JPH07266720A - 昇華転写記録用受像体 - Google Patents

昇華転写記録用受像体

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JPH07266720A
JPH07266720A JP6061879A JP6187994A JPH07266720A JP H07266720 A JPH07266720 A JP H07266720A JP 6061879 A JP6061879 A JP 6061879A JP 6187994 A JP6187994 A JP 6187994A JP H07266720 A JPH07266720 A JP H07266720A
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JP6061879A
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Inventor
Akira Naito
晃 内藤
Masato Yoshida
真人 吉田
Akio Josa
陽生 帖佐
Osamu Ito
修 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】昇華転写による画像を接着シートを用いること
なく任意の材料に、特には柔軟性や伸縮性に富んだ材料
に対しても良好に転写でき、且つ転写後の染料画像の箔
落ちや、ひび割れ等の不良が発生せず、しかも且つ染料
の移行により染料受像層の画像に滲みが生じない昇華転
写記録用受像体を提供する。 【構成】基材、剥離層、中間接着層、染料移行防止層、
および染料受像層が順次積層されてなる昇華転写記録用
受像体であり、剥離層と染料受像層との間に中間接着層
が設けられ、該中間接着層の材料は引張伸度が300%
以上の樹脂を含むこと、該染料受像層は溶融もしくは軟
化することにより粘着性を示すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱昇華性染料を含有す
るインキ層を有する熱転写記録媒体から加熱転写により
移行してくる熱昇華性染料を受容する染料受像層を有
し、画像形成に出来る昇華転写記録用受像体に関し、よ
り詳しくは、昇華転写により染料受容層に形成された画
像を、更に、表面平滑性に乏しく且つ柔軟性と伸縮性と
に富んだ材料に容易に貼着させることが出来る昇華転写
記録用受像体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビやビデオの画像、或いはコ
ンピューターグラフィックスの画像などからのカラーハ
ードコピーの方法として、良好な階調性表現を実現でき
ることから熱昇華性染料を利用する昇華転写記録方法が
広く利用されるようになっている。この場合の画像形成
の原理は、熱昇華性染料含有インキ層を有する熱転写記
録媒体の当該インキ層側と、熱昇華性染料を受容できる
染料受容層が基材上に積層されている受像体の当該染料
受容層側とを対向させておき、画像情報に応じて熱転写
記録媒体のインキ層を加熱することにより熱昇華性染料
を染料受容層に移行させて画像を形成するものである。
【0003】ところで、このような昇華転写記録方法で
形成された画像を、更に任意の物品上に転写することが
広く行なわれているが、その代表的な方法としては、予
め受像体の染料受容層と反対側の基材面に粘着剤層と離
型シートを積層しておき、染料受容層に画像を形成した
後に、離型シートを剥がし、受像体を所望の物品の表面
に粘着剤層を介して貼付けるという方法はある。
【0004】しかし、このような粘着剤付き受像体を、
薄葉紙、プラスチックフィルム、布或いは軟質のプラス
チックやゴムなどのような柔軟性や伸縮性に富んだ材料
であるとか、また表面が粗く平滑性に乏しい材料に対し
て貼付けた場合には、遅からず剥がれ落ち易いという問
題点がある。
【0005】このため、柔軟性あるいは伸縮性にとんだ
材料や、表面が粗く平滑性に乏しい材料に、前記のよう
な画像を転写する方法として、受像体の染料受容層を基
材から剥離可能としておき、染料受容層に画像を形成し
た後に、染料受容層と所望の物品の表面とを対向させ、
その間にホットメルトタイプの接着シートを介在させ、
受像体の基材側からアイロン等で加熱加圧して染料受容
層と物品とを接着し、最後に前記の基材を染料受像層か
ら引き剥がすという方法も行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
染料受容層と基材とを剥離可能とした受像体を使用する
従来の技術においては、接着シートを別途に用意する必
要があり、このことは、受像体と接着シートとをそれぞ
れ切り抜いて位置合わせする操作があることから、作業
が非常に繁雑になってしまう問題があった。
【0007】また、このような従来の技術に係わる受像
体の染料受容層は接着シートを使用することが前提とな
っているので、それ自身が接着性を示す必要がなく、む
しろ、昇華転写時に熱転写記録媒体のインキ層と融着を
防止することが要求される。そのため染料受容層として
は、熱可塑性樹脂をイソシアネート系硬化剤で硬化させ
た樹脂や熱硬化性樹脂が使用されている。従って、接着
