JP3191170B2 - 新規エンドグリコセラミダーゼ - Google Patents

新規エンドグリコセラミダーゼ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基質特異性の広い新規な
エンドクリコセラミダーゼに関するものである。このよ
うな酵素は、近年、生体内での重要性が注目されている
糖脂質の構造や機能を解明する上で有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、スフィンゴ糖脂質に作用してオリ
ゴ糖とセラミドを生成する微生物由来のエンドグリコセ
ラミダーゼとしては、ロドコッカス属に属する微生物が
生産する酵素(特開昭62−122587号公報参照)
とコリネバクテリウム属に属する微生物が生産する酵素
(生化学,第63巻,第8号,第796頁(1991
年)参照)が知られている。
【0003】前者には、オリゴ糖鎖中のグルコースが直
接セラミドと結合しているスフィンゴ糖脂質の、グルコ
ースとセラミドとの結合を特異的に切断してオリゴ糖を
生成するがグルコースのような単糖とセラミドとが結合
したセレブロシドは分解しない酵素(分子量 約23万
(ゲルロ過),至適pH 6.0,安定pH 5〜9,
作用最適温度 37℃)及びオリゴ糖鎖中のガラクトー
スが直接セラミドと結合しているスフィンゴ糖脂質の、
ガラクトースとセラミドとの結合を特異的に切断してオ
リゴ糖を生成するがガラクトースのような単糖とセラミ
ドとが結合したセレブロシドは分解しない酵素(分子量
約16万(ゲルロ過),至適pH 5.0,安定pH
5〜9,作用最適温度 37℃)が含まれる。
【0004】また、後者には、ガングリオ系及びラクト
系のスフィンゴ糖脂質には良く作用するが、グロボ系の
スフィンゴ糖脂質には作用しにくく、単糖とセラミドと
が結合したセレブロシドは分解しない二種類の酵素(分
子量 約65000のサブユニットで構成される菌体内
酵素および分子量 約31000のサブユニットで構成
される菌体外酵素)が含まれる。
【0005】また、ロドコッカス属に属する微生物で、
上記とは異なる変異株が生産する、スフィンゴ糖脂質に
作用してオリゴ糖とセラミドを生成する酵素である2種
類のエンドグリコセラミダーゼが、特開平1−3096
77号公報に提示されているが、一方は、糖鎖中のグル
コースが直接セラミドと結合しているスフィンゴ糖脂質
の、グルコースとセラミドとの結合を特異的に切断して
オリゴ糖を生成するがグルコースのような単糖とセラミ
ドとが結合したセレブロシドは分解しない酵素(分子量
55,900(SDS−PAGE),至適pH 5〜
5.5,安定pH 5〜9,作用最適温度 37℃)で
あり、他方はオリゴ糖鎖中のガラクトースが直接セラミ
ドと結合しているスフィンゴ糖脂質の、ガラクトースと
セラミドとの結合を特異的に切断してオリゴ糖を生成す
るがガラクトースのような単糖とセラミドとが結合した
セレブロシドは分解しない酵素(分子量 53,700
(SDS−PAGE),至適pH 5〜5.5,安定p
H 5〜9,作用最適温度37℃)であり、いずれも単
糖とセラミドとが結合したセレブロシドには作用しない
酵素である。
【0006】即ち、従来知られているエンドグリコセラ
ミダーゼは、いずれも単糖とセラミドとが結合したセレ
ブロシドには作用しない酵素である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
知られている公知のエンドグリコセラミダーゼより基質
特異性の広い酵素、特にグロボ系のスフィンゴ糖脂質お
よび単糖とセラミドとが結合したセレブロシドにも良く
作用するエンドグリコセラミダーゼを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スフィンゴ糖
脂質に作用し、糖とセラミドの結合を加水分解してオリ
ゴ糖または単糖とセラミドとを生成する新規なエンドグ
リコセラミダーゼを提供するものである。
【0009】即ち、本発明である新規エンドグリコセラ
ミダーゼは、ガングリオ系、グロボ系およびラクト系の
スフィンゴ糖脂質ならびに単糖とセラミドが結合したセ
レブロシドに作用して分解するが、スルファチドには実
質的に作用しないとともに、至適温度が40〜44℃で
ある基質特異性を有する。
【0010】以下に本発明を詳しく説明する。本発明の
エンドグリコセラミダーゼ(以下、「本発明酵素」とい
うこともある)の製造方法は限定されない。例えば、静
岡県下のタケノコの皮に由来し、ガングリオシド(GM
1a)を唯一の炭素源とする集積培地で培養し、ガング
リオシドの消滅によって酵素生産性を判定することによ
ってスクリーニングし、分離されたグラム陽性の短桿菌
であるNo.363−2−1株を培養し、その培養物か
ら採取することができる。尚、このNo.363−2−
1株は平成4年2月25日に工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託され、微生物受託番号、微工研菌寄第12
