JPH07267890A - 1,9−ノナンジアールの製造方法 - Google Patents

1,9−ノナンジアールの製造方法

Info

Publication number
JPH07267890A
JPH07267890A JP6083870A JP8387094A JPH07267890A JP H07267890 A JPH07267890 A JP H07267890A JP 6083870 A JP6083870 A JP 6083870A JP 8387094 A JP8387094 A JP 8387094A JP H07267890 A JPH07267890 A JP H07267890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
polyalkylene glycol
water
glycol derivative
rhodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6083870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2857055B2 (ja
Inventor
Toshihiro Omatsu
俊宏 尾松
Yasuo Tokito
康雄 時任
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP6083870A priority Critical patent/JP2857055B2/ja
Publication of JPH07267890A publication Critical patent/JPH07267890A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2857055B2 publication Critical patent/JP2857055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (a)ロジウム化合物、(b)一般式PR1
2 3 (R1 、R2 およびR3 はC1〜10のアルキ
ル基かアリール基を表し、そのいずれか一つはスルホン
酸のアルカリ金属塩を置換基とする)の第3級ホスフィ
ン、および(c)分子量300以上のポリアルキレング
リコール誘導体の存在下に7−オクテン−1−アールの
ヒドロホルミル化反応を実施し、反応混合液の水抽出操
作によりロジウム化合物、第3級ホスフィンおよびポリ
アルキレングリコール誘導体を抽出分離し、分離水層の
水を蒸発させた触媒成分を含むポリアルキレングリコー
ル誘導体の一部か全部を反応器に再循環するとともに、
抽残層より1,9−ノナンジアールを取得する1,9−
ノナンジアールの製造方法。 【効果】 反応装置内には原料とヒドロホルミル化反応
生成物以外に少量のポリアルキレングリコール誘導体し
かなく、容積効率がすぐれ、反応活性も高まるので、ロ
ジウム使用量も少なく、高生産性で経済的に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,9−ノナンジアール
の製造方法に関するものであって、さらに詳しくはブタ
ジエンのテロメリゼーションによって得られる2,7−
オクタジエン−1−オールの異性化生成物である7−オ
クテン−1−アールのヒドロホルミル化によって1,9
−ノナンジアールを製造する方法に関するものである。
【0002】1,9−ノナンジアールは1,9−ノナン
ジオール、アゼライン酸、ノナンジアミンなどをはじめ
とする種々の有用な物質の出発原料として有用である。
1,9−ノナンジアールと共に得られる2−メチル−
1,8−オクタンジアールもまた種々の有用な物質の出
発原料として有用である。
【0003】
【従来の技術】7−オクテン−1−アールをヒドロホル
ミル化して1,9−ノナンジアールを製造することは公
知である(特開昭58−118535号公報、特開昭5
8−157739号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロジウム化合物は極め
て高価であるので、該化合物を触媒とするヒドロホルミ
ル化反応を工業的に実施するに際しては、ロジウム触媒
の活性を維持したまま循環使用する技術の開発が極めて
重要な問題である。
【0005】工業的に実施されるヒドロホルミル化反応
においては、通常トリフェニルホスフィン等のリン配位
子が用いられ反応場での安定性が維持されている。しか
しながら、触媒と生成物の分離を蒸留によって実施する
場合には、触媒は熱的負荷を受ける。したがって、工業
的に蒸留分離を適用できるのは、反応混合液から反応生
成物を留去する際にもそれほどの高温を必要としない比
較的低沸点の生成物を与えるヒドロホルミル化反応に限
られる。これに対して、7−オクテン−1−アールのヒ
ドロホルミル化生成物は沸点がかなり高いので、蒸留分
離時に触媒が熱劣化しやすいという問題があった。
【0006】また、7−オクテン−1−アールのヒドロ
ホルミル化生成物が1分子中に反応性に富むアルデヒド
基を2個有する1,9−ノナンジアールである本反応に
