JPH07277887A - 単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents
単結晶の製造装置および製造方法Info
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Abstract
酸素濃度の精密制御性を損なうことなく、酸化膜耐圧特
性に優れた単結晶の引上げ成長を可能とする単結晶の製
造装置および製造方法を提供する。 【構成】(1) 単結晶の引上げ域の周囲を囲撓した円筒ま
たは筒状の耐熱断熱性部材7が、この部材7の上端と前
記金属チャンバー6の天井部6aとの間に、金属チャンバ
ー6上方から供給される不活性ガスをこの部材7の内側
と外側を下方に流れる不活性ガス32とに分岐する間隔h
1 を持って、金属チャンバー6の天井部6aまたは側壁6b
上部から支持されている単結晶製造装置。 (2) 部材7の上端と金属チャンバー6の天井部6aとの間
に不活性ガスの流通が可能な間隔h1 を設けて、金属チ
ャンバー6上方から供給される不活性ガス30をその部材
7の内側と外側を下方に流れる不活性ガス32とに分岐さ
せたのち、再び合流させる単結晶の製造方法。
Description
製造装置およびその装置を用いる単結晶の製造方法に関
し、単結晶の汚染や熱酸化誘起積層欠陥が少なく、酸化
膜耐圧特性に優れた単結晶の製造や酸素濃度の精密制御
に適する製造装置及び製造方法を提供するものである。
単結晶は、石英製坩堝内のシリコン溶融液から引上げて
育成させるため、成長した結晶内には坩堝の石英(SiO2)
から溶出した多くの酸素を含んでいる。このため、IC
やLSIの製造プロセスにおいて繰り返し熱処理を受け
ても、スリップや反りを発生しにくい。更に、内部の酸
素析出物は、1000℃近傍の熱処理で高密度欠陥層を形成
し、ウエーハの表面領域に存在する不純物を低減する作
用 (いわゆるイントリンシックゲッタリング) もある。
示す概略断面図である。坩堝1は二重構造であり、内側
は石英容器1aで、外側は黒鉛容器1bで構成される。坩堝
1の外側には加熱ヒーター2が配設されており、坩堝1
内にはこの加熱ヒーターにより溶融された結晶原料の溶
融液5が収容されている。この溶融液5の表面に種結晶
3の下端を接触させて上方へ引き上げることによって、
その下端に単結晶4を成長させる。これらの部品、部材
は水冷式の金属チャンバー6内に収納され、全体として
単結晶製造装置を構成している。
上方の中央部から常時不活性ガスとして高純度のアルゴ
ンガスを流して、ガス流れ30を形成させる。ガス流れ30
は、シリコン溶融液5の表面から蒸発する一酸化珪素
(SiO )およびこの一酸化珪素と加熱ヒーター2や黒鉛
容器1b等の高温部材との反応により生成される一酸化炭
素(CO)などを伴ってガス流れ31となり、加熱ヒーター
2の内外周面を下方に流れて排出口8から排出される。
の流れは複雑な乱流であり、局部的には滞留も生じてい
るため、一酸化珪素の析出物が金属チャンバー6の天井
部に層状または塊状に付着する。この析出した一酸化珪
素の微粉または塊が溶融液5の表面上に落下し、これが
結晶成長界面に取り込まれて、結晶の有転位化の原因と
なる。
合には、シリコン溶融液を汚染し、単結晶中に混入し
て、単結晶の結晶欠陥を誘発する要因となる。
提案されている。
提案されている装置 (第1の装置)である。この装置
は、坩堝の縁から突出している上部の平たい環状リム7a
と、この環状リム7aに取り付けられ、内側の縁から下方
に向かって円錐状に先細りになっている連結部7bとを有
し、連結部7bの内部高さが坩堝1の深さの 0.2〜1.2 倍
であることを特徴としている。
れている装置 (第2の装置) である。この装置は、金属
チャンバー6及びサブチャンバー6cの接合部から下方に
延び、サブチャンバー6cに気密に接合して育成中の単結
晶4を同軸に囲繞する耐熱性断熱円筒10と、保温部材12
の上端に密接し保温部材12の外周にほぼ一致する外周を
もち、かつ、その中央に上記耐熱性断熱円筒10にほぼ嵌
合する貫通孔をもつドーナツ状の耐熱性断熱板11を有す
