JP2010217074A - 免疫定量測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】指先血1滴の血液サンプルを用い、簡便かつ迅速に測定することが可能な免疫定量測定システムを提供する。
【解決手段】全血10ul以下で血液中の分析対象物濃度を測定可能な試験片と、小型の測定装置を用いた測定方法であり、測定装置に試験片を挿入することで測定装置の電源が入る。電源が入ると、測定装置は試験片をチェックし、測定可否の判断、測定方法のパラメータ切替を実施し、その後血液点着可能状態であることを表示し、測定者に血液検査が可能になった事を知らしめる。測定者により血液が試験片に点着されると、測定装置はその点着状態を検知し、血液量が過不足かを判断、測定に必要な血液量が点着されているのを確認すると、測定時間のカウントを開始する。測定に必要な時間が経過すると、試験片上の反応度合から、血液中の分析対象物濃度を定量し、その測定結果を表示する。測定装置から、試験片を取り除くと測定装置の電源は落とされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、免疫反応を利用して、液体試料中の分析対象物を定量する免疫定量測定システムに関するものである。
近年では、在宅医療、および医院や診療所などの地域医療の充実、さらには早期診断、および緊急性の高い臨床検査の増加などに伴い、臨床検査の専門家でなくとも、それを用いて、簡易かつ迅速に、高精度の測定を実施可能である分析装置が要望されるようになってきている。このため、煩雑な操作を伴わず、短時間で信頼性の高い測定を行うことのできる、POCT(Point of Care Testing)向けの小型分析装置が、脚光をあびている。
POCTとは、一般的に、開業医、専門医の診察室、病棟および外来患者向け診療所などの「患者の近いところ」で行われる検査の総称であり、検査結果を即座に医師が判断し、迅速な処置を施し、治療の過程や、予後のモニタリングまでを行うという診療の質の向上に大きく役立つものとして注目されている方法である。このような小型分析装置による検査は、中央検査室での検査に比べて、検体の運搬や、設備にかかるコストや、不要な検査にかかる費用を抑えることができ、トータルの検査費用の削減が可能になるといわれており、POCT市場は、病院経営合理化の進む米国では、急速に拡大中、日本をはじめ世界的にみても成長市場となっていくことが予想されている。
免疫クロマトセンサに代表されるような乾式の分析素子としてのバイオセンサは、試薬の調整を必要とせず、測定対象となる血液や尿などの液体試料を、バイオセンサ上に滴下するなどの簡単な操作のみにより、該液体試料に含まれた分析対象物を分析することが可能なものであり、液体試料中の分析対象物を簡便かつ迅速に分析するのに非常に有用なため、POCTの代表として今日、各種診療所および一般外来、病棟、救急外来、救急現場などで多数実用化されている。
抗原抗体反応を用いるバイオセンサは、感知反応が高度の特異性と強い結合力で行われるので、極めて低い濃度で存在する生理活性物質の分析において、他の試験片より優れた特性を示す。今日では、この原理を用いて、妊娠診断薬や癌マーカー診断薬、心筋マーカー診断薬などの数多くの診断薬が市販され、医療現場にて用いられている。
バイオセンサの一般的な構成の一例を図7、図8に示している。図7(a)〜(c)に示すように、バイオセンサの一般的な構成は、PETシートなどの基板1上に、ニトロセルロースやガラス繊維濾紙などの多孔質担体からなり、分析対象物と特異的に反応する試薬を固定化した固定化反応部3が一部に設けられた展開流路2と、分析対象物及び固定化試薬と特異的に反応する試薬を標識した標識試薬が液体試料の浸透によって溶出しやすいよう液体透過性の材料に保持された反応試薬担持部4と、反応試薬担持部4上あるいは反応試薬担持部4よりも展開方向の上流側に配設されて液体試料を添加する試料添加領域5と、展開した液体試料を展開方向の下流領域で吸水する吸水部18とが設けられた構成とされている。そして、基板1上において、展開方向の上流側から順番に、試料添加領域5の下流端に反応試薬担持部4の上流端が接触され、反応試薬担持部4の下流端に展開流路2の上流端が接触され、展開流路2の下流端に吸水部18の上流端が接触されるように配置されている。ここで、基板1以外の試験片構成部材(試料添加領域5、反応試薬担持部4、展開流路2および吸水部18)は、全て液体透過性の材料で構成されている。多くの場合、このバイオセンサは、図8に示すように、固定化反応部3と試料添加領域5との一部が外部に露出されるよう、試料添加部12と結果確認窓22が設けられた液体不透過性材料からなる中空ケーシング21の内部に収容された状態で構成されている。
このバイオセンサにおける血液などの液体試料の流れおよび測定原理について説明する。まず、液体試料を試料添加部12に添加する。添加された液体試料は、試料添加領域5全体に拡がり、試験片の構成材料材質による毛細管現象によって吸水されながら展開していく。試料添加領域5から展開して反応試薬担持部4に到達した液体試料は、標識試薬を溶出しながら更に下流方向へと展開して、展開流路2内を展開する際に固定化反応部3を通過し、さらに下流領域まで展開して吸水部18へと吸水されていく。ここで、液体試料中に分析対象物が含まれている場合、分析対象物は、反応試薬担持部4に達した時点で、まず、標識試薬との特異的結合反応により、「標識試薬−分析対象物の複合体」を形成する。この「標識試薬−分析対象物複合体」は、液体試料とともに展開流路2へと展開し、更に固定化反応部3に到達する。固定化反応部3において「標識試薬−分析対象物複合体」は固定化試薬とも特異的結合反応を生じ、「標識試薬−分析対象物−固定化試薬複合体」を形成する。そして、固定化反応部3において、分析対象物の濃度に応じた標識試薬由来の呈色反応を結果確認窓22から確認することができる。この構成に代表される一般的なクロマト試験片は、市場では病院用・一般家庭用など広く流通している。なお、ここでは免疫反応の例として「標識試薬−分析対象物−固定化試薬複合体」を形成するサンドイッチ反応を例に測定原理を述べたが、競合反応もしばしば利用されている。
一方、免疫測定方法ではないが、現在究極のPOCTとして位置づけられるものに、血中グルコース測定セルフモニタリング(SMBG)がある。これは、いつでもどこでも簡易迅速に糖尿病患者の血糖値を測定するシステムであり、医師あるいは患者自身が指先を尖刺することで微量の血液を出し、測定装置にセット(装着)されている試験片へ点着する操作のみで短時間に血糖値を測定することを可能としている。
