JPH05237710A - 工作機械およびその作動方法 - Google Patents

工作機械およびその作動方法

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JPH05237710A
JPH05237710A JP4140542A JP14054292A JPH05237710A JP H05237710 A JPH05237710 A JP H05237710A JP 4140542 A JP4140542 A JP 4140542A JP 14054292 A JP14054292 A JP 14054292A JP H05237710 A JPH05237710 A JP H05237710A
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tool holder
armature
work piece
holder
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Gary Strauss
ゲイリー・ストラウス
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Ingersoll Milling Machine Co
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Publication date
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    • B23Q1/00Members which are comprised in the general build-up of a form of machine, particularly relatively large fixed members
    • B23Q1/25Movable or adjustable work or tool supports
    • B23Q1/26Movable or adjustable work or tool supports characterised by constructional features relating to the co-operation of relatively movable members; Means for preventing relative movement of such members
    • B23Q1/34Relative movement obtained by use of deformable elements, e.g. piezoelectric, magnetostrictive, elastic or thermally-dilatable elements
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工具と工具ホルダとの慣性モーメントを減少
せしめ摩擦を減少せしめる機械加工方法および装置を得
る。 【構成】 回転する加工片に予め定めた形状を機械加工
する方法および装置にして、切削工具を加工片の回転す
る表面に近接離隔せしめるように往復運動させるリニア
モータを使用する。リニアモータのアーマチュアは旋回
可能な工具ホルダに取付けられ、工具ホルダは無摩擦軸
受に支持されて工具ホルダとアーマチュアとの組合わせ
の慣性モーメントと摩擦力とを実質的に減少せしめる。
工具に相対的なアーマチュアの位置によって実質的な機
械的利得が得られ、加工片に対する工具の作用力が増大
する。剛性が高く、加工片回転速度が高く、工具往復運
動速度が高く、これにより従来のピストン旋盤の切削時
間より実質的に減少した切削時間が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工作機械に関し、特に回
転する加工片に予め定めた形状を機械加工するために切
削工具を加工片表面に近接離隔する高速往復運動を与え
る、高速旋盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明は、加工片が高速で回転せしめられて切削工具が回転
する加工片表面に係合しおよび非係合となるように高速
で往復運動せしめられて特定形状を与えるようにする高
速旋盤に関する。工具は加工片の回転表面に係合せしめ
られ、工具の運動は非円形表面、例えば自動車用エンジ
ンのピストンのスカート、カム軸、軸受などを形成する
ようにプログラムされ、制御される。後述するように、
工具を回転する加工片の端面に接触せしめて面削り作業
を行ってもよく、回転する加工片の孔の内面に接触せし
めて孔ぐり作業を行ってもよい。第1のピストン旋削作
