JPH07272537A - 誘電体組成物、多層配線基板および積層セラミックコンデンサ - Google Patents
誘電体組成物、多層配線基板および積層セラミックコンデンサInfo
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- JPH07272537A JPH07272537A JP6087865A JP8786594A JPH07272537A JP H07272537 A JPH07272537 A JP H07272537A JP 6087865 A JP6087865 A JP 6087865A JP 8786594 A JP8786594 A JP 8786594A JP H07272537 A JPH07272537 A JP H07272537A
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Abstract
率が小さく、しかも誘電率の高いガラスを含有する誘電
体組成物と、この誘電体組成物と基板材料とを同時一体
焼成して製造される多層配線基板と、前記誘電体組成物
を用いて製造される積層セラミックコンデンサとを提供
することを目的とする。 【構成】 本発明の誘電体組成物は、ランタノイド酸化
物をLn2 O3 (Lnはランタノイド)換算で10〜4
0モル%と、酸化珪素をSiO2 換算で20〜50モル
%と、酸化ほう素をB2 O3 換算で5〜20モル%と、
酸化アルミニウムを7〜20モル%と、酸化ジルコン、
酸化チタンおよび酸化ニオブから選択される少なくとも
1種をそれぞれZrO2 、TiO2 およびNb2 O5 換
算で合計10〜40モル%とを含有するガラスと、比誘
電率が前記ガラスより大きく、チタニウムを含む酸化物
を含有する誘電体材料とを含有する。
Description
誘電体組成物を用いて製造された多層配線基板および積
層セラミックコンデンサとに関する。
基板材料として、軟化点700〜900℃程度のガラス
フリットとAl2 O3 とを混合した低温焼成可能な材料
が開発されており、これにより基板材料、導体、抵抗体
等を例えば1000℃以下の低温で同時一体焼成するこ
とが可能となっている。
配線基板内に高誘電率の誘電体層を設けることにより、
コンデンサを内蔵させてしかも小型化することが提案さ
れている。この場合、従来、一般に誘電体層材料には、
前記低温焼成基板材料と同時焼成が可能なPb系低温焼
成誘電体材料(Pb系ペロブスカイト化合物)が用いら
れている。しかし、この系では、誘電体材料と基板材料
との間の相互拡散が激しい。このため、中間層を設ける
などの工夫もなされているが依然として不安定であり、
実用化に十分な段階には到っていない。
可能な誘電体組成物として、セラミックス骨材とガラス
との混合物系の誘電体組成物についても種々の提案がな
されているが、従来は、基板との一体焼成の観点から、
誘電体組成物に用いるガラスとしても基板に用いられて
いるガラスを実質的にそのままの組成で用いている。し
かしながら、基板においては、回路中の信号の伝播遅延
時間を小さくするため、比誘電率が小さいガラスを用い
ており、従来のように、このガラスをそのまま誘電体に
用いると比誘電率が低下してしまい、望ましくない。
情からなされたものであり、ガラス転移点が高く、平均
線膨張率が小さく、しかも誘電率の高いガラスを含有す
る誘電体組成物と、この誘電体組成物と基板材料とを同
時一体焼成して製造される多層配線基板と、前記誘電体
組成物を用いて製造される積層セラミックコンデンサと
を提供することを目的とする。
(1)〜(9)の本発明により達成される。 (1)ランタノイド酸化物をLn2 O3 (Lnはランタ
ノイド)換算で10〜40モル%と、酸化珪素をSiO
2 換算で20〜50モル%と、酸化ほう素をB2 O3 換
算で5〜20モル%と、酸化アルミニウムを7〜20モ
ル%と、酸化ジルコン、酸化チタンおよび酸化ニオブか
ら選択される少なくとも1種をそれぞれZrO2 、Ti
O2 およびNb2 O5 換算で合計10〜40モル%とを
含有するガラスと、比誘電率が前記ガラスより大きく、
チタニウムを含む酸化物を含有する誘電体材料とを含有
する誘電体組成物。 (2)前記ガラスの転移点が600℃以上である上記
