JP6471683B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン原料棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、浮遊帯域を移動することで棒状のシリコン単結晶を育成する浮遊帯溶融法(以下、FZ法という。)によるシリコン単結晶の製造方法に関する。更に詳しくは、誘導加熱コイルのスリット等での放電を防止し、かつ結晶欠陥の発生を抑制して、単結晶の製品化率を高めるシリコン単結晶の製造方法に関する。なお、本明細書で「単結晶の製品化率」とは、シリコン単結晶を育成した際に、シリコン単結晶の直胴部全体に対して、有転位化部分もボイド欠陥もない製品として取り扱うことができる直胴部の割合をいう。
FZ法とは、シリコン原料棒を狭小域において短時間に芯まで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、この浮遊帯域から単結晶を成長させるという方法であり、石英ルツボを使用しないことから、酸素や重金属などの不純物汚染が少ないことや、高抵抗率の単結晶が成長できるなどの利点がある。
FZ法でシリコン原料棒を狭小域において短時間に芯まで溶融するためには、その誘導加熱コイルに高電流を発生させる必要がある。しかし、誘導加熱コイルの電源端子間に高電圧を印加すると、単結晶成長中に誘導加熱コイルのスリットで放電が発生し、結晶の無転位化を阻害するという問題があった。このため、誘導加熱コイルのスリット部に窒素ガスを吹き付け、誘導加熱コイルのスリットで生じる放電を効果的に防止するシリコン単結晶の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の発明では、窒素ガスをスリット部へ局所的に流すことで、スリット部近傍の温度が低下することから荷電粒子の発生を抑制するとともに、スリットに発生した荷電粒子をガスで吹き飛ばすことで除去し、この結果、誘導加熱コイルのスリットで生じる放電を効果的に防止している。この特許文献1には、誘導加熱コイルのスリット部に吹き付けるガスの流量を、10mL/min〜1L/minとするのが好ましいことが記載され、その実施例1〜3及び比較例1では、それぞれチャンバー内窒素ガス濃度を0.1%の一定濃度に設定してシリコン単結晶を製造している。
一方、 FZ法を用いてシリコン単結晶を製造する際に、浮遊帯域近傍の赤熱したシリコン原料棒に窒素と高純度アルゴンとの混合ガスをノズルを通して吹き付け、表面が窒化されたシリコン原料棒を溶融することによりシリコン単結晶に窒素を添加し、シリコン単結晶における結晶欠陥の発生を抑制する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の発明では、シリコン原料棒に対する窒素と高純度アルゴンとの混合ガスの吹き付け時間を調整し、窒素の総吹き付け量を1.0×1022〜6.0×1023atomsとすることにより、シリコン単結晶に添加する窒素濃度を制御し、結晶欠陥の発生を抑制するとともに、窒素の過剰添加による単結晶の有転位化を回避している。この結晶欠陥として、特許文献2の実施例にはフローパターン欠陥を示している。このフローパターン欠陥はシリコン単結晶のD欠陥と呼ばれる空洞状のボイド欠陥(空孔型点欠陥の凝集体)である。
特許文献2には、窒素の総吹き付け量を上記範囲にする理由として、窒素とアルゴンとの混合ガス雰囲気中でシリコン単結晶の育成を続けていると、窒素が供給され続けるが、窒素のシリコンに対する偏析係数が7×10−4と小さいため、シリコン融液中の窒素濃度が増加して、シリコン単結晶中の窒素の固溶度が4.5×1015atoms/cmを超えて、単結晶の有転位化が起きるからと記載されている。特許文献2の発明では、窒素の総吹き付け量を、実施例1〜4でそれぞれ5.0×1022atoms,1.0×1023atoms,2.0×1023atoms,4.0×1023atomsに設定し、また比較例2、3でそれぞれ2.0×1021atoms,1.0×1024atomsに設定している。即ち、シリコン単結晶の育成中、窒素の総吹き付け量を一定に設定している。
特開2007−112640号公報(請求項1、請求項16、段落[0005]、段落[0011]、段落[0065]〜段落[0071]) 特開平9−286688号公報(請求項1、請求項2、段落[0007]、段落[0014]、段落[0016]、段落[0018]〜段落[0020])
