JP2022092440A - 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ - Google Patents

作業ガイド付きイムノクロマトリーダ Download PDF

Info

Publication number
JP2022092440A
JP2022092440A JP2020205261A JP2020205261A JP2022092440A JP 2022092440 A JP2022092440 A JP 2022092440A JP 2020205261 A JP2020205261 A JP 2020205261A JP 2020205261 A JP2020205261 A JP 2020205261A JP 2022092440 A JP2022092440 A JP 2022092440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
user
immunochromatographic
unit
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020205261A
Other languages
English (en)
Inventor
里美 清水
Satomi Shimizu
健 宇田川
Takeshi Udagawa
陽介 村瀬
Yosuke Murase
真己 三代
Masami Mishiro
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2020205261A priority Critical patent/JP2022092440A/ja
Publication of JP2022092440A publication Critical patent/JP2022092440A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】リーダの表示部に、ユーザーである医療従事者が行うべき作業手順等の理解し易い説明を表示することにより、別紙の作業マニュアルを参照する煩わしさをなくしたユーザーフレンドリーなイムノクロマトリーダの提供。【解決手段】イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが実行した作業を検知する作業検知部と、該イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部と、該作業検知部での検知情報と該状態判別部での判別情報とに基づきガイドする作業内容を決定するガイド内容決定部と、該ガイド内容を表示する表示部とを有するイムノクロマトリーダ。【選択図】図4

Description

本発明は、作業ガイド付きイムノクロマトリーダに関する。より詳しくは、本発明は、検体とイムノクロマトグラフィー装置(テストプレート、検査キット、テストデバイスともいう。)の取り扱いに関するユーザーにより実行されるべき作業手順を表示する表示部を有するイムノクロマトリーダに関する。
微生物(細菌)感染症の診断は、通常、感染部位などでの起炎(原因)菌の検出、又は血清若しくは体液中の原因菌に対する抗体の検出結果に基づいて行われるため、原因菌の迅速な検出は、患者への迅速な治療を可能にする観点から重要である。また、同一疾患であっても、原因菌になりうる菌が複数種存在する場合、これら複数種の細菌の種類と有無を特定することも、治療の観点から重要である。
感染症原因菌の検出は、原因菌の分離培養を経てその生化学的性状をもとに該原因菌の同定を行う培養法、原因菌に特異的な遺伝子をもとにPCR法などにより増幅し検出する遺伝子法、原因菌の表面抗原マーカー等と抗体との特異的反応を利用して原因菌検出を行う免疫法(免疫学的方法)に大別できるが、短時間にしかも高感度に原因菌を検出し、迅速かつ適切な患者への治療につながる点から、免疫法による検出に基づく診断の利用価値は高い。特に、近年、臨床検査技師などの専門家に頼らずに簡便に検査を行えるユーザーフレンドリーなPOCT(Point of Care Testing)診断用デバイスによる免疫法による検出のニーズは高い。
イムノクロマトグラフィー装置に検体を滴下した後に該イムノクロマトグラフィー装置を挿入し、テストライン及びコントロールラインの呈色状態を読み取るためのリーダは知られている。例えば、非特許文献1に示すように、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社は、BDベリター(登録商標)システムリーダ(デンシトメトリー分析装置、医療機器製造販売届出番号07B1X00003000124)を販売している。従来の目視で行う判定と異なり、客観的でより正確な測定結果を短時間で提供し、また、持ち運びが可能で測定する場所を選ばないとされている。このリーダ(装置)では、比較的小さな液晶画面上に簡単なメッセージ(ステータス表示、エラー表示)を提示することができるものの、装置の操作に必要な情報や現在のステータス(検査全体のどこに当たるか)やエラーの意味や必要な措置などが、該メッセージだけでは分からないため、医療従事者にとってユーザーフレンドリーなものとはいえない。
このように、従来のリーダでは、医療従事者であるユーザーが詳しい作業方法やエラー内容を知るためには、作業途中に別紙のマニュアルを参照する必要があった。また、従来の装置では、装置自体の操作については比較的小さな液晶画面において簡易メッセージ表示などの方法が採られていたものの、別の作業(検体の準備、検査キットの取り扱い等)については詳しい説明はしておらず、別の資料(リーダの取扱説明書等)を参照する必要があった。それゆえ、従来のリーダでは、一連の検査作業の流れが分断されてしまい、ユーザーに負担がかかっていた。
「BDベリターTMシステムリーダーマニュアル」日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 2012年1月作成(Ver.2)
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、イムノクロマトリーダにおいて、リーダの表示部に、検査に際しユーザーである医療従事者が行うべき一連の作業手順等の理解し易い説明、リーダ内部処理の進捗等を表示することにより、ユーザーフレンドリーなイムノクロマトリーダを提供することである。
リーダの表示部にリーダ操作以外の検体準備や作業を表示することはできるが、ユーザーが毎回入力によってこのガイド画面を呼び出すのは手間であり、ユーザーフレンドリーとは言えない。一方で、ユーザーが測定準備を済ませた後に急いで測定を開始したい場合に、準備ステップのガイドがすべて表示されるのは煩わしいため、ユーザーからの作業完了入力または、リーダによるユーザー作業の検知により作業進捗に応じてスキップ可能であることが好ましい。
