JPH07278076A - L−フェニルアラニン・モノメチル硫酸塩の晶析方法 - Google Patents
L−フェニルアラニン・モノメチル硫酸塩の晶析方法Info
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- JPH07278076A JPH07278076A JP6073248A JP7324894A JPH07278076A JP H07278076 A JPH07278076 A JP H07278076A JP 6073248 A JP6073248 A JP 6073248A JP 7324894 A JP7324894 A JP 7324894A JP H07278076 A JPH07278076 A JP H07278076A
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- phenylalanine
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C227/00—Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
- C07C227/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C227/40—Separation; Purification
- C07C227/42—Crystallisation
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 L−フェニルアラニン モノメチル硫酸塩晶
析を高収率で行わせる方法を確立する。 【構成】 L−フェニルアラニンとモノメチル硫酸を含
む水溶液からL−フェニルアラニン・モノメチル硫酸塩
を晶析させる際、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金
属の無機塩や有機酸塩またはアンモニウム塩を存在させ
る。
析を高収率で行わせる方法を確立する。 【構成】 L−フェニルアラニンとモノメチル硫酸を含
む水溶液からL−フェニルアラニン・モノメチル硫酸塩
を晶析させる際、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金
属の無機塩や有機酸塩またはアンモニウム塩を存在させ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】L−フェニルアラニン(以下、L
−Pheと略記する)を、モノメチル硫酸塩として、高
収率で回収する方法に関する。
−Pheと略記する)を、モノメチル硫酸塩として、高
収率で回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−フェニルアラニン及びそのメチルエ
ステル体であるL−フェニルアラニンメチルエステル
(以下、L−PMと略記する)は、ペプチド合成の原料
として重要な物質である。特にジペプチド体である甘味
料α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステル(以下、α−APMと略記する)の原料として
需要が大きい。
ステル体であるL−フェニルアラニンメチルエステル
(以下、L−PMと略記する)は、ペプチド合成の原料
として重要な物質である。特にジペプチド体である甘味
料α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステル(以下、α−APMと略記する)の原料として
需要が大きい。
【0003】従来α−APMの製法は種々検討されてい
るが、工業的製法として例えばN保護されたL−アスパ
ラギン酸無水物とL−PMを反応させる方法(米国特許
3786039),N−ベンジルオキシカルボニルーL
−アスパラギン酸とL−PMを酵素により縮合させる方
法(特開昭53ー92729)等が公知である。
るが、工業的製法として例えばN保護されたL−アスパ
ラギン酸無水物とL−PMを反応させる方法(米国特許
3786039),N−ベンジルオキシカルボニルーL
−アスパラギン酸とL−PMを酵素により縮合させる方
法(特開昭53ー92729)等が公知である。
【0004】ここで用いられるL−PMを得るには、L
−Pheを塩酸、硫酸等の鉱酸の存在下、メタノールで
エステル化させ、得られた酸性の反応液を水の存在下適
当な塩基を用いて中和し、遊離したL−PMをトルエン
等の水と混和しない有機溶媒で抽出する方法が純度の高
いL−PMが得られる為、採用されることが多い。この
方法では、抽出水層にエステル化で反応しなかったL−
