JP6021731B2 - メンブレンハウジング及びメンブレンハウジングの使用方法 - Google Patents

メンブレンハウジング及びメンブレンハウジングの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光イムノクロマト法により試料中に含まれるアナライトを高感度に検出する際に用いられるメンブレンハウジング及びメンブレンハウジングの使用方法に関する。
血液、尿、唾液などの生体試料や食品の抽出試料などの試料中に含まれるアナライトを検出または定量する方法として、イムノクロマト法が知られている。
イムノクロマト法では、例えば、図11に示すように、メンブレン102上に試料添加部104、反応部106、検出部108、コントロール部110、吸収パッド112が設けられたテストストリップ100が用いられる。
このようなテストストリップ100の試料添加部104に、アナライトを含む検体液(試料)を添加すると、メンブレン102における毛細管現象により、添加された検体液が、メンブレン102上を試料添加部104から吸収パッド112に向かって移動(展開)する。
ここで、反応部106には、アナライトと特異的に結合する標識化リガンド(標識物質で標識化されたリガンド)が含まれている。このため、アナライトは、抗原抗体反応等の特異的な結合反応を介して、標識化リガンドと結合し、アナライト及び標識化リガンドを含む複合体が形成される。
次いで、標識化リガンドと複合体とを含む検体液は、検出部108に移動する。検出部108では、複合体中のアナライトと特異的に結合するリガンド(アナライト捕捉リガンド)が、メンブレン102に固定されている。このため、この複合体が検出部108に移動すると、複合体中のアナライトとアナライト捕捉リガンドとの結合反応を介して、複合体は検出部108にて捕捉される。
次いで、検体液は、コントロール部110に移動する。コントロール部110には、標識化リガンドと特異的に結合するリガンド(標識物質捕捉リガンド)が、メンブレン102に固定されている。このため、標識化リガンドを含む検体液がコントロール部に移動すると、標識化リガンドと標識物質捕捉リガンドとの結合反応を介して、標識化リガンドはコントロール部110にて捕捉される。
そして、検体液が吸収パッド112に到達すると、検体液は吸収パッド112に吸収・保持され、検体液の展開が完了する。
このように検体液が展開されたテストストリップ100では、検出部108において捕捉された複合体中の標識物質による着色または蛍光などのシグナルの有無や強弱を測定して、検体液中のアナライトを定性的ないし定量的に分析することができる。
このようなイムノクロマト法の中でも、高感度化を目的として、標識化リガンドとして蛍光体を用いて、蛍光シグナルの有無や強弱を測定するものは、「蛍光イムノクロマト法」と呼ばれている。
標識化リガンドとして、金コロイドや着色ラテックス等の着色粒子などを用いたイムノクロマト法では、検出部108やコントロール部110の発色を目視で確認することで判定を行っていた。一方で、蛍光イムノクロマト法では、検出部108やコントロール部110に励起光を照射し、発光する蛍光のシグナルの有無や強弱を測定することによって、目視による判定に比べて高感度、高精度な判定を行うことができる。
なお、このようなイムノクロマト法で用いられるテストストリップ100は、環境の影響を低減するため、また、取り扱い性を向上させるため、図12に示すようなハウジング202に収納されている。
図12は、蛍光イムノクロマト法で用いられるメンブレンハウジングの一例を説明するための平面図、図13は、図12のメンブレンハウジングのX−X断面図である。
図12,13に示すように、メンブレンハウジング200は、前述したテストストリップ100が、例えば、樹脂製のハウジング202に収納されている。
ハウジング202には、テストストリップ100の試料添加部104に検体液を添加するための注入口204と、検出部108やコントロール部110に励起光を照射し、発光する蛍光のシグナルを検出するための測定用開口部206と、吸収パッド112に吸収された検体液の蒸発を促進するための蒸発窓208とを備えている。
国際公開第2009/136477号
しかしながら、このようなメンブレンハウジングでは、測定用開口部からも検体液が蒸発してしまうため、検体液が展開しながら蒸発して、検体液がメンブレン102に固定されたリガンドを含む検出部108やコントロール部110を通過することを阻害し、反応効率が低下してしまうという問題や、検体液がコントロール部110を通過して検体液の展開が完了した後に、検出部108よりも下流に展開された検体液が再び検出部108に逆流してしまうという問題がある。
検体液が逆流した場合、複合体を形成していない蛍光体が検出部へ移動してしまい、検出部における蛍光検出の際にノイズとして検出されてしまうことになる。このため、S/Nが低下して正確な測定ができない。
