JP2857055B2 - 1,9−ノナンジアールの製造方法 - Google Patents
1,9−ノナンジアールの製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
の製造方法に関するものであって、さらに詳しくはブタ
ジエンのテロメリゼーションによって得られる2,7−
オクタジエン−1−オールの異性化生成物である7−オ
クテン−1−アールのヒドロホルミル化によって1,9
−ノナンジアールを製造する方法に関するものである。
ジオール、アゼライン酸、ノナンジアミンなどをはじめ
とする種々の有用な物質の出発原料として有用である。
1,9−ノナンジアールと共に得られる2−メチル−
1,8−オクタンジアールもまた種々の有用な物質の出
発原料として有用である。
ミル化して1,9−ノナンジアールを製造することは公
知である(特開昭58−118535号公報、特開昭5
8−157739号公報)
て高価であるので、該化合物を触媒とするヒドロホルミ
ル化反応を工業的に実施するに際しては、ロジウム触媒
の活性を維持したまま循環使用する技術の開発が極めて
重要な問題である。
においては、通常トリフェニルホスフィン等のリン配位
子が用いられ反応場での安定性が維持されている。しか
しながら、触媒と生成物の分離を蒸留によって実施する
場合には、触媒は熱的負荷を受ける。したがって、工業
的に蒸留分離を適用できるのは、反応混合液から反応生
成物を留去する際にもそれほどの高温を必要としない比
較的低沸点の生成物を与えるヒドロホルミル化反応に限
られる。これに対して、7−オクテン−1−アールのヒ
ドロホルミル化生成物は沸点がかなり高いので、蒸留分
離時に触媒が熱劣化しやすいという問題があった。
ホルミル化生成物が1分子中に反応性に富むアルデヒド
基を2個有する1,9−ノナンジアールである本反応に
おいては、反応条件下および蒸留条件下にこれらが縮合
しやすく、容易に高沸点縮合物が副生するという問題も
あった。高沸点縮合物がさらに熱による架橋反応などに
よって蒸留缶液が固化してしまう場合には、当然触媒液
として循環使用はできなくなる。
の分離における種々の問題を回避する方法として、ロジ
ウム触媒を水溶性にし、多量の反応溶媒からなる水層中
で反応させ、炭化水素化合物などの抽剤を用いて生成物
を抽出分離する方法が提案されている(特開昭58−1
57739号公報)。この方法は触媒が熱的劣化しにく
いこと、高沸点縮合物の蓄積が回避されているという点
で優れているが、反応溶媒を用いるために大がかりな反
応装置を必要とし、容積効率が低く、また触媒の使用量
も溶媒を使用した分だけ多く必要となり、触媒の循環使
用回数を多くしなければ工業的には成り立たない。また
抽出液から抽剤を回収する際に多大のエネルギーを要す
る点でも不利である。
不飽和炭化水素などとは決定的に異なる特徴として、触
媒を安定化するのに必要な量の水溶性第3級ホスフィン
が溶媒を使用しなくても、7−オクテン−1−アールあ
るいはそのヒドロホルミル化反応液中に溶解する性質を
有していることがあげられる。この性質を利用すれば、
溶媒を使用せずにヒドロホルミル化反応を行い、得られ
た反応混合液に水を添加し抽出操作により触媒と反応生
成物を分離する方法は可能である。この方法に従えば、
触媒と生成物の分離に際し熱的負荷がほとんどかからな
いし、容積効率も最大限に高い反応方式となる。しかし
この方法において使用するロジウム化合物の濃度はトリ
フェニルホスフィンを使用する場合の2〜10倍の高濃
度としなければ同じ反応速度を得ることができない欠点
があるために、なお依然としてロジウム触媒の使用量を
少なくしたいという問題は解決されたとはいえない。す
なわち高い容積効率を維持したままで高価なロジウム化
合物を極力低濃度で使用するということが、工業化する
うえでの最終的な目標として残されていた。
しては、米国特許第5180854号明細書に開示され
ている方法が適しているようにも考えられる。該明細書
には容積効率を損なわない範囲の少量の可溶化剤を用
い、水溶性第3級ホスフィンを反応液に溶解させてヒド
ロホルミル化反応を行い、水を抽剤に用いて反応混合液
から触媒成分を抽出分離し、得られた水層の水を蒸発除
