JPH07272922A - 耐食性のすぐれたFe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法 - Google Patents

耐食性のすぐれたFe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法

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JPH07272922A
JPH07272922A JP7034353A JP3435395A JPH07272922A JP H07272922 A JPH07272922 A JP H07272922A JP 7034353 A JP7034353 A JP 7034353A JP 3435395 A JP3435395 A JP 3435395A JP H07272922 A JPH07272922 A JP H07272922A
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magnet
bonded magnet
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JP7034353A
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Hiroki Tokuhara
宏樹 徳原
Yukimitsu Miyao
幸光 宮尾
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度70℃、相対湿度85%の雰囲気条件下
で長時間放置した場合の初期磁石特性からの劣化が極め
て少なく、安定した高磁石特性を有するFe−B−R系
樹脂結合型磁石の製造方法の提供。 【構成】 特定成分を有するFe−B−R系樹脂結合型
磁石体表面に、貴金属層と特定卑金属からなる無電解め
っき層、電解めっき層の3層を順次積層することにより
すぐれた密着性を有し、無電解めっき層の形成によっ
て、緻密性、密着性にすぐれた均質な電解めっき層の形
成が可能であり、湿気、ガス等の外部環境の変化に対し
て、磁石をより完全に保護でき、温度70℃、相対湿度
85%の条件下で1000時間放置したときの初期磁石
特性からの劣化が5%以下である耐食性樹脂結合型磁石
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高磁気特性を有しか
つすぐれた耐食性、特に70℃、相対湿度85%の雰囲
気に長時間放置した場合の耐食性にすぐれたFe−B−
R系樹脂結合型磁石に係り、磁石表面に貴金属層、卑金
属の無電解めっき層、卑金属の電解めっき層を積層し
て、すぐれた密着性を有し、耐食性試験における初期磁
石特性からの劣化が少なく、極めて安定した磁石特性を
有するFe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、樹脂結合型磁石が、従来の焼結磁
石では製造不可能であった複雑形状や薄肉形状磁石の製
造が可能であり、インサートやアウトサート等の成型法
により、他部品との一体成形が可能であること、また、
成型時の割れ、欠けが焼結磁石に比較して少なく、寸法
精度も良好で製品歩留りがよく、さらに焼結磁石では方
向性による収縮率の違いにより製造が困難であったラジ
アル異方化が可能である等の利点により、生産量が増大
している。また、樹脂結合型磁石の組成も従来からのフ
ェライト系磁性粉末、希土類Co系磁性粉末に加え、最
近、Fe−B−R系磁性粉末を用いた樹脂結合型磁石が
提案されている。
【0003】しかしながら、上記のFe−B−R系樹脂
結合型磁石は主成分として、空気中で酸化し次第に安定
な酸化物を生成し易いR(希土類元素)及びFeを含有
するため、磁気回路に組込んだ場合に、磁石表面に露出
した磁性粉末に生成する酸化物により、磁気回路の出力
低下及び磁気回路間のばらつきを惹起し、また、表面酸
化物の脱落による周辺機器への汚染の問題があった。
【0004】そのため樹脂結合型磁石の耐食性を改善す
る方法として、樹脂結合型磁石表面に有機質合成樹脂を
被覆する方法(特開昭63−244709号)、あるい
はR−B−Fe系磁性粉末の粒子表面に無電解、電解め
っきを行なう方法(特開昭64−15301号、特開昭
