JP5787361B2 - クロマトグラフ測定方法およびクロマトグラフ測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検体液中に含まれる被検物質を特異的に固定することができる検出部位を有する不溶性担体を使用して上記被検物質を検出するクロマトグラフ測定方法およびクロマトグラフ測定装置に関する。
近年、被検物質を含有する可能性のある検査材料(検体)を含む液(検体液)を不溶性担体に送液し、例えば免疫学的測定法を用いて、この被検物質の有無および/または量について簡便かつ迅速に測定するクロマトグラフ測定方法が開発されている。クロマトグラフ測定方法においては、重厚な設備や機器が不要で、検体液を滴下した後約5分〜10分間静置するだけで測定結果が得られる。したがって、クロマトグラフ測定方法は、簡便かつ迅速な特異性の高い測定方法として、多くの場面、例えば病院における臨床検査あるいは研究室における検定試験等で広く使われている。
一方、医院や診療所あるいは在宅医療等の診療現場においては、臨床検査の専門家によらず簡便に測定を行うPOCT(Point of Care Testing)診療向けの測定装置として、イムノクロマトグラフ測定装置(イムノクロマトリーダー)が使用されている。このイムノクロマトグラフ測定装置は、装填されたデバイスの検出部位における試薬の呈色量を測定して、目視判定困難な呈色量においても高感度かつ信頼性の高い測定を行うことを可能とする。
例えば特許文献1には、クロマトグラフ測定方法において、検体液ごとの粘性の違いに起因する測定誤差を低減するため、不溶性担体中を展開する検体液の展開速度を求め、この展開速度に基づいて分析光の照射を開始する時間を設定することが開示されている。また特許文献2には、クロマトグラフ測定方法において、滴下された検体液が充分な量であるか否かを迅速に判断するため、不溶性担体中を展開する検体液の展開速度を求め、予め得られた展開速度と検体液の滴下量との関係から滴下量を推定することが開示されている。また特許文献3には、クロマトグラフ測定方法において、バックグランドにある標識物質によるノイズを低減するため、検体液を不溶性担体に展開した後に洗浄液を展開することが開示されている。
特開2006−162496号公報 特開2009−85695号公報 特開2009−216695号公報
しかしながら、従来の方法では、同じ濃度の検体液であったとしても、測定ごとに測定値がばらつき定量的な測定を行うことが困難であるという問題がある。これは、不溶性担体中における検体液の展開は成り行きによって起こるものであり、実際に検出部位を通過した検体液の量(総通過液量)の測定ごとの差が大きいためである。仮にこの総通過液量を測定ごとに均一にできれば定量性を上げることは可能である。しかし、総通過液量は、検体液内の共存物質の有無、不溶性担体の物性、湿度および検体液の滴下量等の様々な要因に左右されるため、測定ごとに均一にすることは非常に難しい。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、クロマトグラフ測定において、より定量性の高い測定を可能とするクロマトグラフ測定方法およびクロマトグラフ測定装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るクロマトグラフ測定方法は、
検体液中に含まれる被検物質を特異的に固定することができる検出部位を有する不溶性担体を使用して被検物質を検出するクロマトグラフ測定方法において、
不溶性担体中に検体液を展開させ、
画像取得手段によって経時的に取得した不溶性担体の複数の画像に基づいて、検体液の展開速度、および検体液が検出部位に到達した到達時刻以後の所定の時刻における検出部位の呈色量を算出し、
展開速度、および不溶性担体の断面積に基づいて、到達時刻から上記所定の時刻までの時間の間に検出部位を実際に通過した検体液の量を算出し、
算出された当該検体液の量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化することを特徴とするものである。
そして、本発明に係るクロマトグラフ測定方法において、検体液と共に標識物質を不溶性担体中に展開させ、展開速度は、複数の画像に表された標識物質の位置の変化に基づいて算出されることが好ましい。この場合において、標識物質は、検出部位よりも上流側の領域に配置されたものとすることができ、または検体液に予め混入されたものとすることもできる。
或いは、本発明に係るクロマトグラフ測定方法において、展開速度は、検体液の展開前線の位置の変化に基づいて算出することもできる。
