JP3823717B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski Method、以下、CZ法と称する。)を用いたシリコン単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子の高集積化や大型化により、半導体素子を構成する電子回路は微細化の一途をたどっている。これにより、半導体素子形成の基板して使用される半導体ウェーハは、品質に対する要求が厳しくなる一方であり、これを満足するために、種々の対策が講じられている。
【0003】
ここで、半導体ウェーハの材料として最も多く用いられているのは、CZ法で引き上げられたシリコン単結晶である。このシリコン単結晶を育成する際に結晶内部に形成される結晶欠陥は、シリコン単結晶ウェーハの表面層に半導体素子を構成したときの素子特性に大きく影響することから、CZ法を用いてシリコン単結晶を育成する場合には、操業条件や熱的な環境を整えて、所望の品質特性を持ったシリコン単結晶が得られるようにしなければならない。
【0004】
ところで、シリコン単結晶の育成においては、結晶育成時に内部に取り込まれる結晶成長起因の欠陥、すなわちグローンイン欠陥(Grown−in Defect)と呼ばれる内部欠陥が形成されるが、このグローンイン欠陥の形成状態は、単結晶の成長速度やシリコン融液から引き上げられた単結晶の冷却条件により違いを生ずる。例えば、引上速度を比較的大きく設定して単結晶を育成した場合には、単結晶内のシリコン原子に不足が生じやすくなる。この不足部分が凝集すると、シリコン単結晶をウェーハ状に加工した際に凹部あるいは穴のような形となって表面に現れる。このように、このシリコン単結晶において、シリコン原子に不足が生じ、原子間に空孔として存在している点欠陥をベイカンシー(Vacancy、以下、Vと略記することがある。)と呼ぶ。また、シリコン単結晶内部において、ベイカンシーの凝集により生じた、空孔起因のグローンイン欠陥が優勢となる領域をV領域と称する。このような空孔起因のグローンイン欠陥には、FPD(Flow Pattern Defects)、COP(Crystal Originated Particle)あるいはLSTD(Laser Scattering Tomography Defects)等があり、シリコン単結晶をウェーハ状に加工した際に、ウェーハ表面に八面体のボイド状の欠陥等として観察される。
【0005】
これに対し、シリコン単結晶の引上速度を極力抑えて、例えば結晶成長速度を0.4mm/min程度以下として単結晶成長を行った場合には、シリコン単結晶の格子間に余分にシリコン原子が存在するインタースティシアル−シリコン(Interstitial−Si:格子間シリコン原子(以下、Iと略記することがある。))と称される点欠陥が生じやすくなる。インタースティシアル−シリコンが優勢となるシリコン単結晶内部の領域には、転位ループ起因と考えられるL/D(Large Dislocation:格子間転位ループの略号であり、LSPDやLFPD等の結晶欠陥の総称)と称される格子間型シリコン欠陥が低密度に存在するようになり、シリコン単結晶をウェーハに加工して表層に半導体素子を形成した際には、電流リーク等の重大な不良を起こす原因にもなる。このインタースティシアル−シリコンが優勢となるシリコン単結晶内部の領域をI領域と呼んでいる。
【0006】
そこで、V領が優勢となる条件とI領域が優勢となる条件との中間の単結晶育成条件を用いてシリコン単結晶を引き上げれば、シリコン原子間に原子の不足や余分な原子の存在することのない、あるいは存在しても僅かであるニュートラル(Neutral(以下、Nと略記することがある。))な状態でシリコン単結晶を育成することが可能となる。このように、シリコン原子間に原子の不足や余分な原子の存在することのない、あるいは存在しても僅かであるニュートラルな状態にあるシリコン単結晶内部の領域をN領域と呼ぶ。
【0007】
なお、シリコン単結晶内部に形成されるN領域と前述のV領域との間には、OSF(Oxidation Induced Stacking Fault、酸化誘起積層欠陥)と呼ばれている酸素起因の欠陥やその核が高密度に存在する領域が存在する。シリコン単結晶をウェーハに加工すると、該領域はリング状となって観察されることから、シリコン単結晶のOSFあるいはその核が高密度に存在する領域をOFSリングあるいはOSFリング域と称している。
【0008】
ここで、特開平11−79889号公報には、シリコン単結晶の育成時に結晶内に取り込まれる欠陥のないあるいは極力抑制されたシリコン単結の育成技術が開示されている。具体的には、引上速度と結晶近傍の温度雰囲気を調整することにより、OSFリングが結晶中心で閉じて全面がN領域となるような条件を選んでシリコン単結晶を育成しようというもので、グローンイン欠陥を極低密度に保ちつつ、結晶欠陥密度の低い高品質のシリコン単結晶が得られる旨が謳われている。しかし、この方法では、引上速度を低い速度に精度良く略一定に保って育成を継続する必要があることから、結晶欠陥の少ない高品質の結晶が得られるという利点はあるものの、シリコン単結晶を効率的に大量生産する観点においては解決すべき課題が多い。