特許文献1や特許文献2では、この血液中のグルコース濃度を測定する方法として、1μL以下の血液を保持することが可能な血液添加部(キャピラリチャンバ)と、血液添加部に臨んで設けられた電極、少なくとも作用極との接触している酵素とメディエーターとを含む試薬層、とを備えた試験片が開示されており、血液を試験片の血液添加部に与えると、血液添加部内で血液が保持されて、速やかに試薬層の試薬と反応し、10秒後に酸化還元反応によって生じた電子の量を測定することで血液中のグルコース濃度を定量する方法が報告されている。
この方法によれば、電極を用いた血液中のグルコース濃度を微少血液にて簡易迅速に測定することが可能であることがわかる。
血中グルコースセルフモニタリングは、糖尿病患者の血液中のグルコース濃度の状況を把握することが目的であることから、その操作方法は非常に簡便であり、試験片を測定装置にセットすると、測定装置の電源が入り、血液を試験片に点着する操作だけで、10秒後には血糖値が測定装置に表示される非常に簡単な仕組みとなっており、現在では多くの糖尿病患者が自身の血中グルコース濃度の把握を行うために、世界中で広く使用されている。
しかしながら、この方式をバイオセンサにおいて実現することはできなかった。なぜならば、電極を用いた血液中のグルコース濃度測定の場合には、血液が電極上の所定箇所に保持されたままであるとともに、電極を有する構造であるので、比較的容易に血液が電極上の所定箇所に添加(点着)されたことを検知できるのに対して、バイオセンサの場合は、添加された血液は、一部分に保持され続けるのではなく、速やかに展開流路を展開していくため、従来構造ではバイオセンサに血液が添加(点着)されたタイミングを検知することができない。また、血液が添加(点着)されたタイミングを検知しなくては、実際に添加されてからの時間を正確にカウントすることは困難であった。
図9に、一般的な免疫測定システムの操作の一例を示す。まず始めに、手動にて測定装置の電源をONする。電源が入った後に、測定装置に試験片をセットする。その後、測定装置のボタンを操作し、試験片のセットが完了したことを測定装置に入力する。次に、測定に必要なサンプル量を試験片へ添加する。添加後直ちに、測定装置のボタン操作を行い、サンプルが試験片へ添加されたことを測定装置へ入力する。測定装置は、サンプル添加のボタン操作がなされた事を認識した後に、測定に必要な時間のカウントを開始する。測定時間になると、試験片上の反応度合の情報をもとに、測定装置は分析対象物の定量測定を行い、分析対象物濃度を表示する。測定後は、試験片を測定装置から取り除いた後に、手動で測定装置の電源を落とす。
この様に、現在市販されている免疫定量測定システムの多くは、測定装置にセンサをセットし、セットしたことをボタン操作にて指示、サンプル滴下後測定装置における測定開始ボタンを押す。測定ボタンが押された後から一定時間後に、センサ上の反応度合を測定し、分析対象物濃度が表示される方法、あるいは、バイオセンサを予め測定装置にセットするのではなく、一定量の血液をセンサへ添加した後に、測定装置へセットし、その後測定開始のボタンを押すと、ボタン操作から一定時間後に、分析対象物濃度を表示する方法のいずれかが取られており、バイオセンサに血液を点着する前に、バイオセンサを予め測定装置に装着する構成である場合では、測定装置に、バイオセンサを装着して測定を開始させるためのスタートボタンを設けて、液体試料(血液)をバイオセンサに添加すると同時に、前記スタートボタンを押す作業が必要である。また、バイオセンサに液体試料を添加した後に、このバイオセンサを測定装置に装着する構成である場合では、測定装置に装着したタイミングから測定時間のカウントを開始するため、液体試料を実際に添加したタイミングから多少の誤差が生じる。これらの理由から、電極を持たないバイオセンサを用いての特許文献1及び2のような簡便測定の手段を用いることは、測定タイミングの誤差を生じ、ひいては測定結果の誤差を生じるので、定量精度に大きな課題があった。
従来の簡易免疫測定方法として、特許文献3には、ハウジングと、ハウジング内に配置された論理回路と、ハウジングに配置されたビジュアルディスプレイと、ハウジング内に配置された測定システムとを備える体液検体計測器と、少なくとも1つの側方流アッセイ・テスト・ストリップを備えているカートリッジが開示されている。前記側方流アッセイ・テスト・ストリップは、側方流輸送マトリックスと、流体状試料を受取り、特異結合アッセイを実行して検出可能応答を生成するための輸送マトリックス上の特異結合アッセイゾーンと、流体状試料を受取り、一般化学アッセイを実行して検出可能応答を生成するための輸送マトリックス上の一般化学アッセイゾーンとを有している。また、カートリッジは、体液検体計測器内に受入可能で、測定システムが側方流アッセイ・テスト・ストリップ内の特異結合アッセイゾーンおよび一般化学アッセイゾーンにおける応答を検出する位置にくるような寸法を有する体液検体計測器を有しており、これらにより、体液検体計測器とカートリッジとの複合システムが構成されている。
この複合システムによれば、体液検体計測器とカートリッジとを用いることによって、特異結合反応と一般化学アッセイとが測定可能なアッセイを、より正確に測定することが可能であると記載されている。
米国特許第7276146号明細書 米国特許第7276147号明細書 特表2007−528005号公報
しかしながら、特許文献3に開示されている複合システムにおいて、カートリッジを体液検体計測器にセットする際、及びセットしてから以降、測定開始するための手段や測定開始時の具体的な操作方法については、「試料がカートリッジに加えられたときに、またはカートリッジがハウジング内に受け入れられたときに計測器をアクティブに構成されている自動スタート回路も、備えることができる」と記載されてはいるが、その具体的な方法や過程については何ら開示も示唆もされていない。また、較正パラメータを予め計測器にプログラムしておく、あるいはカートリッジに予め格納しておく等の方法が挙げられているものの、較正パラメータの選択手段や、較正パラメータを用いての測定方法についての具体的な手段については、何ら記載されていない。更に、試料がアッセイデバイスに適用される前に、ある種の試料処理、つまり前処理を必要とした従来技術のシステムの制限を回避しているものの、試料処理の例として、血液分離、正確で精度の高い体積測定、干渉する物質の除去、希釈などがあり、それとは別に、試料は、試料処理を行う他のデバイスから抽出することが可能であり、この様な処理は、本発明により除外されないとある。
