JPH07270404A - 採便スティックおよびその組立体 - Google Patents

採便スティックおよびその組立体

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JPH07270404A
JPH07270404A JP6062936A JP6293694A JPH07270404A JP H07270404 A JPH07270404 A JP H07270404A JP 6062936 A JP6062936 A JP 6062936A JP 6293694 A JP6293694 A JP 6293694A JP H07270404 A JPH07270404 A JP H07270404A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 採便スティックにより採便するだけで、簡単
に便内の潜血検出を行うことができる採便スティックお
よびその組立体を提供すること。 【構成】 便中に進入するスティック本体11と、ステ
ィック本体11の先端部内に組込まれた検出体12とを
有している。検出体12は、スティック本体11の側方
に開口する透明ケース12aを有している。透明ケース
12a内には、開口側から順に便を導入する上流側吸収
パッド15と、抗体感作粒子16と、抗体固定部18が
固着された検出板17と、下流側吸収パッド19とが配
設されている。陽性時、便とともに通過する抗体感作粒
子16は、抗体固定部18にトラップされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原抗体反応を利用し
た免疫法により便内潜血の検出を行なうことができる採
便ステックおよびその組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】集団検診および次期OTC(大衆薬)化
等の大腸癌検診において、検査技師はもちろん一般人
(受診者)に対しても、誰でも判りやすく間違いなく操
作できる便内潜血検出装置が検討されている。この場
合、便内潜血検出装置は不快感および不衛生成を伴うも
のであってはならない。
【0003】糞便排泄物中の潜血検出は、初期自覚病状
の乏しい大腸癌のスクリーニング方法として非常に貴重
な手段であり、消化器系等の多くの病態の診断における
早期発見、治療のために様々な医療機関で実施されてい
る。
【0004】検出方法は大きく2つに大別することがで
きる。これらはヘモグロビンの持つ鉄イオンを検出する
化学法と、抗体を用いる免疫法(SPIA法等)とから
なる。食事や薬の制限をしなくても良いこと、および特
異性及び感度の良さなどから、現在では免疫法が潜血検
出方法の主流になりつつある。この免疫法は、抗体に感
作する標識物として金コロイドなどの金属ゾルまたは、
セレン等の非金属コロイド(SPIA法等)、および染
料ゾル、着色ラテックス、アルカリホスファターゼ、西
洋ワサビペルオキシダーゼ他の酵素を用いる潜血検出方
法である。
【0005】糞便排泄物中の潜血の検出は、従来、主に
医療機関の関係者が行うものであり、採便工程、懸濁工
程、ろ過工程、検出判定工程の各々の工程を経て行なわ
れる。そして各工程は各々独自の装置(採便スティッ
ク、懸濁装置等)を用いて実施されている。しかしなが
ら、現在では自分の健康は自分で管理する風潮が強く、
また年々増加する大腸癌の早期発見にもつながることか
ら、診断薬のOTC(大衆薬)化が望まれている。さら
に老人保健事業として、大腸癌検診が制度化されれば、
便内潜血検出装置の需要は集団検診等において今後益々
増加し、次期OTC化も具体化するものと考えられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように便内潜血
の検出は医療機関関係者が行うものであるが、医療機関
のみでは検診の機会が少なく、医療機関まで出向く必要
がある等の問題がある。
【0007】またOTC化するにあたり、従来の便内潜
血検査は採便工程、懸濁工程、ろ過工程、検出判定(呈
色判定)工程等、種々の工程を経て行なわれ、各々独自
の装置を用いているため、多くの操作が必要である。こ
のため操作が煩雑で煩わしく、操作ミスまたは不衛生感
等の問題が生じることがある。このように従来の検出装
置は使用時の操作が複雑で、家庭で簡便に使用すること
はできない。
【0008】本件出願人は、上記のような点を考慮して
使用時の操作が簡単で衛生上優れた便内潜血検出装置を
