JP3122333B2 - 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品 - Google Patents

赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品

Info

Publication number
JP3122333B2
JP3122333B2 JP07134332A JP13433295A JP3122333B2 JP 3122333 B2 JP3122333 B2 JP 3122333B2 JP 07134332 A JP07134332 A JP 07134332A JP 13433295 A JP13433295 A JP 13433295A JP 3122333 B2 JP3122333 B2 JP 3122333B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramide
sphingomyelin
erythrocyte
raw material
bacillus cereus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07134332A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08294395A (ja
Inventor
日出彦 高橋
進 波羅
由美子 冨谷
Original Assignee
株式会社薬理学中央研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社薬理学中央研究所 filed Critical 株式会社薬理学中央研究所
Priority to JP07134332A priority Critical patent/JP3122333B2/ja
Priority to US08/607,316 priority patent/US5912152A/en
Priority to AU45710/96A priority patent/AU681319B2/en
Priority to CA002170322A priority patent/CA2170322C/en
Priority to EP96102916A priority patent/EP0730032A3/en
Publication of JPH08294395A publication Critical patent/JPH08294395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3122333B2 publication Critical patent/JP3122333B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/08Anti-ageing preparations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/14Blood; Artificial blood
    • A61K35/18Erythrocytes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/68Sphingolipids, e.g. ceramides, cerebrosides, gangliosides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/02Amides, e.g. chloramphenicol or polyamides; Imides or polyimides; Urethanes, i.e. compounds comprising N-C=O structural element or polyurethanes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • Y10S435/832Bacillus
    • Y10S435/834Bacillus cereus

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Birds (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Gerontology & Geriatric Medicine (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚の保湿成分として利
用するセラミドの製造方法に関し、従来知られていなか
った安価かつ大量にセラミドを取得するその製造方法を
提供する。
【0002】
【従来の技術】哺乳類の神経組織がセラミドの誘導体で
あるスフィンゴ脂質を含有していることが知られてい
る。ウシの脳のスフィンゴ脂質はセラミドにまで誘導す
ることなく、そのまま化粧品原料として利用されてい
る。(特開昭64−16708号公報。化粧品種別配合
成分規格「ウシ脳抽出エキス」「ウシ脳脂質」参照) 一方、スフィンゴ脂質を分解してセラミドに導く方法と
して、以下のものが報告されている。 ・フッ化水素を用いる加水分解(Reddy, P. V. ; Natar
