JPH07271083A - フラッシュ定着用電子写真トナー組成物 - Google Patents

フラッシュ定着用電子写真トナー組成物

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JPH07271083A
JPH07271083A JP6065029A JP6502994A JPH07271083A JP H07271083 A JPH07271083 A JP H07271083A JP 6065029 A JP6065029 A JP 6065029A JP 6502994 A JP6502994 A JP 6502994A JP H07271083 A JPH07271083 A JP H07271083A
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acid
toner composition
rosin
polyester resin
electrophotographic toner
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JP6065029A
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Kenichi Tabata
憲一 田畑
Hiroyuki Takahata
洋行 高畑
Masaaki Ishiyama
雅章 石山
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリエステル系樹脂にロジンを配合したフラッ
シュ定着用電子写真トナー組成物。 【効果】定着性が優れ、定着時に臭気成分が実質的に発
生しないので、フラッシュ定着方式に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真における静電
潜像を現像するための現像用粉体(以下トナー組成物と
記す)、とりわけフラッシュ定着方式に適した電子写真
トナー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンターにおける画像定着方
式としては、(1)電熱ヒーターの加熱雰囲気中を通過
させるオーブン定着方式、(2)少なくとも一方が加熱
ロールである一組のロール間を通過させる熱ロール定着
方式、(3)一組の剛性ロール間を常温で通過させる圧
力定着方式、(4)フラッシュ定着方式、などが知られ
ている。
【0003】フラッシュ定着方式は、トナーの可視像に
キセノンまたはハロゲンの発光スペクトルをミリ秒以下
の短時間照射してその輻射熱により紙面上に定着させる
方法で、定着に要する時間が極めて短時間であるため高
速度印字・高速度定着に適した定着方式である。しかし
ながら、高エネルギーのフラッシュ光の照射によりトナ
ー組成物の表面温度は瞬間的に数百度に達すると言われ
ており、トナー組成物の主成分である結着樹脂や添加剤
の一部が分解してガス化し、悪臭を放つという問題点が
あった。
【0004】一方、市場においては定着性に関する要求
が強く、より高い定着強度を示すトナーが求められてい
る。これに対して、画像の定着強度を高める方法には大
きく分けて、特定の結着樹脂成分を用いる方法、および
特定の添加剤を加える方法、の2つの方法が提案されて
いる。
【0005】特定の結着樹脂を用いる方法としては、ス
チレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂な
どの結着樹脂を用いるに際して、特定の粘弾性を有する
結着樹脂成分を用いるトナー組成物(特開平2−158
747号公報など)、特定の分子量分布を有する結着樹
脂を用いるトナー組成物(特開昭61−176948号
公報)、特定の熱特性を有する結着樹脂を用いるトナー
組成物(特開昭52−50241号公報)などが知られ
ている。
【0006】特定の添加剤を加える方法としては、例え
ばシリコーンワニスを加える方法(特開昭51−143
333号公報)、脂肪酸アミドワックスを添加する方法
(特開昭60−252364号公報)などが提案されて
いるが、これらは熱ロール定着方式において優れた定着
性を示すものであり、これら添加剤を用いたトナー組成
物をフラッシュ定着方式に供すると十分な定着性が得ら
れないばかりか添加剤に由来する分解ガスが発生すると
いう欠点があった。
【0007】また、スチレン−ブタジエン共重合体に水
素添加ロジンエステルを加える方法(特開昭55−12
3855号公報)、スチレン−ブタジエン共重合体に不
均化ウッドロジンを加える方法(特開昭59−1238
55号公報)が提案されているが、これらの方法も熱ロ
