JPH0597873A - ホスフアチジルイノシトールの分離・精製及び濃縮方法 - Google Patents

ホスフアチジルイノシトールの分離・精製及び濃縮方法

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JPH0597873A
JPH0597873A JP28354591A JP28354591A JPH0597873A JP H0597873 A JPH0597873 A JP H0597873A JP 28354591 A JP28354591 A JP 28354591A JP 28354591 A JP28354591 A JP 28354591A JP H0597873 A JPH0597873 A JP H0597873A
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JP
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phosphatidylinositol
polar solvent
liquid
solvent
raw material
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JP28354591A
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Hisashi Watanabe
寿 渡辺
Katsuaki Yamauchi
勝昭 山内
Seiichi Shirasawa
聖一 白沢
Yuuri Arai
有里 新井
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SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESH
SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESH
SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

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  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホスファチジルイノシトールを含有する物質
を非極性溶媒に溶かし、これを塩基性物質を含有する含
水極性溶媒と接触させ、かくして得られる非極性溶媒層
を、該塩基性物質を含まない新たな含水極性溶媒と接触
させ、ホスファチジルイノシトールを該含水極性溶媒層
に抽出し、これから純度の高いホスファチジルイノシト
ールを得る。さらに、上記の方法で得られる該含水極性
溶媒層に金属塩を添加することによって、より高純度の
ホスファチジルイノシトールを沈澱物として回収する。 【効果】 ホスファチジルイノシトールを含有する物質
から、安全性,汎用性の高い安価な溶媒を使用して、簡
便な液々分配操作のみで、容易に高純度のホスファチジ
ルイノシトールを収率よく分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン脂質含有物からホ
スファチジルイノシトールを、高純度で安全かつ安価に
製造する方法に関するものである。本願発明によって得
られる高純度ホスファチジルイノシトールは、食品,化
粧品,トイレタリー,農薬,飼料,水産などの分野で乳
化剤,栄養剤等として、また医薬分野では乳化剤,リポ
ソーム形成基剤等に幅広く利用される。
【0002】
【従来の技術】リン脂質は、動物,植物,微生物,藻類
などの生体中に含まれ、主に細胞膜の構成成分として種
々の重要な働きをしている。天然物由来のリン脂質は、
通常、ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノー
ルアミン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジ
ルセリン,ホスファチジン酸,それらのリゾ体,スフィ
ンゴミエリンなどの混合物からなる。
【0003】これから特定のリン脂質を分画するため
に、メタノール,エタノール,2−プロパノール,アセ
トン,ヘキサン,クロロホルムなどの単一溶剤による抽
出や混合溶剤を用いた再結晶などの溶剤分別法、シリカ
ゲル,アルミナ,イオン交換樹脂などの吸着剤を用いた
カラムクロマト分画法、CdCl2 複合体やアセチル化
などの誘導体による分画法などが利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホスファチジルイノシ
トールは、従来の溶剤分別法のみではホスファチジルエ
タノールアミンやホスファチジン酸等との分離が困難で
あり、多種類の溶剤と各種のカラム分画を組み合わせる
ことによって、はじめて高純度に精製することが可能で
ある。しかし、かかる方法では収率が極めて悪いという
欠点を有しており、また、使用する溶剤もクロロホルム
やジクロロメタンなど、作業上危険性が高く、残留など
の点においても好ましくないものが多く使用されてい
る。
【0005】本発明は、簡易に安価かつ安全な高純度ホ
スファチジルイノシトールを得られる分離・精製・濃縮
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はホス
ファチジルイノシトールを含む原料を非極性溶媒に溶か
し、塩基性物質を含有する含水極性溶媒と接触させた
後、該非極性溶媒層を、該塩基性物質を含有しない新た
