JP2001047303A - 回転体面の加工方法 - Google Patents

回転体面の加工方法

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JP2001047303A JP11223743A JP22374399A JP2001047303A JP 2001047303 A JP2001047303 A JP 2001047303A JP 11223743 A JP11223743 A JP 11223743A JP 22374399 A JP22374399 A JP 22374399A JP 2001047303 A JP2001047303 A JP 2001047303A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工機の動力伝達部にバックラッシュを起こ
すことなく被加工物に所定形状の凹形回転体面を形成す
ることができる加工方法を提供すること。 【解決手段】 斜板式圧縮機用ピストン１の駆動端部に
斜板通過溝１１を設け、この斜板通過溝にバイト１２を
当てる。この状態で、ピストンを斜板通過溝の中心軸Ｌ
１に関して回転させ、バイトをその中心軸Ｌ２に平行な
第１の方向とこれに直行する第２の方向とに移動させ、
これにより斜板通過溝の中心軸の周りに凹形球面を形成
する。その場合、斜板通過溝の中心軸に対するバイトの
中心軸の角度θ１を、斜板通過溝の中心軸に沿った凹形
球面の断面における斜板通過溝の開口端側の接線と斜板
通過溝の中心軸とがなす角度θ２以上の値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式圧縮機用ピ
ストンの駆動端部等のような被加工物に所定形状の凹形
回転体面または凹形球面を加工する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の斜板式圧縮機は、回転軸に連れて
回転する斜板にピストンの駆動端部を一般にシューと呼
ばれる部品を介して係合させ、回転軸の回転をピストン
の往復動に変換して圧縮作用を得るように構成されてい
る。一般的なシューは、斜板の軸端面に摺動するための
平面と、ピストンの駆動端部に受けられる凸形球面とを
有している。ピストンの駆動端部には、シューの凸形球
面を受けるための凹形球面が加工されている。
【０００３】図３は従来の斜板式圧縮機を示す。シリン
ダブロック２とフロントハウジング３には斜板６とロー
タ８を支持するための回転軸５が支持されている。シリ
ンダ゛ブロック２には、回転軸５を中心とする等間隔角
度位置に複数のシリンダボア９が形成されている。各シ
リンダボア９内にはピストン１が往復摺動可能に嵌入さ
れている。ピストン１の頸部即ち駆動端には、図４に示
すように、斜板通過溝１１が形成されている。斜板通過
溝１１の両端面には凹形球面であるシュー受け座１ａ，
１ｂが形成されている。
【０００４】シュー受け座１ａ，１ｂはバイト１２を用
いて加工されることがある。その場合、ピストン１に斜
板通過溝１１を設け、その斜板通過溝１１の側壁にバイ
ト１２の刃先１４を当てる。その際、斜板通過溝１１の
中心軸Ｌ１に平行に押え台１３の中心軸Ｌ２をセットす
る。この状態で、ピストン１を斜板通過溝１１の中心軸
Ｌ１に関して回転させつつ、バイト１２を押え台１３の
中心軸Ｌ２に平行な第１の方向Ｙとこれに直行する第２
の方向Ｘ１，Ｘ２とに移動させる。このとき、刃先１４
は点Ｐ１から点Ｐ２を通り点Ｐ３に至るように円弧状に
移動する。これにより斜板通過溝１１の中心軸Ｌ１の周
りにシュー受け座１ａ，１ｂが形成される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の方法で
は、刃先が点Ｐ２を通過するときに刃具押え台１３移動
方向がＸ２からＸ１に変わる。即ち、刃先１４を円弧形
状に沿って移動させると、点Ｐ１と点Ｐ２との間では刃
具押え台１３はＸ２の方向に移動するが、点Ｐ２と点Ｐ
３との間ではＸ１の方向に移動する。
【０００６】この結果、刃具押え台１３を駆動するため
の動力伝達部のがたつき（バックラッシュ）で、シュー
受け座１ａ，１ｂの形状が崩れることがある。即ち、従
来の方法では刃具押え台１３がＸ２の方向からＸ1の方
向に変わる点Ｐ２で加工機の動力伝達部にバックラッシ
ュが生じ、シュー受け座１ａ，１ｂが凹形球面とは異な
る形状になってしまうことがある。
【０００７】それ故に本発明の課題は、加工機の動力伝
達部にバックラッシュを起こすことなく被加工物に所定
形状の凹形回転体面を形成することができる加工方法を
提供することにある。
【０００８】本発明の他の課題は、斜板式圧縮機用ピス
トンの駆動端部にシューを受けるための凹形球面を形成
するのに適した加工方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被加工
物に工具を当てること、前記被加工物を所定軸に関して
回転させること、及び前記工具をその中心軸に平行な第
１の方向とこれに直行する第２の方向とに移動させるこ
とを有し、これにより前記所定軸の周りに所定形状の凹
形回転体面を形成する加工方法において、前記所定軸に
対する前記工具の中心軸の角度を、前記所定軸に沿った
前記凹形回転体面の断面における接線と前記所定軸とが
なす角度以上の値に設定することを特徴とする加工方法
が得られる。
【００１０】また本発明のよれば、斜板式圧縮機用ピス
トンの駆動端部に所定軸に沿って斜板通過溝を設けるこ
と、前記斜板通過溝に工具を当てること、前記ピストン
を前記所定軸に関して回転させること、及び前記工具を
その中心軸に平行な第１の方向とこれに直行する第２の
方向とに移動させることを有し、これにより前記所定軸