ることを特徴としている。
蔽効果による結晶引上げ速度の向上や一酸化珪素微粉の
シリコン溶融液への落下防止、更に結晶基板の熱酸化誘
起積層欠陥(以下、OSFという)の抑制に効果があ
る。しかし、これ等の装置では、高集積の微細半導体に
要求される酸化膜耐圧特性の向上には問題がある。ま
た、結晶中の酸素濃度抑制にも悪影響を及ぼすという問
題があった。
構は未だ十分に解明されていない。
の不良要因となる欠陥核が発生し、この欠陥核は高温領
域 (1250℃以上) では収縮し、低温領域 (1100℃以下)
では成長するとの報告 (第39回春季応用物理学会予稿
集、30P-ZD-17 参照) があるように、酸化膜耐圧特性は
結晶成長直後の熱履歴に起因するものであることが知ら
れている。
の周囲に配設した円錐台形筒状の連結部7bの内部高さが
坩堝高さの 0.2〜1.2 倍と短い。従って、結晶成長直後
の結晶は低温に保たれている金属チャンバー内の雰囲気
に直接曝されるため、結晶が急冷されて欠陥核が収縮せ
ず、酸化膜耐圧特性が低下する。
円筒10が水冷された金属チャンバー6とサブチャンバー
6cとの接合部に気密に接合されているため、熱伝導によ
り耐熱性断熱円筒10の内表面が低温となり、結晶成長直
後の高温領域で急冷される。
収縮せずに、酸化膜耐圧特性が悪化する。
トリンシックゲッタリングを効果的に行うには、単結晶
中の酸素濃度は目標値に対して±0.75×1017atoms/cm3
の精度で制御することが要求されるが、この酸素濃度は
前記のアルゴンガスの流通状態に強く影響される。
Pg、ガス流量Qg、ガス通過空間断面積Agおよび炉
内圧力Pfに依存し、次の(A)式によって表される。
このガス流速Vgは、単結晶中の酸素濃度のみでなく、
溶融液面から蒸発した一酸化珪素や加熱ヒーター等の黒
鉛部材の反応によって発生する一酸化炭素からの単結晶
の汚染にも大きな影響を及ぼしている。
と平たい環状リム7aおよび円筒管形材13は相互に気密に
結合されているため、引上げ室上方から流す全てのアル
ゴンガスは連結部7bの内側から連結部7bの下端と溶融液
5の表面の狭い隙間を流れ、溶融液5の表面上を通過し
たのち、加熱ヒーター2の内外周面を下方に向けて流れ
るガス流れ31となる。
アルゴンガスは複雑な乱流であり、溶融液5の表面から
蒸発する一酸化珪素の上昇流がアルゴンガスの流れに及
ぼす影響も連結部7bの円周方向に一様でない。そのた
め、連結部7b下端から流れ出るアルゴンガスは円周方向
に均一に流れ出ず、連結部7bの下端と溶融液5の表面の
隙間を流れるアルゴンガス流速Vgは部分的な速度差を
生じる。
スの流量Qgを多くしてガス流速Vgを増加させた場合
には、一酸化珪素や一酸化炭素を排出する作用が十分に
発揮されるので、これらが溶融液5に混入することを防
止できる。しかし、連結部7bの下端と溶融液5の表面と
の隙間における流速Vgも大きくなるため、円周方向に
おける部分的な速度差が大きくなり、溶融液5の表面温
度および溶融液5の対流に変化を生じさせ、結晶中の酸
素濃度を所望の範囲に再現性よく精密制御することが難
しくなる。
面との隙間における流速Vgが大きくなると、溶融液5
の表面が振動して、無転位の単結晶を引上げることがで
きない事態も発生する。
てガス流速Vgを遅くした場合には、連結部7bの下端と
溶融液5の表面との隙間における流速Vgの速度差も小
さくなるため、酸素濃度の制御性は向上する。しかし、
ガス流速Vgの低下にともなって、一酸化珪素や一酸化
炭素を排出する能力が低下し、適切に排出されない一酸
化珪素および一酸化炭素がシリコン溶融液5を汚染する
という問題が生じる。
5に示す第2の装置にも存在し、従来の装置に共通する
問題であった。
ように高集積の微細半導体に要求される酸化膜耐圧特性
あるいは結晶中の酸素濃度の精密制御に対応しえないと
いう問題を有していた。
げ方向に適切に温度分布を形成し、単結晶中への不純物
の混入を回避し、かつ結晶中の酸素濃度の精密制御性を
損なうことなく、酸化膜耐圧特性に優れた単結晶の引上
げ成長を可能とする製造装置および製造方法を提供する