ajan, V. ; Sastry,P. S. : Chem . Phys. Lipids, 197
6, 17, 373 〜7 参照)。 ・細菌が産生するホスホリパーゼによる酵素分解。 しかしこれらの方法を応用したセラミドの製造方法は報
告されていない。本発明のように、家畜類・家禽類の赤
血球を原料として、安価にスフィンゴ脂質類からセラミ
ドを取得する方法は今日までに確立されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】皮膚炎などの疾患、
または生理的な条件や乾燥などの環境によって、皮膚か
ら水分が失われ肌荒れがおきる。肌荒れは美容上の問題
であることはもちろん、皮膚の持つ保護作用の低下につ
ながり皮膚医学上も好ましくない。この肌荒れに対して
は、医薬品として軟膏剤やローション剤などの外用剤、
化粧品としてクリームや乳液・ローションがもちいられ
る。これらの製剤は機能的には皮膚の水分を20%前後
の健康な状態に保つものである。この目的には、従来は
皮膚上に存在する皮脂膜と類似の機能を持つ乳化製の基
剤や、また皮膚中に存在する乳酸やピロリドンカルボン
酸・アミノ酸類などの天然湿潤因子(NMF)といわれ
る成分が用いられている。
【0004】近年、セラミドを主体とした角質細胞間の
脂質が、皮膚の水分を保持する機能を持っていることが
判ってきた。肌荒れに対して用いる製剤にさらに充分な
量のセラミドを配合することにより、その効果を高める
ことができる。そこでセラミドの安価で大量の供給が求
められていた。
【0005】
【問題点を解決するための手段】化粧品原料として用い
られているスフィンゴ脂質類(セラミドの誘導体である
スフィンゴミエリン、グルコシルセラミドなど)は、角
質細胞間の脂質中には存在しないとされている。これら
の物質にはホスホリルコリンや糖などの極性の高い大き
な置換基があるため、セラミドとは性状に大きな差異が
ある。皮膚が持つ本来の保水機能を補完するために、本
発明者らは“セラミド”そのものを応用することをめざ
して、セラミドの製造方法につき鋭意研究し、生物試料
からスフィンゴ脂質を効率よく抽出して、さらにセラミ
ドに変換する方法を開発した。そのために、まずセラミ
ドを取得するための安価な原料ソースを探求した。従来
は前述の特開昭64−16708とその引用文献および
化粧品種別配合成分規格「ウシ脳抽出エキス」「ウシ脳
脂質」の如く、スフィンゴ脂質の原料を主にウシ脳など
の神経組織に求めている。しかしその資源の量は限られ
ているため高価であり、充分な供給量は賄い難い。そこ
で本発明者らはセラミドの資源として赤血球に着目し
た。
【0006】家畜・家禽は食用の用途から大量に飼育さ
れ、屠殺されるたびに大量の血液が発生することは周知
の事実である。組織培養の培地などの需要から、血液か
らは血清や血漿蛋白が大量に製造されている。また血液
から血清を得た残りの血球からは、ヘモグロビンが抽出
され医薬品や食品などに利用されている。その一方で、
血液から血清とヘモグロビンを製造して最後に残る赤血
球膜には現在のところ需要がなく、経費をかけて廃棄し
ているのが現状である。赤血球膜からのスフィンゴ脂質
の有効な抽出方法について鋭意検討を重ねた結果、極性
の高い脂質からグリセロリン脂質を分解して除去するこ
とにより、少ない工程数と安価な溶媒で純度の高いスフ
ィンゴミエリンを収率よく得ることができた。また赤血
球膜にバクテリアを接種して、含まれているスフィンゴ
ミエリンを直接にセラミドに導びいてから抽出する技術
も開発した。本発明の方式により脂質を抽出した赤血球
膜は、3/4程度の重量(乾燥重量)に減少し、水分も
失った無臭の固形物に圧縮されるので、高蛋白の飼料や
肥料への転用が容易になる。したがって赤血球をセラミ
ドの原料に利用することは、廃棄物に付加価値をもたら
し、環境の汚染を防止することにもつながる。
【0007】次にスフィンゴミエリンからセラミドに導
く方法を検討した。スフィンゴミエリンは、ホスホリパ
ーゼCやスフィンゴミエリナーゼにより特異的にセラミ
ドに変換できること、またクロストリジウム パーフリ
ンゲンス(Clostridium perfingens)やバチルス セレ
ウス(Bacillus cereus )などのバクテリアがこれらの
ホスホリパーゼを産生することが知られている。セラミ
ドの1級水酸基とコリンリン酸のエステル結合は化学的
な加水分解には比較的に安定であるので、酵素をもちい
てこれを切断することにした。バクテリアから調製した
これらのホスホリパーゼが試薬レベルでは販売されてい
るが、工業的に利用するには非常に高価である(1000un
it(約10mg)で$200 程度)。本発明ではセラミドの
原料自体または、最も基本的な液体培地である普通ブイ
ヨンでB.cereusを培養することにより、ホスホリパーゼ
を簡便な方法で、安価に再生産しつつ利用している。さ
らにこの酵素の活性を保持するバイオリアクターを利用
することにより、セラミドの製造を効率的に実施するこ
とができた。
【0008】赤血球中にはスフィンゴミエリンに匹敵す
る量のコレステロールが存在する。コレステロールの極
性はセラミドに似通っているため、本発明の方法で製造
した粗セラミドは、コレステロールとの混合物となる。
一方、皮膚の水分を保持する機能を持つ角質細胞間の脂
質は、セラミドとコレステロールが主成分であり、これ