ール定着方式において優れた定着性を示すものであり、
これら組成物をフラッシュ定着方式に適用しても、強い
臭気、とりわけスチレンオリゴマーやブタジエン由来の
分解ガスが多量に発生し、実用的ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、フラッシュ定着時の臭気が実質的に発生せず、同時
に優れたフラッシュ定着性を発現するトナー組成物につ
いて鋭意検討した結果、ポリエステル系樹脂にロジンを
配合することにより所期の目的を達するトナー組成物が
得られることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
エステル系樹脂を主成分とするトナー組成物において、
ロジンを含有することを特徴とするフラッシュ定着用電
子写真トナー組成物を提供するものである。
【0010】本発明におけるポリエステル系樹脂の製造
方法は特に限定されるものではないが、有機金属化合
物、金属酸化物、非金属酸化物から選ばれた1つまたは
2つ以上の化合物の存在下または非存在下において、ジ
および/またはポリカルボン酸成分とジおよび/または
ポリオール成分を不活性ガス雰囲気中において130〜
280℃の温度で縮合重合して得る方法が挙げられる。
この際、重合の任意の段階で減圧条件下に製造すること
もできる。
【0011】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、マロン酸、またはこれらの無水
物、炭素数1〜4の低級アルキルエステルを挙げること
ができる。このうち、テレフタル酸、イソフタル酸、お
よびこれら酸と炭素数1〜4の低級アルコールからなる
低級アルキルエステルが好ましく用いられる。
【0012】また、ポリカルボン酸成分としては、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン
酸)、またはこれらの無水物、炭素数1〜4の低級アル
キルエステルを挙げることができる。
【0013】ジオール成分としては、式(1)で示され
るビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAなどを挙
げることができる。
【0014】
【化2】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yはそ
れぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜
7である。)このうち、ビスフェノールAのアルキレン
オキサイド付加物が好ましく用いられ、さらに好ましく
はポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、またはポリオキシエ
チレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが用いられる。
【0015】ポリオール成分としては、ソルビトール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセロ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
などを挙げることができる。
【0016】本発明におけるロジンとしては、ガムロジ
ン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの天然ロジンが
使用される。これら天然ロジンは、原産地、原材料、採
取方法の違いによりガムロジン、ウッドロジン、トール
油ロジンなどと呼ばれるが、基本的には松脂の水蒸気蒸
留時の残さ成分として得られるものであり、成分として
アビエチン酸(融点79℃)、パラストリン酸(融点7
5℃)、ネオアビエチン酸(融点78℃)、デヒドロア
ビエチン酸(融点79℃)、ピマール酸(融点104
℃)、サンダラコピマール酸(融点79℃)、イソピマ
ール酸(融点73℃)などを含む混合物であり、通常約
80℃で軟化し、90〜100℃で溶融する。
【0017】ロジンをポリエステル系樹脂に配合するこ
とがフラッシュ定着性の向上につながる理由は明確では
ないが、ロジンが被印刷体である一般の連続紙、カット
紙に対し親和性が高く、より密着し易いこと、またポリ
エステル系樹脂とロジンの相溶性が著しく優れており、
ロジンがポリエステル系樹脂に対して極めて均質に分散
していることが定着性が向上する原因と考えられる。
【0018】さらに、ロジンを構成する、アビエチン酸
などの上記の化合物は、ヒドロフェナンスレン環を有す
る多縮合環状モノカルボン酸であり、また非昇華性であ
るため、フラッシュ時の高温に晒されてもほとんど気化
したり分解しないので、ガス、悪臭の発生がない。