Phe及び中和操作、抽出操作でL−PMの分解で生じ
たL−Pheが溶存する。
−Pheを塩酸、硫酸等の鉱酸の存在下、メタノールで
エステル化させ、得られた酸性の反応液を水の存在下適
当な塩基を用いて中和し、遊離したL−PMをトルエン
等の水と混和しない有機溶媒で抽出する方法が純度の高
いL−PMが得られる為、採用されることが多い。この
方法では、抽出水層にエステル化で反応しなかったL−
Phe及び中和操作、抽出操作でL−PMの分解で生じ
たL−Pheが溶存する。
【0005】ところで、L−Pheは比較的高価な原料
である為、工業的には目的物質になり得なかったL−P
he成分を回収し再度原料として使用することが重要で
ある。前述の抽出水層中のL−Pheの回収法として
は、L−フェニルアラニン モノメチル硫酸塩(以下、
L−Phe・MeSO4H塩と略記する)として回収す
る方法(特願平5ー36881)が挙げられる。このL
−Phe・MeSO4H塩としての回収法の場合、従来
不純物として効率的除去の困難であったL−チロシンや
D−フェニルアラニンを、簡便な操作で高い淘汰性をも
って除去でき、光学的に純度の低いL−Pheとモノメ
チルル硫酸(以下、MeSO4Hと略記する)塩の晶析
系からも、光学純度の極めて高いL−Phe・MeSO
4H塩が得られることから、L−Pheの工業的回収法
として優れている。
である為、工業的には目的物質になり得なかったL−P
he成分を回収し再度原料として使用することが重要で
ある。前述の抽出水層中のL−Pheの回収法として
は、L−フェニルアラニン モノメチル硫酸塩(以下、
L−Phe・MeSO4H塩と略記する)として回収す
る方法(特願平5ー36881)が挙げられる。このL
−Phe・MeSO4H塩としての回収法の場合、従来
不純物として効率的除去の困難であったL−チロシンや
D−フェニルアラニンを、簡便な操作で高い淘汰性をも
って除去でき、光学的に純度の低いL−Pheとモノメ
チルル硫酸(以下、MeSO4Hと略記する)塩の晶析
系からも、光学純度の極めて高いL−Phe・MeSO
4H塩が得られることから、L−Pheの工業的回収法
として優れている。
【0006】具体的には、L−Phe・MeSO4H塩
は、硫酸を酸触媒として用いた場合の抽出水層を酸性条
件下濃縮することで析出してくる。しかしながら、高収
率で回収するには、当該抽出水層を1/2〜1/3容量
にまで濃縮する必要がある。このことは濃縮に要するエ
ネルギー費も膨大なものになり、結果としてL−Phe
を回収するメリットが縮小してしまう。
は、硫酸を酸触媒として用いた場合の抽出水層を酸性条
件下濃縮することで析出してくる。しかしながら、高収
率で回収するには、当該抽出水層を1/2〜1/3容量
にまで濃縮する必要がある。このことは濃縮に要するエ
ネルギー費も膨大なものになり、結果としてL−Phe
を回収するメリットが縮小してしまう。
【0007】又、不純物を含むL−Phe・MeSO4
H塩結晶を水からの再結晶あるいはスラリー洗浄により
精製しようとする場合も、本結晶は水に対する溶解度が
比較的高いので母液へのロスが多くなり、収率を低下さ
せてしまう。
H塩結晶を水からの再結晶あるいはスラリー洗浄により
精製しようとする場合も、本結晶は水に対する溶解度が
比較的高いので母液へのロスが多くなり、収率を低下さ
せてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、L−Phe・MeSO4H塩を晶析させるにあた
り、L−Phe・MeSO4H塩の溶解度を低下させる
ことで、晶析収率を高める方法を確立することにある。
は、L−Phe・MeSO4H塩を晶析させるにあた
り、L−Phe・MeSO4H塩の溶解度を低下させる
ことで、晶析収率を高める方法を確立することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、驚くべきことに、L−Phe・M
eSO4H塩を再結晶させる際に、ある種の塩の存在下
に行わせることで、L−Phe・MeSO4H塩の溶解
度が激減することを見いだした。又、前述の抽出水層か
らL−Phe・MeSO4H塩を晶析させる際も、その
ような塩を添加することで溶解度が低下することがわか
った。またこれらの塩を添加することで抽出水層の濃縮
度を高めないでも、高収率でL−Phe・MeSO4H
塩が析出することも分かり、本発明を完成するに至っ
た。
に鋭意検討した結果、驚くべきことに、L−Phe・M
eSO4H塩を再結晶させる際に、ある種の塩の存在下
に行わせることで、L−Phe・MeSO4H塩の溶解
度が激減することを見いだした。又、前述の抽出水層か
らL−Phe・MeSO4H塩を晶析させる際も、その
ような塩を添加することで溶解度が低下することがわか