63−244703号)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
R−B−Fe系樹脂結合型磁石表面に有機質合成樹脂を
被覆する方法においては、その防錆効果は不十分であ
り、温度70℃、相対湿度85%の雰囲気条件下で50
0時間以上放置した場合、腐食が発生する。
【0006】また、磁性粉末の粒子表面に無電解、電解
めっきを行なう方法においては、その防錆効果は向上す
るが、めっき液中に希土類金属、鉄等が溶出し磁性粉末
の磁気特性が劣化するとともに、めっき本来の耐食性を
生かすことが不可能である。また、樹脂結合型磁石に直
接無電解めっき、あるいは電解めっきを行なう場合は磁
石中の磁性粉末が樹脂に覆われているため、均質なめっ
き層を被着することは困難であった。
【0007】この発明は、Fe−B−R系樹脂結合型磁
石の耐食性の改善を目的とし、特に温度70℃、相対湿
度85%の雰囲気条件下で長時間放置した場合の初期磁
石特性からの劣化が極めて少なく、安定した高磁石特性
を有するFe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、密着性にす
ぐれ、すぐれた耐食性、特に、温度70℃、相対湿度8
5%の雰囲気条件下で長時間放置した場合においても、
その磁石特性が安定したFe−B−R系樹脂結合型磁石
を目的に、永久磁石体の表面処理方法について種々研究
した結果、特定成分を有するFe−B−R系樹脂結合型
磁石体表面に、貴金属層を介して、無電解めっき法によ
る卑金属とさらにその上に電解めっき法による卑金属を
被着することにより、すぐれた密着性と共にすぐれた耐
食性と極めて安定した磁石特性が得られることを知見
し、この発明を完成したものである。
【0009】すなわち、この発明は、R(RはNd、P
r、Dy、Ho、Tbのうち少なくとも1種あるいはさ
らに、La、Ce、Sm、Gd、Er、Eu、Tm、Y
b、Lu、Yのうち少なくとも1種からなる)5.5原
子%〜30原子%、B2原子%〜28原子%、Fe60
原子%〜86原子%を主成分とする磁性粉末と、樹脂と
からなる樹脂結合型磁石体表面に、Pd、Ag、Pt及
びAu等から選ばれた少なくとも1種の貴金属層、N
i、Cu、Sn及びCo等から選ばれた少なくとも1種
の卑金属からなる無電解めっき層、Ni、Cu、Sn、
及びCo等から選ばれた少なくとも1種の卑金属からな
る電解めっき層を順次積層することを特徴とする耐食性
のすぐれたFe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法で
ある。
【0010】また、この発明は、前記の構成において、
貴金属層を、貴金属コロイドを吸着させるかあるいは貴
金属の薄膜を気相成膜法により設ける耐食性のすぐれた
Fe−B−R系樹脂結合型磁石の製造方法を併せて提案
する。さらに、この発明は、上記の構成において、貴金
属コロイドを、非水液媒またはpH6.0〜9.0の中
性水液媒中に分散させ、該液媒中に磁石体を浸漬あるい
は該液媒を磁石体に塗布することにより貴金属コロイド
を吸着させる耐食性のすぐれたFe−B−R系樹脂結合
型磁石の製造方法を併せて提案する。
【0011】
【作用】この発明は、特定成分を有するFe−B−R系
樹脂結合型磁石体表面に、貴金属層と特定卑金属からな
る無電解めっき層、電解めっき層の3層を順次積層する
ことによりすぐれた密着性を有し、温度70℃、相対湿
度85%の条件下で1000時間放置したときの初期磁
石特性からの劣化が5%以下である耐食性樹脂結合型磁
石を得ることを特徴とする。
【0012】さらに、詳述すれば、前記Fe−B−R系
樹脂結合型磁石体表面に、単に無電解めっき法によりN
i、Cu、Su、及びCo等から選ばれた卑金属の少な
くとも1種からなる金属層を被覆した場合は、磁石中の
磁性粉末が樹脂に覆われているため、均質なめっき層を
被着することが困難であり、温度70℃、相対湿度85
%に100時間放置の耐食性試験条件で、その磁石特性
は劣化し不安定となる。
【0013】これに対して、前記樹脂結合型磁石体表面
にPd、Ag、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1
種の貴金属層を設けた後、Ni、Cu、Sn、及びCo
等から選ばれた少なくとも1種の卑金属の無電解めっき
層、さらにその上にNi、Cu、Sn、及びCo等から