おいては、反応条件下および蒸留条件下にこれらが縮合
しやすく、容易に高沸点縮合物が副生するという問題も
あった。高沸点縮合物がさらに熱による架橋反応などに
よって蒸留缶液が固化してしまう場合には、当然触媒液
として循環使用はできなくなる。
【0007】上記のような蒸留操作による触媒と生成物
の分離における種々の問題を回避する方法として、ロジ
ウム触媒を水溶性にし、多量の反応溶媒からなる水層中
で反応させ、炭化水素化合物などの抽剤を用いて生成物
を抽出分離する方法が提案されている(特開昭58−1
57739号公報)。この方法は触媒が熱的劣化しにく
いこと、高沸点縮合物の蓄積が回避されているという点
で優れているが、反応溶媒を用いるために大がかりな反
応装置を必要とし、容積効率が低く、また触媒の使用量
も溶媒を使用した分だけ多く必要となり、触媒の循環使
用回数を多くしなければ工業的には成り立たない。また
抽出液から抽剤を回収する際に多大のエネルギーを要す
る点でも不利である。
【0008】一方、7−オクテン−1−アールが一般の
不飽和炭化水素などとは決定的に異なる特徴として、触
媒を安定化するのに必要な量の水溶性第3級ホスフィン
が溶媒を使用しなくても、7−オクテン−1−アールあ
るいはそのヒドロホルミル化反応液中に溶解する性質を
有していることがあげられる。この性質を利用すれば、
溶媒を使用せずに反応させた後に、反応混合液に水を添
加し抽出操作により触媒と反応生成物を分離する方法は
可能である。この方法に従えば、触媒と生成物の分離に
際し熱的負荷がほとんどかからないし、容積効率も最大
限に高い反応方式となる。しかしこの方法において使用
するロジウム濃度はトリフェニルホスフィンを使用する
場合の2〜10倍の高濃度で使用しなければ同じ反応速
度を得ることができない欠点があるために、なお依然と
してロジウム触媒の使用量を少なくしたいという問題は
解決されたとはいえない。すなわち高い容積効率を維持
したままで高価なロジウム錯体を極力低濃度で使用する
ということが、工業化するうえでの最終的な目標として
残されていたことから、反応を活性化する方法が強く望
まれていた。
【0009】このような問題を解決する手段のひとつと
しては、米国特許第5180854号明細書に開示され
ている方法が適しているようにも考えられる。該明細書
には容積効率を損なわない範囲の少量の可溶化剤を用
い、水溶性第3級ホスフィンを反応液に溶解させ反応
し、水を抽剤に用いて触媒を抽出分離し、水層の水を蒸
発除去して触媒を循環使用する方法が記載されている。
この開示された方法にしたがって7−オクテン−1−ア
ールのヒドロホルミル化を実施すると可溶化剤をまった
く用いない場合に比べ、10容量%程度の少量の可溶化
剤を用いた場合には明らかに反応速度は増大しており、
可溶化剤の種類によっては2倍以上の反応活性の増加が
認められる。しかし水抽出によって反応液中に含まれる
可溶化剤を全部回収することはできないために、ヒドロ
ホルミル化生成物に可溶化剤が少量といえども必ず混入
することが欠点である。したがって、生成物の純度を高
めるためには、可溶化剤をヒドロホルミル化生成物から
再度の抽出あるいは蒸留によって除去しなければならな
い。この場合、抽出操作によって除去しようとすれば、
おびただしい回数の抽出操作を繰返さなければ工業的に
満足するほどにヒドロホルミル化生成物から可溶化剤を
除くことは不可能であって、工業的には蒸留操作によっ
て除去する以外に方法はない。ただし、米国特許第51
80854号明細書に記載されている可溶化剤の中には
本反応の原料や生成物を構成する元素とは異なる窒素や
硫黄元素を含む化合物があって、これら酸素、炭素ある
いは水素以外の元素を含む可溶化剤は製品品質上微量の
混入も許されないものである。また該明細書記載の可溶
化剤はすべて分子量が250以下であるために本ヒドロ
ホルミル化生成物の沸点に近く蒸留分離が容易ではな
く、使用するには適さないことが解決すべき問題として
残されており、新たな製造方法の構築が強く望まれてい
た。 本発明の目的は、触媒の熱劣化ならびに高沸点縮
合物の蓄積によって循環再使用の回数に制限があるとい
う問題、ならびに大量の反応溶媒を使用することによる
容積効率の低下とプロセスの複雑化を回避するという問
題、および製品純度の低下に関する問題の解決にあり、
工業的に満足し得る1,9−ノナンジアールの製法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、7−オクテン−1−アールのヒドロホルミ
ル化を実施するに際し分子量300以上のポリアルキレ
ングリコール誘導体を存在させて水溶性第3級ホスフィ
ンおよびそれに修飾されたロジウム触媒を用いること、
反応混合液に水を添加混合させて反応液中の触媒成分を
抽出分離すること、該抽出液中の水分を蒸発除去してか
ら反応液に循環させて再使用することによって上記問題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は、7−オクテン−1−
アールと水素および一酸化炭素を反応させるに際し、 (a)ロジウム化合物 (b)一般式PR1 2 3 (ここで、R1 、R2 およ