【0009】
一方、特開平11−186277号公報には、シリコン単結晶を積極的に高速で引き上げてV領域が優位となるように育成を行い、結晶引上げ後に熱処理を施すことによって、COP等の結晶育成時に導入されるグローンイン欠陥を消滅させる方法が開示されている。該公報には、シリコン単結晶の育成時に引上速度を落とすことなく単結晶製造が可能となり、生産性を高く維持しつつも空孔起因のグローンイン欠陥の発生を効果的に抑制できる旨が謳われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−186277号公報の方法において上記の効果を達成するには、グローンイン欠陥のサイズ(大きさ)や密度を、所望の値に適切にコントロールする必要がある。例えばFPDやCOP等の空孔起因のグローンイン欠陥は、シリコン単結晶が育成される時の冷却速度によってそのサイズや密度が決まる。従って、育成した単結晶の冷却速度によって欠陥のサイズや密度分布が大きく変化したりバラツキを生じたりしやすくなり、ウェーハ加工後の熱処理によっても、欠陥消滅が不可能になることが考えられる。
【0011】
このような問題を生じなくするには、目的とする品質の単結晶を引き上げる前に、単結晶育成時の欠陥分布等を実験的に予測して検討を加えた後、所望の欠陥分布となるような冷却熱履歴あるいは引上速度等の操業条件を選択して、シリコン単結晶の育成を行なうことが有効である。しかし、該方法は、単結晶の引上速度や育成炉内部に配置される炉内構造物の断熱効果を種々に変えつつ、あくまで実験的に最適と思われる製造条件を見出して単結晶製造を行なうものであり、目的とする結晶品質を得るための最適条件が必ず得られるかどうかは保証の限りではない。また、操業条件を決めるための試験製造とはいえ、シリコン単結晶を育成するために要する時間とコストは相当なものとなる。その結果、むやみに多くの試験を行なうわけにもゆかず、少ないデータを元に適切と思われる製造条件を選択しなければならないことから、目的とする製造条件の最適値を常に見つけることができていたかは疑問である。場合によっては、所望の結晶品質を得るための最適製造条件を見出すことができず、生産性や結晶品質を犠牲にして操業を行っいる可能性も十分考えられる。
【0012】
さらには、生産性も考慮して、グローンイン欠陥を可能な限り低密度に保つことができる操業条件や育成炉内の最適雰囲気温度を見出すためには、実験の反復に頼った方法では限界がある。そして、複雑なシリコン半導体の製造条件に対応して、欠陥密度が極小となる条件や、あるいは欠陥サイズが極大となる操業条件を見つけ出すことは、技術的にも経済的にも大きな負担が伴うものであった。
【0013】
本発明の課題は、CZ法を用いてシリコン単結晶を育成する際に、所望とするシリコン単結晶の品質、特に、結晶特性がV領域優位となるように育成されるシリコン単結晶において、空孔起因のグローンイン欠陥のサイズならびに密度を所望の値とする最適製造条件を的確に求めることができ、ひいては安定したした結晶品質を有するシリコン単結晶を効率良く生産可能となす一方、シリコン単結晶に導入されるグローンイン欠陥を幅広くコントロールし、多義に渡るシリコン単結晶の品質要求に応じることができるシリコン単結晶の製造方法と、それによって製造されるシリコン単結晶ウェーハ、及びシリコン単結晶製造装置の設計方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明に係るのシリコン単結晶の製造方法の第一は、チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶を製造する方法において、
シリコン単結晶を育成するための操業条件ならびに育成炉内部の温度条件を電子計算機にデータとして入力し、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズならびに密度とシリコン単結晶の成長速度との関係を、電子計算機を用いたシミュレーションにより求め、
そのシミュレーション結果に基づいて、結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズと密度とが所望の値となるように成長速度を選択し、シリコン単結晶を育成することを特徴とする。
【0015】
シリコン単結晶の引上速度を大きくして単結晶内部の特性がV領域となるようにし、FPDやCOP等の空孔起因のグローンイン欠陥を所望の値とするための、適切な引上速度等の操業条件を見出すには、電子計算機に結晶育成時の育成炉の温度分布を形成する諸条件、ならびに所望とするシリコン単結晶の引上げ等に関する操業条件を入力し、シミュレーションにより単結晶に導入されるグローンイン欠陥のサイズや密度を求めることが有効である。そして、その後にシリコン単結晶の育成を行なえば、必要以上に単結晶の引上実験等を行なうことなく、所望の値となる欠陥分布を持ったシリコン単結晶を労することなく育成可能となる。