(1)の誘電体組成物。 (3)前記ガラスの25〜500℃における平均線膨張
率が8×10-6/deg以下である上記(1)または(2)
の誘電体組成物。 (4)前記ガラスの比誘電率が1MHzで10以上であ
る上記(1)ないし(3)のいずれかの誘電体組成物。 (5)前記誘電体材料が、50〜100モル%のTiO
2 を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかの誘電
体組成物。 (6)前記誘電体材料の比誘電率が1MHzで20以上
である上記(1)ないし(5)のいずれかの誘電体組成
物。 (7)ガラス/誘電体材料(体積比)が8/2〜4/6
の範囲にある上記(1)ないし(6)のいずれかの誘電
体組成物。 (8)ガラスと酸化アルミニウム骨材とを含有する基板
層用組成物と、上記(1)ないし(7)のいずれかの誘
電体組成物とを同時一体焼成して製造されたことを特徴
とする多層配線基板。 (9)上記(1)ないし(7)のいずれかの誘電体組成
物を用いて製造されたことを特徴とする積層セラミック
コンデンサ。
は、ストレーキャパシティーを低減するために誘電率の
低いアルミナ等が主として用いられる。そして、低温焼
成を可能とするためにガラスと混合されて基板材料とさ
れる。また、この基板用のガラスは、基板にIC等を実
装する場合には、平均線膨張率が小さくガラス転移点が
高い方が望ましい。
均線膨張率よりも小さい。このため、アルミナとガラス
とを主成分とする低温焼成基板材料と、誘電体材料とガ
ラスとを主成分とする誘電体組成物とを同時焼成して、
基板層と誘電体層とを有する多層配線基板を製造するた
めには、誘電体組成物のガラスとして平均線膨張率の小
さいものを選び、基板層の平均線膨張率と誘電体層の平
均線膨張率とを近似させて剥離を防ぐ必要がある。しか
し、従来のガラスでは、平均線膨張率を低く設計した場
合には誘電率が低くなってしまう。ガラスの誘電率が低
いと誘電体層の誘電率が低くなってしまい、多層配線基
板が大型化してしまう。一方、一般に誘電率を高くする
とガラス転移点が低くなってしまうため、ガラスの焼結
が急速に進むようになり、誘電体層の剥離や基板の反り
が生じてしまう。
ンタノイド酸化物と、ジルコニア、チタニアおよび酸化
ニオブの少なくとも一種を含む組成のため、比誘電率が
高く、しかも平均線膨張率が小さく、ガラス転移点が高
いので、上記の低温焼成基板材料用のガラスについての
平均線膨張率およびガラス転移点の要求とマッチしつ
つ、しかも比誘電率が高い。したがって、このガラスを
用いた誘電体は、基板との同時焼成を良好に行なうこと
ができるとともに、比誘電率も高い。
物に用いて多層配線基板を製造した場合、高性能で小型
の多層配線基板が得られ、しかも剥離や反り等の欠陥も
防止される。
て組成を適宜選択することによりガラス転移点を適度な
値とすることができるので、本発明のガラスを誘電体材
料と混合した誘電体組成物は、1000℃以下の低温で
焼成が可能であり、低温焼成基板材料との同時一体焼成
が可能である。
誘電体組成物を用いて製造された積層セラミックコンデ
ンサは熱衝撃に強く、例えば、ハンダ付や使用時の極端
な温度変化の際のクラック発生が防止される。
に説明する。
料を含有する。本発明のガラスは、ランタノイド酸化物
を10〜40モル%、好ましくは12〜35モル%含有
する。ランタノイド酸化物の含有量が前記範囲未満であ
ると、誘電率を高くすることができず本発明の効果が実
現しない。含有量が前記範囲を超えていると、ガラス化
が困難である。この場合、ランタノイドをLnで表わし
たとき、前記ランタニド酸化物のモル百分率はLn2 O
3 のモル百分率とする。本発明で用いるランタノイドと
しては、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu
の1種以上であり、特に、LaおよびNdの1種以上が
好ましい。なお、Ce酸化物の化学量論組成はCe
O2 、Pr酸化物の化学量論組成はPr6 O11である
が、これらのように化学量論組成がLn2 O3 でない場
合でも、本発明におけるモル百分率は上記のようにして
算出する。なお、ランタノイド酸化物の原料として、未
精製の希土類未選鉱を用いてもよい。
O2 換算で20〜50モル%、好ましくは25〜45モ