業において工具は加工片の回転軸線に横方向に運動し、
端面削り作業においては工具は加工片の回転軸線に平行
に運動する。
【0003】明細書において本発明は主としてピストン
旋削作業に関連して説明され、この場合加工片はスピン
ドル組立体により回転せしめられ、工具は回転軸線に直
角な方向に運動して加工片を機械加工し、工具ホルダは
回転軸線に平行な方向に軸線方向に運動可能に担持され
てピストンスカートの外面に沿って非円形形状を切削加
工する。この種の従来の機械において、工具は鋼軸の端
部に取付けられ、軸はリニアモータ内に滑動可能に取付
けられ、モータのアーマチュアも鋼軸に取付けられてい
る。リニアモータは高応答リニアモータで、そのストロ
ークはコンピュータプログラムにより制御されて工具先
端部位置を回転部分上の点に対応して制御する。外形形
状の変更はコンピュータプログラムを変更することによ
り自動的に行われる。変位の誤差は測定され、公差から
外れた状態は閉ループフィードバック装置によって自動
的に修正される。この装置は使用者の要求に良好に応答
することが判っている。しかし、実際の使用に際しては
多くの欠点、例えば剛性の不足、比較的高い慣性モーメ
ント、応答速度の不足、比較的高い摩擦などがある。
【0004】この従来技術の機械において工具ホルダと
そのサーボ機構の応答はそのバンド幅によって制限する
要素となっている。工具ホルダとそのサーボ機構のバン
ド幅は制御信号で仕向けられたときに組立体が応答する
周波数範囲として限定される。工具ホルダとそのサーボ
機構のバンド幅は5つの基本的要素、すなわち所要最大
切削力、工具ホルダの慣性、工具ホルダの運動範囲、摩
擦力、およびサーボ力の容量により定まる。
【0005】一般的に、工具ホルダとサーボ機構の慣性
が高ければこの組合わせの固有のバンド幅は低くなる。
特定の物理的形態においては最大応答周波数はこの要素
によって制限される。工具ホルダとサーボ機構との組合
体の可動部品の慣性(特に質量)を減少せしめると特定
の力容量を有するサーボ機構についてのこの制限幅が増
大する。本発明は剛性を実質的に増大し、慣性モーメン
トを減少せしめて、切削速度と切削精度とを改善して加
工片の生産性を高め良好な仕上げを達成することを目的
としている。
【0006】この形式の従来技術の旋盤において、工具
は金属軸の端部に取付けられ、金属軸は直線経路に沿っ
て軸受上に往復運動し、リニアモータのアーマチュアを
保持する。工具とリニアモータのアーマチュアとを担持
する金属軸の高い慣性モーメントのため、工具は運動方
向に過度に運動する傾向がある。更に、最大切削力を大
とするために工具と工具ホルダとは比較的質量を大とし
ており、その慣性モーメントが大であるので、工具を停
止し、大きい過大運動なしに運動方向を反転して、反対
方向の運動を加速するための応答時間を短縮する必要が
ある。従来技術の工作機械において大きい切削力を得る
ために工具とアーマチュア軸に過大な電気動力を作用せ
しめると、工具は過度な運動を行い且つ振動する傾向が
ある。そこで、工具ホルダと工具との慣性モーメントを
実質的に減少せしめる新規かつ改良された工具ホルダお
よびリニアモータ装置が要望される。
【0007】直線運動するアーマチュアを担持して往復
運動する工具軸を有する典型的な従来技術のピストン旋
盤は約1750kg−m(150000インチポンド)
の限界剛性を有している。ここに剛性とは切削負荷を受
けたときの工具の歪に対する抵抗として限定される。剛
性が高ければ切削除去される材料の量を増加することが
可能であるのみでなく、工具先端部を正しく所望位置に
位置させる制御がさらに良好となる。後述するように本
発明の工具の剛性は従来技術の約20倍である。これに
より、剛性を高め、良好な表面仕上げとなり、従来技術
において必要であった仕上げ切削作業の1つ以上を省略
可能とし、実質的に生産速度を増大する。
【0008】切削力を増加するために大きくて力強いサ
ーボ機構が使用されると、装置の慣性が増加するのでバ
ンド幅が減少する。さらに、サーボ機構の荷重が増大す
ると加速や方向変換に対する応答が遅くなる。本発明に
関連して後述するように工具ホルダとアーマチュアとを
工具に相対的に取付けることにより2倍以上の機械的効
果が得られる。従って、モータおよびサーボを強力とし
なくても従来技術を超える切削力が得られる。
【0009】従来技術のピストン旋盤は切削工具とアー
マチュアとを担持する重い金属軸を有し、該軸は軸受ま
たは滑動ブッシュに取付けられ、大きい摩擦を生ずる。
摩擦は電気的エネルギとモータの力を必要とする損失で
ある。摩擦力はそれが発生する熱的および機械的エネル
ギ損失のために、装置のバンド幅を減少せしめる。摩擦
力を減少せしめると装置のバンド幅は高くなる。以前の