【0016】
特に、シリコン単結晶育成時に取り込まれる空孔起因のグローンイン欠陥のサイズや密度が極大あるいは極小となる点の操業条件や、育成炉内部の温度条件、具体的には、育成炉内に配置される整流筒や断熱材等の炉内構造物の配置や構造に関し、本発明はその最適条件を求める上で、従来の実験的方法のみに頼り最適条件を見つけるよりも遥かに効率的かつ正確である。さらには、グローンイン欠陥のサイズや密度を幅広く選択できるようになり、多義にわたる品質のシリコン単結晶の提供も可能となる。
【0017】
この場合、シリコン単結晶の育成を始める前に、シミュレーションにおいて採用した所望の結晶品質を得るための操業条件を採用して、実際に単結晶の育成を行い、シミュレーションと略同等の結晶欠陥を有するシリコン単結晶を得ることが可能であるか否かを確認すること、例えば、実際に得られた値とシミュレーションにより求められた欠陥のサイズならびに密度の関係を比較することが望ましい。実操業とシミュレーションにより得られた結果を比較することで、シミュレーションによる計算結果の誤差を補正することが可能となり、操業条件がさらに最適化されるので、求める結晶品質により近い特性を持ったシリコン単結晶の育成が可能となる。
【0018】
なお、チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶を製造する別の方法として、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥の密度を略最小とするために、シリコン単結晶の成長速度をF(mm/min)、育成されるシリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配をG(℃/mm)として、シリコン半導体結晶の内部に現れるOSFリング域が結晶軸中心で消滅する条件に対応するF/Gの値をA0と定めたときに、
F/Gの値が1.2A0以上1.3A0以下の範囲となるように、F及び/又はGの値を調整してシリコン単結晶を育成することができる。
【0019】
空孔起因のグローンイン欠陥は、結晶が冷却される際の冷却条件に深く関係しており、欠陥形成が行われる冷却温度帯の通過時間により、欠陥密度やサイズが大きく変わることが知られている。そして、これまでは育成時にシリコン単結晶に取り込まれるCOP等の空孔起因のグローンイン欠陥は、結晶欠陥のサイズが大きくなれば密度は小さくなり、欠陥密度が増えれば欠陥サイズは小さくなるものと思われていた。しかし、シミュレーションと結晶育成による試験を繰り返し、誠意検討を加えたところ、必ずしも結晶欠陥密度が極小となるところで結晶欠陥のサイズが極大となるものではなく、結晶欠陥の密度が極小となる点とサイズが極大となる点には、幾分かの差異があることが確かめられた。
【0020】
単結晶育成時の結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥の密度は、単結晶の引上速度を徐々に速めるに従って減少する。そして、シリコン半導体結晶の内部に現れるOSFリング域が結晶軸中心で消滅する条件に対応する上記のF/Gの値をA0と定めたときに、本発明者の検討によれば、F/Gの値が1.2A0以上1.3A0以下となる範囲に対応する引上速度にて極小を示し、その後、さらに引上速度を速めていけば、今度は結晶欠陥の密度は次第に増加に転じることがわかった。
【0021】
従って、結晶内の欠陥密度を最小としたシリコン単結晶を得ようとするのであれば、上記F/Gの値が1.2A0以上1.3A0以下となるように、シリコン単結晶の成長速度F及び/又はシリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配Gの値を調整しつつシリコン単結晶を育成すれば、シリコン単結晶に取り込まれる空孔起因の結晶欠陥の密度を、確実に略極小となるように単結晶を育成することができるようになる。
【0022】
なお、固液界面位置での温度勾配Gを直接求めることが困難な場合は、シリコンの融点温度(1412℃)を基準として、シリコン半導体が冷却される固液界面近傍の温度(例えば1400℃)まで結晶温度が低下する位置を、固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配G(℃/mm)と近似し、F/Gの値を求めることが可能である。すなわち、1400℃から1412℃間の温度勾配と近似してF/Gの値を求め、この値に基づいてF及び/又はGの値を調整してシリコン単結晶を育成する。
【0023】