検体液が展開しながら蒸発・乾燥するという問題を解決するために、例えば、特許文献1では、検体液が展開される展開流路を、透明な液体不透過性シートで覆うことが提案されている。しかしながら、微弱な蛍光を、このようなシートを介して検出することは難しく、開口部を透明なシートで覆うこともできなかった。
本発明は、このような現状に鑑み、検体液が展開しながら蒸発・乾燥することを防止し、複合体を形成していない蛍光体が検出部に逆流して、検出部における蛍光検出の際にノイズとして検出されることがなく、高精度でアナライトの検出を行うことができるメンブレンハウジング及びメンブレンハウジングの使用方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明のメンブレンハウジングは、検体液中のアナライトを検出するためのメンブレンハウジングであって、
前記検体液を展開するためのメンブレンを含むテストストリップと、
前記テストストリップを収納するハウジングと、を有し、
前記ハウジングには、前記テストストリップに励起光を照射するための測定用開口部と、
前記測定用開口部を開閉可能に、該測定用開口部を覆うように設けられた乾燥防止部材と、
を備えていることを特徴とする。
なお、前記乾燥防止部材は、遮光性を有していることが好ましい。
また、前記乾燥防止部材が、乾燥防止シートであり、該乾燥防止シートを前記ハウジングに脱着可能に接着することもできる。
この場合、前記乾燥防止シートの強接着部と、前記ハウジングとが接着されていてもよい。
また、前記乾燥防止部材が、乾燥防止シャッターであり、該乾燥防止シャッターが開閉可能に設けられていてもよい。
また、前記テストストリップが、
前記アナライトと特異的に結合するアナライト捕捉リガンドが固定された検出部と、
前記検体液の展開が完了したことを確認するためのコントロール部と、
を有することが好ましい。
また、前記テストストリップが、
前記アナライトと特異的に結合する標識化リガンドを含む反応部を有し、
前記標識化リガンドが、蛍光物質によって標識化されていてもよい。
この場合、前記コントロール部には、前記標識化リガンドと特異的に結合する標識物質補足リガンドを固定することができる。
また、前記反応部が、着色粒子を含んでいてもよい。
この場合、前記コントロール部には、前記着色粒子と特異的に結合する着色粒子補足リガンドが固定することができる。
更にこの場合、前記乾燥防止部材の少なくとも一部を、前記コントロール部を視認可能なように透明にすることもできる。
また、前記テストストリップが、前記検出部及び前記コントロール部を通過した検体液を吸収する吸収パッドを有することが好ましい。
この場合、前記ハウジングに開閉部を設けることもできる。
また、本発明のメンブレンハウジングの使用方法は、上述するいずれかのメンブレンハウジングの使用方法であって、
前記測定用開口部を覆う前記乾燥防止部材を除去する工程と、
前記測定用開口部を介して、前記テストストリップに励起光を照射する工程と、
前記励起光により発光した蛍光を測定する工程と、
蛍光測定後に、前記開口部を前記乾燥防止部材によって覆う工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のメンブレンハウジングの使用方法は、前記テストストリップに前記検体液を添加して、所定の展開待ち時間経過後、前記テストストリップから前記吸収パッドを除去する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、検体液が展開しながら蒸発・乾燥することを防止し、複合体を形成していない蛍光体が検出部に逆流して、検出部における蛍光検出の際にノイズとして検出されることがなく、高精度でアナライトの検出を行うことができる。
図1は、本実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図である。 図2(a)は、図1のメンブレンハウジングのA−A断面図、図2(b)は、図1のメンブレンハウジングの底面図である。 図3は、蛍光測定装置の構成を説明するための概略構成図である。 図4は、別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための側面図である。 図5は、図4のメンブレンハウジングを蛍光測定装置に挿入する際の動作を説明するための模式図である。 図6は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための断面図である。 図7は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図である。 図8は、図7のメンブレンハウジングのB−B断面図である。 