また、本発明に係るクロマトグラフ測定方法において、展開速度は経時的に更新されることが好ましい。
本発明に係るクロマトグラフ測定装置は、
検体液中に含まれる被検物質を特異的に固定することができる検出部位を有する不溶性担体を使用して被検物質を検出するクロマトグラフ測定装置において、
不溶性担体と、
不溶性担体の画像を経時的に複数取得する画像取得手段と、
複数の画像に基づいて、検体液の展開速度、および検体液が検出部位に到達した到達時刻以後の所定の時刻における検出部位の呈色量を算出し、さらに展開速度、および不溶性担体の断面積に基づいて、到達時刻から上記所定の時刻までの時間の間に検出部位を実際に通過した検体液の量を算出し、算出された当該検体液の量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化する計算処理手段とを備えることを特徴とするものである。
そして、本発明に係るクロマトグラフ測定装置において、計算処理手段は、検体液と共に不溶性担体中を展開する標識物質であって複数の画像に表された標識物質の位置の変化に基づいて展開速度を算出するものであることが好ましい。この場合において、クロマトグラフ測定装置が、検出部位よりも上流側の領域に配置された標識物質を有するものとすることができる。
或いは、本発明に係るクロマトグラフ測定装置において、計算処理手段は検体液の展開前線の位置の変化に基づいて展開速度を算出するものとすることもできる。
また、本発明に係るクロマトグラフ測定装置において、計算処理手段は展開速度を経時的に更新するものであることが好ましい。
本発明に係るクロマトグラフ測定方法および測定装置によれば、到達時刻から所定の時刻までの時間の間に検出部位を実際に通過した検体液の量(総通過液量)を算出し、この総通過液量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化することができる。つまり、呈色量の実測値が総通過液量によって補正される。この結果、クロマトグラフ測定において、測定ごとの総通過液量を均一にすることができなくとも、より定量性の高い測定が可能となる。
本実施形態のクロマトグラフ測定装置の外観構成を示す概略図である。 本実施形態のクロマトグラフ測定装置の内部構成を示す概略図である。 クロマトグラフ測定装置に装填されるアッセイ用デバイスを示す概略上面図である。 クロマトグラフ測定装置に装填されるアッセイ用デバイスを示す概略底面図である。 図3AのII−II線におけるアッセイ用デバイスの断面を示す概略断面図である。 不溶性担体の概略断面図である。 不溶性担体中を展開する検体液の様子を示す概略図である。 測定方法の工程のワークフローを示す概略図である。 測定方法の他の工程のワークフローを示す概略図である。 展開速度の他の算出方法を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
「クロマトグラフ測定方法およびクロマトグラフ測定装置」
本実施形態のクロマトグラフ測定方法は、例えば図1から図3に示されるクロマトグラフ測定装置1を使用して実施される。図1は本実施形態に係るクロマトグラフ測定装置1の外観を示す概略斜視図であり、図2はイムノクロマト用デバイス20が装填され、図1におけるI−I線で切断した場合の内部を示す概略図である。また、図3Aおよび図3Bはそれぞれデバイス20の外観を示す概略上面図および概略底面図、図3Cは図3AのII−II線における概略断面図である。
具体的には、本実施形態のクロマトグラフ測定方法は、テストラインT(検出部位)および測定の終了時を判断するためのコントロールラインCを有するデバイス20に、被検物質を含む可能性のある検体液を供給した後、測定装置1にデバイス20を装填し、不溶性担体21中に検体液を展開させ、画像取得部40によって経時的に(つまり時間軸に沿って複数回)取得したテストライン近傍領域21aの複数の画像に基づいて、検体液の展開速度、および検体液がテストラインTに到達した到達時刻以後の所定の時刻におけるテストラインTの呈色量を算出し、展開速度、および不溶性担体21の断面積に基づいて、到達時刻から上記所定の時刻までの時間の間にテストラインTを実際に通過した検体液の量(総通過液量)を算出し、当該総通過液量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化するものである。