らの成分が共存することにより結合水を強固に保持する
ことが知られている。そこでコレステロールとセラミド
の混合物であることは、皮膚の保湿剤としてはむしろ好
適である。しかし、ブタなどの赤血球を原料に求めた場
合はコレステロールの比率がかなり高くなるので、スフ
ィンゴミエリンからセラミドを生成させる前の段階で、
ある程度の量のコレステロールを除去することとし、そ
のための溶媒抽出を検討した。 ヘム鉄の残渣から得た
沈殿を各種の有機溶媒(ジエチルエーテル、ジクロロメ
タン、ヘキサン、ベンゼン、シクロヘキサン)で洗った
結果、ジクロロメタンで洗浄すると、特異的にコレステ
ロールの抽出効率が高く、スフィンゴミエリンのロスが
少ないことがわかった。
【0009】
【実施例】以下に本発明をその好適な実施態様により説
明する。
【0010】実施例1.赤血球からヘム鉄を製造する際
に発生する残渣から、セラミドを製造する方法を示す。
ブタの赤血球からヘモグロビンを分離した残りの液を中
和するために所用量のリン酸水素二ナトリウムを添加
し、生成する沈殿10mlを分取し、バチルス セレウス
(Bacillus cereus )(IAM 1208)を接種し、20時間
振盪培養する。この沈殿にジクロロメタン5mlを加え
て、30℃で2時間かき混ぜる。ジクロロメタン層を分
取し、沈殿をさらにジクロロメタンで抽出し、合せた有
機層を減圧留去して粗セラミド81mgを得る。中和する
ために加えるものはリン酸水素二ナトリウムに限らず、
緩衝作用のある酸・塩基とその塩類ならば種類を問わな
い。
【0011】実施例2.赤血球膜から脂質を抽出し、さ
らにスフィンゴミエリンを単離する方法を示す。採血し
EDTA・Na2 を加えたウシの血液を遠心分離にかけ
て、赤血球を得る。得られた赤血球に10倍量の0.2
%酢酸を加えて溶血させ、遠心分離により得た沈殿を水
でよく洗浄して赤血球膜を得る。凍結乾燥したウシの赤
血球膜4.00gをソックスレー抽出器にいれ、メタノ
ール200mlで2回抽出する。抽出液を室温まで放冷
し、0.1Mの濃度になるように水酸化カリウムを加え
て溶解し、室温で2時間放置する。過剰のアルカリを濃
塩酸で中和した後、溶媒を減圧留去し、得られた固形の
脂質をアセトンでよく洗浄して、スフィンゴミエリン
0.69gを得る。ヒツジ、ブタの赤血球膜について
も、上記と同様な方法でスフィンゴミエリンを得た。
【0012】実施例3.細菌の培養液をもちいて、回分
式の操作でスフィンゴミエリンからセラミドを製造する
方法を示す。普通ブイヨンにバチルス セレウス(IAM
1208)を接種し、20時間振盪培養する。培養液を遠心
分離(18000rpm, 30分)にかけ、上清を取り出す。上
清10mlにスフィンゴミエリン100mgを加えてよく分
散させた後、ジエチルエーテル5mlを加えて、混合物を
30℃でかき混ぜながら、18時間反応させる。反応終
了後、エーテル層を分取し、反応液をさらにエーテルで
抽出し、合せた有機層を減圧留去して粗セラミド51mg
を得る。
【0013】実施例4.バチルス セレウスの培養液か
ら調製した粗酵素をもちいて、回分式の操作でスフィン
ゴミエリンからセラミドを製造する方法を示す。バチル
ス セレウスを普通ブイヨンに接種し、30℃で1日
間、振盪培養する。培養液を5000gで20分間遠心
分離し、上清を70%飽和 硫酸アンモニウムで塩析さ
せ、沈殿を分取して粗酵素を得る。スフィンゴミエリン
67mgに0.1Mトリス緩衝液(pH7.4)5mlを加え
る。バチルス セレウスからの粗酵素10mgとジエチル
エーテル5mlを加えて、混合物を37℃でかき混ぜなが
ら、18時間反応させる。反応終了後、エーテル層を分
けさらにエーテルで抽出し、合せた有機層を減圧留去し
て粗セラミド32mgを得る。
【0014】実施例5.固定化酵素を充填したカラムを
用いて、連続式の操作でスフィンゴミエリンからセラミ
ドを製造する方法を示す。0.1Mトリス緩衝液(pH
7.4)50mlに、アンバーライト(Amberlite)XAD
−8を10gおよびバチルス セレウスの培養液から得
られる粗酵素500mgを入れ、5時間かき混ぜる。吸着
した固定化酵素をろ過して集め、0.03MCaCl2
を含む0.1Mトリス緩衝液(pH7.4)20mlで洗
う。緩衝液で湿らせた固定化酵素をカラムに充填し、
1.7mg/ml の濃度のスフィンゴミエリンを含有する
0.03M CaCl2 を含有する0.1Mトリス緩衝
液(pH7.4)で飽和したジエチルエーテルを、0.4
ml/minの流速で72時間流下させる。流出した液に飽和
食塩水とエーテルを加え激しくかき混ぜ、有機層を分け
さらにエーテルを加えて抽出し、合せた有機層の溶媒を
減圧留去して粗セラミド2.45gを得る。
【0015】実施例6.ブタの赤血球から実施例1.の
方法で製造した粗セラミドには、コレステロールが混入
している。そのコレステロールの量を調整するために、
ブタの赤血球からヘモグロビンを分離した残りの液を中
和して生成する沈殿10mlを、同量のジクロロメタンで
洗浄した。この沈殿に高圧蒸気滅菌の処理をした後、バ
チルスセレウスを接種して、以下実施例1.と同様に操
作した。ジクロロメタンで洗浄する操作の有無と、得ら
れた粗セラミド中のコレステロールとセラミドの比率を