図9は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図である。 図10(a)は、図9のメンブレンハウジングのC−C断面図、図10(b)は、開閉部が開いた状態のメンブレンハウジングの断面図である。 図11は、イムノクロマト法で用いられるテストストリップの一態様を示す概略構成図である。 図12は、蛍光イムノクロマト法で用いられるメンブレンハウジングの一例を説明するための平面図である。 図13は、図12のメンブレンハウジングのX−X断面図である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は、本実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図、図2(a)は、図1のメンブレンハウジングのA−A断面図、図2(b)は、図1のメンブレンハウジングの底面図である。
図1,2に示すように、メンブレンハウジング10は、テストストリップ12とハウジング30とを有している。
テストストリップ12は、メンブレン14上に試料添加部であるサンプルパッド16、反応部であるコンジュゲートパッド18、検出部20、コントロール部22、吸収パッド24が設けられている。
メンブレン14は、一般的なテストストリップに使用されるメンブレンと同様に、例えば、毛管現象を示し、検体液を添加すると同時に、検体液が展開するような微細多孔性物質からなる不活性物質(アナライト、各種リガンド、各種蛍光体などと反応しない物質)で形成されているものである。
具体的には、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロースまたは酢酸セルロース等のセルロース誘導体等で構成される繊維状または不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿などが挙げられる。好ましくはセルロース誘導体やナイロンで構成される膜、濾紙、ガラス繊維濾紙などが用いられ、より好ましくは、ニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙が用いられる。
メンブレンの形態及び大きさは特に制限されるものではなく、実際の操作の点及び後述する蛍光強度の測定の際において適切であればよい。操作をより簡便にするためには、メンブレンが、プラスチック製等の支持体で支持されていることが好ましい。
また、サンプルパッド16は、テストストリップ12に、アナライトを含む検体液を受け入れるための部位であり、例えば、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、および綿布などの材料で構成することができる。
なお、サンプルパッド16は、検体液中の凝集物等を濾過する機能を有していてもよい。また、検体液中のアナライトが、サンプルパッド16の材質に非特異的に吸着して、分析の精度を低下させることを防止するという観点からは、サンプルパッド16を構成する材料は、予め非特異的吸着防止処理されていることが好ましい。
また、コンジュゲートパッド18は、メンブレン14とサンプルパッド16とによって挟持されるように配置されている。
コンジュゲートパッド18には、アナライトと特異的に結合する標識化リガンドが含まれており、この標識化リガンドは、蛍光体によって標識化されている。
このようなコンジュゲートパッド18に検体液が到達すると、検体液中のアナライトと標識化リガンドが特異的に結合し、アナライト及び標識化リガンドを含む複合体が形成される。
コンジュゲートパッド18を通過した検体液には、このような複合体の他に、アナライトと結合しなかった標識化リガンド(蛍光体)が含まれていることになる。
なお、コンジュゲートパッド18としては、蛍光体によって標識化されたリガンドを含む限り、特に限定されるものではないが、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布などによって形成することができる。
また、本実施例において検出部20は、メンブレン14に直接、アナライトと特異的に結合するアナライト捕捉リガンドが固定されて構成される。
検出部20は、検出したいアナライトの種類に応じて、1つないし複数設けることができる。
なお、本実施例においては、アナライト捕捉リガンドをメンブレン14に直接固定しているが、これに限らず、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布からなる検出パッドにアナライト捕捉リガンドを固定して、この検出パッドをメンブレン14上に固定するようにしてもよい。
なお、本明細書において「リガンドが固定された」とは、テストストリップ12に検体液を展開した場合においても、リガンドが、検出部から移動することのないように、メンブレン14に、直接的にまたは間接的に、物理的または化学的な結合や吸着等によって不動化している状態を意味する。
