JPH07266173A - 被加工物の心出し方法、および同心出し装置 - Google Patents

被加工物の心出し方法、および同心出し装置

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JPH07266173A
JPH07266173A JP5738494A JP5738494A JPH07266173A JP H07266173 A JPH07266173 A JP H07266173A JP 5738494 A JP5738494 A JP 5738494A JP 5738494 A JP5738494 A JP 5738494A JP H07266173 A JPH07266173 A JP H07266173A
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JP
Japan
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centering
axis
fin
shaft
workpiece
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JP5738494A
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English (en)
Inventor
Norifumi Takeuchi
徳文 竹内
Hideo Kikuchi
秀夫 菊地
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Micron Machinery Co Ltd
Original Assignee
Micron Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランクシャフト1のクランクピン1aを、
X軸に対して正確に心出し・位置決めする技術を提供す
る。 【構成】 軸受ハウジング4は非回動部材であり、主軸
5は回動可能に支承されている。非回動部材である軸受
ハウジング4に植設されたフィン枢支軸7は、傾動フィ
ン8を枢支しており、回動部材である主軸5のフランジ
5aに植設されたフィン操作軸9は前記傾動フィン8に
係合している。ラック12によりピニオン11を介して
主軸5を往復回動させると、傾動フィン8は紙面と直角
な面内で往復傾動する。該傾動フィン8の設置個数は複
数個(望ましくは3個)であり、往復傾動に伴ってクラ
ンクピン1aを挟みつけてX軸に揃えたり、開放したり
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物をスピンドル
に取り付けて機械加工する場合、該被加工物の被加工部
分の中心線をスピンドルの回転中心軸と一致せしめるよ
うに心出しする方法、および同装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えばクランクシャフトのクランクピン
のように、主軸部に対して偏心している円柱状部分を機
械加工する際は、被加工物をスピンドルに取り付ける。
図6はクランクシャフトをスピンドルに取り付けた状態
を示し、部分的に破断して描いた模式図である。クラン
クシャフト1のクランクピン1aは、クランクジャーナ
ル1bの中心線x′に対して寸法Eだけ偏心している。
このクランクピン1aを、スピンドル2の中心線Xと同
心に揃えて取り付ける作業を高精度で行なうことは容易
でなく、これを手作業で行なうには高度の熟練と多大の
時間と労力とを要する。また、この作業を自動的ないし
半自動的に行なうと誤差を生じやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図6に示したクランク
シャフト1をスピンドル2に対して位置決めするため、
該スピンドル2にVブロックv1,v2(仮想線で示す)
が設置されるが、これだけでクランクピン1aをスピン
ドル中心線Xに対して正確に位置決めすることは容易で
ない。すなわち、 (1).被加工物の円柱面とVブロックのv形溝との間
にある程度の隙間を与える必要が有り、このため位置決
めにバラツキを生じる。 (2).上記のようなバラツキが有るため、これを見越
して素材の寸法を大きくしておく(取代を大きくとって
おく)必要が有る。このため、機械加工に要する時間が
長くなって製品コストを上昇させている。また、このよ
とうに取代が大きいことは、製品の寸法精度に関しても