シートを介して所望の物品に染料受容層を転写させると
きに、その物品がニットのような伸縮性が非常に大きい
ものである場合には、物品の伸縮性に追随できずにひび
割れてしまうという問題があった。
【0008】本発明は前記従来の技術の問題点を鑑みな
されたものであり、昇華転写記録方法により得られる画
像を、接着シートを用いることなく任意の材料に、特に
は柔軟性あるいは伸縮性に富んだ材料に対して、また表
面が粗く平滑性に乏しい材料に対しても、良好に転写す
ることが出来、転写後に画像の箔落ちやひび割れが生じ
たりしないことと、そのうえに、画像のにじみの少ない
ことを兼ね備えた、安定した昇華転写記録用受像体を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為に
本発明が提供する手段は、すなわち、少なくとも基材、
剥離層、染料受像層が、この順に積層されてなる昇華転
写記録用受像体において、(イ)剥離層と染料受像層と
の間に、中間接着層と染料移行防止層とがこの順に設け
られていること、(ロ)該中間接着層の引張伸度は30
0%以上であること、(ハ)該染料受像層は、溶融もし
くは軟化することにより粘着性を示すこと、以上(イ)
から(ハ)を具備することを特徴とする昇華転写記録用
受像体である。
【0010】好ましくは、請求項2に示すように、前記
昇華転写記録用受像体において、前記染料移行防止層が
アクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の
昇華転写記録用受像体である。
【0011】さらに好ましくは、請求項3に示すよう
に、前記昇華転写記録用受像体において、前記中間接着
層は引張強度が200kg/cm2 以上であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の昇華転写記録用受像体
である。
【0012】さて、本発明者等は、受像体の染料受容層
を任意の物品に転写するときに、まず、加熱加圧により
染料受容体自体が接着性を示すようにし、更に特定の数
値以上の伸度を示す中間接着層を染料受容層と剥離層と
の間に形成することにより上述の目的が達成できること
を見出したものである。尚、昇華性染料としては、温度
上昇に伴い、固体から気体へ一気に相変化を起こすもの
に限らず、完全な昇華性は示さずほんの僅かだけ液体の
状態を経て気体へ相変化する材料(現実には、完全に昇
華であるか否かが不明瞭な材料も存在しえる為)も本発
明発明でいう昇華性染料とみなすことにする。
【0013】即ち、基材、剥離層および染料受容層が順
次積層されてなる昇華転写記録用受容体において、剥離
層と染料受容層との間に中間接着層が設けられ、該中間
接着層を形成する樹脂がの引張伸度が300%以上であ
り、且つ染料受容層が溶融もしくは軟化することにより
粘着性を示すことを特長とする昇華転写記録用受像体を
提供している。
【0014】また、このような引張伸度が300%以上
である樹脂で中間接着層を形成する場合、引張伸度が3
00%以上である樹脂は染料染色性が強いことから、染
料受容層と隣接させて染料受容層を設けた場合、染料受
容層に形成された染料画像の染料が経時的に中間接着層
に移行し拡散してしまう為に、画像が滲んでぼやけてし
まう。そこで、染料染色性、染料の拡散性、そして透過
性の少ない材料を用いて中間接着層と染料受容層との間
に染料移行防止層を形成し、これにより染料画像の安定
化を図るものである。
【0015】以下には、図面に基づいて本発明をさらに
詳細に説明する。(図1)は本発明の好ましい態様の昇
華転写記録用受像体の断面図である。同図にあるよう
に、この昇華転写用受容体は、基材1、剥離層2、中間
接着層3、染料移行防止層4及び染料受容層5が順次積
層された構造を有する。
【0016】本発明において使用する基材1としては、
従来から感熱記録媒体の基材として使用されているもの
と同様なものを使用することができ、機械的強靭性、柔
軟性、耐熱性などを考慮して適宜選択することができ
る。このような基材の具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステルとか、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリイミ
ド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミ
ドフィルムなどのプラスチッククフィルムとか、上質
紙、コート紙、合成紙などの紙基材とか、あるいはこれ
らを組み合わせたシートなどを例示することができる。
なかでも、平滑性、強度、コストなどの点からポリエス
テルフィルムを好ましく使用できる。
【0017】基材1の厚さには特に限定はないが、プリ
ンターの搬送性等を考慮すると、一般的には25〜25
0μm、好ましくは75〜200μmとする。剥離層2
は画像が形成された染料受容層5を任意の物品(被転写
材)に容易に転写できるように、それ自身と基材1との
界面を容易に剥離させるものであり、更に剥離した後は
転写画像の表面保護層として機能するものでる。従っ
て、このような剥離層2としては、基材1からの剥離性
が良好で且つ中間接着層3と強固に接着し、更に耐熱