去して触媒成分を含有する濃縮された水層を循環使用す
る方法が記載されている。本発明者らがこの米国特許明
細書に開示された方法にしたがって7−オクテン−1−
アールのヒドロホルミル化を実施したところ、可溶化剤
をまったく用いない場合に比べ、10容量%程度の少量
の可溶化剤を用いた場合には明らかに反応速度は増大し
ており、可溶化剤の種類によっては2倍以上の反応活性
の増加が認められた。しかし水抽出によって反応液中に
含まれる可溶化剤を全部回収することはできないため
に、ヒドロホルミル化生成物に可溶化剤が少量といえど
も必ず混入することが分った。したがって、生成物の純
度を高めるためには、可溶化剤をヒドロホルミル化生成
物から再度の抽出あるいは蒸留によって除去しなければ
ならない。この場合、抽出操作によって可溶化剤を除去
しようとすれば、おびただしい回数の抽出操作を繰返さ
なければ工業的に満足するほどにヒドロホルミル化生成
物から可溶化剤を除くことは不可能であって、工業的に
は蒸留操作によって除去する以外に方法はない。ただ
し、米国特許第5180854号明細書に記載されてい
る可溶化剤の中には本反応の原料や生成物を構成する元
素とは異なる窒素や硫黄元素を含む化合物があって、こ
れら酸素、炭素あるいは水素以外の元素を含む可溶化剤
は製品品質上微量の混入も許されないものである。また
該明細書記載の可溶化剤は分子量が250以下であるた
めに本ヒドロホルミル化生成物の沸点に近く蒸留分離が
容易ではなく、使用するには適さないことが解決すべき
問題として残されており、新たな製造方法の構築が強く
望まれていた。本発明の目的は、7−オクテン−1−ア
ールをヒドロホルミル化して1,9−ノナンジアールを
製造するに際しての触媒の熱劣化ならびに高沸点縮合物
の蓄積によって触媒の循環再使用の回数に制限があると
いう問題、ならびに大量の反応溶媒を使用することによ
る容積効率の低下とプロセスの複雑化という問題、およ
び製品純度の低下に関する問題の解決にあり、工業的に
満足し得る1,9−ノナンジアールの製法を提供するこ
とにある。
重ねた結果、7−オクテン−1−アールのヒドロホルミ
ル化を実施するに際し、分子量300以上のポリアルキ
レングリコール誘導体を存在させて水溶性第3級ホスフ
ィンおよび該第3級ホスフィンによって修飾されたロジ
ウム触媒を用い、得られた反応混合液から水によって反
応液中の触媒成分を抽出分離し、そして、該抽出液を、
同抽出液中の水分を蒸発除去してから反応器に循環させ
て再使用することによって上記問題を解決できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
アールと水素および一酸化炭素を反応させるに際し、 (a)ロジウム化合物 (b)一般式PR1 R2 R3 〔ここで、R1 、R2 およ
びR3 は炭素数1以上10以下のアルキル基またはアリ
ール基を表し、R1 、R2 およびR3 のうちいずれか一
つの基は、式 −SO 3 M (Mはアルカリ金属を表す)で示される基
を置換基として有する〕で表される第3級ホスフィン、
および (c)分子量300以上のポリアルキレングリコール誘
導体の存在下に該反応を実施し、得られた反応混合液に
対して水による抽出操作を施すことによって反応混合液
からロジウム化合物、第3級ホスフィンおよびポリアル
キレングリコール誘導体を抽出分離し、分離された水層
の水を除去して得られる触媒成分を含むポリアルキレン
グリコール誘導体の少なくとも一部を反応器に循環して
7−オクテン−1−アールと水素および一酸化炭素の反
応に再使用するとともに、抽残層より1,9−ノナンジ
アールを取得することを特徴とする1,9−ノナンジア
ールの製造方法を提供する。
するに際し、触媒成分に熱的負荷がほとんどかからず、
また循環系に高沸点化合物が蓄積することも回避され
る。同時に高い容積効率を維持しながら、大がかりな設
備の必要もなく、製品品質上問題となる可溶化剤の混入
を回避することができる。よって、本発明によれば、工
業的に実施する上で極めて望ましい1,9−ノナンジア
ールの製造法が提供される。
ヒドロホルミル化反応に用いられるロジウム化合物とし
てはヒドロホルミル化触媒能を有するか、またはヒドロ
ホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化触媒能を有す
るように変化する任意のロジウム化合物であって、具体
的にはRh4(CO)12、Rh6(CO)16、Rh
(acac)(CO)2、酸化ロジウム、塩化ロジウ
ム、ロジウムアセチルアセトナート、酢酸ロジウムなど
が挙げられる。ロジウム化合物は通常ヒドロホルミル化
反応液1リットル当たりロジウム原子換算で0.005
〜5ミリグラム原子の濃度範囲で使用される。
ヒドロホルミル化反応に用いられる前記一般式で表され
る第3級ホスフィンとしては例えばつぎのものを例示す
ることができる。
ルホン酸のアルカリ金属塩は本発明を工業的に実施する
うえで好適な第3級ホスフィンである。これらの第3級
ホスフィンは単独で用いることも、2種類以上組合せて
用いることもできる。これらの第3級ホスフィンの使用
量はヒドロホルミル化反応液1リットルあたり1ミリモ
ル以上、好ましくは5ミリモル以上の濃度範囲で用いら
れるが、同時にロジウム化合物中のロジウム1グラム原
子当たり20グラム当量以上の割合で用いられることが
望ましい。
ル誘導体とは分子量300以上であり、かつ沸点が10
mmHgで200℃以上である下記の一般式で表される
化合物である。
し、Rはエチレン基、−CH(CH 3 )CH 2 −または
−CH 2 CH(CH 3 )−を表し、nは5以上の整数を
表わす)このようなポリアルキレングリコール誘導体の
具体例としては、ポリエチレングリコール(平均分子量
400)、ポリエチレングリコール(平均分子量100
0)、ポリプロピレングリコール(平均分子量40
0)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平
均分子量400)、ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル(平均分子量1000)、ポリエチレングリコ
ールジメチルエーテル(平均分子量400)、ポリエチ
レングリコールジメチルエーテル(平均分子量100
0)またはこれらの混合物があげられるが、なかでもポ
リエチレングリコール(平均分子量400)もしくはポ
リエチレングリコールジメチルエーテル(平均分子量4
00)は常温で液体であることから、運転操作性に優れ
ているうえ比較的入手が容易であり、本発明の方法を工
業的に実施するうえで好適である。これらのポリアルキ
レングリコール誘導体は、ヒドロホルミル化反応液中2
容積%以上30容積%以下の濃度範囲で用いられるが、
5容積%以上20容積%以下の範囲で用いられることが
望ましい。
0℃、好ましくは70〜120℃の温度下で実施され
る。反応に用いられる水素/一酸化炭素混合ガスにおい
て水素と一酸化炭素のモル比は、入りガス組成として通
常0.5〜5の範囲から選ばれる。反応圧力は一般に1
〜300気圧の範囲内から選ばれる。好ましくは5〜1
00気圧の範囲内から選ばれる。反応は撹拌型反応槽ま
たは気泡塔型反応槽中で連続方式またはバッチ方式で行
うことができる。
化反応によって得られる反応混合液は、水による抽出操
作によりロジウム化合物と第3級ホスフィンからなる触
媒成分およびポリアルキレングリコール誘導体を分離す
ることができる。反応混合液に対する水の使用割合は、
容積比で1/20以上2/1 以下の範囲内にあるのが好まし
い。さらに好ましくは1/20以上1/2 以下の範囲である。
有機層と水層の層分離性は、触媒成分の種類と濃度、ポ
リアルキレングリコール誘導体の種類と使用量および水
の使用割合および分離時の温度に大きく支配され、遠心
分離装置の使用によって有利に分離が促進される場合も
ある。抽出温度は10〜70℃の範囲内から選ばれる。抽出
操作は通常窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス
または水素/一酸化炭素混合ガスの雰囲気下で行われ
る。
残層(上層・有機層)に分離され、また触媒成分とポリ
アルキレングリコール誘導体は抽出層(下層・水層)に
分離される。抽残層には原料および反応生成物のほかに
少量の触媒成分が含まれている。したがって、得られた