そして本実施形態のクロマトグラフ測定装置1は、図1に示されるように、筐体10と、筐体10の表面に配置された画面表示部11、画面表示部11に表示されたメニューの操作を行うためのメニュー操作部12および電源スイッチ13と、デバイス20を装置内部に装填するためのデバイス装填部14とを備える。さらにクロマトグラフ測定装置1は、図2に示されるようにその内部構成として、デバイス20のテストライン近傍領域の画像を取得する画像取得部40と、デバイス20から情報を読み取る情報読取部50と、メモリ32と、取得された画像に基づいて所定の計算処理を行う計算処理部34と、上記画像取得部40、情報読取部50、メモリ32、計算処理部34を制御する制御部30とを備えている。
(検体液)
測定することのできる検体液は、被検物質(抗原の他、天然物、毒素、ホルモンまたは農薬等の生理活性物質あるいは環境汚染物質等)を含む可能性のあるものである限り、特に限定されるものではない。例えば検体液としては、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、又は喀痰)、排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる搾過検体(スワブ)若しくはうがい液、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を希釈液で希釈したもの等を挙げることができる。
検体液はそのままで、あるいは、検体液を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、さらには、この抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは抽出液を適当な方法で濃縮した形で用いることができる。
(クロマト用デバイス)
また、図3A、図3Bおよび図3Cに示されるように、デバイス20は、テストラインTとコントロールラインCとを有する不溶性担体21と、不溶性担体21を収容するためのデバイス用筐体22と、不溶性担体21に試薬溶液を注入するための溶液注入口23と、デバイス用筐体22に収容された不溶性担体21のテストライン近傍領域21aを観察するための観察窓24とを備えており、デバイス用筐体22の表面には情報表示部25が設けられている。
不溶性担体21は、図4に示すように、検体液等の試料を展開する方向(矢印A方向)に向かって、試料を滴下する部分である試料添加パッド81、標識物質が浸み込まされた標識物質保持パッド82、被検物質に対する特異的結合性を示す物質(特異的結合物質)が固定されたテストラインT(ライン状の検出部位)を有するクロマトグラフ担体83、送液された検体液を吸収する吸収パッド84、およびこれら全体を支持する透明シート85を有している。本実施形態のテストライン近傍領域21aには、1つのテストラインTを設けているが、テストラインTの数はこれに限定されず、2つ以上でもよい。テストラインTを複数にし、それぞれ異なる被検物質を固定するようにすれば、検体液に複数の被検物質が含まれる場合に、効率よく一度に複数の被検物質の有無および/または量を測定することが可能となる。不溶性担体21の材料は、多孔性であることが好ましく、例えば、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましく挙げられる。なお、検出部位の形状は、ライン状に限られるものではなく、不溶性担体自体の形状も図4に示すような板状に限られるものではない。
クロマトグラフ担体83には、必要に応じて、測定の終了時を判断するためのコントロールラインCが作製される。特異的結合物質のテストラインTへの固定は、例えば、特異的結合物質をクロマトグラフ担体83の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させる方法、或いは、特異的結合物質をラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子をクロマトグラフ担体83の一部にトラップさせて固定化させる方法により実施される。
標識物質保持パッド82は、例えば、標識物質を含む懸濁液を調製し、その懸濁液を適当なパッド(例えば、グラスファイバーパッド)に塗布した後、それを乾燥することにより調製したものである。これにより、不溶性担体21に検体液が注入された場合、標識物質が検体液と共に展開されながら、テストライン近傍領域21aまで流される。本発明において、標識物質は、展開速度を算出するための指標として使用される。また、標識物質は、被検物質と独立して展開するように構成してもよいし、被検物質に特異的に結合するように構成してもよい。
試料添加パッド81は試料(検体液等)を点着する部分であって、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる部分である。なお、測定の際、検体液中の被検物質が試料添加部の材料に非特異的に吸着し、測定の精度を低下させることを防止するため、試料添加パッド81は予め非特異的吸着防止処理されて用いられることもある。