また、チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶を製造する更に別の方法として、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズを略最大とするために、シリコン単結晶の成長速度をF(mm/min)、育成されるシリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配をG(℃/mm)として、シリコン半導体結晶の内部に現れるOSFリング域が結晶軸中心で消滅する条件に対応するF/Gの値をA0と定めたときに、
F/Gの値が1.3A0以上1.4A0以下の範囲となるように、F及び/又はGの値を調整してシリコン単結晶を育成することができる。
【0024】
単結晶育成時の結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズは、密度とは反対に単結晶の引上速度を徐々に速めるに従って大きくなる。そして、本発明者の検討によれば、前述のA0の値を用いて、F/Gの値が1.3A0以上1.4A0以下のとなる範囲に対応した引上速度にて極大を示し、その後、さらに引上速度を速めていけば、今度は徐々に小さくなる傾向を示すことがわかった。よって、F/Gの値が1.3A0以上1.4A0以下の範囲となるように、シリコン単結晶の成長速度F及び/又はシリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配Gを調整することにより、シリコン単結晶に取り込まれる空孔起因の結晶欠陥のサイズが略極大となる単結晶育成が可能となる。
【0025】
さらに、チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶を製造する更にまた別の方法として、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズを所望の値とするために、シリコン単結晶の成長速度をF(mm/min)、育成されるシリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配をG(℃/mm)として、シリコン半導体結晶の内部に現れるOSFリング域が結晶軸中心で消滅する条件に対応するF/Gの値をA0と定めたときに、
F/Gの値が1.2A0以下となる範囲で、F及び/又はGの値を調整してシリコン単結晶を育成することができる。
【0026】
上述したように、COP等の空孔型の結晶欠陥は、シリコン単結晶の成長速度をF(mm/min)、育成される該シリコン単結晶の固液界面での結晶中心の引上軸方向における温度勾配をG(℃/mm)を変化させることにより、結晶欠陥の密度であれば極小点、サイズであれば極大点をもって変化するとがわかった。そして、引上速度を徐々に速めて行くことにより、結晶欠陥の密度は減少しサイズは大きくなり、それぞれ極小点あるいは極大点を経て、今度は結晶欠陥の密度は増加しサイズは徐々に小さくなる。
【0027】
しかし、これら結晶欠陥の密度やサイズの変化において、その密度やサイズの変化が顕著に現れるのは、前述のA0を用いて、シリコン単結晶を育成する際のF/Gの値が1.2A0以下の範囲にある場合である。結晶育成時にもたらされる温度条件や結晶育成速度を調整して、所望の結晶欠陥を有するシリコン単結晶を育成するのであれば、シリコン単結晶を育成する際のF/Gの値が1.2A0以下となる条件で、引上速度等の操業条件を調整してシリコン単結晶の育成を行なうことにより、欠陥の密度やサイズの変化も大きく現れるので、効率良く所望の必要とするシリコン単結晶の製造条件を見つけることができる。このとき、F/Gの下限値は1.0A0とする。つまり、F/Gの値が1.0A0以上1.2A0以下の範囲にて、適切な操業条件を定めればよい。そして、このような製造方法を用いてシリコン単結晶の育成を行なうことにより、グローンイン欠陥を所望の値とすることが可能となり、要求に応じた結晶品質を有するシリコン単結晶を適切にかつ幅広く生産することができるようになる。
【0028】
次に、好ましいシリコン単結晶ウェーハは、上記の方法により育成されたシリコン単結晶を用いて製造され、該シリコン単結晶ウェーハに存在する結晶欠陥のうち、サイズが0.05μm以上の空孔起因の結晶欠陥密度が、3×105個/cm3以下である。
【0029】
上記のシリコン単結晶の製造方法によると、具体的には、結晶内部に存在するサイズが0.05μm以上の空孔起因の結晶欠陥密度が3×105個/cm3以下である、高品質のシリコン単結晶を得ることが可能となる。そこで、このようなシリコン単結晶を用いることにより、ウェーハ表層に存在する欠陥を極力抑制した、半導体素子基板の材料として好適なシリコン単結晶ウェーハを得ることができる。
【0030】
また、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶製造装置の設計方法として、