分析した結果を示す。 コレステロール セラミド(%) 未処理 58.3 37.4 ジクロロメタンで洗浄 29.3 65.2
【0016】実施例7.女性患者5名にセラミドをプロ
ピレングリコールに0.1%溶解した溶液を目尻に塗布
し、小じわ(鳥の足跡)に対する影響を観察した。効果
の判定は歯科用速乾性レジン[商品名:Exafine (エク
ザファイン)]によるレリーフを処置前・処置後に作成
し、顕微鏡下でしわの深度と本数を観測した。以下の表
は2ヶ月塗布の成績の総括である。
【表1】 2ヶ月間の処置後の小じわの深度と本数の減少の程度
【0017】
【実施例8.】実験的に細胞間脂質を除き、いわゆる荒
れ肌状態にした健常男子の皮膚にセラミドを適用し、皮
膚生理機能の補完ができるか否かの確認をした。荒れ肌
の水分保持機能の回復を見るため、健常人(n=3)の
左前腕部3か所(直径2cm、円形)をアセトン・エーテ
ル(1:1)に10分間暴露することにより細胞間脂質
を除き、それぞれの部位に精製水、1%ヒアルロン酸ナ
トリウム溶液、0.1%セラミド溶液を塗布した。角層
水分の指標として角層表面高周波伝導度を経時的に測定
した(SKICON200、IBS社)。測定は室温2
0℃湿度60%の恒温室にておこなった。図1.にヒト
角層水分保持に対するセラミドの効果を示す。有機溶媒
により細胞間脂質を除かれ、角質水分量の著しい低下を
見た皮膚は、0.1%セラミド溶液の塗布により、いず
れの例でも角質内の水分保持機能は速やかに回復した。
その効果は1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液よりも優れ
ていた。
【0018】
【実施例9.】実施例1.に記したと同様の荒れ肌の状
態において、経表皮水分喪失に対するバリア機能の改善
効果を、セラミドについて評価することを目的とした。
実施例1.と同様の操作で誘発せしめた荒れ肌の経表皮
水分喪失量(TWL)をエバポリメーター(Servo Med
社)を用いて経時的に追跡し、セラミドの効果を検討し
た。測定は室温20℃、湿度60%の恒温室にておこな
った。図2.にセラミドの経表皮水分喪失に対するバリ
ア機能の改善効果を示す。実験的荒れ肌により上昇した
TWL値は、0.1%セラミド溶液の塗布により改善を
みた。その効果は1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液の場
合よりやや強かった。塗布3時間後にはTWLは健常な
皮膚の値に復した。
【0019】
【実施例10.】4名のアトピー性皮膚炎患者にセラミ
ドを0.1%配合した親水軟膏を、原則として朝夕2回
塗布し、治療効果について観察した。軟膏は原則として
朝夕2回塗布した。治験期間は、寒冷と乾燥から角化症
が一般的に増悪する冬季に設定した。アトピー性皮膚炎
の改善の程度を下記の基準に従い判定した。 著効 完治したもの 有効 ほとんどの症候に改善を示したもの やや有効 なんらかの改善を示したもの 無効 不変・増悪したもの 症例の詳細な結果を表に示す。 No. 性別 年齢 部位 治療日数 効果 1 F 13 全身 3週間 有効(ピリピリ感あり) 2 M 9 四肢 3ヵ月 有効(ピリピリ感あり) 3 M 7 四肢 3ヵ月 有効(ピリピリ感あり) 4 F 10 全身 3ヵ月 有効 (まとめ)アトピー性皮膚炎患者に対するセラミドを
0.1%配合した親水軟膏の適用は、有効以上100%
と優れた治療効果をみた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明方法の実施例を示す工程図であ
る。(b)は本発明の生成物について行なったTLC展
開図である。展開溶媒はCHCl3:Me2CO:MeOH:AcOH:H2O=1
0:4:2:2:1である。図中、Sphはスフィンゴミエリン
である。
【図2】実験的に作成した荒れ肌の水分保持機能に対す
るセラミドの改善効果をグラフとして示す図である。
【図3】実験的に作成した荒れ肌のバリア機能に対する
セラミドの改善効果をグラフとして示す図である。
【図4】原発明及び後発明を包含する本発明の製造工程
図である。Aは前者、Bは後者の工程を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 17/00 A61P 17/00 (C12P 13/02 C12R 1:085) (56)参考文献 国際公開94/26919(WO,A1) 社団法人日本生化学会編集、「新生化 学実験講座 4 脂質▲II▼リン脂 質」第1版、株式会社東京化学同人、 1991年5月15日、P.198−203 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家畜類または家禽類の赤血球を原料とし
    たセラミドの製造方法であって、 (1) 当該赤血球を溶血させて得られる赤血球膜また
    は当該赤血球からヘム鉄を製造する際に発生する残渣に
    含まれる赤血球膜を用いて、 (2) 当該赤血球膜を含む溶液を酸・塩基またはその
    塩類により中和した後、生成する沈殿をジクロロメタン
    で洗浄してコレステロールを除き、 (3) 洗浄後の赤血球膜を含む溶液から、有機溶媒を
    用いた抽出及び加水分解を経てスフィンゴミエリンを抽
    出し、または抽出することなく、 (4) バチルス セレウス(Bacillus cereus)を接
