JP2002331243A - ヒドロホルミル化反応における触媒成分の回収方法 - Google Patents

ヒドロホルミル化反応における触媒成分の回収方法

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純市 藤
Kenji Shimoyamada
健二 下山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能性のオレフィン性化合物のオキソ反応に
おいて、触媒を効率的に回収する方法を提供する。 【解決手段】 官能性のオレフィン性化合物を触媒の存
在下で一酸化炭素と水素とを反応させるヒドロホルミル
化反応における触媒成分の回収に際し、a)ロジウム化
合物およびb)水溶性第3級ホスフィンの存在下に該反
応を行い、得られた反応液に水を添加、混合してエマル
ジョンとした後、コアレッサーにより触媒成分の分離を
促進することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性リン配位子
を用いたヒドロホルミル化反応液から、ロジウム錯体、
水溶性第3級ホスフィンなどの触媒成分を有利に回収す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】主に第8族金属を触媒として用い、オレ
フィン性化合物に一酸化炭素および水素を反応させ、ア
ルデヒドを製造する方法は、ヒドロホルミル化反応ある
いはオキソ反応と呼ばれており、よく知られた方法であ
る。特にロジウム化合物と3級ホスフィンなどの有機リ
ン化合物とからなる触媒を使用した場合には、工業的に
有利にヒドロホルミル化反応を実施できる。しかし、ロ
ジウム化合物はきわめて高価であるので、ヒドロホルミ
ル化反応を工業的に有利に実施するためには、触媒活性
を維持したままロジウム錯体などの触媒成分を循環使用
する技術が必要とされる。ロジウム錯体などの触媒成分
を循環使用する一つの方法として、反応生成物と触媒成
分を蒸留によって分離する方法が提案されている。しか
し、炭素数8以上のオレフィン性化合物または官能性の
オレフィン性化合物を出発原料としたヒドロホルミル化
反応の場合には、目的物が高沸点化合物であり蒸留分離
時に高温となるため、ロジウム錯体が熱的負荷を受けて
劣化してしまう傾向が見られるという問題点があった。
上記のような蒸留による触媒成分と生成物の分離に伴う
問題点を回避する方法として、米国特許518085
4号明細書には、1−オクテンのようなオレフィン性化
合物のヒドロホルミル化反応において、水溶性リン配位
子と有機極性化合物を用い、水層側へロジウム錯体、有
機極性化合物などを回収し、水を単蒸発することにより
触媒成分をリサイクル使用する方法が提案されている。
この方法は以下の3点から優れているといえる。 i)触媒が熱的劣化を受けにくい。 ii)高沸点縮合物の蓄積が回避されている。 iii)高い容積効率を達成している。 また、特開平7−267890号公報では、アルデヒ
ドを官能基として持つ7−オクテン−1−アールを出発
原料としたヒドロホルミル化反応において、分子量30
0以上のポリアルキレングリコール誘導体を有機極性化
合物として用いることが提案されており、この方法では
上記の方法での3つの利点に加えて、製品の純度向上
及び品質向上を達成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1−オ
クテンのようなオレフィン性化合物を出発原料として用
いる場合は混合・分離時の問題はないが、7−オクテン
−1−アールなどの官能性オレフィンを出発原料とする
場合には、上記およびの方法では、完全混合時にエ
マルジョン化が生じ分離が困難となったり、緩やかな攪
拌を行った後遠心分離操作をしても十分に分離できなっ
かったりするなどの理由により、工業的に有利な条件で
触媒成分が十分に回収できないという問題があった。
【0004】しかして本発明の目的は、官能性のオレフ
ィン性化合物のヒドロホルミル化反応後において、ロジ
ウム錯体及び水溶性リン配位子などの触媒成分を有利に
回収して、後に続く水添工程での触媒被毒物質であるロ
ジウム錯体、水溶性第3級ホスフィンなどの混入を抑え
ることにより、工業的に満足し得るヒドロホルミル化反
応における触媒成分の回収方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するべく鋭意検討した結果、官能性のオレフィ