抽残層に対して再度水による抽出操作を施して、触媒成
分およびポリアルキレングリコール誘導体の回収率を高
めることは工業的に有利な方法である。水の使用量につ
いて上限はないが、通常抽残層に対して0.5以下の容
積比で用いられる。このようにして触媒成分やポリアル
キレングリコール誘導体の回収率を高めてもなおこれら
を繰り返し使用しているうちには、その損失量が無視し
えないような水準に達することもあるが、触媒成分やポ
リアルキレングリコール誘導体を追加することにより反
応速度と選択性を維持していくことは容易である。抽出
操作によって得られた抽残層からは蒸留あるいは晶析等
の公知の方法により1,9−ノナンジアールを分離する
ことができる。また1,9−ノナンジアールを含む抽残
層を、アゼライン酸あるいはノナンジオール等の前駆体
としてそのまま次の酸化工程あるいは水素添加工程にお
いて使用することも工業的には好ましい使用方法の一つ
である。
抽残層を洗浄することにより得られる触媒成分含有の洗
浄水からの水の除去は、触媒成分の熱劣化等の変性を未
然に防ぐため、できるだけ低い温度で実施することが望
ましく、減圧蒸留方式によって実施することが好適であ
る。具体的な実施温度は30〜100℃の間から選ばれ
る。またその温度で実施するための圧力として300〜
10mmHgの範囲の圧力が選ばれる。留去すべき水の
量は、留去後の濃縮された液を反応混合液に循環しても
分離水を形成しないような量である。
0〜80℃の範囲に保ち、触媒成分の劣化を回避しなが
ら循環させることが工業上有利な実施方法である。
1−アールの存在下に実施し触媒成分を含む7−オクテ
ン−1−アールとしたうえで、これを反応器に循環する
こともできる。この際存在させる7−オクテン−1−ア
ールの量は特に限定されるものではないが、触媒成分と
同時に反応器に供給する7−オクテン−1−アールの全
量かもしくはそれ以下の量にすることが望ましい。この
ように原料の存在下に水蒸発操作を実施するならば、回
収した触媒成分を含む水溶液が高濃度に濃縮されること
が回避されるため、触媒の安定性を保つうえで好ましい
方法といえる。また分子量の大きなポリアルキレングリ
コール誘導体を用いる場合に冷却によって固化してまう
ことも回避されるために、運転操作性の点でも好ましい
方法である。
作はいずれもバッチ式にも連続式にも行うことが可能で
ある。
するが、本発明はかかる実施例によってなんら制限を受
けるものではない。 参考例 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積300
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム1.03mg(0.004ミリ
モル)、ジフェニルホスフィノベンゼン−m−モノスル
ホン酸ナトリウム塩(TPPS−Na)364mg(1
mmol)、7−オクテン−1−アール85g(0.6
07mol、純度90%、10%のn−オクタナールを
含む)および必要に応じて表1に示す添加剤10ml
(25℃)を空気を入れないようにして仕込み、オート
クレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混
合ガスで70kg/cm 2 Gの圧力に保った。オフガス
を10リットル/hrの速度で流し攪拌しながら内温を
90℃にあげた。この状態で2.5時間反応させた。反
応結果を表1に示す。
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム2.06mg(0.008ミリ
モル)、TPPS−Na364mg(1mmol)、ポ
リエチレングリコールジメチルエーテル(分子量40
0)11gおよび7−オクテン−1−アール77g
(0.55mol、純度90%、10%のn−オクタナ
ールを含む)を空気を入れないようにして仕込み、オー
トクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の
混合ガスで90kg/cm 2 Gの圧力に保った。オフガ
スを20リットル/hrの速度で流し、攪拌しながら内
温を90℃にあげた。この状態で4時間反応させた。
混合ガスで充分置換した内容積500mlの三ッ口フラ