近年、シリコン原料の仕込み量を増加させて長尺の棒状のシリコン単結晶を製造するようになっている。長尺のシリコン単結晶を、前述したように、スリット等での放電を防止し、かつ結晶欠陥の発生を抑制するために、窒素を供給し続けて育成した場合、特許文献2に記載されているように、単結晶のボトムコーン側直胴部は窒素濃度が過多となり有転位化する。この単結晶のボトムコーン側直胴部の有転位化を回避するために、特許文献2の発明のように、窒素ガスの供給量を一定に設定し、そのうえで育成初期の窒素ガスの供給量を少量にした場合、単結晶のボトムコーン側直胴部の窒素濃度の過多は防止できる一方、単結晶のトップコーン側直胴部において、窒素ドープ量が少なくなり過ぎ、窒素ドープによるボイド欠陥の発生を抑制できない。ボイド欠陥を生じたシリコン単結晶から作られたシリコンウェーハは高耐圧パワーデバイス用には使用できない。その結果、有転位化したボトムコーン側直胴部とボイド欠陥を生じたトップコーン側直胴部は製品として用いることができず、シリコン単結晶を長尺で製造しても、その製品化率を高くできない問題があった。
本発明の第1の目的は、誘導加熱コイルのスリット等での放電を防止し、単結晶のトップコーン側直胴部とボトムコーン側直胴部の窒素濃度のばらつきを低減して、有転位化部分とボイド欠陥という結晶欠陥を生じさせないシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、シリコン原料の仕込み量の増加に伴う長尺化したシリコン単結晶の有転位化部分とボイド欠陥という結晶欠陥のない製品化率を高めるシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、浮遊帯域溶融法による単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する際に、窒素とアルゴンとの混合ガスを炉内に供給してシリコン単結晶の製造方法であって、前記シリコン単結晶の育成中に前記混合ガス中の窒素濃度を変化させてシリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上4.0×1015atoms/cm以下、好ましくは4.0×1014atoms/cm以上1.0×1015atoms/cm以下の範囲内になるように前記シリコン単結晶を育成することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記シリコン単結晶の直胴部を育成する際に、前記直胴部の終端での窒素ガス供給量を前記直胴部の始端での供給量より少なくなるように調整することを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、前記単結晶製造装置は、窒素ガスを供給するための少なくとも第1及び第2の2つの供給管を備え、前記第1及び/又は第2供給管により炉内に窒素ガスを供給することを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第3の観点の発明であって、前記第2供給管による窒素ガスの供給が前記単結晶のトップコーン部においてのみ行われることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第3又は第4の観点の発明であって、前記単結晶直径に応じて前記第2供給管による窒素ガスの供給量を変えることにより、単結晶内に取り込まれる窒素量を調整することを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第3ないし第5の観点のいずれかの観点の発明であって、前記単結晶直径に応じて前記第2供給管による窒素ガスの供給時間を変えることにより、単結晶内に取り込まれる窒素量を調整することを特徴とする。
本発明の第7の観点は、浮遊帯域溶融法によるシリコン単結晶の製造装置であって、炉外に、アルゴンガス源に接続された主供給管と、窒素ガス源に接続された第1供給管と、この第1供給管から分岐した第2供給管とがそれぞれ設けられ、前記第1及び第2供給管は併合して前記主供給管に接続され、炉内に窒素とアルゴンの混合ガスを供給するためのガス供給口が誘導加熱コイル近傍の炉壁に設けられ、前記シリコン単結晶の育成開始から終了までの間、前記第1供給管は前記主供給管及び前記ガス供給口を介して前記炉内に窒素ガスを供給するように構成され、前記シリコン単結晶のトップコーン部を製造する間、前記第2供給管は前記主供給管及び前記ガス供給口を介して前記炉内に窒素ガスを供給するように構成されたことを特徴とする。