ことを目的とする。
シリコン単結晶製造装置、およびその装置を使用する下
記 (2)の単結晶製造方法を要旨とする。
結晶の原料溶融液5を収容する坩堝1と、この溶融液5
を加熱する手段2と、坩堝1内の溶融液5の表面に種結
晶3を接触させて単結晶4を成長させる引上げ手段9
と、前記各部材を収容する金属チャンバー6とを具備す
る単結晶製造装置において、単結晶の引上げ域の周囲を
囲撓する円筒または上方から下方に向かうに従って縮径
された筒状の耐熱断熱性部材7が、この部材7の上端と
前記金属チャンバー6の天井部6aとの間に、金属チャン
バー6上方から供給される不活性ガスをこの部材7の内
側を下方に流れる不活性ガス33とこの部材7の外側を下
方に流れる不活性ガス32とに分岐することが可能な間隔
h1 を持って、金属チャンバー6の天井部6aまたは側壁
6b上部から支持されていることを特徴とする単結晶製造
装置。
を収容する坩堝1と、この溶融液5を加熱する手段2
と、坩堝1内の溶融液5の表面に種結晶3を接触させて
単結晶4を成長させる引上げ手段9と、前記各部材を収
容する金属チャンバー6とを具備する単結晶製造装置を
使用する単結晶の製造方法において、単結晶4の引上げ
域の周囲を囲繞する円筒または上方から下方に向かうに
従って縮径された筒状の耐熱断熱性部材7を坩堝1内の
溶融液5の上方に配設し、耐熱断熱性部材7の上端と金
属チャンバー6の天井部6aとの間に不活性ガスの流通が
可能な間隔h1 を設けて、金属チャンバー6上方から供
給される不活性ガス30をその部材7の内側を下方に流れ
る不活性ガス33とその部材7の外側を下方に流れる不活
性ガス32とに分岐させたのち、分岐させた不活性ガスを
合流させることを特徴とする単結晶の製造方法。
製であって、その表面が炭化珪素でコーディングされて
いるのが望ましい。その部材7の上端と金属チャンバー
6の天井部6aとの間隔 (h1)は5mm〜100mm の範囲内で
調整できる構造とし、この間隔を流通する不活性ガスの
流量、即ち流速を調整するのが望ましい。
よび製造方法を説明する。
(a)は装置の縦断面図を、(b)は(a)の要部拡大
図を示す。同図(a)中の1は坩堝であり、内側を石英
容器1aとし、外側を黒鉛容器1bとした二重構造であり、
坩堝支持軸1c上に設置される。この坩堝支持軸1cは坩堝
の回転のみでなく、坩堝の昇降も行うことができるよう
になっている。
晶の引上げ軸を中心として天井部6aと側壁6bから構成さ
れる円筒状の真空容器であり、その中央位置に坩堝1が
配設され、その外周にはこれを囲んで加熱ヒーター2が
配設されている。一方、坩堝1の上方には、金属チャン
バー6の天井部6aの中央から引上げ手段9が回転および
昇降可能に垂設され、その下端には種結晶3が装着され
ている。種結晶3は引上げ手段9によって回転しつつ上
昇し、溶融液5との接触面である下端部に単結晶4が成
長する。
同軸に円錐状の耐熱断熱性部材7が金属チャンバー6の
天井部6aに接触せず、耐熱断熱性部材7の上端と天井部
6aとの間に不活性ガス、すなわち、アルゴンガスが流通
できるように間隔 (h1)を設けて保持され、溶融液5の
表面と間隔 (h2)を持って、単結晶の引上げ域の周囲に
配設される。
よって保持される一例を示す図である。同図(a)は支
持部材21による保持状況の縦断面図であり、同図(b)
はA−A矢視による水平断面図である。また、同図
(c)は耐熱断熱性部材7の斜視図である。この例では
4個の、角棒状の支持部材21が金属チャンバー6の天井
部6aに90°の間隔で配設され、支持部材21と締め付けボ
ルト21a によって、耐熱断熱性部材7の上端部を挟持す
る。これによって、耐熱断熱性部材7の上端が天井部6a
に接触せず、アルゴンガスが分岐して耐熱断熱性部材7
の内側と外側を下方に流れるように間隔を設けて、耐熱
断熱性部材7を保持する。また、支持部材21の数は上記
の4個に限定されるものでなく、その形状も角棒状のも
のに限る必要はない。
7には上端部に複数個の前記のボルト21a を通す保持用
貫通孔7cが設けられている。これは任意の貫通孔を保持
用として選択することにより、耐熱断熱性部材7の上端