従来技術の機械にはカミングウェッジ(camming wedge)
移送手段を含むものがあり、これは楔表面に高い摩擦力
と摩耗とを発生する。さらに、考慮すべきことは高い摩
耗表面は装置に緩みを発生することである。本発明は工
具ホルダとリニアモータのアーマチュアとを摩擦を実質
的に減少せしめるように取付け、これにより高いバンド
幅を維持する。
【0010】周波数応答、周波数範囲、すなわちバンド
幅は工具の迅速な運動を決定するもので、従って加工速
度の重要な要素となる。工具と工具ホルダとが迅速に且
つ少量の増分で運動できない場合には、加工片の回転速
度を減少せしめる必要がある。前述した従来技術の機械
では工具は約40cps(サイクル毎秒)で往復運動
し、加工片は1300rpmで回転せしめられる。別の
従来技術の機械では、工具は60乃至70cpsで往復
運動し、加工片は2200rpmで回転せしめられる。
詳細を後述するように本発明によれば工具の往復運動周
波数を実質的に増大、例えば100乃至130cps増
大して、加工片の回転数を3000rpm以上に増大す
る。高い切削速度は精密な仕上げを可能とし、単位時間
内の生産量を増加し、仕上げ加工品の良好な生産を可能
とする。
【0011】一般的には、工具ホルダとサーボとに要求
される運動範囲すなわちストロークが長い程、バンド幅
は低くなる。本発明の工具の運動範囲は例えば約1・3
cm(1/2インチ)以下のように著しく小さい。従来
技術の機械の場合には運動範囲が例えば約2・5cm
(1インチ)と大きく、バンド幅が小さい。
【0012】前述により本発明の目的は工具ホルダおよ
びサーボのバンドについての5つの基本的要素、すなわ
ち、所要最大切削力、工具ホルダの慣性、工具ホルダの
運動範囲、摩擦力、およびサーボ能力の改良を目的とし
ている。
【0013】従って、本発明の目的は新規で且つ上述の
形式の高速旋盤を改良することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の工作機械は、加
工片を高速度で回転せしめるスピンドル組立体などのフ
レームに設けられた手段を有するフレームを含む。フレ
ームに工具ホルダが設けられて工具を往復運動せしめて
加工片に切削係合せしめて加工片を予め定めた形状、通
常非円形の形状に切削加工する。リニアモータのアーマ
チュアが工具ホルダに旋回可能に取り付けられて工具ホ
ルダとアーマチュアとの組合体の見掛けの慣性モーメン
トを実質的に減少せしめる。工具ホルダは無摩擦軸受内
に取付けられて工具ホルダとアーマチュアとを旋回可能
に取り付けるときに除去しなければならない摩擦力を減
少させる。アーマチュアは工具とその旋回軸線との関連
において工具ホルダ上に位置せしめられ、実質的な機械
的効果を達成し加工片に対する工具の作用力を増大せし
める。
【0015】本発明の望ましい実施例においてアーマチ
ュアは工具ホルダの上端に取付けられ、工具ホルダの下
端は無摩擦軸受に旋回可能に取付けられる。工具は両端
部の中間位置に取付けられ2倍以上の機械的効果を達成
する。
【0016】本発明を実施する方法では、工具の剛性を
約1000000ポンドインチ以上(11500kg−
m以上)とし、加工片が回転しているとき工具ホルダを
往復運動せしめて工具が加工片に切削力を与えるときに
工具ホルダが1.5倍以上の機械的効果を与えるように
する。望ましい実施例において往復運動行程は1/2イ
ンチ(約1.3cm)よりかなり小さくしてバンド幅を
広く維持する。
【0017】図示する実施例において剛性は34500
kg−m(3000000インチポンド)で、ピストン
の回転速度は3000rpm、工具の往復運動速度は1
00乃至130cpsとし、ピストンの切削時間は約1
/2に短縮された。
【0018】
【実施例】図面に示すように本発明は、モータ駆動スピ
ンドル組立体14のような手段に取り付けられるフレー
ム12を有した工作機械11に具現化されており、モー
タ駆動スピンドル組立体14は工具ホルダー18上の工
具16が加工片の表面20を切削する間、加工片15を
回転せしめる。工具はリニアモータ22により往復運動
せしめられ、モータ22のアーマチュア24(図2参
照)が、工具ホルダ18に取付けられてモータ22の固
定永久磁石26に相対的に運動する。駆動スピンドル組
立体14はモータ30により駆動せしめられ、モータ3
0はスプロケット32とタイミングベルト34とを駆動
し、フレーム12上のスピンドルブロック40に取付け
られた回転可能のスピンドル軸37に取付けられたスプ
ロケット36を回転せしめる。モータ軸に連結されたエ
ンコーダ42は任意の時刻におけるスピンドル組立体の
瞬間的角度位置を指示するフィードバック部分の信号を
与える。
【0019】スピンドル組立体14は加工片を支持して