シリコン単結晶を育成するための操業条件ならびに育成炉内部の温度条件を電子計算機にデータとして入力し、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズ及び密度と、シリコン単結晶製造装置の育成炉内部に形成されるシリコン単結晶の冷却温度雰囲気との関係を、電子計算機を用いたシミュレーションにより求め、
そのシミュレーション結果に基づいて、結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズと密度とを所望の値とするための、育成炉内部の温度分布設計を行なうようにすることができる。
【0031】
すでに説明した通り、シリコン単結晶の育成時に結晶内部に導入される結晶欠陥は、単結晶の引上速度等の操業条件や育成結晶が冷却される際の冷却熱履歴によって、結晶欠陥のサイズや密度が左右される。従って、所望とする結晶品質を有するシリコン単結晶を育成するためには、シリコン単結晶を育成する半導体単結晶育成装置の育成炉内部の温度分布にも配慮することが必要となる。しかし、育成炉内部に配置する炉内構造物を、新規に、あるいは仕様変更のために設計する場合、炉内構造物を実際に種々の態様にて作製して引上試験を繰り返しながら、目的とする品質を有するシリコン単結晶を得ることは、膨大な手間と時間を要し、非常に効率が悪い。
【0032】
そこで、シリコン単結晶製造装置の育成炉内部を構成する炉内構造物を検討するにあたり、シミュレーションを用いて育成炉内に形成される温度雰囲気と育成単結晶にもたらされる結晶欠陥との関係を数値的に求め、この結果に基づいて炉内構造物の配置や形状あるいは材質等を決めるようにすれば、より効率的に、かつ確実に所望とする結晶品質を有するシリコン単結晶の育成が可能なシリコン単結晶製造装置を設計することが可能となる。
【0033】
特に、最近では、直径が300mmを超えるシリコン単結晶を育成するための、大型のCZ法シリコン単結晶製造装置が開発されつつあるが、育成炉の大型化により炉内構造物の設計がますます困難となり、また炉内構造物自体も高価となることから、一度失敗すると、経済的な損失はもとより設計者の受ける精神的なダメージも相当なものとなる。このようなリスクを軽減する意味においても、本発明に示すシリコン単結晶製造装置を造るための設計方法を用いることにより、より適切なシリコン単結晶製造装置を容易に得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係るシリコン単結晶の製造方法の具体例は以下の通りである。まず、育成炉内部にあるシリコン単結晶に加わる熱履歴を求めるため、総合伝熱解析によりシリコン単結晶の製造装置育成炉内部の温度分布を算出する。本実施形態では、育成炉内部の温度分布を求めるために、UCL(University of Catholic Lou vain)にて開発された総合伝熱解析プログラムFEMAG(参照文献:Int. J.Heat Mass Transfer, volume 33 (1990) 1849)を用いて育成炉内の熱分布のシミュレーションを行い、結晶育成時の結晶中心の成長軸方向における温度勾配を求める。
【0035】
また、総合伝熱解析を行なうコンピュータ・プログラムとしては、総合伝熱解析プログラムFEMAGの他に、MIT(Massachusetts Institute of Technology)で開発されたITCM(Int. J. Numerical
Methods in Engineering,volume 30 (1990) 133)等があり、同様のシミュレーションを行うことができる。
【0036】
そして、これらのシミュレーションにより結晶内に生じる温度分布を求めた後は、シリコン単結晶の結晶成長と上述の総合伝熱解析によって算出された育成時の単結晶の温度分布データを、欠陥形成シミュレーション・プログラムに入力し、引上条件により単結晶内部に形成される空孔起因の結晶欠陥のサイズや密度を算出する。本実施形態においては、シリコン単結晶の内部に形成される空孔起因の結晶欠陥のサイズや密度のシミュレーションを行なうに際し、MITで開発されたDEFGEN(J. Electrochemical Soc.,volume 146 (1990) 2300)を用いている。
【0037】
これらのシミュレーションにより、所望とする結晶欠陥を有するシリコン単結晶の操業条件と、育成結晶にもらたされる結晶温度から育成炉内部に配置される炉内構造物の配置や構造あるいは材質を検討し、選択・決定する。そして、この算出された操業条件と温度分布を有するシリコン単結晶の製造装置を用いてシリコン単結晶を育成する。
【0038】
図1は、上述のシミュレーション結果に基づいて育成炉内部に炉内構造物を配置した、シリコン単結晶製造装置の一実施形態を示す概略断面図である。該シリコン単結晶製造装置100の育成炉1には、シリコン融液10を収容した内側が石英製で、この石英製ルツボを保護するために石英製ルツボの外側に黒鉛製ルツボを備えたルツボが配置されている。さらに、ルツボ7の外側周囲には、ルツボ7内に収容された多結晶シリコン塊原料を加熱溶融しシリコン融液10として保持するための加熱ヒータ6が設置され、シリコン単結晶の育成時には、この加熱ヒータ6に供給される電力を調整してシリコン融液10の温度を、所望の値としシリコン単結晶8を育成する。