スコに空気に触れないようにして圧送し、水20mlを
加え内温を30℃に保ちながら上記組成の水素/一酸化
炭素混合ガス雰囲気下で10分間攪拌した。攪拌を停止
した後、混合液を水素/一酸化炭素混合ガス雰囲気に保
った分離槽に移し、15時間静置したところ2層に分離
した液が形成された。下層を窒素雰囲気に保った200
mlのなし型フラスコに移し、60℃に保ったウォータ
ーバスに浸した。圧力を徐々に15mmHgまで減ずる
と水が留出した。水が留出しなくなったところで室温に
冷却し、窒素ガスで常圧に戻した。ここへTPPS−N
a36.4mg、ポリエチレングリコールジメチルエー
テル(分子量400)1.4gおよび7−オクテン−1
−アール77gを加え、攪拌混合した。
液をオートクレーブに移し、第1回目と同じ反応条件で
4時間反応させた。反応終了後の抽出分離操作、水蒸発
操作、触媒成分と原料の追加操作も第1回目と同じ条件
で実施した。このようにして順次繰り返し実験を行なっ
た結果を表2に示す。
えた内容積300mlの電磁攪拌式オートクレーブにジ
カルボニルアセチルアセトナートロジウム6.45mg
(0.025ミリモル)、TPPS−Na3.64g
(10mmol)、ポリエチレングリコール(分子量4
00)11gおよび7−オクテン−1−アール77g
(0.55mol、純度90%、10%のn−オクタナ
ールを含む)を空気を入れないようにして仕込み、オー
トクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の
混合ガスで10kg/cm 2 Gの圧力に保った。オフガ
スを30リットル/hrの速度で流し攪拌しながら内温
を100℃にあげた。この状態で6時間反応させた。次
いで反応混合液を予め水素/一酸化炭素混合ガスで充分
置換した内容積300mlの三ッ口フラスコに空気に触
れないようにして圧送し、水20mlを加え内温を30
℃に保ちながら上記組成の水素/一酸化炭素混合ガス雰
囲気下で10分間攪拌した。攪拌を停止した後混合液を
水素/一酸化炭素混合ガス雰囲気に保った分離槽に移
し、14時間静置したところ2層に分離した液が形成さ
れた。下層を窒素雰囲気に保った200mlの三ッ口フ
ラスコに移し60℃に保ったウォーターバスに浸した。
圧力を徐々に15mmHgまで減ずると水が留出した。
水が留出しなくなったところで室温に冷却し窒素ガスで
常圧に戻した。ここへポリエチレングリコール(分子量
400)2.0gおよび7−オクテン−1−アール77
gを加え、攪拌混合した。
液をオートクレーブに移し、第1回目と同じ反応条件で
6時間反応させた。反応終了後の抽出分離操作、水蒸発
操作、ポリエチレングリコールと原料の追加操作も第1
回目と同じ条件で実施した。このようにして順次繰り返
し実験を行なった結果を表3に示す。
えた内容積300mlの電磁攪拌式オートクレーブにジ
カルボニルアセチルアセトナートロジウム1.29mg
(0.005ミリモル)、TPPS−Na 728mg
(2mmol)、ポリエチレングリコールジメチルエー
テル(分子量1000)11gおよび7−オクテン−1
−アール77g(0.55mol、純度90%、10%
のn−オクタナールを含む)を空気を入れないようにし
て仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=2/
1(モル比)の混合ガスで70kg/cm 2 Gの圧力に
保った。オフガスを30リットル/hrの速度で流し攪
拌しながら内温を85℃にあげた。この状態で3時間反
応させた。
混合ガス(モル比=2/1)で充分置換した内容積50
0mlの三ッ口フラスコに空気に触れないようにして圧
送し、水20mlを加え内温を40℃に保ちながら上記
組成の水素/一酸化炭素混合ガス雰囲気下で10分間攪
拌した。攪拌を停止した後混合液を水素/一酸化炭素混
合ガス雰囲気に保った分離槽に移し、遠心分離を実施し
た。10000Gの遠心力で10分間処理したところ2
層に分離した液が形成された。下層を窒素雰囲気に保っ
た200mlのなし型フラスコに移し、60℃に保った
ウォーターバスに浸した。圧力を徐々に15mmHgま
で減ずると水が留出した。水が留出しなくなったところ