回転軸線43の回りに回転し、これにより加工片はこの
軸線の回りに回転する。図示する加工片15はピストン
素材で、その表面20には輪郭が付けられたスカート部
と同様にピストンリング溝が形成される。輪郭付きスカ
ート部は通常は楕円形で2つの主ローブを有している。
工具16を回転軸線43に近接離隔して調節することに
よって加工片は輪郭形状に加工される。そのため工具
は、2つのローブ部を切削加工するため、加工片の各回
転について2回往復運動せしめられる。
【0020】切削工具16は切削面すなわち切削縁を有
するカーバイドまたはダイアモンドチップつきの工具
で、可動テーブル38に支持された工具ホルダ18に取
付けられ、テーブル38は回転軸線43に平行な方向に
駆動されて工具チップをピストンのスカート部に沿った
異なった軸方向位置に位置決めする。テーブルの運動は
プログラムされた指令シーケンスに応答するテーブル制
御部によって制御され、加工片の軸方向長さに沿って運
動せしめられる。
【0021】工具はリニヤフォースモータ(linear forc
e motor)22によって位置決めされ、モータ22は固定
永久磁石26とこれに相対的に運動する可動のアーマチ
ュア24とを有する。この可動のアーマチュアは、加工
片の位置とテーブル38と位置とプログラムされた形状
とリニヤフィードバック装置39(図5参照)からの工
具位置フィードバック信号とに基づく電気的制御信号に
よって位置決めされる。制御信号はモータのアーマチュ
ア24の瞬間位置と速度とを電圧の関数として調節す
る。リニヤフォースモータはアーマチュアを完全伸長位
置と完全収縮位置との間に非常に迅速に往復運動せし
め、これにより工具ホルダ18と工具16とを対応する
限界位置の間に運動せしめる。
【0022】適当なリニヤフォースモータとしてホーシ
ャム社(Horsham)のLAD−300モデルが市
販されている。
【0023】上述した形式の従来の機械として、市販さ
れているクロスアンドトレッカー社(Kross an
d Trecker Company)製のものがあっ
て、工具は往復運動する軸の端部に取付けられ、軸は軸
受またはブッシュに取付けられている。リニアモータの
アーマチュアはこの工具ホルダの軸に取付けられ、軸と
工具とアーマチュアとの全重量と全質量とがリニアモー
タの見掛けの慣性となる。このような質量は短い距離、
例えば2.5cm(1インチ)以下で加速し減速するこ
とを困難とし、および大きい過度運動(行き過ぎ)なし
に方向を反転することを困難とするが、これは往復運動
する軸と工具とアーマチュアとの運動量による。例えば
上述の本発明の機械は、工具の往復運動40cps(サ
イクル毎秒)、ピストンの回転数1300rpmで最大
有効切削作業を行う。摩擦に打勝つための力は約2.3
乃至2.7kg(5乃至6ポンド)が必要である。この
形式の切削機械では摩擦と見掛けの慣性モーメントとの
実質的な減少が必要である。さらに、剛性が約1750
kg−m(150000インチポンド)に制限され、ピ
ストンなどの機械加工された物品に所望の精密仕上げを
与え且つサイクル中の任意の時刻における工具の正確な
位置を得るためには剛性が比較的低い。高速運転を達成
するためにサーボ力を増加すると工具と、アーマチュア
担持軸とは所望の高い周波数で軸を往復運動せしめると
き振動が発生する。
【0024】本発明による新規かつ改良された工作機械
10において、工具ホルダ18は無摩擦軸受49に旋回
可能に取付けられ、アーマチュアは工具ホルダに取付け
られて工具ホルダと共に旋回する。アーマチュアの見掛
けの慣性モーメントは著しく小さく、実際にアーマチュ
アに息を吹きつけるだけでアーマチュアと工具ホルダと
を旋回させることができる。無摩擦軸受は通常のローラ
軸受や球軸受などの高摩擦形式の軸受に生ずる腐食摩耗
なしに高周波数で小振動的運動を許容する。後述するよ
うに望ましい無摩擦軸受としてニューヨークにあるルー
カス社(LucaseAerospace Power Transmission Corp.)の商標名(L
ucaseFree−Flex Pivot)がある。
【0025】また、本発明では、機械的利得と、従来の
この種の装置が有していた遊び、すなわち弛みの除去に
よって実質的に機械的力を増加させた出願人の従前の機
械に対して、工具の剛性も20倍増加する。以下に詳細
に説明するように、図示する工具と工具ホルダとアーマ
チュアとの配置により約2.5倍の機械的利得が得られ
て、加工片に対する工具の作用力が著しく大きくなる。
出願人の従前の市販の機械では約1750kg−m(1
50000インチポンド)であった剛性が約35000
kg−m(3000000インチポンド)に増大し、仕
上げ切削が精密になり、工具の正確な位置が判り、良好
な制御を達成することができる。