と天井部6aとの間隔 (前述のh1)を調整するためであ
る。勿論、この調整手段は図示の手段に限定されるもの
ではない。
よって保持される他の例を示す図であり、耐熱断熱性部
材7は金属チャンバー6の側壁6bの上部に取り付けられ
ている。同図(a)は支持脚材22による支持状況の縦断
面図であり、同図(b)は支持脚材22の斜視図である
が、支持脚材22は上端リング22a とこれに取り付けられ
た4個の支持脚22b および先端の爪部22c からなってい
る。また、同図(c)は支持脚材22によって保持される
耐熱断熱性部材7の斜視図であり、その上端面の円周の
4箇所に突起部7dが設けられている。
上部に設けられた止着リング23に支持脚材22の上端リン
グ22a を嵌め合わせて支持脚材22を保持する。次に支持
脚材22の爪部22c と耐熱断熱性部材7の突起部7dとを係
合して、天井部6aから離間させて耐熱断熱性部材7を保
持する。さらに耐熱断熱性部材7の上端と天井部6aとの
間隔 (h1)の調整は、支持脚材22の支持脚22b の長さお
よび角度を調整することによって行われる。図2の場合
と同様に、支持脚材22の形状や支持脚22b の本数等は例
示のものに限定されるものではない。
部材の構造は、耐熱断熱性部材7の上端と天井部6aとの
間隔を閉鎖しないように構成されていればよい。この部
材7の上端と天井部6aとの間隔は、金属チャンバー6上
方から供給されるアルゴンガスを分岐して、耐熱断熱性
部材7の内側の領域とその外側の領域を下方に流れるよ
うに設けられたものである。このような支持部材を用い
て金属チャンバー6の天井部6aあるいは側壁6bから耐熱
断熱性部材7を支持する限り、本発明の目的は達成され
る。
であって、その形状は円筒または上方から下方に向かう
に従って縮径された筒状であり、その表面は炭化珪素で
コーティングされていることが望ましい。ここで耐熱断
熱性部材7を黒鉛製とするのは、高純度で製造すること
が可能であり、重金属等による引上げ結晶の汚染のおそ
れが少ないからである。また、その表面を炭化珪素でコ
ーティングすれば、黒鉛製部材の気孔部からのガス放出
を防止し、溶融液5の表面から蒸発した一酸化珪素と黒
鉛製部材の反応も防止することができる。
は、引上げ結晶の温度勾配を適切に調整する必要があ
り、特に結晶成長直後の高温度領域を徐冷する温度勾配
が必要であるため、本発明の装置および方法では、耐熱
断熱性部材7は単結晶の引上げ域の周囲に坩堝内の溶融
液5の表面から金属チャンバー6の天井部6aまでの広い
範囲に設けられている。そして、水冷式の金属チャンバ
ー6の天井部6aとの間に適切な間隔を設けて取り付けら
れ、天井部と気密に接合されない。
装置のように、連結部7bの内部高さが低いために、結晶
成長直後の結晶が金属チャンバー内の低温雰囲気に直接
曝されることがない。また、図5に示した装置の如く金
属チャンバーの天井部と気密に接合した場合に比べ、熱
伝導による耐熱断熱性部材7の温度低下を防止するの
で、耐熱断熱性部材7の内表面を高温に保持できる。そ
のため、本発明の装置および方法では、結晶成長直後の
温度勾配を小さくすることができ、1100℃以上の高温領
域で単結晶を徐冷し、その酸化膜耐圧特性を向上するこ
とが可能になる。
6の上方から供給されるアルゴンガスの流れ30は、耐熱
断熱性部材7の上端と天井部6aとの間隔から耐熱断熱性
部材7の内側を下方に流れるガス流れ33と、耐熱断熱性
部材7の外側を下方に流れるガス流れ32とに一旦分岐さ
れる。分岐されたガス流れ32および33は、坩堝1の外周
領域で合流してガス流れ34となり、坩堝1と加熱ヒータ
ー2との間および加熱ヒーター2の外側を流れ、一酸化
珪素および一酸化炭素を伴って、排気口8からチャンバ
ー外に排出される。従って、耐熱断熱性部材7の下端と
溶融液5の表面の間のアルゴンガスの流れに発生する部
分的な速度差が小さくなるようにガス流れ33の流量を少
なくしてガス流速を遅くしても、耐熱断熱性部材7の外
側を下方に流れるガス流れ32の流量が十分に確保されて
いる限り、排気口8に向かう合流するガス流れ34の流速