このような検出部20に複合体を含む検体液が到達すると、複合体中のアナライトとアナライト捕捉リガンドが特異的に結合し、複合体が検出部20に捕捉されることになる。
また、コントロール部22は、メンブレン14において、検出部20の下流側に設けられている。本実施例において、コントロール部22は、メンブレン14に直接、標識化リガンドと特異的に結合する標識物質捕捉リガンドが固定されて構成される。
なお、本実施例においては、標識化リガンドをメンブレン14に直接固定しているが、これに限らず、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布からなるコントロールパッドに標識物質捕捉リガンドを固定して、このコントロールパッドをメンブレン14上に固定するようにしてもよい。
このようなコントロール部22に検体液が到達すると、検体液中の標識化リガンド(蛍光体)と標識物質捕捉リガンドが特異的に結合し、標識化リガンド(蛍光体)がコントロール部に捕捉されることになる。
また、吸収パッド24は、メンブレン14において、コントロール部22の下流側に設けられている。本実施例において、吸収パッド24は、例えば、セルロース濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等の吸収性材料によって形成されている。
テストストリップ12に添加された検体液の展開前線(フロントライン)が吸収パッド24に到達してからの検体液の移動速度は、吸収パッド24の材質、大きさなどにより異なるため、アナライトの検出・定量に合った速度に応じて適宜選定することができる。
このように構成されたテストストリップ12は、図2に示すように、ハウジング30に収納されている。
ハウジング30は、上部ハウジング32と下部ハウジング34とから構成され、下部ハウジング34の収納部36にテストストリップ12を収納し、上部ハウジング32で蓋をすることによって、本実施例のメンブレンハウジング10が構成されている。
上部ハウジング32には、検体液をテストストリップ12のサンプルパッド16に添加するための注入口38と、テストストリップ12の検出部20及びコントロール部22に励起光を照射し、発光する蛍光のシグナルを検出するための測定用開口部40と、テストストリップ12の吸収パッド24に吸収された検体液の蒸発を促進するための蒸発窓42とを有している。
なお、上部ハウジング32及び下部ハウジング34の材料としては、特に限定されるものではないが、液体や気体を透過せず、また、遮光性を有する材料で構成することが好ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂にチタンブラック等の遮光性顔料を混合したものなどを用いることができる。
また、本実施例のメンブレンハウジング10では、上部ハウジング32の測定用開口部40を開閉可能に、測定用開口部40を覆うように、乾燥防止部材として乾燥防止シート44が、例えば、接着剤や粘着剤などによって接着されている。
乾燥防止シート44としては、測定用開口部40からの検体液の蒸発を防止するものであれば、特に限定されるものではなく、アルミ箔などの金属材料からなるシート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂材料からなるシート、アルミ蒸着シートなどの金属蒸着樹脂シートなどを用いることができる。
このように乾燥防止シート44によって測定用開口部40を覆うように設けることによって、測定用開口部40から検体液が蒸発することを防止し、検体液の展開が完了した後に、検体液が吸収パッド24から検出部20へ逆流することを防止できる。
また、乾燥防止シート44は、遮光性を有していることが好ましい。このように、遮光性の乾燥防止シート44を用いることによって、測定用開口部40から自然光や室内光がメンブレンハウジング10内に入り込むことがなく、蛍光体の退色を防止することができる。
また、本実施例では、下部ハウジング34に、メンブレンハウジング10の個体識別を行うための個体識別手段46が設けられている。個体識別手段46としては、特に限定されるものではなく、個体識別番号やバーコードを刻印したり貼着してもよく、また、ICタグなどを貼着してもよい。
このように、個体識別手段46を設けることによって、例えば、蛍光未測定のメンブレンハウジングと蛍光測定済みのメンブレンハウジングとの判別を容易に行うことができ、未使用のメンブレンハウジングを後述する蛍光測定装置50に挿入しても測定されないようにするなど、誤測定を防止することができる。
このように構成されたメンブレンハウジング10を用いた蛍光イムノクロマト法によるアナライト検出は以下のように行うことができる。