本発明の第1の観点の製造方法では、FZ法による単結晶製造装置の炉内に窒素とアルゴンとの混合ガスを供給することにより、シリコン原料棒の表面に窒化物の薄膜が形成され、シリコン原料棒の溶融とともに融液シリコン中に窒素が溶解し、シリコン単結晶中に窒素が取り込まれる(ドープされる)。またシリコン単結晶の育成中に混合ガス中の窒素濃度を変化させてシリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上4.0×1015atoms/cm以下の範囲内になるようにシリコン単結晶を育成するため、育成中の窒素濃度のばらつきが減少する。シリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上になるように窒素をドープするため、シリコン単結晶中にボイド欠陥がなくなり、またシリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が4.0×1015atoms/cm以下になるように窒素を単結晶中に取り込む(ドープする)ため、シリコン単結晶の有転位化が抑制され、シリコン単結晶の製品化率を高めることができる。また好ましくは4.0×1014atoms/cm以上1.0×1015atoms/cm以下の範囲内にすることにより、トップコーン側直胴部のボイド欠陥がより一層消滅し、かつボトムコーン側直胴部の有転位化がより一層抑制され、シリコン単結晶の製品化率をより高めることができる。
本発明の第2の観点の製造方法では、シリコン単結晶の直胴部を育成する際に、この直胴部の終端での窒素ガス供給量を直胴部の始端での供給量より少なくなるように調整することにより、トップコーン側直胴部での窒素ドープ量不足によるボイド欠陥がなくなるとともに、ボトムコーン側直胴部での窒素ドープ過多による単結晶の有転位化を防止することができる。
本発明の第3の観点の製造方法では、単結晶製造装置が窒素ガスを供給するための少なくとも第1及び第2の2つの供給管を備え、この第1及び/又は第2供給管により炉内に窒素ガスを供給することにより、効率的に窒素供給量を調整することができる。
本発明の第4の観点の製造方法では、第2供給管による窒素ガスの供給を単結晶のトップコーン部においてのみ行うことにより、第2の観点の方法と同様に、トップコーン側直胴部での窒素ドープ量不足によるボイド欠陥がなくなるとともに、第1供給管の窒素供給量を変化させることによりボトムコーン側直胴部での窒素ドープ過多による単結晶の有転位化を防止することができる。
本発明の第5の観点の製造方法では、作製する単結晶直径に応じて第2供給管による窒素ガスの供給量を変えて、単結晶内に取り込まれる窒素量を調整することにより、育成されるシリコン単結晶の直径方向における窒素濃度を均一にすることができる。
本発明の第6の観点の製造方法では、作製する単結晶直径に応じて第2供給管による窒素ガスの供給時間を変えて、単結晶内に取り込まれる窒素量を調整することにより、第4の観点の方法と同様に、育成されるシリコン単結晶の直径方向における窒素濃度を均一にすることができる。
本発明の第7の観点の製造装置では、少なくとも2つの供給管でそれぞれ独立して炉内に窒素ガスを供給することにより、効率的に窒素供給量を調整することができる。
本発明の実施形態に係るFZ法による単結晶製造装置の構成図である。 比較例1のシリコン単結晶の結晶長に応じた結晶中の窒素濃度の変化状況を示す図である。 比較例1及び2のシリコン単結晶の結晶長に応じた結晶中の窒素濃度の変化状況を示す図である。 実施例1〜3のシリコン単結晶の結晶長に応じた結晶中の窒素濃度の変化状況を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1に示すように、FZ単結晶製造装置10は、シリコン原料棒11と育成後の棒状のシリコン単結晶12とを収容する炉13を有する。シリコン原料棒11としては、シリコン多結晶棒、途中まで育成したFZシリコン単結晶棒、CZ法(チョクラルスキー法)で作製したシリコン単結晶棒等が挙げられる。この炉13内にはシリコン原料棒11とシリコン単結晶12との間に浮遊帯域12aを形成するための熱源となるスリットを有するリング状の誘導加熱コイル14が設けられる。この炉13内には窒素とアルゴンの混合ガスがガス供給口16から供給される。
また炉13内には、シリコン原料棒11を保持する上部保持治具17、種結晶18を保持する下部保持治具19、シリコン原料棒11を上下移動、回転させるための上軸21、育成した棒状のシリコン単結晶12を上下移動、回転させるための下軸22が設けられる。更に炉13の上部には、炉内のガスを排出するガス排出口24が設けられる。なお、図1ではシリコン原料棒11の回転中心となる上軸21と、シリコン単結晶12の回転中心となる下軸22とを同一軸線上に設けたが、上軸21と下軸22をずらして(偏芯させて)単結晶を育成することもできる。このように両中心をずらした場合、単結晶化の際に溶融部が攪拌され、製造する単結晶の品質を均一化することができる。偏芯量は単結晶の直径に応じて適宜設定される。
窒素とアルゴンの混合ガスを供給するためのガス供給口16は誘導加熱コイル14近傍の炉壁、例えば誘導加熱コイル14とほぼ同一レベルの炉壁に設けられる。このガス供給口16から炉内に導入された混合ガスはスリットのみならず、浮遊帯域近傍の赤熱したシリコン原料棒11にも供給される。