吸収パッド84は、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体83のテストラインTに不溶化されない未反応物質等を吸収除去する部位である。添加された試料の展開前線(不溶性担体21の濡れた領域と乾いた領域の境界)が吸収パッド84に届いてからの試料の展開速度は、吸収パッド84の吸収材の材質、大きさなどにより異なるので、その選定により被検物質の測定に合った速度を設定することができる。
情報表示部25は、手書きまたはシール添付等により検査に関する情報が表示されている。検査に関する情報とは例えば、検体を採取した患者に関する情報(氏名、年齢および性別等)および検査に使用される試料・試薬に関する情報(検査対象となる検体の名称等)等が挙げられる。
(標識物質)
本発明で使用することができる標識物質としては、一般的なイムノクロマトグラフ法で用いられるような蛍光色素、金属微粒子、着色ラテックス粒子など、個別の粒子が検出できものであれば特に限定されることなく用いることができる。本実施形態では、画像中に表わされた標識物質の位置の変化に基づいて展開速度が算出される。標識物質は、展開速度を求めるための物質とは別に、被検物質を標識するための物質を含んでもよい。この場合例えば、展開速度を求めるための標識物質として蛍光色素等の蛍光物質を使用し、被検物質を標識するための標識物質として、被検物質に特異的に結合するよう処理された金属微粒子等の吸光物質を使用することができる。なお、標識物質が配置される場所は、上記のような不溶性担体の場合に限られない。
(画像取得部)
画像取得部40は、デバイス20の観察窓24を通してテストライン近傍領域21aの画像を取得するものである。画像取得部40は本発明に係る画像取得手段に相当し、当該画像に基づいてテストライン近傍領域21aにおける光学的情報が取得される。画像取得部40は、図2に示すようにイメージセンサ42と光源44とを備え、デバイス20が測定装置1に装填された際に、これらがデバイス20の下方に配して観察窓24に対向するように構成されている。そして、画像取得部40は、光源44でテストライン近傍領域21aを照らしながら、当該領域の画像をイメージセンサ42で取得する。これにより、複数の画像に基づいて、不溶性担体21中を時間の経過とともに展開する様子が把握可能となる。なお、無駄な作業を省くために、観察窓24から検体液の展開前線が確認できるまでは画像取得の間隔を長くし、観察窓24から検体液の展開前線が確認できた後画像取得の間隔を短くすることが好ましい。画像取得部40によって取得された画像のデータはメモリ32に送信される。後述するように、この複数の画像に基づいて、検体液の展開速度やテストラインTの呈色量等が算出される。
イメージセンサ42は、例えば複数のフォトダイオードが一次元状または二次元状に配列されたラインセンサまたはエリアセンサ、若しくはCCD等といった光学センサを備える構成とされており、受光した光の輝度に応じた出力を生じる。イメージセンサ42の受光範囲は、例えばデバイス20の長手方向に延びた帯状とされている。光源44は、例えば、LEDが内蔵されたモジュールであり、白色光を発するように構成されている。なお光源44は例えば単色光を発するものでもよい。また光源44は、モジュールを複数備える場合には、異なる波長の単色光を発する複数のモジュールを用いることもできる。光源44から照射される光は、デバイス20の長手方向を照明可能とされている。
(情報読取部)
情報読取部50は、デバイス20の情報表示部25に照明光を照射し、情報表示部25に表示された情報を取得するものである。情報を取得する方法は、特に制限されず、情報表示部25をそのまま画像化したりバーコード化された情報から読み取ったりすることができる。情報読取部50は、図2に示されるようにイメージセンサ52と光源54とを備え、デバイス20が測定装置1に装填された際に、これらがデバイス20の上方に配して情報表示部25に対向するように構成されている。そして、情報読取部50によって取得された検査に関する情報と検査結果とが紐付けされて管理される。情報読取部50によって取得された情報のデータはメモリ32に送信される。イメージセンサ52および光源54については、上記イメージセンサ42および光源44とそれぞれ同様である。
(メモリ)