ン性化合物をロジウム化合物、水溶性第3級ホスフィン
を用いヒドロホルミル化したのち、得られた反応液に水
を添加混合後、コアレッサーを用い触媒成分の分離を促
進することにより、触媒成分の回収率が大きく向上する
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記目的
は本発明によれば、官能性のオレフィン性化合物を触媒
の存在下で一酸化炭素と水素とを反応させるヒドロホル
ミル化反応における触媒成分の回収に際し、ロジウム化
合物および水溶性第3級ホスフィンの存在下に該反応を
行い、得られた反応液に水を添加、混合してエマルジョ
ンとした後、コアレッサーにより触媒成分の分離を促進
することことにより達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法では、まず第一段階として官能性のオレフ
ィン性化合物に、ロジウム化合物、第3級ホスフィンの
存在下、一酸化炭素及び水素を反応させて、アルデヒド
を合成するヒドロホルミル化反応を行う。該ヒドロホル
ミル化反応における反応条件は特に限定されず、所望な
らば、慣用されている水溶性リン配位子を用いるヒドロ
ホルミル化反応に一致しても良い。
【0007】本発明の方法に用いられる官能性のオレフ
ィン性化合物としては、官能基としてアルデヒド基、ア
ルコール性水酸基、アミノ基、エステル基、カルボン酸
基、シアノ基等を有するオレフィン性の化合物をいい、
特に限定されないが、例えば7−オクテン−1−アー
ル、アクリル酸、メタクリル酸、リノール酸、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、リノール酸メチル、ア
クリロニトリル等が挙げられる。これらのうち特に7−
オクテン−1−アールが好ましく用いられる。
【0008】本発明の方法において用いられるロジウム
化合物としては、ヒドロホルミル化触媒能を有するかま
たはヒドロホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化触
媒能を有するように変化する任意のロジウム化合物が使
用できる。かかるロジウム化合物の具体例としては、例
えばHRh(CO)(PA(式中、Aはアリール
基またはアリールオキシ基を表す)、Rh4(C
O)12、Rh6(CO)16、Rh(acac)(C
O)2、酸化ロジウム、塩化ロジウム、ロジウムアセチ
ルアセトナート、酢酸ロジウムなどが挙げられる。これ
らのうちRh4(CO)12、Rh6(CO)16、Rh(a
cac)(CO)2、ロジウムアセチルアセトナートな
どが好ましく用いられる。ロジウム化合物の使用量は、
十分な反応速度を確保し、かつ経済的に反応を実施する
という観点から、上記のロジウム化合物を反応液1リッ
トルあたり、一般にロジウム原子換算で0.005〜5
ミリグラム原子の範囲内で採用される。
【0009】本発明の方法に用いられる水溶性第3級ホ
スフィンは上記ロジウム化合物に配位して水溶性配位子
となり得るものであれば特に限定されないが、例えば 一般式 PR (1) (式中、R、RおよびRは炭素数1以上10以下
のアルキル基またはアリール基をそれぞれ表し、かつR
、RおよびRのうちいずれか一つの基は置換基と
して−SOX(ここでXはアルカリ金属を表す)を少
なくとも1個有する。)で表される第3級ホスフィンが
挙げられる。
【0010】このような水溶性第3級ホスフィンの具体
例としては、例えば次のようなものを例示することがで
きる。
【0011】
【化1】 (式中、Xはリチウム原子、ナトリウム原子またはカリ
ウム原子を表す。)が挙げられる。これらのなかでもジ
フェニルホスフィノベンゼン−m−モノスルホン酸のナ
トリウム塩あるいはカリウム塩が工業的に実施する上で
好適に用いられる。上記第3級ホスフィンは単独で用い
てもよいし、また2種類以上組み合わせて用いてもよ
い。第3級ホスフィンの使用量はヒドロホルミル化反応
液1リットル当り通常1ミリモル以上、好ましくは5ミ
リモル以上の濃度範囲で用いるが、同時にロジウム1原
子当り20当量以上の割合で用いることが望ましい。
【0012】本発明の方法においては溶媒として有機極
性化合物を用いることが好ましく、望ましい有機極性化
合物として、例えばポリアルキレングリコール誘導体、
クラウンエーテル、N,N−2置換アミド、スルホキシ
ド、スルホラン等を挙げることができる。また有機極性
化合物の使用量は、ヒドロホルミル化反応液中2容積%