性、耐擦過性、耐水性、耐薬品性などに優れ、熱昇華性
染料が浸透、拡散、透過しにくく、光透過性の材料を使
用する。
【0018】このような材料としては、たとえば、ブチ
ラール樹脂、飽和ポリエステル、ウレタン、アクリル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、スチレン−ブタジ
エン共重合体などの種々の熱可塑性樹脂や、これらの架
橋生成物、あるいはフェノール樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、けい
素樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂な
どの熱硬化性樹脂、の中から一種以上を適宜選択して使
用することができる。なお、剥離層2の厚みには特に制
限はないが、薄すぎると被転写材に転写した、染料画像
の種々の耐性が低下し、厚すぎると画像品位が低下が生
じるので、一般的には、1〜10μmとすることが好ま
しい。中間接着層3は染料受容層5の柔軟性と伸縮性を
補い、そのひび割れや箔落ちを防止するための層であ
る。
【0019】このような中間接着層3としては、引張伸
度が300%以上、好ましくは400〜1000%の樹
脂とワックスの混合物を使用する。更に、そのような伸
度の樹脂の中でも、引張強度が200kg/cm2 以上
の樹脂を使用することが好ましい。引張伸度が300%
未満であると、染料受容体4の柔軟性と伸縮性とを十分
に補うことができない。また、引張強度が200kg/
cm2 未満であると層が破断しやすく、ひび割れ等が発
生しやすい。
【0020】このような中間接着層3に使用する樹脂の
具体例としては、飽和ポリエステル、ウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン−ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド、
スチレンーブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使
用できる。これら材料は、単独で使用しても良いし各種
混合して使用してもよい。また、これらにブロッキング
防止剤として、ポリエチレンワックス、パラフィンワッ
クス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、エス
テルワックス、酸化ワックス、ライスワックス、モンタ
ンワックス、石油樹脂ワックス等のワックス類等を添加
してもよい。
【0021】なお、中間接着層3の厚みには特に制限は
ないが、薄すぎると染料受容層5の柔軟性と伸縮性とを
十分に補うことができなくなり、厚すぎると画像品位の
低下が生じるので、一般的には10〜100μmとする
ことが好ましい。染料移行防止層4は染料受容層5から
中間接着層3へ染料が移行、拡散するのを防止し、形成
した画像の滲みや、ぼやけ等を防止して染料画像を安定
させるための層である。このようの染料移行防止層4と
しては、熱昇華性染料が浸透、拡散、透過しにくい光透
過性の材料が使用できる。
【0022】このような材料としては、たとえば、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、けい素樹脂、アルキド樹脂、
ポリイミド、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂とか、
ブチラール樹脂、飽和ポリエステル、ウレタン、アクリ
ル、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル−塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、
スチレン−ブタジエン共重合体などの種々の熱可塑性樹
脂やこれらの架橋生成物、の中から一種以上を適宜選択
して使用することができる。またその他の金属、無機物
を蒸着等で薄膜を形成すること染料移行防止層4を形成
してもよい。その中でも特に、熱昇華性染料が浸透、拡
散、透過しにくく、光透過性の優れたアクリル樹脂を主
成分として用いることが好ましい。
【0023】なお、染料移行防止層4の厚みには特に制
限はないが、薄すぎると染料移行防止効果が少なくな
り、厚すぎると被転写材に転写後の層全体の柔軟性及び
伸縮性が低下するので0.1μm〜5μmとすることが
好ましい。
【0024】染料受容層5は、熱転写記録媒体のインキ
層の昇華性染料を受容して画像が形成される層であると
ともに、形成された画像を更に他の被転写材に転写する
場合に、別途に接着シートを使用せずに加熱加圧により
被転写材に染料受容層5自体が直接接着する機能を有す
る。
【0025】このような染料受容層5としては、染料染
着性を有する、ブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リカプロラクトン、ポリアクリロニトリル、尿素樹脂、
ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ
ビニルアセタール、エポキシ、ケトン樹脂、或いはこれ