【0026】従来技術の機械に対比して本発明の機械
は、ある種のピストンのスカート部を切削するために必
要な時間を約1/2に減少する。これは仕上げ切削が精
密であることと、加工片の輪郭が付けられた表面20の
最終的切削を得るために必要な切削回数が少ないことと
による。剛性が増大し、慣性が減少し、摩擦が減少する
ので、本発明によれば工具の往復運動は約40cpsか
ら100ないし130cpsに増加し、加工片の回転数
は約1300rpmから3000rpm強に増加する。
【0027】好ましい実施例のさらに詳細な説明 図示実施例において、旋回可能に取付けられた工具ホル
ダ18は望ましくは上端にアーマチュア24を担持し、
下端は無摩擦軸受49に旋回可能に支持されている。無
摩擦軸受49はテーブル38上の軸受ブロックまたは取
付け部46に取付けられている。アーマチュアと工具ホ
ルダ18の上端とにおける見掛けの慣性モーメントは、
工具ホルダを望ましくは軽量、強力な中空管状の金属
製、例えば外径約4.3cm(1.7インチ)、肉厚約
4.6mm(0.18インチ)のアルミニューム管のピ
ボットアーム44とすることにより、非常に小さくな
る。望ましいピボットアーム44は下端が例えば溶接に
よってピボットブロック48(図9参照)に固定され、
ブロック48はほぼ水平に延長し、その両端は無摩擦軸
受49に旋回可能に取付けられる。
【0028】合理的なピボットアーム長さを利用する限
りは、ピストン加工片の上方に大きい垂直方向の開放空
間を与え、アーマチュア24を永久磁石26に関して移
動クリアランスをもって位置決めして、ピボットアーム
44はその上端44aが工具16を担持する下端44b
に対して角度をなして曲げられている。例示的にはピボ
ットアームの上端は下端に対比して約22度の角度をな
して曲げられている。
【0029】工具ホルダ18の下方ピボットブロック部
分48は重く、質量が大であるが、工具ホルダの水平ピ
ボット軸線50に近接し小距離だけ運動するから、永久
磁石26から見たアーマチュア24の見掛けの慣性運動
に大きい影響を与えることはない。
【0030】剛性を増加し加工片に作用する工具の力を
増加するため、工具は旋回可能な工具ホルダ18に取付
けられ、大きい機械的利得、すなわちこの場合には約
2.5倍の利得が得られる。実際には機械的利得はこの
値より大きい場合も小さい場合もある。機械的利得はア
ーマチュア24の中心からピボット軸線50までの距離
が318mm(12.5インチ)であり、工具の切削縁
からピボット軸線50までの距離が127mm(5イン
チ)であるから2.5と計算される。
【0031】無摩擦軸受49とアーマチュアにおける慣
性モーメントが小さいピボットアーム工具ホルダ18と
の使用によって摩擦を著しく減少させることができる。
本発明の出願人の従来技術では、工具ホルダーを動かす
のに打ち勝たなければならない静止摩擦が2.2乃至
2.7kg(5乃至6ポンド)あるのに対し、このピボ
ットアーマチュア工具ホルダーでは約14g(1/2オ
ンス)の力で動かすことができる。実際に、アーマチュ
アに息を吹きかけるだけで工具ホルダを旋回させること
ができる。図示した無摩擦軸受は、一対の板ばね52、
54を含み、一方の板ばね54はブッシュ56の一端に
連結され、他方の板ばね52は工具ホルダ18のピボッ
トブロックの孔58(図9参照)内に埋めこまれた同様
な一対の板ばね59、60の図示する端部57に連結さ
れる。板ばねが工具ホルダの回転時に垂直位置から曲げ
られると、曲げられたばねはエネルギを貯蔵し、このエ
ネルギは工具ホルダが反対方向に復帰するときリニアモ
ータを補助するように使用される。この無摩擦軸受は約
30度以下の振動的運動形式のものに特に適している。
球またはローラ軸受またはブッシュはこのような作動状
態では腐食摩耗を生じやすい。ここに、用語「無摩擦軸
受」とは摩擦が著しく小で、実質的に弛みのない軸受を
いう。前述した十字形板ばね軸受は弛みがなく、従って
ロストモーション(lost motion)もない。通常の球また
はローラ軸受は弛みがあり、ある程度のバックラッシュ
がある。ブッシュ形式の軸受も同様である。軸受の弛
み、バックラッシュ、ロストモーションは剛性に実質的
に損失を与える。
【0032】工具16は望ましくは工具ホルダのアーム
44に実質的に水平位置で取付けられ、従って切削縁は
ピボット軸線50の回りに揺動的に円弧運動して短い距
離、例えば±1.3mm(±0.050インチ)運動す
るとき可能な限り水平経路に著しく近接して運動する。
工具16は円筒形ピボットアーム下方部分の軸線に直角
である。なおアームの下方部分は鉛直線に対して約13
度の角度をなして図示されている。そこでアームは切削
工具のため非常に小さい円弧をなして最大移動量約2.