まず、アナライトが含まれた検体液をメンブレンハウジング10の注入口38を介して、テストストリップ12のサンプルパッド16に添加する。
そして、所定の展開待ち時間経過後、乾燥防止シート44を除去して、図3に示すような蛍光測定装置50に挿入する。
蛍光測定装置50は、図3に示すように、メンブレンハウジング10を挿入し位置決めするためのハウジング挿入部52と、メンブレンハウジング10の測定用開口部40に励起光を照射するための励起光照射手段54と、励起光が照射され励起した標識化リガンド(蛍光体)が発光する蛍光を測定するための蛍光検出手段56と、ハウジング挿入部52に挿入されたメンブレンハウジング10の個体識別手段46を読み取るための個体情報読取手段58とを備えている。なお、符号60は、励起光照射手段54から照射された励起光をメンブレンハウジング10の測定用開口部40に照射するために用いたハーフミラーである。
このように構成された蛍光測定装置50にメンブレンハウジング10が挿入されると、まず、個体情報読取手段58によって、メンブレンハウジング10の個体識別手段46が読み取られメンブレンハウジング10の個体識別が行われる。
そして、メンブレンハウジング10が蛍光測定済みであると判定された場合には、蛍光測定は行われず、ユーザーに蛍光測定済みのメンブレンハウジングであることを報知する。
一方で、メンブレンハウジング10が蛍光未測定であると判定された場合には、励起光照射手段54からテストストリップ12の検出部20及びコントロール部22に励起光を照射する。
そして、蛍光検出手段56によって、検出部20及びコントロール部22における蛍光を検出する。
ここで、コントロール部22において蛍光が検出されない場合には、検体液の展開が未完了であるとして、再測定が必要である判断できる。
コントロール部22において蛍光が検出された場合には、次いで、検出部20において蛍光の有無及び蛍光強度の測定が行われる。これによって、高い検出精度で、アナライトを検出及び定量することができる。
なお、このようにして検出された検出部20における蛍光強度などは、メンブレンハウジング10の個体情報に関連付けて、蛍光測定装置50の記憶部(図示せず)に記憶するように構成することもできる。
そして、蛍光測定が完了したメンブレンハウジング10は、蛍光測定装置50から回収され、蛍光イムノクロマト法によるアナライト検出は完了する。
なお、蛍光測定装置50から回収されたメンブレンハウジング10の測定用開口部40には、除去された乾燥防止シート44を再度接着するようにしてもよい。
このように、乾燥防止シート44を再度接着することで、検出部20及びコントロール部22の乾燥を防止するとともに、標識化リガンド(蛍光体)の退色を防止することができる。
このため、例えば、検体液の展開が完了しておらず、コントロール部22において蛍光が検出されない場合など、所定時間をおいて再測定を行った場合にも、精度良く蛍光を測定することができる。
図4は、別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための側面図、図5は、図4のメンブレンハウジングを蛍光測定装置に挿入する際の動作を説明するための模式図である。
この実施例のメンブレンハウジング10は、図1,2に示したメンブレンハウジング10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施例では、メンブレンハウジング10の測定用開口部40を覆うように設けられた乾燥防止シート44の強接着部44aが、上部ハウジング32と強固に接着されており、容易に剥離しないように構成されている。
このようなメンブレンハウジング10を蛍光測定装置50に挿入する際に、図5(a)に示すように、乾燥防止シート44の端部を蛍光測定装置50の外装50aに接着した状態でハウジング挿入部52にメンブレンハウジング10を挿入する。
これにより、図5(b)に示すように、乾燥防止シート44は、強接着部44aを除いて剥離され、蛍光測定装置50によって蛍光測定が実施される。
蛍光測定が終了し、メンブレンハウジング10がハウジング挿入部52から回収される際には、図5(c)に示すように、乾燥防止シート44が測定用開口部40を覆うように被さり、再度接着されることになる。
図6は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための断面図である。
この実施例のメンブレンハウジング10は、図1,2に示したメンブレンハウジング10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施例では、乾燥防止部材として、乾燥防止シャッター45が設けられている。
乾燥防止シャッター45は、開閉可能なものであれば特に限定されず、図6(a)に示すようにスライド式の乾燥防止シャッター45aや、図6(b)に示すように蛇腹式の乾燥防止シャッター45bであってもよい。