【0019】本発明において、全組成物100重量部に
対してロジンの含有量は、0.1〜15重量部が好まし
く、2〜10重量部がさらに好ましい。ロジンの含有量
が0.1重量部に満たない場合には十分な定着性が得ら
れず、ロジンの含有量が15重量部を越えるとフラッシ
ュ定着時に画像にボイドと呼ばれるスポンジの穴のよう
な白抜け部分を生じ、画像上の欠陥が発生する。
【0020】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、通常の着色剤、帯電制御剤を含有すること
ができる。着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒な
どの無機顔料や、有彩色の染料および有機顔料などが必
要に応じて使用できる。また、帯電制御剤としては、公
知のものであれば正および負いずれの帯電制御剤も使用
することができる。正帯電制御剤としては、ニグロシ
ン、第4級アンモニウム塩化合物などが、負帯電制御剤
としては、含金属アゾ化合物、サリチル酸誘導体の金属
化合物などが使用できる。
【0021】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
るものではないが、好ましくはポリエステル系樹脂の軟
化点以上の温度において、ポリエステル系樹脂、ロジン
および必要に応じて着色剤、帯電制御剤などの種々の添
加剤を押出機を用いて均一に溶融混練する方法が挙げら
れる。
【0022】得られた組成物は、通常の粉砕、分級工程
を経て、平均粒径5〜15μm、好ましくは7〜13μ
mの粉体の形でトナーとして使用される。この時に、流
動性向上剤やクリーニング剤、滑剤をトナー粒子に外添
して用いてもよい。
【0023】本発明のトナー組成物はキャリアと混合し
て二成分現像剤として用いることができる。また、トナ
ー組成物が磁性体を含有する場合には、一成分現像剤と
しても二成分現像剤としても用いることができる。キャ
リアとしては、混合時にトナー粒子を均一に摩擦帯電さ
せること、さらにバイアス電圧などのつくる電界にした
がってトナー粒子がキャリアを離れ静電潜像へ移動する
に際して忠実な現像が形成可能なこと、が必要であり、
例えば、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、マグネタ
イトキャリア、樹脂コートキャリア、ガラスビーズキャ
リア、アルミビーズキャリアなどを用いることができ
る。
【0024】本発明のトナー組成物はフラッシュ定着用
電子写真トナー組成物として有用である。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
実施例中の部数はすべて重量基準である。
【0026】ポリエステル系結着樹脂−1の調製(参考
例1) ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA付加物)48.
5重量部、テレフタル酸(TPA)8.3重量部、イソ
フタル酸(IPA)8.3重量部を、0.33重量部
(全単量体重量の0.5重量%)のジブチル錫オキシド
と共に、ステンレス製撹拌翼、コンデンサー付き留出
口、窒素導入口、を備え付けた試験管に仕込み、オイル
バス中で窒素気流下にてエステル化およびエステル交換
反応を行った。反応条件は、220℃にて2時間、25
0℃にて2時間加熱、さらに最終重合温度250℃にて
1mmHg以下の減圧下に1時間反応させて重合を完結
させた。以下、この結着樹脂を“ポリエステル系樹脂−
1”と記す。
【0027】ポリエステル系結着樹脂2〜5の調製 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA付加物)、エチ
レングリコール(EG)、トリメチロールプロパン(T
MP)、テレフタル酸(TPA)、テレフタル酸ジメチ
ル(TPA−Me)、イソフタル酸(IPA)、イソフ
タル酸ジメチル(IPA−Me)、無水トリメリット酸
(TMA)、トリメリット酸トリメチル(TMA−M
e)、フマル酸(FA)を表1に示す組成になるように
重合用試験管に仕込み、最終重合温度以外は参考例1と
同様の方法で重合を行い、“ポリエステル系結着樹脂−
2”〜“ポリエステル系結着樹脂−5”を得た。
【0028】実施例1 参考例1で調製したポリエステル系結着樹脂−1を83
重量部、カーボンブラック(MA−100:三菱化成社
製)10重量部、負帯電性帯電制御剤(ボントロンS−
34:オリエント化学社製)2重量部、ガムロジン(荒
川化学社製)5重量部をスーパーミキサーで混合後、1
30℃に設定した2軸押出機にて溶融混練し、冷却した
後、粉砕、分級工程を経て平均粒径8μmの負帯電性ト