炉13外には、高周波発振機25が設けられ、その出力は上記誘導加熱コイル14の一対の電源端子(図示せず)に接続される。また炉13外には、高純度のアルゴンガス源と窒素ガス源が設けられる。アルゴンガス源には主供給管26が接続され、主供給管26は炉13内に臨むガス供給口16に接続される。主供給管26には流量計27が設けられる。この流量計27は、例えば10〜50L/minの範囲のアルゴンガスが流れるように設定される。また窒素ガス源には第1供給管31とこの第1供給管31から分岐した第2供給管32が接続される。第1供給管31と第2供給管32は併合して主供給管26に接続される。第1供給管31は誘導加熱コイル14のスリット等での放電を防止するために窒素ガスを供給するために配管され、第2供給管32は結晶欠陥の発生を抑制するように窒素ガスを供給するために配管されている。第1供給管31には電磁弁33と第1供給管内の窒素ガスの流量を計測する流量計34が設けられ、第2供給管32には電磁弁36と第2供給管内の窒素ガスの流量を計測する流量計37が設けられる。第1供給管31の流量計34は、例えば1〜50mL/minの範囲の窒素ガスが流れるように設定され、第2供給管32の流量計37は、例えば0〜100mL/minの範囲の窒素ガスが流れるように設定される。電磁弁33と36には制御部40の制御出力が接続される。なお、上述した流量計27、34、37の代わりに、それぞれマスフローメータを用いてもよい。第2供給管32により欠陥消滅用窒素ガスを供給する場合には、作製する単結晶の直径に応じて、欠陥消滅用窒素ガスの供給量又は供給時間を変えるか、或いはシリコン原料棒の直径に応じて、欠陥消滅用窒素ガスの供給量又は供給時間を変えることが好ましい。具体的には単結晶の直径が大きくなる程、上記窒素ガスの供給量を多くするか、又は供給時間を長くする。また作製する単結晶の直径を大きくしなくても、シリコン原料棒の直径が大きい程、窒素ガスの供給量を少なくするか、又は供給時間を短くする必要がある。こうすることにより、単結晶内に取り込まれる窒素量を所望の値に調整することができる。


このように構成されたFZ単結晶製造装置10を用いたシリコン単結晶の製造方法について説明する。先ず、シリコン原料棒11の溶融を開始する部分をコーン形状に加工し、加工歪みを除去するために表面のエッチングを行う。その後、図1に示すFZ法による単結晶製造装置10の炉13内にシリコン原料棒11を収容し、炉13内に設置された上軸21の上部保持治具17にこのシリコン原料棒11をネジ等で固定する。一方、下軸22の下部保持治具19にはシリコン単結晶からなる目的結晶方位を有する種結晶18を取り付ける。
次いで、主供給管26から流量計27で計測された所定流量のアルゴンガスを炉13内に導入しながら、高周波発振機25により誘導加熱コイル14に高周波電流を流すことにより、シリコン原料棒11の一端部を溶融させて、その融液に種結晶18を融着させる。その後、種絞りにより絞り部15を形成して無転位化を図り、溶融したシリコンを凝固させつつ単結晶を育成する。上軸21と下軸22を互いに反対方向に回転させながら、シリコン原料棒11を誘導加熱コイル14に対して軸線方向に相対移動させると同時に、溶融部を融着部からシリコン原料棒11の他端部に向けて徐々に移動させて単結晶化する。続いてシリコン原料棒11とこうして作製されたシリコン単結晶12を下降させることにより浮遊帯域12aをシリコン原料棒11と棒状のシリコン単結晶12の間に形成し、この浮遊帯域12aをシリコン原料棒11の他端部まで一定速度、例えば1〜4mm/分の範囲内の一定速度で移動させて、シリコン単結晶12を育成する。
このシリコン単結晶12の育成中には、窒素とアルゴンとの混合ガスが主供給管26及びガス供給口16から炉13内に供給される。予め、放電防止用窒素濃度や欠陥消滅用窒素濃度、窒素偏析係数、シリコン単結晶の直径、ゾーン長、シリコン原料棒の直径等に基づいた計算式により、育成される単結晶中に取り込まれる窒素濃度を予測することが可能である。この計算式に基づき、シリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上4.0×1015atoms/cm以下の範囲内、好ましくは4.0×1014atoms/cm以上1.0×1015atoms/cm以下の範囲内になるように、放電防止用窒素濃度や欠陥消滅用窒素の濃度と供給時間が決められる。2.0×1014atoms/cm未満では、窒素のドープ量が少な過ぎ、シリコン単結晶中にボイド欠陥が残存する不具合がある。また窒素のドープ量が4.0×1015atoms/cmを超えると、シリコン単結晶が有転位化する不具合がある。