【0039】
また、加熱ヒータ6と育成炉1の間には、金属製の育成炉1の炉壁を保護し、育成炉1内部を効率的に保温するために断熱材5が置かれている。また、シリコン融液10を収容したルツボ7は、ルツボ支持軸14によって育成炉1の略中央に配置され、ルツボ支持軸14の下端に取り付けられた不図示のルツボ軸駆動機構によって、上下動、回転動自在とされている。一方、シリコン融液10を収容したルツボ7の上方には、引き上げられたシリコン単結晶8を囲繞するように上部炉内構造物9が設けられている。該上部炉内構造物9は金属あるいはグラファイトにより構成され、シリコン単結晶8の冷却熱履歴を所望の値に調整して、シリコン単結晶の育成を行なう役割を果たす。
【0040】
そして、育成炉1の下部には、シリコン単結晶8の育成時にシリコン融液10からの蒸発物を育成炉1の外部に排出しながら、シリコン単結晶8の育成を行なう必要があることから、育成炉1内部に還流するアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを排気するための排ガス管12と、育成炉1内部の圧力を制御し不活性ガスを育成炉1の外部へ排出するための炉内圧制御装置4が備えられている。シリコン単結晶8の育成時には、この炉内圧制御装置4によって、育成炉1の内部の圧力が所望の値とされる。
【0041】
また、育成炉1の上部にはシリコン単結晶8を引き上げるための、引上げワイヤー9を巻き出しあるいは巻き取る不図示のワイヤー巻取り機構が備えられている。そして、このワイヤー巻取り機構から巻き出された引上げワイヤー9の先端部に、種結晶2を保持するための種ホルダー13があり、この種ボルダー13に種結晶2を係止して種結晶2の下方に、シリコン単結晶8を育成するものである。なお、育成炉1の上方には、育成炉1内部に不活性ガスを導入するためのガス導入管11が備えられており、シリコン単結晶8の育成条件に合わせて、ガス導入管11上に設けられたガス流量制御装置3により、所望量の不活性ガスを育成炉1内部に送入可能とされている。
【0042】
次に、上記の装置を用いたCZ法によるシリコン単結晶の育成方法について説明する。まず、シリコン単結晶製造装置100の育成炉1内部に設置されたルツボ7に多結晶シリコン塊を仕込み、育成炉7内部を不活性ガスで満たし後に、ルツボ7周囲に置かれた加熱ヒータ6に電力を供給して、シリコンの融点である1420℃以上に多結晶シリコン塊を加熱することによってシリコン融液10を得る。
【0043】
そして、ルツボ7内の全ての多結晶シリコン塊がシリコン融液10となったところで、融液温度をシリコン単結晶8の成長に適した温度の安定させ、引上げワイヤー9を巻き出して種結晶2の先端をシリコン融液10の表面に接融し、ルツボ7と種結晶2をそれぞれ反対方向に回転させながら静かに引上げ、シリコン単結晶8のネック部8aと拡径部8bとを形成する。その後、シリコン単結晶8の拡径部8bが所望の値の直径となったところで、シリコン単結晶8の引上速度とシリコン融液の温度を調整し、単結晶定径部8cの形成工程に移行する。
【0044】
シリコン単結晶8の定径部8cの形成工程では、引上げワイヤー9の巻き上げ速度を調整し、上述のシミュレーションで得られた単結晶の成長速度となるように引上げワイヤー9を徐々に巻き取って、シリコン単結晶8の定径部8cを形成していく。これによって、シリコン単結晶8の定径部8cに導入される結晶欠陥のサイズや密度が所望の値とされる。
【0045】
その後、定径部8cを必要長さ引き上げたら、再びシリコン単結晶8の引上速度とシリコン融液の温度を変化させて、不図示の単結晶縮径部の形成工程に移行し、シリコン単結晶8の直径を徐々に縮径していってシリコン単結晶8をシリコン融液10から切り離す。シリコン単結晶8をシリコン融液10から切り離した後は、静かに育成炉1の上方で単結晶が常温付近まで冷えるを待ち、最後にシリコン単結晶8を育成炉1から取り出して育成を終了する。
【0046】
そして、このシリコン単結晶8からシリコン単結晶ウェーハを得る場合には、シリコン単結晶8をシリコン単結晶製造装置100の育成炉1から取り出した後に、ワイヤーソー等によりウェーハ状にスライス加工してウェーハ状となし、その後、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨の各工程を経てシリコン単結晶ウェーハとする。この後、さらにウェーハ表層に存在する結晶欠陥を適宜排除するためには、シリコン単結晶ウェーハを熱処理炉に入れ高温で熱処理を加えてもよい。
【0047】
なお、シミュレーションを実施するにあたり、電子計算機に入力する値によっては、得られる算出値に誤差を生じる場合もある。このような場合な、当然ではあるが実際にシリコン単結晶を引き上げて品質を確認した後にシミュレーション結果に補正を加えることによって、適切な操業条件や結晶冷却雰囲気を見出すことができる。