ナーを得た。
【0029】このトナー4重量部に対して、フェライト
キャリア96重量部からなる現像剤を調製し、フラッシ
ュ定着方式のプリンター(T8400:東レエンジニア
リング社製)にて印字を行い、次の評価を行った。
【0030】画質試験:格子状の印字パタンの画像を5
0倍のルーペで覗き、ボイドの有無を判定した。
【0031】定着性試験:キセノンランプに印加される
フラッシュ電圧を下げてフラッシュエネルギーを標準値
から30%省エネルギーした状態と標準状態の2つの条
件で印字した角ベタの画像を用いてテープ剥離試験を行
い、テープ剥離前と剥離後の反射濃度を反射濃度計(R
D918:マクベス社製)で測定し、その保持率を求め
た。
【0032】臭気試験(1):ポータブル型ニオイセン
サー(XP−329:ニューコスモス電気社製)の吸気
口に直接発生ガスが入るようにプリンターのフラッシュ
定着部から細いゴム管を引き、ニオイセンサーが示す定
常値を読んだ。より大きな値は、臭気が高いことを示す
ものである。
【0033】臭気試験(2):プリンターに備え付けら
れた脱臭フィルターを除き、印字を行ってプリンターの
前に立って臭気を嗅いだ。○(特に不快感はない)、△
(少し臭気を感じる)、×(強い臭気を感じ、不快であ
る)の3段階で判定した。
【0034】実施例2〜7、比較例1〜6 ポリエステル系結着樹脂1〜5、スチレン系樹脂(スチ
レン−ブタジエン共重合体“ニポール”2007J:日
本ゼオン社製)、ガムロジン(荒川化学社製)、ウッド
ロジン(荒川化学社製)、トール油ロジン(荒川化学社
製)、水素添加ロジンエステル(“エステルガム”A:
荒川化学社製)、不均化ウッドロジン(“ドレシネー
ト”731:ハーキュレス社製)、シリコーンワニス
(KR220:信越化学社製)、脂肪酸アミド(“ビス
アマイド”:日東化学社製)、負帯電制御剤(“ボント
ロン”S−34:オリエント社製)、正帯電制御剤
(“ボントロン”N−01:オリエント社製)、着色剤
(MA−100:三菱化成社製、“モーガル”L:キャ
ボット社製)を表2に示す割合で混合し、実施例1と同
様の方法で平均粒径8μmのトナーを調製し、画像試
験、定着試験、臭気試験を行った。画像試験では、実施
例6において少しボイドが見られたが、実施例1〜5、
実施例7においてはボイドは全く見られなかった。定着
試験、臭気試験の結果を表3に示す。なお、評価用プリ
ンターは、実施例7のみ正帯電性トナー用プリンタであ
るGPX−1150H(東レ社製)を用いた。
【0035】
【表1】
【表2】
【表3】 以上のように、本発明のトナー組成物は、定着性が優
れ、定着時に臭気成分が実質的に発生しないので、フラ
ッシュ定着方式に最適であることが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明のトナー組成物は、定着性が優
れ、定着時に臭気成分が実質的に発生しないので、フラ
ッシュ定着方式に好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系樹脂を主成分とするトナー
    組成物において、ロジンを含有することを特徴とするフ
    ラッシュ定着用電子写真トナー組成物。
  2. 【請求項2】全組成物100重量部に対してロジンの含
    有量が0.1〜15重量部であることを特徴とする請求
    項1に記載のフラッシュ定着用電子写真トナー組成物。
  3. 【請求項3】ポリエステル系樹脂のジオール成分中の8
    0モル%以上が下式(1)で表されるビスフェノールA
    アルキレンオキサイド付加物であることを特徴とする請
    求項1に記載のフラッシュ定着用電子写真トナー組成
    物。 【化1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yはそ
    れぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜
    7である。)
  4. 【請求項4】ポリエステル系樹脂の酸成分中の80モル
    %以上がテレフタル酸、イソフタル酸、炭素数1〜4の
    アルコールとこれら酸のアルキルエステルから選ばれた
    1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載のフラッシュ定着用電子写真トナー組成物。
JP6065029A 1994-04-01 1994-04-01 フラッシュ定着用電子写真トナー組成物 Pending JPH07271083A (ja)

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