すなわち、前記特許文献3に開示されている複合システムにおいて、測定方法の簡略化及び高精度化に関する具体的な記載は、一切なされておらず、前記特許文献3を用いても、測定試験片の計測、測定時間の正確な計測を行い、正確な定量測定を実施するという課題は何ら解決されていない。
具体的には、血液などの検体を添加すると同時に、スタートボタンを押すことで、測定が開始される構造を採用した場合には、正確な測定のためには、毎回、検体である血液の添加とスタートボタンを押すタイミングとを一定にする必要があり、もしも、このスタートボタンを押すことを忘れた場合は、測定時間が不明となり、測定に必要な時間を正確に遵守できないことから、測定される結果の正確性が大きく損なわれる。また、場合によっては、テスト要素の測定を行う際に、テスト要素が測定に適していない状態となっていることもあり、この場合には、測定不能状態となるおそれや、著しく測定誤差を発生する可能性もある。
また、上述したように、クロマト試験片に液体試料を添加した後に、このクロマト試験片を測定装置に装着する構成を採用した場合では、測定装置に装着したタイミングから測定時間のカウントを開始するため、液体試料を実際に添加したタイミングから多少の誤差が生じる。これは、免疫測定における、性能が悪い一要因でもあり、テスト要素及び検体の添加状態を識別し、測定が正確に行われる状態であるか否かを判断した後に、測定を進めていく必要性があった。
本発明は上記課題を解決するもので、バイオセンサと測定装置を利用して血液中の分析対象物を定性あるいは定量する免疫測定システムにおいて、人手を煩わせること無く、しかも良好に測定を開始できて、測定結果の信頼性を向上させることができる免疫測定システムを提供することを目的とするものである。
前記課題や問題を解決するために、本発明の免疫定量測定システムは、免疫反応を利用して、液体試料中の分析対象物を定量するための免疫定量測定システムであって、少なくとも、免疫反応が行われる使い捨てのバイオセンサと、前記バイオセンサにおける反応度合を測定するための測定装置とからなり、前記測定装置に前記バイオセンサをセットすると、前記測定装置の電源が入り、前記測定装置にセットした前記バイオセンサに前記液体試料を点着し、前記液体試料を点着すると、測定時間のカウントが自動的に開始され、前記液体試料の点着から、一定時間後に前記バイオセンサ上の反応度合を測定し、前記液体試料中の前記分析対象物の存否あるいは濃度を算出し、その結果が前記測定装置に表示されることを特徴とする。
この構成により、試験片セットや、液体試料の添加などの操作が完了したことを知らせ、次の操作へ移行させるためのボタン操作を必要とすることなく、センサをセットし、適当量の液体試料を添加する操作のみで、液体試料中の分析対象物の分析を行う事が可能である。また、試験片をセットするのみで測定装置の電源が入る事から、測定を実施しない際に、装置の立ち上げ状態のまま待機させていた事による、消費電力をカットすることが可能になる。その為、操作に精通しなくては測定が行えなかった免疫定量測定が、いつでも・どこでも・誰でも簡易迅速に操作することを実現できる。
また、バイオセンサに液体試料を添加した際に、測定開始用のスタートボタンを押し忘れて、測定される結果の正確性が欠けたり、測定開始ボタンを押し忘れにより再測定を余儀なくされる不具合が無くなる。また、バイオセンサを測定装置に装着したタイミングから測定状態を監視し測定時間をカウント開始するため、バイオセンサに液体試料を添加した後に、このバイオセンサを測定装置に装着する構成を採用した場合のように、液体試料を実際に添加したタイミングから多少の誤差が生じるという不具合を生じることが無い。この結果、測定時間のばらつきによって発生していた測定誤差を確実になくすことができて、高精度な測定を実現できる。
なお、ここで示す免疫反応が行われる使い捨てバイオセンサとは、抗原抗体反応を利用して、液体試料中の分析対象物を分析することが可能な試験片の事である。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置の電源が入った後に、前記測定装置は前記バイオセンサの状況を確認し、測定可能状態であるか否かを判定し、測定可能である場合は、液体試料可能状態であることを、測定不可能である場合は、測定不可能であることを、測定を行おうとする者に知らしめることを特徴とするものである。
この構成により、液体試料をバイオセンサに添加する前に、バイオセンサが測定に適した状態であるかどうかを測定装置が判定し、知らせる事ができるため、測定に不適切な状態のバイオセンサを用いて測定を行う事を回避することが可能となり、信頼性の低い測定結果を出力するというような不具合の発生を防止できて、測定の信頼性を向上させることができる。
なおここで示す測定不可能である状態とは、バイオセンサが使用済であったり、使用期限切れであったり、的確に装置内へバイオセンサが配置されていない状態など、任意の状態が挙げられ、測定を行おうとする者に知らしめる方法としては、文字表示や音声など、任意の方法がある。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記バイオセンサに添加されたあるいは、添加される前記液体試料を検知し、添加された前記液体試料が、正確な測定を行うに十分な量を満たさない場合は、前記液体試料が不足している旨を知らしめることを特徴とするものである。
この構成により、添加部へ血液が適量に添加されたかどうかを判定することができ、血液が不足しているにもかかわらず測定を実施し、信頼性の低い測定結果を出力するというような不具合の発生を防止できて、測定の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記測定装置の電源が入った後に、前記バイオセンサの状況を確認し、前記バイオセンサ固有の情報を読み取り、前記情報をもとに、測定条件を切り替えるなど、定量測定のための準備を整える制御手段を備える事を特徴とするものである。
この構成により、従来であれば、予め手動にて測定装置を操作し測定条件を切り替える、あるいは、測定前に測定条件や較正パラメータが入力されたキャリブレーションチップを入れ替える等の作業により、1つの測定装置にて様々な異なる測定項目を測定する際に対処してきたが、この煩雑な作業を解消することができ、測定後の異常値結果に慌てて測定モードの切換が行えていなかったことを認識し、再測定を行わなければならないなどのミスを解消することも可能となることから、いつでも・どこでも・誰でも簡易迅速に測定できる測定システムを提供することが実現できるばかりでなく、より信頼性の高い測定結果を提供することが可能となる。