った。またこれらの塩を添加することで抽出水層の濃縮
度を高めないでも、高収率でL−Phe・MeSO4H
塩が析出することも分かり、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】このような塩としては、NaCl、KCl
等のハロゲン化アルカリ金属塩、CaCl2等のハロゲ
ン化アルカリ土類金属塩、Na2SO4等の硫酸化アルカ
リ金属塩、CH3CO2Na、CH3SO4Na等の有機酸
アルカリ金属塩、NH4Cl等のハロゲン化アンモニウ
ム塩等が挙げられる。
等のハロゲン化アルカリ金属塩、CaCl2等のハロゲ
ン化アルカリ土類金属塩、Na2SO4等の硫酸化アルカ
リ金属塩、CH3CO2Na、CH3SO4Na等の有機酸
アルカリ金属塩、NH4Cl等のハロゲン化アンモニウ
ム塩等が挙げられる。
【0011】これらの塩は高濃度で存在するほどL−P
he・MeSO4H塩の溶解度を下げる効果が大きい。
L−Phe・MeSO4H塩を再結晶あるいはスラリー
洗浄させる際に、最も安価な塩としてNaClを存在さ
せる場合、1g/dl以上、望ましくは3g/dl以上
の濃度になるようにすることで本発明の効果が明らかに
発現する。一方、前述の抽出水層から晶析させる場合
は、エステル化反応液の中和抽出で用いた塩基と得られ
た抽出水層を酸性にするために加えた塩酸、硫酸などの
鉱酸とから生成した塩が既に存在していることになる
が、この場合もさらに塩を追加することでL−Phe・
MeSO4H塩溶解度は大きく低下する。しかし、いず
れの場合も必要以上に多量の塩を添加することは経済的
でないばかりでなく、添加する塩そのものの溶解度以上
に加えると析出するL−Phe・MeSO4H塩結晶に
添加した塩が混入してくることがある。その為、添加す
る塩の溶解度を添加量の上限とすることが望ましい。も
ちろん溶解度以上に添加しても、本発明の効果は充分に
得られることは言うまでもない。
he・MeSO4H塩の溶解度を下げる効果が大きい。
L−Phe・MeSO4H塩を再結晶あるいはスラリー
洗浄させる際に、最も安価な塩としてNaClを存在さ
せる場合、1g/dl以上、望ましくは3g/dl以上
の濃度になるようにすることで本発明の効果が明らかに
発現する。一方、前述の抽出水層から晶析させる場合
は、エステル化反応液の中和抽出で用いた塩基と得られ
た抽出水層を酸性にするために加えた塩酸、硫酸などの
鉱酸とから生成した塩が既に存在していることになる
が、この場合もさらに塩を追加することでL−Phe・
MeSO4H塩溶解度は大きく低下する。しかし、いず
れの場合も必要以上に多量の塩を添加することは経済的
でないばかりでなく、添加する塩そのものの溶解度以上
に加えると析出するL−Phe・MeSO4H塩結晶に
添加した塩が混入してくることがある。その為、添加す
る塩の溶解度を添加量の上限とすることが望ましい。も
ちろん溶解度以上に添加しても、本発明の効果は充分に
得られることは言うまでもない。
【0012】また、これらの塩は単独で添加してもこれ
らの内の2種類以上の塩を混合して添加しても差し支え
ない。
らの内の2種類以上の塩を混合して添加しても差し支え
ない。
【0013】これらの塩の添加時期は、前述の抽出水層
を対象にした場合、抽出水層をpH調整する前に添加し
ても、pH調整してから添加しても、さらには、抽出水
層を濃縮する前に添加しても濃縮してから添加しても、
いずれでも構わないが、中性塩以外を添加する場合、添
加することで溶液のpHが変化するので添加後にpH調
整する方がよい。また、LーPhe・MeSO4H塩結
晶を再結晶させる際も同様である。
を対象にした場合、抽出水層をpH調整する前に添加し
ても、pH調整してから添加しても、さらには、抽出水
層を濃縮する前に添加しても濃縮してから添加しても、
いずれでも構わないが、中性塩以外を添加する場合、添
加することで溶液のpHが変化するので添加後にpH調
整する方がよい。また、LーPhe・MeSO4H塩結
晶を再結晶させる際も同様である。
【0014】これらの塩は固体のままで添加しても、溶
液状態で添加しても構わない。ここでいう溶液状態と
は、これらの塩を水で溶解させたもののみならず、α−
APM製造の工程液の内これらの塩を含む工程液をも用
いることも可能である。このような工程液としては、例
えばα−APMの製造から生じた側流を塩酸などの鉱
酸酸性下加水分解して得られた反応液にpH6付近にな
るまで水酸化ナトリウムなどのアルカリ水を添加するこ
とで析出したL−Phe結晶を分離した母液、さらに
その母液に塩酸などの酸を加えpH3付近にすることで
析出したL−Asp結晶を分離した母液や、α−AP
M塩酸塩結晶を炭酸ソーダなどのアルカリ水で中和し析