乾燥防止シャッター45としては、測定用開口部40からの検体液の蒸発を防止するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ハウジング30を構成する材料と同じ材料によって形成することができる。
また、乾燥防止シャッター45は、遮光性を有していることが好ましい。このように、遮光性の乾燥防止シャッター45を用いることによって、測定用開口部40から自然光や室内光がメンブレンハウジング10内に入り込むことがなく、蛍光体の退色を防止することができる。
このような乾燥防止シャッター45を有するメンブレンハウジング10を、蛍光測定装置50に挿入する場合には、乾燥防止シャッター45の当接部45cが、蛍光測定装置50の外装に引っかかることで、ハウジング挿入部52へメンブレンハウジング10を挿入すると同時に、乾燥防止シャッター45が開くことになる。
なお、乾燥防止シャッター45の当接部45cには、接着剤や粘着剤などを設けられていることが好ましい。このように構成することによって、メンブレンハウジング10をハウジング挿入部52に挿入する際に、蛍光測定装置50の外装に乾燥防止シャッター45の当接部45cが接着される。
このため、メンブレンハウジング10がハウジング挿入部52から回収される際には、乾燥防止シャッター45が測定用開口部40を覆うように閉まることになる。
図7は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図、図8は、図7のメンブレンハウジングのB−B断面図である。
この実施例のメンブレンハウジング10は、図1,2に示したメンブレンハウジング10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施例では、コンジュゲートパッド18には着色粒子が含有され、コントロール部22には、着色粒子と特異的に結合する着色粒子補足リガンドが固定されている。
このように構成することによって、テストストリップ12に添加された検体液の展開前線(フロントライン)がコントロール部22に到達して、検体液の展開が完了した際には、コントロール部22の発色を目視によって確認することができ、検体液の展開完了を容易に確認することができる。
このように構成する場合、図7に示すように、測定用開口部40が乾燥防止シート44で覆われた状態であっても、コントロール部22を視認可能とするため、乾燥防止シート44の少なくとも一部を透明にすることができる。
なお、着色粒子としては、従来既知の着色粒子を用いることができ、例えば、金コロイドや着色ラテックスなどを用いることができる。なお、アナライトが着色粒子に非特異的に吸着して、分析の精度を低下させることを防止するという観点からは、着色粒子は、予め非特異的吸着防止処理されていることが好ましい。
図9は、さらに別の実施例のメンブレンハウジングの構成を説明するための平面図、図10(a)は、図9のメンブレンハウジングのC−C断面図、図10(b)は、開閉部が開いた状態のメンブレンハウジングの断面図である。
この実施例のメンブレンハウジング10は、図1,2に示したメンブレンハウジング10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施例では、上部ハウジング32に開閉部32aが設けられており、開閉部32aを開くことによって、テストストリップ12の吸収パッド24を取り除くことができるように構成されている。
このように構成することによって、検体液をサンプルパッド16に添加して、所定の展開待ち時間経過後、テストストリップ12から吸収パッド24を取り除くことで、吸収パッド24に吸収された検体液を、テストストリップ12から除去することができ、検体液が検出部20に逆流することを防止することができる。
なお、本実施例では、上部ハウジング32の開閉部32aを開くことで、吸収パッド24を取り除けるように構成しているが、もちろん、下部ハウジング34から上部ハウジング32を取り外した状態で、吸収パッド24を取り除くようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、検体液中のアナライトと標識化リガンドとを事前に結合させて複合体を形成し、この複合体を含む検体液をメンブレンハウジングの注入口からテストストリップに添加することで、反応部を設けなくともよい。
また、コントロール部も必ずしも設ける必要はないなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 メンブレンハウジング
12 テストストリップ
14 メンブレン
16 サンプルパッド
18 コンジュゲートパッド
20 検出部
22 コントロール部
24 吸収パッド
30 ハウジング
32 上部ハウジング
32a 開閉部
34 下部ハウジング