ル%含有する。酸化珪素の含有量が、上記範囲未満であ
ると、ガラスが失透しやすくなり、ガラス化が困難にな
り、一方、上記範囲を超えると、ガラスの誘電体率があ
まり大きくならず、本発明の効果が実現しない。
B2 O3 換算で5〜20モル%含有する。酸化ほう素の
含有量が、上記範囲未満であるとガラス転移点が800
℃を超えてしまい、かつガラスも結晶化しやすくなる。
一方、上記範囲を超えると、ガラスの誘電体率が小さく
なるとともに、また、ガラスの転移点が600℃未満と
なってしまう。
酸化チタンおよび酸化ニオブから選択される少なくとも
1種をそれぞれZrO2 、TiO2 およびNb2 O5 換
算で合計10〜40モル%、好ましくは10〜25モル
%含有する。酸化ジルコン、酸化チタンおよび酸化ニオ
ブから選択される少なくとも1種の含有量が、上記範囲
未満であるとガラスの誘電体率が大きくならず、上記範
囲を超えると、ガラスの安定性が低くなり、結晶化しや
すくなる。
ミニウムをAl2 O3 に換算して7〜20モル%、好ま
しくは10〜20モル%含有する。酸化アルミニウムの
含有量が前記範囲を外れると、ガラス化しないか、ある
いは結晶化ガラスになりやすくなる。
酸化物、酸化珪素、酸化ほう素、酸化アルミニウム、お
よび酸化ジルコンと、酸化チタンと、酸化ニオブとのう
ち少なくとも一種の合計含有量は、90モル%以上であ
ることが好ましい。合計含有量が前記範囲未満である
と、本発明の効果が不十分になる傾向にある。
酸化鉛、酸化ビスマス等を含有してもよい。これらの添
加により、ガラスの誘電体率を上げ、ガラス転移点を低
下させることができる。
モル%以下であることが好ましい。合計含有量が前記範
囲を超えていると、ランタノイド酸化物等の合計含有量
が不足し、本発明の効果が不十分となる傾向にあり、軟
化点が低くなりすぎる。なお、酸化鉛、酸化ビスマス
は、それぞれPbO、Bi2 O3 に換算してモル百分率
を算出する。
〜800℃の間に設定されることが好ましい。ガラスの
転移点が600℃以上であるため、誘電体組成物焼成の
際の誘電体層の剥離や基板の反りが防止される。また、
ガラス転移点を800℃以下であるため、本発明のガラ
スを誘電体組成物に適用して後述するように誘電体層と
基板層とを同時一体焼成することができる。なお、より
好ましいガラス転移点の範囲は650〜750℃であ
る。
チングのため、25〜500℃における平均線膨張率が
8×10-6/deg以下である。本発明のガラスの平均線膨
脹率の下限値は特にないが、上記の組成から4×10-6
/deg程度である。
は、通常、10以上であり、12以上とすることも容易
にできる。本発明のガラスの比誘電率の上限値は特にな
いが、上記の組成から通常18程度である。
の粉末と、比誘電率が本発明のガラスより大きい誘電体
材料の粉末とを含有する。用いる誘電体材料は、チタン
を含む酸化物を含有する。誘電体材料は、TiO2 を5
0〜100モル%含有していることが好ましい。TiO
2 が50モル%に満たない場合には、誘電特性が、50
モル%以上のものに比べて非常に劣るとともに、不安定
である。
としては、比誘電率が10超、特に20以上のものが好
ましく、例えば、TiO2 系材料、BaO・nTiO2
系材料等を用いることができる。これらのうちでは、特
に、マイクロ波誘電体として用いられるBaO・4Ti
O2 ・Ln2 O3 が好ましい。
料との量比は特に限定されず、焼成温度やそれぞれの誘
電率等に応じて適宜決定すればよいが、通常、ガラス/
誘電体材料(体積比)が8/2〜4/6、特に8/2〜
6/4の範囲にあることが好ましい。ガラスの比率が高
すぎると、誘電体組成物の誘電率が不足する傾向にあ
り、また、抗折強度が低下する傾向にある。一方、ガラ
スの比率が低すぎると、基板層材料との同時焼成が難し
くなる。
板層よりも誘電率の高い誘電体層とが積層された構成を
有し、コンデンサを内蔵する多層配線基板である。
して形成される。また、基板層は、骨材とガラスとを含
有する基板層用組成物を焼成して形成される。
3 等の酸化アルミニウム骨材を主として用いる。また、
ガラスとしては、強度および高周波特性が優れているこ
とからアルカリ土類珪酸塩系ガラスが好ましい。焼成温
度を1000℃以下とするためには、ガラス転移点が6