以上30容積%以下の濃度範囲で通常用いられるが、5
容積%以上20容積%以下の範囲で用いるのが望まし
い。
【0013】本発明におけるヒドロホルミル化反応は通
常40〜140℃、好ましくは70〜120℃の温度下
で実施される。反応に用いる水素と一酸化炭素の混合ガ
スにおいて、水素/一酸化炭素のモル比は入りガス組成
として通常1/5〜5/1の範囲から選ばれる。また反
応系中にヒドロホルミル化反応に対して不活性なガス、
例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが少量存在して
いても構わない。
【0014】また、反応圧力は通常全圧で1〜300気
圧の範囲内から選ばれ、好ましくは5〜100気圧の範
囲内から選ばれる。反応は通常攪拌型反応槽または気泡
塔型反応槽中で連続方式またはバッチ方式で行うことが
できる。
【0015】次いで第二段階として、本発明の方法で
は、上記ヒドロホルミル化反応によって得られる反応液
に水を混合してエマルジョンとする。水を添加する目的
は、水による抽出操作により、触媒成分、すなわちロジ
ウム錯体、水溶性第3級ホスフィンなどを水層側に、反
応物を有機層側に分離するためである。有機層と水層の
層分離性は、触媒成分の種類と濃度、水の使用割合、攪
拌方法などに影響される。このため例えば反応液に対す
る水の使用割合は、容積比で(水容積/反応液容積=)
1/20以上2/1以下の範囲内がであることが好まし
く、1/20以上1/2以下の範囲であることがより好
ましい。
【0016】攪拌方法は、ヒドロホルミル化反応によっ
て得られる反応液と水とが、下記に定義するエマルジョ
ン状態となる方法であれば任意の方法を用いることがで
きる。具体的な攪拌方法として例えば、バッチ式回転攪
拌、ラインミキサー等による連続式攪拌などが挙げられ
るが、生産効率、設備的費用等を考えると、ラインミキ
サーによる連続式攪拌が好ましい。
【0017】本発明でいうエマルジョンとは、反応液と
水とを混合後数時間静置しておいても完全に2層に分離
しない状態をいうが、例えば10時間静置しておいても
水相中に有機相が粒子径10μm以下で存在する状態を
包含する。
【0018】さらに第三段階として、本発明の方法で
は、第二段階で得られたエマルジョンをコアレッサーに
より触媒成分の分離を促進し、次いで有機層と水層とに
分離する。本発明の方法においては、官能性のオレフィ
ン性化合物のヒドロホルミル化反応によって得られる反
応液と水を混合した場合、反応液と水との比重差が小さ
いためエマルジョン化し、これを数時間静置しても、完
全に2層に分離しない。そこで、これを分離するために
はまず触媒成分の分離を促進させることが必要であり、
本発明の方法ではコアレッサーを採用することが必須と
なる。コアレッサーを使用する場合は、表面張力差を用
いての分離促進が可能となるため、コアレッサーにより
触媒成分の分離を促進した後に、有機層と水層の比重差
を用いる遠心分離、セトラ−などによる静置などの分離
手段を採用して有利に分液を行うことが可能となる。設
置コスト、ランニングコストを考慮すると、コアレッサ
ーと静置の組み合わせがより有利である。
【0019】本発明の方法に用いるコアレッサーとは、
エマルジョン粒子などの液滴を合体(coalescence)させ
る機能を有する装置をいい、例えばPerry's Chemical E
ngineers Handbook, 6th ed., pp21-64に記載されてい
るような表面張力を利用して液滴の合体・拡大を可能と
するものをいう。該コアレッサーとしては市販のコアレ
ッサーを用いることができるが、優れた合体効果を発揮
するろ過器なども使用することができ、本発明のコアレ
ッサーにはろ過器などのように優れた合体効果を有する
ものも包含される。例えば実施例に示すようにポリプロ
ピレン製、コットン製などのフィルターおよびフィルタ
ーハウジングからなるろ過器を用いて優れた合体(coale
scence)効果を得ることができる。
【0020】コアレッサー中に配置されてもよいフィル
ターの種類としては、特に限定されず親油性、親水性い
ずれでも使用可能であるが、本発明の方法においては水
相中に有機相が分散しているので、親油性のフィルター
を使用するのが好ましい。またフィルター細孔径として
は、通常0.1μmから20μm程度のものを使用で
き、0.1μmから5μm程度のものを用いるのがより
好ましい。
【0021】コアレッサーによる分離時の温度は、特に