な含水極性溶媒と液々分配させ、ホスファチジルイノシ
トールを該含水極性溶媒層に抽出することを特徴とする
ホスファチジルイノシトールの分離・精製方法、および
上記の方法で該含水極性溶媒層として得られたホスファ
チジルイノシトール抽出液に金属塩を添加し、ホスファ
チジルイノシトールを沈澱物として回収することを特徴
とするホスファチジルイノシトールの濃縮方法である。
【0007】本発明に用いるホスファチジルイノシトー
ル含有原料は、目的とするホスファチジルイノシトール
を含んでいれば、動物,植物,微生物,藻類などの起源
に限定はなく、また、化学的および酵素的方法で得られ
たものでもよい。
【0008】このホスファチジルイノシトール含有原料
をそのまま、あるいは前処理としてメタノール,エタノ
ール,2−プロパノール,アセトンなどの極性溶媒を単
独もしくは混合溶媒として用い、ホスファチジルイノシ
トール以外の成分の一部を抽出分離したものを、ヘキサ
ンやヘプタンのような炭化水素等の非極性溶媒に溶かし
て用いる。
【0009】一方、含水極性溶媒としては、上記の極性
溶媒を単独あるいは混合溶媒として用い、その含水率は
20〜70%,好ましくは40〜60%とするのがよ
い。本発明では、さらに、この含水極性溶媒に塩基性物
質を溶かすことを必須要件とする。かかる塩基性物質と
しては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,リン酸水
素二ナトリウム,リン酸水素二カリウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,ア
ンモニア水,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,
炭酸アンモニウムなどであり、水溶液が塩基性になるも
のならば何れも用いることができ、その濃度は特に限定
されないが、望ましくは原料1モル濃度に対して 1/2〜
4モル濃度がよい。また、緩衝液を用いても良い。pH
は7.5〜12.0,好ましくは8.0〜10.0の範
囲がよい。
【0010】本発明では、ホスファチジルイノシトール
を含む原料を溶解した非極性溶媒と、塩基性物質を含有
する含水極性溶媒とを振とう,攪拌,向流などによって
接触させた後、静置または遠心操作によって2相分離さ
せる。次いで、この非極性溶媒層を分液ロート,向流抽
出装置あるいは遠心液々分配クロマトグラフィーなどを
用いて、塩基性物質を含まない上記と同じ新たな含水極
性溶媒と接触させ、ホスファチジルイノシトールを該含
水極性溶媒層に抽出する。抽出時の温度は、使用する溶
媒の沸点以下ならば特に限定されるものではないが、抽
出効率の点から10〜70℃,好ましくは30〜50℃
で行う。かかる方法によって、ホスファチジルイノシト
ールの純度は2〜10倍に分離・精製することができ
る。
【0011】本発明では、かかる方法によって該含水極
性溶媒層として得られるホスファチジルイノシトール抽
出液に、さらにカルシウム,マグネシウム,鉄,アルミ
ニウムなど陽イオンの荷電数が2価以上の金属の塩化
物,酢酸塩,硝酸塩,硫酸塩,有機酸塩等の塩類や錯体
化合物等を抽出液100ml当り10〜30mg添加するこ
とによって、ホスファチジルイノシトールをさらに濃縮
して純度を高めることができる。すなわち、上記のホス
ファチジルイノシトール抽出液に該金属塩の水溶液を添
加し攪拌した後、必要に応じて冷暗所に放置し、生成し
てくる沈澱物を濾過あるいは遠心分離により回収し、減
圧,凍結などの処理で乾燥して、さらに高純度のホスフ
ァチジルイノシトールを得ることができる。
【0012】
【実施例】
実施例1 粉末大豆レシチン(日清製油(株)製)をエタノール処
理した不溶分(ホスファチジン酸(以下PAという)
9.7%,ホスファチジルエタノールアミン(以下PE
という)25.1%,ホスファチジルコリン(以下PC
という)10.5%,ホスファチジルイノシトール(以
下PIという)21.1%)1gをヘキサン60mlに溶
かし、酢酸ナトリウム0.325gを55%含水エタノ
ール100mlに溶かしたものとあわせて分液ロートに入
れ、室温で1分間振とう後、20分間静置した。このヘ
キサン層と、塩基性物質を含まない新しい55%含水エ
タノールとを同様な操作で接触させ抽出した。この結
果、含水エタノール層から回収した固形物は0.3gで
あり、そのPI純度は45%であった。一方、上記と同
様の操作をして得られたPI含有含水エタノールに塩化
カルシウム26mgを添加し、15分間攪拌後、4℃で2
時間静置した。析出した沈澱物を遠心分離(2000rp
m ,10分間)し、真空乾燥して白色固形物0.16g
を分画物として得た。得られた分画物は、PI純度5
6.6%(油脂基準分析法による。以下同じ),PI回
収率40.3%であった。
【0013】実施例2 実施例1で使用した粉末大豆レシチンのエタノール不溶
分65.7gをヘキサン4リットルに溶かし、酢酸ナト
リウム21.3gを55%含水エタノール6.5リット
ルに溶かしたものとあわせて分液ロートに入れ、室温で
1分間振とう後、2時間静置した。このヘキサン層を、
酢酸ナトリウムを含まない新たな55%含水エタノール
で、連続式向流抽出装置を用いて40℃で抽出を行っ
た。得られたPI含有含水エタノール層から溶媒を減圧
留去し、白色固形物24.5gを回収した。このPI純
度は48%であった。一方、上記と同様の操作をして得
られたPI含有含水エタノール12.5リットルに塩化
カルシウム3.5gを添加し、15分間攪拌後、4℃で
一晩放置した。析出した沈澱物を濾別して分画物21.