らの変性樹脂やブレンド物などの熱可塑性樹脂や、ポリ
エチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワッ
クス、キャンデリラワックス、エステルワックス、酸化
ワックス、ライスワックス、石油樹脂ワックス等のワ
ックス類、などを使用することができる。これらは単独
でも2種以上を混合してもよい。
【0026】なお、これらの熱可塑性の樹脂やワックス
は、受容体に形成された染料画像を被転写材に加熱加圧
により転写する場合に良好な粘着性を示さなければなら
ない点を考慮すると、その融点もしくは軟化点が160
℃以下のものが好ましく、特には50〜130℃のもの
がより好ましい。
【0027】染料受容層5の厚さは、薄すぎると画像の
反射濃度が低下し、更に表面が粗い被転写材への接着性
が不十分となり転写不良が生じる。一方、厚すぎると画
像品位の低下などが生じる。従って、一般的には1〜5
0μm、好ましくは3〜10μmとする。
【0028】なお、染料受容層5には、画像形成時の熱
転写記録媒体への熱融着を防止する目的で、種々の離型
剤を含有させることが好ましい。このような離型剤とし
ては、公知の離型剤を適宜選択して使用することができ
る。例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル
系の各種オイルや界面活性剤、樹脂および変性樹脂、或
いは金属、金属酸化物、樹脂等の微粉末、カーボンブラ
ック、シリカ、炭酸カルシウム、等の各種フィラー等が
使用でき、中でも、シリコーンオイルを好ましく使用す
ることができる。また、その添加量は、染料受容層5の
構成材料により異なるが、一般には1〜30重量%で配
合することが好ましい。
【0029】(図2)は、本発明の別の態様の昇華転写
記録用受像体の断面図である。この態様は、基材1と剥
離層2の間に、更に離型層6を設けたものである。離型
層6を設けることにより、染料画像が形成された染料受
容層5を被転写材に接着して基材1を剥離する場合に離
型層6と剥離層3との界面でより容易に剥離することが
可能となる。
【0030】離型層6としては、従来より離型層として
用いられているものの中から剥離層2よりも基材1によ
り強固に接着するものを適宜選択して使用する。例えば
このような離型層5としては、ポリエステル、ウレタ
ン、エポキシ、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ブチラー
ル、シリコーン樹脂や、これらの硬化反応物等を例示す
ることができる。なお、離型層6の厚みには、特に制限
はなく、必要に応じて適宜選択することができる。
【0031】なお、本発明の昇華転写記録用受像体を構
成する各層には、必要に応じて各種の添加剤を添加する
ことができ、例えば、接着強度を調整するためのフィラ
ーや界面活性剤、層の柔軟性や強度を向上させるための
可塑剤や硬化剤、画像の耐光性を向上させるための紫外
線吸収剤などを添加することができる。
【0032】本発明の昇華転写記録用受像体は常法によ
り製造することができ、例えば基材上に剥 離層形成用
組成物をメイヤーバーやグラビア、ロールコートなどの
塗工方法により塗工、乾燥して剥離層を形成し、更に同
様にして中間接着層、染料受容層を形成することにより
製造することができる。
【0033】本発明の昇華記録用受像体に染料画像を形
成する場合、通常の昇華記録型の熱転写記録媒体とプリ
ンタとを用いて行なうことができる。なお、プリンター
としては、被転写材に染料受容層を転写するときに画像
が反転するので、原稿ソースに対し鏡像画像を形成でき
るものが好ましい。
【0034】(図1)に示した本発明の昇華転写記録用
受像体の染料受容層に染料画像を形成した後に、この染
料受容層を被転写材に転写する場合には、(図3)に示
すように、染料受容層4を被転写材7に重ね、市販の熱
ロールを利用したラミネーターや熱板を用いたホットプ
レス機、ホットスタンプ機、あるいはや家庭用アイロン
などの加熱手段8で、基材1側もしくは被転写材7側か
ら加熱加圧することにより染料受容層5を被転写材7に
接着させ、最後に基材1を剥離層2から剥離する。ま
た、基材1と剥離層2との間に離型層6が形成されてい
る場合には、(図4)に示すように最後に基材1と離型
層6と共に剥離層2から剥離する。
【0035】
【作用】本発明の昇華転写記録用受像体においては、染
料受容層として加熱加圧により粘着性を示すものを使用
しているので、布(例えばニット)のような柔軟性ある
いは伸縮性に富んだ材料や、表面が粗く平滑性に乏しい
材料をはじめとして任意の被転写材に対して接着シート
を使用せずに直接且つ容易にその染料受容層を接着する
ことが可能となる。
【0036】しかも、隣接して300%以上の伸度を有
する樹脂からなる中間接着層が形成されているので染料
受容層 が被転写材に転写された後に、染料受容層の柔
軟性と伸縮性を十分補うことができ、そのひび割れや箔
落ちを防止することが可能となる。
【0037】更に、中間接着層と染料受容層との間に染
料移行防止層が設けてあるため、染料受容層に形成され
た染料画像が中間接着層に移行し、拡散、浸透、透過し
ないので画像の滲みや、ぼやけが発生せず、任意の被転