6mm(0.100インチ)で旋回する。なお、この距
離と円弧的移動距離とは上述の値より実質的に大であっ
てよい。工具の移動距離を増加する1つの方法はアーマ
チュアと永久磁石との間の間隙を変えればよい。
【0033】リニアモータ22はアーマチュアの運動の
ための軸線が水平に対して35度の角度で傾斜して搭載
されている。モータ22は工具ホルダ取付けブロックと
工具ホルダ18とを支持するベース46にボルト固定さ
れたスタンド64の傾斜した板63に固定された傾斜し
た側部板63に固定された下方の傾斜した側部62(図
2参照)を有する。永久磁石は最大0.5mm(0.0
20インチ)の半径方向空気間隙(図2の矢印A−A間
に示す)をアーマチュアが最上方位置にあるときに有
し、アーマチュアが永久磁石内に完全に引込んだとき約
0.10mm(0.004インチ)の空気間隙を有して
形成される。空気間隙の差は、アーマチュアが配置され
るピボットアーム44のための旋回軸線50の回りにア
ーマチュアが回転することによって生じる。すなわち、
アーマチュアは水平に対して35度をなす直線に沿って
運動するものでなく、ピボット点50の回りに旋回する
ときに隣接する永久磁石の壁に近接離隔するいくらかの
横方向運動を伴って揺動的に運動する。モータの形式を
変更しアーマチュアと永久磁石との間の間隙を増加する
と工具の移動距離を増加させることができる。
【0034】アーマチュアの全運動を制限する安全スト
ッパ70、71を設けて、永久磁石26と係合するよう
にすることが望ましい。図2に概略的に示すストッパ7
0、71はピボットアーム44に当接し工具ホルダ18
のピボット運動を制限する。図3に示すように、U字形
のブラケット73がモータハウジング75に固定されて
外側ストッパ70を担持する水平アーム76を有し、ピ
ボットアームが正常の移動量+1.3mm(0.050
インチ)を実質的に超えて運動したときストッパ70の
内端と当接する。モータハウジング上の内側ストッパ7
1はピボットアームがー1.3mm(0.050イン
チ)を実質的に超えて運動したとき当接してピボットア
ームのそれ以上の回転を防止する。ストッパ70、71
は正常の切削作業時には作動せず、そのときの運動量は
±1.3mm(±0.050インチ)以内である。スト
ッパは、例えば水平ブラケットアーム76にねじこまれ
たねじ等によって調節可能とし、ねじの内側自由端をピ
ボットアーム44に向って近接、離隔可能とする。
【0035】リニヤフィードバック手段39(図5参
照)は工具の先端部の任意の瞬間的な位置を検知するた
めに設けられる。図5に示すようにリニヤフィードバッ
ク手段はモータ22の外側に取付けられ、工具16の位
置においてピボットアーム44にカップリング86によ
り機械的に連結されたアーム85を有する。リニヤフィ
ードバック手段からの電気的出力はピボットアームが機
械加工作業時に工具16を移動せしめるとき与えられ
る。図5に破線で示すようにリニヤフィードバック手段
39に代えてリニヤフィードバック手段39aを設けて
アーマチュア24に機械的に連結しアーマチュアの位
置、及びこれにより工具16の位置を指示する電気的出
力を与えるようにしてもよい、これはアーマチュアと工
具とがピボットアーム44に共に取付けられていること
による。工具の先端部の任意の時刻における正確な位置
を決定するフィードバック手段の特定の形式は工具によ
って変更してもよい。簡単なリニヤフィードバック手段
が望ましい。
【0036】図6には端面切削作業が示され、加工片1
5Aの端面が工具ホルダ18に取付けられた工具16A
によって切削されて輪郭が付けられる。図1ないし図5
の実施例と同等な部品は同一参照数字に接尾記号Aを付
して示す。図6において、加工片15Aはスピンドル組
立体14Aによって回転せしめられる。図1ないし図5
の実施例の工具16はスピンドル組立体と加工片との回
転軸線43に実質的に直角な方向に運動し、工具ホルダ
のピボット軸線50はスピンドル回転軸線43に平行な
平面内にあるが、図6の摩擦軸受49Aを通るピボット
軸線50Aはスピンドル回転軸線43Aに直角な平面内
にある。工具の先端部が加工片の端面20aに相対的に
近接、離隔することによって所望形状に切削される。テ
ーブル38Aは該端面20aに相対的に水平および垂直
方向に運動して工具を加工片の全端面に亙って運動せし
めてもよい。
【0037】図7の実施例は孔ぐり作業を行う装置で、
接尾記号Bを参照数字に付して前述した素子を示してい
る。詳細には、工具16Bは加工片15Bの端部の内側
中空孔93内に位置決めされ、加工片15Bの輪郭が付
けられた表面20Bは工具16Bがリニアモータ22B
によって振動的に運動することにより形成されたローブ