出したα−APM結晶を分離した母液などがあげられ
る。
液状態で添加しても構わない。ここでいう溶液状態と
は、これらの塩を水で溶解させたもののみならず、α−
APM製造の工程液の内これらの塩を含む工程液をも用
いることも可能である。このような工程液としては、例
えばα−APMの製造から生じた側流を塩酸などの鉱
酸酸性下加水分解して得られた反応液にpH6付近にな
るまで水酸化ナトリウムなどのアルカリ水を添加するこ
とで析出したL−Phe結晶を分離した母液、さらに
その母液に塩酸などの酸を加えpH3付近にすることで
析出したL−Asp結晶を分離した母液や、α−AP
M塩酸塩結晶を炭酸ソーダなどのアルカリ水で中和し析
出したα−APM結晶を分離した母液などがあげられ
る。
【0015】さらには、塩として添加することなく、酸
成分とアルカリ成分を別個に添加して晶析液内で中和さ
せ塩を形成させても構わない。例えば、晶析液に塩酸を
添加し、そこに当モルの水酸化ナトリウムを添加するこ
とで食塩を形成する方法が挙げられる。
成分とアルカリ成分を別個に添加して晶析液内で中和さ
せ塩を形成させても構わない。例えば、晶析液に塩酸を
添加し、そこに当モルの水酸化ナトリウムを添加するこ
とで食塩を形成する方法が挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
明する。
【0017】
【実施例1】L−Phe・MeSO4H塩結晶10gを
水20mlに懸濁したものに、表1に示す塩を各々2g
添加した。その後pHを1.6〜1.8に調整してから
20゜Cで1晩攪拌した後、吸引濾過して母液中のL−
Phe濃度をアミノ酸アナライザーで分析した。結果を
表1に示した。
水20mlに懸濁したものに、表1に示す塩を各々2g
添加した。その後pHを1.6〜1.8に調整してから
20゜Cで1晩攪拌した後、吸引濾過して母液中のL−
Phe濃度をアミノ酸アナライザーで分析した。結果を
表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例2】L−Pheと硫酸とメタノールでエステル
化し、15%Na2CO3水溶液で中和し、生成したL−
PMをトルエンで抽出することで、抽出水層1000m
lを得た。アミノ酸アナライザーによる分析の結果、こ
の中にはL−Pheが7.7g含まれていた。これにL
−Phe12gを加えてから硫酸でpH1に調整し、減
圧下770mlまで濃縮した。この濃縮液の内256m
lにNaClを15.2g加えて5℃で1晩攪拌し晶析
させた後、吸引濾過分離した。分離した母液中のL−P
he濃度は0.43g/dlであり、L−Pheとして
の晶析収率は85.6%であった。
化し、15%Na2CO3水溶液で中和し、生成したL−
PMをトルエンで抽出することで、抽出水層1000m
lを得た。アミノ酸アナライザーによる分析の結果、こ
の中にはL−Pheが7.7g含まれていた。これにL
−Phe12gを加えてから硫酸でpH1に調整し、減
圧下770mlまで濃縮した。この濃縮液の内256m
lにNaClを15.2g加えて5℃で1晩攪拌し晶析
させた後、吸引濾過分離した。分離した母液中のL−P
he濃度は0.43g/dlであり、L−Pheとして
の晶析収率は85.6%であった。
【0020】
【比較例1】実施例2で得た濃縮液256mlを用いN
aClを加えないこと以外は、実施例2と同様に処理し
た。分離した母液中のL−Phe濃度は0.81g/d
lであり、L−Pheとしての晶析収率は70.2%で
あった。
aClを加えないこと以外は、実施例2と同様に処理し
た。分離した母液中のL−Phe濃度は0.81g/d
lであり、L−Pheとしての晶析収率は70.2%で
あった。
【0021】
【実施例3】実施例2と同様の操作で濃縮液555ml
を得た。(濃縮倍率:抽出水層に対して1.8倍)この
濃縮液139mlを5゜Cで1晩晶析させた後、分離し
た。母液中のL−Phe濃度は0.36g/dlであ
り、L−Pheとしての晶析収率92.4%であった。
同じ濃縮液139mlに水29mlを加えることで濃縮
倍率を低下させ(濃縮倍率:抽出水層に対して1.5
倍),同様に晶析処理したところ、母液中のL−Phe
濃度は0.39g/dlであり、L−Pheとしての晶
析収率は89.4%に低下した。同様に同じ濃縮液13
9mlに水29mlを加えることで濃縮倍率を低下させ
たものに、さらにNaClを13g加えて同様に晶析を
させると、母液中のL−Phe濃度は0.26g/dl
に低下し、L−Pheとしての晶析収率は92.8%に
増加し、濃縮倍率1.8倍に濃縮した場合の晶析と同程
度の収率が得られた。
を得た。(濃縮倍率:抽出水層に対して1.8倍)この