で60℃に保ったまま窒素ガスで常圧に戻した。ここへ
TPPS−Na 73mg、ポリエチレングリコールジ
メチルエーテル(分子量1000)1.4gおよび7−
オクテン−1−アール77gを加え攪拌混合した。
液をオートクレーブに移し第1回目と同じ反応条件で3
時間反応させた。反応終了後の抽出操作、遠心分離操
作、水蒸発操作、触媒成分と原料の追加操作も第1回目
と同じ条件で実施した。このようにして順次繰り返し実
験を行なった結果を表4に示す。
料とヒドロホルミル化反応生成物以外に容積を占める物
質として、少量のポリアルキレングリコール誘導体しか
ないのですぐれた容積効率を達成することができる。ま
た反応活性も高められるので、高価なロジウムの使用量
も少なくてすみ、その結果、生産性の高い経済的な方法
で1,9−ノナンジアールを製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 7−オクテン−1−アールと水素および
一酸化炭素を反応させるに際し、 (a)ロジウム化合物 (b)一般式PR1 R2 R3 〔ここで、R1 、R2 およ
びR3 は炭素数1以上10以下のアルキル基またはアリ
ール基を表し、R1 、R2 およびR3 のうちいずれか一
つの基は、式 −SO 3 M (Mはアルカリ金属を表す)で示される基
を置換基として有する〕で表される第3級ホスフィン、
および (c)分子量300以上のポリアルキレングリコール誘
導体の存在下に該反応を実施し、得られた反応混合液に
対して水による抽出操作を施すことによって反応混合液
からロジウム化合物、第3級ホスフィンおよびポリアル
キレングリコール誘導体を抽出分離し、分離された水層
の水を除去して得られる触媒成分を含むポリアルキレン
グリコール誘導体の少なくとも一部を反応器に循環して
7−オクテン−1−アールと水素および一酸化炭素の反
応に再使用するとともに、抽残層より1,9−ノナンジ
アールを取得することを特徴とする1,9−ノナンジア
ールの製造方法。 - 【請求項2】 第3級ホスフィンがジフェニルホスフィ
ノベンゼン−m−モノスルホン酸のアルカリ金属塩であ
る請求項1記載の1,9−ノナンジアールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6083870A JP2857055B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 1,9−ノナンジアールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6083870A JP2857055B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 1,9−ノナンジアールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267890A JPH07267890A (ja) | 1995-10-17 |
JP2857055B2 true JP2857055B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=13814705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6083870A Expired - Lifetime JP2857055B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 1,9−ノナンジアールの製造方法 |
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JP (1) | JP2857055B2 (ja) |
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WO2018062254A1 (ja) | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 株式会社クラレ | 金属腐食の抑制方法 |
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