50〜850℃程度のアルカリ土類珪酸塩系ガラスを用
いることが好ましい。ガラス転移点が850℃を超えて
いると1000℃以下の温度での焼成が困難であり、ガ
ラス転移点が650℃未満ではシート成形時のバインダ
が抜けにくく、絶縁性が不良となる傾向にある。このよ
うなアルカリ土類珪酸塩系ガラスとしては、ストロンチ
ウムシリケート系ガラスやストロンチウムアルミナシリ
ケート系ガラス等のストロンチウム珪酸塩系ガラスが好
ましい。具体的には、アルカリ土類金属酸化物の1種以
上:25〜45モル%、SiO2 :50〜70モル%、
Al2 O3 :5〜20モル%およびB2 O3 :0〜10
モル%を含有するガラスが好ましい。上記アルカリ土類
金属酸化物としては、SrOを必須とし、CaOおよび
MgOの1種以上を含むことが好ましく、特に前記3種
を併用することが好ましい。3種を併用する場合、Sr
Oの含有量は15〜30モル%、CaOの含有量は1〜
8モル%、MgOの含有量は1〜7モル%が好ましい。
このような組成のガラスの50〜500℃における平均
線膨張率は、6.0〜7.0×10-6/deg程度である。
また、Al2 O3 の50〜500℃における平均線膨張
率は、7.5×10-6/deg程度である。ガラス転移点や
平均線膨張率は、示差熱膨張計を用いて測定することが
できる。
との体積比は特に限定されないが、(酸化アルミニウ
ム)/(酸化アルミニウム+ガラス)で表わされる体積
比をSA としたとき、SA =0.2〜0.5であること
が好ましい。SA が前記範囲を超えていると焼結性が不
良となり、前記範囲未満であると十分な抗折強度が得ら
れない傾向にある。
論組成から多少偏倚した組成であってもよく、偏倚した
組成のものとの混合物、あるいは偏倚した組成のもの同
士の混合物であってもよい。
5〜3μm 程度とすることが好ましい。前記範囲未満で
はシート形成が困難となり、前記範囲を超えると基板層
や誘電体層の強度が不足する傾向にある。また、ガラス
の平均粒径は、成形性等を考慮して、通常、1〜2.5
μm 程度とする。
示す。図示される多層配線基板1では、基板層21、誘
電体層31、32および基板層22〜24が積層されて
いる。基板層21と誘電体層31との間、誘電体層31
と32との間および誘電体層32と基板層22との間に
は、それぞれ内部電極41、42および43が設けら
れ、各内部電極はスルーホール5内の導体を介して外部
導体6と電気的に接続されてコンデンサを構成してい
る。
は、導電性が良いこと等を優先させる点からAgまたは
Cuを主体とする導体を用いることが好ましく、特に、
酸素含有雰囲気、例えば空気中で焼成する場合にはAg
を用いることが好ましい。また、端子電極の導体には、
耐マイグレーション性、ハンダ喰われ性、ハンダ濡れ性
等の点からAgまたはCuを主体とする導体を用いるこ
とが好ましく、特に酸素含有雰囲気、例えば空気中で焼
成する場合には、Agと、Pdおよび/またはPtとを
含有する導体を用いることが好ましい。
法等のいわゆる厚膜法により製造される。これらの方法
では、基板層用ペーストおよび誘電体層用ペーストを用
意する。基板層用ペーストは、基板層用組成物にビヒク
ルを加えて調製され、誘電体層用ペーストは、誘電体組
成物にビヒクルを加えて調製される。
エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル
樹脂、ブチルメタアクリレート等のバインダ、テルピネ
オール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセ
テート、トルエン、アルコール、キシレン等の溶剤、そ
の他各種分散剤、活性剤、可塑剤等が含まれるものであ
り、これらのうち任意のものが目的に応じて適宜選択さ
れる。ビヒクルの添加量は、骨材粒子およびガラス粒子
の合計量100重量部に対し、65〜85重量部程度と
することが好ましい。
用ペーストをそれぞれ調製する。これらのペーストは、
導電粒子とビヒクルとを混合して調製し、必要に応じて
導電粒子に対し1〜10重量%程度のガラスフリットを
さらに混合する。
ートおよび基板層となるグリーンシートを作製する。こ
の場合、前述した各ペーストを用い、例えばドクターブ
レード法により所定枚数作製する。