793号(FERM P−12793)として受託され
ている。
【0011】本発明酵素は、該酵素を生産する微生物を
適当な培地に接種して培養し、培養後の培養物(液体培
養の時は培養液)から菌体を分離除去し(遠心分離、凝
集分離、濾過など)、次いで一般的な酵素の分離精製法
(例、「入門酵素化学」、昭和48年7月1日、(株)
南江堂発行 参照)を適用することによって必要とされ
る精製度の酵素標品として採取される。
【0012】本発明酵素生産微生物の培養は、該菌が資
化可能な炭素源(牛脳アセトン粉末、精製スフィンゴ糖
脂質、グルコース、澱粉など)、窒素源(酵母エキス、
ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、大豆粕
などの有機窒素源;塩酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、尿素、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源)、無機
塩(鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリ
ウムなどの硫酸塩、リン酸塩、塩酸塩など)、必要に応
じて界面活性剤などを含む培地中で好気的な培養法(振
盪培養、通気攪拌培養など)によって生育に適した温度
で数時間〜数日間培養することによって培地中に酵素を
生産させることができる。
【0013】菌体を分離除去した液体培養後の培養液か
ら、例えば硫酸アンモニウム(硫安)、硫酸ナトリウム
等による塩析;透析;エタノール、アセトン、イソプロ
パノール、テトラヒドロフラン等の有機溶媒による沈澱
法;ヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)
等による吸着クロマトグラフ法;ジエチルアミノエチル
(DEAE)基、トリエチルアミノエチル基等の交換基
を有する陰イオン交換体等によるイオン交換クロマトグ
ラフ法;アフィニティークロマトグラフ法;ゲル濾過ク
ロマトグラフ法;分子ふるい膜等による限外濾過法;電
気泳動法など公知の酵素精製法によって目的とする精製
度の酵素標品を得ることができる。
【0014】尚、以下の測定において酵素反応は、基本
的には以下の反応系を用いて行なった。
【0015】〔基本反応系〕 反応液(全量200μl) 基質:20nmol GM1a(ガングリオシド;シグ
マ社製) 酵素溶液:精製酵素25μl 緩衝液:酢酸緩衝液(反応液中:50mM、pH6.
5) 界面活性剤:トリトン(Triton) X−100
(反応液中0.1%;和光純薬工業株式会社)) 反応温度:37℃ 反応時間:2時間 活性測定法:還元基定量法
【0016】本発明酵素の酵素活性は、以下の方法によ
って測定することができる。 (a)還元基定量法 適量の酵素を含む前記酵素反応液を用いて37℃で2時
間反応後、シアン化炭素溶液1mlを添加して反応を停
止させ、これに蒸留水2.8mlを加える。次に、この
溶液についてパーク・ジョンソン(Park−John
son)法(J,Biol.Chem.181,149
(1949))に従って遊離還元基を定量する。遊離還
元基は、690nmにおける吸光度を測定し、これをグ
ルコース相当量として計算する。尚、酵素活性の1単位
(ユニット(U))は、1分間に1μモルの還元基を遊
離する酵素量とした。
【0017】 (b)薄層クロマトグラフィー(TLC)法 適量の酵素を含む前記酵素反応液(但し、酵素溶液:8
5μl)を用いて37℃で48時間反応後、20μlを
シリカゲル薄層ブレートにスポットし、これをクロロフ
ォルム:メタノール:水(55:45:10,V/V)
の溶媒系で展開する。糖脂質の発色は、ガングリオシド
についてはレゾシノール塩酸試薬を用いて行ない、グロ
ボシド、ラクトシルセラミド、セレブロシドならびにス
ルファチドについては50%硫酸試薬を用いて行なう。
糖脂質の分解率は、酵素無添加の反応系における糖脂質
のスポットを対照にしてデンシトメーターで求める。
【0018】〔理化学的性質〕次に本発明酵素の理化学
的性質を示す。測定は実施例で得られた精製酵素を用い
て行なった。
【0019】(1) 作 用 スフィンゴ糖脂質に作用し、糖とセラミドの結合を加水
分解してオリゴ糖または単糖とセラミドを生成する。
【0020】(2) 基質特異性 ガングリオ系、グロボ系、ラクト系のスフィンゴ糖脂質
および単糖とセラミドが結合したセレブロシドに作用し
て分解するが、スルファチドには実質的に作用しない。
【0021】即ち、基質として20nmolのガングリ
オ系スフィンゴ糖脂質(GM1a,GM2,GM3,G
D1a,GD1b,GD3,GT1b)、グロボ系スフ
ィンゴ糖脂質(Gb4Cer,Gb5Cer)、ラクト
系スフィンゴ糖脂質(ラクトシルセラミド)のスフィン
ゴ糖脂質および単糖とセラミドが結合したセレブロシド