次に、シリコン単結晶の育成開始から終了までの窒素とアルゴンとの混合ガスの供給について詳しく説明する。最初に、育成を開始してからの結晶送り速度や結晶径などの必要データが制御部40に入力される。育成速度は予め設定しているため、育成時間からシリコン単結晶の育成長(結晶長)を算出することができる。制御部40は、シリコン単結晶のトップコーン部が形成されていると判断するときには、第1供給管31の電磁弁33及び第2供給管32の電磁弁36の双方を、シリコン単結晶が目標とする結晶径に到達するまでの間、開く。流量計34及び37により予め決められた流量の窒素ガスが主供給管26に流れ込む。このときの混合ガス中の窒素濃度はアルゴンガス流量100%に対して0.05〜0.7%に調整される。これにより、ガス供給口16からは、誘導加熱コイル14のスリット等における放電を防止するに足りる窒素ガス量と、窒素ドープによりボイド欠陥を防ぐに足りる窒素ガス量を含んだ混合ガスが供給される。なお、育成初期のトップコーン部を形成し始める段階では、育成初期の窒素濃度過多を防ぐために、第2供給管32の電磁弁36を閉じておき、第1供給管31の電磁弁33のみ開いてもよい。
制御部40は、シリコン単結晶が目標とする結晶径に到達して、シリコン単結晶のトップコーン部から直胴部の育成が開始されたと判断するときには、第2供給管32の電磁弁36のみ閉じ、第1供給管31の電磁弁33を開いたままにする。シリコン単結晶の育成が終了するまでの間、即ちボトムコーン部が形成されるまで、制御部40は電磁弁33の「開」の状態と電磁弁36の「閉」の状態を維持する。流量計34により予め決められた流量の窒素ガスが主供給管26に流れ込む。育成が続けられると、窒素が供給され続けるが、第2供給管32からの窒素ガスの供給を止めるか、又は第1供給管31からの窒素ガスの供給量を減少させることにより、浮遊帯域のシリコン融液中の窒素濃度の増加は抑制される。第1供給管31からの窒素ガスの供給量を減少させる場合、直胴部の終端での窒素ガス供給量を直胴部の始端での供給量より少なくなるように調整することが好ましい。このときの混合ガス中のアルゴンガス流量100%に対する窒素濃度は0.05〜0.1%に調整される。この窒素濃度は前述した通り、シリコン単結晶の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上4.0×1015atoms/cm以下の範囲内に収まって、結晶内の長手方向の窒素濃度を均一にするために設定される。そして、炉13内に導入された混合ガスは、炉13上部のガス排出口24より排気される。
上述した制御部40における電磁弁33及び36の開閉制御により、第1供給管31及び第2供給管32による窒素ガス総供給量は、ボトムコーン側直胴部での窒素濃度が高くなり過ぎないように調整される。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。以下に説明する実施例及び比較例の各シリコン単結晶は実験的に育成したものである。
<比較例1>
図1に示す単結晶製造装置10により、シリコン原料棒11としてシリコン多結晶棒を用いてFZ法により、直径100mmのシリコン単結晶12を育成した。炉13内の圧力を定められた圧力に設定し、育成開始から終了まで第1供給管31の電磁弁33は開き続けた。流量計27を通過した主供給管26を流れるアルゴンガスの流量を100%とするときに、第1供給管31の流量計34により流量を0.1%に調整された窒素ガスをアルゴンガスに混合し、この混合ガスをガス供給口16から炉内に供給した。即ち、誘導加熱コイル14のスリット等での放電を防止するための混合ガス中の窒素ガス濃度が0.1%に設定された。育成初期には第2供給管32の電磁弁36を閉じておき、第1供給管31の電磁弁33のみ開いた。結晶長(テーパ長)がある結晶径に達したトップコーン部の育成段階で、ボイド欠陥を消滅させる目的で第1供給管31の電磁弁33の開放に加えて第2供給管32の電磁弁36を開放した。第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ濃度が0.4%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.5%に設定された。第2供給管32の電磁弁36を開放した状態で、窒素ドープの時間制御を行った。トップコーン部の形成が終了して目標結晶径になった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にしてシリコン単結晶を育成した。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は30分であった。直胴部の始端から終端まで育成している間、アルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ濃度が0.1%と一定になるように、第1供給管31の電磁弁33を開放し続けた。上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
