行い、平均厚みが30μmの実施例1の原反フィルムを得た。
(2)偏光フィルムの製造
上記(1)で得られた原反フィルムから、長さ方向9cm×幅方向5cmの長方形の試験片を採取した。この試験片の長さ方向の両端を、延伸部分のサイズが長さ方向5cm×幅方向5cmとなるように延伸治具に固定し、温度30℃の水中に38秒間浸漬している間に24cm/分の延伸速度で元の長さの2.2倍に長さ方向に一軸延伸(1段目延伸)した。その後、ヨウ素を0.03質量%及びヨウ化カリウムを3質量%の濃度で含有する温度30℃のヨウ素/ヨウ化カリウム水溶液中に60秒間浸漬している間に24cm/分の延伸速度で元の長さの3.3倍まで長さ方向に一軸延伸(2段目延伸)した。次いで、ホウ酸を3質量%及びヨウ化カリウムを3質量%の濃度で含有する温度30℃のホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液中に約20秒間浸漬している間に24cm/分の延伸速度で元の長さの3.6倍まで長さ方向に一軸延伸(3段目延伸)した。続いて、ホウ酸を4質量%及びヨウ化カリウムを約5質量%の濃度で含有する温度58℃のホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液中に浸漬しながら24cm/分の延伸速度で限界延伸倍率(4枚のフィルムを取り付け、2枚が切れた延伸倍率を限界延伸倍率とした)まで長さ方向に一軸延伸(4段目延伸)した。その後、ホウ酸を1.5質量%及びヨウ化カリウムを3質量%の濃度で含有するヨウ化カリウム水溶液中に10秒間浸漬して固定処理を行った。その後60℃の乾燥機で4分間乾燥して、延伸光学フィルムである実施例1の偏光フィルム(平均厚み13μm)を得た。
[実施例2~6、比較例1~4]
PVA水溶液に添加した樹脂粒子の種類及び量を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~6及び比較例1~4の各原反フィルム及び偏光フィルムを得た。なお、比較例1においては、樹脂粒子を添加しなかった。
[比較例5]
原反フィルムの平均厚みを60μmにしたこと以外は比較例1と同様にして、比較例5の原反フィルム及び偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの平均厚みは26μmであった。
[評価]
得られた各原反フィルムを用い、上記した方法により、樹脂粒子のガラス転移温度、原反フィルムの膨潤度、及び原反フィルム中の樹脂粒子の平均粒径を測定した。また、得られた偏光フィルムを用い、上記した方法により、偏光フィルム中の樹脂粒子の長さA(延伸方向の長さ)、長さB(延伸方向に垂直な方向の長さ)及びその長さ比(A/B)の測定、並びに突き刺し性、カッティング性、打ち抜き性、及び偏光性能の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007093349000001
表1に示されるように、実施例1~6で得られた偏光フィルムは、突き刺し性、カッティング性及び打ち抜き性の評価がA又はBであり、薄型でありながら、裂けにくく、取扱性や生産性に優れることがわかる。また、実施例1~6は、複雑な工程を経ることなく行われ、偏光フィルムを比較的容易に製造できることがわかる。さらに、実施例1~4の偏光フィルムにおいては、偏光性能も特に良好であることがわかる。
一方、比較例1~4で得られた偏光フィルムは、突き刺し性、カッティング性及び打ち抜き性の評価が低く、裂けやすいことがわかる。また、比較例5では、得られた偏光フィルムは耐裂け性を有するものの、薄い偏光フィルムを得られなかった。
1:延伸光学フィルム
2:樹脂粒子
X:延伸方向
A:延伸方向の長さ
B:延伸方向に垂直な方向の長さ
本発明の原反フィルムは、LCDの構成材料である偏光フィルム等の材料として好適に用いることができる。また、本発明の延伸光学フィルムの製造方法、及び延伸光学フィルムは、偏光フィルムやその製造方法として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 平均厚みが45μm以下であり、
    主成分であるビニルアルコール系重合体と、ガラス転移温度が20℃以下の樹脂粒子とを同一の層中に含有し、
    上記ビニルアルコール系重合体100質量部に対する上記樹脂粒子の含有量が、1質量部以上50質量部以下であり、
    上記樹脂粒子の平均粒径が、1nm以上300nm以下である延伸光学フィルム製造用の原反フィルム。
  2. 上記樹脂粒子のガラス転移温度が9℃以下である請求項1に記載の原反フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の原反フィルムを延伸する工程
    を備える延伸光学フィルムの製造方法。
  4. 平均厚みが20μm以下であり、
    主成分であるビニルアルコール系重合体と、ガラス転移温度が20℃以下の樹脂粒子とを同一の層中に含有し、
    上記ビニルアルコール系重合体100質量部に対する上記樹脂粒子の含有量が、1質量部以上50質量部以下であり、
    上記樹脂粒子の延伸方向の長さが、1nm以上300nm以下である延伸光学フィルム。
  5. 延伸方向に平行な切断面における透過型電子顕微鏡画像にて観測される上記樹脂粒子の上記延伸方向の長さが、上記延伸方向に垂直な方向の長さよりも長い請求項に記載の延伸光学フィルム。
  6. 上記樹脂粒子のガラス転移温度が9℃以下である請求項又は請求項に記載の延伸光学フィルム。
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