7gを得た。これを分析したところ、PI純度56.7
%,PI回収率は68.0%であった。
【0014】実施例3 実施例1で使用した大豆粉末レシチンのエタノール不溶
分1gをヘキサン20mlに溶かし、アンモニア水でpH
9.0に調製した90%含水エタノール20mlとあわせ
て、共栓付コルベンに入れ、1分間振とうした。これを
遠心液々分配クロマトグラフィーを用いて分離を行っ
た。溶媒系は90%エタノールを固定相,ヘキサンを移
動相とし、25℃でPIを90%エタノール層に保持さ
せた。得られたPI含有含水エタノール200ml中の固
形分のPI純度は85%であった。次いで、これに塩化
カルシウム32mgを添加し、15分間攪拌後、4℃で2
時間静置した。析出した沈澱物を遠心分離(2000rp
m ,10分間)し、真空乾燥して分画物0.20gを得
た。これを分析したところ、PI純度95.5%,PI
回収率90.7%であった。
【0015】比較例 実施例1で使用した大豆粉末レシチンのエタノール不溶
分1gをヘキサン60mlに溶かし、塩基性物質を含まな
い55%含水エタノール100mlと分液ロートに入れ、
室温で1分間振とう後、20分間静置した。このヘキサ
ン層を、さらに新しい55%含水エタノールで同様の操
作により接触させ、抽出した。この結果、含水エタノー
ル層から回収した固形物は0.2gであり、そのPI純
度は28.5%であった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、液々分配の操作だけ
で、ホスファチジルイノシトールを容易に、かつ高純度
で収率よく分離できるようになった。従来、多種の混合
溶媒による分別,カラムクロマト分画,もしくはそれら
を組み合わせた技術によっても、極めて低い収率でしか
得られていなかったホスファチジルイノシトールを、高
価なカラムクロマト担体を用いずに、ヘキサン,エタノ
ールのような安全性の点で問題なく、汎用性の高い安価
な溶媒を使用するだけで、しかも簡便な操作で精製で
き、高純度かつ高収率で得られるという優れた利点を有
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファチジルイノシトール含有原料を
    非極性溶媒に溶かし、塩基性物質を含有する含水極性溶
    媒と接触させた後、該非極性溶媒層を、該塩基性物質を
    含まない新たな含水極性溶媒と液々分配させ、ホスファ
    チジルイノシトールを該含水極性溶媒層に抽出すること
    を特徴とするホスファチジルイノシトールの分離・精製
    方法。
  2. 【請求項2】 上記の方法で該含水極性溶媒層として得
    られるホスファチジルイノシトール抽出液に、金属塩を
    添加し、ホスファチジルイノシトールを沈澱物として回
    収することを特徴とするホスファチジルイノシトールの
    濃縮方法。
JP28354591A 1991-10-03 1991-10-03 ホスフアチジルイノシトールの分離・精製及び濃縮方法 Pending JPH0597873A (ja)

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