開発した。この便内潜血検出装置の使用にあたっては、
予め採便スティックで採便しておき、その後この採便ス
ティックを便内潜血検出装置内に収納して検出装置内で
便懸濁液を作成する。
【0009】次に便懸濁液が検出装置内の検査部に達し
て、便内潜血が検出される。
【0010】このような便内潜血検出装置では、上述の
ように採便スティックで採便した後、採便スティックを
検出装置内に収納して便懸濁液を作成する必要がある。
このような場合、採便スティックで採便するだけで便内
潜血を検出することができれば都合が良い。
【0011】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、採便するだけで便内潜血を確実に検出する
ことができる採便スティックおよびその組立体を検出す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
便中に進入するスティック本体と、このスティック本体
に組み込まれ、便内の潜血を検出する検出体とを備え、
前記検出体は便を導入する上流側吸収部と、上流側吸収
部の下流側に便流路に直交して配置されるとともに便を
浸透させる検出板と、前記検出板より上流側に配置され
た抗体感作粒子と、前記検出板の下流側面に固着され、
便とともに通過する抗体感作粒子を陽性時にトラップし
て呈色を示す抗体固定部とを有し、前記抗体固定部の呈
色は外部から確認可能であることを特徴とする採便ステ
ィックである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の採
便スティックと、この採便スティックに挿着されたカバ
ーとからなり、前記カバーには、採便スティックの上流
側吸収部に対応して配置され上流側吸収部近傍に採取さ
れた便に水分を補充する水分補充部が設けられているこ
とを特徴とする採便スティック組立体である。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明によれば、スティック本体
を便内に進入させ、採取された便を上流側吸収部から導
入する。上流側吸収部から導入された便は、その後抗体
感作粒子とともに検出板内を浸透し、抗体固定部に達す
る。抗体固定部は、陽性時に抗体感作粒子をトラップし
て呈色を示し、抗体固定部の呈色は外部から確認でき
る。
【0015】請求項3記載の発明によれば、採便スティ
ックにより便を採取した後、採便スティックの先端部に
カバーを挿着する。この場合、上流側吸収部近傍に採取
された便に、水分補充部から水分が補充され、検出体内
における便の浸透がスムースに行われる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1乃至図3は本発明による採便スティッ
クの一実施例を示す図である。
【0017】図1(a)に示すように、採便スティック
10は便28中に進入するプラスチックまたは便を浸透
させる硬質紙等からなるスティック本体11と、このス
ティック本体11の先端部内に組込まれた検出体12と
を備えている。
【0018】このうち検出体12は、スティック本体1
1の開口に嵌込まれたプラスチック製透明ケース12a
を有している。この透明ケース12aは一側(図1の下
方側)が開口し、この透明ケース12aの開口21はス
ティック本体11の側方を向いている。また透明ケース
12aの他側に内方へ突出する突出部14が設けられ、
この突出部14の外周に環状のパッド室13が形成され
ている。
【0019】透明ケース12a内には、開口21側から
順に(上流側から下流側に向かって)上流側吸収パッド
15と、透明ケース12aの軸線Lと直交して配置され
た検出板17と、下流側吸収パッド19とが配設され、
このうち下流側吸収パッド19は環状パッド室13内に
配置されている。
【0020】また、検出板17の上流側の面に、多数の
抗体感作粒子16が設けられている。粒子としては、
金、銀等の金属粒子あるいはセレン等の非金属粒子、着
色ラテック等が用いられ、粒径1nm〜100nmが好まし
い。抗体感作粒子16は、上流側吸収パッド15中に設
けてもよい。さらに検出板17の下流側の面であって透
明ケース12aの突出部14に対応する位置に、抗体固
定部18が固着されている。
【0021】検出板17は、上述のように透明ケース1
2a内に透明ケース12aの軸線Lと直交して配置され
ており、便を浸透させるとともに、便とともに通過する
抗体感作粒子16を陽性時に抗体固定部18でトラップ