選ばれた少なくとも1種の卑金属の電解めっき層を順次
積層したこの発明による場合には、無電解めっき層の形
成によって、緻密性、密着性にすぐれた均質な電解めっ
き層の形成が可能であり、湿気、ガス等の外部環境の変
化に対して、磁石をより完全に保護できることを知見し
た。
【0014】また、樹脂結合型磁石表面に、卑金属の電
解めっき層を直接被覆した場合には、磁石中の磁性粉末
が樹脂に覆われているため、電流が均一に流れず、均質
な電解めっき層の被着が不可能な上、樹脂結合型磁石体
の表面から磁性粉末がめっき液中に溶出し、磁石体内部
からの腐食が進むが、少なくとも1種の卑金属の無電解
めっき層を被覆し、次いで少なくとも1種の卑金属の電
解めっき層を被覆することにより、緻密性、密着性にす
ぐれた均質な電解めっき層の被着が可能となり、かかる
めっき液中への溶出が防止され、磁石体内部からの腐食
がなくなることを知見した。
【0015】すなわち、樹脂結合型磁石表面の貴金属
層、無電解めっき層、及び電解めっき層は、以下の効果
を有する。 (1)貴金属層 無電解めっき時のめっき層析出開始の促進及び析出開始
の均一化作用により、析出量の均一化を促す。 (2)無電解めっき層(中間層) 電解めっき時に樹脂結合型磁石体に均一な電気が流れ、
均一な電解めっき層を被着させるための通電層であり、
かつ電解めっき液が侵入して、磁性粉末の腐食を極力抑
制する阻止層。 (3)電解めっき層(最外層) コストの安い電解めっきの厚付けにより、緻密且つ、頑
固な保護膜を形成し、密着性のよい長期耐食性を確保す
る。
【0016】この発明において、樹脂結合型磁石体表面
のPd、Ag、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1
種からなる貴金属層は、非水系又は水系溶媒に分散して
いるコロイドを吸着させるか、あるいは前記貴金属を真
空蒸着法やイオンスパッター法、イオンプレーティング
法等の公知の気相成膜法にて薄膜形成することが好まし
い。また、前記貴金属厚みは10Å〜100Åが好まし
い。
【0017】この発明において、樹脂結合型磁石体表面
に貴金属コロイドを吸着させる方法は、Pd、Ag、P
t、Au等から選ばれた少なくとも1種からなる貴金属
コロイドを非水液媒またはpH6.0〜9.0の中性水
液媒中に分散させ、液媒中に前記樹脂結合型磁石体を浸
漬する方法、あるいは金属コロイドが分散している液媒
を樹脂結合型磁石体表面に塗布する方法が好ましい。
【0018】この発明において、貴金属コロイドが分散
している非水液媒としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、トリクロロトリフルオロエタン、
クロロホルム、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素類、酢酸エチル等が好ましい。
【0019】また、貴金属コロイドが分散している中性
水液媒としては、塩化パラジウム等の貴金属塩を水溶性
分散剤の存在下で、塩化すず、ヒドラジン等の水溶性還
元剤で還元して得られる粒径20Å〜50Åの貴金属が
均一に分散している溶液を使用することができる。水溶
性分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等の陰イオン性界面活性剤を使用することができ
る。中性水液媒のpHは6.0〜9.0が好ましく、p
H6.0未満では、樹脂結合型磁石体表面に露出した磁
性粉末が腐食され、pH9.0を越えると、貴金属が安
定して分散した液媒が得られない。
【0020】また、この発明において、Ni、Cu、S
n、及びCo等から選ばれた少なくとも1種の卑金属層
は、無電解めっき法にて、10μm以下の厚みに被着さ
れるのが好ましく、さらに好ましくは2〜7μm厚みで
あり、無電解めっき法は公知のいずれの方法であっても
利用できる。
【0021】無電解めっき法によるNiまたはCoの被
着の場合には、還元剤として使用する次亜リン酸ナトリ
ウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム
等に由来する14wt%以下のPまたは7wt%以下の
B、もしくは14wt%以下のPおよび7wt%以下の
Bが不可避的に含有されるが、CuまたはSnの無電解
めっき層には、使用する還元剤の関係で前記PまたはB
は含有しない。無電解めっき液のpHは、6.0〜9.