びR3 は炭素数1以上10以下のアルキル基,またはア
リール基を表し、R1 、R2 およびR3 のうちいずれか
一つの基はスルホン酸のアルカリ金属塩を置換基として
有する)で表される第3級ホスフィン (c)分子量300以上のポリアルキレングリコール誘
導体 の存在下に該反応を実施し、得られた反応混合液に対し
て水による抽出操作を施すことによって反応混合液から
ロジウム化合物、第3級ホスフィンおよびポリアルキレ
ングリコール誘導体を抽出分離し、分離された水層の水
を蒸発させて得られる触媒成分を含むポリアルキレング
リコール誘導体の一部もしくは全部を反応器に循環して
再使用するとともに、抽残層より1,9−ノナンジアー
ルを取得することを特徴とする1,9−ノナンジアール
の製造方法を提供する。
【0012】本発明によれば、触媒と生成物を分離する
に際し触媒に熱的負荷がほとんどかからず、また循環系
に高沸点化合物が蓄積することも回避される。同時に高
い容積効率を維持しながら、大がかりな設備の必要もな
く、製品品質上問題となる可溶化剤の混入を回避するこ
とができる。よって、本発明によれば、工業的に実施す
る上で極めて望ましい1,9−ノナンジアールの製造法
が提供される。
【0013】本発明に従う7−オクテン−1−アールの
ヒドロホルミル化反応に用いられるロジウム化合物とし
てはヒドロホルミル化触媒能を有するか、またはヒドロ
ホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化触媒能を有す
るように変化する任意のロジウム化合物であって、具体
的にはRh(CO)12、Rh(CO)16、Rh
(acac)(CO)、酸化ロジウム、塩化ロジウ
ム、ロジウムアセチルアセトナート、酢酸ロジウムなど
が挙げられる。ロジウム化合物は通常ヒドロホルミル化
反応液1リットル当たりロジウム原子換算で0.005
〜5ミリグラム原子の濃度範囲で使用される。
【0014】本発明に従う7−オクテン−1−アールの
ヒドロホルミル化反応に用いられる前記一般式で表され
る第3級ホスフィンとしては例えばつぎのものを例示す
ることができる。
【0015】
【化1】 なかでも、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノス
ルホン酸のアルカリ金属塩は工業的に実施するうえで好
適な第3級ホスフィンである。これらの第3級ホスフィ
ンは単独で用いることも、2種類以上組合せて用いるこ
ともできる。これらの第3級ホスフィンの使用量はヒド
ロホルミル化反応液1リットルあたり1ミリモル以上好
ましくは5ミリモル以上の濃度範囲で用いられるが、同
時にロジウム錯体1原子当たり20当量以上の割合で用
いられることが望ましい。
【0016】本発明で使用するポリアルキレングリコー
ル誘導体とは分子量300以上であり、かつ沸点が10
mmHgで200℃以上である下記の一般式で表される
化合物である。
【0017】X1 −O(R−O)n 2 (式中、X1 およびX2 は水素原子またはメチル基を表
し、Rはエチレン基、 −CH(CH3 )−CH2
−または−CH2 −CH(CH3 )−を表し、nは5以
上の整数を表わす) このようなポリアルキレングリコール誘導体の具体例と
しては、ポリエチレングリコール400、ポリエチレン
グリコール1000、ポリプロピレングリコール40
0、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル40
0、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル100
0、ポリエチレングリコールジメチルエーテル400、
ポリエチレングリコールジメチルエーテル1000また
はこれらの混合物があげられるが、なかでもポリエチレ
ングリコール400もしくはポリエチレングリコールジ
メチルエーテル400は常温で液体であることから、運
転操作性に優れているうえ比較的入手が容易であり、本
発明の方法を工業的に実施するうえで好適である。これ
らのポリアルキレングリコール誘導体の使用量は、ヒド
ロホルミル化反応液中2容積%以上30容積%以下の濃
度範囲で用いられるが、好ましくは5容積%以上20容
積%以下の範囲で用いられることが望ましい。
【0018】本ヒドロホルミル化反応は通常40〜14
0℃、好ましくは70〜120℃の温度下で実施され
る。反応に用いられる水素/一酸化炭素混合ガスにおい
て水素と一酸化炭素のモル比は、入りガス組成として通
常0.5〜5の範囲から選ばれる。反応圧力は一般に1
〜300気圧の範囲内から選ばれる。好ましくは5〜1
00気圧の範囲内から選ばれる。反応は撹拌型反応槽ま
たは気泡塔型反応槽中で連続方式またはバッチ方式で行
うことができる。
【0019】本発明によって実施されるヒドロホルミル
化反応によって得られる反応混合液は、水による抽出操
作によりロジウム錯体と第3級ホスフィンからなる触媒
成分およびポリアルキレングリコール誘導体を分離する
ことができる。反応混合液に対する水の使用割合は、容
積比で1/20以上2/1 以下の範囲内にあるのが好ましい。
さらに好ましくは1/20以上1/2 以下の範囲である。有機