ユーザー作業が意図された検査手順から逸脱する場合に、手順を戻してやり直しをユーザーに促すことも正しい検査結果を得るうえでは重要であり、その際にもユーザーは意図された手順から逸脱した作業を特定して、正しい作業手順が確認できることが望ましい。しかしイムノクロマトグラフィー装置は単回使用の装置であるため、検体を滴下した段階でエラーが発生した場合などでは、測定ステップを一つ戻すだけではやり直しはできず、検体準備やイムノクロマトグラフィー装置の準備まで戻る必要がある。従ってリーダは、ユーザー作業の逸脱を検知した場合に、逸脱が発生したと考えられる作業を是正するために必要となる検査ステップまで戻す必要がある。その際、ユーザーに提示するユーザーガイドの順番を組み換え、逸脱が発生したと考えられる作業の、より詳細な手順の表示を行うか、当該作業のガイド画面において、ユーザー入力によって詳細な手順への表示に切り替え可能にしておくことが好ましい。
従ってユーザー作業のガイドは、前記のようにユーザーによる作業完了入力および/またはリーダによるユーザー作業の検知により、ユーザーの作業の進捗に応じて切り替えを行い、必要に応じて表示順をスキップし、順番を組み替えて戻ることを行う。全測定ステップ中の現ステップを、ステップ数を表す数字で表現する方法は良くとられるが、それでは全体の手順の流れを把握することが困難であり、全ステップの概要が把握可能な形で表示されることが好ましい。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、リーダの表示部に以下の機能を持たせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが実行した作業を検知する作業検知部と、
該イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部と、
該作業検知部での検知情報と該状態判別部での判別情報とに基づきガイドする作業内容を決定するガイド内容決定部と、
該ガイド内容を表示する表示部と
を有するイムノクロマトリーダ。
[2]前記ガイド内容決定部は、前記ユーザーが実行した作業と前記イムノクロマトグラフィー装置の状態との第一の組み合わせ群、及び該第一の組み合わせ群のそれぞれの組み合わせに応じた前記ガイドする作業内容の候補を記憶する記憶部、を有し、前記ガイドする作業内容は、該記憶部で記憶している該候補から選択される、前記[1]に記載のイムノクロマトリーダ。
[3]前記ガイド内容決定部は、前記作業検知部から得た検知情報と前記状態判別部から得た判別情報との組が、前記記憶部で記憶している前記第一の組み合わせ群の組み合わせとして存在しないときには、前記ユーザーに通知を行う、前記[1]又は[2]に記載のイムノクロマトリーダ。
[4]前記ガイド内容決定部の記憶部は、前記ユーザーが実行した作業と前記イムノクロマトグラフィー装置の状態との第二の組み合わせ群を記憶し、前記作業検知部から得た検知情報と前記状態判別部から得た判別情報との組が、該第二の組み合わせ群の組み合わせに存在するときには、前記ユーザーに通知を行う、前記[1]~[3]のいずれかに記載のイムノクロマトリーダ。
[5]前記表示部には、前記イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが作業を行う全行程と、該ユーザーが作業を行う全工程における前記ガイドする作業工程の位置とが表示される、前記[1]~[4]のいずれかに記載のイムノクロマトリーダ。
[6]前記状態判別部から得た判別情報に基づいて、前記ユーザーが作業を行う全工程を決定する、前記[1]~[5]のいずれかにに記載のイムノクロマトリーダ。
[7]前記状態判別部から得た判別情報に基づいて、前記イムノクロマトグラフィー装置の種別を判定し、該イムノクロマトグラフィー装置の種別に基づいて前記ユーザーが作業を行う全工程を決定する、前記[6]に記載のイムノクロマトリーダ。
[8]前記作業検知部での検知情報と前記状態判別部での判別情報とに基づき、前記ユーザーの作業によって前記全行程の一部が変更されたことを検知し、前記ガイドする作業工程の位置を変更する、前記[5]~[7]のいずれかに記載のイムノクロマトリーダ。
本発明に係るイムノクロマトリーダは、リーダの表示部、例えば、タッチパネルディスプレイに、イムノクロマトグラフィー装置自体の作業手順に加え、検体の取り扱い手順を含む作業手順を表示し、検査作業全体(全体作業)の流れをサポートすることができる。作業手順の説明は、例えば、図面、写真又は理解しやすい文面とし、現時点で必要な作業手順(現作業手順)が提示され、また、全体作業の流れの中で現在どの時点(ステータス)あるかが判別可能な状態で表示される。これにより、ユーザーの負担が軽減され、イムノクロマトグラフィー装置の取り扱いミスやリーダの操作ミスを無くすことができる。本発明に係るイムノクロマトリーダは、リーダの表示部に、検査に際しユーザーである医療従事者が行うべき一連の作業手順、リーダ内部処理の進捗等を理解し易く表示することにより、別紙の作業マニュアル等を参照する煩わしさをなくしたユーザーフレンドリーなものである。
イムノクロマトグラフィー装置21の一例を示す模式図である。 イムノクロマトリーダ26の作業手順、処理内容の概要説明図である。イムノクロマトグラフィー装置21をイムノクロマトリーダ26にセットし、検体を検体滴下部23に滴下した後、クロマト展開媒体上のテストライン(TL1~3)とコントロールライン(CL)が発色した場合の一例である。 本実施形態のイムノクロマトリーダ26の一例のハードウェア構成の説明図である。 本実施形態のイムノクロマトリーダ26の機能ブロック図である。 本実施形態のイムノクロマトリーダ26の表示部に全体作業の流れと現作業手順とを表示する画面構成の一例である。 本実施形態のイムノクロマトリーダ26の表示部に全体作業の流れと現作業手順とを表示し、ユーザーの入力によりより詳細な説明(切り替えた説明内容)を表示する例である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のイムノクロマトリーダは、イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが実行した作業を検知する作業検知部と、
該イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部と、
該作業検知部での検知情報と該状態判別部での判別情報とに基づきガイドする作業内容を決定するガイド内容決定部と、
該ガイド内容を表示する表示部と
を有するイムノクロマトリーダである。
[イムノクロマトグラフィー装置]
[イムノクロマトグラフィー装置]