<比較例2>
比較例1と同様に、育成開始から終了まで第1供給管31の電磁弁33は開き続けた。比較例1との相違点として第2供給管32の電磁弁36を開放したときの第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ流量割合が0.55%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.65%に設定した。またトップコーン部の形成が終了して目標結晶径の100mmになった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にした。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は30分であった。それ以外は、比較例1と同様にして上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
<実施例1>
比較例1との相違点として、まず、直胴部の長さを比較例1を100としたときに108の割合になるように原料質量を増加させた。また第2供給管32の電磁弁36を開放したときの第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ流量割合が0.55%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.65%に設定した。更にトップコーン部の形成が終了して目標結晶径の100mmになった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にしシリコン単結晶を育成するが、直胴長手方向の窒素濃度上昇を抑えるため、直胴部の始端時の育成段階では窒素濃度を0.1%にし、そこから直胴部の終端時の育成段階で窒素濃度が0.05%になるように、第1供給管31の電磁弁33の開度を徐々に小さくした。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は30分であった。それ以外は、比較例1と同様にして上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
<実施例2>
比較例1との相違点として、まず、直胴部の長さを比較例1を100としたときに108の割合になるように原料質量を増加させた。また第2供給管32の電磁弁36を開放したときの第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ流量割合が0.5%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.6%に設定した。更にトップコーン部の形成が終了して目標結晶径の100mmになった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にしシリコン単結晶を育成するが、直胴長手方向の窒素濃度上昇を抑えるため、直胴部の始端時の育成段階では窒素濃度を0.1%にし、そこから直胴部の終端時の育成段階で窒素濃度が0.05%になるように、第1供給管31の電磁弁33の開度を徐々に小さくした。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は25分であった。それ以外は、比較例1と同様にして上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
<実施例3>
比較例1との相違点として、まず、直胴部の長さを比較例1を100としたときに108の割合になるように原料質量を増加させた。また第2供給管32の電磁弁36を開放したときの第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ流量割合が0.6%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.7%に設定した。更にトップコーン部の形成が終了して目標結晶径の100mmになった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にしシリコン単結晶を育成するが、直胴長手方向の窒素濃度上昇を抑えるため、直胴部の始端時の育成段階では窒素濃度を0.1%にし、そこから直胴部の終端時の育成段階で窒素濃度が0.05%になるように、第1供給管31の電磁弁33の開度を徐々に小さくした。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は35分であった。それ以外は、比較例1と同様にして上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
<実施例4>