層と水層の層分離性は、触媒成分の種類と濃度、ポリア
ルキレングリコール誘導体の種類と使用量および水の使
用割合および分離時の温度に大きく支配され、遠心分離
装置の使用によって有利に分離が促進される場合もあ
る。抽出温度は10〜70℃の範囲内から選ばれる。抽出操
作は通常窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスま
たは水素/一酸化炭素混合ガスの雰囲気下で行われる。
【0020】抽出操作により原料および反応生成物は抽
残層(上層・有機層)に分離され、また触媒成分とポリ
アルキレングリコール誘導体は抽出層(下層・水層)に
分離される。抽残層には原料および反応生成物のほかに
少量の触媒成分が含まれている。したがって、得られた
抽残層に対して再度抽出操作を施して、触媒成分および
ポリアルキレングリコール誘導体の回収率を高めること
は工業的に有利な方法である。水の使用量について上限
はないが、通常抽出層に対して0.5以下の容積比で用
いられる。このようにして触媒成分やポリアルキレング
リコール誘導体の回収率を高めてもなお繰り返し使用し
ているうちには、その損失量が無視しえないような水準
に達することもあるが、触媒成分やポリアルキレングリ
コール誘導体を追加することにより反応速度と選択性を
維持していくことは容易である。抽出操作によって得ら
れた抽残層からは蒸留あるいは晶析等の公知の方法によ
り1,9−ノナンジアールを分離することができる。ま
た1,9−ノナンジアールを含む抽残層を、アゼライン
酸あるいはノナンジオール等の前駆体としてそのまま次
の酸化工程あるいは水素添加工程において使用すること
も工業的には好ましい使用方法の一つである。
【0021】抽出操作により得られる抽出層やあるいは
抽残層を洗浄することにより得られる触媒成分含有の洗
浄水から水を留去する際には、触媒の熱劣化等の変性を
未然に防ぐため、できるだけ低い温度で実施することが
望ましく、減圧蒸留方式が好適である。具体的な実施温
度は30〜100℃の間から選ばれる。またその温度で
実施するための圧力として300〜10mmHgの範囲
が選ばれる。留去すべき水の量は、留去後の濃縮された
液を反応混合液に循環しても分離水を形成しないような
量である。
【0022】このようにして得られる濃縮液の温度は3
0〜80℃の範囲に保ち、触媒の劣化を回避しながら循
環させることが工業上有利な実施方法である。
【0023】また水の蒸発操作を原料の7−オクテン−
1−アールの存在下に実施することもできる。この際存
在させる7−オクテン−1−アールの量は特に限定され
るものではないが、触媒成分と同時に反応器に供給する
7−オクテン−1−アールの全量かもしくはそれ以下の
量にすることが望ましい。このように原料の存在下に水
蒸発操作を実施するならば、回収したロジウム溶液が高
濃度に濃縮されることが回避されるため、触媒の安定性
を保つうえで好ましい方法といえる。また分子量の大き
なポリアルキレングリコール誘導体を用いる場合に冷却
によって固化してまうことも回避されるために、運転操
作性の点でも好ましい方法である。
【0024】以上の反応、抽出分離、水蒸発の一連の操
作はいずれもバッチ式にも連続式にも行うことが可能で
ある。
【0025】
【実施例】以下、実施例でもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はかかる実施例によってなんら制限を受
けるものではない。 参考例 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブにジカルボニルアセチル
アセトナートロジウム1.03mg(0.004ミリモ
ル)、ジフェニルホスフィノベンゼンモノスルホン酸ナ
トリウム塩(TPPS−Na)364mg(1mmo
l)、7−オクテン−1−アール85g(0.607m
ol、純度90%、10%のn−オクタナールを含む)
および添加剤を使用する場合には10ml(25℃)を
空気を入れないようにして仕込み、オートクレーブ内を
水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで70kg/cm
2Gの圧力に保った。オフガスを10リットル/hrの
速度で流し撹拌しながら内温を90℃にあげた。この状
態で2.5時間反応させた。反応結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 実施例1 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブにジカルボニルアセチル
アセトナートロジウム2.06mg(0.008ミリモ
ル)、TPPS−Na364mg(1mmol)、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル分子量400 1
1g、7−オクテン−1−アール77g(0.55mo
l、純度90%、10%のn−オクタナールを含む)を
空気を入れないようにして仕込み、オートクレーブ内を
水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで90kg/cm