部を有している。工具16Bは加工片の回転軸線48B
に実質的に平行に延長するアダプタ95に取付けられて
いる。工具16Bは、半径方向内方および外方に振動的
に運動せしめられて加工片の孔93内に輪郭が付され、
すなわちローブが形成された内側表面20Bを切削加工
する。
【0038】図8の実施例において、回転する加工片1
5Cには外側表面20Cとローブと共に形成された内側
表面20Dとの間に実質的に均一な厚さを有するように
加工される。ローブ部もスカートの残りの部分と同様に
均一な厚さを有し切削工具16C、16Dにより加工さ
れる。切削工具16C、16Dの先端部は予め定めた一
定の距離だけ間隔をおかれている。工具16Cはアダプ
タ96の端部に取付けられており工具16Dはアダプタ
96に平行なアダプタ97の端部に取付けられている。
両切削工具はピボットアーム44Cの振動的往復運動に
伴って半径方向に一緒に運動せしめられ、加工片のスカ
ート部の内側および外側壁は同時に加工されてスカート
部の内側および外側表面に非円形形状を与える。この形
状は前述のように楕円形形状を与える1対のローブ部を
含むものであってよい。この二重切削作用の採用により
加工時間が、最初に外側形状を第1の工具によって切削
し次に内側孔内の工具によって内側表面を外側表面形状
に適合してスカート部の壁厚が円周の回りについて一定
に維持されるように切削するものに対比して、1/2と
することができる。
【0039】本発明の装置は強靭性、すなわち例えば工
具ビットや切削工具などの変更に対する許容性を有して
おり、この強靭性は従来の切削機械では得られない。本
発明の装置は充分な力を供給して、弛み、即ちロストモ
ーションのない緊密なサーボループを有するので各種の
工具を使用可能で、鋼、アルミニュームを含む各種の金
属および各種材料を切削可能である。本発明による切削
工具装置は軽量、強力で外表面輪郭、内表面輪郭、また
は外表面輪郭および内表面輪郭の同時的切削を可能とす
る。本発明は工具位置を制御するコンピュータプログラ
ムの変更を容易とし、前述望ましい実施例において述べ
たリニアモータアクチュエータに代えて別のリニアモー
タアクチュエータの使用も可能とする点において頑丈で
ある。
【0040】前述により本発明は非常に低い見掛けの慣
性モーメント、低い摩擦、高い剛性を有する新規かつ改
良された旋盤を与えることが判る。これは、アーマチュ
アを旋回する工具ホルダ端部に隣接して取付け加工片に
対する工具の作用力を実質的に増加する実質的な機械的
利得を有することによって与えられる。剛性は本発明に
おいて35000kg−m(3000000インチポン
ド)で、これは従来技術の約20倍である。これら各種
の要素の組合わせにより、切削速度が増大し、毎秒当り
の回転サイクルが増加して、加工片表面の精密、迅速な
切削が可能となる。
【0041】前述の説明と図面とは本発明を説明するの
みの目的であって、本発明を限定するものでなく、本発
明は特許請求の範囲の記載により限定され、その範囲内
およびその精神内の各種すべての変形、技術的均等物お
よびそれらの組合わせを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の望ましい実施例として示す旋盤装置の
平面図。
【図2】切削工具と電気的リニアモータのアーマチュア
を担持するピボット運動工具ホルダとの拡大側面立面
図。
【図3】図1の装置のスピンドル組立体と工具ホルダと
電気モータとの前面斜視図。
【図4】工具ホルダをピボット的に取付ける無摩擦軸受
の部分概略図。
【図5】工具の切削縁の位置を決定するリニアフィード
バック手段を有するリニア駆動モータと工具ホルダとの
側面立面図。
【図6】回転する加工片に形状つき端面を切削するため
の本発明の別の実施例を示す側面立面図。
【図7】工具が加工片の内側表面を切削する実施例を示
す斜視図。
【図8】本発明の別の実施例を示す斜視図で加工片の内
側および外側スカート表面に非円形表面を同時に切削す
る工具ホルダ上の1対の工具を含む図である。
【図9】ピボットアームホルダー工具部分の一部切欠し
て示した斜視図である。
【符号の説明】
11 工作機械 12 フレーム 14 モータ駆動スピンドル組立体 15 加工片 16 工具 18 工具ホルダ 20 加工片の表面 22 リニアモータ 24 アーマチュア 26 永久磁石 30 モータ 32、36 スプロケット 38 可動テーブル 39 リニアフィードバック装置 43 回転軸線 44 ピボットアーム 46 軸受ブロック 49 無摩擦軸受 50 旋回軸線 52、54 板ばね

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する加工片を該加工片の回転間に往