    種して、当該赤血球膜を含む溶液に含まれているスフィ
    ンゴミエリンを、バチルス セレウスの培養液から得ら
    れるスフィンゴミエリナーゼにより分解し、得られたセ
    ラミドを有機溶媒により抽出する、 ことを特徴とする、セラミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 スフィンゴミエリナーゼが、バチルス
    セレウス(Bacilluscereus)の培養液から抽出されたも
    のである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 スフィンゴミエリンを含む溶液でバチル
    ス セレウス(Bacillus cereus)を培養して、スフィ
    ンゴミエリナーゼにより分解し、セラミドを得る請求項
    1に記載の方法。
JP07134332A 1995-02-28 1995-05-31 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品 Expired - Fee Related JP3122333B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07134332A JP3122333B2 (ja) 1995-02-28 1995-05-31 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品
US08/607,316 US5912152A (en) 1995-02-28 1996-02-26 Process for preparing sphingomyelin and ceramide from erythrocyte as a starting material and a curing agent or cosmetic formulated with ceramide
AU45710/96A AU681319B2 (en) 1995-02-28 1996-02-26 Process for preparing sphingomyelin and ceramide from erythrocyte as a starting material and a curing agent or cosmetic formulated with ceramide
CA002170322A CA2170322C (en) 1995-02-28 1996-02-26 Process for preparing sphingomyelin and ceramide from erythrocyte as a starting material and a curing agent or cosmetic formulated with ceramide
EP96102916A EP0730032A3 (en) 1995-02-28 1996-02-27 Process for preparing sphingomyelin and ceramide from erythrocyte as a starting material and a curing agent or cosmetic formulated with ceramide

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3984095 1995-02-28
JP7-39840 1995-02-28
JP07134332A JP3122333B2 (ja) 1995-02-28 1995-05-31 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08294395A JPH08294395A (ja) 1996-11-12
JP3122333B2 true JP3122333B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=26379249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07134332A Expired - Fee Related JP3122333B2 (ja) 1995-02-28 1995-05-31 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5912152A (ja)
EP (1) EP0730032A3 (ja)
JP (1) JP3122333B2 (ja)
AU (1) AU681319B2 (ja)
CA (1) CA2170322C (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1296148B1 (it) * 1996-11-22 1999-06-09 Renata Maria Anna Ve Cavaliere Uso di batteri lattici per accrescere il livello delle ceramidi della pelle e delle mucose, e composizioni dermatologiche e cosmetiche atte