36 収納部
38 注入口
40 測定用開口部
42 蒸発窓
44 乾燥防止シート
44a 強接着部
45 乾燥防止シャッター
45a 乾燥防止シャッター
45b 乾燥防止シャッター
45c 当接部
46 個体識別手段
50 蛍光測定装置
50a 外装
52 ハウジング挿入部
54 励起光照射手段
56 蛍光検出手段
58 個体情報読取手段
60 ハーフミラー
100 テストストリップ
102 メンブレン
104 試料添加部
106 反応部
108 検出部
110 コントロール部
112 吸収パッド
200 メンブレンハウジング
202 ハウジング
204 注入口
206 測定用開口部
208 蒸発窓

Claims (15)

  1. 検体液中のアナライトを検出するためのメンブレンハウジングであって、
    前記検体液を展開するためのメンブレンを含むテストストリップと、
    前記テストストリップを収納するハウジングと、を有し、
    前記ハウジングには、前記テストストリップに励起光を照射するための測定用開口部と、
    前記測定用開口部を開閉可能に、該測定用開口部を覆うように設けられた乾燥防止部材と、
    を備えていることを特徴とするメンブレンハウジング。
  2. 前記乾燥防止部材が、遮光性を有していることを特徴とする請求項1に記載のメンブレンハウジング。
  3. 前記乾燥防止部材が、乾燥防止シートであり、該乾燥防止シートが前記ハウジングに脱着可能に接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のメンブレンハウジング。
  4. 前記乾燥防止シートの強接着部と、前記ハウジングとが接着されていることを特徴とする請求項3に記載のメンブレンハウジング。
  5. 前記乾燥防止部材が、乾燥防止シャッターであり、該乾燥防止シャッターが開閉可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のメンブレンハウジング。
  6. 前記テストストリップが、
    前記アナライトと特異的に結合するアナライト捕捉リガンドが固定された検出部と、
    前記検体液の展開が完了したことを確認するためのコントロール部と、
    を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のメンブレンハウジング。
  7. 前記テストストリップが、
    前記アナライトと特異的に結合する標識化リガンドを含む反応部を有し、
    前記標識化リガンドが、蛍光物質によって標識化されていることを特徴とする請求項6に記載のメンブレンハウジング。
  8. 前記コントロール部には、前記標識化リガンドと特異的に結合する標識物質補足リガンドが固定されていることを特徴とする請求項7に記載のメンブレンハウジング。
  9. 前記反応部が、着色粒子を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のメンブレンハウジング。
  10. 前記コントロール部には、前記着色粒子と特異的に結合する着色粒子補足リガンドが固定されていることを特徴とする請求項9に記載のメンブレンハウジング。
  11. 前記乾燥防止部材の少なくとも一部が、前記コントロール部を視認可能なように透明になっていることを特徴とする請求項10に記載のメンブレンハウジング。
  12. 前記テストストリップが、前記検出部及び前記コントロール部を通過した検体液を吸収する吸収パッドを有することを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載のメンブレンハウジング。
  13. 前記ハウジングに開閉部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のメンブレンハウジング。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載のメンブレンハウジングの使用方法であって、
    前記測定用開口部を覆う前記乾燥防止部材を除去する工程と、
    前記測定用開口部を介して、前記テストストリップに励起光を照射する工程と、
    前記励起光により発光した蛍光を測定する工程と、
    蛍光測定後に、前記開口部を前記乾燥防止部材によって覆う工程と、
    を有することを特徴とするメンブレンハウジングの使用方法。
  15. 請求項12または13に記載のメンブレンハウジングの使用方法であって、
    前記テストストリップに前記検体液を添加して、所定の展開待ち時間経過後、前記テストストリップから前記吸収パッドを除去する工程を有することを特徴とするメンブレンハウジングの使用方法。
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