好ましくない影響を与えている。 (3).図6に示した従来技術においてクランクピン1
aの心出し精度を高めようとすると、クランクシャフト
1とVブロックv1,v2とのあいだの隙間を詰めなけれ
ばならないので、クランクシャフト1の挿入操作の位置
精度を上げねばならず、設備コストの増加を招く。上記
の挿入精度が高くないとVブロックとクランクシャフト
(素材)衝突して、双方に損傷の虞れが有る。
【0004】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、スピンドルに対して被加工物の被加工部(例
えばクランクシャフトのクランクピン)を正確に心出し
して位置決めする方法、および同装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理を、前掲の図6につい
て略述すると次のごとくである。すなちわ、従来技術に
おいては、クランクシャフト1のクランクピン1aを軸
Xに対して同心に位置決めするため、Vブロックv1
2の形状,機構,精度などの改良を追及していたが、
Vブロックは本質的にX軸と同心性を有しない部材であ
るから、心出し精度に限界が有った(Vブロックには中
心点というものが無い)。そこで本発明は、スピンドル
2に対して独立した機構(スピンドルに搭載されて一緒
に回転することの無い機構)として、同図6に仮想線で
示した位置PATに、軸Xに関して対称の構成よりなる
心出し手段を設け、この発明手段によって被加工部(本
例ではクランクピン1a)に外的な規制を与えてX軸と
同心の位置ならしめるよう、一時的に拘束する。上記の
一時的に拘束するとは、該被加工部に機械加工を与える
ときは、本発明に係る手段は図示の位置PATから退避
させることを意味する。また、前記の外的な規制都は回
転系外から規制するという意味である。
【0006】以上に述べた原理に基づく本発明方法につ
いて、その実施例に対応する図2を参照して説明する
と、スピンドルに取り付けて回転せしめられる被加工物
の被加工部を、上記スピンドルの中心線と同心に心出し
する方法において、上記被加工物の中心線を位置せしむ
べきX軸を含む直交3軸X,Y,Zを想定し、n個の心
出し用位置決め部材(8)のそれぞれを、X軸と平行な
枢支軸(7)によって、Y−Z面内の傾動可能に枢支
し、上記n個の心出し用位置決め部材のそれぞれを、相
互に等しい角度だけ傾動するように連動させながら、X
軸に接近する方向に傾動せしめて、上記n個の心出し用
位置決め部材(8)によって被加工物の被加工部を挟み
つけることを特徴とする。ただし、nは2以上の整数で
あって、望ましくは3である。以上に述べた本発明の方
法を実施するために創作した本発明装置につき図2を参
照して説明すると、水平な軸X,Yと垂直な軸Zとより
なる直交3軸X,Y,Zを想定し、X軸方向の筒状部材
である軸受ハウジング(4)と、上記軸受ハウジングを
貫通して、ベアリング(6a,6b)により回動自在に
支承された、フランジ(5a)を有するX軸方向の主軸
(5)と、前記軸受ハウジング(4)の端面に植設され
た、X軸方向の、n本のフィン枢支軸(7)と、上記n
本のフィン枢支軸(7)のそれぞれによってY−Z面内
の傾動可能に枢支されたn個の傾動フィン(8)と、前
記主軸のフランジ(5a)にX軸方向に植設されて、前
記n個の傾動フィン(8)のそれぞれに当接してこれを
傾動せしめるフィン操作軸(9)と、上記主軸(5)を
回動させる駆動手段と、前記の傾動フィンによって囲ま
れた部分に被加工物の被加工部をX軸方向に位置せしめ
るための空間と、を具備していることを特徴とする。
【0007】
【作用】上述の手段によると、被加工物の被加工部を同
心に位置決めすべきX軸に関して対称に配置されたn個
(望ましくは3個)の傾動フィンが相互に等角度だけ傾
動して上記被加工部を挟みつけるので、挟みつけられた
被加工部は自動的にX軸と同心に位置決めされる。しか
も前記の傾動フィン、該傾動フィンの支持機構、および
該傾動フィンの駆動機構はスピンドルに対して独立に構
成されていて該スピンドルに搭載されていない。従って
本発明装置を構成している各機構がスピンドルに関して
動バランスを保っていなくてもスピンドルの振れを誘発
する虞れが無い。さらに、スピンドルに搭載しないの
で、寸法,形状,重量について格別の制約を受けること
なく、正確に構成しやすい。その上、スピンドルに対し
て独立していて一緒に回転しないので、該スピンドルが
高速回転しても本発明装置は遠心加速度を受けることが