5が好ましく、pH6.0未満では樹脂結合型磁石体表
面に露出した磁性粉末が腐食され、pH9.5を越える
と卑金属の析出が起らない。
【0022】無電解めっき層上に設ける卑金属層は、周
知の電解めっき法による被着方法にて、5〜50μmの
厚みに被着されるが好ましく、更に好ましくは10〜2
5μmの厚みである。
【0023】この発明の対象とするFe−B−R系樹脂
結合型磁石は異方性磁石及び等方性磁石を包含するもの
である。すなわち、以下に示す圧縮成型、射出成型、押
し出し成型、圧延成型、樹脂含浸法等、公知のいずれの
製造方法であってもよい。圧縮成型の場合は、等方性磁
石は、磁性粉末に熱硬化性樹脂、カップリング剤、滑剤
等を添加混練した後、圧縮成型後加熱し、樹脂を硬化し
て得られる。異方性磁石は、異方性磁性粉末に熱硬化性
樹脂、カップリング剤、滑剤等を添加混練した後、磁界
中で、圧縮成型後加熱し、樹脂を硬化して得られる。
【0024】射出成型、押し出し成型、圧延成型の場合
は、等方性磁石は、磁性粉末に熱可塑性樹脂、カップリ
ング剤、滑剤等を添加混練した後、射出成型、押し出し
成型、圧延成型のいずれかの方法で成型して得られる。
異方性磁石は、異方性磁性粉末に熱可塑性樹脂、カップ
リング剤、滑剤等を添加混練した後、磁界中で、射出成
型、押し出し成型、圧延成型のいずれかの方法で成型し
て得られる。ただし、押し出し成型、圧延成型の場合
は、磁性粉末の形状により、無磁界中でも異方化が可能
である。
【0025】樹脂含浸法においては、磁性粉末を圧縮成
型後、必要に応じて熱処理した後、熱硬化性樹脂を含浸
し、加熱して樹脂を硬化させて得る(等方性磁石)、あ
るいは異方性磁性粉末を用い成型を磁界中で行なう(異
方性磁石)、また、磁性粉末を圧縮成型後、必要に応じ
て熱処理した後、熱可塑性樹脂を含浸して得る(等方性
磁石)、あるいは異方性磁性粉末を用い成型を磁界中で
行なう(異方性磁石)。
【0026】この発明において、樹脂結合型磁石中の磁
性粉末の充填率は、前記製造方法により異なるが、70
〜99.5wt%であり、残部0.5〜30wt%が樹
脂その他である。圧縮成型法の場合、磁性粉末の充填率
は95〜99.5wt%、射出成型の場合、90〜95
wt%、樹脂含浸法の場合、96〜99.5wt%が好
ましい。また、磁性粉末の粒度、特性は特に限定しない
が、平均粒度は300μm以下が好ましく、さらには1
00μm以下が好ましく、その保磁力は3kOe以上が
好ましい。
【0027】この発明におけるFe−B−R系樹脂結合
型磁石を構成する磁性粉末は、下記方法等の公知のいず
れの方法で得られたものであってもよい。 (1)溶体急冷法により得られたリボンを粉砕し、更に
必要に応じて熱処理して得られた磁性粉末、(2)母合
金溶湯をアトマイズ法によ粉末化し、更に必要に応じて
熱処理して得られた磁性粉末、(3)インゴットをH2
雰囲気で熱処理して粉砕した後、脱H2処理して得ら
れ、更に必要に応じて熱処理して得られた磁性粉末、
(4)直接還元拡散によって得られた反応生成物を粉
砕、洗浄後熱処理して得られた磁性粉末、(5)焼結体
あるいはインゴットを粉砕し、必要に応じて熱処理して
得られた磁性粉末、(6)上記磁性粉末にスパッター等
にて希土類金属を表面に被着させ、熱処理して得られた
磁性粉末、(7)上記磁性粉末をプラズマジェットなど
で加熱した後、急冷して得る磁性粉末、(8)配向成型
体を粉砕し、熱処理して得られた磁性粉末、(9)上記
磁性粉末を熱間加工、粉末圧延、ホットプレス、ダイア
ップセットにより異方化した磁性粉末。
【0028】磁性粉末の成分限定理由 この発明の対象である樹脂結合型磁石に用いる磁性粉末
の希土類元素Rは、組成の5.5原子%〜30原子%を
占めるが、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbのうち少なく
とも1種、あるいはさらに、La、Ce、Sm、Gd、
Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少なくとも1
種を含むものが好ましい。また、通常Rのうち1種をも
って足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメ
タル、ジジム等)を入手上の便宜等の理由により用いる
ことができる。なお、このRは純希土類元素でなくても
よく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物を
含有するものでも差支えない。
【0029】Rは、上記系樹脂結合型磁性粉末におけ
る、必須元素であって、5.5原子%未満では、高磁気
特性、特に高保磁力が得られず、30原子%を越える
と、残留磁束密度(Br)が低下して、すぐれた特性の
樹脂結合型磁性粉末が得られない。よって、希土類元素
は、5.5原子%〜30原子%の範囲とする。好ましく
は、5.5原子%〜15原子%の範囲である。
【0030】Bは、この発明による樹脂結合型磁性粉末
における、必須元素であって、2原子%未満では、高い
保磁力(iHc)は得られず、20原子%を越えると、
残留磁束密度(Br)が低下するため、すぐれた樹脂結
合型磁性粉末が得られない。よって、Bは、2原子%〜
20原子%の範囲とする。好ましくは、2原子%〜15
原子%の範囲である。
【0031】Feは、上記系樹脂結合型磁性粉末におい
て、必須元素であり、60原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、86原子%を越えると、高い保磁力
が得られないので、Feは60原子%〜86原子%の含
有とする。
【0032】また、この発明の樹脂結合型磁性粉末にお
いて、Feの一部をCoで置換することは、得られる磁
石の磁気特性を損うことなく、温度特性を改善すること
ができるが、Co置換量がFeの70%を越えると、逆
に保磁力が劣化するため、好ましくない。Coの置換量
がFeとCoの合計量で5原子%〜15原子%の場合
は、(Br)は置換しない場合に比較して増加するた
め、高磁束密度を得るために好ましい。
【0033】また、この発明の樹脂結合型磁性粉末は、
R,B,Feの他、工業的生産上不可避的不純物の存在
を許容でき、酸素は2.5wt%程度まで、Caは1.
0wt%程度まで許容できる。また、Bの一部を4.0
原子%以下のC、3.5原子%以下のP、2.5原子%
以下のS、3.5原子%以下のCuのうち少なくとも1
種、合計量で4.0原子%以下で置換することにより、
得られる樹脂結合型磁性粉末の製造性改善、低価格化が
可能である。
【0034】また、下記添加元素のうち少なくとも1種
は、FeーBーR系樹脂結合型磁性粉末に対してその保
磁力、減磁曲線の角型性を改善あるいは製造性の改善、
低価格化に効果があるため添加することができる。
【0035】9.5原子%以下のAl、4.5原子%以
下のTi、9.5原子%以下のV、8.5原子%以下の
Cr、8.0原子%以下のMn、5.0原子%以下のB
i、9.5原子%以下のNb、9.5原子%以下のT
a、9.5原子%以下のMo、9.5原子%以下のW、
2.5原子%以下のSb、7原子%以下のGe、3.5
原子%以下のSn、9.5原子%以下のZr、9.0原
子%以下のNi、9.0原子%以下のSi、1.1原子
%以下のZn、9.5原子%以下のHf、7.0原子%
以下のGa、7.0原子%以下のInのうち少なくとも
1種を添加含有、但し、2種以上含有する場合は、その
最大含有量は当該添加元素のうち最大値を有するものの
原子%以下を含有させることにより、樹脂結合型磁性粉
末の高保磁力化が可能になる。
【0036】
【実施例】
実施例1 以下に、実施例によりこの発明を説明する。なお、めっ
き層厚み等は、ICAP575型発光プラズマ分光分析
計を用いて測定した。組成(原子%)が81Fe−13
Nd−6Bである超急冷法で作った合金粉末を100μ
m以下に粉砕した後、エポキシ樹脂を3wt%加えて混
練し、所定の形状に圧縮成型した。これを150℃で1
時間キュアー処理した後、着磁して樹脂結合型磁石を得
た。磁石の磁石特性は、(BH)max=7.7MGO
e、Br=5.9kG、iHc=15.0kOeであっ
た。
【0037】この磁石を、粒径が約20Åのパラジウム
コロイドが分散しているトルエン中に10分間浸漬した
後、分散媒のトルエンを蒸発させ、パラジウムコロイド
を表面に吸着させた樹脂結合型磁石を得た。
【0038】さらに、Ni濃度0.1mol/l、次亜
リン酸ナトリウム0.15mol/l、クエン酸ナトリ
ウム0.2mol/l、リン酸アンモニウム0.5mo
l/lで、pHが8.5のニッケル無電解めっき液を用