図1は、イムノクロマトグラフィー装置の一例を示す斜視図である。イムノクロマトグラフィー装置21は、サンプルパッド1、標識物質で標識された二次抗体が保持されたコンジュゲートパッド2、クロマト展開用媒体3、検出用一次抗体が固定されたテストライン(TL1~3)及びコントロールライン(CL)4、吸収パッド5、基材6(バッキング材)を有している。また、図2に示すように、イムノクロマトグラフィー装置21は、ハウジング22を有した形態であることができる。コンジュゲートパッド2に固定された標識された二次抗体は、分析対象物と特異的に結合し、これがクロマト展開用媒体3中を流れ、一次抗体が固定されたテストラインの位置に集合する結果、検体中の分析対象物の濃度に依存してテストラインが発色することになる。
サンプルパッド1は、イムノクロマトグラフィーを行えるものであれば特に制限はないが、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等が好ましい。
標識物質は、イムノクロマトグラフィーを行えるものであれば制限はないが、金ナノ粒子、白金ナノ粒子、パラジウムナノ粒子などの金属ナノ粒子、又は色素を含有するセルロースナノビーズ、などの非金属ナノ粒子、酸化還元酵素などの生体高分子、蛍光色素等が好ましい。
一次抗体、二次抗体は、検体中の分析対象物に特異的に結合する成分であれば制限はないが、抗体、半抗体やFABなどのイムノグロブリン断片や、アプタマーなどの核酸等が好ましい。
コンジュゲートパッド2は、イムノクロマトグラフィーを行えるものであれば制限はないが、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等が好ましい。
クロマト展開用媒体3は、イムノクロマトグラフィーを行えるものであれば特に制限はないが、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライド、ナイロン等が好ましい。
吸収パッド5は、イムノクロマトグラフィーを行えるものであれば特に制限はないが、セルロース誘導体等の繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等が好ましい。
基材6は、入手のしやすさや安定性、安全性、成形性及び滅菌性に優れるという観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子自体、それを架橋した構造体や改質した構造体、ヒドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属を用いることができる。中でも合成高分子や天然高分子誘導体が好ましい。
図2に例示するように、ハウジング22は、例えば、白色の樹脂でベースと上蓋の2つのパーツとして成形される。上蓋は、例えば、検体滴下部23と、クロマト展開用媒体3の撮像領域を露出するクロマト展開用媒体窓25とが設けられている。
クロマト展開用媒体3、例えば、ニトロセルロース基材への各一次抗体、及びコントロール抗体の固定方法としては、媒体(膜担体)表面への抗体分子の直接結合でもよいし、活性基を介しての間接結合でもよい。結合力としては、化学的又は物理的な結合、例えば、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、水素結合、疎水結合の単独によるもの又はこれらの合力が挙げられる。特に、抗体溶液(検体抽出液)と膜担体表面との単純な接触による物理的な吸着による固定は、簡便であるため好ましい。抗体の吸着後に膜担体表面を洗浄や乾燥させる方法、膜担体表面に抗体溶液を塗布後に水分を蒸発せしめて膜担体表面に抗体を固定化する方法が挙げられる。コントロールラインと各テストラインの形状は特に限定されず、例えば、1以上の円形、楕円形、長方形のスポットの集合体を取りうるが、イムノクロマトグラフィー装置の検体液流れ方向に対し垂直な線状であることが好ましい。
[検体]
本実施形態において、検体は、特に制限はなく、尿、咽頭ぬぐい、下気道、血液、鼻腔吸引液、鼻咽頭ぬぐい等が挙げられる。図2に示すように、例えば、検体を採取した綿棒を、検体抽出液が入った検体抽出チューブに浸し、綿棒の綿球部分を検体抽出液中で揉み込み、絞りながら綿棒を検体抽出チューブから取出し、検体抽出チューブにフィルタ付キャップを取付ける、といった検査実施者作業が測定前において必要となる場合がある。
イムノクロマトグラフィー装置(イムノクロマトグラフィー装置)の検体滴下部に検体抽出液を滴下したとき、テストラインの位置に赤い状の呈色が観察されれば陽性、無ければ陰性と判定する。イムノクロマトグラフィー装置において、例えば、コントロールライン1本、テストライン2又は3本を有する場合、コントロールライン(CL)が発色すれば、検体の液流れが正常であり、A菌用のテストライン(TL1)が発色すれば、A菌が陽性であり、B菌用のテストライン(TL2,3)が発色すれば、B菌が陽性であることを示す。
図2に示すように、例えば、検体を採取した綿棒を、検体抽出液が入った検体抽出チューブに浸し、綿棒の綿球部分を検体抽出液中で揉み込み、絞りながら綿棒を検体抽出チューブから取出し、検体抽出チューブにフィルタ付キャップを取付ける、といったユーザー作業が測定前において必要となる場合がある。本実施形態においては、これらの作業を図6に示すように表示し、ユーザーが作業を取説などで確認する手間を省き効率化を図ることができる。
[検体抽出液、一次抗体含有溶液]
イムノクロマト(グラフィー)において、例えば、抗原としてリボゾームL7/L12蛋白質を用いる場合、各リボゾームL7/L12蛋白質は、インフルエンザ菌又は肺炎球菌の細胞内小器官であるリボゾームを構成する蛋白質であるため、これらの菌の同時検出のためには、これら両者の菌を短時間で、好ましくは1分間以内に溶菌して各リボゾームL7/L12蛋白質である抗原を抽出しなければならず、さらに、検体抽出液は、イムノクロマトにおける液流れや抗原抗体反応に悪影響を及ぼさないものでなければならない。本願発明者らは、以下の実施例で詳述するように、鋭意検討し実験を重ねた結果、検体抽出液としては、脂肪族アミン系の両性界面活性剤とポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤とを含有するものが好ましく、両性界面活性剤N,N-Dimethyldodecylamine N-oxide (DDAO)と非イオン性界面活性剤Polyoxyethylene alkylether (RAOL XA 60-50(登録商標))とを含有するものがより好ましく、緩衝剤によりpH 8.0±1.0の範囲にあるものがさらに好ましく、該緩衝剤が、Tris(hydroxymethyl)aminomethane-HClを含むものがよりさらに好ましい。両性界面活性剤N,N-Dimethyldodecylamine N-oxide (DDAO)と非イオン性界面活性剤Polyoxyethylene alkylether (RAOL XA 60-50(登録商標))とを含有し、また、緩衝剤としてTris(hydroxymethyl)aminomethane-HCl pH 8.0±1.0を含むことで、イムノクロマトにおいて、反応性、ノイズ、交差性のバランスが良好になる。