2Gの圧力に保った。オフガスを20リットル/hrの
速度で流し、撹拌しながら内温を90℃にあげた。この
状態で4時間反応させた。
【0027】次いで反応混合液を予め水素/一酸化炭素
混合ガスで充分置換した内容500mlの三ッ口フラス
コに空気に触れないようにして圧送し、水20mlを加
え内温を30℃に保ちながら上記組成の混合ガス雰囲気
下で10分間撹拌した。撹拌を停止した後、混合液を水
素/一酸化炭素雰囲気に保った分離槽に移し、15時間
静置した。2層に分離した液が形成された。下層を窒素
雰囲気に保った200mlのなし型フラスコに移し、6
0℃に保ったウォーターバスに浸した。圧力を徐々に1
5mmHgまで減ずると水が留出した。水が留出しなく
なったところで室温に冷却し、窒素ガスで常圧に戻し
た。ここへTPPS−Na36.4mg、ポリエチレン
グリコールジメチルエーテル分子量400 1.4gお
よび7−オクテン−1−アール77gを加え、撹拌混合
した。
【0028】ついで再び空気に触れないようにして混合
液をオートクレーブに移し、第1回目と同じ反応条件で
4時間反応させた。反応終了後の抽出分離操作、水蒸発
操作、触媒成分と原料の追加操作も第1回目と同じ条件
で実施した。このようにして順次繰り返し実験を行なっ
た結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 実施例2 ガス導入口、サンプリング口および4枚のバッフルを備
えた内容300mlの電磁撹拌式オートクレーブにジカ
ルボニルアセチルアセトナートロジウム6.45mg
(0.025ミリモル)、TPPS−Na3.64g
(10mmol)、ポリエチレングリコール分子量40
0 11g、7−オクテン−1−アール77g(0.5
5mol、純度90%、10%のn−オクタナールを含
む)を空気を入れないようにして仕込み、オートクレー
ブ内を水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで10kg
/cm2Gの圧力に保った。オフガスを30リットル/
hrの速度で流し撹拌しながら内温を100℃にあげ
た。この状態で6時間反応させた。 次いで反応混合液
を予め水素/一酸化炭素混合ガスで充分置換した内容3
00mlの三ッ口フラスコに空気に触れないようにして
圧送し、水20mlを加え内温を30℃に保ちながら上
記組成の混合ガス雰囲気下で10分間撹拌した。撹拌を
停止した後混合液を水素/一酸化炭素雰囲気に保った分
離槽に移し、14時間静置した。2層に分離した液が形
成された。下層を窒素雰囲気に保った200mlの三ッ
口フラスコに移し60℃に保ったウォーターバスに浸し
た。圧力を徐々に15mmHgまで減ずると水が留出し
た。水が留出しなくなったところで室温に冷却し窒素ガ
スで常圧に戻した。ここへポリエチレングリコール分子
量400 2.0gおよび7−オクテン−1−アール7
7gを加え、撹拌混合した。
【0030】ついで再び空気に触れないようにして混合
液をオートクレーブに移し、第1回目と同じ反応条件で
6時間反応させた。反応終了後の抽出分離操作、水蒸発
操作、触媒成分と原料の追加操作も第1回目と同じ条件
で実施した。このようにして順次繰り返し実験を行なっ
た結果を表3に示す。
【0031】
【表3】 実施例3 ガス導入口、サンプリング口および4枚のバッフルを備
えた内容300mlの電磁撹拌式オートクレーブにジカ
ルボニルアセチルアセトナートロジウム1.29mg
(0.005ミリモル)、TPPS−Na 728mg
(2mmol)、ポリエチレングリコールジメチルエー
テル分子量1000 11g、7−オクテン−1−アー
ル77g(0.55mol、純度90%、10%のn−
オクタナールを含む)を空気を入れないようにして仕込
み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=2/1の混
合ガスで70kg/cm2Gの圧力に保った。オフガス
を30リットル/hrの速度で流し撹拌しながら内温を
85℃にあげた。この状態で3時間反応させた。
【0032】次いで反応混合液を予め水素/一酸化炭素
混合ガス(モル比=2/1)で充分置換した内容500
mlの三ッ口フラスコに空気に触れないようにして圧送
し、水20mlを加え内温を40℃に保ちながら上記組
成の混合ガス雰囲気下で10分間撹拌した。撹拌を停止
した後混合液を水素/一酸化炭素雰囲気に保った分離槽
に移し、遠心分離を実施した。10000gの遠心力で
10分間処理した。2層に分離した液が形成された。下
層を窒素雰囲気に保った200mlのなし型フラスコに
移し、60℃に保ったウォーターバスに浸した。圧力を
徐々に15mmHgまで減ずると水が留出した。水が留
出しなくなったところで60℃に保ったまま窒素ガスで
常圧に戻した。ここへTPPS−Na 73mg、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル分子量1000
1.4gおよび7−オクテン−1−アール77gを加え
撹拌混合した。
【0033】ついで再び空気に触れないようにして混合