限定されず、通常10〜70℃の範囲内から選ばれる。
また、抽出操作は通常窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガスまたは水素/一酸化炭素混合ガスの雰囲気下
で行われる。
【0022】抽出操作により未反応の原料及び反応生成
物は抽残層(上層、すなわち有機層)に分離され、また
触媒成分と溶媒である有機極性化合物は抽出層に分離さ
れる。抽残層には未反応原料及び反応生成物以外に、少
量の触媒成分が含まれているので、得られた抽残層に対
して再度抽出操作を施して、触媒成分及び有機極性化合
物の回収率を高めることは工業的に有利である。このよ
うにして、触媒成分や有機極性化合物の回収率を高めて
も、なお繰り返し使用しているうちに、その損失量が無
視し得ないような水準に達することもあるが、この場合
にはロジウム化合物、水溶性第3級ホスフィン、有機極
性化合物などを適宜必要量追加することにより、反応速
度と選択率を維持していくことができる。
【0023】抽出操作により得られる抽出層、あるいは
抽残層を洗浄することにより得られる触媒成分含有の洗
浄水から水を留去する際には、触媒の熱劣化等による変
性を未然に防ぐため、できるだけ低い温度で実施するこ
とが望ましく、減圧蒸留方式が好適である。減圧蒸留温
度は通常30〜100℃の間から選ばれる。またその温
度で実施するための圧力として40〜1.3KPaの範
囲が選ばれる。留去すべき水の量は、留去後の濃縮され
た液を反応液に循環しても分離水を形成しないような量
であることが望ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によりなんら制限されるも
のではない。
【0025】なお水溶液中に含まれる触媒成分等の組成
は以下のように分析した。 (触媒成分等の組成分析)ロジウム原子は、原子吸光分
光法を用い、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノ
スルホン酸ナトリウム(TPPS−Na)はモリブデン
ブルー法を用い、ポリエチレングリコールジメチルエー
テルはガスクロマトグラフィーを用いて濃度を測定する
ことによって、ロジウム原子、リン化合物及びポリエチ
レングリコールジメチルエーテルの回収率を算出した。
【0026】参考例1 ガス導入口、サンプリング口および4枚のバッフルを備
えた内容積5リットルの電磁攪拌式オートクレーブにジ
カルボニルアセチルアセトナートロジウム86mg
(0.33mmol)、TPPS−Na2427mg
(6.67mmol)、ポリエチレングリコールジメチ
ルエーテル(旭電化製:アデカカーポールCLE−40
0、重合度400)120ml、 7−オクテン−1−
アール1214ml(7.67mol、純度95%:5
%のn−オクタナールを含む)を空気を入れないように
仕込み、次いでオートクレーブ内を水素/一酸化炭素=
1/1の混合ガスで2.9MPaの圧力に保った。オフ
ガスを30リットル/hrの速度で流し攪拌しながら内
温を85℃にあげた。この状態で7時間反応させた。
【0027】実施例1 参考例1で得られた反応液600mlに水400mlを
加え内温30℃となるよう調節し、これを予め水素/一
酸化炭素混合ガスで充分置換したラインミキサー付帯設
備に線速度150cm/sとなるよう通して混合し、エ
マルジョン化しているのを確認した。次いでこのエマル
ジョン化した混合液をコアレッサー(上流側にポリプロ
ピレン製1μmフィルター(USフィルター製:ネクサ
スNXT5−10)内蔵フィルターハウジング(USフ
ィルター製:LMOSS20S)、下流側にポリプロピ
レン製5μmフィルター内蔵フィルターハウジング)に
通し分離を促進させた後、セトラ−(神鋼パンテック
製:縦置き円筒型鏡槽)に4時間滞留させることによ
り、エマルジョンではなく2層に完全分離しているのを
確認した。次にこれを分液して得られた水溶液を前記の
方法により分析し、その結果を表1に示した。
【0028】比較例1 実施例1と同様にしてエマルジョン化を確認した後、コ
アレッサーを通すこと無くセトラ−のみで分離を試み
た。しかし、2日間静置しても完全に2層に分離しなか
った。
【0029】比較例2 コアレッサーを使用せず、また線速度6cm/sでライ
ンミキサーを通過させる他は実施例1と同様にして、得
られた水溶液を分析し、その結果を表1に示した。セト
ラ−滞留後は完全分離していたが、ロジウム原子等の回