なお、ここで示すバイオセンサ固有の情報とは、バイオセンサの測定項目や、定量測定のためのパラメータあるいはアルゴリズム、バイオセンサの製造年月日やロット番号、使用の有無など、バイオセンサ由来の任意の情報があげられる。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、測定を行うための前記液体試料が、血液であることを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、測定を行うに十分な前記液体試料の体積が、10uL以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、測定時間が5分以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置には少なくとも、前記バイオセンサがセットされた事を検知して前記測定装置の電源が自動で入るための装着状態検知センサと、前記バイオセンサに前記液体試料が一定量添加されたか否かを検知する添加状態検知センサと、前記バイオセンサ上の反応度合を測定するための測定手段と前記測定装置の動作を制御し、定量演算を行い、測定結果を測定結果出力手段に出力させる制御手段とが備えられている事を特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、測定手段が前記添加状態検知センサの役割も果たすことを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置にセットされている前記バイオセンサを取り除くと電源が自動で落とされる事を特徴とするものである。
この構成により、電源のオン、オフをバイオセンサの挿入によりコントロールすることが可能になるので、手動での作業を削減することが可能となり、測定装置の簡便性を高めることができるばかりか、測定装置を使用しない場合に、電源ON状態で待機させることで発生していた消費電力を大きく削減可能となる。
なお、前記測定装置の電源は、例えば試験片のセットを検知することが可能なセンサにより、試験片のセットを検知することで電源入力を可能とするなど、様々な方法がある。更に検知センサの位置も、試験片挿入の検知ができる任意の場所への設置が可能である。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置における前記添加状態検知センサと測定手段の少なくともいずれか1方は、光学的検知手段であることを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記バイオセンサに添加される前記液体試料が、指先血であることを特徴とするものである。
また、本発明の免疫定量測定システムは、前記免疫定量測定システムにおいて、前記バイオセンサは、少なくとも前記液体試料が添加される添加部と、展開流路と、固定化反応部と反応試薬とを有する試験片であることを特徴とするものである。
この構成により、免疫反応を用いて液体試料中の分析対象物を測定するバイオセンサにおいてはB/F分離が必要とされる反応原理を、十分実現できることが可能であり、液体試料は添加部に添加することで、展開流路を展開し、測定が行われることから、簡便性及び、信頼性の高い測定結果の提供が実現可能となる。
なお、ここで示す展開流路とは、毛細管力で液体が移動可能な任意の材料または構成を有するものでよく、例えば微細空間で形成された流路や、微細柱(ナノピラー)の形成された微細流路、多孔質膜やガラス繊維濾紙などの任意の液体透過性材料が挙げられるが、好ましくはその展開流路は単層であるのがよく、ニトロセルロースに代表されるメンブレンフィルタや、ガラス繊維濾紙、セルロース濾紙、液体不透過性材料などで形成される微細流路など何を用いてもよい。
また、ここで示す反応試薬とは、血液サンプル中の分析対象物に対して特異的反応が可能なトレーサー(ここで示すトレーサーとは、リガンド部分及びこのリガンド部分に結合した検出可能な標識部分のことであり、検出可能な標識は多種多様な検出が可能な標識の何れであってもよいが、本発明の好ましい形態においては各種の色原体、例えば蛍光性物質、吸収性色素や発光物質、不溶性粒状担体、例えば金属コロイドやラテックス粒子などを用いるとよい。)など、分析反応に関与する試薬を少なくとも含んでおり、一般試薬を含んでいてもよく、その担持部位は少なくとも1つ以上である。
以上のように本発明によれば、免疫反応を利用して、液体試料中の分析対象物を定量するための免疫定量測定システムにおいて、少なくとも、免疫反応が行われる使い捨てのバイオセンサと、前記バイオセンサにおける反応度合を測定するための測定装置とからなり、前記測定装置に前記バイオセンサをセットすると、前記測定装置の電源が入り、前記測定装置にセットした前記バイオセンサに前記液体試料を点着し、前記液体試料を点着すると、測定時間のカウントが自動的に開始され、前記液体試料の点着から、一定時間後に前記バイオセンサ上の反応度合を測定し、前記液体試料中の前記分析対象物の存否あるいは濃度を算出し、その結果が前記測定装置に表示され、分析対象物が定量測定される。
このように、測定装置にバイオセンサをセットし、液体試料を添加する操作のみで、自動的に免疫測定を実施することが可能となり、簡便かつ迅速に測定することができる。
しかも、従来のように、測定装置の電源を押し忘れたり、測定開始用のスタートボタンを押し忘れて、測定される結果の正確性が欠けたり、再度、液体試料とバイオセンサを用意し再測定しなければならなかったりする不具合を生じることが無いので、信頼性が向上するばかりか、また、測定開始ボタンを押す手間も省けるので、使い勝手も大変良好となる。また、バイオセンサに液体試料を添加した後に、バイオセンサを測定装置に装着する構成を採用した場合のように、液体試料を実際に添加したタイミングから測定が開始されるまでに、多少の誤差が生じるという不具合を生じることが無いので、測定時間のばらつきによって発生していた測定誤差を確実になくすことができて、高精度な測定を実現することができる。
また、本発明によれば、免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置の電源が入った後に、前記測定装置は前記バイオセンサの状況を確認し、測定可能状態であるか否かを判定し、測定可能である場合は、液体試料可能状態であることを、測定不可能である場合は、測定不可能であることを、測定を行おうとする者に知らせる。