一次抗体をクロマト展開用媒体に固定化(塗布)する際に用いる抗体含有溶液も同様である。蛋白質としては、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されないが、入手が容易であるとの観点からは、カゼイン、アルブミン等が好ましい。また、糖類としては、目的の細菌の検出を意図した精度で行うことができる限り特に限定されず、糖類全般を用いることができるが、入手が容易であるとの観点からは、グルコース、フルクトースのような単糖類、スクロース、オリゴ糖、デキストランのような多糖類等が好ましい。蛋白質及び糖類は、一種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの濃度は、当業者であれば適宜設計できる。検体のpHは、免疫反応の反応性に影響を与える要因となりうるため、検体抽出液、検体を希釈するための溶液、一次抗体の塗布液のpHは、5.5以上8.5以下となるように緩衝されていることが好ましい。
検査実施者は、イムノクロマトグラフィー装置21をイムノクロマトリーダ26に設置する。検査実施者はイムノクロマトリーダ26を用いてイムノクロマトグラフィー装置21を撮影する操作を行う。イムノクロマトリーダ26において、撮影画像データに対して、状態判別を実行し、設置されたイムノクロマトグラフィー装置が、検体がまだクロマト展開媒体に展開されていない検体不在状態であることを確認する。検体不在状態の画像から検査毎に個別の情報として、例えば、設置されたイムノクロマトグラフィー装置の種別、クロマト展開用媒体の上に試薬が固定(塗布)された領域の位置情報、照明の分布情報が出力され、設置されたイムノクロマトグラフィー装置21の種別に応じて検体の採取方法、採取された検体の前処理など検査実施者の作業ガイドが表示部に表示される。イムノクロマトグラフィー装置の種別とは、検査項目や検査工程の違いに基づき、イムノクロマトグラフィー装置の外形や表示の特徴などによる分類をいう。検査実施者は、表示された作業ガイドに基づき、患者から検体を採取し、前処理作業を実施する。イムノクロマトリーダ26は、検査実施者による作業の進捗を、例えば、作業実施者が入力部35を介して作業進捗情報を入力することにより検知し、作業の全工程における現作業ステップを検査実施者が把握可能な形で作業ガイドを更新する。
さらに、イムノクロマトリーダ26は前記状態判別を一定間隔で実行することにより、検査実施者が検体をイムノクロマトグラフィー装置に滴下したことによる、検体の展開状態の変化を検知し出力する。イムノクロマトリーダ26は、検査実施者が行った検査関連作業の検知結果と、イムノクロマトグラフィー装置の状態判別結果に基づき検査実施者に対し次の作業をガイドとして表示する。さらに、前記検査実施者の作業検知結果とイムノクロマトグラフィー装置の状態判別結果に基づき正しい検査結果が得られない状態である場合にはエラーや検査のやり直しなどをガイドとして表示する。
検査実施者は、検体を滴下する前にイムノクロマトグラフィー装置をイムノクロマトリーダに設置し、イムノクロマトグラフィー装置の状態判別、及び検査実施者の作業検知を行った情報を収集し、作業ガイド表示に利用する機能をもったイムノクロマトリーダを用いることで、検体採取から測定結果の入手に至るまでの検査の全プロセスにおいてユーザーフレンドリーなガイドを得ることにより検査品質を一定することが可能となる。以下、検査の全プロセスにおいて品質を一定にすることを可能とするための、ユーザーフレンドリーなガイドを可能にする、イムノクロマトリーダの構成を、詳細に説明する。
[イムノクロマトリーダ]
本実施形態のイムノクロマトリーダ26は、図3に例示するように、以下のハードウェア要素:
筐体29;
撮影部31;
情報処理部34;
表示部27;及び
入力部35;
を具備するもの、また、必要により、イムノクロマトグラフィー装置21をセットするトレイ部28、スピーカ37、記憶部38、情報端末への情報送信部39、イムノクロマトグラフィー装置21の位置や温度や湿度を検出する各種センサ36等を具備するものであることができる。
筐体29は、例えば、樹脂からなり、イムノクロマトリーダ26のハードウェア構成要素である、撮影部31、情報処理部34等を収容することができるものであれば、その形態に特に制限はない。筐体29は、必要により、トレイ部28を備える。トレイ部28は、イムノクロマトグラフィー装置21をセットするための機構を有し、これを保持することができる。トレイ部28は、図2、3に例示するように、イムノクロマトグラフィー装置21がセットされた状態で検体滴下部23に検体を滴下することができる構造を有している。クロマト展開用媒体窓25を通じて、撮影部31における発光素子32及び撮像素子33により、クロマト展開用媒体3の撮像領域24の画像を撮影することができる。
撮影部31は、発光素子32として、例えば、白色LEDを用い、例えば、金コロイドの吸収波長を含む白色光を、クロマト展開用媒体3を含む撮像領域24に照射し、CCD,CMOS等の複数のフォトダイオードが配列された構成、又はエリアセンサといった光学センサ(撮像素子33)により、光の強度を電気信号に変換することができる。尚、発光素子32としては、標識の吸収特性に応じた波長の光を照射する発光素子を用いればよい。
情報処理部34は、例えば、プロセッサー、メモリー、及びインターフェースを備えており、インターフェースを介して、例えば、表示部27、入力部35、センサ36、スピーカ37、記憶部38、情報送信部39と情報の入出力を行う。
情報処理部34では、撮影部31で得られた画像データを用いて、イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別し、該判別された状態に応じて取得するパラメータを決定し、画像データを信号処理することにより該検査固有のパラメータを算出することができる。情報処理部34では、画像データを該検査固有のパラメータを使用して、信号処理し、ラインの発色強度に基づく測定結果を出力することができる。
図4に示すように、情報処理部34では、例えば、ユーザー作業検知部、イムノクロマトグラフィー装置状態判別部、表示部に表示する作業ガイド内容を決定するガイド内容決定部を有していてもよい。
ユーザー作業検知部では、例えば、検査実施者のタッチパネル操作による検査実施者の検体採取・前処理情報、光センサによるイムノクロマトグラフィー装置設置情報、イメージセンサの出力による検体滴下作業情報を入力として、ユーザー作業を検知する。