無く、遠心加速度によって歪みを生じたり、操作力に影
響を受けたりする虞れも無い。また、スピンドルと一緒
に回転する構成部分を有していないので、本発明に係る
機構の操作・駆動系統は単純な構成であって、設備コス
トが安く、耐久性に優れ、しかも作動信頼性が高い。以
上のようにして被加工物の被加工部を正確に心出しでき
るので、該被加工部の素材に与えるべき取代を最少限に
抑制することが可能となり、その結果として機械加工の
所要時間が減少して作業能率が向上し、機械加工される
製品の品質向上と原価低減とに貢献するところ多大であ
る。
【0008】
【実施例】次に、図1ないし図5を順次に参照しつつ、
本発明の実施例を説明する。図1は本発明に係る被加工
物の心出し方法を実施するために構成したものであっ
て、本発明に係る被加工物の心出し装置の1例を示し、
(A)は要部正面図に座標軸と参考線とを記入した図、
(B)は上記正面図に現れている傾動フィンの1個を実
線にて描くとともに、その配置関係を説明するための他
の1個を仮想線で描き、寸法記号を付記した図である。
本例は、n=3の場合を示したものである。図2は上記
実施例に係る心出し装置の一部を破断して描いた側面断
面図に、被加工物を仮想線で記入し、座標軸を記入する
とともに、作動を説明するための矢印を付記した図であ
る。 (図2参照)軸Xは、被加工物であるクランクシャフト
1の加工部(クランクピン1a)を心合わせすべき水平
座標軸である。図示の3は本発明装置に係る機構を搭載
するベース部材であって、図外の駆動手段によって往復
矢印a−bのごとく、X軸方向に往復駆動される。上記
ベース部材3の上に軸受ハウジング4が搭載され、固着
されている。図3は前掲の図2に現われている軸受ハウ
ジングの単品図であって、(A)はX軸方向に見た正面
外観図、(B)はZ−X面によって切断したところをY
軸方向に見た断面図である。上記軸受ハウジング4によ
り、ベアリング6a,6bを介して主軸5が回動自在
に、かつ軸Xと同心に支承され、クランクピン1aと同
心に正対している。図4は上掲の図2に現われている主
軸を抽出して描いた単品図であって、(A)はX軸方向
に見た外観端面図、(B)は部分的に破断してY軸方向
に見た側面図である。 (図2参照)X軸まわりの回転に関して静止部材である
軸受ハウジング4の端面に、フィン枢支軸7がX軸方向
の姿勢で植設されている。該フィン枢支軸7は、回転部
材である主軸5のフランジ5aに設けられた開口5bを
貫通して、その先端に傾動フィン8を傾動自在に枢支し
ている。これにより主軸5の回動角は制約されるが、該
主軸5に必要な回動角は後述のごとく僅少であるから支
障を生じない。上記の主軸フランジ5aにはフィン操作
軸9が植設・固定されている。
【0009】(図1(A)参照)本発明の傾動フィン8
はn個(nは2以上の整数)設けられる。先にも述べた
ように本実施例は、n=3と設定したものであって、3
個の傾動フィン8が配置されている。従って、該傾動フ
ィン8を傾動可能に枢支するフィン枢支軸7の配設個数
も3個であり、該傾動フィンに当接して傾動せしめる操
作軸9の配設個数も3個である。図示の中心点Oは、す
なわちX軸が紙面と交わっている点である。本実施例に
おける3本のフィン枢支軸7は上記の点Oから等距離に
配置されている。すなちわ、X軸と同心で半径Rの円柱
面sを想定し、この円柱面sに沿ってフィン枢支軸7が
配列されている。さらに本実施例は、上記仮想の円柱面
sを周方向にn等分(本例においては3等分)するよう
に位置せしめてフィン枢支軸7を配置してある。従っ
て、3本のフィン操作軸7のうちの任意の2本につい
て、中心点Oを見込む角は、 360°/n=120° である。これを図1(B)についてみると、角ψ=12
0°である。本発明を実施する際、各構成部材を本実施
例と異なる形態に配置することも可能であり、配置形態
を変えても本発明の技術的範囲内の構成であるが、本実
施例のように中心軸Xに関して回転対称的な配置にする
と設計,製作,検査,調整が容易であるのみでなく、バ
ランスの取れた作動を行なわせ得るので好都合である。
本実施例においてはさらに、前記のフィン操作軸9も前
記仮想の円柱面sに沿わしめて、それを周方向に3等分
するように位置せしめてある。前記傾動フィン8は、厚
さ寸法1ミリメートルの鋼板(ゲージ鋼板)を切り抜い
て構成され、Y−Z面と平行に配列され、Y−Z面内で
傾動するようにフィン枢支軸7で枢支されている。上記
フィン枢支軸7は、図1を参照して説明したように、非