濃縮液139mlを5゜Cで1晩晶析させた後、分離し
た。母液中のL−Phe濃度は0.36g/dlであ
り、L−Pheとしての晶析収率92.4%であった。
同じ濃縮液139mlに水29mlを加えることで濃縮
倍率を低下させ(濃縮倍率:抽出水層に対して1.5
倍),同様に晶析処理したところ、母液中のL−Phe
濃度は0.39g/dlであり、L−Pheとしての晶
析収率は89.4%に低下した。同様に同じ濃縮液13
9mlに水29mlを加えることで濃縮倍率を低下させ
たものに、さらにNaClを13g加えて同様に晶析を
させると、母液中のL−Phe濃度は0.26g/dl
に低下し、L−Pheとしての晶析収率は92.8%に
増加し、濃縮倍率1.8倍に濃縮した場合の晶析と同程
度の収率が得られた。
【0022】
【実施例4】α−APM塩酸塩晶析の母液を105゜C
で7時間加熱し加水分解した後、48%NaOH水溶液
にてpH5.6に調整し冷却してから析出したL−Ph
eの結晶を分離した。分離母液を35%HClでpH
3.0に調整し析出したL−アスパラギン酸を分離し
た。この分離母液中には、L−Phe,NaClがそれ
ぞれ1.1g/dl、22.2g/dlの濃度で含まれ
ていた。この分離母液220mlを実施例2と同様にし
て得られた抽出水層1150ml(L−Pheとして
8.88g含む)に加え、さらにL−Pheを12.4
g加えて硫酸でpH1.0に調整した後、減圧下640
mlまで濃縮してから、5゜Cで3時間攪拌した。析出
した結晶を濾過分離することで、結晶61.6gと母液
565mlを得た。結晶中にはL−Pheが21.6g
含まれており、母液中のL−Phe濃度は0.21g/
dlであった。L−Pheとしての晶析収率は94.8
%。
で7時間加熱し加水分解した後、48%NaOH水溶液
にてpH5.6に調整し冷却してから析出したL−Ph
eの結晶を分離した。分離母液を35%HClでpH
3.0に調整し析出したL−アスパラギン酸を分離し
た。この分離母液中には、L−Phe,NaClがそれ
ぞれ1.1g/dl、22.2g/dlの濃度で含まれ
ていた。この分離母液220mlを実施例2と同様にし
て得られた抽出水層1150ml(L−Pheとして
8.88g含む)に加え、さらにL−Pheを12.4
g加えて硫酸でpH1.0に調整した後、減圧下640
mlまで濃縮してから、5゜Cで3時間攪拌した。析出
した結晶を濾過分離することで、結晶61.6gと母液
565mlを得た。結晶中にはL−Pheが21.6g
含まれており、母液中のL−Phe濃度は0.21g/
dlであった。L−Pheとしての晶析収率は94.8
%。
【0023】
【L−Phe・CH3SO4Hの製造例】CH3SO4Na
13.4g(0.1もl)、L−Phe 4.13g
(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=0
に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、冷
却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、小量の冷水で
洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は各種
物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであった。
物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
13.4g(0.1もl)、L−Phe 4.13g
(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=0
に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、冷
却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、小量の冷水で
洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は各種
物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであった。
物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、L−フェニルア
ラニン モノメチル硫酸塩を晶析させる際に、塩類を添
加するという簡便な操作で晶析収率を高めることができ
る。
ラニン モノメチル硫酸塩を晶析させる際に、塩類を添
加するという簡便な操作で晶析収率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例で得られた結晶の粉末X線回析図(Cu
