JPH0789224A - 昇華転写記録用受像体 - Google Patents

昇華転写記録用受像体

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JPH0789224A
JPH0789224A JP5241015A JP24101593A JPH0789224A JP H0789224 A JPH0789224 A JP H0789224A JP 5241015 A JP5241015 A JP 5241015A JP 24101593 A JP24101593 A JP 24101593A JP H0789224 A JPH0789224 A JP H0789224A
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JP
Japan
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layer
resin
image
dye
receiving layer
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JP5241015A
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English (en)
Inventor
Akira Naito
晃 内藤
Masato Yoshida
真人 吉田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】昇華転写による画像を接着シートを用いること
なく任意の材料に、特には柔軟性や伸縮性に富んだ材料
に対しても良好に転写でき、且つ転写後の染料画像の箔
落ちや、ひび割れ等の不良が発生せず、しかもこの昇華
転写記録用受像体を製造する際には装置への貼つきやブ
ロッキング等の不具合も発生せず生産性良く製造できる
という昇華転写記録用受像体を提供する。 【構成】基材、剥離層および染料受像層が順次積層され
てなる昇華転写記録用受像体であり、剥離層と染料受像
層との間に中間接着層が設けられ、該中間接着層の材料
がワックスおよび引張伸度が300%以上の樹脂を含む
こと、該染料受像層は溶融もしくは軟化することにより
粘着性を示すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華性染料含有インキ
層を有する熱転写記録媒体の当該インキ層から、熱転写
により移行してくる昇華染料を受容して画像を形成する
染料受像層を有する昇華転写記録用受像体に関する。よ
り詳しくは、昇華転写により画像が形成される染料受容
層を有し、さらには表面平滑性が乏しいうえに柔軟性お
よび伸縮性には非常に富んでいる材料(例えば布地)に
も好適であり、これら以外の任意の材料であっても、前
記の形成された画像を容易に貼着させることができる昇
華転写記録用受像体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビやビデオの画像、或いはコ
ンピュータグラフィックスによる画像などに対するカラ
ーハードコピーの方法として、良好な階調性表現と表示
とを実現できる昇華染料を利用する昇華転写記録方法が
広く利用されるようになっている。この場合の画像形成
原理は、昇華性染料含有インキ層を有する熱転写記録媒
体の当該インキと、昇華染料を受容できる染料受容層が
基材上に積層されている受像体の当該染料受容層とを対
向させ、画像情報に応じて熱転写記録媒体のインキ層を
加熱して昇華性染料を染料受容層に移行させて画像を形
成するものが最も一般的である。
【0003】ところで、このような昇華転写記録方法で
形成された画像を、更に任意の物品上に転写することが
広く行なわれているが、その代表的な方法としては、予
め受像体の染料受容層と反対側の基材面に粘着剤層と離
型シートを積層しておき、染料受容層に画像を形成した
後に、離型シートを剥がし、受像体を所望の物品の表面
に粘着剤層を介して貼付けるという方法がある。しか
し、このような粘着剤付き受像体を、薄葉紙、プラスチ
ックフィルム、布或いは軟質のプラスチックやゴムなど
の柔軟性あるい伸縮性に富んだ材料や、表面が粗く平滑
性に乏しい材料に貼付けた場合には剥がれやすいという
問題点がある。
【0004】このため、柔軟性あるいは伸縮性にとんだ
材料や、表面が粗く平滑性に乏しい材料に昇華転写記録
方法にやより形成された画像を転写する方法として、受