比較例1との相違点として、まず、直胴部の長さを比較例1を100としたときに108の割合になるように原料質量を増加させ、直胴部の直径を125mmに大きくした。また第2供給管32の電磁弁36を開放したときの第2供給管32の流量計37を通過したアルゴンガス流量100%に対する窒素ドープ流量割合が0.57%になるように窒素ガスを加えた。即ち混合ガス中の窒素濃度は0.67%に設定した。更にトップコーン部の形成が終了して目標結晶径の125mmになった直胴部に移行する段階で、第2供給管32の電磁弁36を閉じ、第1供給管31の電磁弁33のみを開いた状態にしシリコン単結晶を育成するが、直胴長手方向の窒素濃度上昇を抑えるため、直胴部の始端時の育成段階では窒素濃度を0.1%にし、そこから直胴部の終端時の育成段階で窒素濃度が0.05%になるように、第1供給管31の電磁弁33の開度を徐々に小さくした。第2供給管32の電磁弁36の開放時間(窒素ドープ時間)は40分であった。それ以外は、比較例1と同様にして上述したシリコン単結晶を同一条件で3回育成した。
実施例1〜4及び比較例1、2の育成条件及びシリコン単結晶直胴部の製品化率を表1に示す。
Figure 0006471683
<比較試験及び評価>
(1) ボイド欠陥と有転位化の発生部分からの製品化率の算出
実施例1及び比較例1〜3で育成した棒状のシリコン単結晶をトップコーン部、直胴部及びボトムコーン部の各部位毎に軸線に垂直方向にスライスしてサンプルのシリコンウェーハを作製した。これらのシリコンウェーハにおけるボイド欠陥の有無をセコエッチによるフローパターン評価及び赤外トモグラフ評価による欠陥評価(例 レイテック社製MO441等)により測定し、また有転位化の有無については育成中の結晶を目視観察することにより判定した。上述したフローパターン評価方法は、インゴットをスライスして作製されたサンプルウェーハを選択エッチング(セコエッチング)液内で揺動させないで放置することにより、欠陥の周囲にさざなみ模様(フローパターン)を形成させることによって欠陥を顕在化させる、簡便な評価方法である。
比較例1のトップコーン側直胴部において、ボイド欠陥が見られ、この部分は製品として使用できず製品化率を落とす要因となった。またこの問題を解消するため、比較例2にてトップコーン部の単結晶中の窒素濃度を上昇させた場合、ボイド欠陥を消滅させることは可能となったが、ボトムコーン側直胴部での単結晶中の窒素濃度が上昇しすぎることにより、この部分の有転位化が起こり、製品化率を落とす要因となった。そこで両問題を解決させかつ原料質量を増加させた実施例1〜4のシリコン単結晶のトップコーン側直胴部から得られた各サンプルのシリコンウェーハにはボイド欠陥が見られず、更にボトムコーン側直胴部からボトムコーン部に切り替わる時点においても有転位化が抑えられ、結果として、製品化率を上昇させることができた。比較例1及び2の各3本のシリコン単結晶の製品化率の平均値はそれぞれ91%及び93%であったが、実施例1〜4の各3本のシリコン単結晶の製品化率の平均値はそれぞれ100%、98%、96%及び100%であった。
(2) 窒素濃度の分布
上記(1)でボイド欠陥と有転位化の有無を調べた実施例1〜4と比較例1、2の各サンプルのシリコンウェーハを用いて、シリコンウェーハ中に取り込まれる窒素濃度を把握した。具体的には、シリコン単結晶の結晶長に応じた結晶中の窒素濃度の変化状況を、放電防止用窒素濃度や欠陥消滅用窒素濃度、窒素偏析係数、シリコン単結晶の直径、ゾーン長、シリコン原料棒の直径等に基づいて算出された計算式より図式化した。この計算式は、窒素濃度の実測値(SIMS測定)と一致することが確認されているものである。その結果を図2〜図4に示す。図2〜図4において、横軸は結晶長を示す。縦軸は育成後にシリコン単結晶をスライスしてシリコンウェーハにしたときにウェーハ中に含まれる窒素濃度を示す。図2における破線は比較例1を示し、図3における破線は比較例1を、一点鎖線は比較例2をそれぞれ示し、図4における3本の実線はそれぞれ実施例1〜3を示す。図2〜図4において、符号Aは結晶径が目標の直径に到達して直胴部に移行する時点(直胴部始端の時点)の結晶長を示し、符号Bは直胴部からボトムコーン部に移行する時点(直胴部終端の時点)の結晶長を示す。またX部分は単結晶中の窒素濃度が目標値未満のため、Y部分は単結晶中の窒素濃度が目標値を超えるため、それぞれ製品として取得できない部分を示す。