イムノクロマトグラフィー装置状態判別部では、例えば、イムノクロマトグラフィー装置を撮影したイメージ情報を入力として、イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する。
ガイド内容決定部では、ユーザー作業検知部により検知結果と、イムノクロマトグラフィー装置状態判別部により判別結果に基づいて表示画面を選択し、表示部27に出力することができる。
撮影画像は、限定しないが8bit以上のRGBカラー画像を使用することが好ましい。
記憶部38は、試薬固定領域の位置特定処理、定性判定処理を実行する測定アプリプログラム、及びプロセッサーが該アプリにもとづく処理を実行する際に参照する情報が記憶されている。情報処理部34は、例えば、試薬固定領域の位置特定処理の結果、定性判定処理結果、並びに前記処理を実行する際に参照した情報、処理途中の情報をメモリーに記憶することができ、また、出力することができる。情報処理部34は、画像データを用いて、検査実施者作業を検出する機能を有していてもよい。また、情報処理部34は、画像データを用いて、セットされたイムノクロマトグラフィー装置の状態を検出する機能を有していてもよい。
表示部27は、図3に示すように、情報処理部34からの出力に基づき、GUI(グラフィカル・検査実施者・インターフェース)、検査結果管理(DB)、各種データの校正処理、電源管理等の各種処理を実行した結果を表示することができる。
入力部35は、例えば、タッチパネルディスプレイとすることができ、表示部27と兼ねることができる。入力部35を介して検査実施者から本実施形態のイムノクロマトリーダへの情報入力が行われる。
図3では、検査実施者により実施された作業の作業検知部をタッチパネルとして例示しているが、作業検知部はタッチパネルに限らず、光学式センサ、機械式センサ、磁気センサ、温度センサ、湿度センサ、イメージセンサであってもよい。また、作業検知部はリーダの筐体とは別の筐体に収容されてもよい。
本実施形態のイムノクロマトリーダは、必要によりセンサ36、スピーカ37、情報端末への情報送信部39、等を有し、測定終了を知らせたり、使用環境から外れる場合に通知音を発したりすることもできる。センサ36は、例えば、温度センサ、湿度センサ、イムノクロマグラフィー装置のセットを検出する光センサや物理センサであるが、これらに限定するものではない。情報端末とは、例えば、PC、タブレット、携帯情報端末を指し、リーダとの接続方式は有線でも無線でも構わない。
本実施形態のイムノクロマトリーダでは、前記情報処理部において、画像データからイムノクロマトグラフィー装置の状態を判別し、該判別された状態に基づき、イムノクロマトグラフィー装置の個別情報を算出し、次いで、該個別情報に基づき、該測定結果を算出することを特徴とする。
前記情報処理部では、前記個別情報に基づき、前記イムノクロマトグラフィー装置の使用可否の判別をさらに行うことができる。また、前記判別されるイムノクロマトグラフィー装置の状態は、前記クロマト展開用媒体の試薬固定部に対し検体が不在状態であるか又は存在状態であるかであることができる。
図4に、本実施形態のイムノクロマトリーダの機能ブロック図を示す。本実施形態のイムノクロマトリーダは検査を実施するためユーザーにより実行された作業を検知する作業検知部と、イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部と、情報処理部と、ユーザーへの作業ガイドを表示する表示部とを有し、情報処理部が、該作業検知部により検知されたユーザー作業検知結果と、イムノクロマトグラフィー装置の状態判別結果と、に基づいて次に表示する作業ガイド内容を決定し、表示部が決定された作業ガイド内容を表示する。
前記作業検知部は、タッチパネル、イメージセンサ、光学式センサ(機械式センサ、磁気センサ、温度センサ、湿度センサ)から選択される1以上のセンサによって実現され、前記イムノクロマトグラフィー装置の状態判別部は、イメージセンサ、光学式センサ(機械式センサ、磁気センサ、温度センサ、湿度センサ)から選択される1以上のセンサによって実現される。
検体とイムイノクロマトグラフィー装置の取り扱いに関するユーザーにより実行されるべき作業手順は検体採取手順、検体の測定前処理手順、イムノクロマトグラフィー装置のセット手順、及び検体の滴下手順に関する少なくとも1つの手順、並びに前記イムノクロマトリーダの操作手順(測定項目選択手順、検体選択手順を含む)であることができる。
図5は、検査時に表示部27に表示される画面の構成要素の例示である。図示された画面構成は、全体作業の流れ、及び現作業手順の位置を表示する第一エリア41、並びに「ユーザーへの通知」を表示する第二エリア42を有しており、必要によりユーザーからの入力を受け付ける第三エリア(図示せず)を有していてもよい。前記各表示エリアは分かれていることが望ましいが、互いに重複していてもよい。前記第二エリア42で表示する内容は、リーダがユーザーに対し通知を行う必要がある情報であり、現作業手順、例えば、検体とイムノクロマトグラフィー装置の取り扱いに関するユーザーにより実行されるべき作業手順、例えば、測定中といったリーダのステータス、測定結果、エラー情報などを挙げることができる。また、リーダは全体作業の流れに応じて、現作業手順の位置、ユーザーへの通知内容、ユーザーからの入力を受け付ける表示を変更することができる。
図6は、ユーザーへの通知情報として、全体作業の流れの中で現作業の位置が分かる表示、及び現作業手順の表示を行った画面の一例である。また、この画面の現作業手順の表示では、入力部からのユーザーによる指示により、簡略説明と詳細説明とを切り換えて、すなわち、説明内容を切り換えて表示することができる。
リーダの画面表示により、ユーザーに対して次の作業を促す機能は、一例として、次のような形で実施できる
[検体準備]
図2に示すように、検体準備は、例えば、綿棒を用意して検体を採取し、検体抽出液が入ったチューブを開封し、検体を採取した綿棒を検体抽出チューブに浸し、綿棒の綿球部分を検体抽出液中で揉み込み、絞りながら綿棒を検体抽出チューブから取出し、検体抽出チューブにフィルタ付キャップを取付ける、といったユーザー作業が必要となる場合がある。
本実施形態のイムノクロマトリーダの表示部は、図6に示すように、測定の全ステップのうち現ステップが検体準備ステップであることを示すエリアと、次にユーザーが行うべき作業が例えば本例では検体抽出作業であることを通知する通知エリアと、を有することができる。
検体抽出作業は測定結果に影響しうる重要なステップであり、例えば、綿棒の抽出液に浸漬する深さ、時間、揉み込む回数、綿棒の絞り方など、適切な検査結果を得るために、ユーザーに対して様々な補足情報の提供を行うことが好ましい場合がある。
その際、例えば、検体抽出作業の概要を示し、当該作業に対する捕捉情報を含めた詳細手順を別画面で用意しておき、ユーザー指示により該詳細画面の表示を行う形態をとることが可能である。