像体の染料受容層を基材から剥離可能としておき、染料
受容層に画像を形成した後に、染料受容層と所望の物品
の表面とを対向させ、その間にホットメルトタイプの接
着シートを介在させ、受像体の基材側からアイロン等で
加熱加圧して染料受容層と物品とを接着し、最後に基材
を染料受像層から引き剥がすという方法が行なわれてい
る。しかしながら、上述の染料受容層と基材とを剥離可
能とした受像体を使用する従来の方法においては、別途
に接着シートが必要となり、受像体と接着シートとをそ
れぞれ切り抜いて位置合わせする操作が非常に繁雑にな
るという問題があった。
【0005】また、このような従来技術の受像体の染料
受容層は接着シートを使用することが前提となっている
のでそれ自身が接着性を有する必要は無く、むしろ昇華
転写時に熱転写記録媒体のインキ層との融着を防止する
ことが要求される。そのため染料受容層としては、熱可
塑性樹脂をイソシアネート系硬化剤で硬化させた樹脂や
熱硬化性樹脂が使用されている。従って、接着シートを
介して所望の物品に染料受容層を転写させるときに、も
しその物品が(例えばニットのような)伸縮性が非常に
高いものである場合には、物品に伸縮が生じた際に、転
写された画像の層がこれに追随できず、この結果として
ひび割れすら起きてしまうという問題があった。
【0006】そこでこれに対して、このような物品の伸
縮に追随させるべく、染料受容層の材料として仮に引張
伸度の高い樹脂を使用する対策も一案として考えられ
る。しかしこの場合には、引張伸度の高い樹脂としては
材料の選択範囲がかなり限定せざるを得ない。しかも、
これらの材料を使用した場合、染料受容層を有する転写
記録用受像体自体を製造する工程中で順次に層を形成し
てゆく際には、コーティング装置のロールへの貼りつき
や、そして巻取り時の基材裏面とのブロッキング等が発
生し易い為に、製造中に基材との間の剥がれや浮きが往
々にして生じてしまい、その結果として生産性を大きく
損なってしまうという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、昇華転写記録方法により得られる画像を接着シート
を用いることなく任意の材料に対して良好に転写でき、
さらには特に柔軟性や伸縮性に富んだ材料に対しても良
好に転写することができるようにすること、且つ転写後
の染料画像の箔が落ちてしまったりとか、ひび割れとか
いう不良が発生しないようにでき、しかも前記染料受容
層を有する転写記録用受像体自体を製造する際には前記
の装置への貼つきやブロッキング等の不具合が発生せず
生産性を損なうこともないようにすること、以上を満た
す昇華転写記録用受像体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明が提供する手段とは、すなわち、基材、剥離層
および染料受像層が順次積層されてなる昇華転写記録用
受像体において、(イ)剥離層と染料受像層との間に中
間接着層が設けられ、該中間接着層の材料がワックスお
よび引張伸度が300%以上の樹脂を含むこと、(ロ)
該染料受像層は溶融もしくは軟化することにより粘着性
を示すこと、少なくとも、以上の(イ)および(ロ)を
具備すること特徴とする昇華転写記録用受像体である。
【0009】そして好ましくは、前記中間接着層は、前
記の樹脂が100重量部に対して、前記ワックスは5乃
至30重量部の割合で含有する混合物からなることを特
徴とする前記の昇華転写記録用受像体である。
【0010】さらに好ましくは、前記中間接着層の引張
強度が200kg/cm2 以上であることを特徴とする
前記の昇華転写記録用受像体である。
【0011】これらは、受像体の染料受容層を任意の物
品に転写するときに、加熱加圧により染料受容体自体が
接着性を示すようにし、更に特定の数値以上の伸度を示
す中間接着層を染料受容層と剥離層との間に形成するこ
とにより上述の目的が達成できることを見出したもので
ある。
【0012】即ち、基材と剥離層と染料受容層とそして
受容層が順次積層されてなる昇華転写記録用受容体にお
いて、剥離層と染料受容層との間に中間接着層が設けら
れ、該中間接着層を形成する樹脂がの引張伸度が300
%以上であり、且つ染料受容層が溶融もしくは軟化する
ことにより粘着性を示すことを特長とする昇華転写記録
用受像体を提供する。
【0013】しかしながら、このような引張伸度が30
0%以上である樹脂で中間接着層を形成する場合、引張
伸度が300%以上である樹脂は常温でも多少粘着性を