USRE39118E1 (en) * 1996-11-22 2006-06-06 Vsl Pharmaceuticals, Inc. Sphingomyelinase compositions and use thereof
US8697051B2 (en) 1999-06-09 2014-04-15 Vsl Pharmaceuticals Inc. Composition comprising alkaline sphingomyelinase for use as a dietetic preparation, food supplement or pharmaceutical product
IT1311495B1 (it) * 1999-06-09 2002-03-13 Mendes S U R L Composizione comprendente sfingomielinasi alcalina, utilizzabile qualeprodotto dietetico, integratore alimentare o medicamento.
US7037535B2 (en) 2002-11-19 2006-05-02 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method and composition for neutralizing house dust mite feces
US7585518B2 (en) 2002-11-19 2009-09-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Products and methods for maintaining or increasing ceramide levels in skin
US20050019379A1 (en) 2003-07-22 2005-01-27 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe and methods for improving skin health
JP2007507492A (ja) * 2003-10-02 2007-03-29 ドゥサン コーポレーション 皮膚を保護するための組成物
JP2006151818A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Shu Uemura:Kk 皮膚化粧料
NZ566842A (en) 2005-09-22 2011-12-22 Megmilk Snow Brand Co Ltd Use of sphingomyelin for preventing or reducing alcohol intoxication and/or hangover
JP5190917B2 (ja) * 2007-03-15 2013-04-24 独立行政法人産業技術総合研究所 セラミドの付加したgpiアンカー型タンパク質の製造方法
JP5526467B2 (ja) * 2007-07-20 2014-06-18 ナガセケムテックス株式会社 セラミドの製造方法
JP2012087203A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Honda Denki Kk セラミドの製造方法及びそれに用いる金属除去装置
CN104382799A (zh) * 2014-12-01 2015-03-04 上海汀澜生物科技有限公司 一种具有抗皱紧致和美颜保湿功效的护肤品
JP6959204B2 (ja) * 2018-09-18 2021-11-02 一丸ファルコス株式会社 新規セラミドそれを含む皮膚保湿剤およびセラミド組成物の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5843786A (ja) * 1981-09-09 1983-03-14 Toyo Jozo Co Ltd スフインゴミエリナ−ゼの製造法
JPS6416708A (en) * 1987-07-08 1989-01-20 Ichimaru Pharcos Inc Composition for extracting sphingolipid and method for extraction thereof
GB9022921D0 (en) * 1990-10-22 1990-12-05 Unilever Plc Cosmetic composition
AU639373B2 (en) * 1990-10-22 1993-07-22 Unilever Plc Cosmetic composition
GB9100816D0 (en) * 1991-01-15 1991-02-27 Unilever Plc Cosmetic composition
FR2674748B1 (fr) * 1991-04-03 1995-01-13 Oreal Utilisation de sphingolipides dans la preparation d'une composition cosmetique ou dermopharmaceutique protegeant la peau et les cheveux contre les effets nocifs de la pollution atmospherique.