ーストを、例えばスクリーン印刷法により印刷し、所定
のパターンの内部電極を形成する。次いで、各グリーン
シートを重ね合せ、熱プレス(約40〜120℃、50
〜1000kgf/cm2 ) を加えてグリーンシートの積層体
とし、必要に応じて脱バインダ処理、切断用溝の形成等
を行なう。
常、空気中で、1000℃程度以下、特に800〜10
00℃程度の温度で10分間程度焼成して一体化する。
そして、端子電極用ペーストをスクリーン印刷法等によ
り印刷して焼成し、端子電極を形成するが、好ましくは
端子電極を基板層および誘電体層と一体同時焼成するこ
とにより形成する。なお、内部電極用ペースト中の導体
の融点以上の温度、例えば1200〜1300℃程度で
焼成してもよい。
いてもよいが、厚さ精度が高いこと、信頼性が高いこと
などから、シート法を用いることが好ましい。
に限らず、コンデンサに加えインダクタ等の各種回路を
設けることにより、共振器等の各種素子に適用すること
ができる。共振器として用いる場合、通常、10kHz 〜
10GHz 程度の周波数範囲に適用されることが好まし
い。上記した誘電体層では、このような高周波用共振器
に好適な誘電率が得られる。
ラミックコンデンサの製造にも好適である。積層セラミ
ックコンデンサは、例えば、図2に示した構造のものと
することができる。すなわち、積層セラミックコンデン
サ100は、基板層121および122を備え、これら
の基板層121および122の間に、誘電体層131〜
134および内部電極層141〜145が交互に積層さ
れ、内部電極層のうち一層置きの内部電極層141、1
43および145、内部電極層142および144が、
それぞれ端部電極151、152に電気的に接続された
構造を有している。
ペーストを用い、内部電極層には上記した内部電極用ペ
ーストを用いればよい。焼成後の誘電体層の一層あたり
の厚さは、100μm 以下、特に50μm 以下、さらに
は5〜30μm 程度であることが好ましい。誘電体層の
積層数は、通常、2〜200程度とする。
体化は、グリーンシート法によっても印刷法によっても
よい。積層後、焼成する。焼成後、内部電極と導通する
一対の外部電極を設ける。外部電極材料としては公知の
種々の材質が適用可能である。
をさらに詳細に説明する。
多層セラミックコンデンサの試料を作製した。
平均粒径2μm の誘電体材料とを混合して誘電体組成物
とし、バインダ、溶剤、可塑剤を加えて誘電体層用ペー
ストを調製した。用いたガラスフリットの組成、ガラス
転移点(Tg)、1MHz における比誘電率(εr )、お
よび25〜500℃における平均線膨張率(α)と、誘
電体材料の組成およびεr と、体積比(ガラス/誘電体
材料)とを下記表1に示す。なお、ガラス転移点は熱分
析装置により測定した。また、平均線膨張率は以下のよ
うにして測定した。まず、ガラスフリットを棒状に乾式
成形した。次いで、850℃で10分間熱処理を施し
て、3.5mm角、高さ15mmのガラス棒を作製し、この
ものの平均線膨張率を示差熱膨張計により測定した。ま
た、比誘電率は、上記と同様な熱処理により直径15m
m、厚さ0.4mmのガラス板を作製し、このガラス板の
両主面にAgペーストを印刷し、800℃で10分間焼
成して電極を形成した後、測定した。
と平均粒径1.5μm のAl2 O3とを混合し、バイン
ダ、溶剤、可塑剤を加えて低温焼成基板層用ペーストを
調製した。体積比(ガラスフリット/Al2 O3 )は7
0/30とした。ガラスフリットの組成は、試料 No.5
のガラスの組成と同じく、SiO2 :62モル%、Al
2 O3 :8モル%、B2 O3 :3モル%、SrO:20
モル%、CaO:4モル%、MgO:3モル%であり、
ガラス転移点は765℃であった。
ーブレード法により誘電体層用グリーンシートを作製
し、一方、低温焼成基板層用ペーストを用い、ドクター
ブレード法により低温焼成基板用グリーンシートを作製
した。次いで、誘電体層用グリーンシートに、Agを用
いた内部電極用ペーストをスクリーン印刷法により印刷
し、内部電極形成の後、熱プレスにより低温焼成基板用
グリーンシートと一緒に積層し、グリーンシート積層体
を得た。誘電体用グリーンシートの積層数は、9層とし
た。そして、この積層体を所定サイズに切断し、熱処理