示すことが多く、通常のコーティングで層を形成する
と、その上に染料受容層をコーティングする前に塗工装
置のロールに貼り付いたり、巻取り時に基材の裏面と貼
り付いたりして基材から中間接着層が剥離層ごと剥がれ
てしまったり後のコーティング工程に支障を来したりす
る。このような貼りつきやブロッキング防止の為に引張
伸度が300%以上である樹脂単独で用いるのではなく
ワックスを混合し中間接着層とする。
【0014】中間接着層の貼りつきやブロッキング防止
の方法としてはこの他にも、例えばシリカや炭酸カルシ
ウムあるいは酸化チタンのようなフィラーの添加や、粘
着性の無い樹脂の添加等があるが、これらは貼りつきや
ブロッキング防止に効果が少なく、逆に中間接着層の伸
縮性や柔軟性を低下させ層のひび割れ等が起こりやすく
なる。
【0015】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。なお、図1乃至図4において同じ符号は、同一ま
たは同等の構成要素を示している。図1は本発明の好ま
しい態様の昇華転写記録用受像体の断面図である。同図
にあるように、この昇華転写用受容体は、基材1、剥離
層2、中間接着層3および染料受容層が順次積層された
構造を有する。
【0016】本発明において使用する基材1としては、
従来から感熱記録媒体の基材として使用されているもの
と同様なものを使用することができ、機械的強靭性、柔
軟性、耐熱性などを考慮して適宜選択することができ
る。このような基材の具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポ
リビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミドフィ
ルムなどのプラスチックからなるフィルム、それから上
質紙、コート紙、合成紙などの紙基材、あるいはこれら
を組み合わせたシートを列挙することができる。そして
通常はこれらの中でも、平滑性・強度・コストなどの観
点から、前記ポリエステルからなるフィルムが特に好ま
しい基材として代表的である。なお、基材1の厚さには
特に確定的な限定はない。ただし、通常的な観点として
はまずプリンタの搬送系の性能は考慮される。これによ
ると、一般的には25乃至250μmが良く、特には7
5乃至200μmが好ましいとされる。
【0017】剥離層2は画像が形成された染料受容層4
を任意の物品(被転写材)に容易に転写できるように、
それ自身と基材1との界面を容易に剥離させるものであ
り、更に剥離した後は転写画像の表面保護層として機能
するものでる。従って、このような剥離層2としては、
基材1からの剥離性が良好で且つ中間接着層3と強固に
接着し、更に耐熱性、耐擦過性、耐水性、耐薬品性など
に優れ、昇華染料が浸透、拡散、透過しにくく、光透過
性の材料を使用する。
【0018】このような材料としては、例えば、ブチラ
ール樹脂、飽和ポリエステル、ウレタン、アクリル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、スチレン−ブタジエ
ン共重合体などの種々の熱可塑性樹脂やこれらの架橋生
成物、あるいはフェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、けい素樹
脂、アルキド樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂などの
熱硬化性樹脂の中から一種以上を適宜選択して使用する
ことができる。なお、剥離層2の厚みには特には確定的
な数値制限はない。ただし、一般的な傾向として、これ
が薄すぎると被転写材に転写された染料画像が有する種
々の耐性が低下し、逆に厚すぎると画像品位の低下が生
じる。このことから、通常は1乃至10μmとすること
が好ましい場合が多い。
【0019】さて、中間接着層3の役割は、染料受容層
4の柔軟性と伸縮性とを補い、そのひび割れや箔落ちを
防止するための層である。このような中間接着層3の材
料としては、まず引張伸度の高い樹脂が必要であり、好
ましくは引張伸度が300%以上のものが良く、特に好
ましくは引張伸度が400乃至1000%の樹脂が使用
される。そして、ここで本発明には欠かせないワックス
を前記樹脂との混合物として使用する。そしてさらに好
ましいのは、前記の樹脂がこのような引張伸度を有して
いる他に、特に引張強度が200kg/cm2 以上の樹
脂を使用することである。