の周りに凹形球面を形成する加工方法において、前記所
定軸に対する前記工具の中心軸の角度を、前記所定軸に
沿った前記凹形球面の断面における前記斜板通過溝の開
口端側の接線と前記所定軸とがなす角度以上の値に設定
することを特徴とする加工方法が得られる。
【００１１】なお、前記工具を前記第１の方向で一側に
送るときに前記第２の方向でも一側のみに送ることで加
工を行ってもよい。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１を参照して、本発明の実施の
形態に係る加工方法を説明する。
【００１３】この加工方法は、斜板式圧縮機に用いられ
るピストン１の駆動端部にシューを受けるための凹形球
面状のシュー受け座１ａ，１ｂを形成する方法である。
ピストン１に斜板通過溝１１を設け、その斜板通過溝１
１の側壁に工具としてのバイト１２の刃先１４を当て
る。その際、斜板通過溝１１の中心軸Ｌ１に対する押え
台１３の中心軸Ｌ２の角度θ１を、中心軸Ｌ１に沿った
シュー受け座１ａ，１ｂの断面における斜板通過溝１１
の開口端側の接線Ｌ３と斜板通過溝１１の中心軸Ｌ１と
がなす角度θ２以上の値に設定する。この状態で、ピス
トン１を中心軸Ｌ１に関して回転させつつ、バイト１２
を押え台１３の中心軸Ｌ２に平行な第１の方向Ｙとこれ
に直行する第２の方向Ｘ１’とに移動させる。これによ
り所定軸Ｌ１の周りにシュー受け座１ａ，１ｂが形成さ
れる。このとき、刃先１４は点Ｐ１から点Ｐ２を通り点
Ｐ３に至るが、第２の方向Ｘ１’では一側のみに送られ
ることになる。したがって、加工機の動力伝達部にバッ
クラッシュを起こすことがないため、シュー受け座１
ａ，１ｂは正確に凹形球面に形成され得る。
【００１４】図２を参照して、斜板通過溝１１の中心軸
Ｌ１に対する押え台１３の中心軸Ｌ２の角度θ１につい
て別の観点から説明する。
【００１５】刃先１４の先端から押え台１３の中心軸Ｌ
２と平行に引いた線をＬ４とする。この線Ｌ４と斜板通
過溝１１の中心軸Ｌ１との交角をθ３とし、シュー受け
座１ａ，１ｂを規定する凹形球面の中心Ｏと点Ｐ１及び
Ｐ３とを結ぶ二つの線分がなす角度をθ４とすると、次
式（１）及び（２）が成立するように押え台１３を傾け
たとき、加工機の動力伝達部はバックラッシュの無い動
きをする。
【００１６】 ９０ｏ ≧ （θ４） ≧ ０ ……… （１） （θ３） ≧ （θ４）／２ ……… （２） 上述したように、斜板通過溝１１の中心軸Ｌ２に対して
押え台１３の中心軸Ｌ２を傾かせることで、刃先１４を
点Ｐ１から点Ｐ３に円弧状形状に移動させても、押え台
１３は常にＸ１’の方向の移動だけでよい。そのため刃
先１４が点Ｐ２を通過するときにシュー受け座１ａ，１
ｂの凹形球面の形状が崩れることがなくなる。
【００１７】なお、斜板式圧縮機に用いられるピストン
のシュー受け座に限ること無く、その他の被加工物に所
定形状の凹形回転体面または凹形球面を加工する場合に
も本発明は適用できることはいうまでもない。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加工機の動力伝達部にバックラッシュを起こすことなく
被加工物に所定形状の凹形回転体面を形成することがで
きる加工方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る加工方法として、斜
板式圧縮機に用いるピストンに対するシュー受け座の加
工方法を説明するための説明図。
【図２】本発明の実施の形態に係る加工方法を別の観点
から説明するための説明図。
【図３】従来の斜板式圧縮機の断面図。
【図４】斜板式圧縮機に用いるピストンに対するシュー
受け座の従来の加工方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
１ ピストン １ａ，１ｂ シュー受け座 ２ シリンダブロック ３ フロントハウジング ５ 回転軸 ６ 斜板 ８ ロータ ９ シリンダボア １１ 斜板通過溝 １２ バイト １３ 押え台 １４ 刃先 Ｌ１ 斜板通過溝の中心軸 Ｌ２ 押え台の中心軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 被加工物に工具を当てること、前記被加
    工物を所定軸に関して回転させること、及び前記工具を
    その中心軸に平行な第１の方向とこれに直行する第２の
    方向とに移動させることを有し、これにより前記所定軸
    の周りに所定形状の凹形回転体面を形成する加工方法に
    おいて、前記所定軸に対する前記工具の中心軸の角度
    を、前記所定軸に沿った前記凹形回転体面の断面におけ
    る接線と前記所定軸とがなす角度以上の値に設定するこ
    とを特徴とする加工方法。
  2. 【請求項２】 斜板式圧縮機用ピストンの駆動端部に所
    定軸に沿って斜板通過溝を設けること、前記斜板通過溝
    に工具を当てること、前記ピストンを前記所定軸に関し
    て回転させること、及び前記工具をその中心軸に平行な
    第１の方向とこれに直行する第２の方向とに移動させる
    ことを有し、これにより前記所定軸の周りに凹形球面を
    形成する加工方法において、前記所定軸に対する前記工
    具の中心軸の角度を、前記所定軸に沿った前記凹形球面
    の断面における前記斜板通過溝の開口端側の接線と前記
    所定軸とがなす角度以上の値に設定することを特徴とす
    る加工方法。
  3. 【請求項３】 前記工具を前記第１の方向で一側に送る
    ときに前記第２の方向でも一側のみに送ることで加工を
    行う請求項１または２記載の加工方法。
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