回転部材である軸受ハウジング4に植設されているの
で、本図(A)に関して言えば3本のフィン枢支軸9は
固定軸である(後述するごとく紙面と直角方向には移動
するが、投影図形である図1(A)上の位置は変化しな
い)。上記3本のフィン枢支軸9は、それぞれ傾動フィ
ン8を枢支しており、該傾動フィン8の単品図は図1
(B)に実線で描かれているごとくである。図1(B)
に示すごとく、傾動フィン8を傾動させる操作軸9と係
合するための溝孔状切欠8aが形成されている。この溝
孔状切欠8aの溝幅寸法は、上記操作軸9と摺動自在に
嵌合するように設定され、その溝方向は、ほぼ中心点O
を通る方向(すなわち半径方向)である。ただし、この
傾動フィン8はY−Z面内でフィン枢支軸の軸受孔8b
を中心として傾動するので、該傾動フィン8の傾動に伴
って溝孔状切欠8aの方向は変化し、常に厳密に点Oを
通る方向ではない。図5(A)は前記のフィン枢支軸の
外観側面図、(B)はフィン操作軸の外観側面図であ
る。上記のフィン操作軸9は、図2に示したように主軸
5のフランジ5aに植設される。図4に示した主軸の透
孔5cは上記フィン操作軸9を植設するためのものであ
り、同図に示した開口5bはフィン枢支軸7を挿通する
ためのものである。図4(A)に示した角φ1は図1
(B)に示した角φ1に相当し、本実施例においては3
0度である。先に述べたように、図1(B)の角ψは3
60度/n=360度/3=120度であるから、図示
の角θ=ψ−φ1=120度−30度=90度である。
本図1(B)に示した1a′は、位置決めの対象物であ
るクランクピンの位置を表わしている。そして、傾動フ
ィン8がX軸に対向している部分(すなわちクランクピ
ン位置1a′に対向している部分)は、クランクピンの
半径よりも大きい半径rの凹円弧8cになっている。す
なわち、半径r,長さ1ミリメートルの凹円柱面が形成
されている。このように構成すると、位置決め対象物で
あるクランクピンがX軸から僅かに偏心しているとき、
図1(A)に示した3枚の傾動フィン8のそれぞれを、
フィン枢支軸7を中心として右回り(時計方向)に傾動
させてクランクピン1aを挟みつけたとき、該クランク
ピン1aと凹円弧8cの面とが円滑に滑って心出し作用
が行なわれ、該凹円弧8cの面(凹円柱面)がクランク
ピン1aによって挟みつけられたとき、双方の部材はX
軸方向の長さ1ミリメートルの線に沿って線接触する。
前記の半径rが非常に大きい極限の場合、前記の凹円弧
8cは直線となる。このように半径rが大きくても心出
し作用は行なわれるが、本発明者の実験によれば、上記
凹円弧8cの半径rの値は、クランクピン1aの半径に
比して1.5倍以上、数倍程度が適正である。本実施例
においては図1(B)に示すごとく、凹円弧8cの半径
rの中心点pは、Y軸に対して角φ2≒φ1だけ偏った方
向に位置し、クランクピン1aの半径の3倍弱になって
いる。ただし、本実施例の心出し装置は或る程度、大小
各種のクランクピンの心出し位置決めが可能であって、
前記凹円弧8cの半径rとクランクピン径との関係は固
定的ではない。
【0010】前記のフィン操作軸9を溝孔状切欠8aに
係合させた状態で、該フィン操作軸9をX軸まわりに回
動させて傾動フィン8を傾動させるため、(図2参照)
主軸5がX軸まわりに回動駆動される。上記の回動駆動
は、該主軸5に嵌着されたピニオン11を介して行なわ
れる。ラック12はY軸方向に配置され、ベース部材3
に対してY軸方向(図2において紙面と垂直)に摺動自
在に支承され、図外のシリンダ手段のピストンロッドの
先端の取り付けられていて、Y軸方向に往復駆動され
る。上記のラック12は前記のピニオン11と噛合して
いて、往復駆動されるとピニオン11を往復回動させ
る。図1(A)において、主軸フランジ5aが図の右回
り(時計方向)に回動すると3枚の傾動フィン8が閉じ
方向(挟みつけ方向)に傾動せしめられ、左回り(反時
計方向)に回動すると開き方向に傾動せしめられる。
【0011】図2について、仮想線で示したクランクシ
ャフト1のクランクピン1aをX軸と同心に心出し位置
決めする操作を次に述べる。ベース部材3を矢印b方向
に移動させて、クランクシャフト1から離間せしめてお
く。図外のシリンダを作動させてラック12を動かし、
ピニオン11を介して主軸5を開き方向に回動させ、傾
動フィン8を開き方向に傾動させる。ベース部材3を矢
印a方向に移動させ、クランクピン1aの先端部を、主
軸5の凹部5gに収納する。上記の凹部5gは、被加工