メモリ32は、画像取得部40によって取得された画像のデータおよび情報読取部50によって取得された情報のデータ等を記憶するものである。また、メモリ32は、例えば制御部30の要求に応じて、記憶されたデータを読み取り可能に構成されている。本実施形態では、例えば記憶された画像のデータは計算処理部34で利用される。
(計算処理部)
計算処理部34は、画像取得部40によって取得された複数の画像に基づいて、所定の計算処理を行うものである。計算処理部34は本発明における計算処理手段に相当する。具体的には、計算処理部34は、上記複数の画像に基づいて、検体液の展開速度、および検体液がテストラインTに到達した到達時刻以後の所定の時刻におけるテストラインTの呈色量を算出し、さらに展開速度および不溶性担体の断面積に基づいて総通過液量を算出し、当該総通過液量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化するという計算処理を行う。
展開速度は以下のようにして算出する。図5は、不溶性担体21中を展開する検体液60の様子を示す概略図である。本実施形態では、テストラインTよりも上流側の領域に標識物質62が配置された不溶性担体21が使用される(図5a)。不溶性担体21に検体液60が点着されると、検体液60の展開と共に標識物質62も不溶性担体21中を展開する(図5bから図5d)。そして、ある時刻t(図5b)において不溶性担体21(少なくともテストライン近傍領域を含む)の画像が取得され、その後また、ある時刻t(図5c)において不溶性担体21の画像が取得される。ここで、ある1つの標識物質62aに注目しながら上記2つの画像を比較すると、時刻tからtまでの時間の間に当該標識物質62aが展開した距離(つまり当該標識物質62aの位置の変化)を確認することができる。この標識物質62aの位置の変化は、その時間内における検体液60の展開した距離に相当すると考えられる。そこで、この位置の変化をその時間間隔で除算することによって検体液60の展開速度が算出される。この展開速度は時刻tにおける値として使用される。なお、画像を取得する間隔(上記において時刻tとtの間隔)が空きすぎると、時刻tおよびtそれぞれにおける標識物質62の対応関係の把握が難しくなるため、画像を取得する間隔は、時刻の前後における標識物質の対応関係が把握できるように調整される。
また、一度展開速度が算出されるとそれ以降の時刻では展開速度を求めなくてもよい。得られた展開速度をその測定の間使用し続ければ、計算処理の手間を省くことができる。しかしながら、検体液60の展開速度は測定の間常に一定であるとは限らないため、より正確な測定を行うためには経時的に展開速度を算出してその値を更新することが好ましい。つまり、例えば時刻t(図5d)における展開速度としては、時刻t(図5c)において取得された不溶性担体21の画像と時刻t(図5d)において取得された不溶性担体21の画像とを比較して算出した値を使用することが好ましい。このとき、前の時刻において注目した標識物質62aに再度注目してもよいが、この時間の間にテストラインTを実際に通過した通過液量をより正確に求める観点から、よりテストラインTに近い標識物質が存在する場合にはその標識物質に注目することが好ましい。つまり、標識物質の位置の変化として、その変化の前後に亘り検出部位の近傍に存在する標識物質の位置の変化を使用することが好ましい。例えば図5においては、時刻tの時点で既にテストラインTを通過している標識物質62aに注目するよりも、時刻tから時刻tにかけてテストラインTを通過する標識物質62bに注目することが好ましい。
上記では、ある1つの標識物質62に注目することにより展開速度を算出したが、複数の標識物質62に注目し、それぞれの標識物質62について得られた値を平均することにより算出してもよい。
検体液60がテストラインTに到達した時刻は、展開前線がテストラインTに接触した時刻である。当該時刻としては、例えば、画像解析によって展開前線のテストラインTへの接触が最初に確認された画像が取得された時刻を採用したり、その時刻における展開速度に基づいて逆算した時刻を採用したりすることができる。
テストラインTの呈色量は、例えば画像中のテストラインTに相当する画素領域の光学濃度および色度等を画像解析によって求め、光学濃度および色度等を基準に算出される。また、不溶性担体21の断面積については、例えば予め測定された値が測定装置1に設定される。
所定の時刻における総通過液量は、到達時刻から当該所定の時刻までの時間の間にテストラインTを実際に通過した検体液の量を意味する。例えば到達時刻がtαであるの場合の時刻tにおける総通過液量は、[到達時刻tαから時刻tまでの平均の展開速度]×[不溶性担体の断面積]×[t−tα]という計算式1や、Σ[時刻tにおける展開速度]×[不溶性担体の断面積]×[t−tn−1]という計算式2によって算出することができる。ここで、Σはnについてα+1からNまでの総和をとることを意味し、[時刻tにおける展開速度]×[不溶性担体の断面積]×[t−tn−1]は時刻tn−1からtまでの部分的な通過液量を意味する。