【0020】これらの理由に関しては次に触れる。つま
り、引張伸度が300%未満であると、染料受容体4の
柔軟性と伸縮性とを十分に補うことができず、逆に引張
伸度があまりに高いものの場合には、これを要求しても
現実に得られる材料としての樹脂が存在しない場合もあ
るということである。一方、引張強度に関しては、これ
が200kg/cm2 未満であると層が破断しやすく、
その結果としてひび割れ等が発生しやすくなるからであ
る。このような中間接着層3に使用する樹脂の具体例と
しては、飽和ポリエステル、ウレタン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエンポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド、スチレンー
ブタジエン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0021】それから、このような樹脂だけではこれら
の製造工程中で層を順次形成してゆく際に、コーティン
グ装置のロールへの貼りつきや、巻取り時の基材裏面と
のブロッキング等が発生しやすく、製造中に基材との剥
がれや浮きが生じる。この為、これを防止すべく前記樹
脂にワックスを混合して中間接着層3に用いる。これら
材料は単独で使用しても良いし各種混合使用してもよ
い。そして、これに混合するワックスとしては、ポリエ
チレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワック
ス、キャンデリラワックス、エステルワックス、酸化ワ
ックス、ライスワックス、モンタンワックス、石油樹脂
ワックス等のワックス類等が用いられる。
【0022】樹脂とワックスの混合比については、樹脂
100重量部に対してワックスを5乃至30重量部混合
する。ワックスが5重量部未満であるとブロッキング防
止の効果少なく、また30重量部を超えると中間接着層
4の伸縮性が低下し染料受容体4の柔軟性と伸縮性とを
十分に補うことができない。
【0023】なお、中間接着層3の厚みには特に制限は
ないが、薄すぎると染料受容層4の柔軟性と伸縮性とを
十分に補うことができなくなり、厚すぎると画像品位の
低下が生じるので、一般的には10乃至100μmとす
ることが好ましい。
【0024】染料受容層4は、熱転写記録媒体のインキ
層の昇華性染料を受容して画像が形成される層であると
ともに、形成された画像を更に他の被転写材に転写する
場合に、別途に接着シートを使用せずに加熱加圧により
被転写材に染料受容層4自体が直接接着する機能を有す
る。このような染料受容層4としては、染料染着性を有
する、ブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポ
リウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリカプ
ロラクトン、ポリアクリロニトリル、尿素樹脂、ポリエ
ステル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニル
アセタール、エポキシ、ケトン樹脂、或いはこれらの変
性樹脂やブレンド物などの熱可塑性樹脂や、ポリエチレ
ンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、
キャンデリラワックス、エステルワックス、酸化ワック
ス、ライスワックス、石油樹脂ワックス等のワックス類
等などを使用することができる。これらは単独でも2種
以上を混合してもよい。
【0025】なお、これらの熱可塑性の樹脂やワックス
は受容体に形成された染料画像を被転写材に加熱加圧に
より転写する場合に良好な粘着性を示さなければならな
い点を考慮すると、その融点もしくは軟化点が160℃
以下のものが好ましく、50乃至130℃のものがより
好ましい。染料受容層4の厚さは、薄すぎると画像の反
射濃度が低下し、更に表面が粗い被転写材への接着性が
不十分となり転写不良が生じる。一方、厚すぎると画像
品位の低下などが生じる。従って、一般的には1乃至5
0μm、好ましくは3乃至10μmとする。なお、染料
受容層4には、画像形成時の熱転写記録媒体への熱融着
を防止する目的で、種々の離型剤を含有させることが好
ましい。
【0026】このような離型剤としては、公知の離型剤
を適宜選択して使用することができる。例えば、シリコ
ーン系、フッ素系、リン酸エステル系の各種オイルや界
面活性剤、樹脂および変性樹脂、或いは金属、金属酸化