液をオートクレーブに移し第1回目と同じ反応条件で3
時間反応させた。反応終了後の抽出操作、遠心分離操
作、水蒸発操作、触媒成分と原料の追加操作も第1回目
と同じ条件で実施した。このようにして順次繰り返し実
験を行なった結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明に従えば、反応装置内において原
料とヒドロホルミル化反応生成物以外に容積を占める物
質として、少量のポリアルキレングリコール誘導体しか
ないのですぐれた容積効率を達成することができる。ま
た反応活性も高められるので、高価なロジウムの使用量
も少なくてすみ、その結果、生産性の高い経済的な方法
で1,9−ノナンジアールを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 45/80 // C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】7−オクテン−1−アールと水素および一
    酸化炭素を反応させるに際し、 (a)ロジウム化合物 (b)一般式PR1 2 3 (ここで、R1 、R2 およ
    びR3 は炭素数1以上10以下のアルキル基またはアリ
    ール基を表し、R1 、R2 およびR3 のうちいずれか一
    つの基はスルホン酸のアルカリ金属塩を置換基として有
    する)で表される第3級ホスフィン (c)分子量300以上のポリアルキレングリコール誘
    導体 の存在下に該反応を実施し、得られた反応混合液に対し
    て水による抽出操作を施すことによって反応混合液から
    ロジウム化合物、第3級ホスフィンおよびポリアルキレ
    ングリコール誘導体を抽出分離し、分離された水層の水
    を蒸発させて得られる触媒成分を含むポリアルキレング
    リコール誘導体の一部もしくは全部を反応器に循環して
    再使用するとともに、抽残層より1,9−ノナンジアー
    ルを取得することを特徴とする1,9−ノナンジアール
    の製造方法。
  2. 【請求項2】第3級ホスフィンがジフェニルホスフィノ
    ベンゼン−m−モノスルホン酸のアルカリ金属塩である
    特許請求の範囲第1項記載の1,9−ノナンジアールの
    製造方法。
JP6083870A 1994-03-30 1994-03-30 1,9−ノナンジアールの製造方法 Expired - Lifetime JP2857055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6083870A JP2857055B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 1,9−ノナンジアールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6083870A JP2857055B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 1,9−ノナンジアールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07267890A true JPH07267890A (ja) 1995-10-17
JP2857055B2 JP2857055B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=13814705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6083870A Expired - Lifetime JP2857055B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 1,9−ノナンジアールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2857055B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998004346A1 (de) * 1996-07-29 1998-02-05 Aventis Research & Technologies Gmbh & Co Kg Katalysator und verfahren zur herstellung von aldehyden durch hydroformylierung von olefinisch ungesättigten verbindungen
JPWO2015072541A1 (ja) * 2013-11-15 2017-03-16 株式会社クラレ 金属の生物腐食抑制剤
EP3121251A4 (en) * 2014-03-17 2017-10-25 Kuraray Co., Ltd. Composition for removal of sulphur-containing compounds

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3530775A4 (en) 2016-09-27 2020-05-27 Kuraray Co., Ltd. METHOD FOR SUPPRESSING METAL CORROSION