ユーザーが当該作業を終えたことは、例えば、タッチパネルや、機械センサを備えたボタンを介してユーザーが作業完了したことを入力することにより、イムノクロマトリーダは作業を検知できる。
[イムノクロマトグラフィー装置のセット]
本実施形態のイムノクロマトリーダの表示部は、測定の全ステップのうち現ステップがイムノクロマトグラフィー装置をセットするステップであることを示すエリアと、次にユーザーが行うべき作業が、例えば、検体適用前にイムノクロマトグラフィー装置をセットする作業である、ことを通知する通知エリアと、を有することができる。
本実施形態のイムノクロマトリーダは、ユーザーによりイムノクロマトグラフィー装置がセットされたことを検知する検知部と、セットされたイムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部を備えることができる。
イムノクロマトグラフィー装置がセットされたことは、例えば、フォトインタラプタなどの光センサによって検知することが可能であるが、これに限るものではなく、例えば、イムノクロマトグラフィー装置の接触を機械センサで検出する方法、イムノクロマトグラフィー装置の形状や色調などの特徴量をイメージセンサの出力解析で検出する方法、イムノクロマトグラフィー装置に磁石を搭載し磁気センサで検出する方法などが適用できる。
イムノクロマトグラフィー装置の状態の判別は、設置されたイムノクロマトグラフィー装置のクロマト展開媒体窓25の位置・サイズの状態、クロマト展開用媒体3が、検体展開前の状態であるか、検体展開済みの状態であるか、コントロールラインが発色した状態であるか、イムノクロマトグラフィー装置がセットされた向きの状態の判別のうち少なくとも1以上が実施され、状態判別結果に応じて、次に表示されるべき作業ガイドの候補の組に従って、画面の遷移が行われる。
本実施形態では、一例として以下の表1に示すように、標準的な作業の流れが、検体展開前のイムノクロマトグラフィー装置をセットするステップ、検体をイムノクロマトグラフィー装置に適用するステップ、発色測定を行うステップの順に設定される場合において、イムノクロマトグラフィー装置がセットされた時点でのイムノクロマトグラフィー装置の状態が、既にコントロールラインが発色済みの状態であると判別された場合には、検体滴下をスキップして、発色測定ステップの作業ガイドが選択されることを示す。
Figure 2022092440000002
[検体適用]
本実施形態のイムノクロマトリーダの表示部は、測定の全ステップのうち現ステップがイムノクロマトグラフィー装置に検体を適用するステップであることを示すエリアと、次にユーザーが行うべき作業が、例えば、検体抽出液の入ったチューブから検体をイムノクロマトグラフィー装置に所定の液滴数滴下する作業であることを通知する通知エリアと、を有することができる。
検体をイムノクロマトグラフィー装置に適用する際の検体液量、検体を適用するスピード、検体を追い足すことの可否など、適切な検査結果を得るために、ユーザーに対して様々な補足情報の提供を行うことが好ましい場合がある。
その際、例えば、通知エリアには当初検体適用作業の概要を示し、当該作業に対する捕捉情報を含めた詳細手順を別画面で用意しておき、ユーザー指示により該詳細画面の表示を行う形態をとることが可能である。
本実施形態では、一例として以下の表2に示すように、イムノクロマトグラフィー装置の状態の判別は、イムノクロマトグラフィー装置が備えるクロマト展開用媒体に、検体が正常に展開された状態であるか、検体の展開が完了しない展開不良状態であるかした状態であるか、の状態の判別のうち少なくとも1以上が実施され、イムノクロマトグラフィー装置の状態と作業ガイド内容の候補の組に従って、次に表示されるべき作業ガイドへの遷移が行われる。
展開不良状態と判別された場合には、前記通知エリアにエラーを示し、ユーザーに作業の是正を促すことができる。
検体適用作業の是正を行うために検体を再度準備する必要がある場合には、測定ステップは検体準備まで戻す必要があり、次に表示する作業ガイド内容を検体準備として全測定ステップにおける現ステップの位置を戻すことができる。
また、例えば、検体の色味や輝度に異常がある場合や、クロマト展開用媒体上で偏って展開された場合は、予め定めた作業検知結果とイムノクロマトグラフィー装置の状態の組に含まれないとして、ユーザーに通知し作業の是正を促す表示を行うことができる。
ユーザーにエラーを通知する手段は、前記表示部での通知以外に、光や音、他の情報端末で通知を行うことも含まれる。
Figure 2022092440000003
ユーザーにより検体がイムノクロマトグラフィー装置に適用されたことは、イムノクロマトグラフィー装置が備えるクロマト展開用媒体への検体展開を、クロマト展開用媒体部の色味や輝度の変化としてイメージセンサの出力解析により検出することが可能であるが、これに限るものではなく、例えば、検体が適用されたことによる温度変化を温度センサで検出する方法、検体が適用されたことによる湿度変化を湿度センサで検出する方法、イムノクロマトグラフィー装置に滴下される検体の液滴を光センサまたはイメージセンサで検出する方法、が考えられる。
以下、一例としてイメージセンサを用いてイムノクロマトグラフィー装置の各状態の判別方法について詳細を述べる。
情報処理部34は、撮影部31からイムノクロマトグラフィー装置を撮影した画像データを取得する。情報処理部34は、取得した画像データ上でイムノクロマトグラフィー装置のハウジング22に設けられたクロマト展開媒体窓25の位置を、例えば、窓の角部分の特徴量に基づき公知の画像処理によって検出する。ここで、クロマト展開媒体窓25の位置の検出結果を、予め記憶部38に保存した基準値と比較することにより、イムノクロマトグラフィー装置の種別及び/又は向きを特定し出力することができる。さらに、同様にクロマト展開媒体窓25の位置の検出結果を、予め記憶部38に保存した基準値と比較することにより、イムノクロマトグラフィー装置の表裏及び/又は設置位置の適否を判定し、検査実施者のイムノクロマトグラフィー装置設置作業が適切でない場合には、エラー又は作業の再試行を作業ガイドとして表示することができる。
次いで、情報処理部34は予め記憶部38に保存されたクロマト展開用媒体領域の相対位置およびサイズを読み込み、前記クロマト展開媒体窓25の位置情報を基準として抽出範囲を設定することで、クロマト展開媒体3のテストライン・コントロールラインなどの試薬固定領域を含むクロマト展開媒体領域を抽出する。
検査実施者が検体をイムノクロマトグラフィー装置に滴下すると、コンジュゲートパッドにおいて検体と標識物質が混合されてクロマト展開用媒体に展開される。情報処理部34は、検体展開の有無を判定するため、撮影部抽出されたクロマト展開媒体領域の階調値と、基準値の差又は比を求めて比較値を算出する。例えば、ここで用いる基準値は標識物質の吸収が見られない色成分とすることができ、ここで用いる階調値は標識物質の吸収が強くでる色成分とすることができる。また、他の方法として、基準値は、記憶部38に予め検体不在状態のクロマト展開用媒体の画像情報を記録しておき、情報処理部34が該画像情報を呼び出して標識物質の吸収が強くでる色成分の階調値を求めて基準値とすることができる。