FR2676936B1 (fr) * 1991-05-27 1993-11-05 Inocosm Laboratoires Procede de separation d'un compose riche en glycolipides lysophospholipides shingolipides et ceramides d'origine vegetale, ainsi que produits cosmetiques obtenus par la mise en óoeuvre de ce procede.
US5206355A (en) * 1991-09-30 1993-04-27 The University Of Montana Preparation of trisaccharides (kestoses) and polymers by pyrolysis of amorphous sucrose
JP3191170B2 (ja) * 1992-03-04 2001-07-23 生化学工業株式会社 新規エンドグリコセラミダーゼ
FR2700953B1 (fr) * 1993-01-29 1995-03-03 Sederma Sa Utilisation de certaines souches de microorganismes comme nouvelle source de céramides et de sphingolipides pour usage cosmétique.
ATE155771T1 (de) * 1993-10-04 1997-08-15 Quest Int Verfahren zur herstellung von ceramiden
WO1995016665A1 (en) * 1993-12-17 1995-06-22 Unilever Plc Synthetic ceramides and their use in cosmetic compositions
JPH08217658A (ja) * 1995-02-15 1996-08-27 Kanebo Ltd セラミド合成促進剤
US5532141A (en) * 1995-06-13 1996-07-02 Holler; Larry D. Process for obtaining ganglioside lipids

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
社団法人日本生化学会編集、「新生化学実験講座 4 脂質▲II▼リン脂質」第1版、株式会社東京化学同人、1991年5月15日、P.198−203

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08294395A (ja) 1996-11-12
CA2170322C (en) 2000-12-26
AU681319B2 (en) 1997-08-21
AU4571096A (en) 1996-09-26
CA2170322A1 (en) 1996-08-29
US5912152A (en) 1999-06-15
EP0730032A3 (en) 1998-03-04
EP0730032A2 (en) 1996-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3122333B2 (ja) 赤血球を原料とするスフィンゴミエリンおよびセラミドの新規製造方法とセラミド配合治療剤又は化粧品
Daemen Vertebrate rod outer segment membranes
JP4572003B2 (ja) 自然老化または老化亢進性(日光皮膚炎、汚染)の際の、瘢痕化、保湿化および皮膚外観改良用のペプチドの化粧品としてのまたは皮膚薬品としての使用
CN1143668C (zh) 抗坏血酸基-磷酰基-胆固醇
Nordlund et al. Recent investigations on vitiligo vulgaris
Kawai et al. Various kinds of lipoamino acids including a novel serine‐containing lipid in an opportunistic pathogen Flavobacterium: Their structures and biological activities on erythrocytes
JP5489439B2 (ja) プラズマローゲン型リン脂質及びスフィンゴ脂質の製造方法
JP2964183B2 (ja) 皮膚外用剤
EP0088542A2 (en) Skin treatment composition
KR20150140833A (ko) 락토바실러스 펜토수스의 미용학적 및 약제학적 용도
JPH0231046B2 (ja)
FR2682596A1 (fr) Matiere cosmetique obtenue a partir d'un bouillon de fermentation d'acide lactique.
CN1440272A (zh) 含支链醇和/或其乙氧基化物的磷酸酯(酯盐)和/或硫酸酯(酯盐)的护肤化妆品组合物
EP0179324A2 (fr) Composition anti-bactérienne
US20080260675A1 (en) Depolymerized Scleroglucan for Regulating and Improving the Moisture Content of the Skin
JPH06312922A (ja) 美白剤
Levene et al. Structure and significance of the phosphatides
JP3703904B2 (ja) 皮膚保湿剤
JP3493459B2 (ja) 皮膚外用剤
JP2001172155A (ja) 皮膚外用剤
JP3220275B2 (ja) しわ改善剤
JP2884213B2 (ja) 細胞膜老化改善剤
JPH05163153A (ja) スフィンゴ脂質組成物
JPH07265089A (ja) 魚介類からのセラミドの製造方法
JP2000026271A (ja) 表皮のタ―ンオ―バ―亢進抑制剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees