JPH07265089A - 魚介類からのセラミドの製造方法 - Google Patents

魚介類からのセラミドの製造方法

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JPH07265089A
JPH07265089A JP6061247A JP6124794A JPH07265089A JP H07265089 A JPH07265089 A JP H07265089A JP 6061247 A JP6061247 A JP 6061247A JP 6124794 A JP6124794 A JP 6124794A JP H07265089 A JPH07265089 A JP H07265089A
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JP
Japan
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ceramide
aminoethylphosphonic acid
sphingomyelin
acid
fish
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JP6061247A
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English (en)
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Hidehiko Takahashi
日出彦 高橋
Susumu Hara
進 波羅
Yuko Iikura
祐子 飯倉
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YAKURIGAKU CHUO KENKYUSHO KK
Original Assignee
YAKURIGAKU CHUO KENKYUSHO KK
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は魚介類からスフィンゴミエリン又は
セラミド 2- アミノエチルホスホン酸を抽出し、ホスホ
ン酸を切断していセラミドを単離する製造方法を提供す
るものである。 【効果】 上記のセラミドの製造方法では、原料を魚介
類に求めることにより、安価に大量のセラミドを容易に
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚の保湿成分として利
用するセラミドの製造方法に関し、従来知られていなか
った安価かつ大量にセラミドを取得するその製造方法を
提供する。
【0002】
【従来の技術】セラミドを安価に大量に合成する方法は
今日まで確立されていない。合成セラミドとして現在使
用されているものは、疎水性基の配向がセラミド分子と
類似し、皮膚水分を保持する機能は有しているが、セラ
ミドとは全く別の物質である。天然のセラミドはウシの
脳からスフィンゴミエリンを抽出し、これを酵素で分解
することにより得られる。しかし、資源の量が限られて
いるため非常に高価であり、また皮膚の保湿に有効な配
合量は賄い難い。皮膚炎などの疾患、または生理的な条
件や乾燥などの環境によって、皮膚から水分が失われ肌
荒れがおきる。肌荒れは美容上の問題であることはもち
ろん、皮膚の持つ保護作用の低下につながり皮膚医学上
も好ましくない。この肌荒れに対しては、医薬品として
軟膏剤やローション剤などの外用剤、化粧品としてクリ
ームや乳液・ローションがもちいられる。これらの製剤
は機能的には皮膚の水分を20%前後の健康な状態に保
つものである。この目的には、従来は皮膚上に存在する
皮脂膜と類似の機能を持つ乳化性の基剤や、また皮膚中
に存在する乳酸やピロリドンカルボン酸・アミノ酸類な
どの天然湿潤因子( NMF) といわれる成分がもちいら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】近年、セラミドを主
体とした角質細胞間の脂質が、皮膚の水分を保持する機
能を持っていることが判ってきた。肌荒れに対してもち
いる製剤に、乳化性の基剤と天然湿潤因子に加えてセラ
ミドを配合することにより、その効果を高めることがで
きる。そこでセラミドの安価で大量の供給が求められて
いた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】そのために、まずセラ
ミドを取得するための安価な原料ソースを探求した。セ
ラミドはスフィンゴミエリン(ホスホリピド類)の構成
成分として、おもに脳や神経組織に存在するとされてき
た。一方、近年になって水生の動物にスフィンゴミエリ
ンを特異的に蓄積しているものが知られるようになっ
た。本発明者等はスフィンゴミエリンを多量に含有する
魚介類を探索し、さらにその有効な抽出方法について鋭
意検討を重ねた。大量の水揚げがあり、セラミドの原料
として利用が可能な魚介類は以下の通りである。 セラミド 2- アミノエチルスルホン酸を含有するもの: 軟体類:巻貝類 … イシダタミ、サザエ、アワビ
など。 二枚貝類 … シジミ、アサリ、カキ など。 頭足類 … イカ、タコ など。 スフィンゴミエリンを含有するもの: 魚類: タラ類 … チゴタラ、ソコダラ など。 ここに示した魚介類の肉や内臓などの組織から、常法に
より脂質(リピド)を抽出すれば、容易にスフィンゴミ
エリンが得られる。しかしながらこれらの魚介類は必ず
しも安価なものではない。より大量に安価にセラミドを
製造するための資源として、魚介類の市場を調査した結
果、マダコに着目した。マダコは通常“茹蛸( ゆでだ
こ) ”として流通する。アフリカ北部等で捕獲されたも
のが冷凍されて大量に輸入され、大規模な加工場で一括
してゆでられる。このゆで汁を入手して分析した結果、
水溶性のセラミド 2- アミノエチルホスホン酸を高濃度
で含有していた。マダコをゆでる釜には冷凍のマダコが
繰り返し投入され引き揚げられるので、多数のマダコか
ら溶出したセラミド 2- アミノエチルホスホン酸がゆで
汁中に濃縮されている。このゆで汁は利用されることな
く毎日廃棄されているので、セラミドを製造する資源と
して好適である。実験室の規模ではセラミド 2- アミノ
エチルホスホン酸をゲルクロマトグラフィーやイオン交
換クロマトグラフィーにより単離精製する方法が報告さ
れている。しかしながらそれらの充填剤は高価であり操
作も煩雑なため、工業的に大量の試料を処理するには不
適当である。そこで工業的に利用できる精製方法を検討
し、活性アルミナをもちいて容易にセラミド 2- アミノ