して脱脂を行い、この後、空気中において温度900℃
で10分間焼成した。さらに、Agを用いた端部電極用
導体で端部電極を印刷した後、空気中で温度850℃で
10分間焼成し、図2に示す構成の同時焼成多層セラミ
ックコンデンサの試料 No.1〜12を得た。作製した試
料のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.0mmで
あった。
によるものであり、試料 No.11および12が比較のた
めのものである。この比較用の試料 No.12において
は、誘電体用ガラスとして、従来から基板用として用い
られ、誘電体材料にも用いられているガラスを用いた。
したがって、ガラス自身の比誘電率εr が7.3と小さ
かった。一方、比較用の試料 No.11においては、酸化
ジルコン、酸化チタンおよび酸化ニオブの替わりに酸化
ビスマス(Bi2 O3 )を40モル%含有するガラスを
用いた。ガラスの比誘電率εr 自身は24.8と大きか
ったが、平均線膨張率が8.4×10-6/degと大きかっ
た。
ける比誘電率(εr )測定し、また、低温焼成基板材料
と誘電体材料の同時焼成が可能かを調べるため、同時焼
成の際発生するクラックの有無、焼成後のデラミネーシ
ョンの有無を調べた。結果を表2に示した。
らかである。すなわち、本発明の実施例における誘電体
層用ガラスは、上記比較用のガラスの転移点(765
℃)および平均線膨張率(6.2×10-6/deg)と同等
の転移点(737〜799℃)および平均線膨張率
(6.0〜7.4×10-6/deg)を有しているので、こ
れを誘電体材料に用いて基板と同時一体焼成した場合、
従来と同様に、基板材料とのクラックおよびデラミネー
ションがなく、しかも、比較用の多層セラミックコンデ
ンサの試料 No.12の1MHzでのεr が16.0であ
ったものが、本発明の実施例においては、最小でも2
2.2と格段に向上した。
である。
を示す断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ランタノイド酸化物をLn2 O3 (Ln
はランタノイド)換算で10〜40モル%と、酸化珪素
をSiO2 換算で20〜50モル%と、酸化ほう素をB
2 O3 換算で5〜20モル%と、酸化アルミニウムを7
〜20モル%と、酸化ジルコン、酸化チタンおよび酸化
ニオブから選択される少なくとも1種をそれぞれZrO
2 、TiO2 およびNb2 O5 換算で合計10〜40モ
ル%とを含有するガラスと、比誘電率が前記ガラスより
大きく、チタニウムを含む酸化物を含有する誘電体材料
とを含有する誘電体組成物。 - 【請求項2】 前記ガラスの転移点が600℃以上であ
る請求項1の誘電体組成物。 - 【請求項3】 前記ガラスの25〜500℃における平
均線膨張率が8×10-6/deg以下である請求項1または
2の誘電体組成物。 - 【請求項4】 前記ガラスの比誘電率が1MHzで10
以上である請求項1ないし3のいずれかの誘電体組成
物。 - 【請求項5】 前記誘電体材料が、50〜100モル%
のTiO2 を含有する請求項1ないし4のいずれかの誘
電体組成物。 - 【請求項6】 前記誘電体材料の比誘電率が1MHzで
20以上である請求項1ないし5のいずれかの誘電体組
成物。 - 【請求項7】 ガラス/誘電体材料(体積比)が8/2
〜4/6の範囲にある請求項1ないし6のいずれかの誘
電体組成物。 - 【請求項8】 ガラスと酸化アルミニウム骨材とを含有
する基板層用組成物と、請求項1ないし7のいずれかの
誘電体組成物とを同時一体焼成して製造されたことを特
徴とする多層配線基板。 - 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかの誘電体組
成物を用いて製造されたことを特徴とする積層セラミッ
クコンデンサ。
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1994
- 1994-03-31 JP JP08786594A patent/JP3337819B2/ja not_active Expired - Fee Related
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