部をX軸方向に位置せしめるための空間を形成するため
の構成部分である。次に、図1(A)について説明した
ようにして傾動フィン8によってクランクピン1aを挟
みつけ、心出し位置決めを行なう。上記クランクピン1
aが正確に心出しされると、図外のスピンドルに設けら
れたクランプ手段によって該クランクピンの位置を動か
さないように、心出しされた位置に固定する。次いで傾
動フィン8を開き方向に傾動させ、ベース部材3を矢印
b方向に移動させて本実施例の心出し装置をクランクピ
ン1aから退避させる。退避させると該クランクピン1
aの周囲の障害物が無くなるので切削,研削,研摩など
の機械加工を自由に行なうことができる。1個のクラン
クシャフト1のクランクピン1aの機械加工仕上げが終
了したら、該仕上がり品のクランクシャフトをスピンド
ルから取り外して1サイクルを完了し、新たなクランク
シャフトの素材を図2に仮想線で示したクランクシャフ
ト1に位置せしめ、前記と同様の操作によってクランク
ピン1a(未仕上)をX軸に揃えて次回のサイクルに移
り、以後この操作を繰り返して行なう。
【0012】
【発明の効果】本発明を適用すると、被加工物の被加工
部を同心に位置決めすべきX軸に関して対称に配置され
たn個(望ましくは3個)の傾動フィンが相互に等角度
だけ傾動して上記被加工部を挟みつけるので、挟みつけ
られた被加工部は自動的にX軸と同心に位置決めされ
る。しかも前記の傾動フィン、該傾動フィンの支持機
構、および該傾動フィンの駆動機構はスピンドルに対し
て独立に構成されていて該スピンドルに搭載されていな
い。従って本発明装置を構成している各機構がスピンド
ルに関して動バランスを保っていなくてもスピンドルの
振れを誘発する虞れが無い。さらに、スピンドルに搭載
しないので、寸法,形状,重量について格別の制約を受
けることなく、正確に構成しやすい。その上、スピンド
ルに対して独立していて一緒に回転しないので、該スピ
ンドルが高速回転しても本発明装置は遠心加速度を受け
ることが無く、遠心加速度によって歪みを生じたり、操
作力に影響を受けたりする虞れも無い。また、スピンド
ルと一緒に回転する構成部分を有していないので、本発
明に係る機構の操作・駆動系統は単純な構成であって、
設備コストが安く、耐久性に優れ、しかも作動信頼性が
高い。以上のようにして被加工物の被加工部を正確に心
出しできるので、該被加工部の素材に与えるべき取代を
最少限に抑制することが可能となり、その結果として機
械加工の所要時間が減少して作業能率が向上し、機械加
工される製品の品質向上と原価低減とに貢献するところ
多大であるという、まことに実用的な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被加工物の心出し方法を実施する
ために構成したものであって、本発明に係る被加工物の
心出し装置の1例を示し、(A)は要部正面図に座標軸
と参考線とを記入した図、(B)は上記正面図に現れて
いる傾動フィンの1個を実線にて描くとともに、その配
置関係を説明するための他の1個を仮想線で描き、寸法
記号を付記した図である。
【図2】上記実施例に係る心出し装置の一部を破断して
描いた側面断面図に、被加工物を仮想線で記入し、座標
軸を記入するとともに、作動を説明するための矢印を付
記した図である。
【図3】前掲の図2に現われている軸受ハウジングの単
品図であって、(A)はX軸方向に見た正面外観図、
(B)はZ−X面によって切断したところをY軸方向に
見た断面図である。
【図4】上掲の図2に現われている主軸を抽出して描い
た単品図であって、(A)はX軸方向に見た外観端面
図、(B)は部分的に破断してY軸方向に見た側面図で
ある。
【図5】(A)は前記のフィン枢支軸の外観側面図、
(B)はフィン操作軸の外観側面図である。
【図6】クランクシャフトをスピンドルに取り付けた状
態を示し、部分的に破断して描いた模式図である。
【符号の説明】
1…クランクシャフト、1a…クランクピン、1a′…
クランクピンを心出しすべき位置、1b…クランクジャ
ーナル、2…スピンドル、3…ベース部材、4…軸受ハ
ウジング、4a…ベアリング嵌合孔、4b…オイルシー
ル嵌合孔、4c…フィン枢支軸用のメネジ穴、4d…メ
ネジ穴、5…主軸、5a…フランジ、5b…開口、5c
…操作軸取付用透孔、5d…ベアリング嵌合部、5e…
ピニオン嵌合部、5f…キー溝、5g…被加工物を位置
せしめる空間としての凹部、6a,6b…ベアリング、
7…フィン枢支軸、7a…柱状部、7b…オネジ、7c