エチルホスホン酸を単離精製できることを見出した。す
なわちメタノール等で抽出した極性の高い試料溶液を濃
縮することなくそのまま活性アルミナのカラムに導入す
ると、セラミド 2-アミノエチルホスホン酸を含めてほ
とんどの成分はアルミナに吸着される。次いでこのカラ
ムを含水メタノールで溶出するとほぼセラミド 2- アミ
ノエチルホスホン酸のみが溶離してくる。この溶離液の
メタノールを減圧留去することにより、結晶状のセラミ
ド 2- アミノエチルホスホン酸を得ることができる。次
に得られたセラミド 2- アミノエチルホスホン酸からセ
ラミドを製造する方法を検討した。セラミドの1級水酸
基と2-アミノエチルホスホン酸のエステル結合は化学的
な加水分解には安定であるので、ホスホリパーゼCをも
ちいてこれを切断した。この酵素反応は回分式、固定化
酵素をもちいる連続式のいずれでも実施できた。
【0005】
【実施例】以下に本発明を、その好適な実施態様により
説明する。
【0006】実施例1 マダコの肉から脂質を抽出し、さらにセラミド 2- アミ
ノエチルホスホン酸を単離する方法を示す。生のマダコ
の肉200gを凍結乾燥した後に粉砕し、メタノール5
00mlを加え一晩かき混ぜる。これをカラムに充填し、
TLCで確認してセラミド 2- アミノエチルホスホン酸
が溶離しなくなるまでメタノールで溶出する。溶出した
メタノールをすべて合せ、活性アルミナ( 活性度I) 1
00gを充填したカラムに導入する。この段階でアルミ
ナのカラムから溶出したメタノールには、セラミド 2-
アミノエチルホスホン酸は溶離していない。次に10%
の水を含むメタノールで溶出するとセラミド 2- アミノ
エチルホスホン酸が溶離する。溶媒を減圧留去してセラ
ミド 2- アミノエチルホスホン酸の結晶1. 84gを得
る。
【0007】実施例2 マダコのゆで汁からセラミド 2- アミノエチルホスホン
酸を単離する方法を示す。TLCでセラミド 2- アミノ
エチルホスホン酸が存在することを確認したマダコのゆ
で汁500mlを濃縮して約50mlとし、メタノール50
0mlを加える。これを活性アルミナ( 活性度I) 100
gを充填したカラムに導入し、実施例1と同様に操作
し、セラミド 2- アミノエチルホスホン酸の結晶0. 5
4gを得る。
【0008】実施例3 ホスホリパーゼCをもちいて、回分式の操作でセラミド
2- アミノエチルホスホン酸からセラミドを製造する方
法を示す。セラミド 2- アミノエチルホスホン酸67mg
に0.03M CaCl2 を含む0.1M トリス緩衝液(pH7.4 )5
mlを加える。クロストリジウム パーフリンジェンス
(Clost- ridium perfringens )からのホスホリパーゼ
C標品(Type I; シグマ社)10mgとジエチルエーテル
5mlを加える。混合物を37℃でかき混ぜながら、18
時間反応させる。反応終了後、エーテル層を分けさらに
エーテルで抽出し、合せた有機層を減圧留去してセラミ
ド51mgを得る。
【0009】実施例4 固定化したホスホリパーゼCを充填したカラムを用い
て、連続式の操作でセラミド 2- アミノエチルホスホン
酸からセラミドを製造する方法を示す。0.03M CaCl2 を
含む0.1M トリス緩衝液(pH7.4) 50mlに、アンバーラ
イト(Amberlite)XAD- 8 10g および クロスト
リジウム パーフリンジェンス(Clostridium perfring
ens )からのホスホリパーゼC標品(TypeI; シグマ)
500mg を入れ、5時間かき混ぜる。吸着した固定化
酵素をろ過して集め、0.03M CaCl2を含む0.1M トリス
緩衝液(pH7.4) 20mlで洗う。緩衝液で湿らせた固定化
ホスホリパーゼCをカラムに充填し、1. 7mg/ml の濃
度のセラミド 2- アミノエチルホスホン酸を含有する
0.03M CaCl2で飽和したエタノール- ジエチルエーテル
混液を、0. 4ml/minの流速で72時間流下させる。流
出した液に飽和食塩水とエーテルを加え激しくかき混
ぜ、有機層を分けさらにエーテルを加えて抽出し、合せ
た有機層の溶媒を減圧留去してセラミド2.45g を得
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類からスフィンゴミエリン又はセラ
    ミド 2- アミノエチルホスホン酸を抽出し、ホスホン酸
    を切断分離してセラミドを単離することを特徴とするセ
    ラミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 スフィンゴミエリン又はセラミド 2- ア
    ミノエチルホスホン酸をホスホリパーゼCにより分解し
    セラミドを得る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 固定化したホスホリパーゼCを用いて、
    連続的な操作でスフィンゴミエリン又はセラミド 2- ア
    ミノエチルホスホン酸からセラミドを得る請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 スフィンゴミエリン又はセラミド 2- ア
    ミノエチルホスホン酸を活性アルミナを用いて魚介類の
    ゆで汁から単離精製する、請求項1に記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002324A (ja) * 2003-03-19 2005-01-06 Fisheries Research Agency 水圏生物を原料とするスフィンゴ脂質の製造方法
JP2008220328A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology セラミドの付加したgpiアンカー型タンパク質の製造方法
JP6242532B1 (ja) * 2017-07-13 2017-12-06 佐々木食品工業株式会社 新規化合物、脂肪肝の予防又は治療剤、血中コレステロール低下剤及び血中コレステロール低下用食品組成物

Cited By (4)

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JP2019019063A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 佐々木食品工業株式会社 新規化合物、脂肪肝の予防又は治療剤、血中コレステロール低下剤及び血中コレステロール低下用食品組成物

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