するようになっている。なお、この検出板17は、ニト
ロセルロース、ガラス繊維フィルタ、クロマトグラフィ
紙、PVDF(商品名)、ナイロン系またはポリエステ
ル系の不織布等により構成されている。また抗体固定部
18は、検出板17に固着されたヘモグロビン抗体から
なっている。さらに、余分な便および抗体感作粒子は、
検出板17を通過して下流側吸収パッド19に吸収され
るようになっている。
【0022】下流側吸収パッド19に吸収された便は、
その後、下流側吸収パッド19の下流側の濡れチェッカ
ー部20に達する。濡れチェッカー部20は水分を吸収
することにより白色から蛍光黄色に変化するものであ
り、この濡れチェッカー部20の変色により検査の終了
を外方から確認することができる。
【0023】次に濡れチェッカー部20の印刷用濡れイ
ンキの特性について説明する。まず表1に示す組成のイ
ンキを調製し、よく攪拌したのち例えば100メッシュ
のスクリーン版でスクリーン印刷法により板出板17と
同様な基材に所定の大きさに印刷し、あるいは含浸す
る。また下流側吸収パッド19の下流側に直接含浸させ
てもよい。印刷あるいは含浸後これを60℃で10分間
乾燥させて印刷した場合、乾燥後の膜厚は50μであっ
た。このものに水をかけたところ直ちに白色から蛍光黄
色に変化した。
【0024】
【表1】 なお、採便スティック10のスティック本体11は直線
状に形成してもよく、図3に示すように基端部22を透
明ケース12aの開口21と反対側に折曲げてもよい。
この場合、透明ケース12aの開口21には上流側吸収
パッド15が配置されているので、基端部22は上流側
吸収パッド15と反対側に折曲がることになる。
【0025】また、採便スティック10には、図1
(b)に示すように採便後にカバー25が挿着される。
このカバー25の内面には、水分を含有した不織布等か
らなる水分補充部26が設けられている。この水分補充
部26は、カバー25を採便スティック10に挿着した
場合、透明ケース12aの開口21内に入り、開口21
内に採便された便に水分を補充するものである。またカ
バー25の水分補充部26と反対側の部分は透明体21
aにより形成され、外方から透明ケース12a内部を目
視できるようになっている。
【0026】なお、このカバー25を図4に示すように
ベース27に固定し、カバー25を上方に開口させて立
っておくこともできる。
【0027】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず、スティック本体11が直線
状に形成されている場合、スティック本体11の基端側
を把持してスティック本体先端側を便28中に突き刺
す。その後、スティック本体11が便28から引き抜か
れ、スキージ(図示せず)によりスティック本体11が
拭き取られる。このようにして、採便スティック10の
側方に形成された開口21内に一定量の便が採取され
る。
【0028】なお、スティック本体11が折曲がる基端
部22を有する場合(図3の場合)、基端部22を把持
してスティック本体11を側方から便28の表面に押し
付けてもよい。その後、スティック本体11を便28か
ら引離し、スキージによりスティック本体11を拭き取
ることにより、スティック本体11の開口21内に一定
量の便を採取することができる。便内の潜血は便28の
表面に発生することが多いので、スティック本体11を
側方から便28の表面に押し付けた場合、より確実に便
内潜血を検出することができる。
【0029】次に、採便後、採便スティック10にカバ
ー25が挿着される。カバー25を採便スティック10
に挿着した場合、水分補充部26が開口21内に入り、
開口21内に採便された便に対して水分を補充する。
【0030】カバー25がベース27に固着されている
場合は、採便スティック10をカバー25内に挿着し、
ベース27によってカバー25ごと採便スティック10
を静置しておく。
【0031】なお採便後、採便スティック10にカバー
25を挿着することなく、別途設けられた水分を含有す
る不織布にスティック本体11の開口21を押し付けて
もよい。また、スティック本体11に採取された便が軟
便の場合は、必ずしも開口21内の便に水分を補充しな
くてもよい。
【0032】図1(a)に示すように、スティック本体
11の開口21内に採取された便は、上流側吸収パッド
15を通過した後、抗体感作粒子16とともに検出板1
7内を下流側吸収パッド19側に向って浸透していく。
【0033】そして便が陽性の場合、便中の抗体感作粒