【0048】
以上、CZ法によるシリコン単結晶の育成例を挙げて本発明の具体例を説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。例えば、本発明のシリコン単結晶の育成に用いる種結晶ならびにシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液に磁場を印加しながら単結晶を育成する、MCZ法(Magnetic Field Applied Czochralski Method:磁界下引上法)を用いたシリコン単結晶の製造にも、当然適用することが可能である
【0049】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験について説明する。
(実施例1)
図1に示す装置100を用い、COPとして観察される空孔起因のグローンイン欠陥の密度が最小となる操業条件を求めるため、必要な条件を入力し次のシミュレーションを行った。なお、上部炉内構造物9として円筒状の黒鉛製冷却筒を用い、結晶保温効果を高めている。まず、シリコン単結晶を育成する際に、単結晶育成時にもたらされる結晶の冷却熱履歴を算出するため、総合伝熱解析プログラムFEMAGを用いて、シリコン単結晶製造装置の加熱ヒータ、断熱材、ルツボ等の炉内構造物の配置や組成等のデータを入力し、口径が60cmのルツボによりシリコン融液100kgを満たしたルツボから、直径200mmのシリコン単結晶を引き上げた場合の、結晶中心の引上げ軸方向の温度分布と結晶成長速度(引上速度)との関係を求めた。
【0050】
次に、このシミュレーションから求められた結晶中心の引上げ軸方向の温度分布と結晶成長速度(引上速度)との関係を、シリコン単結晶育成時に結晶内部に形成される結晶欠陥のシミュレーション・プログラムに入力し解析を行った。なお、本実施例において単結晶育成時に形成される結晶欠陥をシミュレーションするコンピュータ・シミュレーション・プログラムとしては、MITで開発されたDEFGENを使用して解析を行っている。図1の装置100を用いた場合の、DEFGENによるシリコン単結晶に導入される結晶欠陥の解析結果を図2に示す。図2は、シリコン単結晶の引上速度毎に、横軸に空孔起因のグローンイン欠陥のサイズを、縦軸に同じく密度を取り、ぞれぞれの分布をグラフとして示した図である。
【0051】
図2の予測結果において、サイズ0.05μm以上の欠陥密度と結晶引上速度ととの関係を見ると、図3に示されるような関係となる。図3に示される結果を見ると、引上速度を0.5mm/minの低速から1.3mm/minまでの高速に変化させた場合、欠陥密度は引上速度を上げるに従って一旦低下するものの、引上速度が0.7mm/minとなる近傍を極小として、今度は徐々に増加する傾向をたどって行くことがわかる。また、図3のグラフからは、引上速度が0.7mm/min近傍を境として、引上速度が低速寄りであるときに、欠陥密度の変化が大きくなることも確認できる。
【0052】
従って、図1の装置100を用いて、COPとして観察される空孔起因のグローンイン欠陥の密度を最小としつつ、直径200mmのシリコン単結晶を引き上げるには、0.7mm/min付近の引上速度でシリコン単結晶が育成されるように操業条件を調整して単結晶製造を行なえば好ましいことがわかる。そして、このシミュレーションの結果によれば、この時のサイズ0.05μm以上の欠陥密度は2.7×105個/cm3になるものと予測される。
【0053】
また、この欠陥密度が最小近傍となる、1400〜1412℃の結晶中心の引上げ軸方向における平均の温度勾配をG、結晶成長速度(引上速度)をFとしたときに、F/Gにより示される値は、上述のシミュレーションから、シリコン半導体結晶の内部に現れるOSFリング域が結晶軸中心で消滅するときのF/Gの値を基準値A0として、そのA0の1.2〜1.3倍の領域となっていることが算出された。
【0054】
次に、上記のシミュレーション結果をもとに、図1の装置100を用いて口径が60cmのルツボに多結晶シリコン原料100kgを仕込み、加熱ヒータにより原料を融解して直径200mmのシリコン単結晶を引き上げた。このシリコン単結晶の平均引上速度は0.69mm/minであった。そして、このシリコン単結晶からシリコンウェーハを作製し、大きさが0.05μm以上の空孔起因の結晶欠陥をLST(Laser Scattering Tomography:赤外光散乱トモグラフィー)により観察し、シミュレーション結果と比較したところ、結晶欠陥の体積密度は約2.5×105個/cm3となり、略シミュレーションに近い結晶品質を有するシリコン単結晶を得ることができた。
【0055】
(実施例2)
今度は、図2のシミュレーション結果をもとに、図1の装置による代表的な欠陥サイズとシリコン単結晶の引上速度との関係を求めた。ここで代表的な欠陥サイズとは、図2に示すグラフにおいて、各引上速度に対し横軸に示される欠陥サイズのピーク値を言い、この値と引上速度との関係を図4に示した。