呈色量の規格化は、例えば呈色量の実測値を総通過液量で除算することにより行う。
以下図6を用いて本実施形態における測定方法の工程を説明する。図6は、本実施形態における測定方法の工程のワークフローを示す概略図である。
まず、ユーザーは、検体液が注入されたデバイス20をデバイス装填部14から測定装置1に装填する(STEP1)。測定装置1は、デバイス20を内部に搬送し、測定が可能となる所定位置にデバイス20を配置する。この際、情報読取部50は所定の情報を読み取る。測定装置1は、測定を開始できる状態に至ったら時刻tをリセット(n=0)する。
次に、時刻がリセットされた後、時刻tにおいて最初の画像が取得される(STEP2)。この時点では通常、展開前線がテストラインTに至ることはないので、特に展開速度および呈色度を算出する必要はない。その後、時刻tにおける画像の取得が経時的に(つまりnがインクリメントされる。)実施される(STEP3)。このとき、画像が取得される度に当該画像に基づいて、検体液がテストラインTに到達したか否かが判断される(STEP4)。この判断の結果、検体液がテストラインTに到達していないと判断された場合にはSTEP3から繰り返し、検体液がテストラインTに到達していると判断された場合にはその時の時刻tがtαとして記憶される(STEP5)。
そして時刻tα経過後も、同様に画像の取得が経時的に実施される(STEP6)。ただし、時刻tα経過以後においては、画像が取得される度に当該画像に基づいて時刻tにおける展開速度(STEP7)、総通過液量(STEP8)および呈色量(STEP9)が算出される。本実施形態では、時刻tにおける展開速度は、前述したように時刻tn−1における画像と時刻tにおける画像とを比較して把握される標識物質の位置の変化に基づいて算出される。また、時刻tにおける総通過液量は、記憶した到達時刻tαとこの到達時刻tαから当該時刻tまでの平均の展開速度に基づいて、例えば上記計算式1によって算出される。そして、時刻tにおける総通過液量および呈色量が算出されたら、総通過液量によって呈色量を除算することにより呈色量の規格化が行われ、そのデータが例えばメモリ32に記憶される(STEP10)。
時刻tにおける呈色量の規格化が完了した場合には、測定が完了したか否かが判断される(STEP11)。測定が完了したか否かは、例えばコントロールラインCの呈色量に基づいて判断される。この判断の結果、測定が完了していないと判断された場合にはSTEP6から繰り返すこととなる。
以上のように、本発明に係るクロマトグラフ測定方法および測定装置によれば、到達時刻から所定の時刻までの総通過液量を算出し、この総通過液量に基づいて上記所定の時刻における呈色量を規格化することができる。つまり、呈色量の実測値が総通過液量によって補正される。この結果、クロマトグラフ測定において、測定ごとの総通過液量を均一にすることができなくとも、より定量性の高い測定が可能となる。
<設計変更>
実施形態の説明では、上記計算式1によって時刻tにおける総通過液量を算出する工程について説明したが、例えば計算式2によって時刻tにおける総通過液量を算出する場合には、その工程は次のようになる。
図7は、実施形態の設計変更における測定方法の工程のワークフローを示す概略図である。本工程は、STEP4までは実施形態と同一であるため、その説明は省略する。
STEP4の判断において検体液がテストラインTに到達していると判断された場合には、同様に画像の取得が経時的に実施される(STEP5)。なお、本工程では特に到達時刻tαを記憶する必要はない。時刻tα経過以後においては、画像が取得される度に当該画像に基づいて時刻tにおける展開速度(STEP6)、時刻tn−1から時刻tまでの通過液量(STEP7)、時刻tにおける総通過液量(STEP8)および時刻tにおける呈色量(STEP9)が算出される。時刻tn−1から時刻tまでの通過液量は、[時刻tにおける展開速度]×[不溶性担体の断面積]×[t−tn−1]によって算出され、時刻tにおける総通過液量は、時刻tn−1における総通過液量に時刻tn−1から時刻tまでの通過液量を加算することにより算出される。なお、初期値となる到達時刻tαにおける総通過液量はゼロとする。そして、時刻tにおける総通過液量および呈色量が算出されたら、総通過液量によって呈色量を除算することにより呈色量の規格化が行われ、そのデータが例えばメモリ32に記憶される(STEP10)。