子16が抗体固定部18にトラップされる。このように
抗体固定部18にトラックされた抗体感作粒子16は、
抗体固定部18で呈色を示し、この結果は透明ケース1
2aの突出部14およびカバー25の透明体25aを介
して外部から確認することができる。
【0034】この間、余分な便および抗体感作粒子は、
下流側吸収パッド19に吸収されるので、便および抗体
感作粒子16を検出板17内でスムーズに浸透させるこ
とができる。さらに下流側吸収パッド19を浸透した便
が濡れチェッカー部20に達すると、濡れチェッカー部
20が変色する。この濡れチェッカー部20の変色は、
透明ケース12aおよびカバー25の透明体25aを介
して外部から確認することができ、この濡れチェッカー
部20の変色により検査終了を判定する。
【0035】以上説明したように、本実施例によれば、
採便スティックにより採便するだけで容易かつ簡単に便
内に潜血検出を行なうことができる。このため、操作ミ
スをなくすことができるとともに、衛生上問題なく潜血
検出を行なうことができる。また、水分補充部26から
便中に水分を補充することにより、検出体12内におい
て便をスムースに浸透させることができる。
【0036】なお、上記実施例において、検出体12が
透明ケース12aを有し、この透明ケース12a内に吸
収パッド15,19および検出板17等を収納した例を
示したが、採便スティックのスティック本体11全体を
透明プラスチックにより形成する場合は、このスティッ
ク本体11に透明ケース12aの内面と同一形状の開口
21を設けることにより透明ケース12aを除くことも
できる。
【0037】また、カバー25を全体として透明プラス
チックにより形成した場合は、カバー25に透明体25
aを必ずしも設ける必要はない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、採便スティックにより採便するだけで、容
易かつ簡単に便内の潜血検出を行うことができる。この
ため、操作ミスをなくすことができるとともに、衛生上
問題なく潜血検出を行うことができる。
【0039】請求項3記載の発明によれば、上流側吸収
部近傍に採取された便に水分補充部から水分が補充され
るので、検出体内における便の浸透をスムースに行うこ
とができる。このため、迅速かつ確実に便内の潜血検出
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による採便スティックおよびその組立体
の一実施例を示す側断面図。
【図2】図1に示す採便スティックの平面図。
【図3】図1に示す採便スティックの側面図。
【図4】カバーをベースに固着した状態を示す図。
【符号の説明】
10 採便スティック 11 スティック本体 12 検出体 15 上流側吸収パッド 16 抗体感作粒子 17 検出板 18 抗体固定部 19 下流側吸収パッド 20 濡れチェッカー 25 カバー 26 水分補充部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便中に進入するスティック本体と、 このスティック本体に組み込まれ、便内の潜血を検出す
    る検出体とを備え、 前記検出体は便を導入する上流側吸収部と、上流側吸収
    部の下流側に便流路に直交して配置されるとともに便を
    浸透させる検出板と、前記検出板より上流側に配置され
    た抗体感作粒子と、前記検出板の下流側面に固着され、
    便とともに通過する抗体感作粒子と、前記検出板の下流
    側面に固着され、便とともに通過する抗体感作粒子を陽
    性時にトラップして呈色を示す抗体固定部とを有し、前
    記抗体固定部の呈色は外部から確認可能であることを特
    徴とする採便スティック。
  2. 【請求項2】検出体の上流側吸収部は、スティック本体
    の側方に設けられ、 スティック本体は、その基端側が上流側吸収部と反対側
    に折曲っていることを特徴とする請求項1記載の採便ス
    ティック。
  3. 【請求項3】請求項1記載の採便スティックと、 この採便スティックに挿着されたカバーとからなり、 前記カバーには、採便スティックの上流側吸収部に対応
    して配置され、上流側吸収部近傍に採取された便に水分
    を補充する水分補充部が設けられていることを特徴とす
    る採便スティック組立体。
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