このように、液体試料をバイオセンサに添加する前に、バイオセンサが測定に適した状態であるかどうかを測定装置が判定し、知らせる事ができるため、測定に不適切な状態のバイオセンサを用いて測定を行う事を回避することが可能となり、信頼性の低い測定結果を出力するというような不具合の発生を防止できて、測定の信頼性を向上させることができる。
また、本発明によれば、免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記バイオセンサに添加されたあるいは、添加される前記液体試料を検知し、添加された前記液体試料が、正確な測定を行うに十分な量を満たさない場合は、前記液体試料が不足している旨を知らせる。
このように、添加部へ血液が適量に添加されたかどうかを判定することができ、血液が不足しているにもかかわらず測定を実施し、信頼性の低い測定結果を出力するというような不具合の発生を防止できて、信頼性を向上させることができる。
また、本発明によれば、免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記測定装置の電源が入った後に、前記バイオセンサの状況を確認し、前記バイオセンサ固有の情報を読み取り、前記情報をもとに、測定条件を切り替えるなど、定量測定のための準備を整える制御手段を備える。
このように、従来であれば、予め手動にて測定装置を操作し測定条件を切り替える、あるいは、測定前に測定条件や較正パラメータが入力されたキャリブレーションチップを入れ替える等の作業により、1つの測定装置にて様々な異なる測定項目を測定する際に対処してきたが、この煩雑な作業を解消することができ、測定後の異常値結果に慌てて測定モードの切換が行えていなかったことを認識し、再測定を行わなければならないなどのミスを解消することも可能となることから、いつでも・どこでも・誰でも簡易迅速に測定できる測定システムを提供することが実現できるばかりでなく、より信頼性の高い測定結果を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置にセットされている前記バイオセンサを取り除くと電源が自動で落とされる。
このように、電源のオン、オフをバイオセンサの挿入によりコントロールすることが可能になるので、手動での作業を削減することが可能となり、測定装置の簡便性を高めることができるばかりか、測定装置を使用しない場合に、電源ON状態で待機させることで発生していた消費電力を大きく削減可能となる。
また、本発明によれば、免疫定量測定システムにおいて、前記バイオセンサは、少なくとも前記液体試料が添加される添加部と、展開流路と、固定化反応部と反応試薬とを有する試験片である。
このように、免疫反応を用いて液体試料中の分析対象物を測定するバイオセンサにおいてはB/F分離が必要とされる反応原理を、十分実現できることが可能であり、液体試料は添加部に添加することで、展開流路を展開し、測定が行われることから、簡便性及び、信頼性の高い測定結果の提供が実現可能となる。
以下、本発明に係る免疫測定システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る免疫試験片測定装置100に、バイオセンサ120を装着した状態を示し、バイオセンサ120は、免疫試験片測定装置100に対して装着自在に構成されている。
まず、図6を参照しながら、本発明の免疫測定システムにおける免疫試験片測定装置100に装着されるバイオセンサ(以下、試験片と略す)120について説明する。なお、試験片120の構成については、以下の構造に限るものではなく、添加部と展開流路と固定化反応部と反応試薬とを有し、免疫反応を用いて、液体試料中の分析対象物の定量測定を行うものであれば何でもよい。
図6(a)〜(c)に示すように、試験片120は、液体試料(検体)が添加(点着)される添加部(点着部)12と、液体試料に反応する反応試薬14と、反応試薬14が混在する液体試料あるいは、反応試薬と反応した液体試料を展開する展開流路2と、添加部12および展開流路2を支持する支持体としての基板1とを有し、免疫反応を用いて、液体試料中の分析対象物の存否あるいは濃度を測定する。添加部12は、液体不透過性材料からなる空間形成材8により微細な添加空間9を囲むことで構成されている。そして、添加部12における空間形成材8の添加空間9に臨む箇所に、標識試薬を含む反応試薬14が、添加空間9に添加された液体試料に溶け出し可能な状態で保持されている。なお、反応試薬14には、標識試薬に加えて、血球などの細胞成分を収縮させる細胞収縮剤を含む構成とされても何ら問題なく、その他任意の試薬が含まれていてもよい。
展開流路2の一部には、特異的タンパク質が固定化された、測定領域としても用いられる固定化反応部3が設けられている。なお、展開流路2の表面は、液体の展開方向の下流端領域(下流端とも称す)にある開放部10を除いて、展開上流領域から少なくとも固定化反応部3を含む展開下流領域まで、液体不透過性材料からなる液体不透過性シート7で覆われている。展開上流領域には、上記した、液体不透過性材料からなる空間形成材8により微細な添加空間9を囲むことで構成された添加部12が設けられている。図6(b)に示すように、添加空間9は液体試料を一定体積吸引する(この実施の形態では毛細管現象により液体試料を一定体積吸引する)ための、展開上流端にあたる空間であり、この添加空間9の先端は、液体試料をバイオセンサに供給するための開口部11とされている。また、添加空間9への毛細管力を促進するための空気孔13が、添加空間9を形成する空間形成材8の一方の端部(下流領域)における上面部分に開口されて形成されている。
なお、添加部12を形成する空間形成材8と、展開流路2の表面を覆う液体不透過性シート7とは、何れも透光性を有する材料で構成されており、後述するように、試験片120の添加部12に液体試料が添加されたことの検知動作や、試験片120の展開流路2や固定化反応部3に対する測定動作が良好に行われるよう図られている。また、この実施の形態では、試験片120の展開上流領域のみ試験片120の底面部(支持体)をなす基板1の上に、添加空間9の厚み寸法を調整するスペーサとして機能する補助基板1’が重ねられて配設されている場合を示しているが、これに限るものではない。
この試験片120が装着される免疫試験片測定装置100は、以下のような構成とされている。