物、樹脂等の微粉末、カーボンブラック、シリカ、炭酸
カルシウム、等の各種フィラーが使用できるが、通常は
これらの中でもシリコーンオイルが好適に使用できる場
合が多い。また、その添加量は染料受容層4の構成材料
により異なるが、一般には1乃至30重量%で配合する
ことが好ましい。
【0027】図2は本発明にかかわる別の態様の昇華転
写記録用受像体の断面図である。この態様は、基材1と
剥離層2の間に、更に離型層5を設けたものである。離
型層5を設けることにより、染料画像が形成された染料
受容層4を被転写材に接着して基材1を剥離する場合に
離型層5と剥離層3との界面でより容易に剥離すること
が可能となる。
【0028】離型層5としては、従来より離型層として
用いられているものの中から剥離層2よりも基材1によ
り強固に接着するものを適宜選択して使用する。例えば
このような離型層5としては、ポリエステル、ウレタ
ン、エポキシ、アクリル、ポリエチレン、ポリプロ ピ
レン、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ブチラー
ル、シリコーン樹脂や、これらの硬化反応物等を例示す
ることができる。なお、離型層5の厚みには、特に制限
はなく、必要に応じて適宜選択することができる。
【0029】なお、本発明の昇華転写記録用受像体を構
成する各層には、必要に応じて各種の添加剤を添加する
ことができ、例えば、接着強度を調整するためのフィラ
ーや界面活性剤、層の柔軟性や強度を向上させるための
可塑剤や硬化剤、画像の耐光性を向上させるための紫外
線吸収剤などを添加することができる。
【0030】そして、本発明の昇華転写記録用受像体は
常法により製造することができ、例えば基材上に剥離層
形成用組成物をメイヤーバーやグラビア、ロールコート
などの塗工方法により塗工、乾燥して剥離層を形成し、
更に同様にして中間接着層、染料受容層を形成すること
により製造することができる。
【0031】また、本発明の昇華記録用受像体に染料画
像を形成する場合、通常の昇華記録型の熱転写記録媒体
とプリンタとを用いて行なうことができる。なお、プリ
ンタとしては、被転写材に染料受容層を転写するときに
画像が反転するので、原稿ソースに対し鏡像画像を形成
できるものが好ましい。
【0032】図1に示した本発明の昇華転写記録用受像
体の染料受容層に染料画像を形成した後に、この染料受
容層を被転写材に転写する場合には、図3に示すよう
に、染料受容層4を被転写材6に重ね、市販の熱ロール
を利用したラミネーターや熱板を用いたホットプレス
機、ホットスタンプ機、あるいはや家庭用アイロンなど
の加熱手段7で、基材1側もしくは被転写材6側から加
熱加圧することにより染料受容層4を被転写材6に接着
させ、最後に基材1を剥離層2から剥離する。また、基
材1と剥離層2との間に離型層5が形成されている場合
には、第4図に示すように最後に基材1と離型層5と共
に剥離層2から剥離する。
【0033】
【作用】本発明の昇華転写記録用受像体においては、染
料受容層として加熱加圧により粘着性を示すものを使用
しているので、布のような柔軟性あるいは伸縮性に富ん
だ材料や、表面が粗く平滑性に乏しい材料をはじめとし
て任意の被転写材に対して接着シートを使用せずに直接
且つ容易にその染料受容層を接着することが可能とな
る。しかも、隣接して300%以上の伸度を有する樹脂
からなる中間接着層が形成されているので染料受容層が
被転写材に転写された後に、染料受容層の柔軟性と伸縮
性を十分補うことができ、そのひび割れや箔落ちを防止
することが可能となる。更に、中間接着層にワックスが
含有されるため、中間接着層を剥離層上に形成後の製造
工程で中間接着層のブロッキングや貼りつき等が防止で
き、安定して製造できる。
【0034】
【実施例】厚さ188μmの乳白色のポリエチレンテレ
フタレートフィルム(ダイヤ製、W400)に以下に示
す配合組成の剥離層形成用組成物、中間層接着形成用組
成物ホイルそして染料受容層形成用組成物を順次使用し
て、メイヤーバーコーターにより塗工と乾燥を繰り返
し、2μm(乾燥厚)の剥離層、40μm(乾燥厚)の
中間接着層そして5μm(乾燥厚)の染料染着層を積層
することにより、本発明の昇華転写記録用受像体を製造
した。この際、製造途中の中間接着層形成後のコーター
内部のロールには、中間接着層が貼りついたり、巻き取
り時の基材裏面と中間接着層のブロッキング等が発生す
ることも無く、良好に且つ順調に製造することができ