【0056】
図4の結果によれば、引上速度を0.5mm/minの低速から1.3mm/minまで変化させた場合に、空孔起因のグローンイン欠陥のサイズは引上速度を上げるに従って急激に拡大し、引上速度が0.85mm/min付近域で極大を示すようになる。そして、0.85mm/minを超えてさらに引上速度を速めると、今度は縮小に転じ徐々に欠陥サイズが小さくなっていくことがわかる。また、図4及び図3の結果を比較すると、シリコン単結晶の育成時に導入される空孔起因のグローンイン欠陥の密度が極小となる引上速度と、サイズが極大を示す引上速度とは必ずしも一致しておらず、お互いの極値を示す操業条件に相違があることが理解できる。
【0057】
実施例2において、欠陥サイズが極大を示す引上速度0.85mm/min近傍にて、1400〜1412℃の結晶中心の引上げ軸方向における平均の温度勾配をG、結晶成長速度(引上速度)をFとしたときのF/Gを求めたところ、前記A0の1.3〜1.4倍の領域に属するものとなることがわかった。
【0058】
さらに、これらの結果を踏まえれば、空孔起因のグローンイン欠陥のサイズや密度をより容易に調整するには、F/Gの値が前記A0の1.2倍以下となる値に操業条件や育成炉内部の温度環境を整えてシリコン単結晶を育成すれば好ましいことがわかる。特に、結晶欠陥のサイズを小さくするよう引上速度を選択する場合等において、図4のグラフによると、0.85mm/min以上の高速の引上速度を用いて欠陥サイズを小さくするよりも、0.7mm/min以下の引上速度で欠陥サイズが所望の値となる操業条件を選択した方が、操業条件を大きく変化させることなく欠陥サイズの調整を図ることができる。
【0059】
以上の結果をもとに、図1の装置100を用いて、実施例1と同条件で平均引上速度を0.85mm/minとなるように操業条件を調整して直径200mmのシリコン単結晶を育成した。そして、この単結晶をシリコンウェーハに加工して大きさが0.05μm以上となる結晶欠陥サイズの分布をTEM(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)にて確認したところ、0.15μm付近の大きさのCOPが最も多く観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン単結晶の製造装置の一例を示す断面模式図。
【図2】単結晶育成時に形成される結晶欠陥のコンピュータ・シミュレーション結果から求めた、シリコン単結晶の各種引上速度における、空孔起因のグローンイン欠陥のサイズと密度との関係を示す線図。
【図3】図2の線図から求めた、サイズ0.05μm以上の欠陥の密度と引上速度との関係を示すグラフ。
【図4】図2の線図から求めた代表的な欠陥サイズとシリコン単結晶の引上速度との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 育成炉
5 断熱材
6 加熱ヒータ
8 シリコン単結晶
9 上部炉内構造物
100 シリコン単結晶製造装置
Claims (3)
- チョクラルスキー法を用いてシリコン単結晶を製造する方法において、
シリコン単結晶を育成するための操業条件ならびに育成炉内部の温度条件を電子計算機にデータとして入力し、
結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズならびに密度とシリコン単結晶の成長速度との関係を、電子計算機を用いたシミュレーションにより求め、
そのシミュレーション結果に基づいて、結晶内部に導入される空孔起因のグローンイン欠陥のサイズと密度とが所望の値となるように成長速度を選択し、シリコン単結晶を育成する、
ことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。 - 前記空孔起因のグローンイン欠陥のサイズならびに密度とシリコン単結晶の成長速度との関係を、電子計算機を用いたシミュレーションにより求め、
そのシミュレーション結果に基づいて、結晶内部に導入される前記空孔起因の結晶欠陥の密度が最小となる成長速度でシリコン単結晶を育成することを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。 - 前記空孔起因のグローンイン欠陥のサイズならびに密度とシリコン単結晶の成長速度との関係を、電子計算機を用いたシミュレーションにより求め、
そのシミュレーション結果に基づいて、結晶内部に導入される前記空孔起因のグローンイン欠陥のサイズが最大となる成長速度でシリコン単結晶を育成することを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
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