図1〜図3に示すように、免疫試験片測定装置100は、試験片120が、免疫試験片測定装置100に装着されたことを検知する装着状態検知手段としての装着状態検知センサ101と、当該免疫試験片測定装置100に装着された試験片120の添加部12に、血液が添加されたことを検知する添加状態検知手段としての添加状態検知センサ102と、試験片120の展開流路2および固定化反応部3に対する測定を行うCCDなどからなる測定手段103と、測定結果を表示する測定結果出力手段としての表示部104と、これらの添加状態検知センサ102や測定手段103からの情報を入力して測定結果を表示部104に表示させる制御部111とを備えている。なお、制御部111はマイクロコンピュータなどから構成され、図示しないが、タイマーなどのカウンタ機能や各種データを記憶する記憶部機能も有している。
試験片120は、免疫試験片測定装置100の筐体部(ケース部)105に装着された際には、試験片120の添加部12だけが、外部に露出して突出するように構成されており、試験片120の添加部12に対して、直接血液Aを添加(点着)させることができるよう構成されている。また、添加部12の添加状態を検知する添加状態検知センサ102は、添加部12に臨む箇所に配設されていればよく、筐体部105の外側でも内側でも何ら問題ない。
さらに、免疫試験片測定装置100の筐体部105の内部において、試験片120の展開流路2における固定化反応部3に向けて臨むように、光を照射するLEDなどからなる照射手段107と、前記測定手段103とが配設されている。なお、添加状態検知センサ102や測定手段103は、上記構成に限るものではなく、イメージセンサやフォトダイオードなど画像を出力できるものや明るさを認識できるものであればよい。また、添加状態検知センサ102と測定手段103とは、個別に設置するのではなく、測定手段103が、添加状態検知センサを兼ねるような構成にしても、何ら問題はない。
なお、図1に示すように、免疫試験片測定装置100は、手のひらに載せることができるような、持ち運び可能で、小型サイズで軽量タイプのものとされている。したがって、机の引き出し・鞄・あるいはポケットなどに収納可能な大きさのものであり、診療所におけるデスクサイド・往診先・救命救急医療現場・健康診断会場や旅行先等へも携帯が可能であり、いつでもどこでも誰でも測定可能である。
上記構成における、免疫試験片測定装置100による測定工程における制御部111の制御動作について図4を参照しながら説明する。免疫試験片測定装置100に試験片120が装着されると(Step11)、装着状態検知センサ101が検知し、電源がON状態となる。ここで、測定手段103あるいは、添加状態検知センサ102が、試験片120を確認し、1)未使用のセンサが、装置内の定位置に装着されているかどうかの識別、2)試験片120の測定項目及び較正パラメータの識別、3)試験片120の製造年月日あるいはlotと番号などのセンサに関する識別を行う。1)において使用済みセンサである場合や正確に試験片が装着されていない場合、2)において挿入されたセンサがその測定装置にて測定不可の場合、3)において使用期限が切れている場合等においては、測定不可であることを測定者へ知らしめるための表示を、表示部104へ表示される。あるいは、音声による通知でも、何ら問題はない。1)2)3)において、いずれも可能である場合は、2)において識別した測定項目へ、測定装置の測定モードや較正パラメータを切り替え、測定の準備を行う。尚、ここで示す較正パラメータとは、検量線や補正式、分析用アルゴリズムなど、定性及び定量測定を正確に行うための任意のパラメータを示す。また、測定項目やこれら較正パラメータは、バーコードなどの暗号化された任意の識別手段を試験片に組み込んでおく、あるいは直接試験片に、測定項目名や較正パラメータの数値を記載したものを測定装置が直接読み取る、またセンサ形状パターンから識別するなど任意の方法が挙げられる。
測定装置における測定準備が完了すると、表示部104に、液体試料(検体)を添加して良い旨を通知する表示がなされる。一方、測定装置では、添加部12における液体試料の検知動作が開始される(Step12)。
測定者により、免疫試験片測定装置100に装着された試験片120における添加部12に液体試料が添加されると、毛細管流によって添加部12の添加空間9へ液体試料が吸引されて保持される。この添加部12の添加空間9へ液体試料が吸引される状態を制御部111は、添加状態検知センサ102を介して監視しており(Step13)、添加された液体試料量が測定を行うための必要量に達しなかった場合は、添加量が不足している(NG)として判断し、添加部12への液体試料の添加のやり直しを指示する(Step14)。このやり直しの指示は、例えば、表示部104に、「センサを再度セッティングし、液体試料の添加をやり直してください」と表示する。もし、添加部12内に保持された液体試料量が、測定を行うに十分な量であれば、必要一定量の液体試料が保持された(OK)と判断し、測定を行う次のステップ(Step15)へと進む。
添加量が十分量であると判断された場合には、良好判断と同時に自動的に液体試料添加からの時間のカウントを始め(Step15)、測定開始時間に達した場合には、Step16からStep17に進み、制御部111の記憶部などに予め保存されている、測定を行うために必要なアルゴリズムに基づいて、任意のタイミングに任意の情報が収集されて測定動作が行われる。収集された情報は、さらに分析のためのアルゴリズムに基づいて、演算処理され(Step18)、液体試料中の分析対象物濃度、あるいは分析対象物の存否が表示される(Step19)。
なお、図2においては、添加状態検知センサ102は、筐体部105の内部に存在するよう構成されている場合を示したが、筐体部105の外部に存在するよう構成しても何ら問題ない。
このように、本発明の実施の形態によれば、図6に示す試験片120を、図1〜図3に示すような免疫試験片測定装置100に装着した状態で、液体試料を試験片120の添加部12に添加することで、自動的に測定が行われ、分析結果が表示される。これにより、液体試料を添加部12に添加する操作のみで、自動的に免疫測定を実施することが可能となり、簡便かつ迅速に測定することができる。
しかも、従来のように、測定開始用のスタートボタンを押し忘れて、測定される結果の正確性が欠けたり、再度、試験片をセッティングして再測定しなければならなかったりする不具合を生じることが無いため、信頼性が向上し、また、スタートボタンを押す手間も省けるので、使い勝手も大幅に向上される。