    復運動する工具により予め定めた形状に加工する工作機
    械において、 フレームと、 前記フレームに設けられて加工片を予め定めた速度で回
    転せしめる手段と、 前記フレームに設けられて工具を往復運動可能に保持し
    回転する加工片に係合せしめてその表面を前記形状に加
    工せしめる工具ホルダと、 前記工具ホルダをフレームに相対的に低摩擦で旋回可能
    に装備する軸受け手段と、 前記フレームに装備され工具ホルダを軸受け手段上で旋
    回せしめ工具を回転する加工片に切削係合せしめるリニ
    アモータと、 前記工具ホルダに取付けられたリニアモータのアーマチ
    ュアとを含み、 前記アーマチュアは工具ホルダ上にあって該工具ホルダ
    上の工具から間隔をおかれており、工具の加工片に作用
    する力を増大する一方、アーマチュアと工具ホルダとの
    組合わせについて低い慣性モーメントを維持するという
    2つ以上の機械的効果を与えることを特徴とする工作機
    械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の工作機械にして、 前記工具ホルダが起立して軸受け手段が工具ホルダの下
    端に位置し、アーマチュアが工具ホルダの上端に位置
    し、工具はアーマチュアと軸受け手段との中間に位置し
    ていることを特徴とする工作機械。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の工作機械にして、 前記工具が実質的に水平平面内に位置し、工具ホルダが
    鉛直に対して角度をなしており、リニアモータが同様に
    鉛直に対して角度に対して角度をなして装備されている
    ことを特徴とする工作機械。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の工作機械にして、 前記工具ホルダがピボット腕を含み、該ピボット腕の下
    方部分に工具が設けられて鉛直に対して第1の角度をな
    しており、ピボット腕の上方部分のアーマチュアが設け
    られ下方部分に対して角度をなして曲げられていること
    を特徴とする工作機械。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の工作機械にして、 前記リニアモータが固定永久磁石を有し、アーマチュア
    は該永久磁石に相対的に運動し、リニアポジションフィ
    ードバック手段がアーマチュアに連結されていることを
    特徴とする工作機械。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の工作機械にして、 前記リニアポジションフィードバック手段が前記アーマ
    チュアに連結されてアーマチュアの移動と共に移動する
    コアと該コアの回りの巻線とを含むことを特徴とする工
    作機械。
  7. 【請求項7】 回転する加工片に表面形状を機械加工す
    る工具を担持し、該工具が加工品の各1回転間に複数回
    加工品に係合する往復運動を受けるようにする旋回可能
    な工具ホルダを有する工作機械の作動方法にして、 工具を往復運動せしめるときの摩擦損失量を制限するた
    め工具ホルダを摩擦の少ない軸受で旋回軸線の回りに旋
    回せしめ、 工具が加工品表面に係合するときの工具の剛性を約11
    500kg−m以上(1000000ポンドインチ)以
    上とし、 工具を旋回軸線に相対的に且つ工具ホルダに取付けられ
    たアーマチュアに相対的に1.5以上の機械的利得が得
    られるように取付け、 工具ホルダを毎秒80サイクルを超えて往復運動せしめ
    る、各工程を含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法にして、 前記工具ホルダを毎秒100サイクル以上で往復運動せ
    しめる工程を含むことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の方法にして、 加工片を毎秒2500以上で回転せしめ、工具ホルダを
    毎分100サイクル以上で往復運動せしめる各工程を含
    むことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の方法にして、工具の
    最大行程が約1/2インチ(12.7mm)であること
    を特徴とする方法。
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