(ガラクトセレブロシド、グルコセレブロシド)ならび
にスルファチドをそれぞれ含む反応液を用いて前記〔基
本反応系〕に準じて(但し、酵素溶液,85μl)反応
させ、反応時間2時間のものを還元基定量法により、反
応時間48時間のものを薄層クロマトグラフィー(TL
C)法で酵素活性(分解速度と加水分解率)を測定した
ところ、表1に示すようにガングリオ系、グロボ系,ラ
クト系のスフィンゴ糖脂質および単糖とセラミドが結合
したセレブロシド(ガラクトセレブロシド、グルコセレ
ブロシド)に作用して48時間後には100%分解する
が、スルファチドには実質的に作用しないことが判明し
た。
【0022】また、2時間反応では48時間反応と同様
にスルファチド以外のスフィンゴ糖脂質に作用したが、
その種類によって加水分解の速度に差があり、GM1a
が最も速く、次いでGM2が速かった。
【0023】
【表1】
【0024】このように、本発明酵素は従来のエンドグ
リコセラミダーゼに比べて基質特異性が広く、殊に、従
来のエンドグリコセラミダーゼがグルコース、ガラクト
ースなどの単糖とセラミドとが結合したセレブロシドに
は作用しないのに対して、セレブロシドに作用して分解
するものであり、この点において従来の酵素と区別され
る。
【0025】(3) 至適pH 本発明酵素について、緩衝液として、50mM酢酸緩衝
液を用いてpH 4.5〜7.5の各pHで反応を行っ
たほかは前記〔基本反応系〕に従って酵素反応を行ない
酵素活性を測定したしたところ、図1に示すように本発
明酵素はpH6.0〜7.0において好適に作用し、最
も好適に作用するのはpH 6.5付近であった。
【0026】(4) 安定pH範囲 本発明酵素溶液に所定のpHになるように各pHに調整
した200mMの緩衝液(酢酸緩衝液、トリス−塩酸緩
衝液、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液)を
等量加え、4℃で27時間放置した後、0.1%のトリ
トン X−100を含む50mM酢酸緩衝液(pH
6.5)に対して透析し、これを前記〔基本反応系〕に
従って酵素反応を行ない、酵素活性を測定した。その結
果、図2に示すように本発明酵素はpH 6.0〜9.
0で安定であった。
【0027】(5) 至適温度 本発明酵素について、反応温度を30〜47℃の所定温
度としたほかは前記〔基本反応系〕に従って酵素反応を
行ない酵素活性を測定したしたところ、図3に示すよう
に本発明酵素は40〜44℃において好適に作用し、最
も好適に作用するのは42℃付近であった。
【0028】(6) 熱安定性 本発明酵素溶液に50mMの酢酸緩衝液(pH 6.
5)を加え、0〜60℃の所定温度で15分間静置した
後、前記〔基本反応系〕に従って酵素反応を行ない残存
活性を調べたところ、図4に示すように、40℃以下の
温度での処理では完全に活性を保持し、55℃の処理で
無処理の約50%の残存活性があることが判明した。
【0029】(7) 阻害および活性化 本発明酵素について、無機イオンおよび酵素阻害剤(無
機イオンの場合にはその塩として)を反応液に添加し、
前記〔基本反応系〕に従って酵素反応を行ない酵素阻害
剤の影響を調べた。調べた結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から本発明酵素の反応はHg2+、Zn
2+またはAg+によって阻害され、Ba2+またはMg2+
によって活性化されること、また、PCMB(P−クロ
ロメルクリ安息香酸)およびEDTA(エチレンジアミ
ン四酢酸)の添加は酵素活性に殆ど影響を与えないこと
が判明した。
【0032】(8) 界面活性剤の影響 前記〔基本反応系〕からトリトンX−100を除いた反
応液に下記表3に示す各種界面活性剤を0.2%となる
ように添加し、前記〔基本反応系〕に従って反応を行な
い酵素活性を測定した。結果を表3に示す。
【0033】尚、表3中、Tween(トゥイーン)2
0は半井化学薬品株式会社の製品であり、Brij(ブ
リジ)は花王アトラス株式会社の製品である。また、S
DSはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0034】
【表3】
【0035】表3から本発明酵素の反応が0.2%の各
種界面活性剤の添加により阻害されることが判明した。
【0036】更に、界面活性剤の内、トリトン X−1
00について濃度を0〜1.0%の各濃度に調整して前
記各種界面活性剤と同様に酵素活性を測定したところ、
図5に示すようにトリトン X−100を0.1%添加
した場合には僅かに酵素活性が増加するが、0.2%以
上になると活性増加は見られず、逆に阻害的に作用する
ことが判明した。
【0037】尚、従来のエンドグリコセラミダーゼは界
面活性剤(タウロデオキシコール酸ナトリウムなど)の
添加によって酵素活性が顕著に増大することが知られて
いるが(特開昭62−122587号および特開平1−