また、試験片に液体試料を添加した後に、この試験片を測定装置に装着する従来構成を採用した場合のように、液体試料を実際に添加したタイミングから測定時間がカウントされるまでの間に多少の誤差が生じるという不具合の発生が回避されるので、測定時間のばらつきによって発生していた測定誤差を確実になくすことができて、高精度な測定を実現することができる。
なお、上記の実施の形態では、測定する際には、新たな試験片120を免疫試験片測定装置100に装着(セット)することが必要な免疫試験片測定装置100の場合について説明したが、これに限るものではない。つまり、免疫試験片測定装置に、少なくとも1つ以上の試験片を内蔵する構成、あるいは試験片の内蔵された試験片ホルダを免疫試験片測定装置に内蔵する構成を採用し、前記のように、免疫試験片測定装置に内蔵された試験片に対して、挿入孔などを通して指を挿入するなどして、試験片の添加部に液体試料を添加する、あるいは試験片ホルダから試験片の添加部の一部が測定可能なように測定装置に装着され、添加部における液体試料を実際に添加する部分である開口部のみが測定装置の筐体部の外部に飛び出し、その試験片の添加部に液体試料を添加するなど任意の方法によって、自動的に測定開始させても何ら問題はなく、測定手段により分析対象物濃度あるいは存否を判断するための情報収集から演算処理の方法についても、任意の方法を用いて何ら問題はない。
また、上記のように、試験片120を内蔵したり、試験片120の添加部12における開口部11以外の部分が筐体部105の内部に位置するように配設した場合には、上記のように、添加状態検知手段と測定手段とを個別に設けてもよいが、これに限るものではなく、添加状態検知手段と測定手段とを1つの手段によって兼用するとともに、その検知あるいは測定する範囲となる向きを変更可能(あるいは、試験片を移動可能)に構成し、添加状態を検知する際には、添加部12の状態を検知し、この後、添加されたことが検知された後には、固定化反応部3を測定できるように、添加状態検知手段(測定手段)または試験片を相対移動させてもよく、これによれば、添加状態検知手段と測定手段とを兼用することができるので、それぞれ別個に設ける場合と比較して、製造コストをさらに低減させることが可能となる。
図5は、本発明に係る免疫測定システムの実施例の1つであり、以下図5の図面を参照しながら、血液を用いて血液中のCRPを測定する場合の定量測定について詳細に説明する。尚、ここで示す実施の形態は、あくまでも一例であって、必ずしもこの実施例に限定されるものではない。
免疫試験片測定装置100に試験片120が装着されると(Step11)、装着状態検知センサ101により検知され、電源がON状態となる。ここで、測定装置における測定手段103が、試験片120を確認し、1)未使用のセンサであるか、それとも使用済みのセンサであるかどうか、2)試験片が正常に測定装置に装着されているかどうか、3)試験片120の製造年月日、4)lot番号、5)試験片120の測定項目が何であるか、6)定量測定のための検量線や補正式など較正パラメータ、などの識別を行う。1)において、試験片が使用済みである場合は、新しい試験片の挿入を、2)において、試験片が正常に測定装置に装着されていない場合は、試験片の挿入やりなおしを、3)において、試験片の製造年月日が、試験片の保存期間を過ぎている場合は、保存期間の過ぎていない新しい試験片を用いることを、4)において、lot番号がその製品に規格されていないものである場合は、正規の試験片の挿入を、5)において試験片の測定項目が、その測定装置にて測定不可能である項目の場合は、測定可能な装置及び試験片の使用を、表示部104あるいは音声を使用することで測定者へ指示する。
1)2)3)4)5)において測定可能な場合は、5)において識別した測定項目に対応した測定モードに測定条件を切り替え、6)において識別した較正パラメータを識別あるいは記憶することによって、測定装置における測定環境を整備する。
こうして測定装置における測定準備が完了すると、表示部104に、血液(検体)を添加して良い旨の通知が表示部104または音声などの方法によってなされる。一方、測定装置では、添加部12における血液の検知動作が開始される(Step12)。
測定者により、免疫試験片測定装置100に装着された試験片120における添加部12に血液が添加されると、毛細管流によって添加部12へ血液が吸引されて保持される。この添加部12へ血液が吸引される状態を制御部111は、添加状態検知センサ102を介して監視しており(Step13)、添加された血液が測定を行うための必要量である10μLに達しなかった場合は、添加量が不足している(NG)として判断し、新たな試験片の挿入と添加部12への血液添加のやり直しを直ちに指示する(Step14)。このやり直しの指示は、例えば、表示部104に、「検体量不足!」や「センサを再度セッティングし、血液の添加をやり直してください」等と表示する。もし、添加部12内に保持された血液が、測定を行うに十分な量であれば、制御部111は必要一定量の血液が保持されたと判断し、測定を行う次のステップ(Step15)へと進む。
添加量が十分量であると判断された場合には、良好判断と同時に自動的に血液添加からの時間のカウントダウンを始める(Step15)。測定カウントダウン開始から5分後、Step16からStep17に進み、制御部111の記憶部などに予め保存されている、測定を行うために必要なアルゴリズムに基づいて、任意のタイミングに任意の情報が収集されて測定動作が行われる。収集された情報は、さらに分析のためのアルゴリズムに基づいて、演算処理され(Step18)、血液中のCRP濃度が表示される(Step19)。濃度表示後、試験片を測定装置から自動であるいは手動にて取り外すと、測定装置の電源がオフ状態となる。
このように、本発明の実施の形態によれば、試験片免疫試験片測定装置に装着した状態で、液体試料を試験片に添加することで、自動的に測定が行われ、分析結果が表示される。これにより、液体試料を添加部12に添加する操作のみで、ボタン操作を一切行わなくとも、自動的に免疫測定を実施することが可能となり、簡便かつ迅速に測定することができる。
しかも、従来のように、煩雑なボタン操作を忘れて、測定される結果の正確性が欠けたり、再度、試験片をセッティングして再測定しなければならなかったりする不具合を生じることが無いので、信頼性が向上するばかりか、測定操作が非常に簡潔になり、使い勝手が大幅に向上され、測定時間のばらつきによって発生していた測定誤差を確実になくすことが可能となり、高精度な測定を実現することができる。