を一定値以上に確保できる。そのため、単結晶中の酸素
濃度を精度良く制御できるとともに、一酸化珪素および
一酸化炭素も適切に排出することができる。
隔 (h1)は5mm〜100mm の範囲で設定するのがよい。す
なわち、h1 が5mm未満であると、ガス流れ33が支配的
になり、耐熱断熱性部材7の下端と溶融液5表面の間の
アルゴンガスの流れは部分的な速度差が大きくなり、溶
融液5の表面温度および溶融液5の対流に変化を生じさ
せ、結晶中の酸素濃度を所望の範囲に精密制御すること
が難しくなる。一方、h1 が 100mmを超えると、水冷式
の金属チャンバー6からの影響によって引上げ結晶4の
冷却速度が大きくなり、酸化膜耐圧特性が低下すること
になる。さらにh1 は30mm以下とするのが一層望まし
い。h1 が30mmを超えると、排気口8へ流れるべきガス
流れ33が、単結晶の引上げ領域で逆流または滞留して、
蒸発した一酸化珪素が金属チャンバー6内に凝縮し、溶
融液5に落下する恐れがある。
との間隔 (h2)は、10mm〜50mmの範囲が好ましい。h2
が50mmを超えると、引上げ結晶への加熱ヒーターや溶融
液からの輻射熱の影響が大きくなり、結晶引上げ速度を
低下させなければならない。
性部材7の下端と溶融液5表面の間のアルゴンガスのガ
ス流れが均一化し、引上げ結晶への熱遮蔽効果も確保す
ることができる。
に対して、例えば±0.75×1017atoms/cm3 の精度で制御
するには、溶融液5の表面上のアルゴンガスの流速を小
さくし、部分的な速度差を極力生じさせないことが必要
である。そして、このガス流速を再現性良く制御するこ
とは、耐熱断熱性部材7の上端と天井部6aとの間隔h1
および耐熱断熱性部材7の下端と溶融液5の表面との間
隔h2 を、上記の範囲内で調整することによって達成さ
れる。
際しては、単結晶寸法、引上げ速度、要求される酸素濃
度等の単結晶の引上げ条件に応じて、アルゴンガスの流
速および流量が適正になるように、予め間隔h1 および
間隔h2 を設定したのち、単結晶の製造を行う。
装置において、耐熱断熱性部材7の寸法を高さ 380mmと
し、上端部内径 400mm、下端部内径 200mmで肉厚10mmの
円錐筒状とした。図2(a)の支持部材21の保持を介し
て耐熱断熱性部材7の上端と金属チャンバー6の天井部
6aとの間隔h1 を10mmとし、耐熱断熱性部材7の下端と
溶融液5表面との間隔h2 を30mmとして、単結晶の引上
げ軸9とほぼ同軸に配設した。耐熱断熱性部材7の材質
は黒鉛で、その表面を炭化珪素でコーティングした。
コン単結晶であって、石英坩堝1aは内径φ406mm(16イン
チ) のものを使用し、金属チャンバー6内に流入するア
ルゴンガス流量は60リットル/minの条件で、引上げ速度
は 1.1mm/minとし、引上げ長さは1200mmとした。更に、
比較例として、同じ引上げ条件で図4に示す構成の装置
(第1の装置)で引上げを実施した。
OSF良品率、酸化膜耐圧良品率および酸素濃度合格率
の試験項目で評価した。ここで、無転位単結晶収率は、
有転位部分を切削除去した無転位単結晶重量と、使用し
た原料多結晶重量の比で表す。
出し、 780℃×3Hrおよび1000℃×16Hrの熱処理をした
のち、選択エッチングし、OSF欠陥が基準値 (10個/c
m2)以下のものを良品とし、OSF良品ウエーハ枚数と
全ウエーハ枚数の比で表す。
グ法による評価であり、ゲート電極は燐(P)ドープの
多結晶シリコンで構成し、膜圧 250Åのドライ酸化膜
で、その面積は8mm2 として、良否は基準値 (平均電界
8Mv/cm) 以上でも絶縁破壊しないウエーハを良品と
判定し、その比率で表した。
げされた単結晶のうち、規格値に対して精度±0.75×10
17atoms/cm3 の範囲内のものを合格と判定し、酸素濃度
合格率単結晶重量と無転位単結晶重量の比で表す。
し、本発明方法で製造したシリコン単結晶は、比較例の
方法で製造したものに比べ、全ての試験項目について良
好な結果となっており、特に酸化膜耐圧良品率において
顕著な効果が得られている。