意し、このニッケル無電解めっき液に、前記のパラジウ
ムコロイドを表面に吸着したFe−B−Nd系樹脂結合
型磁石を、80℃で60分間浸漬した後、水洗乾燥し
た。得られた樹脂結合型磁石はニッケル無電解めっき層
の金属光沢を有しており、Pd層厚は60Å、Pを含む
Ni層厚は3μmであった。
【0039】次に、表面に無電解めっき層が形成されて
いる上記樹脂結合型磁石を、硫酸ニッケル240g/
l、塩化ニッケル45g/l、ホウ酸30g/lを含む
pH4.5のニッケル電気めっき液中に浸漬し、次い
で、陰極電流密度2.0A/dm2となるように45分
間電流を流して電気めっきを行なった後、水洗、乾燥し
て電気めっき層を生成させた。
【0040】得られた樹脂結合型磁石は、表面にニッケ
ル電解めっき層の金属光沢を有しており、無電解めっき
層と電解めっき層のNiめっき層厚は総和で18μmで
あった。その後、得られた3層被膜を有するこの発明の
樹脂結合型磁石を、温度70℃、相対湿度85%の条件
下で耐酸化性試験し、1000時間後の磁石特性を測定
した。その結果を第1表に示す。
【0041】実施例2 実施例1と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石に、真空度0.05Torrの雰囲気でイオン
スパッタ法によりPdPt合金膜を50Å厚みに被着し
た。続いて、PdPt合金膜で被覆した前記樹脂結合型
磁石を、実施例1のNi無電解めっき条件と同一条件に
て無電解めっきを行なった。生成したニッケル無電解め
っき層厚は2.7μmであり、金属光沢を有していた。
次に、表面にニッケル無電解めっき層が形成されている
前記樹脂結合型磁石を用い、実施例1と同一の組成及び
条件で電解めっきを行ない、ニッケル電解めっき層を生
成させた。
【0042】得られた樹脂結合型磁石は、表面にニッケ
ル電解めっき層の金属光沢を有しており、無電解めっき
層と電解めっき層のニッケルめっき層厚は総和で18μ
mであった。その後、得られた3層被膜を有するこの発
明の樹脂結合型磁石を、温度70℃、相対湿度85%の
条件下で耐酸化性試験し、1000時間後の磁石特性を
測定した。その結果を第1表に示す。
【0043】実施例3 組成(原子%)が81Fe−13Nd−6Bである超急
冷法で作った合金粉末を100μm以下に粉砕した後、
ナイロン6樹脂を6wt%加えて混練した後、250℃
で射出成型した。得られた樹脂結合型磁石の磁石特性
は、(BH)max=4.7MGOe、Br=4.6k
G、iHc=13.0kOeであった。
【0044】この磁石を用いて、実施例1と同一条件に
てその表面にパラジウムコロイドを吸着させた。Pd層
厚は55Åであった。次いで、前記パラジウムコロイド
を表面に吸着した樹脂結合型磁石に、実施例1のNi無
電解めっき条件と同一条件にて無電解めっきを行なっ
た。生成したニッケル無電解めっき層厚は2.9μmで
あり、金属光沢を有していた。次に、表面にニッケル無
電解めっき層が形成されている前記樹脂結合型磁石を用
い、実施例1と同一の組成及び条件で電解めっきを行な
って、ニッケル電解めっき層を生成させた。
【0045】得られた樹脂結合型磁石は、表面にニッケ
ル電解めっき層の金属光沢を有し、無電解めっき層と電
解めっき層のニッケルめっき総厚は18μmであった。
その後、得られた3層被膜を有するこの発明の樹脂結合
型磁石を、温度70℃、相対湿度85%の条件下で耐酸
化性試験し、1000時間後の磁石特性を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
【0046】比較例1 実施例1と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石に、エポキシ樹脂を約20μm塗装し、150
℃で1時間の焼き付けを行なった。その後、実施例1と
同一条件の耐酸化性試験を行ない、その耐酸化性及び1
000時間後の磁石特性を測定し、測定結果を第1表に
示す。
【0047】比較例2 実施例1と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石に、アクリル樹脂を約20μm塗装し、150
℃で1時間の焼き付けを行なった。その後、実施例1と
同一条件の耐酸化性試験を行ない、その耐酸化性及び1