収率は工業上満足のいくものではなかった。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 フィルターとしてポリプロピレン製フィルターの代わり
にコットン製フィルター0.5μmのみを用いる以外は
実施例1と同様のコアレッサーを使用する他は実施例1
と同様な方法で処理し、得られた水溶液を分析し、その
結果を表2に示した。
【0032】実施例3 ポリプロピレン製5μmフィルター内蔵フィルターハウ
ジングを一個のみ配置したコアレッサーを用いる他は実
施例1と同様にして水溶液を得、これを分析した。その
結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】比較例3 内容積100mlのサンプル瓶に参考例1で得られた反
応液45mlと水30mlを加え、次いでサンプル瓶を
上下に180度回転を5回繰り返し混合させた。得られ
た混合液がエマルジョン化していないことを確認後、こ
れをセトラ−に15時間滞留させたところ、2層に完全
分離していた。分液した水溶液を分析し、その結果を表
3に示した。
【0035】比較例4 実施例1と同様にエマルジョン化した混合液を調製し、
次いでコアレッサーを使用せずに該混合液を遠心分離器
で10000Gの条件下10分間処理した。得られた処
理液は2層に分離していた。分液した水溶液を分析し、
その結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】以上の結果より混合液をエマルジョン化さ
せない比較例3の方法ではリン化合物の回収率がきわめ
て低く、またエマルジョン化させた混合液をコアレッサ
ーを用いずに遠心分離器で分離する比較例4の方法では
ロジウム原子の回収率及びリン化合物の回収率共に本発
明の方法に比べて低いことがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、ロジウム化合物、水溶性第3級ホスフィンを用い
た官能性のオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応
において、触媒成分を抽出分離する際、触媒成分の分離
を促進するコアレッサーを使用するので、低コストで触
媒成分の回収率を大きく改善することができる。また、
これにより抽残層中への触媒成分の混入が抑えられるた
め、製品取得収率も大幅に改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA10 BA27A BA27B BC71A BC71B BE26A BE26B BE42A BE42B CB51 GA09 GA13 GA19 4H006 AA02 AC45 BA24 BA45 BA83 4H039 CA62 CF10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能性のオレフィン性化合物を触媒の存
    在下で一酸化炭素と水素とを反応させるヒドロホルミル
    化反応における触媒成分の回収に際し、ロジウム化合物
    および水溶性第3級ホスフィンの存在下に該反応を行
    い、得られた反応液に水を添加、混合してエマルジョン
    とした後、コアレッサーにより触媒成分の分離を促進す
    ることを特徴とする触媒成分の回収方法。
  2. 【請求項2】 官能性のオレフィン性化合物が、7−オ
    クテン−1−アールである請求項1記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 反応液と水とを混合させる手段として、
    ラインミキサーを使用する請求項1または2記載の回収
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010081526A1 (de) 2009-01-15 2010-07-22 Oxea Gmbh Verfahren zur herstellung von aldehyden

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WO2010081526A1 (de) 2009-01-15 2010-07-22 Oxea Gmbh Verfahren zur herstellung von aldehyden

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