温度勾配を調整できるとともに、チャンバー内のガス流
れの分岐および合流を適切に制御することができる。こ
れによって、単結晶中への汚染物の混入が回避でき、単
結晶基板の酸化膜耐圧特性の向上および結晶内の酸素濃
度の精密制御が可能となる。
図、(b) はその要部拡大図である。
あり、(a)は縦断面図、(b)は水平断面図、(c)
は保持される耐熱断熱性部材の斜視図である。
であり、(a)は縦断面図、(b)は支持脚材の斜視
図、(c)は保持される耐熱断熱性部材の斜視図であ
る。
ある。
である。
図である。
…坩堝支持軸 2…加熱ヒーター、 3…種結晶、 4…引上げ結晶、
5…溶融液 6…金属チャンバー、 6a…チャンバーの天井部、 6b
…チャンバーの側壁 6c…サブチャンバー 7…耐熱断熱性部材、 7a…環状リム、 7b…連結部、
7c…貫通孔 7d…突起部 8…排出口、 9…引上げ手段、 10…耐熱性断熱円
筒、 11…耐熱性断熱板 12…保温部材、 13…円筒管形材 21…支持部材、 21a …締め付けボルト 22…支持脚材、 22a …上端リング、 22b …支持脚、
22c …爪部 23…止着リング、 30、31、32、33、34…ガス流れ
Claims (6)
- 【請求項1】成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容
する坩堝と、この溶融液を加熱する手段と、坩堝内の溶
融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引
上げ手段と、前記各部材を収容する金属チャンバーとを
具備する単結晶製造装置において、単結晶の引上げ域の
周囲を囲繞する円筒または上方から下方に向かうに従っ
て縮径された筒状の耐熱断熱性部材が、この部材の上端
と前記金属チャンバーの天井部との間に、金属チャンバ
ー上方から供給される不活性ガスをこの部材の内側を下
方に流れる不活性ガスとこの部材の外側を下方に流れる
不活性ガスとに分岐することが可能な間隔を持って、金
属チャンバーの天井部または側壁上部から支持されてい
ることを特徴とする単結晶製造装置。 - 【請求項2】前記耐熱断熱性部材の取付け構造が、その
耐熱断熱性部材の上端と金属チャンバーの天井部との間
隔を調整できる構造であることを特徴とする請求項1に
記載の単結晶製造装置。 - 【請求項3】前記耐熱断熱性部材の上端と金属チャンバ
ーの天井部との間隔が5mm〜100mmであることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の単結晶製造装置。 - 【請求項4】前記耐熱断熱性部材が黒鉛製であって、そ
の表面が炭化硅素でコーティングされていることを特徴
とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の単結
晶製造装置。 - 【請求項5】成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容
する坩堝と、この溶融液を加熱する手段と、坩堝内の溶
融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を成長させる引
上げ手段と、前記各部材を収容する金属チャンバーとを
具備する単結晶製造装置を使用する単結晶の製造方法に
おいて、単結晶の引上げ域の周囲を囲繞する円筒または
上方から下方に向かうに従って縮径された筒状の耐熱断
熱性部材を坩堝内の溶融液の上方に配設し、この部材と
前記金属チャンバーの天井部との間に不活性ガスの流通
が可能な間隔を設けて、金属チャンバー上方から供給さ
れる不活性ガスをこの部材の内側を下方に向けて流れる
不活性ガスとこの部材の外側を下方に向けて流れる不活
性ガスとに分岐させたのち、分岐させた不活性ガスを合
流させることを特徴とする単結晶の製造方法。 - 【請求項6】前記耐熱断熱性部材の上端と金属チャンバ
ーの天井部との間隔を調整することを特徴とする請求項
5に記載の単結晶の製造方法。
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