000時間後の磁石特性を測定し、測定結果を第1表に
示す。
【0048】比較例3 実施例1と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石を用い、実施例1におけるニッケル電解めっき
液と同一組成で、通電時間を60分間で形成した以外は
実施例1と同一条件で表面に電解めっきによるニッケル
めっき層(層厚20μm)を有する樹脂結合型磁石を得
た。その後、実施例1と同一条件の耐酸化性試験を行な
い、その耐酸化性及び1000時間後の磁石特性を測定
し、測定結果を第1表に示す。
【0049】比較例4 実施例3と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石に、エポキシ樹脂を約20μm塗装し、150
℃で1時間の焼き付けを行なった。その後、実施例1と
同一条件の耐酸化性試験を行ない、その耐酸化性及び1
000時間後の磁石特性を測定し、測定結果を第1表に
示す。
【0050】比較例5 実施例3と同一組成、同一製造条件にて得られた樹脂結
合型磁石に、アクリル樹脂を約20μm塗装し、150
℃で1時間の焼き付けを行なった。その後、実施例1と
同一条件の耐酸化性試験を行ない、その耐酸化性及び1
000時間後の磁石特性を測定し、測定結果を第1表に
示す。
【0051】比較例6 実施例3と同一の樹脂結合型磁石表面に、比較例3と同
一条件の電解めっきによるニッケルめっき層(層厚20
μm)を被覆した後、実施例1と同一条件の耐酸化性試
験を行ない、その耐酸化性及び1000時間後の磁石特
性を第1表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】この発明の製造方法によって得られたF
e−B−R系樹脂結合型磁石は、実施例の如く、無電解
めっき層を介して電解めっき層を形成しているため、緻
密性、密着性にすぐれた均質な金属めっき層の形成が可
能となり、苛酷な耐食試験条件、特に、温度70℃、相
対湿度85%の条件下で、1000時間放置した後、そ
の磁石特性の劣化は初期磁石特性の5%以下の低下にす
ぎず、現在、最も要求されている高性能かつ安価な樹脂
結合型磁石として極めて適している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(RはNd、Pr、Dy、Ho、Tb
    のうち少なくとも1種あるいはさらに、La、Ce、S
    m、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yのうち少
    なくとも1種からなる)5.5原子%〜30原子%、B
    2原子%〜28原子%、Fe60原子%〜86原子%を
    主成分とする磁性粉末と、樹脂とからなる樹脂結合型磁
    石体表面に、Pd、Ag、Pt及びAu等から選ばれた
    少なくとも1種の貴金属層、Ni、Cu、Sn及びCo
    等から選ばれた少なくとも1種の卑金属からなる無電解
    めっき層、Ni、Cu、Sn、及びCo等から選ばれた
    少なくとも1種の卑金属からなる電解めっき層を順次積
    層することを特徴とする耐食性のすぐれたFe−B−R
    系樹脂結合型磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 貴金属層を、貴金属コロイドを吸着させ
    るかあるいは貴金属の薄膜を気相成膜法により設けるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の耐食性のすぐれたFe
    −B−R系樹脂結合型磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 貴金属コロイドを、非水液媒またはpH
    6.0〜9.0の中性水液媒中に分散させ、該液媒中に
    磁石体を浸漬あるいは該液媒を磁石体に塗布することに
    より貴金属コロイドを吸着させることを特徴とする請求
    項2に記載の耐食性のすぐれたFe−B−R系樹脂結合
    型磁石の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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