情報処理部34は、記憶部38に予め記憶された閾値を呼び出し、前記抽出されたクロマト展開媒体領域の上流側で前記階調値と基準値の差又は比である比較値が閾値未満であった場合、クロマト展開媒体領域に検体は展開されていないと判定し、検体不在状態であると出力する。前記抽出されたクロマト展開媒体領域の上流側で前記階調値と基準値の差又は比である比較値が閾値以上であった場合、クロマト展開媒体領域に検体は展開されたと判定し、次いで、前記クロマト展開媒体領域の下流側で前記階調値と基準値の差または比である比較値を閾値に対して評価する。ここで、比較値が閾値未満の場合、下流まで検体は展開されていないと判定し、情報処理部34は検体展開中状態を出力する。比較値が閾値以上の場合、下流まで検体が展開されたと判定し、情報処理部34は展開完了状態を出力する。
図6に示すように、リーダの表示部に、ユーザーが次に行うべき作業を表示することでユーザーに対して次の作業(ユーザーにより実行されるべき作業手順)を促すことができる。ユーザーの作業進捗に応じて表示すべき作業内容の切り替ることは、前作業の完了をイムノクロマトリーダが検知する方法(ユーザーにより実行された作業のイムノクロマトリーダによる自動検知)と、ユーザー自身が前作業を完了したことを入力すること(ユーザーによる入力情報)との組み合わせにより達成することができる。リーダは、例えば、イムノグラフィー装置のセットを検知する機能、ユーザーによる検体滴下を検知する機能、を有してもよく、また、検体を滴下したことをユーザーが入力し、これを契機として次の作業ステップに進んでもよい。
ユーザーにより実行された作業のイムノクロマトリーダによる自動検知(イムノクロマトグラフィー装置のセット状態の検出、及び/又は、検体滴下の検知)を行う現作業手順において、該現作業手順に関する作業ステップ内での滞留時間が所定期間を超えて長くなった場合、ユーザーに次の作業手順を促す通知を行うことができる。この場合の通知は、表示部における画面表示、スピーカによる警報音、又は情報端末への情報送信のいずれか1つにより行われることができる。
ユーザーにより実行された作業のイムノクロマトリーダによる自動検知(イムノクロマトグラフィー装置のセット状態の検出、検体滴下の検出)において、ユーザー作業に誤りがあると判定する機能を有していてもよく、ユーザー作業に誤りがあると判定された場合おいて、ユーザーに作業を是正することを促すエラーを表示することができる。例えば、イムノクロマトグラフィー装置の設置向き、イムノクロマトグラフィー装置の使用期限、イムノクロマトグラフィー装置の検査項目、使用時の環境温度、使用時の環境湿度などにおいて、ユーザーによる入力内容との乖離や、予め設定された基準からの逸脱が検出された場合に該エラーを表示することができるが、ユーザー作業の誤りに関する判定項目の表示であればこれに限るものではない。
作業ステップが順調に進む場合には、リーダの情報処理部が撮像領域24の画像データに基づいてライン呈色部の読み取りを行い、結果を出力する。これらの処理方法は、既知の文献で開示されており、リーダの構成に応じて適宜採用可能である。
作業ステップが順調に進む場合には、本実施形態のイムノクロマトリーダの表示部、例えば、タッチパネルディスプレイの「測定中(残り時間カウントダウン)」画面を表示し、最終的に、「測定結果」又は「エラー」を表示することができる。
図6中の全ての画面は、作業手順として、全体作業の流れ(検体準備、テストプレートセット、検体滴下、及び測定)における現作業手順(検体準備、テストプレートセット、検体滴下又は測定のいずれか)の位置が判別可能な状態で、該全体作業フローと該現作業手順とを表示することができる。
前記したように、通知は、表示部における画面表示、スピーカによる音、又は情報端末への情報送信のいずれか1つにより行われることができる。
本実施形態のイムノクロマトリーダは、表示部に加えて、スピーカ37を具備することが好ましく、これにより音声出力によりユーザーに注意を喚起することができる。
本実施形態のイムノクロマトリーダは、リーダ外部(PC若しくはリモート端末などの情報端末)への情報送信部39として各種入出力端子、例えば、USB端子を有することができる。
本発明に係るイムノクロマトリーダは、リーダ本体の表示部に、ユーザーである医療従事者が行うべき作業手順、リーダの内部処理の進捗等を理解し易く表示することにより、ユーザーフレンドリーなものである。また、本発明に係るイムノクロマトリーダは、セットされたイムノクロマトグラフィー装置のサンプルパッドに検体が滴下された後にテストライン及びコントロールラインの呈色状態を読み取ることにより、該検体中の細菌量の測定結果を表示するものであるため、よりバラツキのない一定の反応時間後の呈色状態を測定することが可能となり、測定精度が向上する。
よって、本発明に係るイムノクロマトリーダは、ユーザーフレンドリーなPOCT診断用デバイスとして好適に利用可能である。
1 サンプルパッド
2 標識された二次抗体、及びコントロール抗体が保持されたコンジュゲートパッド
3 各一次抗体が固定されたテストライン、及びコントロール抗体に結合する抗体が固定されたコントロールラインを有するクロマト展開用媒体
4 テストライン(TL1~3)、コントロールライン(CL)
5 吸収パッド
6 基材(バッキング材)
21 イムノクロマトグラフィー装置
22 ハウジング
23 検体滴下部
24 撮像領域
25 クロマト展開媒体窓
26 イムノクロマトリーダ
27 表示部
28 トレイ部
29 筐体
31 撮影部
32 発光素子
33 撮像素子
34 情報処理部
35 入力部
36 センサ
37 スピーカ
38 記憶部
39 情報送信部
41 全体作業の流れ、及び現作業の位置を表示する第一エリア
42 ユーザーへの通知を表示する第二エリア

Claims (8)

  1. イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが実行した作業を検知する作業検知部と、
    該イムノクロマトグラフィー装置の状態を判別する状態判別部と、
    該作業検知部での検知情報と該状態判別部での判別情報とに基づきガイドする作業内容を決定するガイド内容決定部と、
    該ガイド内容を表示する表示部と
    を有するイムノクロマトリーダ。
  2. 前記ガイド内容決定部は、前記ユーザーが実行した作業と前記イムノクロマトグラフィー装置の状態との第一の組み合わせ群、及び該第一の組み合わせ群のそれぞれの組み合わせに応じた前記ガイドする作業内容の候補を記憶する記憶部、を有し、前記ガイドする作業内容は、該記憶部で記憶している該候補から選択される、