本発明の免疫定量測定システムは、免疫反応を利用したバイオセンサ(試験片)と測定装置を利用する場合において、試験片及び測定装置、液体試料を準備し、液体試料中の分析対象物を検出し、定量あるいは定性測定する際に、簡便かつ迅速で、高感度・高精度な測定を実現することが可能なPOCT向けの測定システムとして有用である。
本発明の実施の形態に係る測定装置に装着したバイオセンサに、血液を点着(添加)する状態を簡略的に示す斜視図 同測定装置へバイオセンサを着脱する様子を簡略的に示す斜視図 同測定装置の要部を示すブロック図 同免疫測定システムにおける測定操作を示すフローチャート 本発明の1実施例の免疫定量測定システムにおける測定操作を示すフローチャート (a)〜(c)は本発明の実施の形態における、同免疫定量測定システムに用いるバイオセンサの斜視図、分解斜視図および断面図 (a)〜(c)は従来の免疫試験片の構成を示す斜視図、分解斜視図および断面図 (a)および(b)は従来の免疫試験片を中空ケーシングの内部に収容した状態を示す平面図および断面図 従来の免疫測定システムにおける測定操作を示すフローチャート
1 基板
2 展開流路
3 固定化反応部
8 空間形成材
9 添加空間
11 開口部
12 添加部
14 反応試薬
100 免疫試験片測定装置
101 装着状態検知センサ
102 添加状態検知センサ
103 測定手段
104 表示部(測定結果出力手段)
106、107 照射手段
111 制御部
120 バイオセンサ(試験片)

Claims (13)

  1. 免疫反応を利用して、液体試料中の分析対象物を定量するための免疫定量測定システムであって、少なくとも、免疫反応が行われる使い捨てのバイオセンサと、前記バイオセンサにおける反応度合を測定するための測定装置とからなり、前記測定装置に前記バイオセンサをセットすると、前記測定装置の電源が入り、前記測定装置にセットした前記バイオセンサに前記液体試料を点着し、前記液体試料を点着すると、測定時間のカウントが自動的に開始され、前記液体試料の点着から、一定時間後に前記バイオセンサ上の反応度合を測定し、前記液体試料中の前記分析対象物の存否あるいは濃度を算出し、その結果が前記測定装置に表示されることを特徴とする免疫定量測定システム。
  2. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置の電源が入った後に、前記測定装置は前記バイオセンサの状況を確認し、測定可能状態であるか否かを判定し、測定可能である場合は、液体試料可能状態であることを、測定不可能である場合は、測定不可能であることを、測定を行おうとする者に知らしめることを特徴とする、請求項1に記載の免疫定量測定システム。
  3. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記バイオセンサに添加されたあるいは、添加される前記液体試料を検知し、添加された前記液体試料が、正確な測定を行うに十分な量を満たさない場合は、前記液体試料が不足している旨を知らしめることを特徴とする、請求項1または2に記載の免疫定量測定システム。
  4. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置は、前記測定装置の電源が入った後に、前記バイオセンサの状況を確認し、前記バイオセンサ固有の情報を読み取り、前記情報をもとに、測定条件を切り替えるなど、定量測定のための準備を整える制御手段を備える事を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  5. 前記免疫定量測定システムにおいて、測定を行うための前記液体試料が、血液であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  6. 前記免疫定量測定システムにおいて、測定を行うに十分な前記液体試料の体積が、10uL以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  7. 前記免疫定量測定システムにおいて、測定時間が5分以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  8. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置には少なくとも、前記バイオセンサがセットされた事を検知して前記測定装置の電源が自動で入るための装着状態検知センサと、前記バイオセンサに前記液体試料が一定量添加されたか否かを検知する添加状態検知センサと、前記バイオセンサ上の反応度合を測定するための測定手段と前記測定装置の動作を制御し、定量演算を行い、測定結果を測定結果出力手段に出力させる制御手段とが備えられている事を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  9. 前記免疫定量測定システムにおいて、測定手段が前記添加状態検知センサの役割も果たすことを特徴とする、請求項8に記載の免疫定量測定システム。
  10. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置にセットされている前記バイオセンサを取り除くと電源が自動で落とされる事を特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  11. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記測定装置における前記添加状態検知センサと測定手段の少なくともいずれか1方は、光学的検知手段であることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  12. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記バイオセンサに添加される前記液体試料が、指先血であることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
  13. 前記免疫定量測定システムにおいて、前記バイオセンサは、少なくとも前記液体試料が添加される添加部と、展開流路と、固定化反応部と反応試薬とを有する試験片であることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の免疫定量測定システム。
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