CN109952141A (zh) 2016-11-22 2019-06-28 株式会社可乐丽 用于去除含硫化合物的组合物
EP3623034A4 (en) 2017-05-12 2021-01-13 Kuraray Co., Ltd. APPARATUS FOR REMOVING SULFUR-CONTAINING COMPOUNDS AND METHOD FOR REMOVING SULFUR-CONTAINING COMPOUNDS

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998004346A1 (de) * 1996-07-29 1998-02-05 Aventis Research & Technologies Gmbh & Co Kg Katalysator und verfahren zur herstellung von aldehyden durch hydroformylierung von olefinisch ungesättigten verbindungen
JPWO2015072541A1 (ja) * 2013-11-15 2017-03-16 株式会社クラレ 金属の生物腐食抑制剤
EP3121251A4 (en) * 2014-03-17 2017-10-25 Kuraray Co., Ltd. Composition for removal of sulphur-containing compounds
US10119079B2 (en) 2014-03-17 2018-11-06 Kuraray Co., Ltd. Composition for removal of sulfur-containing compounds
RU2687079C2 (ru) * 2014-03-17 2019-05-07 Курарей Ко., Лтд. Состав для удаления серосодержащих соединений

Also Published As

Publication number Publication date
JP2857055B2 (ja) 1999-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS60218341A (ja) グリコ−ルアルデヒドを経由するエチレングリコ−ルの製造方法
JPS6331450B2 (ja)
JP3324760B2 (ja) ヒドロホルミル化方法
JPH07267890A (ja) 1,9−ノナンジアールの製造方法
US6107524A (en) Process for producing aldehydes by hydroformylation of olefins
EP0044650B1 (en) Aldehyde adducts and a process for separating aldehydes involving them
JPH0451536B2 (ja)
WO2001077060A1 (fr) Procede de separation et de recuperation de carbonate aromatique et procede de production associe
DE60114166T2 (de) Verfahren zur oxidation von cyclohexan in carbonsäuren
JP4005558B2 (ja) 酸への炭化水素の酸化法
JPH11189563A (ja) ヒドロホルミル化生成物の保存方法
US5169981A (en) Synthesis of alpha-substituted alkadienes
JP2857056B2 (ja) 1,9−ノナンジアールの製造法
JPH0557250B2 (ja)
JP2913820B2 (ja) ヒドロホルミル化方法
JPH09227463A (ja) ジアリールカーボネート類と元の芳香族ヒドロキシ化合物を反応溶液から抽出分離する方法
JPS6072844A (ja) 極性官能基含有ホルミルノルボルナンの製造方法
JPH0251552B2 (ja)
JPH0149697B2 (ja)
JP2002331243A (ja) ヒドロホルミル化反応における触媒成分の回収方法
JPH0324460B2 (ja)
JP7493628B2 (ja) アクリロニトリル二量体の製造方法
JPH068258B2 (ja) シクロヘキサンからシクロヘキサノールおよびシクロヘキサノンを含有する混合物を製造する方法
US5243099A (en) Synthesis of alpha-substituted alkadienes
KR100689684B1 (ko) 카르복실산 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111127

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term