    請求項1に記載のイムノクロマトリーダ。
  3. 前記ガイド内容決定部は、前記作業検知部から得た検知情報と前記状態判別部から得た判別情報との組が、前記記憶部で記憶している前記第一の組み合わせ群の組み合わせとして存在しないときには、前記ユーザーに通知を行う、請求項1又は2に記載のイムノクロマトリーダ。
  4. 前記ガイド内容決定部の記憶部は、前記ユーザーが実行した作業と前記イムノクロマトグラフィー装置の状態との第二の組み合わせ群を記憶し、前記作業検知部から得た検知情報と前記状態判別部から得た判別情報との組が、該第二の組み合わせ群の組み合わせに存在するときには、前記ユーザーに通知を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載のイムノクロマトリーダ。
  5. 前記表示部には、前記イムノクロマトグラフィー装置を用いた検査においてユーザーが作業を行う全行程と、該ユーザーが作業を行う全工程における前記ガイドする作業工程の位置とが表示される、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のイムノクロマトリーダ。
  6. 前記状態判別部から得た判別情報に基づいて、前記ユーザーが作業を行う全工程を決定する、請求項1~5のいずれかに1項に記載のイムノクロマトリーダ。
  7. 前記状態判別部から得た判別情報に基づいて、前記イムノクロマトグラフィー装置の種別を判定し、該イムノクロマトグラフィー装置の種別に基づいて前記ユーザーが作業を行う全工程を決定する、請求項6に記載のイムノクロマトリーダ。
  8. 前記作業検知部での検知情報と前記状態判別部での判別情報とに基づき、前記ユーザーの作業によって前記全行程の一部が変更されたことを検知し、前記ガイドする作業工程の位置を変更する、請求項5~7のいずれか1項に記載のイムノクロマトリーダ。
JP2020205261A 2020-12-10 2020-12-10 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ Pending JP2022092440A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020205261A JP2022092440A (ja) 2020-12-10 2020-12-10 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020205261A JP2022092440A (ja) 2020-12-10 2020-12-10 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022092440A true JP2022092440A (ja) 2022-06-22

Family

ID=82068130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020205261A Pending JP2022092440A (ja) 2020-12-10 2020-12-10 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022092440A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10613082B2 (en) Device for performing a diagnostic test and methods for use thereof
US20220187214A1 (en) Assay reader operable to scan a test strip
CA2955804C (en) Point of care analytical processing system
JP5205354B2 (ja) クロマトグラフ測定装置
US4647531A (en) Generalized cytometry instrument and methods of use
JP4573840B2 (ja) アッセイを実施するための微小機械的方法およびシステム
CA2870635A1 (en) Device for performing a diagnostic test and methods for use thereof
JP5606285B2 (ja) 分析方法および装置
WO2013158505A1 (en) Device for performing an enzyme-based diagnostic test and methods for use thereof
US8481330B2 (en) Method for analyzing sample solution and apparatus for analyzing sample solution
US8940495B2 (en) Rapid and sensitive method for quantitative determination of the level of heparin—PF4 complex induced immunoglobulin antibodies
CN105377433A (zh) 侧流测定装置
JP2013170835A (ja) イムノクロマト用検査器具、分析装置、および分析方法
CN1849514A (zh) 颗粒凝集的检测方法和装置
EP3189331B1 (en) Apparatus and process for immunoassay tests
JP2010217074A (ja) 免疫定量測定システム
JP2012215420A (ja) 測定装置及び測定プログラム
JP5787361B2 (ja) クロマトグラフ測定方法およびクロマトグラフ測定装置
JP2022092440A (ja) 作業ガイド付きイムノクロマトリーダ
WO2012127122A1 (en) Method for performing a rapid test
JP2022092432A (ja) 測定精度を高めたイムノクロマトリーダ
JP2011214858A (ja) クロマトグラフ測定方法、並びにそれに用いる不溶性担体および測定装置
Kaur et al. Effect of storage conditions on the performance of nitrocellulose test strips used in lateral flow assays
JP2022092458A (ja) イムノクロマトグラフィー装置の読み取り方法、及び読み取り装置
Gauglitz et al. Smartphone biosensor for Salmonella and Amitriptyline