写材に転写後も安定画質で濃度低下の少ない画像を維
持できる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。厚さ188μmの乳白色のポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(ダイヤホイル製、商品名:W400)に
以下の配合組成の剥離層形成用組成物、中間層接着組成
物、染料移行防止層及び染料受容層形成用組成物を順次
使用して、メイヤーバーコーターにより塗工・乾燥を繰
り返し、2μm(乾燥厚)の剥離層、40μm(乾燥
厚)の中間接着層、1μm(乾燥厚)の染料移行防止
層、5μm(乾燥厚)の染料染着層を積層することによ
り、本発明の昇華転写記録用受像体を作成した。
【0039】 <剥離層> ・ブチラール樹脂(積水化学製、商品名:SLec−BH3) 10重量部 ・溶剤(トルエン及びメチルエチルケトン、重量比1:1) 90重量部 <中間接着層> ・ウレタン樹脂液(アデカ製、商品名:ボンタイターHUX-160 、固形分35% 、引張伸度725%、引張強度302kg/cm2 ) 100重量部 <染料移行防止層> ・アクリル樹脂(三菱レーヨン製、商品名:BR80) 10重量部 ・溶剤(トルエン及びメチルエチルケトン、重量比1:1) 90重量部 <染料受容層> ・ブチラール樹脂(積水化学製、商品名:SLec−BM2) 10重量部 ・シリコーンオイル(信越シリコーン製、商品名:KP-301) 2重量部 ・溶剤(イソプロピルアルコール及びトルエン、重量比1:1)90重量部
【0040】得られた昇華転写記録用受像体に対して、
昇華転写型のカラー熱転写記録媒体(シャープ製、商品
名:GZ−Y100)とビデオプリンター(シャープ
製、商品名:GZ−P10W)とを用いて昇華転写記録
を行なったところ、受像体の染料受容層が熱転写記録媒
体に熱融着せず、良好なフルカラー画像が得られた。
【0041】更に、この画像が形成された受像体の染料
受容層を綿ニット布に重ね、受像体側からアイロンで6
0秒間、加熱加圧(180℃、100g/cm2 )した
後に、受像体のポリエチレンテレフタレート基材を引き
剥がしたところ、基材と剥離層との界面で剥離し、布地
に良好な染料画像を転写することができた。そして布を
伸縮させたところ、染料画像もその伸縮に追随し、剥離
やひび割れが生じなかった。更にこの画像が転写された
布を常温で3ヵ月放置したところ、染料移行防止層を設
けない場合と比べて、画像の滲みが少なかった。
【0042】
【発明の効果】本発明に係わる昇華転写記録用受像体に
よると、昇華転写記録方法により染料需要層に形成され
た画像を、接着シートを用いることなく任意の材料に、
特には柔軟性あるいは伸縮性に富んだ材料に対して、ま
た表面が粗く平滑性に乏しい材料に対しても、良好に転
写することが出来、且つ転写後に画像の箔落ちやひび割
れが生じたりしないことと、そのうえに、画像のにじみ
の少ないことを兼ね備えた、安定した昇華転写記録用受
像体を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の昇華転写記録用受像体に係わる一実施
例について、その断面図を示す説明図である。
【図2】本発明の昇華転写記録用受像体に係わる別の一
実施例について、その断面図を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる昇華転写記録用受像体を使用し
て、被転写材へ画像を転写する方法を断面図で示す説明
図である。
【図4】本発明に係わる昇華転写記録用受像体を使用し
て、被転写材へ画像を転写する方法を断面図で示す説明
図である。
【符号の説明】
1・・・基材 2・・・剥離層 3・・・中間接着層 4・・・染料受容層 5・・・染料移行防止層 6・・・離型層 7・・・被転写材 8・・・加熱加圧手段 11・・・本発明の昇華転写記録用受像体 12・・・本発明の昇華転写記録用受像体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材、剥離層、染料受像層が、
    この順に積層されてなる昇華転写記録用受像体におい
    て、(イ)剥離層と染料受像層との間に、中間接着層と
    染料移行防止層とがこの順に設けられていること、
    (ロ)該中間接着層の引張伸度は300%以上であるこ
    と、(ハ)該染料受像層は、溶融もしくは軟化すること
    により粘着性を示すこと、以上(イ)から(ハ)を具備
    することを特徴とする昇華転写記録用受像体。
  2. 【請求項2】前記昇華転写記録用受像体において、 前記染料移行防止層がアクリル樹脂を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の昇華転写記録用受像体。
  3. 【請求項3】前記昇華転写記録用受像体において、 前記中間接着層は引張強度が200kg/cm2 以上で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の昇華転写
    記録用受像体。
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