…フランジ、7d…フィン軸受孔嵌合部、8…傾動フィ
ン、8a…溝孔状切欠、8b…軸受孔、8c…凹円柱面
を形成している凹円弧、9…フィン操作軸、9a…駆動
軸部、9b…頭部、9c…オネジ、10…ベアリング押
え板、11…ピニオン、12…ラック。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルに取り付けて回転せしめられ
    る被加工物の被加工部を、上記スピンドルの中心線と同
    心に心出しする方法において、 上記被加工部の中心線を位置せしむべきX軸を含む直交
    3軸X,Y,Zを想定し、 n個の心出し用位置決め部材(8)のそれぞれを、X軸
    と平行な枢支軸(7)によって、Y−Z面内の傾動可能
    に枢支し、 上記n個の心出し用位置決め部材のそれぞれを、相互に
    等しい角度だけ傾動するように連動させながら、X軸に
    接近する方向に傾動せしめて、 上記n個の心出し用位置決め部材(8)によって被加工
    物の被加工部を挟みつけることを特徴とする、被加工物
    の心出し方法。
  2. 【請求項2】 ほぼX軸に揃えて支持されている被加工
    物の被加工部に対して、前記n個の心出し用位置決め部
    材(8)をX軸方向に接近せしめて、該n個の心出し用
    位置決め部材によって被加工部を挟みつけ、挟みつけら
    れた被加工部がX軸と同心に心出しされた後、上記n個
    の心出し用位置決め部材をX軸方向に退避させることを
    特徴とする、請求項1に記載した被加工物の心出し方
    法。
  3. 【請求項3】 前記nの数は、これを3とすることを特
    徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載した被加工
    物の心出し方法。
  4. 【請求項4】 前記n個の心出し用位置決め部材(8)
    のそれぞれを枢支しているn本の枢支軸(7)を、X軸
    から等距離に配置することを特徴とする、請求項1ない
    し請求項3の何れかに記載した被加工物の心出し方法。
  5. 【請求項5】 Y−Z面について、X軸との交点を原点
    とする極座標を想定し、前記n本の枢支軸(7)の角位
    置を、相互に360度/nならしめることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項4に記載した被加工物の心出
    し方法。
  6. 【請求項6】 前記の心出し用位置決め部材(8)を、
    Y−Z面と平行な板状の部材とし、前記被加工物の被加
    工部に対して、X軸と平行な線に沿わしめて線接触させ
    ることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか
    に記載した被加工物の心出し方法。
  7. 【請求項7】 前記の心出し用位置決め部材(8)が被
    加工物に対抗する個所の形状を、被加工物の被加工部よ
    りも径の大きい、X軸と同心の凹円柱面として、n個の
    心出し用位置決め部材の被加工部の周囲を挟みつける
    際、該被加工部の円周方向の滑りを許容することを特徴
    とする、請求項1ないし請求項6の何れかに記載した被
    加工物の心出し方法。
  8. 【請求項8】 前記n個の心出し用位置決め部材(8)
    のそれぞれに、溝孔ないし溝孔状切欠(8a)を設ける
    とともに、該溝孔ないし切欠のそれぞれに嵌合させてn
    本の軸状部材(9)を構成し、かつ、上記n本の軸状部
    材相互の位置関係を一定に保ちつつ該n本の軸状部材を
    X軸の周囲に回動させることにより、前記n個の心出し
    用位置決め部材を相互に等角度ずつ枢支軸(7)に関し
    て傾動せしめることを特徴とする、請求項1ないし請求
    項9の何れかに記載した被加工物の心出し方法。
  9. 【請求項9】 前記の溝孔ないし溝孔状切欠(8a)
    を、前記軸状部材(9)の回動軌跡円の半径方向に設け
    ることを特徴とする、請求項8に記載した被加工物の心
    出し方法。
  10. 【請求項10】 水平な軸X,Yと垂直な軸Zとよりな
    る直交3軸X,Y,Zを想定し、 X軸方向の筒状部材である軸受ハウジング(4)と、 上記軸受ハウジングを貫通して、ベアリング(6a,6
    b)により回動自在に支承された、フランジ(5a)を