Kα線)
Kα線)
【図2】製造例で得られた結晶のIRチャート(KBr
法)
法)
【図3】製造例で得られた結晶のNMRチャート(溶
媒:重水)
媒:重水)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【L−Phe・CH3SO4Hの製造例】CH3SO4Na
13.4g(0.1mol)、L−Phe 4.13
g(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=
0に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、
冷却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、少量gの冷
水で洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は
各種物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであっ
た。物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
13.4g(0.1mol)、L−Phe 4.13
g(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=
0に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、
冷却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、少量gの冷
水で洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は
各種物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであっ
た。物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【L−Phe・CH3SO4Hの製造例】CH3SO4Na
13.4g(0.1mol)、L−Phe 4.13
g(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=
0に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、
冷却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、少量の冷水
で洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は各
種物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであっ
た。物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
13.4g(0.1mol)、L−Phe 4.13
g(25mmol)を水35mlに加え、硫酸でpH=
0に調整した。これを、約70゜Cで加熱溶解した後、
冷却した。析出した結晶を吸引ろ過分離し、少量の冷水
で洗浄、減圧乾燥した。得量 5.78g。本結晶は各
種物性測定の結果、L−Phe・CH3SO4Hであっ
た。物性測定結果は、表2、図1〜3に示した。
Claims (2)
- 【請求項1】 L−フェニルアラニンとモノメチル硫酸
を含む水溶液からL−フェニルアラニン・モノメチル硫
酸塩を晶析させる際、アルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属の無機塩や有機酸塩またはアンモニウム塩を存在
させることを特徴とするL−フェニルアラニン・モノメ
チル硫酸塩の晶析方法。 - 【請求項2】 L−フェニルアラニンとモノメチル硫酸
を含む水溶液がL−フェニルアラニンとメタノールから
硫酸存在下でエステル化させた反応液を水の存在下、塩
基で中和し生成したL−フェニルアラニンメチルエステ
ルを有機溶媒で抽出分層した後の水層を酸性にした水溶
液である請求項1記載の方法。
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---|---|---|---|
JP6073248A JPH07278076A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | L−フェニルアラニン・モノメチル硫酸塩の晶析方法 |
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