図2に示すように、育成中に混合ガス中の窒素濃度を変化させずに育成した比較例1のシリコン単結晶では、ボトムコーン側直胴部終端到達時点(B時点)の窒素濃度が4.0×1015atoms/cm未満であり、ボトムコーン側直胴部の有転位化は見られなかったが、目標結晶径到達時点(A時点)の窒素濃度はそれぞれ1.8×1014atoms/cmであり、このA時点以降の窒素濃度が2.0×1014atoms/cmになるまでのトップコーン側直胴部にはボイド欠陥が発生した(図2のX部分参照)。また図3に示すように、比較例2のシリコン単結晶では、目標結晶径到達時点(A時点)の窒素濃度は3.0×1014atoms/cmであり、このA時点以降のトップコーン側直胴部にはボイド欠陥は見られなかったが、そのボトムコーン側直胴部(B時点到達前)には有転位化が起こった(図3のY部分参照)。またスリップバック分戻った位置より取得したボトムコーン側直胴部のシリコンウェーハの窒素濃度は3.9×1015atoms/cmであり、有転位部の窒素濃度過多が考えられた。
その一方、図4に示すように、第1供給管及び第2供給管による窒素ガス総供給量について直胴部始端時の供給量よりも直胴部終端時での供給量を少なくなるように調整し、更に直胴部での窒素濃度を抑えた実施例1〜3のシリコン単結晶では、直胴部(時点Aから時点Bまで)における窒素濃度が2.0×1014atoms/cm以上4.0×1015atoms/cm以下の範囲内に入り、ボイド欠陥も単結晶の有転位化も見られなかった。特に実施例1のシリコン単結晶では、直胴部(時点Aから時点Bまで)における窒素濃度が4.0×1014atoms/cm以上1.0×1015atoms/cm以下の好ましい範囲内に入っていた。なお、実施例4のシリコン単結晶については図示しないが、表1に示す育成条件で窒素ガスを供給することにより、結晶軸方向において、実施例1と変わらない窒素濃度分布とすることができた。
10 単結晶製造装置
11 シリコン原料棒
12 シリコン単結晶
12a 浮遊帯域
13 炉
14 誘導加熱コイル
16 ガス供給口
24 ガス排出口
本発明の方法は、シリコン原料の仕込み量の増加に伴う長尺化したシリコン単結晶の有転位化部分とボイド欠陥という結晶欠陥のないシリコン単結晶の製造に用いられる。

Claims (7)

  1. 浮遊帯域溶融法による単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する際に、窒素とアルゴンとの混合ガスを炉内に供給してシリコン単結晶を製造する方法であって、
    前記シリコン単結晶の育成中に前記混合ガス中の窒素濃度を変化させてシリコン単結晶の直胴部の窒素濃度が2.0×1014atoms/cm3以上4.0×1015atoms/cm3以下の範囲内になるように前記シリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記シリコン単結晶の直胴部を育成する際に、前記直胴部の終端での窒素ガス供給量を前記直胴部の始端での供給量より少なくなるように調整する請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記単結晶製造装置は、窒素ガスを供給するための少なくとも第1及び第2の2つの供給管を備え、前記第1及び/又は第2供給管により炉内に窒素ガスを供給する請求項1又は2記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記第2供給管による窒素ガスの供給が前記シリコン単結晶のトップコーン部においてのみ行われる請求項3記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記シリコン単結晶直径に応じて前記第2供給管による窒素ガスの供給量を変えることにより、前記シリコン単結晶内に取り込まれる窒素量を調整する請求項3又は4記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記シリコン単結晶直径に応じて前記第2供給管による窒素ガスの供給時間を変えることにより、前記シリコン単結晶内に取り込まれる窒素量を調整する請求項3ないし5いずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  7. 浮遊帯域溶融法によるシリコン単結晶の製造装置であって、
    炉外に、アルゴンガス源に接続された主供給管と、窒素ガス源に接続された第1供給管と、この第1供給管から分岐した第2供給管とがそれぞれ設けられ、前記第1及び第2供給管は併合して前記主供給管に接続され、
    炉内に窒素とアルゴンの混合ガスを供給するためのガス供給口が誘導加熱コイル近傍の炉壁に設けられ、
    前記シリコン単結晶の育成開始から終了までの間、前記第1供給管は前記主供給管及び前記ガス供給口を介して前記炉内に窒素ガスを供給するように構成され、
    前記シリコン単結晶のトップコーン部を製造する間、前記第2供給管は前記主供給管及び前記ガス供給口を介して前記炉内に窒素ガスを供給するように構成されたことを特徴とするシリコン単結晶の製造装置。
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