    有するX軸方向の主軸(5)と、 前記軸受ハウジング(4)の端面に植設された、X軸方
    向の、n本のフィン枢支軸(7)と、 上記n本のフィン枢支軸(7)のそれぞれによってY−
    Z面内の傾動可能に枢支されたn個の傾動フィン(8)
    と、 前記主軸のフランジ(5a)にX軸方向に植設されて、
    前記n個の傾動フィン(8)のそれぞれに当接してこれ
    を傾動せしめるフィン操作軸(9)と、 上記主軸(5)を回動させる駆動手段と、 前記の傾動フィンによって囲まれた部分に被加工物の被
    加工部をX軸方向に位置せしめるための空間と、を具備
    していることを特徴とする、被加工物の心出し装置。
  11. 【請求項11】 前記の軸受ハウジング(4)を搭載し
    て、X軸方向に移動せしめるベース部材(3)を具備し
    ていることを特徴とする、請求項10に記載した被加工
    物の心出し装置。
  12. 【請求項12】 前記フィン枢支軸(7)および傾動フ
    ィン(8)の設置個数であるnの値が3であることを特
    徴とする、請求項10もしくは請求項11に記載した被
    加工物の心出し装置。
  13. 【請求項13】 前記フィン枢支軸(7)が、X軸と同
    心の仮想の円柱面sに沿って配列されていることを特徴
    とする、請求項10ないし請求項12の何れかに記載し
    た被加工物の心出し装置。
  14. 【請求項14】 前記仮想の円柱面sに沿って配列され
    たn本のフィン枢支軸(7)は、該仮想の円柱面sを周
    方向にn等分するように位置せしめられていることを特
    徴とする、請求項13に記載した被加工物の心出し装
    置。
  15. 【請求項15】 前記n個の傾動フィン(8)のそれぞ
    れは平板状の部材であり、かつ、Y−Z面と平行な姿勢
    に支持されていることを特徴とする、請求項10ないし
    請求項14の何れかに記載した被加工物の心出し装置。
  16. 【請求項16】 前記の傾動フィン(8)がX軸に対向
    している部分に、凹円柱面が形成されており、かつ、該
    凹円柱面の中心線はX軸に平行であり、該凹円柱面の半
    径は前記被加工物被加工部の半径よりも大きいことを特
    徴とする、請求項10ないし請求項15の何れかに記載
    した被加工物の心出し装置。
  17. 【請求項17】 前記のフィン操作軸(9)は、X軸と
    同心の仮想の円柱面に沿って、該円柱面を周方向にn等
    分するように位置せしめて配設されていることを特徴と
    する、請求項10ないし請求項16の何れかに記載した
    被加工物の心出し装置。
  18. 【請求項18】 前記n個の傾動フィンには、それぞ
    れ、前記操作軸(9)と摺動自在に嵌合する溝孔ないし
    溝孔状の切欠(8a)が設けられており、かつ上記溝孔
    ないし溝孔状切欠は、前記の操作軸(9)が配列されて
    いる仮想の円柱面のほぼ半径方向に形成されていること
    を特徴とする、請求項17に記載した被加工物の心出し
    装置。
  19. 【請求項19】 前記の主軸(5)を回動させる駆動手
    段は、該主軸に固定されたピニオン(11)と、上記ピ
    ニオンに噛合するラック(12)とからなるものである
    ことを特徴とする、請求項10ないし請求項18の何れ
    かに記載した被加工物の心出し装置。
  20. 【請求項20】 前記のラック(12)はX軸方向に配
    置され、前記のベース部材(3)によってX軸方向の摺
    動自在に支承され、かつ、該ベース部材に搭載されたシ
    リンダ手段のピストンロッドに取り付けられて前,後進
    駆動される構造であることを特徴とする、請求項11に
    記載した被加工物の心出し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011073082A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Taiyo Koki Co Ltd 研削盤

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5817682U (ja) * 1981-07-28 1983-02-03 ソニー株式会社 ディスク用キャディ−

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