た。
【0035】 剥離層組成 ・ブチラール樹脂(積水化学 製、商品名:SLec−BH3) 10重量部 重合度1700 ・溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90重量部 中間接着層 ・ウレタン樹脂液 (アデカ 製、商品名:ボンタイターHUX−160、固形分35%) 100重量部 引張伸度:725% 引張強度:302kg/cm2 ・酸化ポリエチレンワックスエマルジョン (ヘキストジャパン 製、商品名:T−531、固形分31%) 10重量部 受像層塗液組成 ・ブチラール樹脂(積水化学 製、商品名:SLec−BM2) 10重量部 重合度800 ・シリコーンオイル(信越シリコーン 製、商品名:KP−301) 2重量部 ・溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン=1/1) 90重量部
【0036】得られた昇華転写記録用受像体に対して、
昇華転写型のカラー熱転写記録媒体(シャープ 製、商
品名:GZ−Y100)とビデオプリンタ(シャープ
製、商品名:GZ−P10W)とを用いて昇華転写記録
を行なったところ、受像体の染料受容層が熱転写記録媒
体に熱融着せず、良好なフルカラー画像が得られた。
【0037】更に、この画像が形成された受像体の染料
受容層を綿ニット布に重ね、受像体側からアイロンで6
0秒間の加熱加圧(加熱温度180℃、加圧100g/
cm 2 )した後に、受像体のポリエチレンテレフタレー
ト基材を引き剥がしたところ、基材と剥離層との界面で
剥離し、布地に良好な染料画像を転写することができ
た。そして布を伸縮させたところ、染料画像もその伸縮
に追随することが出来、剥がれやひび割れが生じなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の昇華転写記録用受像体による
と、昇華転写記録方法により得られる画像を接着シート
を用いることなく任意の材料に対して良好に転写でき、
さらには特に柔軟性や伸縮性に富んだ材料に対しても良
好に転写することができるようになり、且つ転写後の染
料画像の箔が落ちてしまうとか、ひび割れしてしまうと
かの不良が発生しなくなり、しかも前記染料受容層を有
する転写記録用受像体自体を製造する際には前記の装置
への貼つきやブロッキング等の不具合が発生せず生産性
を損なわないようになり、前記課題を充分に満足する昇
華転写記録用受像体を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる昇華転写記録用受像体の一実施
態様について、断面図を用いてその概略を示す説明図で
ある。
【図2】本発明に係わる昇華転写記録用受像体の他の一
実施態様について、断面図を用いてその概略を示す説明
図である。
【図3】本発明に係わる昇華転写記録用受像体を使用し
て被転写材へ画像を転写する方法の概略を示した説明図
である。
【図4】本発明に係わる昇華転写記録用受像体を使用し
て被転写材へ画像を転写する方法の概略を示した説明図
である。
【符号の説明】
1・・・基材 2・・・剥離層 3・・・中間接着層 4・・・染料受容層 5・・・離型層 6・・・被転写材 8・・・加熱加圧手段 11・・・昇華転写記録用受像体(本発明) 12・・・昇華転写記録用受像体(本発明)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材、剥離層および染料受像層が順次積層
    されてなる昇華転写記録用受像体において、(イ)剥離
    層と染料受像層との間に中間接着層が設けられ、該中間
    接着層の材料がワックスおよび引張伸度が300%以上
    の樹脂を含むこと、(ロ)該染料受像層は溶融もしくは
    軟化することにより粘着性を示すこと、少なくとも、以
    上の(イ)および(ロ)を具備すること特徴とする昇華
    転写記録用受像体。
  2. 【請求項2】前記中間接着層は、前記の樹脂が100重
    量部に対して、前記ワックスは5乃至30重量部の割合
    で含有する混合物からなることを特徴とする請求項1記
    載の昇華転写記録用受像体。
  3. 【請求項3】前記中間接着層の引張強度が200kg/
    cm2 以上であることを特徴とする請求項1乃至2記載
    の昇華転写記録用受像体。
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