時刻tにおける呈色量の規格化が完了した場合には、測定が完了したか否かが判断される(STEP11)。この判断の結果、測定が完了していないと判断された場合にはSTEP5から繰り返すこととなる。
また、実施形態の説明では、展開速度を標識物質の位置の変化に基づいて算出したが、本発明はこれに限られない。例えば、図8に示されるように、不溶性担体21上における展開前線64の位置の変化に基づいても展開速度を算出することができる。具体的には、時刻t(図8a)における画像と時刻t(図8b)における画像とを比較して把握される展開前線64の位置の変化量をその時間間隔で除算することにより、展開速度が算出される。
1 クロマトグラフ測定装置
10 筐体
11 画面表示部
12 メニュー操作部
13 電源スイッチ
14 デバイス装填部
20 イムノクロマト用デバイス
21 不溶性担体
21a テストライン近傍領域
22 デバイス用筐体
23 溶液注入口
24 観察窓
25 情報表示部
30 制御部
32 メモリ
34 計算処理部
40 画像取得部
50 情報読取部
60 検体液
62 標識物質
64 展開前線
C コントロールライン
T テストライン

Claims (9)

  1. 検体液中に含まれる被検物質を特異的に固定することができる検出部位を有する不溶性担体を使用して前記被検物質を検出するクロマトグラフ測定方法において、
    前記不溶性担体中に前記検体液を展開させ、
    画像取得手段によって経時的に取得した前記不溶性担体の複数の画像に基づいて、前記検体液が前記検出部位に到達した到達時刻から、該到達時刻以後の所定の時刻までの時間の間における前記検体液の展開速度を経時的に複数回算出し、および前記所定の時刻における前記検出部位の呈色量を算出し、
    前記算出された複数の展開速度、および前記不溶性担体の断面積に基づいて、前記到達時刻から前記所定の時刻までの時間の間に前記検出部位を実際に通過した前記検体液の量を算出し、
    算出された前記検体液の量に基づいて前記所定の時刻における前記呈色量を規格化することを特徴とするクロマトグラフ測定方法。
  2. 前記検体液と共に標識物質を前記不溶性担体中に展開させ、
    前記展開速度が、前記複数の画像に表された前記標識物質の位置の変化に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフ測定方法。
  3. 前記標識物質が、前記検出部位よりも上流側の領域に配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載のクロマトグラフ測定方法。
  4. 前記標識物質が前記検体液に予め混入されたものであることを特徴とする請求項2に記載のクロマトグラフ測定方法。
  5. 前記展開速度が、前記検体液の展開前線の位置の変化に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載のクロマトグラフ測定方法。
  6. 検体液中に含まれる被検物質を特異的に固定することができる検出部位を有する不溶性担体を使用して前記被検物質を検出するクロマトグラフ測定装置において、
    前記不溶性担体と、
    該不溶性担体の画像を経時的に複数取得する画像取得手段と、
    前記複数の画像に基づいて、前記検体液が前記検出部位に到達した到達時刻から、該到達時刻以後の所定の時刻までの時間の間における前記検体液の展開速度を経時的に複数回算出し、および前記所定の時刻における前記検出部位の呈色量を算出し、前記算出された複数の展開速度、および前記不溶性担体の断面積に基づいて、前記到達時刻から前記所定の時刻までの時間の間に前記検出部位を実際に通過した前記検体液の量を算出し、算出された前記検体液の量に基づいて前記所定の時刻における前記呈色量を規格化する計算処理手段とを備えることを特徴とするクロマトグラフ測定装置。
  7. 前記計算処理手段が、前記検体液と共に前記不溶性担体中を展開する標識物質であって前記複数の画像に表された前記標識物質の位置の変化に基づいて前記展開速度を算出するものであることを特徴とする請求項に記載のクロマトグラフ測定装置。
  8. 前記検出部位よりも上流側の領域に配置された前記標識物質を有することを特徴とする請求項に記載のクロマトグラフ測定装置。
  9. 前記計算処理手段が前記検体液の展開前線の位置の変化に基づいて前記展開速度を算出するものであることを特徴とする請求項に記載のクロマトグラフ測定装置。
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