309677号公報参照)、本発明酵素は比較的高濃度
の界面活性剤の添加によって活性が阻害される点で従来
の酵素と区別される。
【0038】(9) 分子量 本発明酵素について、ゲルロ過法(スーパーロース(S
uperose)12カラム(ファルマシア社製)使用
の高速液体クロマトグラフィー;流速0.4ml/分)
により分子量を調べたところ、約95,000であり、
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(レディーゲル(バ
イオ・ラッド社製);200V定電流)で調べたとこ
ろ、約90,000であった。
【0039】(10) 等電点 本発明酵素について、等電点(pI)を等電点電気泳動
法(アンホライト等電点電気泳動法カラム(LKB社
製);400V定電流、72時間泳動)によって求めた
ところ、pIは4.05であった。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、この実施例は本発明の一例を示すものであり、こ
れに限定されるものではない。
【0041】牛脳アセトン粉末(シグマ社製)1.0
%,ペプトン0.5%,酵母エキス0.1%,塩化ナト
リウム0.2%,pH 7.0からなる生産培地を5l
の三角フラスコに1000ml分注し、オートクレイブ
した。No.363−2−1株を接種した後、ロータリ
ーシェイカーを用いて、30℃で4日間振盪培養した。
【0042】遠心分離(9000rpm,10分)した
培養液の上清(培養上清;890ml)を冷却して、8
0%飽和になるまで硫安を加え、4℃で一晩放置した
後、沈殿物をロ紙を用いてロ過し、ロ紙上の沈殿物を適
量の緩衝液A(0.1%のトリトンX−100を含む5
0mM酢酸緩衝液、pH 6.5)に溶解し、緩衝液A
に対して、4℃で二晩透析した。
【0043】次に、前記透析液(45ml)を限外ロ過
器(東洋ロ紙社製、UHP−25)で10mlまで濃縮
し、その全量をセファデックス(Sephadex)G
−100(ファルマシァ社製)のカラム(1.8×60
cm)に充填し、流速10ml/時間で酵素を溶出させ
た。
【0044】溶出させた活性画分(84ml)を、DE
AE−セファロース(Sepharose)CL−6B
(ファルマシァ社製)カラム(1.8×10cm)に吸
着させ、流速10ml/時間で酵素を0〜0.5M塩化
ナトリウムの直線的濃度勾配で溶出させた。
【0045】更に、溶出させた活性画分(41ml)を
限外ロ過器で12mlまで濃縮した後、その全量を11
0mlのアンホライト等電点電気泳動カラム(LKB社
製)に充填し、2℃、定電流(400V)で72時間泳
動させた。泳動後、2mlずつを分画し、pHを測定
し、各画分を前記緩衝液Aを用いて48時間透析した
後、酵素活性を測定した。
【0046】そして、活性画分(8ml)を限外ロ過器
で2mlまで濃縮して精製酵素溶液を得た。
【0047】得られた精製酵素についての各精製段階毎
に酵素活性、蛋白量、収率などを表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明によると、従来知られている公知
のエンドグリコセラミダーゼに比べて基質特異性が広
く、殊に、従来のエンドグリコセラミダーゼがグルコー
ス、ガラクトースなどの単糖とセラミドとが結合したセ
レブロシドには作用しないのに対して、セレブロシドに
作用して分解するものであり、この点において従来の酵
素と区別され、糖脂質の糖鎖の構造や機能の解析などの
研究に有用な試薬などへの活用が期待される。
【0050】また、従来のエンドグリコセラミダーゼと
異なり比較的高濃度の界面活性剤の添加によって活性が
阻害されるなど従来の酵素と区別される新規な性質を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明酵素の至適pHを示すpH−酵素活性曲
線である。
【図2】本発明酵素の安定pHを示すpH−酵素活性曲
線である。
【図3】本発明酵素の至適温度を示す温度−酵素活性曲
線である。
【図4】本発明酵素の安定温度範囲を示す温度−残存活
性曲線である。
【図5】本発明酵素へのトリトン X−100の影響を
示す添加濃度−酵素活性曲線である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スフィンゴ糖脂質に作用し、糖とセラミ
    ドの結合を加水分解してオリゴ糖または単糖とセラミド
    とを生成する新規エンドグリコセラミダーゼであって、
    ガングリオ系、グロボ系およびラクト系のスフィンゴ糖
    脂質ならびに単糖とセラミドが結合したセレブロシドに
    作用して分解するが、スルファチドには実質的に作用し
    ないとともに、至適温度が40〜44℃であることを特
    徴とする新規エンドグリコセラミダーゼ。
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